JP2000349374A - 光ファイバ増幅器 - Google Patents

光ファイバ増幅器

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JP2000349374A
JP2000349374A JP11161633A JP16163399A JP2000349374A JP 2000349374 A JP2000349374 A JP 2000349374A JP 11161633 A JP11161633 A JP 11161633A JP 16163399 A JP16163399 A JP 16163399A JP 2000349374 A JP2000349374 A JP 2000349374A
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optical fiber
power
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wavelength
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Naomasa Shimojo
直政 下條
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、1つの光ファイバ増幅器で出力光
の利得傾斜およびパワーを制御することができる光ファ
イバ増幅器を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、希土類元素添加光ファイバ1
を吸収波長帯域内の光を発振する第1および第2励起光
源2、3で励起させ入力光を増幅する。そして、出力光
の一部を第1波長の光を透過させる第1帯域通過光フィ
ルタ4を介してパワーを第1検出手段6で検出し、出力
光の一部を第2波長の光を透過させる第2帯域通過光フ
ィルタ5を介してパワーを第2検出手段7で検出する。
これら検出手段の出力差の有無が利得傾斜の有無に相当
するから、第1制御手段9は、出力差に応じて、第1励
起光源2の重心波長を調節し利得傾斜を制御する。さら
に、第2制御手段10は、出力光の一部を受光しパワー
を検出する第3検出手段8からの出力に応じて、第2励
起光源3の出力を調節し出力光のパワーを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類元素をレー
ザ活性元素とする光ファイバ増幅器において、複数の励
起光源からの励起光を各々調節することにより、1つの
光ファイバ増幅器で利得傾斜およびパワーを制御するこ
とができる光ファイバ増幅器に関する。将来のマルチメ
ディアネットワークの構築を目指し、超長距離でかつ大
容量の光通信装置が要求されている。この大容量化を実
現する方式として、波長分割多重(wavelength-divisio
n multiplexing、以下、「WDM」と略記する。)方式
が、光ファイバの広帯域・大容量性を有効利用できるな
どの有利な点から研究開発が進められている。特に、大
洋を横断する海底ケーブルなどの超長距離光伝送システ
ムでは、WDM方式光信号が超長距離光伝送を行う間に
減衰してしまうことからWDM方式光信号を増幅して中
継する必要がある。このような光ファイバ増幅器とし
て、従来の3R(reshaping、retiming、regeneratin
g)機能を持つ中継器と比較して、伝送速度の非依存
性、中継器の簡素化可能、WDM方式光信号をそのまま
増幅可能などの有利な点を有することから、光ファイバ
増幅器の研究・開発が盛んである。
【0002】
【従来の技術】従来、希土類元素をレーザ活性元素とす
る光ファイバ増幅器として、図6に示す光ファイバ増幅
器が一般に知られている。例えば、「光増幅器とその応
用」(石尾秀樹監修、オーム社、平成4年5月30日発
行)99頁ないし125頁に開示されている。
【0003】図6は、従来の光ファイバ増幅器の構成を
示す図である。図6において、LD駆動回路100は、
レーザダイオード(laser diode 、以下、「LD」と略
記する。)101に駆動電流を供給する。LD101
は、この駆動電流によって波長1480nm帯域のレー
ザ光を多モード発振し、このレーザ光は、2×1カプラ
102に入射される。
【0004】カプラ102は、LD101からのレーザ
光とWDM方式光信号とを合波し、合波された光は、エ
ルビウム添加光ファイバ(erbium doped fiber、以下、
「EDF」と略記する。)103に入射される。エルビ
ウム元素は、ランタノイドの希土類元素の1つで、元素
記号Er、原子番号68である。ランタノイドに属する
元素は、互いに性質が類似している。
【0005】EDF103は、LD101からの励起光
を吸収することによりEDF103内の電子が励起され
反転分布を形成する。この反転分布を形成した状態でW
DM方式光信号が入射するとこのWDM方式光信号に誘
導されて誘導放射が起こり、WDM方式光信号が増幅さ
れる。増幅されたWDM方式光信号は、一方向にのみ光
を透過するアイソレータ(Isolator、以下、「ISO」
と略記する。)104に入射し、ISO104から射出
され、増幅されたWDM方式光信号として出力される。
ここで、ISO104をEDFの下流側(光信号が伝送
していく方向)に接続するのは、光ファイバ増幅器に対
して下流側の光部品における接続箇所などで反射した戻
り光によりEDFが自励発振するのを防止するためであ
る。
【0006】図7(a)は、光ファイバ増幅器でWDM
方式光信号を増幅した場合を示す図である。図7(b)
は、利得傾斜のあるWDM方式光信号にパワーの等化を
行った場合を示す図である。図7(a)および(b)の
縦軸は、光ファイバ増幅器の出力パワーであり、横軸
は、波長である。また、WDM方式光信号として5波
(波長λ1〜λ5)を多重した場合である。
【0007】光ファイバ増幅器は、一般に、希土類元素
を添加した光ファイバの波長特性から、利得波長特性が
波長に対して一定ではなく波長依存性を有する。この波
長に対する利得の変化を光ファイバ増幅器の利得傾斜と
いう。光ファイバ増幅器で増幅したWDM方式光信号
は、光ファイバ増幅器にこの利得傾斜が存在しかつWD
M方式光信号が波長の異なる光を多重する方式であるた
め、図7(a)に示すように、その最短波長のチャネル
における光信号のパワーとその最長波長のチャネルにお
ける光信号のパワーとに差が生じてしまう。このWDM
方式光信号の光信号のパワーの差が、WDM方式光信号
の利得傾斜である。
【0008】この光ファイバ増幅器の利得傾斜は、中継
器の段数に従って累積するため、多段中継を行うとWD
M方式光信号の利得傾斜の勾配も急になる。WDM方式
光信号の各チャネル間における光信号のパワーに大きな
偏差が生じると、各チャネルごとに光信号レベルダイヤ
グラムが大きく異なることになるから、光通信システム
を構築する上で問題となる。
【0009】一方、多段中継後に受信局または中継局で
WDM方式光信号の処理を行うために光信号のパワーの
等化を行うと、図7(b)に示すようにWDM方式光信
号の光信号対雑音比(signal to noise ratio 、以下、
「SNR」と略記する。)が劣化することになる。
【0010】そこで、WDM方式光信号の利得傾斜を無
くすために、光ファイバ増幅器の利得波長特性がEDF
に入射する励起光のパワーによって変化することに着目
して、従来は、励起光のパワーを調節することによりW
DM方式光信号の帯域における光ファイバ増幅器の利得
傾斜を無くしていた。このため、LD駆動回路100が
供給する駆動電流を調節することにより、LD101の
出力光のパワーを調節し、WDM方式光信号の利得傾斜
を無くしていた。
【0011】一方、励起光源を冗長化構成とする光ファ
イバ増幅器として、図8に示す光ファイバ増幅器が、従
来、知られている。例えば、特開平9−97940号公
報に開示されている。図8は、従来の励起光源を冗長化
構成とする光ファイバ増幅器の構成を示す図である。
【0012】図8において、波長1480nm帯域のレ
ーザ光を多モード発振する各LD110-1、110-2か
ら射出されるレーザ光は、各々ファイバグレーティング
フィルタ(fiber bragg grating filter、以下、「FB
G」と略記する。)111-1、111-2に入射される。
FBG111-1、111-2は、各LD110-1、110
-2の多モード発振を単一モード発振に安定させるための
フィルタである。
【0013】各FBG111-1、111-2から射出され
たレーザ光は、ともに2×2カプラ115に入射され
る。カプラ115は、これらのレーザ光を合波して、さ
らに、合波したレーザ光を2つに分岐し、励起光として
射出する。カプラ115から射出された一方の励起光
は、上り方向光信号とカプラ116-1で合波された後に
EDF117-1に入射され、EDF117-1を励起する
ことにより上り光信号を増幅する。増幅された上り光信
号は、ISO118-1に入射され、増幅された上り方向
光信号の出力としてISO118-1から射出される。ま
た、カプラ115から射出された他方の励起光は、上述
と同様に、カプラ116-2、EDF117-2およびIS
O118-2を介して、増幅された下り方向光信号の出力
としてISO118-2から射出される。
【0014】このような構成の光ファイバ増幅器では、
EDF117-1、117-2を励起する励起光源は、LD
110-1およびLD110-2の2つ存在するので、一方
の励起光源、例えば、LD110-1が故障により発振を
停止した場合でも、他方の励起光源LD110-2からの
励起光により光信号を増幅することができる利点があ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の図6
に示す光ファイバ増幅器では、励起光源であるLD10
1の出力光のパワーを調節することにより、WDM方式
光信号の利得傾斜を制御している。したがって、光ファ
イバ増幅器の出力光のパワーを増加させるために、励起
光源であるLD101の出力光のパワーを増加させる
と、WDM方式光信号の利得傾斜が生じてしまうという
問題がある。すなわち、1つの光ファイバ増幅器では、
WDM方式光信号の利得傾斜の制御と光ファイバ増幅器
の出力光のパワーの制御とが両立しないという問題があ
る。
【0016】そして、上述の図8に示す励起光源を冗長
化構成とする光ファイバ増幅器では、光信号をWDM方
式とした場合に、上り方向光信号を増幅するEDF11
7-1と下り方向光信号を増幅するEDF117-2とに同
一の励起光を供給するため、上り方向光信号の利得傾斜
と下り方向光信号の利得傾斜とを個別に最適化できない
という問題がある。さらに、この光ファイバ増幅器で
は、前述と同様に、光信号の利得傾斜の制御と光ファイ
バ増幅器の出力光のパワーの制御とが両立しないという
問題がある。
【0017】そこで、請求項1、請求項2、請求項3お
よび請求項5に記載の発明では、1つの光ファイバ増幅
器で、WDM方式光信号の利得傾斜の制御と光ファイバ
増幅器の出力光のパワーの制御とを行うことができる光
ファイバ増幅器を提供することを目的とする。
【0018】また、請求項4および請求項5に記載の発
明では、上り方向光信号の利得傾斜と下り方向光信号の
利得傾斜とを個別に最適化することができるとともに、
光信号の利得傾斜の制御と光ファイバ増幅器の出力光の
パワーの制御とを行うことができる光ファイバ増幅器を
提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】以下、図面を用いて課題
を解決するための手段を説明する。
【0020】(請求項1)図1は、請求項1、請求項
2、請求項3および請求項5に記載の発明における双方
向励起の場合の原理構成を示す図である。なお、図1の
破線で示す第4検出手段11およびカプラ18は、請求
項2に記載の発明の構成を示している。図1において、
請求項1に記載の発明では、第1励起光源2は、後述す
る第1制御手段9からの制御信号に従って希土類元素に
おける吸収波長帯域内の波長の励起光を発振する。この
発振した励起光は、2×1カプラ15を介して光ファイ
バ1に入射され、希土類元素を添加した光ファイバ1を
励起させる。カプラ15は、第1励起光源2からの励起
光とこの光ファイバ増幅器で増幅されるべき入力光とを
合波する。
【0021】また、第2励起光源3は、後述する第2制
御手段10からの制御信号に従って希土類元素における
吸収波長帯域内の波長の励起光を発振する。この発振し
た励起光は、カプラ16を介して光ファイバ1に入射さ
れ、光ファイバ1を励起させる。カプラ16は、第2励
起光源3からの励起光を光ファイバ1に入射させる。こ
のような入力光を増幅する光ファイバ1の双方向から励
起光を入射させる方式を双方向励起(bidirectional pu
mping )という。
【0022】光ファイバ1で増幅された入力光は、カプ
ラ16を介して1×4カプラ17に入射され、カプラ1
7は、入射した光を4つに分岐する。分岐した光の1つ
は、増幅された出力光として射出される。分岐した光の
他の1つは、第1波長の光を透過させる第1帯域通過光
フィルタ4に入射される。分岐した光の他のもう1つ
は、第1波長と異なる第2波長の光を透過させる第2帯
域通過光フィルタ5に入射される。そして、分岐した光
の残余の1つは、光を受光しこの光のパワーを検出する
第3検出手段8に入射される。
【0023】第1帯域通過光フィルタ4を透過した光
は、光を受光し第1帯域通過光フィルタ4からの光のパ
ワーを検出する第1検出手段6に入射される。第2帯域
通過光フィルタ5を透過した光は、光を受光し第2帯域
通過光フィルタ4からの光のパワーを検出する第2検出
手段7に入射される。第1制御手段9は、第1検出手段
6からの出力と第2検出手段7からの出力との差に応じ
て第1励起光源2の重心波長を制御する。
【0024】第2制御手段10は、第3検出手段8から
の出力に応じて第2励起光源3の出力光のパワーを制御
する。ここで、双方向励起の場合における請求項1に記
載の発明の構成について説明したが、第1励起光源2お
よび第2励起光源3をともに前方向励起としてもよい。
あるいは、第1励起光源2および第2励起光源3をとも
に後方向励起としてもよい。前方向励起(forward pump
ing )とは、励起光の進行方向と入力光の進行方向とが
一致している場合をいい、後方向励起(backward pumpi
ng)とは、励起光の進行方向と入力光の進行方向とが逆
である場合をいう。
【0025】また、重心波長λc とは、
【数1】 によって示される波長をいう。なお、λj は、j番目の
波長、Pj は、j番目の波長における光電力、Nは、サ
ンプル数である。このような請求項1に記載の発明で
は、第1波長と第2波長とを出力光(増幅後の入力光)
の利得傾斜を無くしたい帯域における両端の波長に対し
帯域外の短波長側および長波長側(両端の波長を含
む。)にそれぞれ設定する。このように設定することに
より、第1検出手段6からの出力と第2検出手段7から
の出力との差の有無は、出力光の利得傾斜の有無に対応
する。このため、第1制御手段9は、出力光の利得傾斜
の有無に応じた制御信号を第1励起光源2に出力するこ
とができ、第1励起光源2の重心波長を制御することが
できる。重心波長は、例えば、第1励起光源2の温度を
変化させることにより制御する。重心波長を変化させる
と、光ファイバ増幅器の利得波長特性を変化させること
ができるので、第1帯域通過光フィルタ4、第2帯域通
過光フィルタ5、第1検出手段6、第2検出手段7およ
び第1制御手段9のフィードバックループにより、光フ
ァイバ増幅器から射出される出力光の利得傾斜を制御す
ることができる。
【0026】一方、第3検出手段8は、出力光のパワー
を検出する。このため、第2制御手段10は、第3検出
手段8の出力に応じて第2励起光源の出力光のパワーを
調節することにより、光ファイバ増幅器から射出される
出力光を所望のパワーに制御することができる。第2励
起光源の出力光のパワーの調節は、例えば、第2励起光
源の駆動電流を調節することで行う。よって、第3検出
手段8および第2制御手段10のフィードバックループ
により、光ファイバ増幅器から射出される出力光のパワ
ーを制御することができる。
【0027】このように請求項1に記載の発明では、光
ファイバ増幅器の利得傾斜と出力光のパワーとを制御す
ることができる。 (請求項2)図1において、請求項2に記載の発明で
は、請求項1に記載の光ファイバ増幅器おいて、光ファ
イバ1で増幅されるべき入力光を受光しこの光のパワー
を検出する第4検出手段11をさらに備え、第2制御手
段10は、第3検出手段8からの出力と第4検出手段1
1からの出力との比率に応じて第2励起光源3の出力光
のパワーを制御する制御手段にすることで構成する。第
4検出手段11に入射される入力光は、1×2カプラ1
8で入力光を分岐させて得る。
【0028】このような請求項2に記載の発明では、第
2制御手段10は、入力光のパワーと出力光のパワーと
の比率に応じて、この比率が一定となるように第2励起
光源3の出力光のパワーを制御するので、光ファイバ増
幅器の利得を一定にすることが容易にできる。 (請求項3)図1において、請求項3に記載の発明で
は、請求項1または請求項2に記載の光ファイバ増幅器
において、第1励起光源2は、希土類元素における第1
吸収波長帯域内の波長の励起光を発振し、第2励起光源
3は、希土類元素における、第1吸収波長帯域とは異な
る第2吸収波長帯域内の波長の励起光を発振することで
構成する。
【0029】希土類元素を添加した光ファイバの利得波
長特性は、希土類元素の吸収波長帯域によって相違す
る。このため、第1励起光源2の発振波長を光ファイバ
増幅器の利得傾斜を制御することに適した波長にし、第
2励起光源3の発振波長を光ファイバ増幅器の出力光の
パワーを制御することに適した波長にする。このような
請求項2に記載の発明では、光ファイバ増幅器の利得傾
斜と出力光のパワーとを制御することにおいて、制御範
囲を広げ、あるいは、応答特性を改善することができ
る。
【0030】(請求項4)図2は、請求項4および請求
項5に記載の発明における双方向励起の場合の原理構成
を示す図である。図2において、請求項4に記載の発明
では、第1励起光源20は、希土類元素における第1吸
収波長帯域内の波長の光を一定のパワーで射出する。第
1励起光源20から射出された光は第1分岐手段22に
入射され、第1分岐手段22は、この入射された光を2
つに分岐する。また、第2励起光源21は、希土類元素
における第1吸収波長帯域とは異なる第2吸収波長帯域
内の波長の光を一定のパワーで射出する。第2励起光源
21から射出された光は第2分岐手段23に入射され、
第2分岐手段23は、この入射された光を2つに分岐す
る。
【0031】第1分岐手段22で分岐した一方の光は、
第1調節手段31に入射される。第1調節手段31は、
後述する上り方向用検出部における第1検出手段28-1
からの出力と第2検出手段29-1からの出力との差に応
じて入射した第1分岐手段22からの光のパワーを調節
して射出する。第1調節手段31から射出された光は、
2×1カプラ40を介して希土類元素を添加した第1光
ファイバ24に入射され、希土類元素を励起させる。カ
プラ40は、第1調節手段31からの励起光とこの光フ
ァイバ増幅器で増幅されるべき上り方向入力光とを合波
する。
【0032】また、第2分岐手段23で分岐した一方の
光は、第2調節手段32に入射される。第2調節手段3
2は、後述する上り方向用検出部における第3検出手段
30-1からの出力に応じて入射した第2分岐手段23か
らの光のパワーを調節して射出する。第2調節手段32
から射出された光は、カプラ41を介して第1光ファイ
バ24に入射され、希土類元素を励起させる。カプラ4
1は、第2分岐手段23からの励起光を第1光ファイバ
24に入射する。
【0033】一方、第1分岐手段22で分岐した他方の
光は、第3調節手段33に入射される。第3調節手段3
3は、後述する下り方向用検出部における第1検出手段
28-2からの出力と第2検出手段29-2からの出力との
差に応じて入射した第1分岐手段22からの光のパワー
を調節して射出する。第3調節手段33から射出された
光は、2×1カプラ43を介して希土類元素を添加した
第2光ファイバ25に入射され、希土類元素を励起させ
る。カプラ43は、第3調節手段33からの励起光とこ
の光ファイバ増幅器で増幅されるべき下り方向入力光と
を合波する。
【0034】また、第2分岐手段23で分岐した他方の
光は、第4調節手段34に入射される。第4調節手段3
4は、後述する下り方向用検出部における第3検出手段
30-2からの出力に応じて入射した第2分岐手段23か
らの光のパワーを調節して射出する。第4調節手段34
から射出された光は、カプラ44を介して第2光ファイ
バ25に入射され、希土類元素を励起させる。カプラ4
4は、第2分岐手段23からの励起光を第2光ファイバ
25に入射させる。
【0035】第1光ファイバ24で増幅された入力光
は、カプラ41を介して1×4カプラ42に入射され、
カプラ42は、入射した光を4つに分岐する。分岐した
光の1つは、増幅された上り方向出力光として射出され
る。分岐した光の他の1つは、第1波長の光を透過させ
る第1帯域通過光フィルタ26-1に入射される。分岐し
た光の他のもう1つは、第1波長と異なる第2波長の光
を透過させる第2帯域通過光フィルタ27-1に入射され
る。そして、分岐した光の残余の1つは、光を受光しこ
の光のパワーを検出する第3検出手段30-1に入射され
る。
【0036】第1帯域通過光フィルタ26-1を透過した
光は、光を受光し第1帯域通過光フィルタ26-1からの
光のパワーを検出する第1検出手段28-1に入射され
る。第2帯域通過光フィルタ27-1を透過した光は、光
を受光し第2帯域通過光フィルタ27-1からの光のパワ
ーを検出する第2検出手段29-1に入射される。第1調
節手段31は、この上り方向用検出部における第1検出
手段28-1からの出力と第2検出手段29-1からの出力
との差に応じて、第1分岐手段22からの光のパワーを
調節して射出する。
【0037】第2調節手段32は、この上り方向用検出
部における第3検出手段30-1からの出力に応じて第2
分岐手段23からの出力パワーを調節して射出する。ま
た、第2光ファイバ25で増幅された入力光は、カプラ
44を介して1×4カプラ45に入射され、カプラ45
は、入射した光を4つに分岐する。分岐した光の1つ
は、増幅された下り方向出力光として射出される。分岐
した光の他の1つは、第1波長の光を透過させる第1帯
域通過光フィルタ26-2に入射される。分岐した光の他
のもう1つは、第1波長と異なる第2波長の光を透過さ
せる第2帯域通過光フィルタ27-2に入射される。そし
て、分岐した光の残余の1つは、光を受光しこの光のパ
ワーを検出する第3検出手段30-2に入射される。
【0038】第1帯域通過光フィルタ26-2を透過した
光は、光を受光し第1帯域通過光フィルタ26-2からの
光のパワーを検出する第1検出手段28-2に入射され
る。第2帯域通過光フィルタ27-2を透過した光は、光
を受光し第2帯域通過光フィルタ27-2からの光のパワ
ーを検出する第2検出手段29-2に入射される。第3調
節手段33は、この下り方向用検出部における第1検出
手段28-2からの出力と第2検出手段29-2からの出力
との差に応じて、第1分岐手段22からの光のパワーを
調節して射出する。
【0039】第4調節手段34は、この下り方向用検出
部における第3検出手段30-2からの出力に応じて第2
分岐手段23からの出力パワーを調節して射出する。こ
こで、双方向励起の場合における請求項4に記載の発明
の構成について説明したが、第1励起光源20および第
2励起光源21をともに前方向励起としてもよい。ある
いは、第1励起光源2および第2励起光源3をともに後
方向励起としてもよい。
【0040】このような請求項4に記載の発明では、上
り方向用検出部において、第3波長と第4波長とを上り
方向出力光(増幅後の上り方向入力光)の利得傾斜を無
くしたい帯域における両端の波長に対し帯域外の短波長
側および長波長側(両端の波長を含む。)にそれぞれ設
定する。このように設定することにより、第1検出手段
28-1からの出力と第2検出手段29-1からの出力との
差の有無は、上り方向出力光の利得傾斜の有無に対応す
る。このため、第1調節手段31は、上り方向出力光の
利得傾斜の有無に応じ、第1光ファイバ24を励起する
第1励起光源20による励起光のパワーを制御すること
ができる。一般に希土類元素添加光ファイバは、励起光
のパワーを変化させると利得波長特性が変化するので、
第1帯域通過光フィルタ26-1、第2帯域通過光フィル
タ27-1、第1検出手段28-1、第2検出手段29-1お
よび第1調節手段31のフィードバックループにより、
光ファイバ増幅器から射出される上り方向出力光の利得
傾斜を制御することができる。
【0041】一方、第3検出手段30-1は、上り方向出
力光のパワーを検出する。このため、第2調節手段32
は、第3検出手段30-1の出力に応じて第1光ファイバ
24を励起する第2励起光源21による励起光のパワー
を制御することができる。第1光ファイバ24の励起光
のパワーを調節することにより、光ファイバ増幅器から
射出される上り方向出力光を所望のパワーに制御するこ
とができる。よって、第3検出手段30-1および第2調
節手段32のフィードバックループにより、光ファイバ
増幅器から射出される上り方向出力光のパワーを制御す
ることができる。
【0042】このように上り方向入力光に対し利得傾斜
とパワーとを制御することができる。一方、下り方向用
検出部において、第3波長と第4波長とを上述の上り方
向と同様にそれぞれ設定する。このように設定すること
により、第1検出手段28-2からの出力と第2検出手段
29-2からの出力との差の有無は、下り方向出力光の利
得傾斜の有無に対応する。このため、第3調節手段33
は、下り方向出力光の利得傾斜の有無に応じて、第2光
ファイバ25を励起する第1励起光源20による励起光
のパワーを制御することができる。このため、第1帯域
通過光フィルタ26-2、第2帯域通過光フィルタ27-
2、第1検出手段28-2、第2検出手段29-2および第
3調節手段33のフィードバックループにより、光ファ
イバ増幅器から射出される下り方向出力光の利得傾斜を
制御することができる。
【0043】一方、第3検出手段30-2は、下り方向出
力光のパワーを検出する。このため、第4調節手段34
は、第3検出手段30-2の出力に応じて第2光ファイバ
25を励起する第2励起光源21による励起光のパワー
を制御することができる。第2光ファイバ25の励起光
のパワーを調節することにより、光ファイバ増幅器から
射出される下り方向出力光を所望のパワーに制御するこ
とができる。よって、第3検出手段30-2および第4調
節手段34のフィードバックループにより、光ファイバ
増幅器から射出される下り方向出力光のパワーを制御す
ることができる。
【0044】このように下り方向入力光に対し利得傾斜
とパワーとを制御することができる。そして、第1調節
手段31ないし第4調節手段34によって上り方向入力
光と下り方向出力光とを個別に制御するので、光のパワ
ー波長特性において上り方向入力光と下り方向出力光と
が相違する場合でも、それぞれ最適に利得傾斜を補正し
かつ所望の出力光のパワーにすることができる。
【0045】さらに、一般にLDは、駆動電流または動
作温度を変化させると励起波長のモードホッピング(mo
de hopping)などの現象が生じるため、モード間に分配
される電力が時間的に変動する。そのため、駆動電流を
変化させて励起光のパワーを変化させる方法では、重心
波長を安定させている励起光源の重心波長がシフトして
しまい、安定した特性の光ファイバ増幅器を得ることが
できない。しかし、請求項5に記載の発明では、上り方
向出力光の利得傾斜およびパワーを制御するために、ま
たは、下り方向出力光の利得傾斜およびパワーを制御す
るために、第1励起光源20および第2励起光源21の
駆動電流などを変化させない。このため、光ファイバ増
幅器における特性の安定性を改善することができる。
【0046】(請求項5)図1または図2において、請
求項5に記載の発明では、請求項3または請求項4に記
載の光ファイバ増幅器において、光ファイバ1、24、
25に添加する希土類元素は、エルビウム元素である。
そして、第1吸収波長帯域は、エルビウム元素の吸収波
長帯域の1つである980nm帯域であり、第2吸収波
長帯域は、エルビウム元素の吸収波長帯域の1つである
1480nm帯域である。
【0047】エルビウム添加光ファイバの吸収波長帯域
は、いくつか知られているが、その利得効率が大きいこ
とから、980nm帯域および1480nm帯域が使用
される。そして、この980nm帯域と1480nm帯
域とを比較すると、980nm帯域の方が重心波長の変
化に対して光ファイバ増幅器の利得傾斜を大きく変化さ
せることができる。このため、光ファイバ増幅器の利得
傾斜を調節する点に関し、980nm帯域の方が優れて
いる。
【0048】そこで、請求項5に記載の発明では、98
0nm帯域の光を調節することにより光ファイバ増幅器
の利得傾斜を制御し、1480nm帯域の光を調節する
ことにより光ファイバ増幅器の出力光のパワーを制御す
る。このため、光ファイバ増幅器の制御範囲をより広
げ、あるいは、より応答特性を改善することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明にお
ける実施の形態を説明する。
【0050】(第1の実施形態の構成)第1の実施形態
は、請求項1、請求項3、請求項5に記載の発明に対応
する光ファイバ増幅器の実施形態である。第1の実施形
態における光ファイバ増幅器は、例えば、32波のWD
M方式光信号を入力光として、所望の出力光のパワーに
なるようにWDM方式光信号を増幅し、さらに、WDM
方式光信号の利得傾斜をほぼ無くして出力する。
【0051】図3は、第1の実施形態の光ファイバ増幅
器の構成を示す図である。図3において、LD52は、
980nm帯域のレーザ光を発振する。このレーザ光の
重心波長は、後述する自動温度制御(automatic temper
ature control 、以下、「ATC」と略記する。)51
からの出力に基づいてLD52内のペルチェ素子(図3
には、不図示)の温度を調節することにより制御され
る。
【0052】一方、このレーザ光のパワーは、ホトダイ
オード(photodiode、以下、「PD」と略記する。)5
9と自動パワー制御(automatic power control 、以
下、「APC」と略記する。)60とからなるフィード
バックループによって制御される。すなわち、PD59
は、LD52のレーザ光を射出する端面とは逆の端面か
ら射出される漏れレーザ光を受光し、受光した漏れレー
ザ光のパワーに従う電流をAPC60に出力する。AP
C60は、この出力に基づいてLD52の駆動電流を調
節することにより、LD52にから射出されるレーザ光
が所定のパワーとなるように制御する。
【0053】LD52から射出されたレーザ光は、2×
1カプラ53に入射され、このカプラ53でWDM方式
光信号と合波されて、EDF66に射出される。また、
LD62は、1480nm帯域のレーザ光を発振する。
このレーザ光のパワーは、後述する自動レベル制御(au
tomatic level control 、以下、「ALC」と略記す
る。)61からの出力に基づいてLD52の駆動電流を
調節することにより制御される。
【0054】LD62から射出されたレーザ光は、カプ
ラ63を介してEDF66に射出される。EDF66
は、カプラ53からの980nm帯域のレーザ光とカプ
ラ63からの1480nm帯域のレーザ光とを吸収する
ことによりEDF66内の電子が励起され反転分布を形
成する。この反転分布を形成した状態で、カプラ53か
らのWDM方式光信号が入射するとこのWDM方式光信
号に誘導されて誘導放射が起こり、WDM方式光信号が
増幅される。
【0055】EDF66で増幅されたWDM方式光信号
は、カプラ63と光を1方向にのみ透過するアイソレー
タ(isolator、以下、「ISO」と略記する。)とを介
して、1×4カプラ68に入射される。ISO67をE
DF66の下流側に接続するのは、光部品の接続部など
で反射した戻り光によりEDF66が自励発振するのを
防止するためである。
【0056】カプラ68に入射したWDM方式光信号
は、4つに分岐される。カプラ68で分岐した1つは、
増幅されたWDM方式光信号として射出される。カプラ
68で分岐した他の1つは、PD64に入射し受光され
る。また、カプラ68で分岐した他のもう1つは、帯域
通過光フィルタであるFBG54に入射される。そし
て、カプラ68で分岐した残余の1つは、帯域通過光フ
ィルタであるFBG56に入射される。
【0057】PD64は、受光したカプラ68からの光
のパワーに比例する電流を比較器65に出力する。比較
器65は、このPD64からの電流を抵抗器(図3に不
図示)を用いて電圧に変換した後にこの電圧と基準電圧
Vref とを比較し、その差に比例する出力をALC61
に出力する。ALC61は、この比較器65からの出力
によって増幅後のWDM方式光信号のパワーを判断し、
増幅後のWDM方式光信号のパワーが所望のパワーとな
るようにLD62の駆動電流を調節する。
【0058】ここで、基準電圧Vref は、WDM方式光
信号のパワーが所定のパワーである場合、例えば、10
dBmである場合にPD64から出力される電流に対応
する電圧に設定する。一方、FBG54は、32波のW
DM方式光信号におけるチャネルのなかで最短波長のチ
ャネルの波長より短い波長の光を透過するように通過帯
域を設定される。例えば、最短波長のチャネルch1の
波長λ1 が1551nmである場合には、1550nm
の光を透過するようにFBG54における通過帯域の中
心波長を設定される。また、FBG56は、32波のW
DM方式光信号におけるチャネルのなかで最長波長のチ
ャネルの波長より長い波長の光を透過するように通過帯
域を設定される。例えば、最長波長のチャネルch32
の波長λ32が1575.8nmである場合には、157
7nmの光を透過するようにFBG56における通過帯
域の中心波長を設定される。なお、WDM方式光信号の
グリッド間隔は、ITU−T勧告に準拠し、0.8nm
である。
【0059】FBG54がこのように設定されるため、
FBG54は、入射した光の中で1550nmの波長の
光を透過させ、透過した光は、PD55に入射される。
PD55は、この波長の光を受光し、受光した光のパワ
ーに比例する電流を比較器58に出力する。同様に、F
BG56は、入射した光の中で1577nmの波長の光
を透過させ、透過した光は、PD57に入射される。P
D57は、この波長の光を受光し、受光した光のパワー
に比例する電流を比較器58に出力する。
【0060】比較器58は、これらPD55、57から
の電流を抵抗器(図3に不図示)を用いてそれぞれ電圧
に変換した後に、これらの電圧を比較し、その差に比例
する出力をATC51に出力する。ATC51は、この
比較器58からの出力によって増幅後のWDM方式光信
号にその利得傾斜があるか否かを判断し、増幅後のWD
M方式光信号の利得傾斜が無くなるようにLD52内の
ペルチェ素子を調節し、LD52の温度を調節する。
【0061】(本発明と第1の実施形態との対応関係)
請求項1、請求項3および請求項5に記載の発明と第1
の実施形態との対応関係については、光ファイバはED
F66に対応し、第1励起光源はLD52、PD59お
よびAPC60に対応し、第2励起光源はLD62に対
応する。そして、第1帯域通過光フィルタはFBG54
に対応し、第2帯域通過フィルタはFBG56に対応
し、第1検出手段はPD55に対応し、第2検出手段は
PD57に対応し、第3検出手段はPD64に対応す
る。さらに、第1制御手段は比較器58およびATC5
1に対応し、第2制御手段は比較器65およびALC6
1に対応する。
【0062】(第1の実施形態の作用効果)このような
構成の光ファイバ増幅器では、入射されたWDM方式光
信号は、LD52およびLD62からのレーザ光によっ
て反転分布を形成されたEDF66で誘導放射を起こし
て、増幅される。このとき、増幅されて射出されたWD
M方式光信号に利得傾斜がある場合には、PD55の出
力とPD57の出力とに差が生じる。ATC51は、こ
の比較器58からの出力によってWDM方式光信号に利
得傾斜があるか否かを判断することができる。ATC5
1は、この差に従う出力を比較器58から受信し、LD
52内のペルチェ素子に流れる電流を調節することによ
りLD52の温度を調節する。
【0063】LD52は、温度の変化に従って重心波長
を変化させる性質があるから、このLD52の温度調節
によって、LD52から発振するレーザ光の重心波長を
変化させることができる。この結果、EDF66に供給
される980nm帯域のレーザ光の重心波長が変化する
から、この変化に従ってEDF66の利得傾斜は、変化
する。ここで、重心波長の変化とEDF66の利得傾斜
との関係は、重心波長を980nmより短波長側に数n
m変化させるとEDF66の利得傾斜が正の勾配の方向
に変化し、重心波長を980nmより長波長側に数nm
変化させるとEDF66の利得傾斜が負の勾配の方向に
変化する関係にある。
【0064】よって、予めLD52の温度変化とEDF
66の利得傾斜との関係を調べておき、この関係に基づ
いて比較器58の出力値に対するATC51の出力値を
決めることにより、この光ファイバ増幅器は、WDM方
式光信号の利得傾斜をほぼ無くすことができる。一方、
増幅されたWDM方式光信号のパワーは、PD64で検
出され、比較器65に出力される。増幅されたWDM方
式光信号のパワーが所定のパワーと比較して増減がある
場合には、PD64の出力と基準電圧Vref とに差が生
じる。このため、ALC61は、この比較器65からの
出力によってWDM方式光信号のパワーが所定のパワー
であるか否かを判断することができる。ALC61は、
この差に従う出力を比較器65から受信し、LD62の
駆動電流を調節する。LD62の駆動電流を調節するこ
とによりEDF66に供給される1480nm帯域のレ
ーザ光のパワーが変化するから、この変化に従ってED
F66の利得を調節することができる。
【0065】よって、予めLD62の駆動電流とEDF
66の利得との関係を調べておき、この関係に基づいて
比較器65の出力値に対するALC61の出力値を決め
ることにより、この光ファイバ増幅器は、WDM方式光
信号のパワーをほぼ所定の値にすることができる。
【0066】また、LD52の発振波長を980nm帯
域とするのは、前方向励起とする方が後方向励起とする
よりも雑音指数の点において優れているからである。次
に、別の実施形態について説明する。 (第2の実施形態の構成)第2の実施形態は、請求項
2、請求項3および請求項5に記載の発明に対応する光
ファイバ増幅器の実施形態である。
【0067】第2の実施形態は、光ファイバ増幅器の利
得を一定にするために、第1の実施形態に対し、EDF
66に入射するWDM方式光信号のパワーを検出するP
D72を新たに設け、図3に示す比較器65およびAL
C61をそれぞれ図4に示す割算器73およびALC7
4に代えた点にある。図4は、第2の実施形態における
光ファイバ増幅器の構成を示す図である。
【0068】なお、第2の実施形態において、第1の実
施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、そ
の説明を省略する。図4において、LD52は、ATC
51およびAPC60に接続され、発振するレーザ光の
重心波長とパワーとが制御される。そして、LD52か
らの漏れレーザ光は、PD59で受光され、PD59
は、APC60へ出力する。さらに、LD52からの重
心波長とパワーとが制御されたレーザ光は、カプラ53
に入射される。
【0069】カプラ53に入射したレーザ光は、1×2
カプラ71を介して入射されるWDM方式光信号とこの
カプラ53で合波され、EDF66へ射出される。カプ
ラ71は、WDM方式光信号の入力光のパワーを検出す
るために、WDM方式光信号を2つに分岐するカプラで
ある。このカプラ71で分岐した一方の光は、カプラ5
3へ射出され、他方の光は、受光した光のパワーに従う
電流を出力するPD72に射出される。
【0070】また、LD62は、後述するALC74に
接続され、ALC74にパワーを制御されたレーザ光
は、カプラ63を介してEDF66に射出される。ED
F66で増幅されたWDM方式光信号は、カプラ63と
ISO67とを介して、1×4カプラ68に入射され
る。カプラ68に入射したWDM方式光信号は、4つに
分岐される。カプラ68で分岐した1つは、増幅された
WDM方式光信号として射出される。カプラ68で分岐
した他の1つは、PD64に入射し受光される。また、
カプラ68で分岐した他のもう1つは、FBG54に入
射される。そして、カプラ68で分岐した残余の1つ
は、FBG56に入射される。
【0071】PD64は、カプラ68からの光のパワー
に比例する電流を割算器73に出力する。割算器73
は、PD64およびPD72からの電流をそれぞれ抵抗
器(図4に不図示)を用いて電圧に変換した後にPD6
4による電圧をPD72による電圧で割り、その結果に
応じた出力をALC74に出力する。ALC74は、こ
の割算器73からの出力によって増幅前のWDM方式光
信号のパワーに対する増幅後のWDM方式光信号のパワ
ーの利得を判断し、増幅後のWDM方式光信号のパワー
が所望の一定利得となるようにLD62の駆動電流を調
節する。
【0072】一方、PD55は、FBG54を介して入
射した光を受光し、比較器58に出力する。そして、P
D56は、FBG56を介して入射した光を受光し、比
較器58に出力する。比較器58は、PD55からの入
力とPD57からの入力とを比較し、その差に比例する
信号をATC51に出力する。 (本発明と第2の実施形態との対応関係)請求項2、請
求項3および請求項5に記載の発明と第2の実施形態と
の対応関係については、第4検出手段はPD72に対応
し、第2制御手段は割算器73およびALC74に対応
する。
【0073】(第2の実施形態の作用効果)このような
構成の光ファイバ増幅器では、入射されたWDM方式光
信号は、LD52およびLD62からのレーザ光によっ
て反転分布を形成されたEDF66で誘導放射を起こし
て、増幅される。このとき、増幅されて射出されたWD
M方式光信号に利得傾斜がある場合における制御は、第
1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0074】一方、割算器73は、増幅前のWDM方式
光信号のパワーと増幅後のWDM方式光信号のパワーと
の比率を求め、この比率に従う信号をALC74に出力
する。このため、ALC74は、光ファイバ増幅器のW
DM方式光信号における利得を判断することができる。
ALC74は、この比率に従う出力を比較器65から受
信し、この比率が所定の一定値になるようにLD62の
駆動電流を調節する。LD62の駆動電流を調節ことに
よりEDF66に供給される1480nm帯域のレーザ
光のパワーが変化するから、この変化に従ってEDF6
6の利得を調節することができる。
【0075】ここで、所定の一定値は、増幅後のWDM
方式光信号のパワーが増幅前のWDM方式光信号のパワ
ーに対し所定の利得である場合、例えば、10dBであ
る場合に、割算器73から出力されるべき値を予め求め
て、その値に設定される。よって、予めLD62の駆動
電流とEDF66の利得との関係を調べておき、この関
係に基づいて割算器73の出力値に対するALC74の
出力値を決ることにより、この光ファイバ増幅器は、W
DM方式光信号の利得をほぼ一定にすることができる。
【0076】次に、別の実施形態について説明する。 (第3の実施形態の構成)第3の実施形態は、請求項4
および請求項5に記載の発明に対応する光ファイバ増幅
器の実施形態である。第3の実施形態における光ファイ
バ増幅器は、双方向光通信を行う光通信システムの中継
器として使用され、例えば、32波の上りWDM方式光
信号および下りWDM方式光信号を入力光として、各方
向のWDM方式光信号を個別に所望のパワーになるよう
に増幅し、さらに、各方向のWDM方式光信号の利得傾
斜をほぼ無くして出力する。
【0077】図5は、第3の実施形態の光ファイバ増幅
器の構成を示す図である。図5において、LD81は、
980nm帯域のレーザ光を発振する。このレーザ光の
パワーは、PD93とAPC94とからなるフィードバ
ックループによって制御される。すなわち、PD93
は、LD81のレーザ光を射出する端面とは逆の端面か
ら射出される漏れレーザ光を受光し、受光した漏れレー
ザ光のパワーに従う電流をAPC94に出力する。AP
C94は、この出力に基づいてLD81の駆動電流を調
節することにより、LD81にから射出されるレーザ光
が所定のパワーとなるように制御する。LD81から射
出されたレーザ光は、980nmに反射率の極大値を持
つFBG82に入射される。FBG82の980nmに
おける反射率は、5〜10%に設定する。このように設
定することにより、FBG82で反射されたレーザ光
は、LD81に戻り、980nm帯域で多モード発振し
ていたLD81を980nmの単一モード発振に固定す
ることができる。
【0078】そして、LD83は、LD81、PD9
3、APC94およびFBG82と同様の構成をLD8
3、PD95、APC96およびFBG84から構成
し、所定のパワーであって980nmの単一モードであ
るレーザ光を発振する。FBG82から射出されたレー
ザ光およびFBG84から射出されたレーザ光は、2×
2カプラ85に入射され、このカプラ85で合波された
後に2つに分岐される。
【0079】分岐した一方のレーザ光は、後述する比較
器92によって透過するレーザ光のパワーを調節される
減衰器(attenuator、以下、「ATT」と略記する。)
で、レーザ光のパワーが減衰(減衰量が0の場合を含
む。)されて、2×1カプラ87に入射される。そし
て、カプラ87は、この入射したレーザ光と上りWDM
方式光信号とを合波して、上りWDM光信号を増幅する
EDF101に入射する。
【0080】また、分岐した他方のレーザ光は、後述す
る比較器128によって透過するレーザ光のパワーを調
節されるATT129で、レーザ光のパワーが減衰(減
衰量が0の場合を含む。)されて、2×1カプラ117
に入射される。そして、カプラ117は、この入射した
レーザ光と下りWDM方式光信号とを合波して、下りW
DM光信号を増幅するEDF131に入射する。
【0081】一方、LD111は、1480nm帯域の
レーザ光を発振する。このレーザ光のパワーは、PD1
23とAPC124とからなるフィードバックループに
よって制御される。すなわち、PD123は、LD11
1のレーザ光を射出する端面とは逆の端面から射出され
る漏れレーザ光を受光し、受光した漏れレーザ光のパワ
ーに従う電流をAPC124に出力する。APC124
は、この出力に基づいてLD111の駆動電流を調節す
ることにより、LD111にから射出されるレーザ光が
所定のパワーとなるように制御する。LD11から射出
されたレーザ光は、1480nmに反射率の極大値を持
つFBG112に入射される。FBG112の1480
nmにおける反射率は、5〜10%に設定する。このよ
うに設定することにより、FBG82、84の場合と同
様に、FBG112は、1480nm帯域で多モード発
振していたLD81を1480nmの単一モード発振に
固定することができる。
【0082】そして、LD113は、LD111、PD
123、APC124およびFBG112と同様の構成
をLD113、PD125、APC126およびFBG
114から構成し、所定のパワーであって1480nm
の単一モードであるレーザ光を発振する。FBG112
から射出されたレーザ光およびFBG114から射出さ
れたレーザ光は、2×2カプラ115に入射され、この
カプラ115で合波された後に2つに分岐される。
【0083】分岐した一方のレーザ光は、後述する比較
器98によって透過するレーザ光のパワーを調節される
ATT99でレーザ光のパワーが減衰(減衰量が0の場
合を含む。)され、カプラ100を介してEDF101
に入射される。
【0084】また、分岐した他方のレーザ光は、後述す
る比較器128によって透過するレーザ光のパワーを調
節されるATT129でレーザ光のパワーが減衰(減衰
量が0の場合を含む。)され、カプラ130を介してE
DF131に入射される。以下、上り方向WDM方式光
信号を増幅し増幅後の上り方向WDM方式光信号の利得
傾斜およびそのパワーを検出する構成と、下り方向WD
M方式光信号を増幅し増幅後の下り方向WDM方式光信
号の利得傾斜およびそのパワーを検出する構成とは、同
一なので、上り方向WDM方式光信号を増幅し増幅後の
上り方向WDM方式光信号の利得傾斜およびそのパワー
を検出する構成を説明し、下り方向のその構成は、かっ
こ内に対応する構成の符号を示して、その説明を省略す
る。そして、下り方向のその構成の場合には、上り方向
WDM方式光信号を下り方向WDM方式光信号に読み替
える。
【0085】EDF101(131)は、カプラ87
(117)からの980nm帯域のレーザ光とカプラ1
00(130)からの1480nm帯域のレーザ光とを
吸収することによりEDF101(131)内の電子が
励起され反転分布を形成する。この反転分布を形成した
状態で、カプラ87(117)からの上りWDM方式光
信号が入射するとこのWDM方式光信号に誘導されて誘
導放射が起こり、上りWDM方式光信号が増幅される。
【0086】EDF101(131)で増幅された上り
WDM方式光信号は、カプラ100(130)と光を1
方向にのみ透過するISO102(132)とを介し
て、1×4カプラ103(133)に入射される。IS
O102(132)をEDF101(131)の下流側
に接続するのは、光部品の接続部などで反射した戻り光
によりEDF101(131)が自励発振するのを防止
するためである。
【0087】カプラ103(133)に入射した上りW
DM方式光信号は、4つに分岐される。カプラ103
(133)で分岐した1つは、増幅された上りWDM方
式光信号として射出される。カプラ103(133)で
分岐した他の1つは、PD97(127)に入射し受光
される。また、カプラ103(133)で分岐した他の
もう1つは、帯域通過光フィルタであるFBG88(1
18)に入射される。そして、カプラ103(133)
で分岐した残余の1つは、帯域通過光フィルタであるF
BG90(120)に入射される。
【0088】PD97(127)は、受光したカプラ1
03(133)からの光のパワーに比例する電流を比較
器98(128)に出力する。比較器98(128)
は、このPD97(127)からの電流を抵抗器(図5
に不図示)を用いて電圧に変換した後にこの電圧と基準
電圧Vref とを比較し、その差に比例する出力をATT
99(129)に出力する。ATT99(129)は、
この比較器98(128)からの出力に基づいて増幅後
のWDM方式光信号のパワーを判断し、増幅後のWDM
方式光信号のパワーが所望のパワーとなるようにカプラ
115から入射される1480nmのレーザ光のパワー
を調節してカプラ100(130)に射出する。
【0089】ここで、基準電圧Vref は、上りWDM方
式光信号のパワーが所定のパワーである場合、例えば、
10dBmである場合にPD97(127)から出力さ
れる電流に対応する電圧に設定する。一方、FBG88
(118)は、32波のWDM方式光信号におけるチャ
ネルのなかで最短波長のチャネルの波長より短い波長の
光を透過するように通過帯域を設定される。例えば、最
短波長のチャネルch1の波長λ1 が1551nmであ
る場合には、1550nmの光を透過するようにFBG
88(118)における通過帯域の中心波長を設定され
る。また、FBG90(120)は、32波のWDM方
式光信号におけるチャネルのなかで最長波長のチャネル
の波長より長い波長の光を透過するように通過帯域を設
定される。例えば、最長波長のチャネルch32の波長
λ32が1575.8nmである場合には、1577nm
の光を透過するようにFBG90(120)における通
過帯域の中心波長を設定される。なお、WDM方式光信
号のグリッド間隔は、ITU−T勧告に準拠し、0.8
nmである。
【0090】FBG88(118)がこのように設定さ
れるため、FBG88(118)は、入射した光の中で
1550nmの波長の光を透過させ、PD89(11
9)に入射させる。PD89(119)は、この波長の
光を受光し、受光した光のパワーに比例する電流を比較
器92(122)に出力する。同様に、FBG90(1
20)は、入射した光の中で1577nmの波長の光を
透過させ、PD91(121)に入射させる。PD91
(121)は、この波長の光を受光し、受光した光のパ
ワーに比例する電流を比較器92(122)に出力す
る。
【0091】比較器92(122)は、これらPD89
(119)、91(121)からの電流を抵抗器(図5
に不図示)を用いてそれぞれ電圧に変換した後に、これ
らの電圧を比較し、その差に比例する出力をATT86
(116)に出力する。ATC86(116)は、この
比較器92(122)からの出力に基づいて増幅後のW
DM方式光信号にその利得傾斜があるか否かを判断し、
増幅後のWDM方式光信号の利得傾斜が無くなるように
カプラ85から入射される980nmのレーザ光のパワ
ーを調節してカプラ87(117)に射出する。
【0092】(本発明と第3の実施形態との対応関係)
請求項4および請求項5に記載の発明と第3の実施形態
との対応関係については、第1励起光源はLD81、8
3、FBG82、84、PD93、95およびAPC9
4、96に対応し、第2励起光源はLD111、11
3、FBG112、114、PD123、125および
APC124、126に対応し、第1分岐手段はカプラ
85に対応し、第2分岐手段はカプラ115に対応し、
第1光ファイバはEDF101に対応し、第2光ファイ
バはEDF131に対応する。そして、第1帯域通過光
フィルタはFBG88、118に対応し、第2帯域通過
フィルタはFBG90、120に対応し、第1検出手段
はPD89、119に対応し、第2検出手段はPD9
0、120に対応し、第3検出手段はPD97、127
に対応する。さらに、第1調節手段は比較器92および
ATT86に対応し、第2調節手段は比較器98および
ATT99に対応し、第3調節手段は比較器122およ
びATT116に対応し、第4調節手段は比較器128
およびATT129に対応する。
【0093】(第3の実施形態の作用効果)このような
構成の光ファイバ増幅器では、入射された上り方向WD
M方式光信号は、LD81、LD83、LD111およ
びLD113からのレーザ光によって反転分布を形成さ
れたEDF101で誘導放射を起こして、増幅される。
一方、入射された下り方向WDM方式光信号は、LD8
1、LD83、LD111およびLD113からのレー
ザ光によって反転分布を形成されたEDF131で誘導
放射を起こして、増幅される。
【0094】このとき、増幅されて射出された上り方向
WDM方式光信号に利得傾斜がある場合には、PD89
の出力とPD91の出力とに差が生じる。ATT86
は、この比較器92からの出力によって上り方向WDM
方式光信号に利得傾斜があるか否かを判断することがで
きる。ATT86は、この差に従う出力を比較器92か
ら受信し、カプラ85から入射した980nmのレーザ
光の減衰量をこの差に応じて調節する。この結果、ED
F101に供給される980nmのレーザ光のパワーが
変化するから、この変化に従ってEDF101の利得傾
斜は、変化する。
【0095】よって、予めEDF101に入射する98
0nmの励起光のパワーとEDF101の利得傾斜との
関係を調べておき、この関係に基づいて比較器92の出
力値に対するATT86の減衰量を決ることにより、こ
の光ファイバ増幅器は、上り方向WDM方式光信号の利
得傾斜をほぼ無くすことができる。一方、増幅された上
り方向WDM方式光信号のパワーは、PD97で検出さ
れ、比較器98に出力される。増幅された上り方向WD
M方式光信号のパワーが所定のパワーと比較して増減が
ある場合には、PD97の出力と基準電圧Vref1とに差
が生じる。ATT99は、この比較器98からの出力に
よって上り方向WDM方式光信号のパワーが所定のパワ
ーであるか否かを判断することができる。ATT99
は、この差に従う出力を比較器98から受信し、カプラ
115から入射した1480nmのレーザ光の減衰量を
この差に応じて調節する。この結果、EDF101に供
給される1480nmのレーザ光のパワーが変化するか
ら、この変化に従ってEDF101の利得を調節するこ
とができる。
【0096】よって、予めEDF101に入射する14
80nmの励起光のパワーとEDF101の利得との関
係を調べておき、この関係に基づいて比較器98の出力
値に対するATT99の減衰量を決ることにより、この
光ファイバ増幅器は、上り方向WDM方式光信号のパワ
ーをほぼ所定の値にすることができる。同様に、下り方
向WDM方式光信号においても、ATT116によって
EDF101に供給される980nmのレーザ光のパワ
ーを調節することができるから、EDF101の利得傾
斜を調節することができる。したがって、この光ファイ
バ増幅器は、下り方向WDM方式光信号の利得傾斜をほ
ぼ無くすことができる。そして、ATT129によって
EDF101に供給される1480nmのレーザ光のパ
ワーを調節することができるから、EDF101の利得
を調節することができる。したがって、この光ファイバ
増幅器は、下り方向WDM方式光信号のパワーをほぼ所
定の値にすることができる。
【0097】また、ATT86、99、116、129
によって上り方向WDM方式光信号と下り方向WDM方
式光信号とを個別に制御するので、入力するWDM方式
光信号のパワー波長特性において上り方向と下り方向と
で相違する場合でも、それぞれ最適に利得傾斜を補正し
かつ所望の出力光のパワーにすることができる。さら
に、上り方向WDM方式光信号の利得傾斜およびパワー
を制御するために、または、下り方向WDM方式光信号
の利得傾斜およびパワーを制御するために、LD81、
83、111、113の駆動電流などを変化させない。
このため、カプラ85、115からの分岐光は、波長お
よびパワーに関し安定したレーザ光を維持できるので、
安定した特性の光ファイバ増幅器にすることができる。
【0098】また、980nmのレーザ光を前方向励起
とするので、雑音指数の優れた光ファイバ増幅器とする
ことができる。なお、第1の実施形態ないし第3の実施
形態に関しWDM方式光信号の利得傾斜の制御およびそ
のパワーの制御において、目標値に対し収束が悪い場合
には、利得傾斜の制御を行うフィードバックループの時
定数をパワーの制御を行うフィードバックループの時定
数より、大きくすることにより改善することができる。
WDM方式光信号の利得傾斜の制御は、そのパワーの制
御に対して頻繁に行うものではないので、このように両
者の時定数を設定しても実用上差し支えない。
【0099】また、第1の実施形態および第3の実施形
態において、0.8nmグリッド間隔の32波のWDM
方式光信号について説明したが、これに限定されるもの
ではない。グリッド間隔は、0.4nmなどの適当なグ
リッド間隔にすることができる。そして、多重度も、8
波多重、16波多重などの適当な多重度にすることがで
きる。
【0100】さらに、第1の実施形態ないし第3の実施
形態では、EDFを使用したがこれに限定されるもので
はない。他の希土類をドープした光ファイバを使用して
もよい。例えば、1300nm帯を増幅するネオジウム
(元素記号:Nd、原子番号60)、プラセオジウム
(元素記号:Pr、原子番号59)、1450nm帯を
増幅するツリウム(元素記号:Tm、原子番号69)な
どをドープした光ファイバを使用してもよい。
【0101】
【発明の効果】請求項1、請求項3および請求項5に記
載の発明では、1本の希土類元素を添加した光ファイバ
に対し、出力光の利得傾斜を制御する励起光源と出力光
のパワーを制御する励起光源とを個別に設けるので、1
つの光ファイバ増幅器で出力光の利得傾斜およびパワー
を制御することができる。
【0102】請求項2、請求項3および請求項5に記載
の発明では、1本の希土類元素を添加した光ファイバに
対し、出力光の利得傾斜を制御する励起光源と出力光の
利得を制御する励起光源とを個別に設けるので、1つの
光ファイバ増幅器で出力光の利得傾斜および利得を制御
することができる。
【0103】請求項4および請求項5に記載の発明で
は、第1調節手段ないし第4調節手段によって、上り方
向出力光の利得傾斜およびパワーならびに下り方向の利
得傾斜およびパワーをそれぞれ別個に制御する。このた
め、上り方向入力光と下り方向入力光が相違する場合で
も、それぞれ最適に利得傾斜を制御することができる。
そして、上り方向入力光と下り方向入力光が相違する場
合でも、それぞれ所望のパワーにすることができる。も
ちろん、上り方向の出力光のパワーと下り方向の出力光
のパワーとを相違させることも可能である。
【0104】また、請求項1ないし請求項5に記載の発
明を超長距離光伝送システムの中継器に使用することに
より、中継器ごとにWDM方式光信号の利得傾斜を補正
することができるので、より超長距離の光伝送システム
を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、請求項2、請求項3および請求項5
に記載の発明における双方向励起の場合の原理構成を示
す図である。
【図2】請求項4および請求項5に記載の発明における
双方向励起の場合の原理構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態における光ファイバ増幅器の構
成を示す図である。
【図4】第2の実施形態における光ファイバ増幅器の構
成を示す図である。
【図5】第3の実施形態における光ファイバ増幅器の構
成を示す図である。
【図6】従来の光ファイバ増幅器の構成を示す図であ
る。
【図7】(a)は、光ファイバ増幅器でWDM方式光信
号を増幅した場合を示す図である。(b)は、利得傾斜
のあるWDM方式光信号にパワーの等化を行った場合を
示す図である。
【図8】従来の励起光源を冗長化構成とする光ファイバ
増幅器の構成を示す図である。
【符号の説明】
4、26 第1帯域通過光フィルタ 5、27 第2帯域通過光フィルタ 6、28 第1検出手段 7、29 第2検出手段 8、30 第3検出手段 9 第1制御手段 10 第2制御手段 11 第4検出手段 31 第1調節手段 32 第2調節手段 33 第3調節手段 34 第4調節手段 51 ATC 54、56、82、84、88、90、112、11
4、118、120 FBG 55、57、59、72、93、95、123、12
5、89、91、97、119、121、127 PD 58、65、92、98、122、128 比較器 61、74 ALC 73 割算器 86、99、116、129 ATT

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類元素を添加した光ファイバと、 前記希土類元素における吸収波長帯域内の波長の励起光
    を発振して前記光ファイバを励起させる第1励起光源お
    よび第2励起光源と、 第1波長の光を透過させる第1帯域通過光フィルタと、 前記第1波長と異なる第2波長の光を透過させる第2帯
    域通過光フィルタと、 前記光ファイバで増幅された光を前記第1帯域通過光フ
    ィルタを介して受光し受光した光のパワーを検出する第
    1検出手段と、 前記光ファイバで増幅された光を前記第2帯域通過光フ
    ィルタを介して受光し受光した光のパワーを検出する第
    2検出手段と、 前記光ファイバで増幅された光を受光し受光した光のパ
    ワーを検出する第3検出手段と、 前記第1検出手段からの出力と前記第2検出手段からの
    出力との差に応じて前記第1励起光源の重心波長を制御
    する第1制御手段と、 前記第3検出手段からの出力に応じて前記第2励起光源
    における出力光のパワーを制御する第2制御手段とを備
    えた光ファイバ増幅器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光ファイバ増幅器おい
    て、 前記光ファイバで増幅されるべき入力光を受光し受光し
    た光のパワーを検出する第4検出手段をさらに備え、 前記第2制御手段は、前記第3検出手段からの出力と前
    記第4検出手段からの出力との比率に応じて前記第2励
    起光源における出力光のパワーを制御する制御手段であ
    ることを特徴とする光ファイバ増幅器。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の光ファ
    イバ増幅器において、 前記第1励起光源は、前記希土類元素における第1吸収
    波長帯域内の波長の励起光を発振し、 前記第2励起光源は、前記希土類元素における、第1吸
    収波長帯域とは異なる第2吸収波長帯域内の波長の励起
    光を発振することを特徴とする光ファイバ増幅器。
  4. 【請求項4】 希土類元素における第1吸収波長帯域内
    の波長の光を一定のパワーで射出する第1励起光源と、
    前記希土類元素における前記第1吸収波長帯域とは異な
    る第2吸収波長帯域内の波長の光を一定のパワーで射出
    する第2励起光源と、前記第1励起光源からの光が入射
    され前記第1励起光源からの光を2つに分岐する第1分
    岐手段と、前記第2励起光源からの光が入射され前記第
    2励起光源からの光を2つに分岐する第2分岐手段と、
    前記第1分岐手段からの一方の光および前記第2分岐手
    段からの一方の光が入射され前記希土類元素を添加した
    第1光ファイバと、前記第1分岐手段からの他方の光お
    よび前記第2分岐手段からの他方の光が入射され前記希
    土類元素を添加した第2光ファイバとを備えた上り方向
    の光および下り方向の光を増幅する光ファイバ増幅器に
    おいて、 第3波長の光を透過させる第1帯域通過光フィルタと、
    前記第3波長と異なる第4波長の光を透過させる2つの
    第2帯域通過光フィルタと、前記第1帯域通過光フィル
    タからの光を受光して受光した光のパワーを検出する第
    1検出手段と、前記第2帯域通過光フィルタからの光を
    受光して受光した光のパワーを検出する第2検出手段
    と、入射する光を受光して受光した光のパワーを検出す
    る第3検出手段とからなる上り方向用検出部および下り
    方向用検出部と、 前記第1分岐手段と前記第1光ファイバとの間に接続さ
    れ、前記上り方向用検出部における前記第1検出手段か
    らの出力と前記第2検出手段からの出力との差に応じて
    前記第1分岐手段からの光のパワーを調節する第1調節
    手段と、 前記第2分岐手段と前記第1光ファイバとの間に接続さ
    れ、前記上り方向用検出部における記第3検出手段から
    の出力に応じて前記第2分岐手段からの光のパワーを調
    節する第2調節手段と、 前記第1分岐手段と前記第2光ファイバとの間に接続さ
    れ、前記下り方向用検出部における前記第1検出手段か
    らの出力と前記第2検出手段からの出力との差に応じて
    前記第1分岐手段からの光のパワーを調節する第3調節
    手段と、 前記第2分岐手段と前記第2光ファイバとの間に接続さ
    れ、前記下り方向用検出部における記第3検出手段から
    の出力に応じて前記第2分岐手段からの光のパワーを調
    節する第4調節手段とをさらに備え、 前記上り方向用検出部における前記第1帯域通過フィル
    タ、前記第2帯域通過フィルタおよび前記第3検出手段
    のそれぞれに前記第1光ファイバから射出された光を入
    射させ、 前記下り方向用検出部における前記第1帯域通過フィル
    タ、前記第2帯域通過フィルタおよび前記第3検出手段
    のそれぞれに前記第2光ファイバから射出された光を入
    射させることを特徴とする光ファイバ増幅器。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の光ファ
    イバ増幅器において、 前記希土類元素は、エルビウム元素であり、 前記第1吸収波長帯域は、980nm帯域であり、 前記第2吸収波長帯域は、1480nm帯域であること
    を特徴とする光ファイバ増幅器。
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