JP2000342617A - 疼痛緩和器、及びこれに用いたプローブ - Google Patents

疼痛緩和器、及びこれに用いたプローブ

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JP2000342617A JP2000099202A JP2000099202A JP2000342617A JP 2000342617 A JP2000342617 A JP 2000342617A JP 2000099202 A JP2000099202 A JP 2000099202A JP 2000099202 A JP2000099202 A JP 2000099202A JP 2000342617 A JP2000342617 A JP 2000342617A
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cooling
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heating
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Eiichi Hattori
栄市 服部
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HATTORI HEATING KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペルチェ素子を用いて治療患部を加温又は冷
却するものでは、加温又は冷却だけの刺激であったた
め、特に長時間注射針を刺した状態での疼痛を和らげる
には刺激が単調で、治療効果が不十分であった。 【解決手段】 本発明は、疼痛治療患部に当てる受熱板
31の加温と冷却とを交互に繰り返すリズムモードを設
けた。前記リズムモードでの運転時に前記ペルチェ素子
32に流す直流電流の向きを所定時間間隔で反転させる
ように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペルチェ効果を利
用した疼痛緩和器の技術分野に属し、特に、人工透析、
点滴、輸血時等の注射針を長時間刺した状態にある場合
その注射針を刺している患部を加温又は冷却して刺激を
与えることで疼痛を和らげる疼痛緩和器及びこれに用い
たプローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ペルチェ素子を用いた治療器とし
て、例えば、特開平7−24000号公報に開示された
ものが知られている。図12は、前記公報に記載の治療
器における温冷パック40を示し、この温冷パック40
は、可撓性シートに複数のペルチェ素子を取付けたパッ
ド30を配置し、これを膝に巻付けて固定し患部を加温
するか又は冷却するものである。これは、ペルチェ素子
に直流電流を流すことで一方の面が発熱すると共に他方
の面が吸熱し、また、電源極性を変えると発熱面と吸熱
面とが入れ替ることを利用して、患部の症状に応じて加
温又は冷却を行う。また、この温冷パック40は、パッ
ド30上面の発熱を吸収するため、ノズル200を通し
て冷却水を流すようにしている。
【0003】また、前記公報には、図13に示すよう
に、長細い筒体の先端に形成した指圧突起400を患部
に押し当てる温冷マッサージ器が開示されている。この
マッサージ器は、指圧突起400にペルチェ素子31を
接触させて指圧突起400を加温又は冷却し、また、指
圧突起400の冷却時に発熱するペルチェ素子31背面
を、放熱ブロック440に接触させ、筒体中央の後方寄
り部分に配置したファン460をモータ450にて回転
させて放熱する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記治
療装置は、いずれもペルチェ素子を用いて治療患部を加
温するのみか又は冷却するのみであるが、このような加
温又は冷却だけの刺激では、特に長時間注射針を刺した
状態での疼痛を和らげるには刺激が単調で、治療効果が
不十分であった。
【0005】そして、治療患部に接触させる端末部分と
して、図12に示す可撓性シートを用いたものでは、治
療患部の周辺をじわじわ加温又は冷却するものであるた
め、患部への局部的な加温、冷却が困難であった。ま
た、図13に示す長細い筒体で形成した温冷マッサージ
器では、筒体を手で持って患部に押し当てておく必要が
あるため、その姿勢を長時間保持するのは辛いものであ
り、長時間注射針を刺した状態での疼痛を和らげるため
の治療には適さない。
【0006】ところで、人工透析では体から取り出した
血液をダイアライザ(人工腎臓)で濾した後に体の中に
戻すので、体に刺す針は血液の取り出し側と戻し側の2
本必要となる。体から血液を取り出すにはある程度の血
流量が必要である。この場合、血液の取り出し側の針を
動脈に刺すとよいが、動脈刺しは非常に痛みを伴うの
で、実際は痛みの少ない静脈に針を刺す。そして、通常
は手術で手首周辺の動脈と静脈の一部をつなげたシャン
トというものをつくり、動脈の血液が静脈に流れ込むよ
うにしてその静脈の血流量が多くなるようにしている。
しかしながら、静脈刺しの痛みが少ないといっても、週
に3,4回で、1回につき3,4時間かかる人工透析の
たびに疼痛を我慢するのは非常に辛いことである。本発
明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、人工透析
時等の注射針を長時間刺した状態にある場合その疼痛を
和らげるのに効果的な刺激を与えるための疼痛緩和器及
びこれに用いたプローブを実現することをその課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ために講じた本発明の技術的手段は、『ペルチェ素子の
温熱又は冷熱が伝達される受熱板によって疼痛患部を加
温又は冷却して刺激を与える疼痛緩和器であって、前記
ペルチェ素子を内蔵し、前記受熱板を露出させたプロー
ブと、前記ペルチェ素子に流す直流電流の向きを所定の
時間間隔で反転させることにより加温と冷却とを所定の
時間間隔で交互に繰り返すリズムモード運転を実行する
制御部とを備えたことを特徴とする疼痛緩和器』であ
る。
【0008】前記技術的手段は、次のように作用する。
前記制御部によるリズムモード運転においてペルチェ素
子に流す直流電流の向きを所定の時間間隔で反転させる
ように制御することにより、疼痛患部に当てる受熱板の
加温と冷却との切替え応答を素早くできる。これによ
り、受熱板の加温と冷却との交互変化が敏感に行われ、
そのため、前記受熱板を当てた疼痛患部における末端神
経を敏感に刺激し血行を促進させることができる。すな
わち、加温時には血管が膨張し冷却時には血管が収縮す
るが、例えば加温時間を長く冷却時間を短くすると、冷
却による血管収縮が適度な刺激となって加温による血管
膨張時の血行をより一層促進させることができる。
【0009】前記技術的手段において、『前記制御部
は、前記リズムモード運転における加温と冷却との時間
間隔となる加温時間と冷却時間を設定する設定部を具備
する』ものでは、疼痛患部の症状に応じて加温と冷却と
の時間間隔を設定することができ、従って、疼痛患部の
症状に応じた治療を行うことができる。
【0010】また、他の技術的手段としては、『ペルチ
ェ素子の温熱又は冷熱が伝達される受熱板によって疼痛
患部を加温又は冷却して刺激を与える疼痛緩和器であっ
て、前記ペルチェ素子を内蔵し、前記受熱板を露出させ
た複数のプローブと、前記複数のプローブそれぞれにつ
いて、加温のみ又は冷却のみとする連続モード運転とす
るか、加温と冷却とを所定の時間間隔で繰り返すリズム
モード運転とするかの選択を行う切替部と、前記複数の
プローブそれぞれについて、前記切替部で選択した運転
モードにおける治療温度および治療時間の設定を行う条
件設定部と、前記複数のプローブそれぞれについて、前
記条件設定部で設定した治療温度および治療時間に基づ
いて前記切替部で選択した運転モードの実行を前記プロ
ーブに指示する指示部とを備えたことを特徴とする疼痛
緩和器』である。
【0011】前記技術的手段によると、複数のプローブ
を備えるので、例えば人工透析で2本の針を刺したそれ
ぞれの疼痛患部にプローブを当てることができる。そし
て、前記切替部、前記設定部、前記指示部によって複数
のプローブのそれぞれに別の運転モードやその運転モー
ドでの治療温度および治療時間の設定、その実行が行え
るので、2本の針を刺した各疼痛患部に応じて各々のプ
ローブを動作制御できる。例えば、血液の取り出し側で
の針を刺した疼痛患部におけるプローブは加温と冷却を
繰り返すリズムモード運転とし、血液の戻し側での針を
刺した疼痛患部におけるプローブは加温のみの連続モー
ド運転とする等、種々のバリエーションを実現できる。
これにより、人工透析時の2本の針を刺した各疼痛患部
の末端神経を刺激して血行を促進させることにより、各
疼痛患部の痛み具合に応じて適切にその痛みを和らげる
ことができる。
【0012】一方、前記複数のプローブのそれぞれを別
々の患者にあてがうこともできる。この場合も、複数の
患者の個々の痛み具合に応じて各プローブを動作制御す
れば、複数の患者に対して同時に疼痛を和らげることも
可能である。
【0013】前記技術的手段において、『前記切替部と
前記条件設定部とによって一のプローブの条件設定が完
了すると、次のプローブについての条件設定に移行させ
る移行部を備えた』ものによると、一のプローブの条件
設定が完了するまでは次のプローブの条件設定ができな
いので、各プローブの条件設定を誤りなく行える。
【0014】前記各技術的手段において、『前記受熱板
の実際温度が設定温度に対して一定範囲を超えた場合に
運転を停止させる安全装置を備えた』ものでは、運転中
に何らかのトラブルが発生して温度異常が起こっても直
ちに運転が停止されるから、万一火傷などを負うような
ことも防止できる。
【0015】次に、疼痛緩和器に用いたプローブにおけ
る発明の技術的手段としては、『ペルチェ素子の温熱又
は冷熱が伝達される受熱板によって疼痛患部を加温又は
冷却して刺激を与える疼痛緩和器に用いられ、前記ペル
チェ素子を内蔵し、前記受熱板を露出させたプローブで
あって、全体が偏平で把持可能に形成され、その側部に
空気取入口を設け且つ上面部に空気排出口を設けた枠本
体と、前記枠本体内に収容され、前記ペルチェ素子を内
蔵する温冷ブロックと、前記枠本体内に収容され、前記
温冷ブロック上に配置された放熱手段と、前記枠本体上
面部の空気排出口を覆うように取付けた保護網とを備
え、前記温冷ブロックは、前記枠本体底面部から露出さ
せて疼痛患部を加温又は冷却する受熱板と、この受熱板
の上面に配置されて受熱板に温熱又は冷熱を伝達するペ
ルチェ素子と、このペルチェ素子の上面に配置されてペ
ルチェ素子の上面部の温熱又は冷熱を放散させるヒート
パネルとを具備し、前記放熱手段は、前記ヒートパネル
周辺の空気を循環させるファンと、このファンを駆動す
る駆動モータとを具備することを特徴とするプローブ』
である。
【0016】前記プローブによれば、その全体が偏平で
把持可能な枠本体で形成されているので、このプローブ
を手に持って容易に扱える。従って、楽な姿勢で手軽に
所望の疼痛患部にプローブの受熱板を当てることができ
る。
【0017】また、前記温冷ブロックは、ペルチェ素子
において受熱板を配置した反対側にヒートパネルを配置
するので、このヒートパネルによって受熱板と異なる温
熱又は冷熱を効率よく放散させることができる。これに
より、ペルチェ素子から受熱板への熱伝導を効率良く行
うことができる。特に、受熱板の冷却時には、ヒートパ
ネル上に配置した前記放熱手段のファンを回転させ、枠
本体側部の空気取入口から空気を取込むと共に枠本体上
面部の空気排出口から空気を排出して空気循環させるこ
とにより、ヒートパネルへ放散させたペルチェ素子の熱
を効果的に放熱できる。従って、プローブの受熱板の温
冷変化に一層のめりはりを付けることができ、これによ
り、リズムモード運転時に患部の血行をより一層促進さ
せ、人工透析時等の疼痛を和らげるのに非常に効果的な
ものが得られる。さらに、前記枠本体上面部の空気排出
口は、保護網で覆っているので、指をファンに巻き込ん
だりすることも確実に防止できる。
【0018】前記プローブにおける発明の技術的手段に
おいて、『前記枠本体は、その上面部の空気排出口を囲
うように所定ピッチで形成した複数の突起を有する』も
のでは、プローブを疼痛患部に固定した状態で上から服
などを羽織っても空気排出口を塞いでしまうことがな
い。従って、前記空気排出口からの排気を円滑に行うこ
とができ、前記ヒートパネルの放熱を低下させるような
ことを防止できる。
【0019】また、プローブにおける発明の他の技術的
手段としては、『ペルチェ素子の温熱又は冷熱が伝達さ
れる受熱板によって疼痛患部を加温又は冷却して刺激を
与える疼痛緩和器に用いられ、前記ペルチェ素子を内蔵
し、前記受熱板を露出させたプローブであって、全体が
扁平で把持可能に形成され、前部を円弧状の丸み部とし
後部を前記丸み部に連続形成する略矩形状の矩形部とす
る枠本体と、前記枠本体の側部に設けた空気取入口と、
前記枠本体の丸み部の上面部に設けた複数の空気排出小
窓と、前記枠本体の矩形部における対向する側部に各々
設けたブリッジ状のバンド取付け部と、前記枠本体内の
丸み部に収容され、前記ペルチェ素子を内蔵する温冷ブ
ロックと、前記枠本体内の丸み部に収容され、前記温冷
ブロック上に配置された放熱手段とを備え、前記温冷ブ
ロックは、前記枠本体底面部から露出させて疼痛患部を
加温又は冷却する受熱板と、この受熱板の上面に配置さ
れて受熱板に温熱又は冷熱を伝達するペルチェ素子と、
このペルチェ素子の上面に配置されてペルチェ素子の上
面部の温熱又は冷熱を放散させるヒートパネルとを具備
し、前記放熱手段は、前記ヒートパネル周辺の空気を循
環させるファンと、このファンを駆動する駆動モータと
を具備することを特徴とするプローブ』である。
【0020】このものによると、前述のものと同様の効
果を有する他に、枠本体後部の円弧状の丸み部を手のひ
らで包み込むようにし、且つ、枠本体前部の略矩形状の
矩形部を親指と人差し指等で挟むようにすることで、こ
のプローブを手に持って一層容易に扱える。また、枠本
体上面部の複数の空気排出小窓からファンによって空気
を排出させるが、これら空気排出小窓は指を侵入させな
い大きさに設定されるから、指が枠本体内部のファンに
巻き込まれる心配もない。さらに、前記枠本体の矩形部
における対向側部に各々設けたブリッジ状のバンド取付
け部にバンドを取付け、プローブを疼痛治療患部に配置
させた後、前記バンドを腕にまわしておけば、該プロー
ブを腕の疼痛治療患部に安定して固定させておくことが
できる。
【0021】前記プローブにおける各技術的手段におい
て、『前記加温手段のヒートパネルは、その表面に複数
の放熱用突起を有する』ものでは、この複数の放熱用突
起によってヒートパネルの表面積を増加させることがで
き、これにより、ヒートパネルの放熱をさらに向上させ
ることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明は、前記構成であるから次の特有
の効果を有する。本発明の疼痛緩和器によれば、リズム
モード運転により受熱板の加温と冷却との変化が交互に
敏感に行われるため、この受熱板を当てた疼痛患部に加
温、冷却のめりはりのある刺激を与え、患部の末端神経
を敏感に刺激して血行を促進させることができる。従っ
て、人工透析時等の注射針を長時間刺した状態にある場
合に疼痛患部の血行を促進してその疼痛を和らげるのに
効果的なものが得られる。
【0023】そして、複数のプローブを備えることで、
人工透析時に2本の針を刺した各疼痛患部の痛み具合に
応じて適切にその痛みを和らげることができ、また、同
時に複数の患者に対して疼痛を和らげることも可能であ
る。また、前記プローブによれば、その全体が偏平で把
持可能な枠本体で形成されているので、このプローブを
手に持って容易に扱えるから、楽な姿勢で手軽に所望の
疼痛患部にプローブの受熱板を当てることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実
施の形態による疼痛緩和器を示す平面図、図2は、図1
に示すプローブ2のII−II断面図、図3は、前記プ
ローブ2の側面図、図4は、前記プローブ2の底面図で
ある。
【0025】本実施の形態の疼痛緩和器は、図1に示す
ように、後述の制御部を有する治療器本体1と、この治
療器本体1とコード線8で繋がれ、疼痛患部に当てて加
温、冷却するプローブ2とを備えたものである。
【0026】前記治療器本体1は、前面の操作パネル1
1には、左側に治療時間などを表示する時間表示部と右
側に治療モードを表示するモード表示部とを有する表示
パネル12と、治療時間や治療温度の設定を行うための
設定ボタン15,16と、連続モードとリズムモードと
の運転モードの切替えを行うための切替ボタン14と、
温度異常を表示する温度異常表示パネル13と、治療を
開始するための開始ボタン18と、治療終了を知らせる
ブザーの停止や運転モード・設定モードの切替えを行う
ための消音・停止ボタン17とを有する。また、前記操
作パネル11の下方には、プローブ2に繋がれたコード
線8を接続するためのコネクタ部19a,19bが2つ
設けられている。なお、本実施の形態では、コネクタ部
19を2箇所有するが、1箇所でも良く、3箇所以上設
けても良い。
【0027】前記プローブ2は、図1,図2を参照し
て、全体が偏平円筒状で把持可能な枠本体21で形成さ
れている。この枠本体21は、上面の蓋体を胴体にネジ
24にて4個所のネジ止めで固定されたものである。前
記枠本体21の側部には、図3に示すように、スリット
状の空気取入口22が形成されており、また、この空気
取入口22より底部寄りには、相対向する位置にそれぞ
れ1個ずつ係止ピン7が形成されている。この係止ピン
7は、上方に向いた爪が形成されている。枠本体21の
上面には、円形の空気排出口23が設けられ、この空気
排出口23は保護網5が被せられている。前記空気排出
口23の周囲には、この空気排出口23を囲うように所
定ピッチで8個の突起6が形成されている。また、枠本
体21内部には、図2に示すように、温冷ブロック3
と、この温冷ブロック3の上に取付けられた放熱手段4
とを備える。
【0028】前記温冷ブロック3は、治療患部と接触さ
せる受熱板31、この受熱板31の加温と冷却を行うペ
ルチェ素子32、及びこのペルチェ素子32の熱を放散
させるヒートパネル33を有する。受熱板31は、図4
に示すように、枠本体21底面部から円形状に露出させ
て、ここに疼痛治療患部を当ててその患部を加温又は冷
却する。なお、この受熱板31には、図示していないが
その実際の温度を検知する温度センサが取付けられてい
る。また、ヒートパネル33の上面部には、無数の放熱
用突起34が形成されている。前記放熱手段4は、モー
タ41、及びこのモータ41に連結するファン42を有
する。なお、このモータ41への給電は、治療器本体1
を接続する電源Vからコード線8を通じて行われる。
【0029】次に、前記治療器本体1内の回路構成を説
明する。図5は、前記治療器本体1の回路構成を示すブ
ロック図である。図5に示すように、治療器本体1は、
制御部100、表示部104、及び安全装置105を有
する。前記制御部100には、切替部101、設定部1
02、及び指示部103を有する。
【0030】前記切替部101は、前記プローブ2の受
熱板31を、加温のみ又は冷却のみとする連続モードで
運転するか、又は加温と冷却とを所定の時間間隔で交互
に繰り返すリズムモードで運転するかを選択するもので
ある。この切替部101による運転モードの選択は、図
1に示す操作パネル11の切替ボタン14を通じて行わ
れる。
【0031】前記設定部102は、前記切替部101の
情報が入力され、各運転モードにおける治療温度や治療
時間が設定される。治療温度としては、例えば、20℃
〜45℃の範囲で0.1℃単位に設定できる。また、治
療時間としては、連続モードでは、例えば、1〜99分
の範囲で1分単位に設定でき、リズムモードでは、例え
ば、加温時間と冷却時間とは、いずれも1〜999秒の
範囲で1秒単位に設定できる。このリズムモードにおけ
る加温時間と冷却時間を設定することにより、その設定
時間ごとに加温と冷却とを交互に繰り返すこととなる。
この設定部102における条件設定は、図1に示す操作
パネル11の設定ボタン15,16を通じて行われる。
なお、具体的な情報の設定動作は、後述する。
【0032】前記指示部103は、前記設定部102か
らの設定条件に基づいた運転モードの実行を前記プロー
ブ2に指示するものである。そして、プローブ2の受熱
板31を連続モードで運転する場合は、電源Vから電源
を取り出し前記ペルチェ素子32に一定方向の直流電流
を流すように指示する。また、プローブ2の受熱板31
をリズムモードで運転する場合は、電源Vから電源を取
り出し前記ペルチェ素子32に流す直流電流の向きを所
定の時間間隔で反転させるように指示する。すなわち、
加温から冷却、冷却から加温への切り替わりは、前記ペ
ルチェ素子32に流す直流電流の向きを変えることによ
り行われる。これは、ペルチェ素子32に直流電流を流
すことで一方の面が発熱すると共に他方の面が吸熱し、
また、電源極性を変えると発熱面と吸熱面とが入れ替る
ことを利用するものである。また、受熱板31の加温時
には、前記プローブ2のファン41を回転させないよう
に指示する。すなわち、前記指示部103は、リズムモ
ード運転の際は、前記プローブ2のファン41を受熱板
31の加温時に停止させ、受熱板31の冷却時にのみを
回転させるように指示する。さらに、連続モード運転の
際は、受熱板31を冷却して運転する冷却連続モードで
は前記プローブ2のファン41を回転させ、受熱板31
を加温して運転する加温連続モードでは前記プローブ2
のファン41を停止させておくように指示する。このよ
うな制御を行うのは、受熱板31の加温時には、ペルチ
ェ素子32の受熱板31と反対面側では冷却状態にあ
り、ヒートパネル33は冷却されるので、あえてファン
41を回転させヒートパネル33の冷却を促進させるま
でもないからである。
【0033】前記表示部104は、前記設定部102や
前記指示部103からの時間や温度を表示させるもので
ある。この表示部104は、図1に示す前記操作パネル
11の表示パネル12や温度異常表示パネル13を構成
する。
【0034】前記安全装置105は、本疼痛緩和器の運
転中に何らかの原因による温度異常、コード線8の脱落
や断線などによる温度測定不可能状態などのトラブルが
発生した場合に停止させるものである。温度異常とし
て、具体的には、前記受熱板31の実際温度が設定温度
に対して±2℃を超えた場合に運転を停止させ、温度異
常ランプ13を点滅し、表示パネル12の左側にある時
間表示部に「Err」の表示をし、また、治療器本体1
に内蔵するブザーを「プ−−プ−−・・・」と鳴らし続
ける。なお、受熱板31の実際の温度は、受熱板31に
内蔵する温度センサによって検知され、その温度情報が
前記制御部100に入力されることで検知する。また、
この受熱板31の温度センサに異常が発生した場合も、
前記同様に疼痛緩和器の運転を停止させ、同時に前記
「Err」の表示と、ブザーを鳴らし続ける。さらに、
コード線8の接続異常として、運転開始直後から3秒
間、プローブ2のコード線8とのコネクタ部19との接
続の良否を前記制御部100が確認し、コネクタ接続に
脱落などの異常が発生した場合には直ちに疼痛緩和器の
運転を停止させ、同時に前記「Err」の表示と、ブザ
ーを鳴らし続ける。なお、前記ブザー音は、操作パネル
11の消音・停止ボタン17を押すことにより、止める
ことができる。ただし、疼痛緩和器の運転を再開するに
は、異常の原因を究明し、所望の対処をした後、電源を
再投入する必要がある。
【0035】次に、本疼痛緩和器を用いた治療の動作を
説明する。図6は、この疼痛緩和器を用いて治療を行っ
ている状態を示す模式図である。まず、設定動作から説
明する。この設定動作は、治療器本体1から行われる。
疼痛緩和器における操作パネル11の操作環境は、「運
転モード」と「設定モード」に分かれ、治療器本体1に
電源を入れると「運転モード」が現れる。この「運転モ
ード」では、治療時間と治療モードとを設定する。治療
時間を設定するには、図1に示す設定ボタン15,16
を押すことで分単位で設定できる。設定する時間は、前
記設定ボタン15,16の入力と同期して表示パネル1
2左側の時間表示部に表示される。なお、この設定ボタ
ン15,16を押し続けると自動的にインクリメント、
またはデクリメントされる。
【0036】治療モードを選択するには、図1に示す切
替ボタン14を押して連続モード又はリズムモードのい
ずれかを選択する。この治療モードの表示は、前記表示
パネル12右側のモード表示部に表示され、連続モード
を示すときは、平坦な直線が表示され、リズムモードを
示すときは、クランク状に折れ曲がった曲線が表示され
る。
【0037】次に、前記「運転モード」から「設定モー
ド」に切替えるには、図1に示す操作パネル11の消音
・停止ボタン17を3秒間以上押し続けることにより切
り替わる。この「設定モード」では、(1)「連続モー
ド」での治療温度、 (2)「リズムモード」での加温温
度、(3)「リズムモード」での加温時間、 (4)「リズム
モード」での冷却温度、(5) 「リズムモード」での冷却
時間、をそれぞれ設定する。なお、設定単位としては、
温度は0.1℃単位で、時間は秒単位で入力される。
【0038】「設定モード」にすると、はじめに前記
(1) 「連続モード」での治療温度の入力を示す表示が前
記表示パネル12左側の時間表示部に現れる。その状態
で、前記設定ボタン15,16を押して任意の値に設定
する。この設定が終わると切替ボタン14を押すと次の
(2) 「リズムモード」での加温温度の入力に移る。以
後、同様にして、(3)「リズムモード」での加温時間、
(4)「リズムモード」での冷却温度、(5) 「リズムモー
ド」での冷却時間を設定する。
【0039】すべての項目の設定が終了すると自動的に
「運転モード」に戻る。なお、前記「設定モード」での
設定途中で消音・停止ボタン17を押すと「運転モー
ド」に戻すことができる。以上で、治療動作の設定が終
了する。
【0040】次に、本疼痛緩和器を用いた疼痛治療の動
作を説明する。以下では、人工透析時等の注射針を腕に
長時間刺した状態にある場合を例にして説明する。図6
は、本疼痛緩和器の使用状態を示す模式図である。な
お、図中では、腕に刺している注射針は省略している。
まず、人工透析の注射針を刺している腕の患部に当て物
91を被せる。この当て物91としては、図7に示すよ
うに、プローブ2の底面形状よりやや大き目に加工した
ガーゼのような布製シートや紙製シートなどが用いられ
る。そして、図6に示すように、この当て物91の上か
ら前記プローブ2を当て、プローブ2底面の受熱板31
を患部に配置させる。なお、この例では、前記当て物9
1を敷くようにしているが、プローブ2底面の受熱板3
1を患部に直接当てるようにしても良い。
【0041】次に、プローブ2を疼痛治療患部に配置さ
せた後、両端部に穴などの係合部を形成した伸縮自在の
バンド9を腕にまわして、その両端部の係合部をプロー
ブ2の側面に形成した係止ピン7に引っ掛けることによ
り、プローブ2を腕の疼痛治療患部に固定させる。な
お、前記のようなバンド9でなくても紐を用いても良
い。
【0042】そして、前記治療器本体1の開始ボタン1
8を押すと、前述の切替ボタン14で設定した運転モー
ドの運転が開始される。すなわち、連続モードを選択し
たときは前記設定動作で設定した所定温度、治療時間に
従い運転され、一方、リズムモードを選択したときは設
定した加温温度、加温時間による加温と、設定した冷却
温度、冷却時間による冷却とを交互に繰り返し、設定し
た治療時間に従い運転される。
【0043】治療時間が終わり運転が終了すると、表示
パネル12の左側の時間表示部に「END」と表示され
ると共にブザーが「プップ−,プップ−,・・・」と鳴
り続ける。このとき、消音・停止ボタン17を一回押す
とブザー音は停止する。この際、もう一度押すと先ほど
終了した治療時間を表示し再度「運転モード」での操作
が可能となる。なお、本治療器本体1は、最後に操作し
た「治療モード」「治療時間」「治療温度」を記憶して
いる。これは設定部102の内部メモリに記憶された情
報である。従って、再度、前記設定動作を行わない限り
同じ運転動作が実行される。
【0044】以上のように、本実施の形態による疼痛緩
和器によれば、リズムモードの運転時、前記制御部10
0によって前記ペルチェ素子32に流す直流電流の向き
を所定の時間間隔で反転させるように制御して、疼痛患
部に当てる受熱板31の加温と冷却との切替え応答を素
早く行う。これにより、加温と冷却との交互の変化が敏
感に行われ、そのため、受熱板31を当てた疼痛患部に
加温、冷却のめりはりのある刺激を与え、患部の末端神
経を敏感に刺激して血行を促進させることができる。特
に、加温時間を2〜5分、冷却時間を1〜2分の範囲で
設定することで、末端神経に適度な刺激を与えることが
でき、かつ刺激が単調となることを防ぐことができる。
なお、加温時間に比べて冷却時間を短くしているのは、
加温時には血管が膨張して気持ち良くなり、冷却時には
血管が収縮して刺激を与えるためである。従って、人工
透析時等の注射針を長時間刺した状態にある場合患部の
血行を促進してその疼痛を和らげるのに効果的なものが
得られる。
【0045】また、切替部101にて受熱板31を加温
のみ又は冷却のみで運転する連続モードと、受熱板31
を加温と冷却とを交互に繰り返して運転するリズムモー
ドとを選択することができるので、疼痛患部の症状に応
じた所望のモードで治療を行うことができる。
【0046】また、前記安全装置103により、運転中
に何らかのトラブルが発生して温度異常が起こっても直
ちに運転が停止されるから、万一火傷などを負うような
ことも防止できる。
【0047】また、前記プローブ2が全体が偏平円筒状
の把持可能な枠本体21で形成されているので、このプ
ローブ2を手に持って容易に移動させ、かつコード線8
の長さの範囲で自由に移動させることができ、これによ
り、楽な姿勢で手軽に所望の疼痛患部にプローブ2の受
熱板31を当てることができる。
【0048】また、前記温冷ブロック3は、そのヒート
パネル33によって受熱板31とは反するペルチェ素子
32の熱を効率よく放散させ、ペルチェ素子32から受
熱板31へ熱伝導を効率良く行うことができる。特に、
受熱板31の冷却時には、ヒートパネル33上に配置し
た前記放熱手段4のファン41を回転させて、枠本体2
1側部の空気取入口22から上面部の空気排出口23へ
空気を循環させることにより、ペルチェ素子32からヒ
ートパネル33へ放散させた熱を効果的に放出すること
ができる。従って、プローブ2の受熱板31の温冷変化
をより一層めりはりを付けることができるので、リズム
モード運転時に患部の血行をより一層促進させ、人工透
析時等の疼痛を和らげるのに非常に効果的なものが得ら
れる。さらに、前記枠本体21上面部の空気排出口23
は、保護網5で覆っているので、指をファン41に巻き
込んだりすることも確実に防止できる。
【0049】前記プローブ2において、プローブ2を疼
痛患部に固定した状態で上から服などを羽織っても空気
排出口23を塞いでしまうことがない。従って、前記空
気排出口23からの排気を円滑に行うことができ、前記
ヒートパネル33の放熱を低下させるようなことを防止
できる。また、係止ピン7を利用して、治療患部にプロ
ーブ2を当てた状態でその身体部分に紐やバンド9を回
しその両端部を前記係止ピン7に引っ掛けることで、前
記プローブ2を治療患部に固定しておくことができる。
これにより、患部に当てたプローブ2に手を添えてなく
ても良いので、楽な姿勢で温冷治療をすることができ
る。また、前記紐やバンド9の両端部をプローブ2の枠
本体に設けた係止ピン7に引っ掛けておくので、プロー
ブ上面の空気排出口23を塞いでしまうことも防止でき
る。
【0050】また、前記プローブ2において、ヒートパ
ネル33の表面に複数の放熱用突起34を形成するの
で、ヒートパネル33の表面積を増加させることでき、
これにより、ヒートパネル33による熱の放散をさらに
向上させることができる。
【0051】なお、本実施の形態では、連続モードとリ
ズムモードとを選択できるように構成しているが、リズ
ムモードのみによるものであっても良い。また、リズム
モードでは、既述した前記の治療温度、治療時間の最適
値を予め設定されたものでも良い。
【0052】また、本実施の形態では、治療器本体1に
おける前記制御部101や安全装置103については所
定の電気回路で構成できるが、ソフトウエアで処理を行
うようにしても良い。
【0053】また、本実施の形態では、受熱板31の加
温時には、前記プローブ2のファン41を回転させない
ように指示するが、運転中は前記ファン41を回転させ
るようにしても良い。
【0054】次に、プローブ2の他の例を図8、図9に
示す。図8に示すように、このプローブ2aは、全体が
扁平で把持可能に形成され、後部を円弧状の丸み部21
cとし前部を前記丸み部21cに連続形成する略矩形状
の矩形部21dとする枠本体からなる。この枠本体は、
合成樹脂で形成されている。また、前記枠本体は、容器
状の胴体21aと、この胴体21aの上部に取付けられ
る蓋体21bとで構成されている。蓋体21bは、前記
枠本体の上面部を構成し、その丸み部21cの中央に複
数の空気排出小窓5a,・・・が設けられている。これ
ら空気排出小窓5a,・・・の内側に放熱手段4aのフ
ァン41aが配置されている。また、前記枠本体の矩形
部21dにおける対向側部に各々ブリッジ状のバンド取
付け部7a,7aが設けられており、他の側部に図示し
ないコード線8を配置するためのコードブッシュ部80
が設けられている。
【0055】また、図9に示すように、前記プローブ2
aは、枠本体を構成する胴体21aの側部に空気取入口
22aが複数箇所に設けられている。そして、前記枠本
体内の丸み部21cに、温冷ブロック3aと、この温冷
ブロック3a上に取付けられた放熱手段4aとを収容
し、また、前記枠本体内の矩形部21dに、前記温冷ブ
ロック3aおよび前記放熱手段4aに接続される中継回
路20とを収容する。
【0056】前記温冷ブロック3aは、疼痛治療患部と
接触させる受熱板31aと、この受熱板31aの加温と
冷却を行うペルチェ素子32aと、このペルチェ素子3
2aの熱を放散させるヒートパネル33aとを有する。
受熱板31aは、図示しないが前記プローブ2と同様に
枠本体底面部から円形状に露出させて、ここに疼痛治療
患部を当ててその患部を加温又は冷却する(図4を参
照)。なお、この受熱板31aにおいても前記プローブ
2と同様に実際の温度を検知する温度センサが取付けら
れている。また、ヒートパネル33aの上面部には、無
数の放熱用突起34aが形成されている。
【0057】前記放熱手段4aは、モータ41aと、こ
のモータ41aに連結するファン42aとを有する。な
お、このモータ41aの駆動はコード線8を通じて電源
Vと接続する治療器本体1より指示される。前記中継回
路20は、前記コードブッシュ部80にて配置されるコ
ード線8に接続されて治療器本体1からの電気信号を前
記ペルチェ素子32aと前記ファン41aのモータ42
aに伝達させている。
【0058】このようなプローブ2aによると、上記プ
ローブ2と同様の効果を有する他に、枠本体後部の円弧
状の丸み部21cを手のひらで包み込むようにし、且
つ、枠本体前部の略矩形状の矩形部21dを親指と人差
し指等で挟むようにすることで、このプローブ2aを手
に持って一層容易に扱える。また、枠本体上面部の複数
の空気排出小窓5a,・・・からファン41aによって
空気を排出させるが、これら空気排出小窓5a,・・・
は指を侵入させない大きさに設定されるから、指が枠本
体内部のファン41aに巻き込まれる心配もない。さら
に、前記枠本体の矩形部21dにおける対向側部に各々
設けたブリッジ状のバンド取付け部7a,7aにバンド
を取付け、プローブ2aを疼痛治療患部に配置させた
後、前記バンドを腕にまわしておけば、該プローブ2a
を腕の疼痛治療患部に安定して固定させておくことがで
きる。
【0059】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。図10に示すように、他の実施の形態による疼痛緩
和器は、2つのコネクタ部19a,19bのそれぞれに
プローブ2a1,2a2が接続されている。治療器本体
1aの外観構成は図1に示す治療器本体1と変わりない
が、図11に示すように、内部の制御部1aにあっては
切替部101a、条件設定部102a、指示部103a
によって2個のプローブ2a1,2a2それぞれに別の
運転モードやその運転モードでの治療温度および治療時
間の設定、その実行を行えるようにする。また、図示し
ないが、前記制御部1aには前記切替部101aと前記
条件設定部102aとによって一のプローブの条件設定
が完了すると、次のプローブについての条件設定に移行
させる移行部を備える。また、安全装置105aは、指
示部103aによる指示情報と各プローブ2a1,2a
2からの実際の温度情報とを比べて2個のプローブ2a
1,2a2のうちの1つでも温度測定不能状態や温度異
常が発生すると、疼痛緩和器の運転を停止させる。
【0060】次に、設定動作を説明する。この他の実施
の形態の疼痛緩和器における設定動作は、基本的には前
述の図1に示すものと同様であるが、各プローブごとに
設定する。
【0061】まず、治療器本体1aの電源を入れると、
プローブ2a1での「運転モード」の設定状態となり、
表示パネル12の左側にカーソルが点滅表示されるとと
もに、隅部の任意個所に「P1」と表示される。ここ
で、「P1」はコネクタ部19aに差し込んだプローブ
2a1での設定を意味し、プローブ2a1の条件設定時
の間は常時表示される。そして、設定ボタン15,16
を押して治療時間を入力する。この際、同期して表示パ
ネル12のカーソルが数字に表示される。
【0062】治療時間の入力を終えて数秒すると、表示
パネル12右側の直線とクランク状曲線とが点滅され、
治療モードの入力待ち状態となる。そして、切替ボタン
14を押すと前記直線又は前記クランク状曲線が点灯状
態となる。前記直線の点灯が連続モード、前記クランク
状曲線の点灯がリズムモードに対応する。
【0063】次いで消音・停止ボタン17を3秒以上押
し続ける「運転モード」から「設定モード」に切り替わ
る。すると、前記治療モードの設定時に連続モードを選
択していた場合は、表示パネル12の左側にカーソルが
点滅表示される。そして、設定ボタン15,16を押し
て治療温度を入力する。この際、同期して表示パネル1
2のカーソルが数字に表示される。一方、前記治療モー
ドの設定時にリズムモードを選択していた場合は、リズ
ムモードでの加温温度、加温時間、冷却温度、冷却時間
を設定ボタン15,16を押して順次入力する。なお、
これら各条件の設定時には、設定項目に応じて表示パネ
ル12の隅部の任意個所に例えば「リズム加温温度」、
「リズム加温時間」、「リズム冷却温度」または「リズ
ム冷却時間」等の補助表示が出る。
【0064】前記項目の設定が終わると、制御部1aに
備えた移行部(図示せず)によって、次のプローブ2a
2の「運転モード」の設定状態に移行させる。この際、
表示パネル12左側の「P1」表示が「P2」表示に変
わる。「P2」はコネクタ部19bに差し込んだプロー
ブ2a2での設定を意味し、プローブ2a2の条件設定
時の間は常時表示される。なお、設定動作の操作手順は
前記同様に行う。
【0065】以上の設定条件は、条件設定部102aに
記憶される。そして、すべての項目設定を終え、各プロ
ーブ2a1,2a2を疼痛患部に当てた後、開始ボタン
18を押すと、各プローブ2a1,2a2それぞれは前
記設定条件に従って運転開始する。すなわち、条件設定
部102aに設定された前記設定条件に基づいて指示部
103aが各プローブ2a1,2a2の動作制御を行
う。なお、その他の動作については図1に示した疼痛緩
和器と同様である。
【0066】以上のように、他の実施の形態による疼痛
緩和器によると、例えば、血液の取り出し側に針を刺し
た疼痛患部におけるプローブ2a1は加温と冷却を繰り
返すリズムモード運転とし、血液の戻し側に針を刺した
疼痛患部におけるプローブ2a2は加温のみの連続モー
ド運転とする等、種々のバリエーションを実現できる。
これにより、人工透析時の2本の針を刺した各疼痛患部
の末端神経を刺激して血行を促進させることにより、各
疼痛患部の痛み具合に応じて適切にその痛みを和らげる
ことができる。
【0067】一方、前記複数のプローブ2a1,2a2
のそれぞれを別々の患者にあてがうこともでき、この場
合、複数の患者の個々の痛み具合に応じて各プローブ2
a1,2a2を動作制御すれば、複数の患者に対して同
時に疼痛を和らげることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による疼痛緩和器を示す平
面図である。
【図2】図1に示すプローブのII−II断面図であ
る。
【図3】図1に示すプローブの側面図である。
【図4】図1に示すプローブの底面図である。
【図5】図1に示す疼痛緩和器の回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】図1に示す疼痛緩和器の使用状態を示す模式図
である。
【図7】プローブを当てる患部に配置させる当て物を示
す平面図である。
【図8】他のプローブの例を示す平面図である。
【図9】図8に示すプローブの一部切欠断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態による疼痛緩和器を
示す平面図である。
【図11】図10に示す疼痛緩和器の回路構成を示すブ
ロック図である。
【図12】従来の温冷治療器における温冷パックを示す
平面図である。
【図13】従来の温冷マッサージ治療装置を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 治療器本体 2,2a,2a1,2a2 プローブ 3,3a 温冷ブロック 4,4a 放熱手段 5 空気排出口 5a 空気排出小窓 6 突起 7 係止ピン 7a バンド取付け部 8 コード線 20 中継回路 21,21a 枠本体 21c 丸み部 21d 矩形部 22 空気取入口 23 保護網 31,31a 受熱板 32,32a ペルチェ素子 33,33a ヒートパネル 34,34a 放熱用突起 41,41a ファン 42,42a 駆動モータ 100,100a 制御部 101,101a 切替部 102 設定部 102a 条件設定部 105,105a 安全装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペルチェ素子の温熱又は冷熱が伝達され
    る受熱板によって疼痛患部を加温又は冷却して刺激を与
    える疼痛緩和器であって、 前記ペルチェ素子を内蔵し、前記受熱板を露出させたプ
    ローブと、 前記ペルチェ素子に流す直流電流の向きを所定の時間間
    隔で反転させることにより加温と冷却とを所定の時間間
    隔で交互に繰り返すリズムモード運転を実行する制御部
    とを備えたことを特徴とする疼痛緩和器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の疼痛緩和器において、 前記制御部は、前記リズムモード運転における加温と冷
    却との時間間隔となる加温時間と冷却時間を設定する設
    定部を具備することを特徴とする疼痛緩和器。
  3. 【請求項3】 ペルチェ素子の温熱又は冷熱が伝達され
    る受熱板によって疼痛患部を加温又は冷却して刺激を与
    える疼痛緩和器であって、 前記ペルチェ素子を内蔵し、前記受熱板を露出させた複
    数のプローブと、 前記複数のプローブそれぞれについて、加温のみ又は冷
    却のみとする連続モード運転とするか、加温と冷却とを
    所定の時間間隔で繰り返すリズムモード運転とするかの
    選択を行う切替部と、 前記複数のプローブそれぞれについて、前記切替部で選
    択した運転モードにおける治療温度および治療時間の設
    定を行う条件設定部と、 前記複数のプローブそれぞれについて、前記条件設定部
    で設定した治療温度および治療時間に基づいて前記切替
    部で選択した運転モードの実行を前記プローブに指示す
    る指示部とを備えたことを特徴とする疼痛緩和器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の疼痛緩和器において、 前記切替部と前記条件設定部とによって一のプローブの
    条件設定が完了すると、次のプローブについての条件設
    定に移行させる移行部を備えたことを特徴とする疼痛緩
    和器。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の疼
    痛緩和器において、 前記受熱板の実際温度が設定温度に対して一定範囲を超
    えた場合に運転を停止させる安全装置を備えたことを特
    徴とする疼痛緩和器。
  6. 【請求項6】 ペルチェ素子の温熱又は冷熱が伝達され
    る受熱板によって疼痛患部を加温又は冷却して刺激を与
    える疼痛緩和器に用いられ、前記ペルチェ素子を内蔵
    し、前記受熱板を露出させたプローブであって、 全体が偏平で把持可能に形成され、その側部に空気取入
    口を設け且つ上面部に空気排出口を設けた枠本体と、 前記枠本体内に収容され、前記ペルチェ素子を内蔵する
    温冷ブロックと、 前記枠本体内に収容され、前記温冷ブロック上に配置さ
    れた放熱手段と、 前記枠本体上面部の空気排出口を覆うように取付けた保
    護網とを備え、 前記温冷ブロックは、前記枠本体底面部から露出させて
    疼痛患部を加温又は冷却する受熱板と、この受熱板の上
    面に配置されて受熱板に温熱又は冷熱を伝達するペルチ
    ェ素子と、このペルチェ素子の上面に配置されてペルチ
    ェ素子の上面部の温熱又は冷熱を放散させるヒートパネ
    ルとを具備し、 前記放熱手段は、前記ヒートパネル周辺の空気を循環さ
    せるファンと、このファンを駆動する駆動モータとを具
    備することを特徴とするプローブ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のプローブにおいて、 前記枠本体は、その上面部の空気排出口を囲うように所
    定ピッチで形成した複数の突起を有することを特徴とす
    るプローブ。
  8. 【請求項8】 ペルチェ素子の温熱又は冷熱が伝達され
    る受熱板によって疼痛患部を加温又は冷却して刺激を与
    える疼痛緩和器に用いられ、前記ペルチェ素子を内蔵
    し、前記受熱板を露出させたプローブであって、 全体が扁平で把持可能に形成され、前部を円弧状の丸み
    部とし後部を前記丸み部に連続形成する略矩形状の矩形
    部とする枠本体と、 前記枠本体の側部に設けた空気取入口と、 前記枠本体の丸み部の上面部に設けた複数の空気排出小
    窓と、 前記枠本体の矩形部における対向する側部に各々設けた
    ブリッジ状のバンド取付け部と、 前記枠本体内の丸み部に収容され、前記ペルチェ素子を
    内蔵する温冷ブロックと、 前記枠本体内の丸み部に収容され、前記温冷ブロック上
    に配置された放熱手段とを備え、 前記温冷ブロックは、前記枠本体底面部から露出させて
    疼痛患部を加温又は冷却する受熱板と、この受熱板の上
    面に配置されて受熱板に温熱又は冷熱を伝達するペルチ
    ェ素子と、このペルチェ素子の上面に配置されてペルチ
    ェ素子の上面部の温熱又は冷熱を放散させるヒートパネ
    ルとを具備し、 前記放熱手段は、前記ヒートパネル周辺の空気を循環さ
    せるファンと、このファンを駆動する駆動モータとを具
    備することを特徴とするプローブ。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし8のいずれかに記載のプ
    ローブにおいて、 前記温冷ブロックのヒートパネルは、その表面に複数の
    放熱用突起を有することを特徴とするプローブ。
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