JP2000346900A - 故障点標定方法 - Google Patents

故障点標定方法

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JP2000346900A
JP2000346900A JP11157593A JP15759399A JP2000346900A JP 2000346900 A JP2000346900 A JP 2000346900A JP 11157593 A JP11157593 A JP 11157593A JP 15759399 A JP15759399 A JP 15759399A JP 2000346900 A JP2000346900 A JP 2000346900A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送配電線の複数の電源端や送配電線の途中地
点から同期させて収集した電気量を用いることにより多
端子判定形の利点を活かし、しかも大規模かつ長距離の
通信設備、伝送手段等を用いることなく高精度な標定が
行えるようにした故障点標定方法を提供する。 【解決手段】 送配電線のすべての電源端に電気量を同
期させて収集可能なデータ収集装置401,405をそ
れぞれ配置し、故障発生時に一つの電源端にて収集した
電圧及び電流と、他のすべての電源端にて収集した電流
と、既知である送配電線インピーダンスとを用いて、送
配電線上の電圧の、すべての電源端にて収集した故障相
電流の和のベクトルに直交する成分が最小(ほぼゼロ)
となる地点を故障点として標定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送配電線上の複数
のデータ収集装置により収集された電圧や電流を用いて
故障点を標定する故障点標定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】送配電線の故障点標定に関する技術とし
ては、1地点または複数地点の変電所におけるCT・P
T等の電気量収集手段により得た電圧・電流を用い、距
離継電器原理や故障電流の分流比に着目した故障点標定
原理を使用するものが実用化されている(特公平6−6
8535号公報、特開平8−122395号公報等)。
また、故障発生に起因するサージの送電線各端における
到達時間差に着目した方式(以下、サージ方式という)
やパルスを送電線上に印加し、その反射波の到達時間に
着目した方式(以下、パルス方式という)が実用化され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特公平6−68535
号公報、特開平8−122395号公報等に示された送
電線各端の電気量を用いる方式は、以下の問題がある。
特開平8−122395号公報に代表される送電線1端
の電気量を用いた標定方法(以下、1端子判定形とい
う)は、送電線に複数の電源や負荷が分岐接続されてい
る場合、故障点に流れる電流や負荷に流れる電流に未知
量が含まれるために、原理的な標定誤差を生じる。
【0004】特公平6−68535号公報、特開昭58
−208676号公報等に代表される送電線各端の電気
量を収集して標定するシステム(以下、多端子判定形と
いう)は、電源から故障点に流れる電流や負荷に流れる
電流が測定量となるために、1端子判定形より標定誤差
が軽減されるという利点がある。しかし、電線各端子で
の収集電気量を1ヶ所に集めるための通信手段に、電力
会社の専用回線設備等の長距離通信インフラが必要にな
るという問題がある。また、送電線の一部の端が需要家
である場合、需要家の都合等によりデータ収集設備が設
置できない場合がある。電気量を収集できない端がある
ということは、その端に流入・流出する電流は未知量と
なり、故障点標定精度に大きく影響する。更に、多数の
分岐を含む送電線では標定が複雑になり、電線の途中で
発生する対地充電電流が各端で検出できずに標定精度を
低下させるという問題もある。
【0005】また、サージ方式やパルス方式は、1端子
判定形、多端子判定形と比較して、一般的に故障点標定
のための設備規模が大きくなる。更に、多端子送配電線
ではサージやパルスの反射点が多数存在するので、正確
な故障点標定が困難である。
【0006】そこで本発明は、送配電線の複数の電源端
や送配電線の途中地点から同期させて収集した電気量を
用いることにより多端子判定形の利点を活かし、しかも
大規模かつ長距離の通信設備、伝送手段等を用いること
なく高精度な標定が行えるようにした故障点標定方法を
提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、送配電線のすべての電源端
に電気量を同期させて収集可能なデータ収集装置をそれ
ぞれ配置し、故障発生時に一つの電源端にて収集した電
圧及び電流と、他のすべての電源端にて収集した電流
と、既知である送配電線インピーダンスとを用いて、送
配電線上の電圧の、すべての電源端にて収集した故障相
電流の和のベクトルに直交する成分が最小(ほぼゼロ)
となる地点を故障点として標定するものである。
【0008】請求項2記載の発明は、送配電線上に少な
くとも電流を同期させて収集可能なデータ収集装置を複
数配置し、互いに隣接するデータ収集装置により収集し
た電流ベクトルの差分を検出してその差分が一定値を超
えたとき、つまり、隣接する二つのデータ収集装置によ
り収集した電流ベクトルが急変しているような隣接デー
タ収集装置間に故障点があると判断するものである。
【0009】請求項3記載の発明は、送配電線上のすべ
ての電源端及び送配電線の途中に電気量を同期させて収
集可能なデータ収集装置を複数配置し、故障発生時に一
つの電源端にて収集した電圧及び電流と、送配電線の途
中にて収集した電流と、既知である送配電線インピーダ
ンスとを用いて、送配電線上の電圧分布を求め、送配電
線上の電圧の、すべての電源端にて収集した故障相電流
の和のベクトルに直交する成分が最小となる地点を故障
点として標定するものである。つまり、この発明では、
請求項1の発明と異なり、送配電線の途中地点における
電流量も使用するため、送配電線上の各地点における電
圧計算精度を向上させることができ、この電圧の直交成
分が最小となる地点を探す標定処理の高精度化に寄与す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。まず、図1は本発明の実施形態における
データ収集装置の設置例を示す図である。図1におい
て、100は変電所(A端)、200は変電所(B
端)、300は変電所(C端)、401〜407はデー
タ収集装置、501,502は送配電線である。上記デ
ータ収集装置は何れも同一の構成であるものとし、その
大きさは変電所構内や送配電線の任意地点の鉄塔または
電柱上に設置可能なコンパクトなサイズとする。ここ
で、データ収集装置の設置地点は図示例に何ら限定され
るものではないが、請求項1の発明では少なくともすべ
ての電源端に、請求項2の発明では送配電線上の所定間
隔おきに、請求項3の発明では少なくとも一つの電源端
と送配電線上の任意の位置に配置される。
【0011】データ収集装置401〜407は、送配電
線からPT・CT等の電気量検出手段により電圧や電流
を検出して取り込み、これらのアナログ電気量をディジ
タル値に変換して振幅値・実効値・位相差・インピーダ
ンス・変化幅等の諸電気量を演算する。これらの電気量
は必要に応じてメモリに保存されると共に、前区間のデ
ータ収集装置から伝送された電気量に付加して次区間の
データ収集装置に伝送される。そして、図1では変電所
100のデータ収集装置401にすべての収集電気量が
集約され、例えばディジタルリレーのハードウェアを流
用した故障点標定装置に伝送される。データ収集装置間
の伝送手段としては、携帯電話やPHS等の公衆無線電
話通信、あるいは小電力無線通信等が利用可能であり、
これにより通信設備、伝送手段の簡素化、省電力化を図
ることができる。
【0012】データ収集装置による電気量の収集動作
は、予め設定された周期や操作員による操作入力、遠隔
からの指令によって起動される。また、データ収集装置
に過電流継電器・変化幅過電流継電器・過電圧継電器・
不足電圧継電器等の故障検出継電器機能や過電流検出機
能を備え、故障検出時にのみ電気量を伝送したり、過電
流検出時にのみ電源を供給して電気量の収集、伝送を行
わせても良い。これにより、省電力化、伝送容量の低
減、周囲環境へのノイズの影響低減等が可能である。
【0013】更に、各データ収集装置401〜407に
GPS(グローバルポジショニングシステム)を用いた
時計機能を持たせても良い。現在のGPSでは、1秒周
期で高精度の時刻データを人工衛星から発信している。
従って、この時刻データを送配電線上の各データ収集装
置401〜407が検知することにより、すべての収集
装置が同一の時刻情報を取得することができる。
【0014】上記GPSにより、各データ収集装置40
1〜407が電気量収集時にその時刻データを電気量に
付加して収集時刻付きの電気量を1ヶ所に集約すれば、
集約先で各収集データ間のタイミング差、つまり時刻差
の補正が可能である。例えば、第1、第2の二つのデー
タ収集装置による収集データが各々時刻(t1,t2)に
収集されたデータである場合、時刻差(△t=t2
1)と電気量の周波数fとを用い、第2のデータ収集
装置の電気量に対して2πf△t〔rad〕(πは円周
率)の位相補正(加算)を行うことにより、第2のデー
タ収集装置の電気量があたかも時刻t1に収集されたか
の如く取り扱うことができる。このような技術は例えば
特開平6−338037号公報等によって確立されてい
るから、これらの技術を利用すれば、複数のデータ収集
装置間での電気量のベクトル位相同期が可能になり、多
端子電気量を用いた故障点標定を高精度に実現すること
ができる。
【0015】先の図1において、変電所100(A端)
のデータ収集装置は電圧・電流を収集するものとし、変
電所200(B端)、変電所300(C端)のデータ収
集装置は電流のみを収集するものとする。なお、B端、
C端のうち、電源端でないもの(図1の例ではC端)は
データ収集装置の設置を省略する。いま、図2に示すよ
うに片端電源または両端電源の2端末送配電線を想定し
て、本実施形態の動作を説明する。
【0016】図2(A)は一端に電源601、他端に負
荷800を有する片端電源の場合であり、図2(B)は
一端にS電源701、他端にR電源702を有する両端
電源の場合である。なお、411〜414は前述したデ
ータ収集装置である。送配電線に故障が発生すると、図
2(A),(B)に示すごとく、常時の負荷電流の他に
各電源端から故障点に向かって故障電流が流れる。
【0017】故障発生時の送配電線各地点における電圧
分布例を図4、図5に示す。図4(A)は図2(A)の
ような片端電源時の電圧分布であり、電源端から故障点
までは、電流Iが大きく、V−Z・I(Zは線路インピ
ーダンス)によって決まる電圧変化も大きい。また、故
障点から負荷端までは、Iが負荷電流のみであり、電圧
変化は小さくなる。図4(B)は図2(B)のような両
端電源時の電圧分布であり、故障点を中心として両端側
に対称の電圧分布となる。
【0018】図5(A)は、両端電源時における故障相
電流の和のベクトル、つまり両端合成電流(極性電流)
と同相の電圧成分Re{V}の分布を示し、図5(B)
は直交する電圧成分Im{V}の分布を示している。こ
こで、送配電線上の電圧ベクトルV=Re{V}+Im
{V}である。これらの図から、電圧成分Re{V}に
ついてはほぼ故障点抵抗値×Iに相当する電圧分変化と
なり、電圧成分Im{V}についてはほぼ電線のリアク
タンス値×Iに相当する電圧分変化となる。
【0019】特開平8−122395号公報等の従来技
術において1端子電圧・電流で実施するインピーダンス
演算を基にした故障点標定は、各地点の電圧値のうち、
両端合成電流に直交する電圧成分が故障点においてほぼ
0〔V〕になる特徴を使い、0〔V〕になる地点を故障
点と見なしている。これは、故障点の残り電圧が故障点
抵抗(ほぼ純抵抗とされている)とこれに流れる故障点
の故障電流との積により発生するので、故障点残り電圧
のうち故障電流に直交する電圧成分は0〔V〕になる特
徴を用いたものである。故障点の故障電流は未知量であ
るので、送配電線の端で検出した電流に基づいていかに
故障点の故障電流と同位相の電流を求めるかが標定精度
を決定する大きな技術課題であった。従来技術では、故
障点の故障電流と同位相の電流を求める方法として、故
障相電流、対象座標法に基づく零相・逆相電流、α−β
−O法に基づくα回路電流等を用いるものが提案されて
おり、各々特徴がある。
【0020】しかし、いずれの方法も故障点標定装置の
設置点背後の電源(送配電線の一電源端)から故障点に
流れる故障電流を模擬したものであるのに対し、実際の
故障電流は図2(B)の両端電源の電流イメージ図にあ
るように全電源端からの電流和となる。このため、従来
技術では何れも他の電源端からの故障電流を模擬するこ
とができず、各電源端からの故障電流に位相差がある場
合には、送配電線一端の電気量のみで故障点の故障電流
と同位相の電流を求めるのが困難であり、前記位相差に
よって故障点標定誤差を生じてしまう。
【0021】そこで、請求項1記載の発明の実施形態で
は、全電源端の時刻同期のとれた電流を直接求め、その
合成電流(各電流の和のベクトル)を極性電流に用いる
ことを特徴とする。例えば、図1の例において、変電所
100,200が共に電源端である場合、変電所100
内のデータ収集装置401は電圧・電流を収集し、変電
所200内のデータ収集装置401は電流のみを収集し
てデータ収集装置401へ伝送し、故障点標定装置に伝
送する。図2(B)の例に即して言えば、S電源701
の端のデータ収集装置411が電圧・電流を収集し、R
電源702の端のデータ収集装置414が電流のみを収
集する。前述のように、GPSの時計機能を利用して各
データ収集装置による収集電気量の位相同期が可能であ
るから、データ収集装置411,414により収集した
故障電流に位相差がある場合にもその位相差をほぼゼロ
にすることができる。そして、これらの電気量を用いて
以下のように故障点標定を行う。
【0022】具体的な故障点標定方法としては、従来の
1端子電圧・電流で実施するインピーダンス演算に基づ
く故障点標定方法を用いるものとする。すなわち、図2
のS電源701の端においてデータ収集装置411が収
集した電圧ベクトルVの成分であって、両端合成電流ベ
クトル(データ収集装置411,414による位相同期
した収集電流の和のベクトル)に直交する電圧成分Im
{V}は、図5(B)に示した如く故障点においてほぼ
ゼロになる。このため、S電源701の端においてデー
タ収集装置411が収集した電流(故障電流)と送配電
線リアクタンス値(送配電線の長さに比例)との積によ
る電圧降下が前記電圧成分Im{V}に等しくなるよう
な地点を演算により求めれば、その地点を故障点として
標定することができる。これにより、各電源端からの故
障電流の位相差を見かけ上、なくして高精度に故障点を
標定することができる。
【0023】次に、請求項2に記載した発明の実施形態
を説明する。図2の系統において、各収集装置が収集し
た各電流のベクトル例を図3に示す。片端電源時(図2
(A)、図3(A))において、電源〜故障点間は、
(故障電流+負荷電流)でほぼ一様であり、この(故障
電流+負荷電流)はデータ収集装置411,412によ
って収集される。故障点〜負荷端間は負荷電流のみであ
り、この負荷電流はデータ収集装置413,414によ
って収集される。すなわち、故障点を挟む前後では電流
値の急変がある。また、両端電源時(図2(B)、図3
(B))では、データ収集装置411,412がS電源
701からの故障電流を収集し、データ収集装置41
3,414がR電源702からの故障電流を収集する。
これらの電流ベクトルの絶対値は図3(B)ではほぼ等
しいが、電流ベクトルの差分は大きくなる。
【0024】上記の点に着目し、請求項2の発明の実施
形態では、送配電線上の任意地点に配置されたデータ収
集装置により各地点の電流量を同期させて収集し、隣接
するデータ収集装置がそれぞれ収集した電流ベクトルど
おしを比較して両者の差分が一定値を超える(つまり隣
接データ収集装置間で収集電流ベクトルが急変してい
る)ような隣接データ収集装置の間に故障点があるもの
として、故障点を標定するものである。これにより、図
2、図3の例ではデータ収集装置412,413間が故
障点として標定される。本実施形態によれば、電源が複
数ある系統でも、故障点を挟んで電流ベクトルの急変が
あるので、片端系統と同様に故障点を確実に標定するこ
とができる。
【0025】本実施形態では、故障時の電流データのみ
で故障点標定を実施することができる利点がある。ま
た、送配電線上の各データ収集装置が収集した電流ベク
トルの差分を見るだけの簡単な原理であり、故障形態
(単純故障・同一地点多重故障・異地点多重故障)も問
わない。更に、インピーダンス整定値の設定もなく、こ
れらの整定誤差も存在しないという特徴があり、標定誤
差は、データ収集装置の設置間隔で決まるので、送配電
線上に短距離(例えば鉄塔毎)の間隔(数百メートルお
き)でデータ収集装置を設置できれば、高精度の標定が
可能になる。
【0026】次に、請求項3に記載した発明の実施形態
を説明する。まず、上述した請求項2の発明には、二つ
の問題点がある。一つは、物理的・経済的な理由であ
り、データ収集装置を短い間隔で設置できない場合には
設置間隔が長距離になるほど標定誤差が大きくなる。も
う一つは、故障電流が小さく、隣接するデータ収集装置
間の電流ベクトルの差分が微小である場合である。この
場合、例えば特公平6−68535号公報等の従来技術
による故障点標定が考えられる。しかし、これらの従来
技術では、データ収集装置のない端、特に都合によって
データ収集装置を設置できない需要家(負荷端及び電源
端)につながる分岐線への故障電流の分流や、端からの
故障電流の流入は標定誤差要因となる。また、端の電流
には電線の対地容量等に起因する充電電流が含まれてい
ないので、これも標定誤差要因となる。
【0027】そこで、請求項3に記載した発明では、一
つの電源端の電圧・電流及び既知の送配電線インピーダ
ンス、更には送配電線の途中地点の電流から、従来技術
の如く送配電線各地点における電圧分布を計算する。こ
こでも、各収集電気量の位相同期をとることは言うまで
もない。特に本実施形態では、電流値として端の電流を
無条件に使用するのではなく、送配電線の途中のデータ
収集装置設置点以遠の区間では当該データ収集装置によ
る収集電流量を使用する。このように送配電線の途中の
データ収集装置によって収集した電流には充電電流が含
まれているので、充電電流に起因する誤差を軽減するこ
とができる。また、端にデータ収集装置がない分岐線で
も、分岐点〜端の間に少なくとも一つデータ収集装置を
設置することで、分流する故障電流の検出は容易であ
る。
【0028】本実施形態では、以上のように収集装置に
おける収集電流を用いることで、充電電流や分流故障電
流を検出可能であり、送配電線上の電圧分布を一層正確
に計算することができる。こうして送配電線上の電圧分
布が正確に求められれば、送配電線上の電圧の極性電流
と直交する電圧成分がほぼゼロになるような地点つまり
故障点の標定は、請求項1の実施形態と同様に送配電線
のリアクタンスを用いたインピーダンス演算によって容
易に実現可能である。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、送配電線
の複数の電源端や送配電線の途中地点から同期させて収
集した電圧・電流を用いることにより、従来の多端子判
定形の利点を活かし、しかも専用回線等の大規模かつ長
距離の通信設備、伝送手段を用いることなく高精度に故
障点を標定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるデータ収集装置の設
置例を示す図である。
【図2】片端電源時・両端電源時における電流分布の説
明図である。
【図3】図2における電流ベクトルの説明図である。
【図4】片端電源時・両端電源時における電圧分布の説
明図である。
【図5】両端電源系統における電圧分布の説明図であ
る。
【符号の説明】
100,200,300 変電所 401,402,403,404,405,406,4
07,411,412,413,414 データ収集装
置 501,502 送配電線 601,701,702 電源 800 負荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊原木 永二朗 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 2G033 AA01 AB01 AD02 AD18 AG01 AG12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送配電線のすべての電源端に電気量を同
    期させて収集可能なデータ収集装置をそれぞれ配置し、
    故障発生時に一つの電源端にて収集した電圧及び電流
    と、他のすべての電源端にて収集した電流と、既知であ
    る送配電線インピーダンスとを用いて、送配電線上の電
    圧の、すべての電源端にて収集した故障相電流の和のベ
    クトルに直交する成分が最小となる地点を故障点として
    標定することを特徴とする故障点標定方法。
  2. 【請求項2】 送配電線上に少なくとも電流を同期させ
    て収集可能なデータ収集装置を複数配置し、互いに隣接
    するデータ収集装置により収集した電流ベクトルの差分
    を検出してその差分が一定値を超えたときの隣接データ
    収集装置間の地点を故障点として標定することを特徴と
    する故障点標定方法。
  3. 【請求項3】 送配電線上のすべての電源端及び送配電
    線の途中に電気量を同期させて収集可能なデータ収集装
    置を複数配置し、故障発生時に一つの電源端にて収集し
    た電圧及び電流と、送配電線の途中にて収集した電流
    と、既知である送配電線インピーダンスとを用いて、送
    配電線上の電圧分布を求め、送配電線上の電圧の、すべ
    ての電源端にて収集した故障相電流の和のベクトルに直
    交する成分が最小となる地点を故障点として標定するこ
    とを特徴とする故障点標定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112505479A (zh) * 2020-11-19 2021-03-16 东南大学 一种适用于mmc型直流配电网的故障测距方法
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