JP2000340102A - 電界放出素子の製造方法、電界放出素子及び平面ディスプレイ装置 - Google Patents

電界放出素子の製造方法、電界放出素子及び平面ディスプレイ装置

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JP2000340102A JP2000078918A JP2000078918A JP2000340102A JP 2000340102 A JP2000340102 A JP 2000340102A JP 2000078918 A JP2000078918 A JP 2000078918A JP 2000078918 A JP2000078918 A JP 2000078918A JP 2000340102 A JP2000340102 A JP 2000340102A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微細、高密度かつ高い形状精度を有する電界放
出素子の製造方法を提供すること。 【解決手段】基板14にエミッタ形状を形成する電界放
出素子の製造方法において、基板14を切削加工するこ
とで、エミッタ形状を削り出す工程を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放出素子の製
造方法、電界放出素子及び平面ディスプレイ装置に関
し、特に、エミッタ形状を直接削り出す方法の他、転写
モールド法に用いる金型の原盤にエミッタ様のエミッタ
形状を形成するものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体微細加工技術の進歩に伴
い、ミクロンサイズの微小真空管(電子銃)である電界
放出素子が注目され、その開発が進められている。
【0003】この電界放出素子は、電子線描画装置や平
面ディスプレイの電子放出源として利用することが考え
られており、そのためには、先鋭化された多数のエミッ
タ電極を、面方向に高密度に配列する必要がある。ま
た、平面ディスプレイの電子放出源として用いる場合、
このエミッタ電極の先鋭度を向上させて一つ一つの素子
の駆動電圧を下げる必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した電界放出素子
の従来の製造方法にあっては、次のような問題があっ
た。すなわち、エミッタ電極の先鋭化を、半導体製造技
術として利用されている重ね合わせ露光や異方性エッチ
ング等の手法によって行っていた。このため、エミッタ
電極の先鋭化プロセスの再現性が乏しく、多数のエミッ
タ電極を均質に作成することが困難であった。
【0005】また、この場合、先鋭度は露光装置の解像
度に左右される。すなわち、エミッタ電極の先鋭度は、
マスクパターンニングを行うステッパ等の解像度に依存
するが、その解像度には限界があるため、先鋭化には一
定の限界があった。
【0006】また、半導体製造技術を利用した電界放出
素子の形成方法では、素子を形成する基板の大きさが半
導体ウエハのサイズに制限されてしまうという問題もあ
る。
【0007】そこで本発明は、微細、高密度かつ高い形
状精度を有する電界放出素子の製造方法、電界放出素子
及び平面ディスプレイ装置を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、本発明の電界放出素子の製造方法、電
界放出素子及び平面ディスプレイ装置は次のように構成
されている。
【0009】(1)被加工物にエミッタ形状を形成する
電界放出素子の製造方法において、前記被加工物を切削
して前記エミッタ形状を削り出す工程を具備することを
特徴とする。
【0010】また、被加工物は一枚で平面ディスプレイ
のサイズに対応する面積を有しており、これに平面ディ
スプレイの全画素分のエミッタ形状を形成するようにし
てもよい。
【0011】切削加工によりエミッタ形状を削り出す工
程は、前記被加工物の表面に、深くなるにしたがって次
第に細幅となる溝を複数本形成することでこの被加工物
からエミッタ形状を削り出すようにしてもよく、さらに
切削加工によりエミッタ形状を削り出す工程は、被加工
物の表面に平行な溝を複数本形成する工程と、この工程
を溝方向を異ならせて複数回行うことでエミッタ形状を
削り出す工程とを有するようにしてもよい。さらにまた
切削加工によりエミッタ形状を削り出す工程は、被加工
物の表面に平行な溝を複数本形成する工程を、形成する
溝方向を90度ずらして複数回行なうことで四角錐状の
エミッタ形状を形成するようにしてもよい。さらにま
た、切削加工によりエミッタ形状を削り出す工程は、被
加工物の表面に平行な溝を複数本形成する工程を、形成
する溝方向を60度ずつずらして複数回行なうことで三
角錐状のエミッタ形状を形成するようにしてもよい。
【0012】切削加工によりエミッタ形状を削り出す工
程は、回転外周方向縁端に向かって次第に細幅となる両
横切刃及び前切刃を有する回転工具を用い、この回転工
具と前記被加工物とを回転工具の回転接線方向に沿って
相対的に送り駆動することで、この被加工物に、深さ方
向に沿って次第に細幅となる溝を形成するようにしても
よい。
【0013】この他、被加工物の表面に前記切削加工に
よりエミッタ形状を削り出し、電界放出素子のエミッタ
電極を直接形成するようにしてもよい。
【0014】さらに、所定の刃先角を有する第1の工具
で切削を行った後、第1の工具とは異なる刃先角を有す
る工具でさらに加工を行うようにしてもよい。また、所
定の刃先角を有する第1の工具で切削を行った後、第1
の工具とは異なる刃先の幅を有する工具でさらに加工を
行うようにしてもよい。
【0015】一方、被加工物として円筒状のものを用い
てもよい。また、エミッタ形状を構成する稜線が非直線
のもの、複数の線分からなるもの、稜線の傾きが先端に
近いものほど急峻なもの、所定の湾曲を有するもの、少
なくとも一つの段部を有するものであってもよい。
【0016】(2)上記(1)に記載された電界放出素
子の製造方法を利用して形成されたエミッタ電極を有す
る被加工物を用いて形成されたことを特徴とする。
【0017】凸部を有する基板を被加工物に押し付ける
ことで第3の原盤を形成する工程をさらに含むようにし
てもよい。さらに、第3の原盤を形成する工程は、前記
凸部を有する基板を位置をずらしながら金型となる基板
に複数回押し付ける工程を含むようにしてもよい。
【0018】(3)母材を切削することにより主面にエ
ミッタ形状が設けられた第1の原盤を形成する工程と、
前記第1の原盤のエミッタ形状が形成された主面上の第
1の材料層を形成する工程と、前記第1の原盤のエミッ
タ形状が転写された凹部を有する第2の原盤を得るため
に、前記第1の原盤から前記第1の材料層を剥離する工
程と、前記第2の原盤の凹部が設けられた主面上に第2
の材料層を形成する工程と、前記第2の原盤の凹部の形
状が転写された凸部を有する基板を得るために、前記第
2の原盤から前記第2の材料層を剥離する工程とを備え
ていることを特徴とする。
【0019】(4)少なくとも(1)に記載された電界
放出素子の製造方法を利用して形成されたエミッタ電極
を有する電界放出素子及び前記エミッタ電極から電子を
放出させるゲート電極を有する陰極装置と、少なくとも
前記陰極装置から放出された電子を引き付けるための陽
電極及び前記電子が衝突することによって発光する発光
体膜が設けられた透光性基板を有する陽極装置とを備え
ていることを特徴とする。
【0020】(5)少なくとも、複数の線分又は弧が組
み合わされた稜線を有するエミッタ電極が設けられた電
界放出素子及び前記エミッタ電極から電子を放出させる
ゲート電極を有する陰極装置と、少なくとも、前記陰極
装置から放出された電子を引き付けるための陽電極及び
前記電子が衝突することによって発光する発光体膜が設
けられた透光性基板を有する陽極装置とを備えているこ
とを特徴とする。
【0021】(6)基板と、この基板の主面上に設けら
れる複数の線分又は弧が組み合わされた稜線を有するエ
ミッタ電極を具備することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図11は、本発明の第1の
実施の形態に係る電界放出素子の製造方法を示す図であ
る。本電界放出素子の製造方法では、基板の表層を切削
加工することで、電界放出素子のエミッタ形状列(エミ
ッタアレイ)を削り出し、さらに、最終的な製品である
平面ディスプレイ装置等の製品を得るものである。
【0023】図1は、この方法で形成するエミッタアレ
イ1(エミッタ形状2の列)を拡大して示すものであ
る。各エミッタ形状2は、一辺の長さL=1〜50μ
m、頂角θ=30〜120°(好ましくは約70°)、
高さH=1〜50μmの正四角錘であり、間隔M=1〜
50μm、ピッチP=1〜100μmの格子状に配置さ
れている。
【0024】このエミッタ形状2は、例えば、平面ディ
スプレイ装置(FED:Field Emission Display)に適
用される電界放出素子の場合、1画素当り、横約5×3
("3"はRGB数)個、縦約10個の計150個、FE
Dの1画面のサイズを横1000×縦約800画素とす
ると、画面全体で総計15000×800個形成されな
ければならない。
【0025】この実施形態は、合計15000×800
個のエミッタアレイ1を図2に示す切削加工装置で一度
に形成する方法を提供する。
【0026】この切削加工装置は、門型のNC加工機で
あり、基台4上に搭載された門型ヘッド5が、図中6で
示す主軸装置をXYZ方向に位置決め自在に保持してい
る。この主軸装置6は、高速エアスピンドル(不図示)
と、このエアスピンドルによって回転駆動される主軸7
を有しており、この主軸7の先端部には、円盤状のブラ
ケット8を介してダイヤモンドバイト9(回転工具)が
取着されている。このダイヤモンドバイト9は、主軸7
の径方向に沿って外側に突出する状態で取着されてい
る。
【0027】このダイヤモンドバイト9は、図3に示す
ように、主軸7側に固定されるシャンク11と、このシ
ャンク11の先端に接着されたダイヤモンドチップ12
とからなる。
【0028】図4は、このダイヤモンドチップ12の切
刃の形状を示したものである。このダイヤモンドチップ
12は、掬い面12aと、前切刃12bと、横切刃12
cと、前切刃逃げ面12dと、横切刃逃げ面12eとか
ら構成されている。ここで、掬い面12aの前切刃長W
と頂角φは、それぞれエミッタ形状2の間隔M、頂角θ
(図1参照)に等しく設計されている。さらに、前切刃
逃げ角α及び横切刃逃げ角βはそれぞれ3°に設定され
ている。
【0029】また、図2に示すように、加工装置の基台
4上には、工作対象としての基板14が回転位置決めテ
ーブル15上に保持されている。この基板14は、例え
ば、電界放出素子のエミッタ電極を転写モールド法で形
成する場合に用いる金型を製造するための原盤であり、
FEDの全画素に対応する投影面積分の面積を有するも
のである。
【0030】次に、この基板14の表面にエミッタ形状
2を形成する工程を図2、図5及び図6の(a)〜
(c)を参照して説明する。
【0031】まず、図2に示す門型ヘッド5を作動さ
せ、主軸装置6をXY方向に駆動し、ダイヤモンドバイ
ト9を基板14に対向位置決めする。ついで、主軸装置
6を作動させることでダイヤモンドバイト9を回転させ
る。このことで、ダイヤモンドチップ12の前切刃12
bは、図2に点線γで示す円軌跡を描く。
【0032】この状態で、主軸装置6をZ方向に沿って
下降駆動し、ダイヤモンドバイト9を所定の切込深さD
で基板14に切り込ませると共に、所定の送り速度でX
軸方向に駆動する。このことで、図5に示すように、ダ
イヤモンドチップ12の掬い面12aで、基板14の表
層(網掛け部分)を削り取り、このチップ12の掬い面
12aと同断面形状の溝17を形成していくことができ
る。
【0033】ここで、主軸装置6のX方向の単位時間当
たりの送り量f(送り速度F)は、図5に示すように、
1回当りの最大切り取り厚さtに基づいて決定される。
加工中の欠け等を制御し、例えばエミッタ形状2の先端
を先端半径30nm以下に先鋭化するには、最大切り取
り厚さtを一定厚さ以下、好ましくはt≦10μm、さ
らに好ましくはt≦1μmに制御する必要がある。
【0034】ここで、tは、ダイヤモンドバイト9の回
転数をS、工具送り速度をF(=f・dx/dt),切
込深さをD、バイト切刃の回転半径をRとすると、それ
らの幾何学的関係から、 t=(F/S)・{2(D/R)−(D/R)
1/2 で与えられるから、これから工具送り速度Fを決定すれ
ば良い。
【0035】図6の(a)は、この工程によって形成さ
れる溝17を示す斜視図である。上記工程を、ダイヤモ
ンドバイト(主軸装置)をY方向にピッチP(=L+
M)で送りつつ複数回行うことで、図6の(b)に示す
ように、複数の溝17を形成することができ、溝17間
に三角陵18を形成することができる。
【0036】次に、テーブル15を90度回動させ、上
記図6の(a),(b)と全く同様の切削工程を行うこ
とで、図6の(c)に示すように、三角陵の交点のみが
残り、基板14の表面全面に亘って四角錐のエミッタ形
状2のアレイ1が削り出されることになる。
【0037】この状態では、エミッタ形状2の稜線上に
加工物の流動に起因するバリが形成されることがある
が、これを除去する必要がある場合には、図6の(a)
〜(c)と同一軌跡の操作を再び繰り返す(ゼロカッ
ト)ことで、バリを除去することができる。なお、ゼロ
カットにより除去しきれないバリが生じている場合に
は、アセトンによる超音波洗浄等の洗浄工程により除去
することができる。
【0038】このような構成によれば、半導体微細加工
技術を用いず、切削加工によりエミッタ形状2を形成す
るものであることから次の効果を得ることができる。
【0039】第1に、基板14は半導体ウエハに限定さ
れないため、大型FEDの全画素分に対応する面積に一
度にエミッタアレイ1を形成することができる。
【0040】第2に、エミッタ形状2の形成に露光やエ
ッチング等の半導体製造プロセスを用いないので、エミ
ッタ形状の先鋭化が露光解像度や除去作用の等方性等の
制限を受けることがなく、均質なエミッタ形状を得るこ
とができる。さらに、後の実施形態でも示されるよう
に、先端の曲率半径30nm以下と、極めて先鋭度の高
いエミッタ形状を得ることを可能とする。
【0041】第3に、回転工具(ダイヤモンドバイト
9)を用いて切削加工を行うようにしたから、一回の切
削量を極めて小さくすることができ、欠け等が生じるの
を防止して極めて先鋭度の高いエミッタ形状を形成する
ことができる。
【0042】なお、本発明の方法は、前述したように、
エミッタ電極を転写モールド法で形成するための金型を
得るための原盤にエミッタ形状を形成する場合の他、電
界放出素子のエミッタ電極を直接を形成する場合にも適
用可能である。
【0043】また、エミッタ形状2は四角錐に限定され
るものではなく、図7に示すような三角錐であっても良
い。この場合、基板を60度ずつ回動させて上記と同様
の切削加工をA〜Cの各方向に沿って行えば良い。
【0044】四角錐の場合には、送り量の設定及び加工
装置の位置決め誤差に起因し、本来頂点となるべき部位
が切頭形状として残ってしまう可能性があるが、三角錐
の場合には必ず頂点が形成されるという利点がある。
【0045】また、図8で示したのは、エミッタ形状ア
レイ1の分布を偏在化させた例である。このような配置
であっても上述の切削加工によればY方向の送りピッチ
P1、P2を不等に変化させることで得ることができ
る。
【0046】さらに、上記加工装置は、図2に示すもの
に限定されるものではなく、例えば図9に示すような装
置であっても良い。
【0047】図2に示す装置は、ダイヤモンドバイト9
を水平軸回りに回転させていたが、この加工装置は、垂
直軸回りに回転させた例である。このような装置であっ
ても上記装置と同様の加工を行うことができる。
【0048】このとき基板14から生じる切削屑は動方
向に落下するから、被加工物下方に切削屑が付着し易
い。溝形成前の被加工表面に屑が付着すると、切削時に
ダイヤモンドバイト9と被加工表面との間に切削屑が挟
まり易くなるため、高精度な溝加工を実施することが困
難となる。したがって、溝加工中のダイヤモンドバイト
9は重力方向と直交する方向に移動させる。このような
溝加工を被加工物の下方から上方に向かって繰り返すこ
とにより、順次溝を形成していくことが好ましい。重力
方向に略直交する方向に送られているダイヤモンドバイ
ト9の後方から追うようにして、ミスト状の灯油を加工
点に対して吹き付けることによって排除することが好ま
しい。切削屑を被加工物と工具との間から排除する観点
と、ダイヤモンドバイト9と被加工物との潤滑を図る観
点から有効である。加工終了後に被加工物表面に残留し
た切削屑は、洗浄して排除することができる。
【0049】(第1の実施形態の実施例)第1の実施形
態の実施例として、一辺の長さL=10μm、頂角θ=
70°、高さH=7μm、ピッチP=20μmのエミッ
タ形状アレイ1を形成した。加工により得た製品は、画
面サイズ40インチのFED装置を構成するためのエミ
ッタアレイを転写モールド法成形に用いる金型上に形成
するための原盤14′′として用いる。しかしながら、
このようにして切削により得られた基板14を、そのま
ま電界放出素子を形成するエミッタアレイとして用いて
もよい。
【0050】図10〜11は、その模式図を示したもの
である。図10は、切削加工により削りだされるエミッ
タ形状を示す模式図、図11は、ゼロカット実施後のエ
ミッタ形状を示す模式図である。
【0051】以下に、このエミッタ形状アレイを形成し
た際の加工装置の加工精度及び加工条件を示す。
【0052】(1)加工装置の加工精度 主軸装置のエアスピンドル…径方向回転振れ量0.0
5μm以下、軸方向回転振れ量0.05μm以下。
【0053】門型ヘッド: Z軸…ストローク100mm以上、真直度0.1μm以
下、直角度0.1μm以下、位置決め精度10nm以
下、 Y軸…ストローク800mm以上、真直度0.8μm以
下、直角度0.8μm以下、位置決め精度10nm以
下、 X軸…ストローク800mm以上、真直度0.8μm以
下、直角度0.8μm以下、位置決め精度10nm以
下。
【0054】ダイヤモンドバイト: シャンク…縦8mm、横8mm、長さ60mm、 ダイヤモンドチップ…刃先角70°、前切刃長10μ
m、切刃高さ2mm、前切刃逃げ角3°、横切刃逃げ角
3°、主軸中心からダイヤモンドチップの頂点までの高
さ60mm。
【0055】(2)加工条件 主軸回転数:S=2000min−1 X軸送り速度:F=100mm/min 切込深さ:D=0.01mm 切り取り量:t≦1μm Y方向送りピッチ:P=20μm。
【0056】ダイヤモンドチップの刃先角は任意に変更
可能である。その範囲は一般的に30°〜120°の範
囲となる。このため、エミッタ形状の頂角を任意に設定
することができると同時に、エミッタ形状のアスペクト
比も任意に設定することが可能になり、これにより電子
が放出しやすいエミッタを形成することが可能となる。
なお、Siを異方性エッチングにより加工する方法で
は、実質的に70°程度の角度でしか加工できない。
【0057】(第2の実施形態)図12は本発明の第2
の実施の形態に係る電界放出素子の製造方法を示す図で
ある。本電界放出素子の製造方法では、第1の実施形態
で製造された原盤14′を利用して電界放出素子のエミ
ッタ電極を製造するものである。
【0058】まず、第1の実施形態の方法により、約3
8Hvの無酸素銅、約17Hvのアルミニウム(106
0−O)、無電解Niメッキ層が施されてなるディスプ
レイが必要とする表示面積に相当する大きさの基板14
を切削加工してエミッタアレイ1を有する原盤14′を
形成する(S1)。なお、上記の金属の他、Ra=0.
01μm程度の鏡面加工がしやすく、展性・延性に富む
他の金属でもよい。
【0059】次に、この原盤14′の表面を脱脂し、さ
らにフッ化アンモニウム等のフッ化物で表面を活性化し
た後、無電解Niメッキや電解Niメッキによる方法を
用いて、原盤14′上に、一次転写の例えば500Hv
の電解NiからなるNi電鋳層20を形成する(S
2)。Ni電鋳層20の厚さは、例えば50μm程度の
ものである。その後、このNi電鋳層20を原盤14′
から剥離する。これによりNi電鋳金型21を得る(S
3)。次に、このNi電鋳金型21の表面に対して脱脂
又は陽極酸化等を行い、付着物が剥離され易い状態にし
ておく。その後、このNi電鋳金型21上に二次転写の
550Hvの無電解NiからなるNi電鋳層22を形成
する(S4)。このNi電鋳層22の厚さが薄くて機械
的強度が得られにくい場合には、ガラス基板等の裏打ち
を施してもよい。その後、このNi電鋳層22をNi電
鋳金型21から剥離することでNi電鋳工具23を得る
(S5)。このNi電鋳工具23は、FED装置の全画
素分に対応する表面積及びエミッタ形状のアレイ24を
有するので、そのまま電解放出素子に利用可能である。
原盤14′から複数のNi電鋳基板23を得ることがで
きるので、加工時間を大きく短縮することができる。
【0060】さて、このようにして得られたNi電鋳基
板23を工具として用いることにより、さらに雌型を作
成することが可能である。
【0061】(S5)の工程の後、このNi電鋳工具2
3を、FEDの全画素分に対応する表面積を有する基板
25に押し付けることにより、一度の押し付けで転写モ
ールド形成用の金型26を得ることができる(S6)。
【0062】図14の(a)は、この押し付けを行う押
し付け装置を示すものである。この押し付け装置は、基
台28と、この基台28上に設けられ、加工対象である
基板25の表面をZ軸に対して垂直にした状態で保持し
かつZ軸方向に位置決めできるZ軸テーブル29と、N
i電鋳工具23を基板25の表面に対向させた状態で保
持しNi電鋳工具23をXY方向に位置決め駆動するX
Y駆動ヘッド30とを有する。
【0063】このような装置によれば、Ni電鋳工具2
3をXY駆動ヘッド30によって基板25の表面に対向
位置決めし、基板25をZ軸方向に駆動することで、基
板25の表面をNi電鋳工具23に押し付けることがで
きる。
【0064】この押し付けは、Ni電鋳工具23のエミ
ッタ形状24を基板25の所定の深さまで押し込み、塑
性変形に必要な時間(例えば10秒)だけその状態を保
ち、その後引き離すことで行われる。
【0065】なお、このような押し付け加工において
は、材質等の要因により基板25の表面に盛り上がり3
1(図12参照)が発生し、表面の平坦度が失われる場
合が考えられる。これに対応するためには、例えば図1
4の(a)に示す加工装置によって、Ni電鋳工具23
の近傍に平面加工用ダイヤモンドバイト32を保持し、
一方、Z軸テーブル29に基板25を取り付け、このダ
イヤモンドバイト32を用いてこの基板25表面の盛り
上がり31を平面切削して除去し、所定の平面度に仕上
げるようにする。
【0066】このような構成によれば、一度の押し付け
加工で、FED装置全面積に対応する大きさの金型を得
ることができる効果がある。
【0067】なお、この実施形態では、FEDの全面に
対応する大きさのNi電鋳工具23を用いて、これを基
板25に押し付けることで、一度の押し付け加工で転写
モールド成型用の金型26を得るようにしたがこれに限
定されるものではない。比較的小さい電鋳工具を用い、
これを複数回押し付け加工することでFED全面に対応
する大きさの金型を得るようにしても良い。
【0068】このためには、図14の(a)〜(f)に
示すように、押し付け位置をずらしながらNi電鋳工具
23′の押し付けを複数回繰り返すことで、FEDの全
面に対応する大きさの金型26を加工すれば良い。な
お、図15の(f)に示すように最後に平面度を出すた
めに二点鎖線Qで示すように切削を行う。例えば、10
00×1000のエミッタアレイ24′を有するNi電
鋳工具23′を用いて繰り返し押し付け加工を行う場
合、FED全体のアレイ数は15000×8000であ
るから、1回の押し付け加工に要する時間を約60秒と
して、 (15000/1000)×(8000/1000)×
60sec=2hour となるから、約2時間と、極めて短時間での金型制作が
可能となる。
【0069】なお、この場合にも、基板の表面に盛り上
がり31が形成されることがあるが、上述したように押
し付け加工終了後に平面切削により除去すれば良い。
【0070】なお、このNi電鋳工具23′は、シリコ
ン基板を露光・異方性エッチングすることで形成された
ものであっても良い。
【0071】また、押し付け加工を行う加工装置は図1
3の(a)に示すものに限定されるものではなく、図1
3の(b)に示すようなものであっても良い。この装置
は、門型ヘッド35を有し、この門型ヘッド35はNi
電鋳工具23をXYZ方向に位置決め駆動可能に保持し
ている。また、この門型ヘッド35は、平面加工用ヘッ
ド36を保持している。この平面加工用ヘッド36は、
Z軸について回転可能な主軸(不図示)を有し、この主
軸にダイヤモンドバイト27が取り付けられている。こ
のような装置によっても、図13の(a)に示した装置
と同様の加工を行える。
【0072】図15の(a)〜(c)は、エミッタの凹
型を押し込み塑性加工した実験例を示す顕微鏡写真であ
る。工具としてSi凹型を転写した電解Niメッキ凸原
盤を用い、加工物には焼鈍処理(200℃×4h)を施
した無酸素銅(C1020BD)を用いた。加工領域は
4mm×4mm、押し込み圧力は200〜600N/m
、押し込み速さは0.2mm/min、荷重保持時
間は30secとした。図15の(a)は使用前の工
具、図15の(b)は加工後の工具、図15の(c)は
加工後の加工物表面をそれぞれ倍率10000倍で示し
たものである。加工物には工具先端の形状が転写されて
いる。また、工具先端は加工によって丸みを帯び鈍化さ
れ、その先端半径は50〜100nmとなった。したが
って、加工物のエミッタ形状先端半径も50〜100n
m程度であると推測される。
【0073】この実験例から、ダイヤモンド圧子を工具
とし無酸素銅を加工物としてエミッタの無酸素銅凹型を
製作し、これを転写した電解Niメッキ凸原盤を工具と
してさらに大面積の無酸素銅凹型を製作することが可能
と考えられる。工具には、実験と同様にSi凹型を転写
した電解Niメッキ凸原盤を用いることもできる。電解
Niメッキの硬さはワット浴でHv150〜250、光
沢浴でHv400〜500であるのに対し、無電解Ni
メッキの硬さは熱処理なしでHv550、熱処理後でH
v1100である。また、熱処理した無酸素銅(C10
20BD)の硬さは約Hv38であるのに対し、熱処理
したアルミ(1060−O)の硬さは約Hv17であ
る。したがって、工具先端の鈍化(丸み)は、工具材種
を無電解Niメッキとし、加工物をアルミとすることに
より、低減可能であると考えられる。必要に応じて材料
を選択することが望ましい。
【0074】図16,17は本発明の第3の実施の形態
に係るエミッタ電極製造方法を示す図である。上述した
第1、第2の実施形態では、基板の表面にエミッタ形状
を切削加工するようにしていたが、加工物は基板に限ら
れるものではなく、図16に示すような円筒体40であ
っても良い。
【0075】まず、図16の(a)に示すように、円筒
体40をその中心軸回りに回転させ、これに回転するダ
イヤモンドバイト9を当接させることで周に沿う溝1
7′を形成する。ついで、図16の(b)に示すよう
に、この円筒体40を90度回動させ、所定のピッチで
回転方向に送りながらこの円筒体40とダイヤモンドバ
イト9とを円筒体40の軸方向に沿って相対的に移動さ
せることで、溝17′と直交する溝17″を形成するこ
とができ、この結果、図6の(a)〜(c)に示したも
のと同じような加工が行える。そして、この円筒体40
の全面に亘ってエミッタ形状を形成することができる。
【0076】このような加工方法によれば、上記形状の
工具23″を形成することでき、そして、図17に示す
ように、工具23″を基板と平行な軸線において回転さ
せながら押し付け、平行に相対変位させることで、金型
となる基板25に対してエミッタ形状の転写を連続的に
行っていくことができる。図17中41は工具23″と
ともに基板25を挟圧するローラを示している。
【0077】図18は本発明の第4の実施の形態に係る
平面ディスプレイ装置の要部を示す図である。平面ディ
スプレイ装置は、上記第1〜第3の実施形態に示された
エミッタ形状製造方法を利用して形成された電界放出素
子を用いて得られたものである。
【0078】図18は、このFEDから、1画素に対応
する部分の構成のみを取り出して示した分解図である。
【0079】このFEDは、大きく分けてディスプレイ
装置の裏面側に配置される陰極装置42と、ディスプレ
イ面側に配置される陽極装置44とからなる。
【0080】陰極装置42は、エミッタ電極45が前述
した方法で形成されてなる基板46と、この基板上に絶
縁層(不図示)を介して積層されエミッタ電極45の先
鋭化された先端部を囲む開口を有するゲート電極47と
を有する。ゲート電極47と基板46との間には、絶縁
層としてシリコン酸化膜やシリコン窒化膜を、CVD
法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、印刷法等の
いずれかの手法を用いて形成してある。ゲート電極47
はこの絶縁層の上に設けられており、Ni、Cr、W、
又はそれらの合金等の材料を無電解メッキ、電気メッ
キ、印刷法、スパッタリング法、蒸着法等のいずれかの
手法により形成した層に対して、CMP、CDE、RI
E、ウェットエッチング法等の除去加工手法を施し、エ
ミッタ電極45の先端を囲むような開口を形成すること
によって、構成されている。
【0081】そして、減圧環境の下で、ゲート電極47
とエミッタ電極45との間に所定の電圧を印加すること
で、エミッタ電極45の先端部から電子を放出すること
ができる。すなわち、ゲート電極47とエミッタ電極4
5は駆動回路(不図示)に接続されており、マトリック
ス制御により任意のエミッタ電極45から電子を放出さ
せることができる。
【0082】一方、陽極装置44は、ガラス等の透光性
基板48と、この透光性基板48の陰極装置42に対向
する面に形成されたITO膜等のアノード電極49と、
このアノード電極49の表面に形成されたR、G、Bの
各蛍光膜50a、50b、50cとからなる。アノード
電極49は、駆動回路(不図示)に接続されており、エ
ミッタ電極45との間に所定の電圧が印加されること
で、エミッタ電極45から放出された電子を制御するこ
とができる。
【0083】このことで、電子を任意の蛍光膜に衝突さ
せることができ、これにより透光性基板48を通して所
望の画像を表示させることができる。
【0084】このようなFEDによれば、輝度の高い表
示が行え、かつ、従来の液晶ディスプレイと異なりバッ
クライトが不要である。また、非常に薄く構成すること
ができるので、壁掛けテレビとしても使用することがで
きる。
【0085】なお、本発明は、このようなFEDに適用
されるものに限定されるものではなく、発明の要旨を変
更しない範囲で種々変形可能であることはいうまでもな
い。
【0086】以上述べたように、本発明によれば、微
細、高密度かつ先鋭度の高いエミッタ形状を得ることを
可能とする。
【0087】さて、上記したエミッタは、単純な角錐形
状であったが、バイトの刃先形状を変化させることによ
り、多様な稜線を成形することが可能である。刃先形状
の変化は、互いに異なる刃先形状を有する複数の工具を
用いる方法と、単一のバイトの刃先の形状を所望の稜線
形状に合わせておく方法と、があるが、工具の作り易さ
の観点から、後者の方がより実用的である。
【0088】刃先を切り込ませる方向から見て両側部の
切刃の配置される角度を刃先角とおく。図20の(a)
に示すように、刃先角θ1を有するダイヤモンドチップ
101と、刃先角θ2を有するダイヤモンドチップ10
2と、エミッタ形状が切り出される被加工物103と、
を用意する。なお、このときθ1>θ2とする。図20
の(b)に示すように、まず、ダイヤモンドチップ10
1によって、被加工物103に溝加工を施す。それによ
って形成される溝に対して、この溝の深さよりも浅い切
り込み量だけダイヤモンドチップ102を切り込ませて
この溝に沿って削る。このとき、溝の両側が切削される
よう、ダイヤモンドチップ102の切刃の幅は、ダイヤ
モンドチップ101の切刃の幅よりも大に設定されてい
る。このプロセスにより、図20の(c)に示すよう
に、被加工物103上には、頂角の大きい切頭角錐形状
の基底部104aと、この基底部104a上に存する頂
角の小さい角錐形状の先端部104bとを有する段状の
エミッタ形状が形成される。なお、ダイヤモンドチップ
101,102がそれぞれ異なるシャンクに固定されて
なる複数の工具を用いて加工しても良いが、図20の
(d)に示すように、一つのシャンク105に双方のダ
イヤモンドチップを固定した一つの工具を用いて加工す
ることが可能である。このとき、ダイヤモンドチップ双
方の間隔を加工する溝の幅と同一に設定しておくことに
より、一回の加工で、段状のエミッタ形状を得ることが
可能となる。
【0089】このように本発明によれば、稜線が非直線
のエミッタ様形状を容易に成形できる。
【0090】また、エミッタの先端からエミッタの底部
までは、ある程度以上の高さが要求されるので、機械的
強度の問題から、頂角のとりうる最小の角度は制限を受
けていたが、このような段状のエミッタは、機械的強度
を基底部によって補償できるため、先端部の頂角をより
小さく形成することが可能になる。頂角が小さいこと
で、先鋭度が高まり電子が放出され易くなるから、この
ようなエミッタを有する電界放出素子は、低消費電力で
画像を提供することが容易となる。
【0091】上記したほかにも、図21の(a)〜
(c)に示すような、様々な形状が実現可能である。図
21の(a)は、基底部104aと先端部104bとの
間に中断部104cが設けられている。この中段部10
4cも、工具の刃先角と刃先の幅を適宜設定することに
より、容易に得ることが可能である。zまた、図21の
(b)は、ウェッジ状に形成された先端部105bと、
これを支える基底部105aとを有するエミッタ形状で
ある。ウェッジ上に形成されることにより放出電流量が
増加し、輝度の向上に寄与できる。また、ウェッジ先端
の一部分に欠け等の不良が生じても、他の部分から電子
が放出されるので、耐久性に優れるという利点を有す
る。
【0092】刃先を円弧状に設定することにより、図2
1の(c)に示すような弧の稜線を有するエミッタ形状
106bも成形することが可能である。弧状になるので
機械的強度が向上するほか、先鋭度も高めることが容易
となる。
【0093】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変形実施可能であるのは勿論である。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、微細、高密度かつ先鋭
度の高いエミッタ形状を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に基づいて削り出され
るエミッタ形状の列を拡大して示す斜視図。
【図2】切削加工装置を示す斜視図。
【図3】ダイヤモンドバイトを示す図。
【図4】ダイヤモンドチップを示す三面図。
【図5】ダイヤモンドチップの軌跡を示す模式図。
【図6】エミッタ形状の削り出し工程を説明するための
工程図。
【図7】三角錐のエミッタ形状列を示す平面図。
【図8】エミッタ形状列が偏在する例を示す平面図。
【図9】他の切削装置の例を示す斜視図。
【図10】ゼロカットを行う前の顕微鏡拡大写真。
【図11】ゼロカットを行った後の顕微鏡拡大写真。
【図12】本発明の第2の実施形態に基づいて転写モー
ルド形成法に用いる金型を形成する工程を示す工程図。
【図13】電鋳工具を金型となる基板に押し付ける押し
付け加工装置を示す斜視図。
【図14】別の金型形成工程の例を示す工程図。
【図15】(a)はエミッタの凹型を押し込み塑性加工
した加工前の工具の顕微鏡写真、(b)はエミッタの凹
型を押し込み塑性加工した加工後の工具の顕微鏡写真、
(c)はエミッタの凹型を押し込み塑性加工した加工後
の加工物の顕微鏡写真。
【図16】本発明の第3の実施形態を示すもので、被加
工物として円筒体を加工する例を説明する図。
【図17】円筒状の金型を用いて押し付け加工を行う状
態を示す図。
【図18】FEDを示す分解斜視図。
【図19】複数のダイヤモンドチップを用いて溝加工を
行う場合を示す模式図。
【図20】段状のエミッタ形状の一形態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…エミッタアレイ 2…エミッタ形状 9…ダイヤモンドバイト 14,46…基板 14′…原盤 17,17′,17″…溝 18…三角陵 20…Ni電鋳層 21…Ni電鋳金型 22…Ni電鋳層 23,23′…Ni電鋳工具 23″…工具 24…アレイ 25…基板 26…金型 40…円筒体 42…陰極装置 44…陽極装置 45…エミッタ電極 48…透光性基板 50a〜50c…蛍光膜 103…被加工物

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物にエミッタ形状を形成する電界放
    出素子の製造方法において、 前記被加工物を切削して前記エミッタ形状を削り出す工
    程を具備することを特徴とする電界放出素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された方法により形成され
    たエミッタ電極を有する被加工物を用いて形成されたこ
    とを特徴とする平面ディスプレイ装置。
  3. 【請求項3】母材を切削することにより主面にエミッタ
    形状が設けられた第1の原盤を形成する工程と、 前記第1の原盤のエミッタ形状が形成された主面上の第
    1の材料層を形成する工程と、 前記第1の原盤のエミッタ形状が転写された凹部を有す
    る第2の原盤を得るために、前記第1の原盤から前記第
    1の材料層を剥離する工程と、 前記第2の原盤の凹部が設けられた主面上に第2の材料
    層を形成する工程と、 前記第2の原盤の凹部の形状が転写された凸部を有する
    基板を得るために、前記第2の原盤から前記第2の材料
    層を剥離する工程とを備えていることを特徴とするエミ
    ッタ形状を有する電解放出素子の製造方法。
  4. 【請求項4】少なくとも請求項1の電界放出素子の製造
    方法を利用して形成されたエミッタ電極を有する電界放
    出素子及び前記エミッタ電極から電子を放出させるゲー
    ト電極を有する陰極装置と、 少なくとも前記陰極装置から放出された電子を引き付け
    るための陽電極及び前記電子が衝突することによって発
    光する発光体膜が設けられた透光性基板を有する陽極装
    置とを備えていることを特徴とするディスプレイ装置。
  5. 【請求項5】少なくとも、複数の線分又は弧が組み合わ
    された稜線を有するエミッタ電極が設けられた電界放出
    素子及び前記エミッタ電極から電子を放出させるゲート
    電極を有する陰極装置と、 少なくとも、前記陰極装置から放出された電子を引き付
    けるための陽電極及び前記電子が衝突することによって
    発光する発光体膜が設けられた透光性基板を有する陽極
    装置とを備えていることを特徴とするディスプレイ装
    置。
  6. 【請求項6】基板と、この基板の主面上に設けられる複
    数の線分又は弧が組み合わされた稜線を有するエミッタ
    電極とを具備することを特徴とする電界放出素子。
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