JP2000339636A - 磁気抵抗効果型ヘッド及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド及び磁気記録再生装置

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JP2000339636A
JP2000339636A JP11152922A JP15292299A JP2000339636A JP 2000339636 A JP2000339636 A JP 2000339636A JP 11152922 A JP11152922 A JP 11152922A JP 15292299 A JP15292299 A JP 15292299A JP 2000339636 A JP2000339636 A JP 2000339636A
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magnetization
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JP11152922A
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Masatoshi Yoshikawa
川 将 寿 吉
Hiroaki Yoda
田 博 明 與
Akio Hori
昭 男 堀
Tomoki Funayama
山 知 己 船
Yuichi Osawa
沢 裕 一 大
Yuzo Kamiguchi
口 裕 三 上
Takashi Koizumi
泉 隆 小
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイアスポイントの設計が容易で、バルクハ
ウゼンノイズが低く、高感度、高出力化が可能な磁気抵
抗効型ヘッド及び磁気記録装置を提供することを目的と
する。 【解決手段】 磁気ヨークと、それと磁気的に結合さ
れ、磁化固着層と磁化自由層とこれらの間に設けられた
非磁性中間層とを有するスピンバルブ素子と、その両端
に接続されたセンス電流を供給する一対の電極とを有す
る磁気抵抗効果型ヘッドで、スピンバルブ型磁気抵抗効
果膜の磁化固着層の磁化固着方向がセンス電流の通電方
向と略平行であり、磁化固着層の磁化(Msp)とその
膜厚(tp)との積(Msp・tp)と磁化自由層のM
sf/tfとの関係がMsp・tp≧Msf・tfとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果型ヘ
ッド及び磁気記録装置に関し、より詳細には、バイアス
ポイントの設計が容易で、バルクハウゼンノイズが低
く、高感度、高出力化が可能な磁気抵抗効果型ヘッド及
び磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高記録密度化が進み、
HDD(hard disc drive)では1Gb/inch(ギ
ガビット毎インチ)を越える高記録密度のシステムが実
用化され、さらなる高記録密度化が要求されている。こ
のような高記録密度システムでは、ある種の磁性体膜の
電気抵抗が外部磁界により変化する磁気抵抗効果を利用
した、磁気抵抗効果ヘッド(MRヘッド)が注目されて
いる。その中でも、特に大きな磁気抵抗効果を示すもの
として、スピンバルブ型磁気抵抗効果ヘッド(SV型M
Rヘッド)が提案されている。
【0003】スピンバルブ型磁気抵抗効果膜(SV膜)
は、少なくとも1層以上の磁化固定された磁化固着層
(ピン層)と、磁化が自由に変化しうる磁化自由層(フ
リー層)と、それらに挟まれた中間層(スペーサ層)と
からなる。
【0004】高記録密度化が進展するに従い、媒体に書
き込まれる記録ビットの大きさが小さくなるために、記
録ビットからの信号磁界すなわち磁気ヘッド側からいう
と媒体検出磁界が非常に小さくなる。この問題に対処す
るために、SV型MRヘッドにおいては、磁化自由層の
膜厚を薄くして感度を向上させている。また、出力を上
げるために中間層の膜厚を薄くすることが検討されてい
る。
【0005】一方、スピンバルブ磁気抵抗効果素子にお
いては、中間層の膜厚が薄くなると、ピン層と磁化自由
層との間の強磁気的な層間相互作用(Hinter)が大き
くなる。さらに、磁化自由層の膜厚が薄くなるとHinte
rの磁化自由層に対する効果が相対的に大きくなる傾向
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況のも
とで、従来提案されている磁気ヘッドは、感度の改善と
バイアスポイントの最適化とを両立することが困難であ
るという問題を有していた。以下、この問題について、
具体例を挙げつつ説明する。
【0007】図34は、従来のシールド型スピンバルブ
型磁気抵抗効果ヘッドの構造を概念的に表す斜視図であ
る。同図において、ヘッド100Aは、巨大磁気抵抗効
果素子(giant-magnetoresistance element:GMR素
子)102と、その両端に設けられた一対の電極10
3、103と、磁気シールド105、105とからな
る。記録媒体200は、図示したようにヘッドの下方に
配置され、ヘッドとの間で相対的に移動可能とされる。
【0008】図34に表したヘッドにおいて、センス電
流は、矢印Cで表したように一対の電極103、103
の間を流れる。つまり、センス電流は、記録媒体200
の面に対して平行な方向に流れる。そして、GMR素子
102は、図示しないピン層、中間層、磁化自由層によ
り構成され、これらの各層はセンス電流Cに対して平行
になるように積層されている。これに対して、GMR素
子102を構成するピン層の磁化固着の方向は、同図に
おいて矢印Pで表したように記録媒体200の面に対し
て垂直な方向である。
【0009】このような構成においては、センス電流の
磁界(Hcurrent)とHinter(ピン層と磁化自由層との
間の強磁気的な層間相互作用)と層間静磁結合による磁
界(Hstatic)がすべて平行あるいは反平行な方向に生
ずることになる。よって、ヘッドのバイアス点は、主と
してHinter,Hcurrent,Hstaticの3つの磁界の大き
さのバランスによって決定される。この場合、最も自由
度が大きいのはHcurrentであるから、センス電流量に
よってバイアス点が変動する。したがって、センス電流
量が自ずと制限され、SV型MRヘッドの高出力化が困
難となるという問題を有する。さらに、スピンバルブ素
子の構造を変更したとしても、その他の膜特性の確保と
高出力化とバイアス点の制御性とをすべて満たすことは
困難であるという問題もある。
【0010】一方、センス電流磁界の影響が小さいもの
としては、いわゆる縦型スピンバルブ型磁気抵抗効果ヘ
ッドがある。
【0011】図35は、縦型スピンバルブ型磁気抵抗効
果ヘッドの構造を概念的に表す斜視図である。同図に表
したように、縦型ヘッド100BもGMR素子102
と、その両端に設けられた一対の電極103a、103
bと、磁気シールド105、105とからなる。記録媒
体200は、図示したようにヘッドの下方に配置され、
ヘッドとの間で相対的に移動可能とされる。
【0012】図35に表したヘッドにおいても、センス
電流は、矢印Cで表したように一対の電極103a、1
03bの間を流れる。つまり、センス電流は、記録媒体
200の面に対して垂直な方向に流れる。そして、GM
R素子102は、図示しないピン層、中間層、磁化自由
層により構成され、これらの各層は、センス電流に対し
て平行になるように積層されている。そして、GMR素
子102を構成するピン層の磁化固着の方向は、同図に
おいて矢印Pで表したように記録媒体200の面に対し
て垂直な方向である。
【0013】このような構成においては、センス電流に
よる電流磁界がHinter及びHstaticと直交するために
バイアス点には影響を与えない。つまり、バイアス点を
変動させることなく、大きなセンス電流を投入できると
いう利点がある。
【0014】しかし、記録媒体200の対向面と、磁束
を感受するGMR素子102の磁化自由層との間に電極
103bが介在して不感部分を構成するため、ヘッドの
感度が著しく低下するという問題がある。
【0015】感度を上げるための施策として、「侵入磁
束長」を長くすることも考えれられる。しかし、「侵入
磁束長」は磁化自由層の透磁率の関数として与えられ、
これを長くするためには磁化自由層の透磁率を現状より
も上げることが必須となる。これは、材料的な観点から
限界があり、実現は困難である。
【0016】また近年、記録密度の向上のため、すなわ
ち、媒体磁束を磁気抵抗効果型ヘッドに浸入させやすく
するために磁気ヘッドスライダの浮上量が低下してい
る。これにより、磁気記録媒体と磁気抵抗効果型ヘッド
との接触が生じている。この時の発熱によりヘッド出力
が変動する現象(サーマルアスペリティ)が発生する。
このような媒体と磁気ヘッドとの接触によるサーマルア
スペリティを回避するために、磁気抵抗効果素子部に磁
気ヨークを用いて記録媒体磁束を誘導するヨーク型磁気
抵抗効果型ヘッドが考案されている。これらは、ABS
面に磁気抵抗効果素子部がでないために、サーマルアス
ペリティを回避できる。しかしながら、磁気ヨーク部分
でパルクハウゼンノイズが発生してしまう。これは、磁
気抵抗効果型ヘッドの出力にも影響を及ぼす。
【0017】以上説明したように、従来のスピンバルブ
型磁気抵抗効果素子を用いた磁気抵抗効果ヘッドでは、
高感度で、高出力化が可能であり、且つバイアス点がず
れないということを同時に満足することが困難であると
いう問題を有していた。
【0018】本発明は、かかる課題の認識に基づいてな
されたものである。すなわち、その目的は、高感度で、
高出力化が可能で、且つバイアス点制御が容易であり、
しかもバルクハウゼンノイズが生じない磁気抵抗効果型
ヘッド及びそれを用いた磁気記録再生装置を提供するこ
とにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気抵抗効果型
ヘッドは、磁気ヨークと、前記磁気ヨークと磁気的に結
合され、磁化固着層と磁化自由層とこれらの間に設けら
れた非磁性層とを有するスピンバルブ素子と、前記スピ
ンバルブ素子の両端に接続されたセンス電流を供給する
一対の電極と、を備え、前記スピンバルブ素子の前記磁
化固着層は、反強磁性体膜により磁化が固着され、前記
磁気ヨークは、反強磁性体膜と強磁性体膜とを積層して
なり、前記磁化固着層の所定温度での交換結合磁界が、
前記磁気ヨークの前記所定温度での交換結合磁界より大
きいことを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
【0020】または、本発明の磁気抵抗効果型ヘッド
は、磁気ヨークと、前記磁気ヨークと磁気的に結合さ
れ、磁化固着層と磁化自由層とこれらの間に設けられた
非磁性層とを有するスピンバルブ素子と、前記スピンバ
ルブ素子の両端に接続されセンス電流を供給する一対の
電極と、を備え、前記磁化固着層の磁化固着方向は、前
記センス電流の通電方向と略平行であり、前記磁化固着
層の磁化(Msp)と膜厚(tp)との積(Msp・tp)
と、前記磁化自由層の磁化(Msf)と膜厚(tf)との
積(Msf・tf)とが、 (Msp・tp)≧(Msf・tf) なる関係を満足することを特徴とする磁気抵抗効果型ヘ
ッド。
【0021】前記磁化固着層の磁化(Msp)と膜厚(t
p)との積(Msp・tp)と、前記磁化自由層の磁化(M
sf)と膜厚(tf)との積(Msf・tf)とが、 (Msp・tp)≧(Msf・tf) なる関係を満足することを特徴とする。
【0022】または、本発明の磁気抵抗効果型ヘッド
は、磁化固着層と磁化自由層とこれらの間に設けられた
非磁性層とを有するスピンバルブ素子と、前記スピンバ
ルブ素子の両端に接続されセンス電流を供給する一対の
電極と、を備え、前記磁化固着層の磁化固着方向は、磁
気記録媒体と対向する媒体対向面に対して略平行であ
り、前記スピンバルブ素子における前記センス電流の通
電方向は、前記媒体対向面に対して略平行であり、前記
磁化固着層の前記磁化固着方向が、前記磁気記録媒体の
記録トラックの長手方向に対して平行でも直角でもない
ものとして構成されていることを特徴とする。
【0023】ここで、本発明の望ましい実施形態として
は、前記磁化固着層の交換結合磁界の消失温度(ブロッ
キング温度)は、前記磁気ヨークのブロッキング温度よ
り高いことを特徴としている。
【0024】ここで、本発明の望ましい実施の形態とし
て、前記磁化固着層の磁化固着する反強磁性体膜の膜厚
が、前記磁気ヨークに用いられている反強磁性体膜の膜
厚よりも厚いことを特徴としている。
【0025】また、前記磁気ヨークは、磁気ギャップを
介して配置され、同一平面を形成する一対の磁気ヨーク
であり、前記スピンパルブ素子の前記磁化固着層の磁化
固着方向が、磁気記録媒体と対向する媒体対向面に対し
て略並行であることが望ましい。さらに、前記センス電
流の通電方向が前記媒体対向面に対して略並行であるこ
とが望ましい。
【0026】また、前記磁気ヨークの膜厚により、トラ
ック幅を規定することがさらに望ましい。
【0027】また、本磁気抵抗効果型ヘッドにおいて
は、スピンパルブ素子に通電されるセンス電流の通電方
向は、スピンバルブ素子のバルクハウゼンノイズ低減を
目的としてその両側にあるいは片側に設置される磁化自
由層の磁区制御膜の磁化方向と磁化自由層にかかるセン
ス電流磁界が略同方向であることが望ましい。
【0028】また、前記スピンバルブ素子の前記磁気固
着層の比抵抗が、前記磁化自由層の比抵抗以下であるこ
とを特徴としている。
【0029】また、磁化固着層の膜厚(tp)と前記磁
化自由層の膜厚(tf)との関係がtp≧tfであるこ
とを特徴としている。
【0030】図35に例示したような従来の磁気抵抗効
果型ヘッドにおいては、前述したように主としてHinte
rとHstaticとHcurrentが平行方向に作用するために、
それらを平衡状態を調整することによってバイアス点を
制御することで、磁気抵抗効果型ヘッドの読み込み信号
の対称性を得ている。これに対して、本発明の磁気抵抗
効果型ヘッドでは、図31に示すように電流通電方向が
磁化固着方向と平行であるために、センス電流磁界がバ
イアス点制御に作用しない。
【0031】また、図32に示すように、Hinteterお
よびHstaticは、それぞれバイアス点を正負反対方向に
ずらす効果がある。また、異方性磁気抵抗効果もスピン
バルブ素子のバイアス点を多少ではあるが、ずらす効果
がある。しかしながら、この効果は小さいので、殆ど無
視できる。従って、バイアス点はこららのHinterとHs
taticで平衡をとり制御することになる。すなわち、Hi
nter〜Hstaticとなるようにバイアス点設計をする必要
がある。さらに、上述したように本発明のスピンバルブ
型磁気抵抗効果素子はMsf・tfがMsp・tp以下とする
ことが望ましい。これは、上記のようにバイアス点制御
のために、Hstaticの効果を増大させるためと、センス
電流磁界により磁化自由層の磁区を制御すること、高出
力・高感度を維持することの3つの効果を同時に出すた
めである。
【0032】特に、Hstaticは、スピンバルブ素子の形
状および中間層の膜厚等とも密接に関連している。ま
た、磁化自由層の比抵抗も磁化固着層の比抵抗より小さ
いほうが良い。さらに、磁化固着層の膜厚を磁化自由層
の膜厚以下に設定することにより、上記のMsp・tpを
Msf・tf以上にできるとともに、磁化固着層の比抵抗
を磁化自由層の比抵抗以上に設定できる。MR変化率と
の関係により、ピン層の膜厚は、7nm以下であること
が好ましく、さらに5nm以下であることが好ましい。
【0033】また、比抵抗の調整は、たとえば、ピン層
にCoFe合金などを用いる場合には、磁化自由層にC
oFeB合金などの添加物を加えたものを使うことこと
が好ましい。こうすることにより、同じ膜厚であっても
ピン層のMs・tpを大きくできる。
【0034】また、結晶粒径を変えること、すなわち、
結晶性を変えることや成膜条件を変えることなどで比抵
抗の調整およびMs・tの調整は可能である。
【0035】一方、本発明の磁気記録再生装置は、上記
したいずれかの磁気抵抗効果型ヘッドを備え、磁気記録
媒体に対して情報を記録または再生することを特徴とす
るする。
【0036】または、本発明の磁気記録再生装置は、磁
気抵抗効果型ヘッドと、磁気記録媒体と前記磁気抵抗効
果型ヘッドとを前記磁気記録媒体の記録トラックに沿っ
て相対的に移動可能とする動作機構と、を備え、前記磁
気記録媒体に格納された情報を再生可能とした磁気記録
再生装置であって、前記磁気抵抗効果型ヘッドは、磁化
固着層と磁化自由層とこれらの間に設けられた非磁性層
とを有するスピンバルブ素子と、前記スピンバルブ素子
の両端に接続された一対の電極と、を有し、前記磁化固
着層の磁化固着方向が、磁気記録媒体と対向する媒体対
向面に対して略平行であり、前記スピンバルブ素子にお
けるセンス電流の通電方向が前記媒体対向面に対して略
平行であり、前記磁化固着層の前記磁化固着方向が、前
記磁気記録媒体の前記記録トラックの長手方向に対して
平行でも直角でもないことを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0038】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る磁気抵抗効果型ヘッドの構成を概
念的に表す斜視図であり、記録媒体との関係も表した図
である。
【0039】図2は、このヘッドを記録媒体との対向面
から眺めた概念斜視図である。
【0040】すなわち、本発明の磁気ヘッドは、基板6
の上において、スピンバルブ素子1と一対の磁気シール
ド3とが、磁気ギャップ5を介して配置されている。ま
た、スピンバルブ素子1の両端には電極2、2が接続さ
れている。これらと記録媒体200との配置関係は、図
1に表した通りである。ここで、Twは記録トラックの
幅であり、矢印Mは記録媒体200の磁化方向を表す。
【0041】基板6は、例えば、Al・Ti・C
(アルチック)からなり、この上にさらにAl
からなる絶縁層が設けられている。この絶縁層上に、ス
ピンバルブ素子1、磁気シールド3が設けられている。
【0042】磁気シールド3を構成する一対の磁性体
は、同一平面を形成するようにスピンバルブ素子1の両
側に配置され、電気的には絶縁されている。磁気シール
ド3は、例えばNiFe合金やCoZrNbのようなア
モルファス合金、あるいはフェライトのような絶縁磁性
体などの軟磁性体材料よりなる。
【0043】スピンバルブ素子1は、例えばCoFe/
Cu/CoFe積層膜のように、ピン層と中間層と磁化
自由層とを積層した構造を有する。また、スピンバルブ
素子1の両端に設けられた電極2は、Cu,Au,T
a,Ti等により構成される。
【0044】本発明によれば、図1に示したように、ス
ピンバルブ素子1のピン層の磁化方向Pとセンス電流の
通電方向Cは、記録媒体200の対向面に対して略平行
になるように配置されている。つまり、記録媒体200
からの流入磁束は、図1に示したように、センス電流C
と略平行に流入する。さらに、ピン層の磁化方向Pとセ
ンス電流通電方向Cとが略平行であるために、センス電
流による磁界が動作点バイアスを変動させるという問題
を解消することができる。従って、大きなセンス電流を
流すことが可能となり、大きな出力を確保できる。
【0045】さらに、本発明によれば、素子の構造上、
不感部分をなくすことができる。上記の磁気ギャップ5
は、主としてAlO(酸化アルミニウム)等からなる
が、磁気ギャップ5を電極の一部としても活用でき、C
u,Au.Ag,Ti,Taなどの非磁性伝導膜を用い
ても良い。このような磁気ヘッドにおいては、磁気ギャ
ップを介してスピンバルブ素子1の両側に配置される一
対の磁気シールド3、3の間隔によって再生の分解能が
規定されている。
【0046】次に、本実施形態の変型例について説明す
る。
【0047】図3は、本変形例に係る磁気抵抗効果型ヘ
ッドの構成を概念的に表す斜視図であり、記録媒体との
関係も表した図である。
【0048】図4は、第2の変形例であり、磁気抵抗効
果型ヘッドを記録媒体との対向面から眺めた斜視概念図
である。
【0049】図3、図4に例示した各変形例において
は、スピンバルブ素子1が斜めに配置されている。つま
り、磁化固着層の磁化固着方向Pが記録媒体のトラック
Tの長手方向に対して、平行でも垂直でもない。このよ
うにスピンバルブ素子1を配置することにより、トラッ
クTにおける信号磁束の方向Mが図示のような斜めの方
向に記録された記録媒体200を再生することができる
ようになる。その結果として、図1乃至図2に例示した
ような磁気ヘッドよりも記録ビット長を短くすることが
可能となる。つまり、狭ビット長化することにより記録
密度をさらに上げることが可能となる。
【0050】(第2の実施の形態)次に、磁気ヨークを
備えた磁気ヘッドについて説明する。
【0051】図5は、本発明の第2の実施の形態に係る
磁気ヘッドの構成を概念的に表す斜視図である。同図に
関しても、図1〜図4に関して前述したものと同一の部
分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0052】図5は、磁気ヘッドの動作状態を表すもの
であり、記録媒体200に記録された記録トラックTも
併せて示している。磁気ヘッドは以下のように形成され
る。すなわち、Al23−TiC/Al23(アルチッ
ク上に酸化アルミニウム層を積層)からなる基板(図示
せず)上に、NiFe/IrMn/NiFe積層膜から
なる磁気ヨーク7、7が形成されている。この磁気ヨー
ク7は、基板面と略平行となる同一平面を有するように
並列に形成されている。その膜厚は、トラック幅Twを
規定するものであり、例えば0.3μm程度とすること
ができる。
【0053】磁気ヨーク7の磁化方向は、微細で等方的
なものとなっており、このような磁区構造とするために
「磁界中熱処理」が施されている。磁気ヨーク7は一対
をなしており、媒体200と対向する面側には、略垂直
方向に配置された磁気ギャップ5が介在されている。こ
の磁気ギャップ5と磁気ヨーク7とは、それらとスピン
バルブ素子1により形成される磁気回路が基板面に対し
て略平行となるように配置されている。
【0054】磁気ヨーク7、7が設けられた基板面と略
平行な平面、すなわち磁気ヨーク7中を通る磁束と略平
行な平面に対して平行に一対の電極3、3を介してスピ
ンバルブ素子1が配置されている。つまり、スピンバル
ブ素子1は、一対の磁気ヨーク7、7と磁気的に結合す
るように配置されている。記録媒体200から磁気ギャ
ップ5を介して磁気ヨーク7に流入した信号磁界は、磁
気ヨーク7と電極3を通ってスピンバルブ素子1に導か
れる。すなわち、磁気ヨーク7とスピンバルブ素子1と
は磁気ギャップ5を介してリング状の磁気回路を形成し
ている。
【0055】ここで、スピンバルブ素子1の磁化固着方
向Pは記録媒体200の面と略平行詳しくは記録トラッ
クTと略平行な方向に固定されている。また、スピンバ
ルブ素子1には一対の電極3、3を介してセンス電流が
供給され、スピンバルブ素子1に供給されるセンス電流
Iは媒体面と略平行詳しくは記録トラックと略平行な方
向Cに流される。
【0056】図5に例示したヨーク型磁気ヘッドにおい
ては、一対の磁気ヨーク7、7の間に形成された磁気ギ
ャップ5によってトラックTの長手方向の分解能が規定
される。また、磁気ヨーク7の膜厚によってトラック幅
Twが規定される。このために極めて微小な記録ビット
にも対応でき、HDDの高記録密度化に最適な構造を有
する。
【0057】また、磁気ヨーク7の磁気異方性を分散す
ることにより軟磁性が上がり、記録媒体200の信号磁
束を効率良くスピンバルブ素子1へと導くことができ
る。その際に、スピンバルブ素子1の磁化固着方向Pは
媒体面と略平行詳しくは記録トラックTと略平行な方向
に固定されていることから、記録媒体200の信号磁束
に対する感度が大きくなる。加えて、スピンバルブ素子
1に供給されるセンス電流Iは媒体面と略平行詳しくは
記録トラックTと略平行な方向Cに流されるため、セン
ス電流による磁界は記録媒体200の信号磁束に対して
略垂直となり、センス電流値を増加しても動作バイアス
点を変動させるという問題が生じない。
【0058】図6は、本実施形態のヨーク型磁気ヘッド
に用いることができるスピンバルブ素子の構成を例示し
た概念図である。すなわち、磁気ヨーク7の上に設けら
れた絶縁膜9の上に、スピンバルブ素子1Aが形成され
ている。その構造は、下地層11としてTa、磁化自由
層(磁化自由層)12としてCoFe、非磁性層(中間
層)13としてCu、磁化固着層(ピン層)14として
CoFe、反強磁性層15としてIrMn、保護層16
としてTaがこの順に積層されてなる。
【0059】但し、本発明において用いることのできる
スピンバルブ素子1の構成は、図6に例示したものに限
定されない。
【0060】図7〜図15は、本発明において用いるこ
とのできるスピンバルブ素子1の構成の具体例を表す断
面概念図である。
【0061】図7に例示したスピンバルブ素子1Bは、
下地層11としてTa、反強磁性層15としてIrM
n、磁化固着層14としてCoFe、非磁性層13とし
てCu、磁化自由層12としてCoFe、保護層16と
してTaが、この順に積層されたものである。
【0062】図8に例示したスピンバルブ素子1Cは、
下地層11としてTa、磁化自由層15としてCoF
e、非磁性層13としてCu、第2磁化固着層14Bと
してCoFe、層17としてRu、第1磁化固着層14
AとしてCoFe、反強磁性層15としてIrMn、保
護層16としてTaが、この順に積層されたものであ
る。
【0063】図9に例示したスピンバルブ素子1Dは、
下地層11としてTa、反強磁性層15としてIrM
n、第1磁化固着層14AとしてCoFe、層17とし
てRu、第2磁化固着層14BとしてCoFe、非磁性
層13としてCu、磁化自由層12としてCoFe、保
護層16としてTaがこの順に積層されたものである。
【0064】図10に例示したスピンバルブ素子1E
は、下地層11としてTa、酸化層18、磁化自由層1
2としてCoFe、非磁性層13としてCu、磁化固着
層14としてCoFe、反強磁性層15としてIrM
n、保護層16としてTaが、この順に積層されたもの
である。
【0065】図11に例示したスピンバルブ素子1F
は、下地層11としてTa、第1酸化層17A、磁化自
由層12としてCoFe、非磁性層13としてCu、磁
化固着層14としてCoFe、第2酸化層17B、反強
磁性層15としてIrMn、保護層16としてTaが、
この順に積層されたものである。
【0066】図12に例示したスピンバルブ素子1G
は、下地層11としてTa、反強磁性層15としてIr
Mn、磁化固着層14としてCoFe、非磁性層13と
してCu、磁化自由層12としてCoFe、酸化層1
8、保護層16としてTaが、この順に積層されたもの
である。
【0067】図13に例示したスピンバルブ素子1H
は、下地層11としてTa、反強磁性層15としてIr
Mn、第2酸化層18B、磁化固着層14としてCoF
e、非磁性層13としてCu、磁化自由層12としてC
oFe、第1酸化層18A、保護層16としてTaが、
この順に積層されたものである。
【0068】図14に例示したスピンバルブ素子も用い
ることもできる。すなわち、同図に表した磁気ヘッドに
おいては、基板6の上に磁気ヨーク7が形成され、その
上に絶縁層9を介してスピンバルブ素子1Iが形成され
ている。
【0069】スピンバルブ素子1Iは、下地層11とし
てTa、反強磁性層15としてIrMn、磁化固着層1
4としてCoFe、非磁性層13としてCu、磁化自由
層12としてCoFe、非磁性層13としてCu、磁化
固着層14としてCoFe、反強磁性層15としてIr
Mn、保護層16としてTaが、この順に積層されたも
のである。このようなスピンバルブ素子1Iにおいて、
磁化固着層14の磁気固着方向は矢印Pで表した方向で
あり、センス電流Iは矢印Cで表した方向に流れる。
【0070】図15に例示したスピンバルブ素子も用い
ることもできる。すなわち、同図に表した磁気ヘッドに
おいても、基板6上に形成された磁気ヨーク7上に絶縁
層9を介してスピンバルブ素子1Jが設けられている。
【0071】スピンバルブ素子1Jは、下地11として
Ta、反強磁性層15としてIrMn、磁化固着層14
としてCoFe、非磁性層13としてCu、磁化自由層
12としてCoFe、絶縁層9としてアルミナ、磁化自
由層12としてCoFe、非磁性層13としてCu、磁
化固着層14としてCoFe、層17としてRu、磁化
固着層14としてCoFe、反強磁性層15としてIr
Mn、保護層16としてTaが、この順に積層されたも
のである。
【0072】この構成においては、中央付近の絶縁層9
をはさんで両側の磁化固着層14の磁化方向Pは互いに
反平行となる。また、一対の電極のうちの一方の電極2
Aは一体であるのに対し、もう一方の電極2Bは絶縁層
9により上下に分離されている。これによって、出力の
差動増幅が可能となる。
【0073】図16は、この差動増幅動作を説明するた
めのグラフ図である。同図に表した磁界強度Hとヘッド
の出力電圧との関係から明らかなように、図15の磁気
ヘッドによれば、磁界の変化に対する出力電圧を2倍の
2ΔVとすることができる。さらに、出力の作動増幅が
可能となり、背景ノイズをキャンセルしてS/N比を飛
躍的に改善することができる。
【0074】次に、本実施形態の第2の具体例について
説明する。図17は、本実施形態の第2の具体例に係る
磁気抵抗効果型ヘッドを表す斜視概念図である。すなわ
ち、同図は、磁気ヘッドの動作状態を表すものであり、
記録媒体200の上に記録された記録トラックTも併せ
て表す。本第2の具体例の磁気ヘッドは、以下のように
形成される。
【0075】すなわち、Al23−TiC/Al23
らなる基板(図示せず)の上に、NiFe/IrMn/
NiFe積層膜からなる一対の磁気ヨーク7、7が形成
されている。この磁気ヨーク7、7は、基板面と略平行
となる同一平面を有するように並列に配置されている。
その膜厚は、トラック幅Twを規定するものであり、例
えば約0.3μmとすることができる。磁気ヨーク7の
磁化方向は微細で等方的なものとされ、このような磁区
構造とするために磁界中熱処理が施されている。
【0076】磁気ヨーク7、7の間磁気ギャップ5が介
在されている。磁気ギャップ5と磁気ヨーク7とは、そ
れらとスピンバルブ素子1により形成される磁気回路が
基板の主面に対して略平行となるように配置されてい
る。磁気ギャップ5はギャップ長を規定するものであ
り、例えば約0.05μmとすることできる。また、磁
気ギャップ5の材質としては非磁性材料が用いられ、例
えばAl2O3により形成することができる。
【0077】基板6の主面と略平行な平面、言い換える
と磁気ヨーク7中を通る磁束と略平行な平面上にはスピ
ンバルブ素子1、1が記録媒体200の対向面から所定
距離後退した位置に記録媒体200と略平行に磁気ヨー
ク7の両側に配置されている。つまり、それぞれのスピ
ンバルブ素子1は一対の磁気ヨーク7、7と磁気的に結
合するように配置されている。記録媒体200から磁気
ギャップ5を介して磁気ヨーク7に流入した信号磁界
は、磁気ヨーク7を通ってそれぞれのスピンバルブ素子
1、1に導かれる。すなわち、磁気ヨーク7とスピンバ
ルブ素子1は磁気ギャップ5を介してリング状の磁気回
路を形成している。
【0078】ここで、スピンバルブ素子1の磁化固着方
向は媒体面と略平行、詳しくは記録トラックTと略平行
な方向に固定され、お互いに反平行とされている。ま
た、図示は省略したがスピンバルブ素子1の両端にはセ
ンス電流を供給するための一対の電極が設けられ、スピ
ンバルブ素子1に供給されるセンス電流は、媒体面と略
平行、詳しくは記録トラックTと略平行な方向に流され
る。
【0079】本第2の具体例のヨーク型磁気ヘッドで
は、磁気ヨーク7、7によって形成された磁気ギャップ
5がトラックTの長手方向の分解能を規定し、かつ磁気
ヨーク7の膜厚がトラック幅を規定するために、極めて
微小な記録ビットにも対応できる。その結果として、H
DDの高記録密度化に最適な磁気ヘッドであるといえ
る。
【0080】また、磁気ヨーク7の磁気異方性が分散さ
れているために軟磁性が上がり、記録媒体200の信号
磁束を効率良くスピンバルブ素子1へと導くことができ
る。さらに、スピンバルブ素子1の磁化固着方向Pが媒
体面と略平行、詳しくは記録トラックTと略平行な方向
に固定されていることから、記録媒体200の信号磁束
に対する感度が大きくなる。さらに、スピンバルブ素子
1に供給されるセンス電流は媒体面と略平行、詳しくは
記録トラックと略平行な方向に流される。このため、セ
ンス電流による磁界は信号磁束に対して略垂直となり、
センス電流値を増加しても動作バイアス点の変動が殆ど
生じない。さらに、対向して設けられたスピンバルブ素
子1、1のそれぞれの出力を差動増幅させることが可能
であり、出力を倍増させるとともに背景ノイズをキャン
セルすることでS/N比を大幅に改善できる。
【0081】図18は、本実施形態の第3の具体例に係
る磁気抵抗効果型ヘッドを表す斜視概念図である。すな
わち、同図は、磁気ヘッドの動作状態を表すものであ
り、記録媒体200の上に記録された記録トラックTも
併せて表す。本第3の具体例の磁気ヘッドは、以下のよ
うに形成される。
【0082】すなわち、Al23−TiC/Al23
らなる基板(図示せず)の上に、NiFe/IrMn/
NiFe積層膜からなる一対の磁気ヨーク7、7が形成
されている。磁気ヨーク7は、基板面と略平行となる同
一平面を有するように並列に形成されている。磁気ヨー
ク7の記録媒体200に対抗する面における膜厚はトラ
ック幅Twを規定するものであり、例えば0.3μmと
することができる。磁気ヨーク7の磁化方向は微細で等
方的なものとされ、このような磁区構造とするために磁
界中熱処理が施されている。磁気ヨーク7、7は一対を
なしており、記録媒体200に対向する面側には略垂直
方向に配置された磁気ギャップ5が介在されている。こ
の磁気ギャップ5と磁気ヨーク7、7とは、それらとス
ピンバルブ素子1により形成される磁気回路が基板面に
対して略平行となるように配置されている。
【0083】磁気ギャップ5はギャップ長を規定するも
のであり、例えば0.05μmとすることができる。そ
の材質としては非磁性材料が用いられ、例えばAl23
により形成することができる。磁気ヨーク7の基板面と
略平行な平面、言い換えると磁気ヨーク7中を通る磁束
と略平行な平面上には、スピンバルブ素子1が記録媒体
200から所定距離後退した位置において媒体200と
略平行に磁気ヨーク7、7によって挟まれるように配置
されている。すなわち、スピンバルブ素子1は一対の磁
気ヨーク7、7と磁気的に結合するように、その内側に
配置されている。記録媒体200から磁気ギャップ5を
介して磁気ヨーク7に流入した信号磁界は、磁気ヨーク
7を通ってスピンバルブ素子1に導かれる。すなわち、
磁気ヨーク7とスピンバルブ素子1とは磁気ギャップ5
を介してリング状の磁気回路を形成している。
【0084】ここで、スピンバルブ素子1の磁同化固着
方向Pは、媒体面と略平行詳しくは記録トラックTと略
平行な方向に固定されている。スピンバルブ素子1の両
端には、センス電流を供給するための一対の電極2、2
が設けられている。スピンバルブ1に供給されるセンス
電流は、媒体面と略平行詳しくは記録トラックと略平行
な方向に流される。
【0085】上述した図18に示される磁気抵抗効果型
ヘッドは、ヨーク膜厚が媒体対向面から遠ざかるに連れ
て増加しているため、磁気的なコンダクタンスが低下
し、媒体磁束の吸い込みが向上する。
【0086】また、図17、および図18に示されるよ
うなヨークにスピンバルブ素子が挟まれるタイプの磁気
抵抗効果型ヘッドで、基板面に略平行な対称面(鏡面)
を有するような構造を有する磁気抵抗効果型ヘッドにお
いては、マイクロトラックプロファイルが向上する。
【0087】図19は、本第3の具体例において用いる
ことができるスピンバルブ素子の構成を例示した断面概
念図である。すなわち、一対の磁気ヨーク7、7の間に
は、絶縁層9を介してスピンバルブ素子1が挟持されて
いる。スピンバルブ素子1は、下地層11としてTa、
磁化自由層12としてCoFe、非磁性層13としてC
u、磁化固着層14としてCoFe、反強磁性層15と
してIrMn、磁化固着層14としてCoFe、非磁性
層13としてCu、磁化自由層12としてCoFe、保
護層16としてTaがその順に積層されている。さらに
その上側に絶縁層9を介して磁気ヨーク7が形成されて
いる。
【0088】図20は、本第3の具体例において用いる
ことができる他のスピンバルブ素子の構成を例示した断
面概念図である。すなわち、このスピンバルブ素子は、
下地層11としてTa、磁化自由層12としてCoF
e、非磁性層13としてCu、磁化固着層14としてC
oFe、層17としてRu、磁化固着層14としてCo
Fe、反強磁性層15としてIrMn、絶縁層9として
アルミナ、反強磁性層15としてIrMn、磁化固着層
14としてCoFe、非磁性層13としてCu、磁化自
由層12としてCoFe、保護層16としてTaを、こ
の順に積層した構成を有する。
【0089】ここで、同図に表したように、中央の絶縁
層9を挟んで両側のスピンバルブ素子の磁化固着方向P
を互いに反平行とすることができ、差動増幅が可能とな
る。また、反強磁性層15/絶縁層9/反強磁性層15
の部分は、それ自体が絶縁性であるNiO反強磁性膜と
することもできる。
【0090】次に、本実施形態の第4の具体例について
説明する。図21は、本実施形態の第4の具体例に係る
磁気抵抗効果型ヘッドを表す斜視概念図である。同図
は、図示しない記録媒体に対向する対向面から眺めた斜
視図である。スピンバルブ素子1は、媒体対抗面から所
定の距離後退した位置に媒体面と略平行となるように絶
縁膜9を介して設けられている。スピンバルブ素子1の
上下両側には、その端部から発生する逆磁区を抑制する
とともに、スピンバルブ素子1の磁化自由層に媒体面に
対し垂直方向のバイアス磁界を加える目的でバイアス膜
30、30が設けられている。
【0091】また、スピンバルブ素子1の左右両端には
センス電流を供給するために一対の電極2、2が設けら
れている。ここで、スピンバルブ素子1が設置された部
分についてみると、電極2、2の間隔W1は、磁気ヨー
ク7、7の間隔W2よりも短くなるように構成されてい
る。スピンバルブ素子1と磁気ヨーク7とが重なる部分
とその近傍は、記録媒体からの信号磁束の多くが磁気ヨ
ーク7に流れるため、この部分でのスピンバルブ素子1
は出力にはあまり寄与しない。つまり、スピンバルブ素
子1に「不感帯」が生ずる場合がある。
【0092】そこで、本具体例のように、電極の間隔W
1を磁気ヨークの間隔W2よりも短くすることにより、
電極2、2の間からスピンバルブ素子1の「不感帯」を
排除する。このようにすれば、スピンバルブ素子1のみ
に媒体からの磁束が流れる部分、すなわち出力に大きく
寄与する部分のみの効果を取り出すことが可能となる。
【0093】次に、本実施形態の第5の具体例について
説明する。図22(a)は、本実施形態の第5の具体例
に係る磁気抵抗効果型ヘッドを表す斜視概念図である。
同図も、図示しない記録媒体に対向する対向面から眺め
た斜視図である。基板6の上に設けられた磁気ヨーク
7、7は一対をなし、媒体に対向する側に磁気ギャップ
5が設けられている。スピンバルブ素子1は、媒体対向
面から所定の距離だけ後退した位置に媒体面と略平行と
なるように絶縁膜9を介して設けられている。また、そ
の上下両側には、端部から発生する逆磁区を抑制すると
ともにスピンバルブ素子1の磁化自由層に媒体面に対し
て垂直方向のバイアス磁界を加えるためのバイアス膜3
0が設けられている。
【0094】スピンバルブ素子1の左右両端には、セン
ス電流を供給するための電極2、2が設けられている。
また、磁気ヨーク7、7の下には、通電層32、32が
設けられている。この通電層6に、図示のように電流I
を流しながらこの磁気ヘッドを加熱することにより、磁
気ヨーク7とスピンバルブ素子1の磁化自由層に同時に
磁気異方性を付与することができ、しかもそれは媒体か
らの信号磁束が流れる方向と略垂直となる。従って、磁
気ヨーク7とスピンバルブ素子1で発生するバルクハウ
ゼンノイズをいずれも抑制することができる。
【0095】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。本実施形態は、スピン
バルブ素子1と、磁気ヨーク7の形成方法に関する。
【0096】図23は、スピンバルブ素子と磁気ヨーク
部材のそれぞれのアニール温度と交換結合磁界とブロッ
キング温度との関係を模式的に表した概念図である。す
なわち、同図(a)は、横軸にアニール温度T、縦軸に
交換結合磁界Hを表したグラフ図である。また、同図
(b)は、アニール時の温度プロファイルを表すグラフ
図であり、温度軸(同図に向かって横方向)と、時間軸
(縦方向)とを有する。また、図23(b)における挿
入図は、温度Tyoke とTb-sv におけるスピンバルブ素
子1及び磁気ヨーク7の状態を表す概念図である。
【0097】ここで、以下の如く省略記号を定義する。 Tb-sv :スピンバルブ素子の磁化固着層の交換結合
磁界が消失する温度(以下、「ブロッキング温度」と称
する。) Tb-yoke :磁気ヨークを構成する部材のブロッキング
温度 Hua-sv :スピンバルブ素子の磁化固着層の室温での
交換結合磁界の大きさ Hua-yoke:磁気ヨークを構成する部材の室温交換結合
磁界の大きさ Tsv :スピンバルブ素子の磁化固着層のアニール
温度 Hsv :スピンバルブ素子の磁化固着層のアニール
時に印加する磁界強度 Tyoke :ヨーク部材のアニール温度 Hyoke :ヨーク部材のアニール時の磁界強度 Hua-sv(Tyoke):Tyoke におけるスピンバルブ素子1
の磁化固着層の交換結合磁界の大きさ Hk :ヨーク部材の異方性磁界
【0098】ヨーク型磁気抵抗効果型ヘッドでは、磁気
ヨークを構成する部材内に磁区を形成することにより発
生するバルクハウゼンノイズ(BHN)を抑制すること
が最も重要な課題である。BHNは、ヨーク部材内に磁
区が形成され、それらが不連続に移動することにより発
生する。したがって、BHNをなくすには磁区を消去す
ることすなわち単磁区化することが必要である。また
は、別の方法としてヨーク部材内に形成される磁区をヨ
ーク部材の大きさと比較して十分に小さくすることによ
り、それぞれの磁区運動の不連続性を連続的にすること
でBHNが相対的に消失した状態を作り出す方法があ
る。つまり、ヨーク部材内に形成される磁区を微細化す
れば、それぞれの磁区運動による影響も微小なものとな
り、出力信号に表れるダイナミックな変動も抑制でき
る。
【0099】磁区制御の観点から言うと、強磁性体膜を
中間層を挟んで積層することにより、上下磁性層の間で
エッジ部に出る磁化をキャンセルし、磁気ヨークの環流
磁区を消失させることができる。
【0100】さらに別の方法として、図23(b)に例
示したように、反強磁性体膜AFMと強磁性体膜FMと
を積層させることが有効である。すなわち、反強磁性体
膜AFMと強磁性体膜FMとの間の交換結合を利用する
ことにより、磁気ヨークには「一方向性磁気異方性」あ
るいは「分散磁気異方性(すなわち等方性)」が付与さ
れ、磁気ヨークが単磁区、あるいは、分散微小磁区構造
をとる。
【0101】「一方向性磁気異方性」は、一方向磁場を
印加したアニール、あるいは磁気ヨークに通電しながら
のアニールを行うことにより形成することができる。ま
た、「分散磁気異方性」は、回転磁場を印加したアニー
ルを行うことにより形成することができる。いずれの方
法を選択しても、BHNは低減される。
【0102】図23(b)に例示したような積層構造の
磁気ヨークを採用する場合に最も重要なことは、ヨーク
部材とスピンバルブ素子1のアニールを両立させること
である。つまり、ヨーク部材のアニールを施した後にお
いても、スピンバルブ素子1の磁化固着層の磁化を安定
に保たなければならない。
【0103】従って、スピンバルブ素子1の磁化固着用
の反強磁性膜の特性として、磁気ヨークのアニール温度
においても十分に大きな交換結合磁界を保持することが
必須条件となる。この場合、磁気ヨーク部材と比較して
スピンバルブ素子のブロッキング温度および交換結合磁
界が十分に大きいことが非常に望ましいが、図22の
(b)に示されるようなヨーク部材とスピンバルブ素子
磁化固着層との交換結合磁界が温度特性の関係を有する
場合でも、ヨーク部材とスピンバルブ素子との整合性が
取れたアニールは可能である。
【0104】図23(a)と(b)とに表したように、
まず、スピンバルブ素子をTb-sv以上、あるいは、その
近傍で十分に磁化固着できる温度でアニールする。その
後、連続してあるいは非連続に、 Tb-sv>Tyoke≧Tb-yoke なるアニール温度Tyoke において、 Hua-sv(Tyoke)>Hyoke>Hk となる外部磁界Hyoke を回転あるいは一方向に印加し
ながら、真空中でアニールする。ここで、Tyokeは理想
的にはTb-yoke以上が好ましいが、その近傍の温度であ
も良い。
【0105】従って、この場合、Tb-sv>Tb-yoke な
る関係が満たされることが望ましい。ここで、スピンバ
ルブ素子1の磁化固着層のブロッキング温度と磁気ヨー
ク部材のブロッキング温度との差は、ヨークの磁区制御
ができる範囲であればできるだけ大きい方が好ましい。
実際のブロッキング温度差としては、アニールを容易に
実施するためには20℃以上であることが好ましく、5
0℃以上であればさらに好ましい。
【0106】磁化固着層とヨーク部材とのブロッキング
温度の差を得る方法としては、次の2つの方法が挙げら
れる。すなわち、両者を同一組成の反強磁性体膜とする
場合には、それらの反強磁性体膜の膜厚に差を設ける方
法がある。また、磁化固着層とヨーク部材とで、ブロッ
キング温度に差を有する異なる組成の反強磁性体膜を採
用する方法も挙げることができる。
【0107】一般的に、反強磁性膜の膜厚が増加するに
従ってブロッキング温度は上昇する傾向がある。従っ
て、同一組成の反強磁性体膜を用いる場合には、ヨーク
部材には薄い反強磁性体膜、スピンバルブ素子には厚い
反強磁性体膜を用いることが望ましい。一方、それぞれ
に異なる組成の反強磁性体膜を用いる場合は、様々な組
み合わせが考えられる。ここで、ヨーク部材およびスピ
ンバルブ素子に用いられる反強磁性体膜としては、Fe
Mn合金、IrMn合金、PtMn合金、CrMn合
金、NiO合金、CrAl合金、CoPtMn合金、R
hMn合金、RuMn合金などからなる強磁性体膜と交
換結合するあらゆる反強磁性体膜を用いることが可能で
ある。
【0108】もう一つの望ましい条件として、スピンバ
ルブ素子の磁化固着層の交換結合磁界の温度特性が良好
な方が、ヨーク部材のアニールの際の印加磁場の自由度
が大きくなる。ヨーク部材のアニール時の印加磁界は、
ヨーク部材に用いている強磁性体膜FMの異方性磁界
(Hk)よりも大きくなくてはならない。これは、ヨー
ク部材のアニールはTb-yoke以上の温度で行うために、
交換結合磁界の効果が消失するからである。従って、こ
のことは反強磁性体膜AFMを使わないヨーク部材を用
いる場合にも適用できる。従って、磁化固着層の交換結
合磁界Hua-svの温度特性は、図23(a)に示したよ
うに上に凸形状を取ることが望ましい。
【0109】Hua-svの温度特性を向上せるためには、
反強磁性体膜の結晶性の向上、すなわち結晶配向性の向
上および結晶粒径の粗大化を図ることが有効である。ま
た、スピンバルブ素子の積層構造においては、図8や図
9に例示したように、第1の磁性層(第1の固着層)と
第2の磁性層(第2の固着層)とそれらに挟まれた層と
からなる「逆平行固着層」を用いることが有効である。
「逆平行固着層」を用いると、極めて優れた交換結合磁
界強度と交換結合磁界の温度特性とが得られる。
【0110】次に、本実施形態の具体例について説明す
る。
【0111】本発明者は、以下に詳述するスピンバルブ
素子と磁気ヨーク部材とを用い、本実施形態に基づいて
アニールを実施した。
【0112】まず、スピンバルブ素子としては、以下の
2種類を使用した。 SV1:Ta5/Ru1/Cu1/CoFe1.5/Cu2/CoFe2/Ru0.9/CoFe2/
IrMn1O/Ta5(nm) SV2:Ta5/NiFe1/CoFe1/Cu2/CoFe2/PtMn30/Ta5(n
m) 磁気ヨークとしては、NiFe/IrMn(5nm)/
NiFeの積層構造膜を用いた。
【0113】SV1における反強磁性体膜(IrMn1
0nm)のブロッキング温度は約300℃であり、磁気
ヨークの反強磁性体膜(IrMn5nm)のブロッキン
グ温度は200℃であった。また、室温での交換結合磁
界は、それぞれ、約400Oe、約10Oeであった。
また、NiFeの異方性磁界は約5Oeであった。
【0114】一方、SV2における反強磁性体膜(Pt
Mn15nm)のブロッキング温度と交換結合磁界は、
それぞれ350℃、600Oeであった。
【0115】これらの部材を用いて磁気ヘッドを組立て
て、アニールした。まず、270℃で10時間一方向に
10kOeの磁界を印加してアニールし、次に、220
℃で5時間回転しながら200Oeの磁界中でアニール
し、そのまま炉中で冷却した。ここで、SV1とSV2
の220℃での交換結合磁界の大きさは、それぞれ25
0Oe,300Oeであった。
【0116】このアニール前後でスピンバルブ素子のM
R(磁気抵抗)変化率を測定し、次に示す結果を得た。 270℃−10kOe 220℃−200Oe 10時間一方向アニール後 5時間・回転アニール後 SV1: 7.65% 7.64% SV2: 6.54% 6.56%
【0117】上記のように、SV1とSV2のいずれに
おいても、MR変化率の低下は見られなかった。また、
いずれの素子においても、磁化固着層の磁化方向の傾き
は5°以内に維持されていた。以上具体例を挙げて説明
したように、本実施形態によれば、スピンバルブ素子と
磁気ヨークの特性をいずれも損なうことなく、効果的に
アニールを施してバルクハウゼンノイズを低減すること
ができる。
【0118】上記ヨーク部材をヨーク形状にフォトリソ
グラフィ技術を用いて加工した後、SKEM(Scanning
Kerr Effect Microscopy)を用いてその磁区構造を観
察したところ、ヨーク部材にはバルクハウゼンノイズの
原因と考えられる磁区構造および磁壁は観察されなかっ
た。
【0119】さらに上記のヨーク部材およびスピンバル
ブ膜を用いたヨーク型スピンバルブ磁気ヘッドをスピン
スタンドテスタにより、その出力を評価した結果、ヨー
ク部およびスピンバルブ素子部からのバルクハウゼンノ
イズは見られず、十分に良好な出力が得られた。
【0120】ヨーク型の磁気抵抗効果型ヘッドとして
は、前述した各実施形態に関して説明した具体例の他
に、図24から図26に表したものも挙げられる。以下
に、それぞれの具体例について詳細に説明する。
【0121】これらのヨーク型磁気抵抗効果型ヘッドに
おいても、上述したように磁気ヨークのバルクハウゼン
ノイズ(BHN)は共通の課題である。磁気ヨークから
のBHN対策としては、反強磁性体膜と強磁性体膜との
積層化による交換結合磁界を利用するのが効果的であ
る。前述したように、この方法によれば、磁気ヨークの
磁区を微小化し、かっ磁気異方性を分散させたり、一磁
区異方性を付与したりすることが可能となり、BHNを
抑制できる。
【0122】しかし、スピンバルブ素子の磁化固着層に
おいても反強磁性体膜と強磁性体膜との交換結合特性を
用いているので、スピンバルブ素子の磁化固着層と磁気
ヨークの磁気異方性制御をいかにして両立させるかとい
うことが上述の磁気ヨーク型磁気抵抗効果型ヘッドと同
様に課題となる。
【0123】この課題に対しては、本実施形態の概念に
基づいた反強磁性体膜の設計、すなわち、磁気ヨークに
はスピンバルブ素子よりも低いブロッキング温度を有す
るものを用いることが有効である。
【0124】図24は、本発明による磁気抵抗効果型ヘ
ッドの具体例を表す斜視概念図である。同図に関して
も、前述した各具体例と同一の部分には同一の符号を付
して詳細な説明は省略する。
【0125】図24の磁気ヘッドにおいては、バックヨ
ーク7Bと、フロントヨーク7Aと、スピンバルブ素子
1と、が電気的にも磁気的にも接続されている。また、
磁気ギャップ5を介して、背面側にはボトムヨーク7C
が設けられ、信号磁束がリング状に環流するようにされ
ている。なお、スピンバルブ素子1の背面においては、
ボトムヨーク7Cは山型に突出し、磁気ギャップ5との
間に空間には、図示しない非磁性材料を充填しても良
い。
【0126】また、本磁気ヘッドのフロントヨーク7
A、バックヨーク7Bおよびボトムヨーク7Cに1方向
磁気異方性が付与される場合、それは媒体対向面に平行
で、スピンバルブ素子1の磁化固着層の磁化固着方向P
とは垂直に付与される。
【0127】本具体例においては、スピンバルブ素子1
から記録媒体200までの間の「不感部分」となる領域
に、フロントヨーク7Aが設けられている。従って、磁
気ヘッドの感度を確保するためには、この「不感部分」
における侵入磁束長を長くすることが望ましい。つま
り、磁気コンダクタンスを大きくする(磁性膜の透磁率
を確保する)ために、スピンバルブ素子1の磁化自由層
とは異なる高透磁率磁性材料を用いて、または磁化自由
層より膜厚を厚くして、フロントヨーク7A形成するこ
とが望ましい。
【0128】また、ヨーク部材として、記録媒体200
との接触に強い、硬質の軟磁性材料も選択できる。ま
た、センス電流の通電方向とスピンバルブ素子1の磁化
固着層の磁化固着方向Pとが平行となるために、素子動
作点(バイアス点)がセンス電流によって変動しない。
従って、大電流化により高出力化を実現できる。バイア
ス点は、後に詳述する第4実施形態の方法で最適化でき
る。
【0129】また、スピンバルブ素子1の長手方向が、
媒体面に対して垂直に規定され、スピンバルブ素子1の
幅が、直接トラック幅Twとなり、センス電流の通電方
向も媒体面に対して垂直であるから、狭トラック化した
ときに出力が得られやすいという利点も有する。
【0130】図25は、本発明の磁気抵抗効果型ヘッド
の別の具体例を表す斜視概念図である。図24に表した
ものと比較すると、電極2の配置関係が異なる。すなわ
ち、センス電流の通電方向Cと磁化固着層の磁化固着方
向Pとが直交している。フロントヨーク7Aとバックヨ
ーク7Bとスピンバルブ素子1とは磁気的に結合されて
いるが、電気的には接続されていない。すなわち、スピ
ンバルブ素子1の下面には、絶縁層9が設けられてい
る。
【0131】また、本磁気ヘッドのフロントヨーク7
A、バックヨーク7Bおよびボトムヨーク7Cに1方向
磁気異方性が付与される場合、それは媒体対向面に平行
で、スピンバルブ素子1の磁化固着層の磁化固着方向P
とは垂直に付与される。
【0132】図26は、本発明の磁気抵抗効果型ヘッド
の別の具体例を表す斜視概念図である。本具体例におい
ては、2つのフロントヨーク7A1、7A2とバックヨ
ーク7Bとがそれぞれスピンバルブ素子1A、1Bによ
り磁気的に結合され、リング型の磁気回路を形成してい
る。2つのスピンバルブ素子1A、1Bにより差動動作
させ、図16に関して前述したように、出力を倍増する
とともにS/N比を大幅に向上することができる。
【0133】また、トラック幅Twをフロントヨーク7
A1、7A2の膜厚で規定するので、極めて狭い記録ト
ラックに対応できる。すなわち、超高密度記録媒体に用
いて好適な磁気抵抗効果型ヘッドを実現することができ
る。
【0134】(第4の実施の形態)次に、本発明の第4
の実施の形態として、磁気抵抗効果型ヘッドにおけるス
ピンバルブ素子のバイアス膜の具体的な構成、およびス
ピンバルブ素子の形成方法について説明する。
【0135】図27は、本発明の磁気抵抗効果型ヘッド
における磁気ヨークとスピンバルブ素子の形状及びこれ
らの位置関係を例示した概念図である。
【0136】これらの図において、1はスピンバルブ素
子、30はスピンバルブ素子の磁化自由層の磁区を制御
するためのバイアス膜、7は磁気ヨークを表す。スピン
バルブ素子1としては、前述した各実施形態に関して例
示したような種々の構成を採用できる。
【0137】バイアス膜30としては、Cr/Co80
Pt20(at%)積層膜や、Fe(70〜95)Co
(30〜5)/Co80Pt20(at%)積層膜や、
Fe−Co−O膜などの硬磁性フェライト膜などの硬磁
性膜を用いることができる。
【0138】図28〜図30は、図27に例示した磁気
抵抗効果型ヘッドの要部製造プロセスを表す工程断面図
であり、図27(a)に表したA−A線断面を表す。
【0139】最初に、図27〜図29を参照しつつ、本
実施形態の製造方法について説明する。
【0140】まず、図28(a)に表したように、絶縁
下地膜9の上に、バイアス膜30および第1の絶縁膜8
0を堆積する。ここで、絶縁下地膜9は、図示しない磁
気ヨークを形成し加工して平坦化した表面上に堆積した
ものであり、その材料としては、例えばAlOx(酸化
アルミニウム)などを用いることができる。また、第1
の絶縁膜80は、AlOxやSiOx(酸化シリコン)な
どにより形成することができる。
【0141】次に、図28(b)に表したように、レジ
ストマスク300を形成する。具体的には、第1の絶縁
膜80の上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技
術によりレジストをパターニングする。
【0142】次に、図28(c)に表したように、第1
の絶縁膜80を選択的にエッチングする。具体的には、
例えばイオン・ミリングやリアクティブ・イオン・エッ
チングなどのドライエッチングにより、レジストマスク
300の開口部に露出している第1の絶縁膜80をエッ
チングする。
【0143】次に、図28(d)に表したように、レジ
ストマスク300を除去する。
【0144】次に、図28(e)に表したように、バイ
アス膜30を選択的にエッチングする。具体的には、第
1の絶縁膜80をマスクとして、その開口に露出してい
るバイアス膜30をエッチングする。なお、図29
(a)は、図28(e)と同一の状態を表す。
【0145】この後の工程は、図29に表したように、
2種類に分けることができる。すなわち、まず、図29
(b)に表したように、第2の絶縁膜82を全面に堆積
し、さらに、スピンバルブ素子を構成する積層構造1を
全面に形成する。ここで、゛第2の絶縁膜82の材料と
しては、AlOxやSiOxなどを用いることができる。
【0146】または、図29(c)に表したように、ス
ピンバルブ素子を形成する積層構造1を全面に形成して
も良い。
【0147】次に、図29(d)または(e)に表した
ように、レジストマスク302を形成する。すなわち、
バイアス膜が選択的にエッチングされて形成された凹部
を覆うようにレジストマスク302を形成する。
【0148】次に、図29(f)または(g)に表した
ように、積層構造をエッチングし、第3の絶縁膜84を
堆積する。具体的には、レジストマスク302の外側に
露出している積層部分をドライエッチングによりスピン
バルブ素子の積層構造1からバイアス膜30からまでエ
ッチングして、幅Dおよび幅HM−Dを一括で規定する
ことができる。
【0149】さらに、第3の絶縁膜84としてAlOx
などの絶縁材料を堆積する。
【0150】この後に、レジストマスク302を除去す
る。
【0151】さらに、図示は省略するが、スピンバルブ
素子1の長手方向の寸法Lを規定する。すなわち、レジ
ストマスクを形成し、ドライエッチングによりスピンバ
ルブ素子1とバイアス膜30をエッチングする。そし
て、寸法Lを規定した方向の両側に電極2、2をリフト
オフ工程により形成することにより、本発明の磁気抵抗
効果型ヘッドが完成する。
【0152】一方、本発明によるもう一つの形成方法を
図30を参照しつつ説明する。
【0153】まず、図30(a)に表したように、絶縁
層9の上に、スピンバルブ素子の積層構造1を全面に形
成し、その上にレジストマスク302を形成する。
【0154】次に、同図(b)に表したように、レジス
トマスク302の外側に露出したスピンバルブ素子の積
層構造をエッチングする。
【0155】次に、同図(c)に表したように、第1の
絶縁膜80、バイアス膜30、第2の絶縁膜82を形成
する。
【0156】次に、同図(d)に表したように、レジス
トマスク302と共に、その上の第1の絶縁膜80、バ
イアス膜30、第2の絶縁膜82を除去する。
【0157】次に、同図(e)に表したように、露出し
たスピンバルブ素子の上に第2のレジストマスク304
を形成する。
【0158】次に、同図(f)に表したように、第3の
絶縁膜84を全面に堆積する。
【0159】この後の工程としては、前述したように、
レジストマスク304を除去し、スピンバルブ素子1の
長手方向の寸法Lを規定するプロセスと電極を形成する
プロセスを経て、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドが完成
する。
【0160】以上、図28〜図30を参照しつつ説明し
た形成方法を行うことにより、バイアス膜30の周囲が
絶縁体で覆われ、電極2からの電流がバイアス膜30に
分流することなくなる。その結果として高出力が得ら
れ、同時に、バイアス膜30からの電流磁界に起因する
スピンバルブ素子1のエッジ部への悪影響を除去でき
る。
【0161】さらに、バイアス膜30を設けることによ
り、スピンバルブ素子1の上下エッジ部での磁化の「カ
ーリング」が無くなり、BHNが抑制される。
【0162】本実施形態の方法は、金属系電気伝導性バ
イアス膜を用いる場合に特に有効である。硬磁性フェラ
イトなどを用いる場合には、上記の工程の絶縁膜形成を
省略した工程を省略することもできる。
【0163】(第5の実施の形態)次に、本発明の第5
の実施の形態について説明する。本実施形態は、バイア
ス点のバランスに着目した構成上の特徴を有する。
【0164】図31は、本発明の磁気抵抗効果型ヘッド
においてスピンバルブ素子に作用する各種の磁界の関係
を表した概念図である。
【0165】また、図32は、これらの各種磁界が磁気
抵抗効果型ヘッドのバイアス点に及ぼす影響を表すグラ
フ図である。
【0166】まず、図31を参照しつつ説明すると、ス
ピンバルブ素子1は、磁化自由層12と、非磁性層13
と、磁化固着層14とが積層された構成を有する。そし
て、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドにおいては、センス
電流Cと、磁化固着層の磁化方向Pと、磁化自由層に作
用する信号磁束Sとの関係は、図示した如くである。
【0167】そして、このようなスピンバルブ素子1に
対しては、磁化自由層と磁化固着層との間の強磁性的な
層間相互作用による磁界Hinterと、層間静磁結合によ
る磁界Hstaticと、センス電流による磁界Hcurrentと
が作用する。
【0168】図32に表したように、これらの各磁界の
関係をみると、Hinterはバイアス点をプラスの磁界側
にシフトさせ、Hstaticはバイアス点をマイナス側にシ
フトさせる効果がある。
【0169】ここで、Hinterは、スピンバルブ素子の
MR変化率を上げるために非磁性層13を薄くすると、
次第に大きくなる。一方で、記録媒体の高密度化により
記録ビットサイズが小さくなるにしたがって、検出磁界
が小さくなるので、スピンバルブ素子の感度を向上させ
るために磁化自由層12を薄くする必要がある。これに
伴って、Hinterも大きくなる。
【0170】このような事情のもとで、バイアス点をず
らすことなく高出力・高感度を実現するためには、Hst
aticを大きくすることにより、HinterとHstaticを平
衡させることにより、バイアス点を制御することが必要
となる。このためには、磁化固着層14のMs・t(磁
化・膜厚)積を大きくすることが必要である。
【0171】また、Hstaticはスピンバルブ素子の素子
形状にも関係する。このため、例えば、磁化固着層の磁
化方向に対してスピンバルブ素子の長さが長くなれば、
それに従って磁化固着層14のMs・t積も上げなくて
はならない。
【0172】一方、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドにお
いては、磁化固着層の磁化方向Pとセンス電流の通電方
向Cとが略平行となるために、センス電流磁界Hcurren
tがHinterやHstaticに対して略垂直方向に印加され
る。したがって、センス電流がバイアス点に影響を及ぼ
さないと同時に、センス電流磁界により磁化自由層の磁
区構造を積極的に制御できるという利点も有する。つま
り、センス電流による磁界を作用させて磁化自由層の磁
区構造を単磁区化させることが可能となる。
【0173】このためには、センス電流を磁化自由層1
2以外の層に流してその磁界を磁化自由層に作用させる
ことが効果的である。つまり、磁化固着層14の比抵抗
を磁化自由層12と比較して相対的に下げることが望ま
しい。例えば、磁化自由層12に添加物を混入すること
により比抵抗を上げること、および、磁化固着層14の
膜厚を磁化自由層12よりも厚くすることが有効であ
る。具体的には、磁化固着層14にCoFe合金を用い
る場合には、磁化自由層12には、CoFeB合金、C
oFeC合金、あるいはCoFeN合金等の材料を用い
ると効果的である。
【0174】これにより、センス電流を積極的に磁化固
着層14に流し、その磁界によって磁化自由層12の磁
区制御が可能になる。また、同時に、磁化自由層12へ
の添加物混入により、そのMs・t積を下げる効果も得
られる。
【0175】次に、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドに適
用することができるスピンバルブ素子の具体例を説明す
る。
【0176】表1は、これらの具体例の構成を表すもの
であり、それぞれのスピンバルブ素子は、構成材料とそ
の膜厚(nm)により表されている。膜構成の概略やそ
の作用については、前述した各実施形態において説明し
た通りである。
【0177】
【表1】
【0178】これらのスピンバルブ素子は、DCスパッ
タリング、RFスパッタリング法、イオンビームスパッ
タリング法あるいはダイオード型スパッタリング法など
の種々の方法により作製できる。ここで示した具体例
は、主にDCマグネトロンスパッタリング法により作製
した。成膜中のAr(アルゴン)圧力はすべての素子に
おいて0.1〜5mTorrの範囲とした。特に、磁化
自由層12の膜厚を薄くする場合には、高Ar圧での成
膜により膜質が不良となり、磁気抵抗効果が小さくなる
ことがあるために、成膜Ar圧は可能な限り低い方がよ
い。具体的には、3.0mTorr以下とすることが望
ましく、1.0mTorr以下とすることがさらに望ま
しい。
【0179】これらのスピンパルブ膜を用いたヨーク型
磁気抵抗効果ヘッドをスピンスタンドを用いてスピンバ
ルブ素子からの出力を測定した結果、本発明における実
施例においては、十分な出力を得られた。しかし、本比
較例においては、バイアス点が大きくくずれてしまうた
めに前記微細素子からの出力は検出されなかった。
【0180】(第6の実施の形態)次に、本発明の第6
の実施の形態に係る磁気記録装置について説明する。
【0181】以上説明した各実施形態の磁気抵抗効果型
ヘッドは、例えば、記録再生一体型の磁気ヘッドに組み
込まれ、磁気記録装置に搭載することができる。
【0182】図33は、このような磁気記録装置の概略
構成を例示する要部斜視図である。すなわち、本発明の
磁気記録装置150は、ロータリーアクチュエータを用
いた形式の装置である。同図において、磁気ディスク1
51は、スピンドル152に装着され、図示しない駆動
装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータ
により回転する。磁気ディスク151が浮上した状態で
情報の記録再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状
のサスペンション154の先端に取り付けられている。
ここで、ヘッドスライダ153は、例えば、前述したい
ずれかの実施の形態にかかる磁気ヘッドを搭載してい
る。
【0183】磁気ディスク151が回転すると、ヘッド
スライダ153の媒体対向面(ABS)は磁気ディスク
151の表面から所定の浮上量をもって保持される。
【0184】サスペンション154は、図示しない駆動
コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータ
アーム155の一端に接続されている。アクチュエータ
アーム155の他端には、リニアモータの一種であるボ
イスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイ
ルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビ
ン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコ
イルを挟み込むように対向して配置された永久磁石およ
び対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
【0185】アクチュエータアーム155は、固定軸1
57の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリ
ングによって保持され、ボイスコイルモータ156によ
り回転摺動が自在にできるようになっている。
【0186】本発明によれば、前述した各実施形態にか
かる磁気ヘッドを採用することにより、バイアス点の変
動が生ずることなく磁気ヘッドに供給するセンス電流を
増加することができる。その結果として、高出力と高感
度化が実現し、記録密度を高くすることもできる。さら
に、バルクハウゼンノイズも低減して、安定した信号の
記録再生が可能となる。
【0187】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
バイアスポイントの設計が容易で、バルクハウゼンノイ
ズが低く、高感度、高出力化が可能な磁気抵抗効型ヘッ
ド及び磁気記録装置を提供することが可能となり産業上
のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果
型ヘッドの構成を概念的に表す斜視図であり、記録媒体
との関係も表した図である。
【図2】第1実施形態のヘッドを記録媒体との対向面か
ら眺めた概念斜視図である。
【図3】第1実施形態の変形例に係る磁気抵抗効果型ヘ
ッドの構成を概念的に表す斜視図であり、記録媒体との
関係も表した図である。
【図4】本発明のヘッドを記録媒体との対向面から眺め
た斜視概念図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかる磁気ヘッド
の構成を表す概念斜視図である。
【図6】第2実施形態のヨーク型磁気ヘッドに用いるこ
とができるスピンバルブ素子の構成を例示した概念図で
ある。
【図7】本発明において用いることのできるスピンバル
ブ素子1の構成の具体例を表す断面概念図である。
【図8】本発明において用いることのできるスピンバル
ブ素子1の構成の具体例を表す断面概念図である。
【図9】本発明において用いることのできるスピンバル
ブ素子1の構成の具体例を表す断面概念図である。
【図10】本発明において用いることのできるスピンバ
ルブ素子1の構成の具体例を表す断面概念図である。
【図11】本発明において用いることのできるスピンバ
ルブ素子1の構成の具体例を表す断面概念図である。
【図12】本発明において用いることのできるスピンバ
ルブ素子1の構成の具体例を表す断面概念図である。
【図13】本発明において用いることのできるスピンバ
ルブ素子1の構成の具体例を表す断面概念図である。
【図14】本発明において用いることのできるスピンバ
ルブ素子1の構成の具体例を表す断面概念図である。
【図15】本発明において用いることのできるスピンバ
ルブ素子1の構成の具体例を表す断面概念図である。
【図16】差動増幅動作を説明するためのグラフ図であ
る。
【図17】第2実施形態の第2の磁気抵抗効果型ヘッド
を表す斜視概念図である。
【図18】第2実施形態の第3の磁気抵抗効果型ヘッド
を表す斜視概念図である。
【図19】本発明において用いることができるスピンバ
ルブ素子の構成を例示した断面概念図である。
【図20】本発明において用いることができる他のスピ
ンバルブ素子の構成を例示した断面概念図である。
【図21】第2実施形態の第4の磁気抵抗効果型ヘッド
を表す斜視概念図である。
【図22】(a)は第2実施形態の第5の具体例に係る
磁気抵抗効果型ヘッドを表す斜視概念図であり、(b)
は第3実施形態における温度特性の異なる関係を示す概
念図である。
【図23】第3実施形態における(a)スピンバルブ素
子と磁気ヨーク部材のそれぞれのアニール温度と交換結
合磁界とブロッキング温度との関係を、(b)スピンバ
ルブ素子と磁気ヨークとの配置とともに、模式的に表し
た概念図である。
【図24】本発明による磁気抵抗効果型ヘッドの具体例
を表す斜視概念図である。
【図25】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドの別の具体例
を表す斜視概念図である。
【図26】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドの別の具体例
を表す斜視概念図である。
【図27】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドにおける磁気
ヨークとスピンバルブ素子の形状及びこれらの位置関係
を例示した概念図である。
【図28】図27に例示した磁気抵抗効果型ヘッドの要
部製造プロセスを表す工程断面図であり、図27(a)
に表したA−A線断面を表す。
【図29】図27に例示した磁気抵抗効果型ヘッドの要
部製造プロセスを表す工程断面図であり、図27(a)
に表したA−A線断面を表す。
【図30】図27に例示した磁気抵抗効果型ヘッドの要
部製造プロセスを表す工程断面図であり、図27(a)
に表したA−A線断面を表す。
【図31】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドにおいてスピ
ンバルブ素子に作用する各種の磁界の関係を表した概念
図である。
【図32】各種磁界が磁気抵抗効果型ヘッドのバイアス
点に及ぼす影響を表すグラフ図である。
【図33】本発明の磁気記録再生装置の概略構成を例示
する要部斜視図である。
【図34】従来のシールド型スピンバルブ型磁気抵抗効
果ヘッドの構造を概念的に表す斜視図である。
【図35】縦型スピンバルブ型磁気抵抗効果ヘッドの構
造を概念的に表す斜視図である。
【符号の説明】
1 スピンバルブ素子 2 電極 3 磁気シールド 5 磁気ギャップ 7 磁気ヨーク 9 絶縁膜 11 下地層 12 磁化自由層 13 非磁性層 14 磁化固着層 15 反強磁性層 16 保護層 30 バイアス膜 200 記録媒体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月10日(1999.6.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図5】
【図7】
【図8】
【図25】
【図3】
【図4】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 昭 男 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 (72)発明者 船 山 知 己 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 (72)発明者 大 沢 裕 一 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 (72)発明者 上 口 裕 三 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 (72)発明者 小 泉 隆 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 Fターム(参考) 5D034 BA05 BA09 BA18 CA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ヨークと、 前記磁気ヨークと磁気的に結合され、磁化固着層と磁化
    自由層とこれらの間に設けられた非磁性層とを有するス
    ピンバルブ素子と、 前記スピンバルブ素子の両端に接続されたセンス電流を
    供給する一対の電極と、 を備え、 前記スピンバルブ素子の前記磁化固着層は、反強磁性体
    膜により磁化が固着され、 前記磁気ヨークは、反強磁性体膜と強磁性体膜とを積層
    してなり、 前記磁化固着層の所定温度での交換結合磁界が、前記磁
    気ヨークの前記所定温度での交換結合磁界より大きいこ
    とを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】磁気ヨークと、 前記磁気ヨークと磁気的に結合され、磁化固着層と磁化
    自由層とこれらの間に設けられた非磁性層とを有するス
    ピンバルブ素子と、 前記スピンバルブ素子の両端に接続されセンス電流を供
    給する一対の電極と、 を備え、 前記磁化固着層の磁化固着方向は、前記センス電流の通
    電方向と略平行であり、 前記磁化固着層の磁化(Msp)と膜厚(tp)との積
    (Msp・tp)と、前記磁化自由層の磁化(Msf)と膜
    厚(tf)との積(Msf・tf)とが、 (Msp・tp)≧(Msf・tf) なる関係を満足することを特徴とする磁気抵抗効果型ヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】磁化固着層と磁化自由層とこれらの間に設
    けられた非磁性層とを有するスピンバルブ素子と、 前記スピンバルブ素子の両端に接続されセンス電流を供
    給する一対の電極と、 を備え、 前記磁化固着層の磁化固着方向は、磁気記録媒体と対向
    する媒体対向面に対して略平行であり、 前記スピンバルブ素子における前記センス電流の通電方
    向は、前記媒体対向面に対して略平行であり、 前記磁化固着層の前記磁化固着方向が、前記磁気記録媒
    体の記録トラックの長手方向に対して平行でも直角でも
    ないものとして構成されていることを特徴とする磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の磁気抵抗
    効果型ヘッドを備え、磁気記録媒体に対して情報を記録
    または再生する磁気記録再生装置。
  5. 【請求項5】磁気抵抗効果型ヘッドと、 磁気記録媒体と前記磁気抵抗効果型ヘッドとを前記磁気
    記録媒体の記録トラックに沿って相対的に移動可能とす
    る動作機構と、 を備え、前記磁気記録媒体に格納された情報を再生可能
    とした磁気記録再生装置であって、 前記磁気抵抗効果型ヘッドは、 磁化固着層と磁化自由層とこれらの間に設けられた非磁
    性層とを有するスピンバルブ素子と、 前記スピンバルブ素子の両端に接続された一対の電極
    と、 を有し、 前記磁化固着層の磁化固着方向が、磁気記録媒体と対向
    する媒体対向面に対して略平行であり、 前記スピンバルブ素子におけるセンス電流の通電方向が
    前記媒体対向面に対して略平行であり、 前記磁化固着層の前記磁化固着方向が、前記磁気記録媒
    体の前記記録トラックの長手方向に対して平行でも直角
    でもないことを特徴とする磁気記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7170723B2 (en) 2002-03-29 2007-01-30 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic disk apparatus using magnetic head having magnetoresistive film
US7215516B2 (en) 2003-02-26 2007-05-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetoresistive head having magnetoresistive film including free layer and pinned layer arranged in head height direction

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KR100770813B1 (ko) 2003-02-26 2007-10-26 가부시끼가이샤 도시바 자기 저항 헤드, 자기 기록 재생 장치 및 자기 저항 헤드 제조 방법

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