JP2000345822A - 飛沫潤滑式エンジン - Google Patents

飛沫潤滑式エンジン

Info

Publication number
JP2000345822A
JP2000345822A JP11153197A JP15319799A JP2000345822A JP 2000345822 A JP2000345822 A JP 2000345822A JP 11153197 A JP11153197 A JP 11153197A JP 15319799 A JP15319799 A JP 15319799A JP 2000345822 A JP2000345822 A JP 2000345822A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
connecting rod
oil
oil dipper
base
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11153197A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Isomura
真 磯村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP11153197A priority Critical patent/JP2000345822A/ja
Publication of JP2000345822A publication Critical patent/JP2000345822A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 飛沫潤滑式エンジンにおいて、オイルデ
ィッパ基部14の上下方向中央部の左右幅寸法16が、
コンロッド大端部6の右側面10に沿うオイルディッパ
基部14の上下高さ寸法17の60%以下とされ、オイ
ルディッパ基部14の上下方向中央部の前後厚さ寸法1
8が、オイルディッパ本体15の上下方向中央部の前後
厚さ寸法19の2倍以上とされている。 【効果】 オイルディッパ基部14の左右幅寸法16が
短いので、オイルデッパ基部14と連動軸4との隙間が
広くなる。このため、これらが寸法誤差や組付誤差など
によって接触するのを抑制でき、隙間の寸法管理を精密
に行う必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飛沫潤滑式エンジ
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の飛沫潤滑式エンジンの構成は、次
の通りである(図3及び図4参照)。図4に示すよう
に、クランクケース101と、シリンダ102と、コン
ロッド103と、クランク軸と、連動軸104とを備
え、クランクケース101の内底部にエンジンオイル1
05が溜められ、クランクケース101内にクランク軸
と上記連動軸104とが平行に架設され、コンロッド大
端部106にオイルディッパ107が設けられ、
【0003】図3(A)に示すように、コンロッド小端
部108のある方を上、コンロッド大端部106のある
方を下、コンロッド103を挟んで、上記連動軸104
のある方を右、その反対側を左、クランクピン軸線10
9と平行な向きを前後と見て、オイルディッパ107
は、コンロッド大端部106の右側面110から右下に
向けて導出され、組付ボルト111の頭部を受け止める
コンロッド大端部106の座面112から右に延設され
る仮想延長線113を想定し、この仮想延長線113よ
りも上の部分がオイルディッパ基部114とされ、この
仮想延長線113よりも下の部分がオイルディッパ本体
115とされている。
【0004】また、このエンジンは、次の構成を備えて
いる。図3(A)に示すように、オイルディッパ基部1
14の上下方向中央部の左右幅寸法116が、コンロッ
ド大端部の右側面110に沿って測ったオイルディッパ
基部114の上下高さ寸法117と略同一寸法とされ、
図3(B)に示すように、オイルディッパ基部114の
上下方向中央部の前後厚さ寸法118が、オイルディッ
パ本体115の上下方向中央部の前後厚さ寸法119の
1.5倍程度とされている。
【0005】図4に示すように、クランク軸軸線120
と平行な向きに見て、シリンダ中心軸線121の仰角α
が30゜とされ、オイルディッパ本体115の仮想中心
線123の延長線124が、コンロッド103の仮想中
心線122に対してなす傾斜角度βが32゜とされてい
る。
【0006】図4中の符号125は仮想水平線である。
符号126はオイルディッパ本体115の先端の回転軌
跡を示しており、これは楕円形状となる。符号127は
回転軌跡126の第1の接線であり、これは、オイルデ
ィッパ107が連動軸104に接近した位置で、オイル
ディッパ本体115の先端が、エンジンオイル105の
規定油面と接する点での回転軌跡126の接線である。
符号128は回転軌跡126の第2の接線であり、これ
は、オイルディッパ107が連動軸104から離れた位
置で、オイルディッパ本体115の先端が、エンジンオ
イル105の規定油面と接する点での回転軌跡126の
接線である。符号γはオイルディッパ本体115の仮想
中心線123が第1の接線127に対してなす傾斜角
度、符号δはオイルディッパ本体115の仮想中心線1
23が第2の接線128に対してなす傾斜角度である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、次
の問題がある。 オイルデッパ基部114と連動軸104との隙間の寸
法管理を精密に行う必要がある。図3(A)に示すよう
に、オイルディッパ基部114の左右幅寸法116が長
いので、オイルデッパ基部114と連動軸104との隙
間が狭くなる。このため、これらが寸法誤差や組付誤差
などによって接触するのを防止するため、隙間の寸法管
理を精密に行う必要がある。
【0008】オイルディッパ基部114の左右幅寸法
116を短くすると、強度不足となる。上記問題を解
決するため、オイルディッパ基部114の左右幅寸法1
16を短くすると、前後厚さ寸法118が短いオイルデ
ッパ基部114は、強度不足となる。
【0009】出力損失が大きい。汎用エンジンの場
合、同一のエンジンを、搭載する機械に応じて、クラン
ク軸出力と連動軸出力の2方式に使い分けることがある
が、クランク軸と連動軸の回転方向が逆になる場合、各
方式でクランク軸の回転方向を同じにすると、出力軸の
回転方向が逆になる。例えば、各方式でクランク軸をい
ずれも時計回りに回転させると、クランク軸出力方式で
は出力が時計回り、連動軸出力方式では出力が反時計回
りとなり、出力の回転方向の統一がとれない。このた
め、方式によりクランク軸の回転方向を変えている。
【0010】この従来技術では、図4に示すように、シ
リンダ中心軸線121の仰角αが30゜であり、オイル
ディッパ本体115のコンロッド103に対する傾斜角
度βが32゜とされているため、次の欠点がある。図4
に示すように、シリンダ102を右にした姿勢では、オ
イルデッパ本体115の先端の楕円の回転軌跡126は
長径が右下がりとなる。クランク軸を時計回りに回転さ
せると、オイルデッパ107も同方向に回転し、オイル
ディッパ本体115は、第1の接線127に対して65
゜傾いた姿勢でエンジンオイル105に突入する。一
方、クランク軸を反時計回りに回転させると、オイルデ
ィッパ本体115は、第2の接線128に対して45゜
傾いた姿勢でエンジンオイル105に突入する。
【0011】このように、オイルディッパ本体115
が、45゜または65゜の大きな傾きでエンジンオイル
105に突入するため、その突入抵抗が大きくなり、出
力損失が大きい。
【0012】以上の従来技術の問題点をまとめると、次
の通りである。 オイルデッパ基部114と連動軸104との隙間の寸
法管理を精密に行う必要がある。 オイルディッパ基部114の左右幅寸法116を短く
すると、強度不足となる。 出力損失が大きい。
【0013】本発明の課題は、上記問題を解決できる飛
沫潤滑式エンジンを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】(請求項1の発明)請求
項1の発明の構成は、次の通りである(図1及び図2参
照)。図2に示すように、クランクケース1と、傾斜し
たシリンダ2と、コンロッド3と、クランク軸と、連動
軸4とを備え、クランクケース1の内底部にエンジンオ
イル5が溜められ、クランクケース1内にクランク軸と
上記連動軸4とが平行に架設され、コンロッド大端部6
にオイルディッパ7が設けられ、
【0015】図1(A)に示すように、コンロッド小端
部8のある方を上、コンロッド大端部6のある方を下、
コンロッド3を挟んで、上記連動軸4のある方を右、そ
の反対側を左、クランクピン軸線9と平行な向きを前後
と見て、オイルディッパ7は、コンロッド大端部6の右
側面10から右下に向けて導出され、組付ボルト11の
頭部を受け止めるコンロッド大端部6の座面12から右
に延設される仮想延長線13を想定し、この仮想延長線
13よりも上の部分がオイルディッパ基部14とされ、
この仮想延長線13よりも下の部分がオイルディッパ本
体15とされた、飛沫潤滑式エンジンにおいて、
【0016】図1(A)に示すように、オイルディッパ
基部14の上下方向中央部の左右幅寸法16が、コンロ
ッド大端部6の右側面10に沿うオイルディッパ基部1
4の上下高さ寸法17の60%以下とされ、図1(B)
に示すように、オイルディッパ基部14の上下方向中央
部の前後厚さ寸法18が、オイルディッパ本体15の上
下方向中央部の前後厚さ寸法19の2倍以上とされてい
ることを特徴とする。
【0017】(請求項2の発明)請求項2の発明の構成
は、請求項1の発明において、次のようにしたことを特
徴とする(図1及び図2参照)。クランク軸軸線20と
平行な向きに見て、シリンダ中心軸線21の仰角αが1
5゜〜45゜とされ、オイルディッパ本体15の仮想中
心線23の延長線24が、コンロッド3の仮想中心線2
2に対してなす傾斜角度βが37゜〜47゜とされてい
ることを特徴とする。
【0018】なお、図2中の符号25は仮想水平線であ
る。符号26はオイルディッパ本体15の先端の回転軌
跡を示しており、これは楕円形状となる。符号27は回
転軌跡26の第1の接線であり、これは、オイルディッ
パ7が連動軸4に接近した位置で、オイルディッパ本体
15の先端が、エンジンオイル5の規定油面と接する点
での回転軌跡26の接線である。符号28は回転軌跡2
6の第2の接線であり、これは、オイルディッパ7が連
動軸4から離れた位置で、オイルディッパ本体15の先
端が、エンジンオイル5の規定油面と接する点での回転
軌跡26の接線である。符号γはオイルディッパ本体1
5の仮想中心線23が第1の接線27に対してなす角、
符号δはオイルディッパ本体15の仮想中心線23が第
2の接線28に対してなす角である。
【0019】
【発明の作用及び効果】(請求項1の発明)請求項1の
発明は、次の作用効果を奏する(図1及び図2参照)。 オイルデッパ基部14と連動軸4との隙間の寸法管理
を精密に行う必要がない。図1(A)に示すように、オ
イルディッパ基部14の左右幅寸法16が短いので、オ
イルデッパ基部14と連動軸4との隙間が広くなる。こ
のため、これらが寸法誤差や組付誤差などによって接触
するのを抑制でき、隙間の寸法管理を精密に行う必要が
ない。
【0020】オイルディッパ基部14の強度を高く維
持できる。図1(B)に示すように、オイルディッパ基
部14の前後厚さ寸法18が長いため、図1(A)に示
すように、オイルディッパ基部14の左右幅寸法16を
短くしたにも拘わらず、オイルディッパ基部14の強度
を高く維持できる。
【0021】(請求項2の発明)請求項2の発明は、請
求項1の発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する
(図1及び図2参照)。 出力損失を低減できる。汎用エンジンの場合、同一の
エンジンを、搭載する機械に応じて、クランク軸出力と
連動軸出力の2方式に使い分けることがあるが、クラン
ク軸と連動軸の回転方向が逆になる場合、各方式でクラ
ンク軸の回転方向を同じにすると、出力軸の回転方向が
逆になる。例えば、各方式でクランク軸をいずれも時計
回りに回転させると、クランク軸出力方式では出力が時
計回り、連動軸出力方式では出力が反時計回りとなり、
出力の回転方向の統一がとれない。このため、方式によ
りクランク軸の回転方向を変えている。
【0022】本発明では、シリンダ中心軸線21の仰角
αが15゜〜45゜とされ、オイルディッパ本体15の
コンロッド3に対する傾斜角度βが37゜〜47゜とさ
れているため、次の利点がある。傾斜角度βが32゜で
あった従来技術と比較すると、仰角αと回転軌跡26と
を従来技術と同じにした場合、クランク軸を時計回りま
たは反時計回りのいずれの回転方向に設定しても、オイ
ルディッパ本体15の各接線27・28に対する傾斜角
度γ・δがいずれも5゜〜15゜小さくなる。このた
め、オイルデッパ本体15が、より鋭角的にエンジンオ
イル5に突入し、その突入抵抗が緩和され、出力損失を
低減できる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1及び図2は本発明の実施形態を説明
する図である。この実施形態では、飛沫潤滑式の傾斜エ
ンジンが用いられている。
【0024】このエンジンの概要は、次の通りである
(図2参照)。このエンジンは、クランクケース1と、
シリンダ2と、シリンダヘッド30と、ピストン(図
外)と、コンロッド3と、クランク軸(図外)と、第1
の連動軸4と、第2の連動軸29とを備えている。
【0025】クランクケース1は、図中の紙面手前側に
着脱自在のカバー(図外)を備えている。このカバー
は、クランクケース1の後壁を構成する。クランクケー
ス1の内底部にはエンジンエイル5が溜められている。
クランクケース2内でクランク軸と各連動軸4・29と
が平行に架設されている。シリンダ2はクランクケース
1と一体鋳造され、シリンダ2の中心軸線21の仰角α
は30゜に設定されている。シリンダヘッド30は、シ
リンダ2に組み付けられている。ピストンは、シリンダ
2に摺動自在に内嵌されている。コンロッド3の構成
は、後述する。第1の連動軸4は動弁カム軸、第2の連
動軸はバランサ軸であり、いずれもクランク軸で駆動さ
れ、クランク軸と逆向きに回転する。
【0026】コンロッド3の構成は、次の通りである
(図1参照)。コンロッド3は、コンロッド小端部8
と、コンロッド大端部6と、オイルディッパ7とを備え
ている。コンロッド小端部8にはピストンピン(図外)
を介してピストン(図外)を組み付ける。コンロッド大
端部6はクランクピンに組み付ける。コンロッド小端部
8のある方を上、コンロッド大端部6のある方を下、コ
ンロッド3を挟んで、第1の連動軸4のある方を右、そ
の反対側を左、クランクピン軸線9と平行な向きを前後
と見て、コンロッド大端部6は上下二つ割り構造とさ
れ、組付ボルト11で締結する。オイルディッパ7は、
コンロッド大端部6の右側面10から右下に向けて導出
されている。オイルディッパ7は、コンロッド大端部6
の下の部品と一体形成されている。
【0027】オイルディッパ7の構成は、次の通りであ
る。組付ボルト11の頭部を受け止めるコンロッド大端
部6の座面12から右に延設される仮想延長線13を想
定し、この仮想延長線13よりも上の部分がオイルディ
ッパ基部14とされ、この仮想延長線13よりも下の部
分がオイルディッパ本体15とされている。オイルディ
ッパ基部14は、半割りのベル型に形成され、オイルデ
ィッパ本体15は、ナイフ型に形成されている。
【0028】オイルディッパ7の望ましい寸法範囲は、
次の通りである。図1(A)に示すように、オイルディ
ッパ基部14の上下方向中央部の左右幅寸法16は、コ
ンロッド大端部6の右側面10に沿うオイルディッパ基
部14の上下高さ寸法17の20%〜60%とするのが
望ましい。20%未満では、後述するオイルディッパ基
部14の上下方向中央部の前後厚さ寸法18を望ましい
範囲の最大に設定しても、オイルディッパ基部14の強
度を十分に維持することができない。一方、60%を越
えると、オイルディッパ基部14と第1の連動軸4との
隙間が狭くなり過ぎ、精密な寸法管理が必要となる。こ
れに対し、20%〜60%の範囲では、オイルディッパ
基部14の上下方向中央部の前後厚さ寸法18を望まし
い範囲の最小に設定しても、オイルディッパ基部14の
強度を十分に維持できるとともに、オイルディッパ基部
14と第1の連動軸4との隙間が十分に広がり、精密な
寸法管理を必要としない。この利点は、30%〜50%
の範囲で、一層確実なものになる。
【0029】図1(B)に示すように、オイルディッパ
基部14の上下方向中央部の前後厚さ寸法18は、オイ
ルディッパ本体15の上下方向中央部の前後厚さ寸法1
9の2倍〜5倍とするのが望ましい。2倍未満では、オ
イルディッパ基部14の上下方向中央部の左右幅寸法1
6を望ましい範囲の最大に設定しても、オイルディッパ
基部14の強度を十分に確保できない。一方、5倍を越
えると、それ以上の強度増加は期待できず、単にコンロ
ッド大端部6が重くなるだけである。これに対し、2倍
〜5倍の範囲では、オイルディッパ基部14の上下方向
中央部の左右幅寸法16を望ましい範囲の最小に設定し
ても、オイルディッパ基部14の強度を十分に補強でき
るとともに、コンロッド大端部6の重量を適正な範囲に
とどめることができる。この利点は、3倍〜4倍の範囲
で、一層確実なものになる。
【0030】オイルディッパ7の具体的な寸法は、次の
通りである。図1(A)に示すように、オイルディッパ
基部14の上下方向中央部の左右幅寸法16は、コンロ
ッド大端部6の右側面10に沿うオイルディッパ基部1
4の上下高さ寸法17の40%とされている。図1
(B)に示すように、オイルディッパ基部14の上下方
向中央部の前後厚さ寸法18は、オイルディッパ本体1
5の上下方向中央部の前後厚さ寸法19の3倍とされて
いる。
【0031】オイルディッパ本体15の望ましい向き
は、次の通りである。図2に示すように、クランク軸軸
線20と平行な向きに見て、オイルディッパ本体15の
仮想中心線23の延長線24が、コンロッド3の仮想中
心線22に対してなす傾斜角度βが37゜〜47゜とな
るようにするのが望ましい。傾斜角度βが37゜未満で
は、これが32゜であった従来技術と比較すると、仰角
αと回転軌跡26とを従来技術と同じにした場合、オイ
ルディッパ本体15の各接線27・28に対する傾斜角
度γ・δがいずれも5゜未満しか小さくならず、オイル
ディッパ本体15がエンジンオイル5に突入する時の突
入抵抗を、有効に緩和することができない。一方、傾斜
角度βが47%を越えると、オイルディッパ本体15を
屈曲状に形成しなければならず、これが屈曲箇所で損傷
しやすい。これに対し傾斜角度βが37゜〜47゜の範
囲では、傾斜角度γ・δのいずれもが5゜〜15゜小さ
くなり、オイルディッパ本体15がエンジンオイル5に
突入する時の突入抵抗を、有効に緩和できるとともに、
オイルディッパ本体15を真っすぐに形成でき、その損
傷が起こりにくい。
【0032】オイルディッパ本体15の具体的な向き
は、次の通りである。図2に示すように、クランク軸軸
線20と平行な向きに見て、オイルディッパ本体15の
仮想中心線23の延長線24が、コンロッド3の仮想中
心線22に対してなす傾斜角度βを42゜としてある。
従来技術の傾斜角度βが32゜であったのに比べ、10
゜大きくしてある。このため、傾斜角度γ・δは55゜
・35゜となり、従来技術の傾斜角γ・δが65゜・4
5゜であったのに比べ、いずれも10゜小さくなる。ま
た、オイルデッパ本体15を真っすぐに形成できる。
【0033】シリンダ2の望ましい傾斜角度は、次の通
りである。シリンダ中心軸線21の傾斜角度αは30゜
としたが、傾斜角度αは15゜〜45゜に設定するのが
望ましい。傾斜角度αが15゜未満、または45゜を越
える場合には、これが30゜の場合と比較すると、エン
ジンオイル5の規定油面がオイルデッパ本体15の先端
の軌跡26を横切る位置が大きく変化するため、必ずし
も、傾斜角度αが30゜の時に得られた上記利点が得ら
れない場合がある。これに対し、傾斜角度αが15゜〜
45゜の場合、これが30゜の場合に得られたと同様の
利点を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で用いるコンロッドを説明す
る図で、図1(A)は正面図、図1(B)は大端部の側
面図、図1(C)は図1(A)の仮想延長線13に沿っ
て切断した断面図、図1(D)は図1(A)のD−D線
断面図、図1(E)は図1(A)のE−E線断面図であ
る。
【図2】本発明の実施形態に係るエンジンの正面図で、
クランクケースのカバーを取り外した図である。
【図3】従来技術で用いるコンロッドを説明する図で、
図3(A)は正面図、図3(B)は大端部の側面図、図
3(C)は図3(A)の仮想延長線113に沿って切断
した断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るエンジンの正面図で、
クランクケースのカバーを取り外した図である。
【符号の説明】
1…クランクケース、2…シリンダ、3…コンロッド、
4…連動軸、5…エンジンオイル、6…コンロッド大端
部、7…オイルディッパ、8…コンロッド小端部、9…
クランクピン軸線、10…右側面、11…組付ボルト、
12…座面、13…仮想延長線、14…オイルディッパ
基部、15…オイルディッパ本体、16…左右幅寸法、
17…上下高さ寸法、18…前後厚さ寸法、19…前後
厚さ寸法、20…クランク軸軸線、21…シリンダ中心
軸線、22…仮想中心線、23…仮想中心線、24…延
長線。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクケース(1)と、シリンダ
    (2)と、コンロッド(3)と、クランク軸と、連動軸
    (4)とを備え、 クランクケース(1)の内底部にエンジンオイル(5)
    が溜められ、クランクケース(1)内にクランク軸と上
    記連動軸(4)とが平行に架設され、コンロッド大端部
    (6)にオイルディッパ(7)が設けられ、 コンロッド小端部(8)のある方を上、コンロッド大端
    部(6)のある方を下、コンロッド(3)を挟んで、上
    記連動軸(4)のある方を右、その反対側を左、クラン
    クピン軸線(9)と平行な向きを前後と見て、オイルデ
    ィッパ(7)は、コンロッド大端部(6)の右側面(1
    0)から右下に向けて導出され、組付ボルト(11)の
    頭部を受け止めるコンロッド大端部(6)の座面(1
    2)から右に延設される仮想延長線(13)を想定し、
    この仮想延長線(13)よりも上の部分がオイルディッ
    パ基部(14)とされ、この仮想延長線(13)よりも
    下の部分がオイルディッパ本体(15)とされた、飛沫
    潤滑式エンジンにおいて、 オイルディッパ基部(14)の上下方向中央部の左右幅
    寸法(16)が、コンロッド大端部(6)の右側面(1
    0)に沿って測ったオイルディッパ基部(14)の上下
    高さ寸法(17)の60%以下とされ、オイルディッパ
    基部(14)の上下方向中央部の前後厚さ寸法(18)
    が、オイルディッパ本体(15)の上下方向中央部の前
    後厚さ寸法(19)の2倍以上とされている、ことを特
    徴とする飛沫潤滑式エンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した飛沫潤滑式エンジン
    において、 クランク軸軸線(20)と平行な向きに見て、シリンダ
    中心軸線(21)の仰角αが15゜〜45゜とされ、オ
    イルディッパ本体(15)の仮想中心線(23)の延長
    線(24)が、コンロッド(3)の仮想中心線(22)
    に対してなす傾斜角度βが37゜〜47゜とされてい
    る、ことを特徴とする飛沫潤滑式エンジン。
JP11153197A 1999-06-01 1999-06-01 飛沫潤滑式エンジン Pending JP2000345822A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11153197A JP2000345822A (ja) 1999-06-01 1999-06-01 飛沫潤滑式エンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11153197A JP2000345822A (ja) 1999-06-01 1999-06-01 飛沫潤滑式エンジン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000345822A true JP2000345822A (ja) 2000-12-12

Family

ID=15557175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11153197A Pending JP2000345822A (ja) 1999-06-01 1999-06-01 飛沫潤滑式エンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000345822A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002040154A1 (fr) 2000-11-15 2002-05-23 Daicel Chemical Industries, Ltd. Catalyseurs comprenant des imides cycliques a substitution n et procedes pour la preparation de composes organiques avec lesdits catalyseurs
KR200468140Y1 (ko) * 2011-12-07 2013-07-26 서원콤프레샤주식회사 커넥팅 로드와 비산 침의 결합구조

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002040154A1 (fr) 2000-11-15 2002-05-23 Daicel Chemical Industries, Ltd. Catalyseurs comprenant des imides cycliques a substitution n et procedes pour la preparation de composes organiques avec lesdits catalyseurs
KR200468140Y1 (ko) * 2011-12-07 2013-07-26 서원콤프레샤주식회사 커넥팅 로드와 비산 침의 결합구조

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3861583B2 (ja) 内燃機関のピストンクランク機構
EP1830051B1 (en) Crankshaft mechanism
JP6380681B2 (ja) 内燃機関のピストンクランク機構におけるアッパピンの潤滑構造および潤滑方法
JP2010116777A (ja) 内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構
JP5949148B2 (ja) 複リンク式内燃機関
JP2005248949A (ja) 内燃機関
US9255623B2 (en) Engine with inclined cylinder
JP2000345822A (ja) 飛沫潤滑式エンジン
JP4165506B2 (ja) 内燃機関
JP6477387B2 (ja) 複リンク式ピストン−クランク機構の潤滑構造
JP4049591B2 (ja) オフセット内燃機関のピストン冷却構造
KR101421014B1 (ko) 엔진 밸런스 샤프트
JP6465129B2 (ja) 往復動ピストンエンジン
JP6406372B2 (ja) 往復動ピストンエンジンおよびこれを備えた車両
JP6485174B2 (ja) 内燃機関
JP6286384B2 (ja) 内燃機関
JP6374269B2 (ja) ピストンピンの潤滑構造
JP2010203345A (ja) 複リンク式内燃機関の軸受構造
JP4710122B2 (ja) 内燃機関のリンクロッド
JP6569696B2 (ja) 往復動ピストンエンジン
JP4581675B2 (ja) 内燃機関
EP3460208B1 (en) Lightweight rocker arm frame and curved crown part forming process thereof
JP2007024155A (ja) クランクシャフト
JP6569695B2 (ja) 往復動ピストンエンジン
KR200176251Y1 (ko) 자동차의 엔진 오일 비산 탱크 구조

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040817