JP2000348694A - 薄形電池 - Google Patents

薄形電池

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JP2000348694A
JP2000348694A JP11160099A JP16009999A JP2000348694A JP 2000348694 A JP2000348694 A JP 2000348694A JP 11160099 A JP11160099 A JP 11160099A JP 16009999 A JP16009999 A JP 16009999A JP 2000348694 A JP2000348694 A JP 2000348694A
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generating element
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negative electrode
sheet
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JP11160099A
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Masao Kawaguchi
正夫 川口
Soichi Hanabusa
聡一 花房
Yoji Ishihara
洋司 石原
Fumimasa Yamamoto
文将 山本
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄形・軽量化、および信頼性向上が図られた
薄形電池の提供。 【解決手段】 シート状の発電要素2と、前記発電要素
2から引き出された正・負極リード3,4と、前記正・
負極リード3,4を導出して発電要素2の両主面を被覆
し、かつ対向する端縁部面を熱溶着で封止する外装フィ
ルム5とを有する薄形電池であって、前記外装フィルム
端縁部の熱溶着が、ビカッド軟化点90℃以上、もしくは
融点100錮の酸変性ポリオレフィン樹脂で成されている
ことを特徴とする薄形電池である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄形電池に係り、
さらに詳しくはシート状の発電要素を外装フィルムで封
装した薄型電池に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯形の電話機やテレビカメラなどの電
源としては、小形、軽量、薄形化や大容量、高電圧化な
どが求められており、正極層、ポリマ−電解質層および
負極層を重ね合わせた発電要素(積層体)、もしくはこ
のような発電要素の複数個の積層体を、シート状(薄
形)に一体化した構成の発電要素(電極要素ないし電池
要素)を備えた厚さ 0.5mm程度の薄形電池も知られてい
る(たとえば米国特許第 5,296,318号明細書)。
【0003】図3は,従来の薄形電池の要部構成を拡大
して断面的に示したものである。図3において、1は発
電要素2を両主面側から封装する外装フィルム、3は前
記発電要素2の正極に一端が接続し、他端が外装フィル
ム1から液密ないし気密に導出された正極リード(外部
接続用端子)、4は前記発電要素2の負極に一端が接続
し、他端が外装フィルム1の対向する端縁部1a面同士の
熱溶着などで、液密ないし気密に導出された負極リード
(外部接続用端子)である。
【0004】ここで、発電要素2は、電解液を担持する
シート状セパレーター2a、前記シート状セパレーター2a
の一主面に積層・配置されたリチウム含有金属酸化物を
活物質とし、かつ正極集電体を有するシート状正極2b、
および前記シート状セパレーター2aの他主面に積層・配
置されたリチウム金属もしくはリチウムを吸蔵・放出す
る炭素質材を活物質とし、かつ負極集電体を有するシー
ト状負極2cで形成されている。
【0005】なお、前記シート状セパレーター2aは、電
解質保持性のポリマー、たとえばヘキサフロロプロピレ
ン−フッ化ビニリデン共重合体などのポリマ−電解質系
である。また、シート状の正極2bは、リチウムを含む金
属酸化物などの活物質、電解質保持性ポリマーおよび正
極集電体で構成されている。さらに、シート状の負極2c
は、たとえばリチウムイオンを吸蔵・放出する活物質、
電解質保持性ポリマーおよび負極集電体で構成されてい
る。
【0006】より具体的には、シート状正極2bは、正極
集電体(たとえばルミニウムの箔、パンチドメタル、エ
キスバンドメタル)の突出・延設部に、アルミニウム箔
片の一端を溶接・接続して正極リード3が、また、シー
ト状負極2cは、負極集電体(たとえば銅の箔、パンチド
メタル、エキスバンドメタル)の突出・延設部に、銅箔
片の一端を溶接・接続して負極リード4がそれぞれ配設
されている。そして、これら各シート状電極2b,2cおよ
びシート状セパレーター2aは、積層体化して発電要素2
を形成している。
【0007】また、外装フィルム1は、発電要素2を液
密ないし気密に封装する構成を採るが、正・負極リード
3,4を一括的に、液密ないし気密に封止・導出しなが
ら、外装フィルム1が形成する封装体外に導出してい
る。ここで、外装フィルム1は、一般的に、発電要素2
を両主面側から挟着・封止し、また、金属箔(たとえば
アルミ箔)の両面にポリエチレンテレフタレート樹脂フ
ィルム、さらに、一方のポリエチレンテレフタレート樹
脂フィルム面に変性ポリプロピレン樹脂フィルムを積層
一体化して成る厚さ 0.2〜 1.0mm程度の多層形フィルム
などである。
【0008】なお、この種の軽量、フレキシブルな薄形
電池の製造は、一般的に、次のように行われる。先ず、
前記シート状正極2b、シート状セパレータ(ポリマー−
電解質系)2aおよびシート状負極2cを積層状に組み合わ
せて発電要素2を作製する。その後、発電要素2を形成
している各シート状電極2b,2cの集電体の突出・延設部
に、対応する正・負極リード3,4を位置合わせ・溶接
する。
【0009】次いで、発電要素2の両面側に、外装フィ
ルム1を積層・配置(1枚の樹脂フィルムを折り曲げ、
両主面を包むように)する一方、各電極リード3,4を
外部に導出する。その後、前記外装フィルム1の対向す
る周縁部1a同士を熱融着(熱溶着)、もしくは接着剤層
を介して気密に接合・一体化させて封装し、さらに、要
すれば外形加工を施すことにより、所要の薄膜電池を得
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の薄形電池の場合は、次のような不都合がある。すな
わち、上記薄形電池は、外装フイルムとして、たとえば
水分の侵入・浸透を防止するためアルミニウム箔を内層
させる一方、熱融着ないし接合面を熱融着性樹脂層(無
水マレイン酸などを変性基として分子中に含む樹脂層)
で形成した多層形フィルムを使用し、薄形・軽量化など
を図っている。一方、この種の薄型電池は、その使用環
境が多様であること、十分な信頼性が要求されることな
どから、実用に当たっては、実用試験もしくは安全性試
験が行われる。
【0011】たとえば、封口特性ないし耐漏液性、電解
液成分の蒸発などに由来する容量維持特性の確保などの
ためには、薄型電池の外装フィルムによる気密封止と、
高温度下でのすぐれた気密封止性などが前提になる。こ
うした意味で、高温貯蔵などの特性試験が行われている
が、外装フィルムの対向端縁部1a同士の熱溶着・封止し
た場合、融耐漏液性や容量維持特性など損なわれる傾向
がある。
【0012】すなわち、外装フィルムの熱溶着・封止
は、局部的な熱溶融・固化で行われるので、熱溶着・封
止領域およびその周辺部に、発生した歪みが残留したり
し、温度変化などにおいて、気密封止性が低下ないし損
なわれると考えられる。
【0013】また、熱溶着・封止性を考慮して、軟化点
や融点が低い熱溶着性樹脂を選んだ場合は、弾粘性低下
が招来し易いので、水素結合などで外装フィルム1に接
合する電極リード3,4の接合強度が弱まる。したがっ
て、高温下におかれた電池内部の電解液成分による内圧
上昇によって、外装フィルム1の熱溶着・封止領域が剥
離などを起こすことに起因するともいえる。
【0014】本発明者らは、上記懸念を解消するため、
鋭意検討を進めた結果、発電要素を封装する外装フィル
ムの熱溶着・封止に寄与する溶着性樹脂の軟化点もしく
は融点の選択・設定によって、高温下でも信頼性の高い
液密性ないし気密性を呈する封装が達成されることを見
出した。すなわち、外装フィルムの熱溶着・封止に寄与
する溶着性樹脂が、ビカット軟化点( JISK-7206)90℃
以上、もしくは融点が100℃以上の場合は、常温ないし9
0℃程度の温度下において、液密性ないし気密性のすぐ
れた封止・封装が行われることを確認した。
【0015】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、薄形・軽量化、および信頼性向上が図られた薄形
電池の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シー
ト状の発電要素と、前記発電要素から引き出された正・
負極リードと、前記正・負極リードを導出して発電要素
の両主面を被覆し、かつ対向する端縁部面を熱溶着で封
止する外装フィルムとを有する薄形電池であって、前記
外装フィルム端縁部の熱溶着が、ビカッド軟化点90℃以
上の酸変性ポリオレフィン樹脂で成されていることを特
徴とする薄形電池である。
【0017】請求項2の発明は、シート状の発電要素
と、前記発電要素から引き出された正・負極リードと、
前記正・負極リードを導出して発電要素の両主面を被覆
し、かつ対向する端縁部面を熱溶着で封止する外装フィ
ルムとを有する薄形電池であって、前記外装フィルム端
縁部の熱溶着が、融点 100℃以上の酸変性ポリオレフィ
ン樹脂で成されていることを特徴とする薄形電池であ
る。
【0018】請求項3の発明は、請求項1もしくは請求
項2記載の薄形電池において、外装フィルムが金属箔を
内層した多層形フィルムである特徴とする。
【0019】請求項1〜3の発明において、シート状正
極は、たとえばアルミニウム箔、アルミニウム製メッシ
ュ、アルミニウム製エキスバンドメタル、アルミニウム
製パンチメタルなどを集電体としている。そして、集電
体の一部を端子部として延設させ、この端子部を除く集
電体の両面全体に、正極活物質を塗布した構成と成って
いる。なお、前記端子部を成す集電体の延設端に、正極
リードとしてアルミニウム箔片などを溶接してある。
【0020】一方、シート状負極は、たとえば銅箔、銅
製エキスバンドメタル、銅製パンチメタルなどを集電体
としている。そして、集電体の一部を端子部として延設
させ、この端子部を除く集電体の両面全体面に、負極活
物質を塗布した構成と成っている。なお、前記端子部を
成す集電体の延設端に、負極リードとして銅箔片などを
溶接してある。
【0021】請求項1〜3の発明において、シート状正
極が付着担持する正極活物質としては、リチウムイオン
を吸蔵・放出するリチウム含有金属酸化物、たとえばリ
チウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバルト酸化
物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウムを
含む非晶質五酸化バナジウムや、二酸化マンガン、カル
コゲン化合物などが挙げられる。
【0022】また、シート状負極が付着担持する負極活
物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出するもので、たと
えばビスフェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セル
ローズなどの焼成物、コークスやピッチの焼成物が挙げ
られ、これらは天然もしくは人口グラファイト、カーボ
ンブラック、アセチレンブラック,ケッチェンブラッ
ク、ニッケル粉末、ニッケル粉末などを含有した形態を
採ってもよい。
【0023】さらに、上記シート状の正極および負極の
間に介挿配置されたセパレーターに、含浸・担持されて
イオン伝導体を形成する電解液は、たとえばエチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボ
ネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネートなどの非水溶媒に、過塩
素酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム、ホウ四フッ化
リチウム、六フッ化ヒ素リチウム、トリフルオロメタン
スルホン酸リチウムなどを 0.2〜 2mol/ l程度に溶解さ
せたものが挙げられる。ここで、セパレーターの機能を
する電解質保持性のポリマ−電解質系としては、たとえ
ばヘキサフロロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体
などのポリマーが挙げられる。
【0024】請求項1〜3の発明において、発電要素
(ユニットセル)を一体的に封装する外装フィルムは、
液密性ないし気密性が要求される外装封止に使用されて
いる多層形フィルムや単層形フィルムである。ここで、
多層形フイルムは、一般的に、熱融着性樹脂層を被接合
面(被封着面)とし、かつ防湿用などとしての金属箔を
内層した多層形の厚さ0.05〜0.20mm程度のフィルムであ
る。そして、その外装フィルムは、少なくとも熱溶着・
封止をビカット軟化点90℃以上、もしくは融点 100℃以
上の熱溶着性樹脂で形成されているものを選択する。
【0025】すなわち、外装フィルム端縁部の熱溶着・
封止に寄与(関与)する領域は、ビカット軟化点90℃以
上、もしくは融点 100℃以上の熱溶着性樹脂で形成され
たものを使用する必要がある。その理由は、熱溶着・封
止に寄与(関与)する領域の熱溶着性樹脂がビカット軟
化点90℃未満の場合、もしくは融点が 100℃未満の場合
は、いずれも高温貯蔵試験などにおいて、所要の耐漏液
性や容量維持特性など損なわ易いからである。
【0026】ここで、ビカット軟化点90℃以上、もしく
は融点 100℃以上の熱溶着性樹脂としては、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリアミド樹脂などが例示される。
【0027】より具体的には、たとえば無水マレイン酸
などの酸で変性したポリプロピレン樹脂から成る熱融着
性樹脂層、薄いアルミニウム箔、およびポリエチレンテ
レフタレート樹脂フィルムを順次積層・一体化したもの
が挙げられる。ここで、ポリエチレンテレフタレート樹
脂フィルムは、多層形外層フィルム自体、内装するユニ
ットセルに対する補強性に寄与する。
【0028】なお、外装フィルムによる液密ないし気密
な封装は、発電要素の両面側に位置決め配置した外装フ
ィルムの端縁部同士を加熱やビーム照射などで、熱溶
(融)着させることにより容易に行われる。
【0029】請求項1〜3の発明では、熱溶着・封止に
寄与(関与)する領域をビカット軟化点90℃以上、もし
くは融点 100℃以上の熱溶着性樹脂としたことにより、
強固で気密な熱溶着・封止が形成され、かつ高温度下で
もすぐれた熱溶着・封止性を保持するので、耐漏液性や
容量維持特性の高く、かつ薄形・軽量化も図られた薄形
電池が提供される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図1および図2を参照して
実施例を説明する。
【0031】実施例1 シート状正極の作製 ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体粉末をアセトンに溶解した後、このアセントン溶液
に、ジブチルフタレートおよびリチウム含有コバルト酸
化物( LiCoO2 )を添加混合して正極用ペーストを調製
した。次に、予め用意しておいたアルミニウム製ラスメ
タルから成る多孔質集電体の一端部に未塗工部を残しな
がら、ナイフコーターを用いて、前記正極用ペーストを
塗工し、乾燥空気で乾燥を行った。
【0032】その後、正極用ペースト塗工部分の外形お
よび未塗工分の寸法を所定の長さ、幅に裁断し、両面に
電解液未含浸正極層を有する一方、端子部と成る未塗工
部分が突設(延設)されたシート状正極を作製した。
【0033】シート状負極の作製 ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体粉末をアセトンに溶解した後、このアセントン溶液
に、ジブチルフタレートおよびメソフューズピッチ系炭
素繊維(ペトカ社製)を添加混合して負極用ペーストを
調製した。次に、予め用意しておいた銅製ラスメタルか
ら成る多孔質集電体の一端部に未塗工部を残しながら、
ナイフコーターを用いて、前記負極用ペーストを塗工し
て、乾燥空気で乾燥を行った。
【0034】その後、負極用ペースト塗工部分の外形お
よび未塗工部分の寸法を所定の長さ、幅に裁断し、両面
に電解液未含浸負極層を有する一方、端子部と成る未塗
工部分が突設(延設)されたシート状負極を作製した。
【0035】固体ポリマー電解質素材(セパレーター)
の作製 ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体粉末をアセトンに溶解した後、このアセントン溶液
に、酸化ケイ素粉末を添加混合して電解質用ペーストを
調製した。次に、予め用意しておいた平滑なガラス板面
に塗工し、乾燥空気で乾燥を行った。その後、ガラス板
から剥がして所定の外形寸法に裁断し、電解液未含浸固
体ポリマー電解質素材を作製した。
【0036】非電解液の調製 体積比 1: 1のエチレンカーボネートおよびジメチルカ
ーボネート混合溶媒 (非水溶媒)に、LiPF6 (電解質)を1mol/lの割合で溶
解させ、非電解液を調製した。
【0037】上記作製したシート状負極の両主面側に、
固体ポリマー電解質素材およびシート状正極を順次、位
置決め積層した後、 130℃に加熱した剛性ローラ間を通
過させ、加熱加圧して発電要素本体を作製した。その
後、発電要素本体をメタノール中に浸漬し、シート状正
極およびシート状負極中のジブチルフタレートを溶出・
除去し、多孔質構造化させた。
【0038】次いで、前記多孔質構造化させた厚さ 0.5
mmの発電要素を5層、同じ極性の端子部を成す集電体突
設(延設)がほぼ同位置に位置するように積層し、これ
らの端子部に、対応する電極リードを成す厚さが 0.1mm
のアルミニウム箔片、厚さが0.1mmの銅箔片を溶接など
により、機械的および電気的に接合する。図1は、上記
発電要素を5層化し、かつ電極リードを接続した後の構
造について、その一部を断面的に示したものである。な
お、図1において、2は発電要素、3は正極リード、4
は負極リード、2aはシート状固体ポリマー電解質素材
(セパレータ)、2bはシート状正極、2cはシート状負極
である。
【0039】一方、図2に要部構成を断面的に示すよう
な厚さ0.11mmの多層形フィルム5を用意した。なお、図
1に示す構成層は、厚さ 0.016mmのポリエチレンテレフ
タレート樹脂フィルム(PET)5a、厚さ 0.020mmのアルミ
ニウム箔(Al)5b、厚さ0.07mmの酸変性ポリプロピレン樹
脂フィルム(変性PP)5cであり、また、熱溶着する酸変
性ポリプロピレン樹脂フィルム5cは、ビカット軟化点 1
00℃(融点 140℃)である。
【0040】次いで、前記発電要素の両主面に、外装フ
ィルム5を長さ方向の中央部で折り曲げ、前記発電要素
の積層体を挟着する形に配置・積層し、 180℃に温度調
整されたシールバーを位置決めした。その後、電極リー
ド3,4を導出させた端縁部についてはシールバーを20
kgf/cm2 で 5秒間加圧して、電発電要素を封止・封装
し、次いで、幅方向両端縁部のうち一方の端縁部をシー
ルバーを13 kgf/cm2で 3秒間加圧して、対向する外周
縁同士を 5mm幅で熱融着・封止させた。
【0041】前記幅方向両端縁部のうち一方の端縁部を
熱融着・封止した状態で、12時間、減圧乾燥を行ってか
ら、露点 -50℃のグローボックス内で、残る他方の端縁
部(開口)から、前記調製した非電解液に浸漬し、固体
ポリマー電解質素材などに非電解液を含浸・担持させ
た。その後に、開口端縁部をシールバーを13 kgf/cm2
で 3秒間加圧して、対向する外周縁同士を 5mm幅で熱融
着させて、幅40mm,長さ60mm,厚さ3.21mm,電池容量 6
00 mAhの薄形電池を50個得た。
【0042】実施例2 実施例1の場合において、多層形外装フィルム5とし
て、熱溶着する酸変性ポリプロピレン樹脂フィルム5c
が、ビカット軟化点 130℃(融点 168℃)の多層形外装
フィルムを使用し、また、熱溶着に使用するシールバー
の温度を 180℃に調整した他は、実施例1の場合と同様
の条件に設定し、幅40mm,長さ60mm,厚さ3.21mm,電池
容量 600 mAhの薄形電池を50個得た。
【0043】比較例 実施例1の場合において、多層形外装フィルム5とし
て、熱溶着する樹脂がアイオノマー樹脂フィルムである
ビカット軟化点80℃(融点99℃)の多層形外装フィルム
を使用し、また、熱溶着に使用するシールバーの温度を
139℃に調整した他は、実施例1の場合と同様の条件に
設定し、幅40mm,長さ60mm,厚さ3.21mm,電池容量 600
mAhの薄形電池を50個得た。
【0044】上記実施例1,2に係る薄型電池、および
比較例に係る薄型電池を、20℃の雰囲気中で開路電圧が
4.2Vまで充電し、安全試験の1種である夏場における車
輛のダッシュボード上への放置を想定し、90℃の乾燥雰
囲気中に 4時間貯蔵した。そして、この貯蔵において、
各薄型電池に注液されている電解液量の重量変化比、お
よび熱溶着・封止部からの漏液を目視や臭気によって確
認した結果を表1に示す。
【0045】 表1 終了変化率(%) 漏液発生確認(%) 最大 最小 平均 目視 臭気 実施例1 -0.12 0 -0.03 0 0 実施例2 -0.08 0 -0.02 0 0 比較例 -5.20 -2.10 -3.13 86 70 表1から分かるように、実施例1,2に係る薄型電池の
場合は、重量減少および漏液も認められず、高温環境下
においてもすぐれた気密性を保持しており、信頼性の高
い薄型電池として機能する。なお、比較例の場合は、重
量減少および電極リード導出部からの漏液が確認され
た。
【0046】本発明は、上記実施例に限定されるもので
なく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を
採ることができる。たとえば、発電要素の構成におい
て、シート状正極、固体ポリマー電解質素材(セパレー
ター)、およびシート状負極は、他の材質の組み合わ
せ、形状・寸法などを設定してもよい。さらに、多層形
外装フィルムも例示以外の多層形フィルムでもよいし、
単層形のフィルムでもよい。
【0047】
【発明の効果】請求項1〜3の発明によれば、熱溶着・
封止部を含めて全体的に、信頼性の高い気密な封止・封
装が保持される一方、薄形・軽量化も図られた体積効率
のよい薄形電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る薄型電池の発電要素の一部を示す
断面図。
【図2】実施例に係る薄型電池の封止に使用した外装フ
ィルムの概略構成をに示す断面図。
【図3】従来の薄型電池の要部構成を示す断面図。
【符号の説明】
1,5……外装(多層形)フィルム 2……発電要素 3……正極リード 4……負極リード 5a……補強性フィルム 5b……防湿性金属箔 5c……熱融着性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/40 H01M 10/40 B (72)発明者 石原 洋司 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 (72)発明者 山本 文将 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA10 AA17 CC02 CC06 CC10 DD13 EE04 GG01 HH02 JJ12 KK04 5H024 AA00 AA02 BB01 BB14 CC04 DD01 DD03 DD11 EE01 EE09 HH11 HH15 5H029 AJ03 AJ15 AK03 AL06 AL07 AL18 AM03 AM05 AM07 AM16 BJ04 CJ02 CJ05 DJ02 DJ03 DJ05 EJ01 EJ12 HJ12 HJ14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の発電要素と、前記発電要素か
    ら引き出された正・負極リードと、前記正・負極リード
    を導出して発電要素の両主面を被覆し、かつ対向する端
    縁部面を熱溶着で封止する外装フィルムとを有する薄形
    電池であって、 前記外装フィルム端縁部の熱溶着が、ビカッド軟化点90
    ℃以上の酸変性ポリオレフィン樹脂で成されていること
    を特徴とする薄形電池。
  2. 【請求項2】 シート状の発電要素と、前記発電要素か
    ら引き出された正・負極リードと、前記正・負極リード
    を導出して発電要素の両主面を被覆し、かつ対向する端
    縁部面を熱溶着で封止する外装フィルムとを有する薄形
    電池であって、 前記外装フィルム端縁部の熱溶着が、融点 100℃以上の
    酸変性ポリオレフィン樹脂で成されていることを特徴と
    する薄形電池。
  3. 【請求項3】 外装フィルムが金属箔を内層した多層形
    フィルムである特徴とする請求項1もしくは請求項2記
    載の薄形電池。
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