JP2000346706A - 塗料の色合わせ方法 - Google Patents

塗料の色合わせ方法

Info

Publication number
JP2000346706A
JP2000346706A JP15880799A JP15880799A JP2000346706A JP 2000346706 A JP2000346706 A JP 2000346706A JP 15880799 A JP15880799 A JP 15880799A JP 15880799 A JP15880799 A JP 15880799A JP 2000346706 A JP2000346706 A JP 2000346706A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
layer
coefficient
paint
absorption coefficient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP15880799A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Kisuda
勲 木須田
Tomiko Sawaguchi
登美子 澤口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP15880799A priority Critical patent/JP2000346706A/ja
Publication of JP2000346706A publication Critical patent/JP2000346706A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半透明の最上層を有する多層加工型において
も、所定の色見本と同じ色に色材を精度良く処方するこ
とができる塗料の色合わせ方法の提供を課題とする。 【解決手段】 色見本の分光反射率R∞及び中塗り層
(N−1層)の分光反射率R∞と、上塗り層(N層)の
膜厚Xaとを指定することにより、上塗り層(N層)の
各色材i毎の色材濃度Ciを計算で求める方法を採用し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の色材を混ぜ
合わせて下地が透けて見える膜厚の上塗り層で下地を覆
ったときに、所定の色見本と同じ色に上塗り層の色材の
処方を決定する、塗料の色合わせ方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】PCM(Pre−Coated Met
al)塗料などの塗料には、3層以上(N層)からなる
多層加工型(例えば3層の場合には、上塗り、中塗り、
プライマー)と2層加工型(上塗り、プライマー)とが
あり、一般に2層型は膜厚が厚いので上塗り層の隠蔽性
が大きく不透明である。このような色合わせにおいて
は、一般にKubelkaとMunkによる光学濃度
(塗膜の吸収係数Kと散乱係数S)と無限大厚さの塗膜
反射率R∞との関係式である下記の数式(5)と、Du
nkanによる、混合色の吸収係数Kと散乱係数SのK
/S比が、色材iの吸収係数Kiの和と散乱係数Siの
和との比に等しいという下記の数式(6)とが基本とな
っている。このような調色においては、従来より下記2
式により混色結果を精度良く予測できることが報告され
ている。
【0003】
【数5】
【0004】
【数6】
【0005】なお、上記数式(5)のR∞は隠蔽率98
%以上となる膜厚での反射率である。また、上記数式
(6)のCは色材濃度、iは色材番号である。したがっ
て、Ki、Siは、それぞれ、各色材iの吸収係数及び
散乱係数を示している。図8に示すように、塗膜反射率
R∞は、上塗り層が不透明の場合には、分光光度計で測
定した反射率RからSaundersonによる下記数
式(7)により求め、上塗り層が半透明の場合には、W
endlant等による白バック上の反射率RWと黒バ
ック上の反射率RBと白バック反射率RGから下記数式
(8)及び(9)より求められる。下記数式(7)のK
1はフレネル係数、K2は内部拡散係数である。なお、
前述した半透明の定義としては、隠蔽率80〜95%を
示すものとする。隠蔽率95〜98%の領域は不透明に
も半透明にも属さない領域となるが、一般には不透明と
して扱われる。不透明、半透明のいずれの場合において
も、R∞が求められれば、上記数式(5)及び上記数式
(6)によって色材濃度Ciを求めることができる。
【0006】
【数7】
【0007】
【数8】
【0008】
【数9】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに多層加工型の最上層(上塗り層)は膜厚が薄くて一
般的に隠蔽性が小さく半透明であるため、この最上層
は、その下に密着している下層(中間層)の色相の影響
を受けるため、上記数式(5)及び上記数式(6)を用
いても精度良く色合わせ処方を求めることが困難であっ
た。更に、図8の半透明の場合の計算フローにおいて、
前記白バック上の反射率R W及び前記黒バック上の反射
率RB及び前記白バック反射率RGを求めることができな
いので、上記数式(8)及び上記数式(9)を使うこと
ができないのである。
【0010】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもの
であって、半透明の最上層を有する多層加工型において
も、所定の色見本と同じ色に色材を精度良く処方するこ
とができる塗料の色合わせ方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の塗料の色合わせ
方法は、上記課題を解決するために以下の手段を採用し
た。すなわち請求項1記載の塗料の色合わせ方法は、下
地を2層以上のN層からなる塗膜で覆ったときに最上層
であるN層が透けてその下層のN−1層が見える半透明
の前記N層の色材を処方して、前記下地を覆った状態で
の前記塗膜を所定の色見本と同色にする塗料の色合わせ
方法であって、前記色見本の分光反射率R∞を下記数式
(10)に代入して吸収係数Kと散乱係数SとのK/S
比を算出する第1ステップと、
【数10】 該第1ステップの後、前記N層を構成する各色材i毎
に、その吸収係数Ki及び散乱係数Si及び前記色見本
のK/S比を下記数式(11)に代入してそれぞれの概
略色材濃度Ci’を算出する第2ステップと、
【数11】 該第2ステップの後、前記N−1層を構成する各色材j
毎に、その分光反射率R∞から求めた吸収係数Kj及び
散乱係数Sjと、前記N層の膜厚Xaと、前記N層の吸
収係数Ki及び散乱係数Siと、前記色見本のK/S比
と、下記数式(12)とから前記N層の色透け度αijxa
を求める第3ステップと、
【数12】 該第3ステップの後、前記色見本のK/S比と、前記N
層の吸収係数Ki及び散乱係数Siと、前記N−1層の
吸収係数Kj及び散乱係数Sjと、前記N層の色透け度
αijxaとを下記数式(13)に代入して前記N層の各色
材i毎の色材濃度Ciを算出する第4ステップと
【数13】 からなることを特徴とする。
【0012】上記請求項1記載の塗料の色合わせ方法に
よれば、色見本の分光反射率R∞及びN−1層の分光反
射率R∞と、N層の膜厚Xaとを指定することにより、
N層の各色材i毎の色材濃度Ciが計算で求められる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の塗料の色合わせ方法は、
下地を2層以上のN層からなる塗膜で覆ったときに最上
層であるN層が透けてその下層のN−1層が見える半透
明の前記N層の色材を処方して、前記下地を覆った状態
での前記塗膜を所定の色見本と同色にする塗料の色合わ
せ方法であり、その一実施形態を図面を参照しながら以
下に説明する。
【0014】例えば図1に示す従来の光学モデルが不透
明塗膜を対象としていたのに対し、本実施形態では、図
2に示すように下地1上に中塗り層2を塗装した上に更
に上塗り層3を塗装したもので、(上塗り層3+中塗り
層2)の分光反射率R∞と上塗り層3の膜厚Xaが判れ
ば、上塗り層3の配合値である色材濃度Ciが算出でき
る半透明モデルを光学モデルとした。このような半透明
モデルが成立するためには、下記の2点が成立条件とな
る。すなわち、2層塗膜を1層の混合理論で取り扱うこ
とができるという条件(1)と、この条件(1)成立の
もとで、上塗り層3の色材濃度Ciが算出できるという
条件(2)である。これら条件(1)及び条件(2)を
さらに詳しく述べると、以下のようになる。
【0015】まず、条件(1)について詳述する。図3
は半透明モデルであり、図中のαは中塗り層2が上塗り
層3によって光学的に影響を受ける割合であり、各色ベ
ース・上塗り層3の膜厚Xaに依存する係数である。以
下、この係数αを膜厚係数と定義する。また、iは上塗
り層3の色材番号で、通常3〜7色が用いられる。ま
た、jは中塗り層2の色材番号である。この条件を式で
表すと下記数式(14)となる。中塗り層2の色材は2
色以上用いても良いが、ここでは説明を簡単にするため
に1色とし(j=1)、下記数式(14)より下記数式
(15)を導く。
【0016】
【数14】
【0017】
【数15】
【0018】すなわち、上塗り層3の色材i(光学濃
度:吸収係数Ki、散乱係数Si)と、中塗り層2の色
材j(光学濃度:吸収係数Kj、散乱係数Sj)とが、
あたかも一つの層からなる色材であり、中塗り層2の色
材のみ光エネルギーがα分だけ減少したかのように考え
て下記数式(16)を変形することで、上記数式(1
5)が得られることとなる。したがい、上記条件(1)
が成立するためには、上記数式(15)の成立が必須条
件となる。
【0019】
【数16】
【0020】次に、上記条件(2)について詳述する。
上記数式(15)のαijxaは、上塗り層3の色材濃度C
iと膜厚Xaとによって決まる係数であるが、未知試料
では色材濃度Ciが未知となるのでαijxaが求まらず、
上記数式(15)より色材濃度Ciを求めることができ
ない。そこで、上塗り層3を仮に不透明と仮定すること
により、下記数式(17)によって概略色材濃度Ci’
を求めることができる。
【0021】
【数17】
【0022】この概略色材濃度Ci’と前記色材濃度C
iとは勿論完全に合致するものではないが、大差ない精
度範囲内に収めることが可能である。したがい、これら
概略色材濃度Ci’と色材濃度Ciとの差の範囲内にお
いて膜厚係数αijxaが一定であると仮定すれば、色材濃
度Ciの代わりに概略色材濃度Ci’を採用し、これと
ともに前記膜厚Xaを用いて膜厚係数ファイルからα
ijxaが求められるので、これらを上記数式(15)に代
入して色材濃度Ciが求められることとなる。
【0023】以上説明の条件(1)及び条件(2)が成
立している上での計算流れを、図4を参照しながら以下
に説明する。なお、この条件(1)及び条件(2)が成
立することの妥当性については、計算流れを説明した後
に述べるものとする。すなわち、色見本の分光反射率R
∞を分光光度計で計測したものを、下記数式(18)に
代入して吸収係数Kと散乱係数SとのK/S比を算出す
る(第1ステップ)。
【0024】
【数18】
【0025】この第1ステップの後、N層(上塗り層
3)を構成する各色材i毎に、その吸収係数Ki及び散
乱係数Siを下記数式(19)に代入してそれぞれの概
略色材濃度Ci’を算出する(第2ステップ)。
【0026】
【数19】
【0027】この第2ステップの後、N−1層(中塗り
層2)を構成する各色材j毎に、その分光反射率R∞か
ら求めた吸収係数Kj及び散乱係数Sjと、N層(上塗
り層3)の膜厚Xaと、前記N層(上塗り層3)の吸収
係数Ki及び散乱係数Siと、前記色見本のK/S比
と、下記数式(20)とからN層(上塗り層3)の色透
け度αijxaを算出する(第3ステップ)。
【0028】
【数20】
【0029】この第3ステップの後、前記色見本のK/
S比と、前記N層(上塗り層3)の吸収係数Ki及び散
乱係数Siと、前記N−1層(中塗り層2)の吸収係数
Kj及び散乱係数Sjと、前記N層(上塗り層3)の色
透け度αijxaとを下記数式(21)に代入してN層(上
塗り層3)の各色材i毎の色材濃度Ciを算出する(第
4ステップ)。
【0030】
【数21】
【0031】以上の計算手順による本実施形態の塗料の
色合わせ方法によれば、色見本の分光反射率R∞及び中
塗り層2(N−1層)の分光反射率R∞と、上塗り層3
(N層)の膜厚Xaとを指定することにより、上塗り層
3(N層)の各色材i毎の色材濃度Ciが計算で求めら
れるので、半透明の上塗り層3(N層)を有する多層加
工型においても、所定の色見本と同じ色に色材を精度良
く処方することが可能となる。
【0032】なお、以下に述べる実施例により、前記条
件(1)及び条件(2)の妥当性について実験計画法を
用いて検証を行うものとする。 [実施例]まず、前記条件(1)の検証を行うにあた
り、適用範囲を推定する。この適用範囲を広範囲で推定
するに際し、中塗り層2の色相と、上塗り層3の色相
と、上塗り層3の塗膜厚との3因子を取り上げて実験を
行った。また、検証を行うにあたり、上塗り層3の明度
に応じて使用される中塗り層2の配合が大きく変わるこ
とから、(a)中明度〜低明度流域と、(b)中明度〜
高明度領域とに分けて実施した。
【0033】実験には、下記6色の検証用塗料を上塗り
層3として用い、下記3色の中塗り塗料を中塗り層2と
して用いた。 ・検証用塗料:R960(白)、BLACK#1
(黒)、B49(茶)、Y28(黄)、G5(緑)、B
L3(青) ・中塗り塗料:FC45A(グレイ)、FC50A
(白)、FC49A(黒)
【0034】また、見本配合においては、カラー塗料、
白希釈塗料、黒希釈塗料は、それぞれ下記のように配合
した。 ・カラー塗料:B49/Y28=27/75、G5/Y
28=50/50、BL3/Y28=75/25、G5
/B49=25/75、BL3/B49=50/50、
G5/BL3=75/25 ・白希釈塗料:上記各カラー塗料/R960=30/7
0 ・黒希釈塗料:上記各カラー塗料/BLACK#1=8
0/20
【0035】また、解析手順は、以下の手順で行った。 ・まず、前記検証用塗料6色それぞれの無限大膜厚の吸
収係数Kと散乱係数Sとを上記数式(5)及び上記数式
(6)より求める。 ・次に、前記中塗り塗料6色の10μm、13μmにお
ける膜厚係数度αijxaを前記膜厚係数ファイルより求め
る。 ・次に、後述される割付表(表1)に従って色見本を作
成する。 ・次に、上記数式(15)を用いて半透明モデルの計算
を行い、色出しを行う。 ・次に、色出しされたものと前記色見本との色差を求め
る。 ・次に、分散分析を行う。
【0036】(a)中明度〜低明度流域での検証結果 ・第1水準 因子A:中塗り塗料 A1(FC45Aグレイ) 因子B:膜厚 B1(10μm) 因子C:黒希釈% C1(0%) ・第2水準 因子A:中塗り塗料 A2(FC49A黒) 因子B:膜厚 B2(13μm) 因子C:黒希釈% C2(20%) 効果及び技術的に考えられる交互作用は、A、C、A×
B、B×Cである。他の因子は影響が小さいので誤差項
に含めた。前記割付表は下記表1の通りであり、結果に
ついては下記表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】(b)中明度〜高明度領域での検証結果 ・第1水準 因子A:中塗り塗料 A1(FC45Aグレイ) 因子B:膜厚 B1(10μm) 因子C:白希釈% C1(0%) ・第2水準 因子A:中塗り塗料 A2(FC50A白) 因子B:膜厚 B2(13μm) 因子C:白希釈% C2(70%) 効果及び技術的に考えられる交互作用は、A、C、A×
Cである。他の因子は影響が小さいので誤差項に含め
た。割付は前記表1の通りであり、結果については下記
表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】以上の(a)中明度〜低明度流域での検証
結果と、(b)中明度〜高明度領域での検証結果とに基
づいて、上記条件(1)の成立のために必須である上記
数式(15)の評価を行う。この評価においては、半透
明モデルとして計算を行い、この計算結果と色見本との
色差結果をもとに解析を行うものとする。また、判定
は、色差を大きくするような因子はないとの帰無仮説に
より行った。検証の結果、表2及び表3に示すように、
F値がいずれも有意水準5%で、有意差は認められなか
った。したがって、半透明モデルの精度において、中明
度〜低明度流域の領域と中明度〜高明度の領域とにおい
て有意となる要因が確認されなかった。よって、上記数
式(15)が成立することになるので、上記条件(1)
が成立することが判明した。
【0042】次に、「上記条件(1)成立のもとで、上
塗り層3配合値である色材濃度Ciが算出できる」とい
う上記条件(2)の検証を以下に続けて行う。この条件
(2)が成立するためには、前記概略色材濃度Ci’の
半透明度と色材濃度Ciの半透明度とが略等しくならな
ければならない。すなわち、多少の配合が変わろうとも
半透明度が変わらないことが必要である。そこで、上塗
り層3の配合をCiとした場合と、不透明な1層塗膜と
仮定して求めた配合Ci’とした場合との半透明度を比
較する。そこで、既知の色見本の半透明度の混合結果を
σCi’α、既知の色見本の半透明モデルによる色合わ
せ計算結果をσCiαとし、これらが5%以内の誤差率
で一致するかを検証した。
【0043】実験には、18色の見本配合を用いた。各
種検証条件等は下記の通りである。 ・カラー塗料:B49/Y28=25/75、G5/Y
28=50/50、BL3/Y28=75/25、G5
/B49=25/75、BL3/B49=50/50、
G5/BL3=75/25 ・中塗り層2は、色相がグレイである中塗り塗料FC−
45Aを膜厚Xb=10μmで塗装したものを用いた。 ・上塗り層3は、上記カラー塗料配合処方に基づき、膜
厚Xa=9μm〜13μmの範囲で、膜厚差2μm以上
となるように2点塗装した。 ・概略配合である概略色材濃度Ci’は、上記色見本に
ついて不透明モデルで計算を行って求められる。すなわ
ち、色見本配合である色材濃度Ciの半透明度は、σC
iαi(λ=400nm〜700nm、20nm間隔で
16波長)とする。概略配合である概略色材濃度Ci’
の半透明度は、σCi’αi(λ=400nm〜700
nm、20nm間隔で16波長)とする。
【0044】以上の結果をグラフ化したものを図5〜図
7に示す。これら図5〜図7のグラフによる解析の結
果、σCiαi及びσCi’αiの両者の値は5%未満
の範囲内で一致しており、色見本の半透明度と概略配合
の半透明度とが一致していることが検証された。よっ
て、上記条件2も成立することが判明した。以上によ
り、上記条件(1)及び上記条件(2)の両方の仮説が
立証されたので、次に、本発明の実用レベル上での精度
評価を行った。
【0045】実用レベルでの精度を検証するにあたり、
実際に用いられる条件を想定して行った。すなわち、下
記12色のフッ素系塗料(DICFLS)を使用カラー
とした。そして、見本は24色とし、日本工業会色見本
帳・DICカラーガイドからカラーチップを選択し、不
透明モデルでの計算を行った。膜厚10μm〜12μm
で、指定した中塗り層2の上に塗装を行い、塗装板見本
を作成した。 1.R960 2.BLACK#1 3.BROWN#12 4.BROWN#49 5.140M(赤) 6.180M(赤) 7.YELLOW#28 8.HY100(黄) 9.GREEN#5 10.GNM(緑) 11.BLUE#3 12.BLUE#9 両者の比較結果をまとめたものを下記表4に示す。さら
にこれの色差分布を求めたものが下記表5であり、同表
に示すように、色差2以下が96%(46%+46%+
4%=96%)と、実用レベル上での精度が良好である
ことが検証された。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】以上の検証により、下記3点の確認がなさ
れたこととなる。 ・2層の色材を1層の混色理論で取り扱うことは可能で
ある。 ・(上塗り+下塗り)塗膜の分光反射率から上塗り層の
色材配合を求めることは可能である。 ・本発明の塗料の色合わせ方法は、例えばPCM塗料の
色合わせ等に高い精度で適用することが可能である。
【0049】
【発明の効果】本発明の上記請求項1記載の塗料の色合
わせ方法によれば、色見本の分光反射率R∞及びN−1
層の分光反射率R∞と、N層の膜厚Xaとを指定するこ
とにより、N層の各色材i毎の色材濃度Ciが計算で求
められるので、半透明の最上層(N層)を有する多層加
工型においても、所定の色見本と同じ色に色材を極めて
精度良く処方することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の不透明塗膜の光学モデルを示す図であ
って、塗膜の厚み方向の断面図である。
【図2】 本発明で用いる半透明塗膜の光学モデルを示
す図であって、塗膜の厚み方向の断面図である。
【図3】 本発明で用いる半透明塗膜の光学モデルを示
す図であって、塗膜の厚み方向の断面図である。
【図4】 本発明の塗料の色合わせ処方の計算流れを示
す図であって、フローチャートである。
【図5】 本発明の塗料の色合わせ方法による計算結果
と色見本との比較を示すグラフであり、Y28/G5=
1/3の場合のグラフである。
【図6】 本発明の塗料の色合わせ方法による計算結果
と色見本との比較を示すグラフであり、Y28/G5=
1/1の場合のグラフである。
【図7】 本発明の塗料の色合わせ方法による計算結果
と色見本との比較を示すグラフであり、Y28/G5=
3/1の場合のグラフである。
【図8】 従来の塗料の色合わせ処方の計算流れを示す
図であって、フローチャートである。
【符号の説明】
1・・・下地 2・・・中塗り層(N−1層) 3・・・上塗り層(N層)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地を2層以上のN層からなる塗膜で覆
    ったときに最上層であるN層が透けてその下層のN−1
    層が見える半透明の前記N層の色材を処方して、前記下
    地を覆った状態での前記塗膜を所定の色見本と同色にす
    る塗料の色合わせ方法であって、 前記色見本の分光反射率R∞を下記数式(1)に代入し
    て吸収係数Kと散乱係数SとのK/S比を算出する第1
    ステップと、 【数1】 該第1ステップの後、前記N層を構成する各色材i毎
    に、その吸収係数Ki及び散乱係数Si及び前記色見本
    のK/S比を下記数式(2)に代入してそれぞれの概略
    色材濃度Ci’を算出する第2ステップと、 【数2】 該第2ステップの後、前記N−1層を構成する各色材j
    毎に、その分光反射率R∞から求めた吸収係数Kj及び
    散乱係数Sjと、前記N層の膜厚Xaと、前記N層の吸
    収係数Ki及び散乱係数Siと、前記色見本のK/S比
    と、下記数式(3)とから前記N層の色透け度αijxa
    求める第3ステップと、 【数3】 該第3ステップの後、前記色見本のK/S比と、前記N
    層の吸収係数Ki及び散乱係数Siと、前記N−1層の
    吸収係数Kj及び散乱係数Sjと、前記N層の色透け度
    αijxaとを下記数式(4)に代入して前記N層の各色材
    i毎の色材濃度Ciを算出する第4ステップと 【数4】 からなることを特徴とする塗料の色合わせ方法。
JP15880799A 1999-06-04 1999-06-04 塗料の色合わせ方法 Withdrawn JP2000346706A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15880799A JP2000346706A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 塗料の色合わせ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15880799A JP2000346706A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 塗料の色合わせ方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000346706A true JP2000346706A (ja) 2000-12-15

Family

ID=15679798

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15880799A Withdrawn JP2000346706A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 塗料の色合わせ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000346706A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002371206A (ja) * 2001-06-14 2002-12-26 Kansai Paint Co Ltd 調色補助カード
JP2009027256A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Fujifilm Corp 印刷色予測方法及び予測システム
JP2011075304A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Fujifilm Corp 印刷色予測方法、プロファイル生成方法及びプログラム並びに印刷色予測装置
CN102288548A (zh) * 2011-07-21 2011-12-21 天津大学 提高浑浊介质中成分检测精度的测量方法
JP2014161126A (ja) * 2014-06-10 2014-09-04 Fujifilm Corp 色情報処理方法、装置及びプログラム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002371206A (ja) * 2001-06-14 2002-12-26 Kansai Paint Co Ltd 調色補助カード
JP2009027256A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Fujifilm Corp 印刷色予測方法及び予測システム
US8040561B2 (en) 2007-07-17 2011-10-18 Fujifilm Corporation Method and system for predicting print colors
JP2011075304A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Fujifilm Corp 印刷色予測方法、プロファイル生成方法及びプログラム並びに印刷色予測装置
CN102035991A (zh) * 2009-09-29 2011-04-27 富士胶片株式会社 打印色彩预测方法、打印色彩预测装置和简档生成方法
US8531667B2 (en) 2009-09-29 2013-09-10 Fujifilm Corporation Print color predicting method, print color predicting apparatus, computer-readable recording medium with print color predicting program recorded therein, and profile generating method
CN102288548A (zh) * 2011-07-21 2011-12-21 天津大学 提高浑浊介质中成分检测精度的测量方法
JP2014161126A (ja) * 2014-06-10 2014-09-04 Fujifilm Corp 色情報処理方法、装置及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4039470B2 (ja) メタリック・パール系塗料のコンピュータ調色における着色材と光輝材の配合比又は光輝材の配合量を求める方法
RU2382339C2 (ru) Способ подбора краски
JP6707637B2 (ja) 塗料表面の質感パラメータを決定するための方法
JP6703639B1 (ja) 塗料の製造方法及び色彩データを予測する方法
CN1802556B (zh) 无光泽颜色的配方计算方法
JP2010510520A (ja) 限られた測定データでゴニオ外観性材料の双方向反射分布関数を生成するための方法
Ferrero et al. Color representation and interpretation of special effect coatings
CN103542938A (zh) 基于d/8条件对sci误差修正的分光测色仪及其方法
CN101646928A (zh) 用于特效涂料的光学性能的建模和仿真和用于确定分光光度计的照射和测量几何条件的方法和设备
JP2000346706A (ja) 塗料の色合わせ方法
US11604939B2 (en) Coating quality prediction device and learned model generation method
JP7376566B2 (ja) カスタマイズされた色のレンズを決定するための方法及びシステム
Zhao et al. Predicting the spectral reflectance factor of translucent paints using Kubelka‐Munk turbid media theory: Review and evaluation
JP3870421B2 (ja) コンピュータカラーマッチング方法および装置
JP2015225070A (ja) 混合色材のスペクトルまたは色度の予測および所望のスペクトルまたは色度を有する色材の配合の決定
JP2006030210A (ja) コンピュータカラーマッチング方法および装置
JP3440597B2 (ja) コンピュータカラーマッチング方法
Koirala et al. Color mixing and color separation of pigments with concentration prediction
JP2015004686A (ja) 光特性測定用のフィルム、及び、光特性測定用の物質。
JP3064430B2 (ja) コンピユータ調色方法
JP2007316829A (ja) 日射反射率を算出するための分光反射率予測計算方法、及び、分光反射率予測計算装置、半導体チップ、回路基板、分光反射率予測プログラム、コンピュータシステム、並びに、分光反射率予測計算システム
Reddy et al. Cultural differences in color preferences
JP3278547B2 (ja) 色合わせ計算方法及び装置
JP2008111116A (ja) 塗料液のコンピュータ調色方法とこの方法を用いた塗料の製造方法
JP2009079227A (ja) 塗料液のコンピュータ調色方法とこの方法を用いた塗料の製造方法、及び塗料液の調色装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060905