JP2000337965A - 撮像系の光源の分光分布測定方法 - Google Patents

撮像系の光源の分光分布測定方法

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JP2000337965A
JP2000337965A JP11150569A JP15056999A JP2000337965A JP 2000337965 A JP2000337965 A JP 2000337965A JP 11150569 A JP11150569 A JP 11150569A JP 15056999 A JP15056999 A JP 15056999A JP 2000337965 A JP2000337965 A JP 2000337965A
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JP11150569A
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Toshiaki Yamazaki
敏明 山崎
Yasushi Nakano
泰志 中野
Tomomi Hara
智美 原
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KITSUSEI COMTEC KK
Original Assignee
KITSUSEI COMTEC KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 どのような環境下でも光源の分光分布を測定
できるようにする。 【解決手段】 光源の基準分光分布をハードディスク記
憶装置24に記憶しておく。予めスペクトル特性が分か
っている色票の画像をスキャナー10から取り込み、そ
の画像データを使用して上記基準分光特性からの光源の
分光分布特定をCPU21により計算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮像系の光源分光
分布測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、コンピュータで画像を扱うことは
一般的となっている。これは情報量の多い画像データを
簡単に蓄積・伝達するための圧縮・符号化の要素技術が
進歩したことと、これに伴う画像の入出力機器類の高品
質化・低価格化など、画像を簡便に扱う環境が整ってき
たことが大きく貢献している。
【0003】近年さかんになっている一般消費者向けの
電子商取引でも商品の画像は欠かせない。また、医療・
教育分野でもネットワークを介して動画像,音声をやり
とりすることにより、物理的距離に起因する様々な制約
をなくすことも可能となりつつある。
【0004】色は画像が伝達する大切な情報のひとつで
ある。インターネットを用いた一般消費者向けの物品販
売においては、消費者が実際に商品を手にとって確認す
ることができないだけに、色は商品のイメージを決定づ
けるとともに購買意欲を刺激する大きな要因のひとつで
ある。また、人間は特に肌色の再現に関して敏感である
ことから、人間の顔などが含まれる画像は、その肌色再
現の良しあしが画像全体の印象を大きく左右することに
なる。特に医療分野では、患部の色や顔色の正確な再現
が、診察するうえで重要であることはいうまでもない。
【0005】しかし、現実にはさまざまな要因によりC
RT上で再現された画像が被写体の色を正確に再現して
いるとはいえない。近年になってカラーマネージメント
の重要性が叫ばれているが、この目的のために開発され
たsRGB,ColorSyncなどのしくみは、共通
の表色系を用いて画像の入出力機器固有の特性のスポイ
ルするしくみであり、撮像系の光源による影響は考慮さ
れていない。
【0006】最初に色の定量的な表現方法について説明
する。
【0007】(1)等色関数 人間の眼の網膜には三種類の色を感じる細胞が一定の割
合で存在する。三種類の細胞は、それぞれ光の波長によ
り異なる感度をもち、長波長(約600nm),中波長
(約540nm),短波長(約450nm)に感度のピ
ークをもっている。波長毎の感度を等色関数といい、そ
れぞれr(λ),g(λ),b(λ)と表す。国際照明
委員会(CIE)は1931年に等色関数を十数人の被
験者のデータをもとに標準化した。
【0008】眼に入る光にはさまざまな波長の光が含ま
れているが、その波長毎の分布(分光分布)に等色関数
をかけて得られた三つの値の比率が脳で色として確認さ
れる。つまり、複雑な分光分布の光も最終的には三つの
値に単純化されることになる。
【0009】(2)光源色と物体色 CRTのように自ら発光する物体の色を光源色という。
CRTには赤・緑・青の三種類の蛍光体があり、これら
の蛍光体に当てる電子ビームの強度によって様々な色を
CRT上に表示する。
【0010】一方、物体色は光源の光を物体が反射した
色である。物体はそれぞれ固有の反射率分布をもってい
る。この物体に、ある分光分布をもつ光があたり、物体
固有の反射率で反射された光が眼に入り、色として認識
される。つまり、物体色はそれを照らす光源の分光分布
と物体の分光反射率の積で表すことができる。
【0011】同じ物体でもそれを照らす光源の分光分布
が変わると、知覚する色も変わるので、物体の色を規定
する場合には、分光分布を規定した光源が必要である。
これを標準光源という。
【0012】次に表色系について説明する。
【0013】(1)RGB表色系 色を数値で表すために、人間が色を感じるしくみを利用
する。つまり、ある分光分布の光に三種類の等色関数を
かけた後にそのそれぞれの積分値を計算する。RGB表
色系はこの三つの積分値で色を表す表色系である。ま
た、この三つの積分値の絶対値ではなく三つの値の比率
だけを考える場合は、r+g+b=1となるrgb表色
系を用いる。rgb表色系では二つの値が定まれば残り
の一つの値が自動的に決まる。これにより任意の二つの
変数で色を表すことができ、2次元の平面座標にプロッ
トすることが可能となり便利である。しかし、RGB表
色系からrgb表色系に変換したときに情報を一つ失っ
ているので、rgb表色系から元のRGB表色系に戻す
ことはできない。
【0014】(2)XYZ表色系 XYZ表色系はRGB表色系を簡単な一次変換したもの
である。その変換式、及び逆変換式は以下の通りであ
る。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】等色関数もこの変換によりx(λ),y
(λ),z(λ)と変換される。この、等色関数を用い
て、XYZ表色系による表色を行うには、R(λ)を物
体の分光反射率(あるいは分光透過率),P(λ)光源
の分光分布とすると、以下の式から計算できる。
【0018】
【数3】
【0019】なお、ここでの積分範囲は可視領域(約3
80〜780nm)である。
【0020】ただし、
【0021】
【数4】
【0022】であり、これは完全拡散反射面(R(λ)
=1)でY=100となるように正規化するための係数
である。このX,Y,Zのことを三刺激値という。な
お、完全拡散反射面とは入射する光をすべての方向に同
じ輝度でほぼ100%反射する面である。
【0023】また、XYZの比率だけを考えx+y+z
=1となるxyz表色系も用いられ、xy平面にプロッ
トされた図をxy色度図という。xyz表色系を元のX
YZ表色系に値を戻すために、Yxy表色系を用いるこ
とも多い。
【0024】(3)均等色空間L***表色系 xy色度図にプロットされた二つの色は人間がそれらの
色の間で感じる色差と色度図上の距離が比例していな
い。そのため、色度図上の距離が色差と比例する均等な
表色系がいくつか考案された。そのひとつが以下に変換
式を示すL***表色系である。
【0025】
【数5】
【0026】ここで、X,Y,Zは対象物体の三刺激
値、Xn,Yn,Znは完全拡散反射面の三刺激値(Yn
100)である。
【0027】また、X/Xn≦0.008856の場合は
【0028】
【数6】
【0029】とし、Y/Yn≦0.008856 ,Z/Zn≦0.0
08856の場合も同様に
【0030】
【数7】
【0031】とする。これは完全拡散反射面での三刺激
値に比べて対象物体の三刺激値が小さいときに、この値
が負数にならないようにするための補正である。
【0032】L***表色系のL*は明度を表し、色相
はa**平面上で表される。よって、明度と色相を独立
させて色を変換する場合にはL***表色系は便利で
ある。
【0033】また、XYZ表色系が色の絶対的な値を表
すのに対し、L***は完全拡散反射面で規格化した
相対的な色の値を表す表色系であるといえる。
【0034】次に画像入出力機器による色の変換につい
て (1)入力機器 コンピュータに画像を取り込むということは、すなわち
CRTの蛍光特性にあわせて光の信号をRGB三つのパ
ラメータへ変換するということである。入力機器がCC
Dを使っている場合は、入力機器に入射した光を三つに
分け、そのそれぞれをRGBの色フィルタを通してその
光の強度に応じた値をデジタルデータに変換する。よっ
て、ここで用いられる色フィルタが入力機器の特性を大
きく左右する。
【0035】また、一般に入力機器には、取り込んだデ
ータの補正をおこなう機能がある。代表的なものはホワ
イトバランスの調整である。これは画像の中から白いと
思われる物体を見つけ、これの色かぶりを取り除くよう
に画像全体のRGB値をシフトさせる機能である。この
ホワイトバランスの機能が自動で働く場合は、取り込ん
だ画像から入力機器の特性を推定することが難しくなる
が、入力機器内部でホワイトバランスの処理がおこなわ
れなければ、RGB三つのパラメータで表された色は撮
像系の光源に照らされた物体のXYZ値を単純に一次変
換したものであると考えられる[2]。
【0036】(2)出力機器(CRT) CRTは赤・緑・青の三つの蛍光体を発光させることに
より色を表示している。CRTに表現できる色はxy色
度図の上では、三つの蛍光体の座標を頂点とする三角形
の中にすべて含まれる。よって、鮮やかな色の蛍光体を
用いるほど三角形は大きくなり、CRTで表現できる色
は多くなる。逆に鮮やかな色を発光できない蛍光体を用
いると、CRTで表現できる色は少なくなる。この蛍光
体の特性によりCRT上に表現できる色の範囲をGam
utという。近年はより鮮やかな発色をする蛍光体が開
発されGamutは広がってきているが、人間が知覚す
るすべての色をカバーしているわけではないので、色を
入力機器で取り込みCRTの蛍光特性にあわせてRGB
値に変換した時点で、色の情報はある程度失われること
になる。
【0037】また、CRTの性質として中間調の色が暗
くなるガンマ特性がある。これは、CRTへの入力電圧
とCRT上の輝度とが比例しないというCRTの特性に
よるものであり、通常は最大電圧を1に正規化した入力
電圧の2.2乗に輝度は比例する。この場合はRGBの
値を1/2.2乗することにより、これを補正する。
【0038】一般色再現手法について説明する。
【0039】被写体から発せられ、あるいは反射された
光は入力機器によりコンピュータに取り込まれ、RGB
表色系で表される値に変換される。次にそのRGB値は
CRTによって再び光に変換される。入力機器による変
換の逆の変換が出力機器による変換と等しければ、CR
Tに再現された色と被写体の色は同じはずである。しか
し、現実には、前に述べたような入出力機器の特性によ
り、入力機器の変換の逆の変換は出力機器の変換と等し
くはならない。
【0040】基本的な色再現手法は、入力機器の特性に
よる変調と出力機器の特性による変調を取り除くことで
ある。入力機器によってコンピュータ内に取り込まれた
RGB値を入力機器特性の逆の変換によってXYZ値に
変換し、これを出力機器特性の逆の変換によってRGB
値に変換し、CRTに出力する。
【0041】このときに必要となるのは、入力機器によ
る変換特性I、出力機器による変換特性Oである。一般
にIを求めるためには、あらかじめ測色してある複数の
色票を入力機器を通してコンピュータに取り込み、その
RGB値と色票の測色値との関係を調べればよいとされ
る。また、Oを求めるためには、RGB値を指定して複
数の色をCRTに表示し、CRT上で再現された色を測
色しその測色値を与えたRGB値との対応からその関係
を見いだせばよいことになる。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】基本的な色再現を実現
する場合に問題となるのは、入力機器を通して取り込ま
れた値がどのような光源の影響を受けているか不明であ
るため、あらかじめコンピュータ内に保持する色票の測
色値とそれを直接比較することができないということで
ある。通常このような場合は被写体の色票が標準光源下
で測色されたと仮定するが、一般の被写体が標準光源下
にあることはまれである。
【0043】そこで、本発明の目的は、どのような光源
を使用してもあるいはどのような撮像環境下においても
撮像系の分光分布を測定することができる撮像系の光源
の分光分布測定方法を提供することにある。
【0044】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1の発明は、分布光源が使用される環
境下で画像入力機器により撮像を行う撮像系の光源の分
光分布測定方法において、前記光源の基準分光分布を予
めコンピュータ内に記憶しておき、色の異なる複数の色
票について、各色票に対応する基準強度を前記基準分光
分布から前記コンピュータにより計算し、前記複数の色
票を、前記光源が使用される環境下で前記画像入力機器
により撮像し、当該撮像により得られる各色票の強度
と、前記コンピュータにより計算された基準強度の比か
ら補正係数を前記コンピュータにより計算し、当該計算
された補正係数を記憶された前記基準分光分布に乗算
し、その乗算結果を原稿光源の分光分布の測定結果とす
ることを特徴とする。
【0045】請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像
系の光源の分光分布測定方法において、前記基準分光分
布は、三波長域発光形の光源のそれぞれの分光分布の平
均であることを特徴とする。
【0046】請求項3の発明は、請求項1に記載の撮像
系の光源の分光分布測定方法において、前記基準分光分
布の代表点を予め定めておき、該代表点を主波長とする
色票を前記複数の色票の中から選択し、当該選択された
色票の分光反射率と前記基準分光分布の積に等色関数を
かけることにより前記色票の基準強度を取得することを
特徴とする。
【0047】請求項4の発明は、請求項1に記載の撮像
系の光源の分光分布測定方法において、予め各色票の分
光反射率を前記コンピュータ内に記憶しておき、当該記
憶された各色票の分光反射率と前記光源の分光分布の測
定結果と等色関数に基づき前記画像入力機器の特性を前
記コンピュータにより計算することを特徴とする。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。最初に本発明の撮像系の分光
分布測定方法について説明する。
【0049】(1)代表スペクトルの取得 物体の色はその物体固有の反射率に依存する。赤い物体
はその表面で中〜短波長の光を吸収し、長波長の光だけ
を反射しており、青い物体は長〜中波長の光を吸収し、
短波長の光だけを反射している。よって、物体を照らす
光源の中に含まれる長波長の強度を大きくすれば、青い
物体は影響を受けず、赤い物体はより明るく見えるはず
である。
【0050】そこで、光源の分光分布は反映する色票
(図2参照)を準備する。まず、ほぼ光のスペクトルの
順に並んだ色票をカラープリンターで作成し、自然光の
下でそれぞれの分光分布と自然光の分光分布を測色して
自然光の影響を取り除いた分光反射率を求める。
【0051】この分光反射率に等色関数をかけ、得られ
た値をスペクトル軌跡がプロットされているxy色度図
にプロットする。次に白色点と色票の座標を直線で結
び、この直線がスペクトル軌跡と交差する位置から、そ
の色票がどの波長のスペクトル光を代表しているか、つ
まり、その色票の主波長を求める。この結果得られるx
y色度図上の分布を図1(A)に示す。また色票の主波
長を図1(B)に示す。
【0052】図2に示す色票は4×6の桝目に異なる色
で印刷したものであり、図2ではカラー表現ができない
のでハッチングの形状により色が異なることを表してい
る。
【0053】(2)平均分光分布の計算 種類の異なる三波長域発光形ランプの分光分布を用意
し、これら分光分布の平均を計算し、図3に示すような
平均分光分布(基準分光分布)を作成する。図3の分光
分布では横軸が波長、縦軸が相対強度である。
【0054】(3)平均分光分布の単純化 図3に示す平均分光分布を単純化(パターン化)するた
めに、図3のデータ点を間引く(減少させる)。このと
き、代表となる点(黒丸部分)の値は近傍の間引かれる
点の平均値とする。この処理の結果として得られる分光
分布を図4に示す。
【0055】(4)平均分光分布の特徴点(代表点)の
色票の送出 図1(B)に示す色票の中から図4の代表点(ピークの
位置)を主波長とする色票を選択する。選択された色票
を図5に示す。図5の矢印で示す数値が図1(B)の色
票番号であり( )内の数値が主波長である。
【0056】(5)基準強度の計算 図3の平均分光分布と、図5に示される、選択された色
票の分光反射率の積に3の等色関数をかけて各色票の基
準強度を計算する。その計算結果をあるピークの値(図
4の例ではNo5の色票のデータ、548nm)で正規
化する。基準強度は、
【0057】
【数8】
【0058】ここでXi,Yi,Ziは図1(A)の光源
分光分布と図5の選択色票の分光反射率の積に3つの等
色関数をかけて得られた3の値である。iは選択の色票
番号である。
【0059】得られた基準強度の値の一例を図6に示
す。以上までの処理が分光分布の測定に使用する基準強
度の作成処理内容である。
【0060】(6)画像入力機器からの色票画像の入力 次に、撮像系の分光分布について説明する。
【0061】画像入力機器、たとえば、スキャナーを用
いて色票の画像をコンピュータに取り込み、その強度を
計算して、図6と同じピークの値(図6の例では5番目
のピークの値548nm)で正規化する。
【0062】ただし、強度Ii′は、
【0063】
【数9】
【0064】とする。ここでRi,Gi,Biはコンピュ
ータで取り込んだ色票の画像のRGB値である。取り込
まれた色票の強度の強度を図7に示す。
【0065】(7)補正係数の算出 上述の平均分光分布に基づき得られる色票の基準強度
(図6)と、コンピュータに取り込んだ色票の画像の強
度(図7)の比率を数10式により求め、その比率を補
正係数とする。
【0066】
【数10】
【0067】図6,図7の例から得られる補正係数を図
8に示す。
【0068】(8)光源の分光分布の推定(測定) 処理(3)で得られた分光分布に処理(7)で得られた
補正係数を乗算することにより撮像環境で使用された光
源の分光分布を推定し、その推定結果を光源の分光分布
の測定結果(図9参照)とする。
【0069】(9)分光分布の補間 本実施形態では図4の分光分布の代表点の値に補正係数
を乗算する。乗算結果として得られる各代表点の間をス
プライン補間する。その補間結果を図10に示す。
【0070】以上のようにして、撮像環境の光源の分光
分布を測定できると、その測定結果を使用して、画像入
力機器の撮像特性を測定(推定)することができる。
【0071】以下、そのための処理を説明する。
【0072】(1)分光分布Pの光源下に、分光反射率
iの色票を置く、ただし、i=1,n.nは色票に含
まれる色の数である。
【0073】(2)(1)の色票の色の分光分布T
iは、その色票固有の分光反射率Riとそれを照らす光源
の分光分布Pの積である。よって、光源の分光分布と光
源の下の色票の分光分布を分光測色計を用いて測色する
と、色票に分光反射率Riは以下の式で求めることがで
きる。
【0074】
【数11】
【0075】(3)このRiを後述のコンピュータ(画
像処理装置20)内のシステムメモリ又はヘッドディス
ク記憶装置にテーブルとして持つ。
【0076】(4)前述の光源の分光分布測定方法によ
り検出した分光分布をP′とすると、以下の式によって
光源の下での色票の測色値を表すことができる。
【0077】
【数12】
【0078】ただし、
【0079】
【数13】
【0080】であり、x,y,zは人間が色を知覚する
しくみから導き出された色を数値化するための等色関数
とよばれるものである。
【0081】(5)(1)の色票画像を画像入力機器に
よりコンピュータに取り込む。取り込んだ画像はコンピ
ュータのRGB3つのパラメータで表され、色票のひと
つひとつの色はRi,Gi,Biと表される。画像入力機
器の特性とは色の情報をいかにRGB3つのパラメータ
に数値化するかということである。よって、(4)で求
めた色の情報Xi,Yi,ZiとRi,Gi,Biの間の変換
式がこの画像入力機器の特性である。Xi,Yi,Zi
独立変数、Ri,Gi,Biを従属変数として、以下の式
を満たす行列を一般によく知られた重回帰分析プログラ
ムを使用してコンピュータ内のCPUにより計算する。
【0082】
【数14】
【0083】以上述べた撮像系の分光分布測定方法を画
像処理システムで実現する実施形態を次に説明する。
【0084】本発明実施形態のシステム構成を図11に
示す。図11において、画像処理装置、たとえば、パー
ソナルコンピュータのような汎用のコンピュータ(画像
処理装置)20に対してスキャナーのような画像入力機
器10が接続されている。画像処理装置20は画像処理
を行うためのCPU21、CPU21の画像処理を行う
際に使用する入出力データを記憶するシステムメモリ2
3、CPU21が実行するプログラム(図12〜図1
4)や、画像入力機器10から取り込んだ画像を保存す
るためのハードディスク記憶装置(H.D)24および
画像処理装置20と画像入力機器10を接続するインタ
ーフェース22を有している。
【0085】図11のシステム動作を図12〜図14の
フローチャートを参照して説明する。図12〜図14に
おいて示す処理手順はCPU21が実行可能なプログラ
ムの形態でハードディスク記憶装置24に予め記憶され
ている。これらのプログラムをCDROMやフロッピー
(登録商標)ディスクに記録しておき、画像処理装置2
0に実装(インストール)してもよいこと勿論である。
【0086】図12はメイン処理手順を示す。本実施形
態では、基準分光分布の作成モードと入力機器特性の推
定モードの2つのモードが用意されている。ハードディ
スク記憶装置24上のプログラムを立ち上げ(システム
メモリ23のロード)すると、メニュー処理画面が表示
された後、図12の処理手順が開始される。メニュー表
示画面では上記2つのモードを選択する画面である。ユ
ーザが基準分光分布モードを選択すると、手順はステッ
プS10→S15へと進み、図13の基準分光分布作成
処理が実行される。
【0087】ユーザは予め図2の色票を測色計により測
色し、その測定結果(分光反射率)を用意しているもの
とする(前述の代表スペクトルの取得参照)。また、種
類の異なる三波長域発光形ランプそれぞれの分光分布デ
ータを用意しておくものとする(前述の平均分布の計算
参照)。
【0088】これらの測定結果を不図示のキーボードか
ら入力する(図13のステップS100)。入力された
測定結果はシステムメモリ23に一時記憶される。CP
U21は一時記憶された自然光での測定結果に等色関数
をかけ、得られた値に基づき色票の代表スペクトル値を
計算する。前述の代表スペクトルの取得で述べた一連の
処理は、予め数式化(関数)しておき、入力の測定結果
を数式に代入することで、図1(B)に示す値を取得
し、システムメモリ23に記憶する。
【0089】次にCPU21は入力されシステムメモリ
23に一時記憶してある三波長域発光形ランプの分光分
布データを平均計算して平均分光分布についてのデータ
を取得し、システムメモリ23に一時記憶する(ステッ
プS110)。
【0090】CPU21は平均の分光分布データの間引
き処理、処理と代表点の抽出処理を行う(ステップS1
20、S130)、間引き処理の行われる前の平均分光
分布の極大点および極小点を検出し、仮の代表点とす
る。次に仮の代表点近傍の間引きが行われる平均分光分
布上の所定数の平均を計算し、その平均値を間引き後の
代表点(特徴点)とする。このようにして、平均分光分
布を示すデータ数を減らすことにより、平均分光分布を
単純化する。この処理は、平均分光分布をパターン化
し、平均分光分布の特徴を抽出しているとも言える。
【0091】CPU21は単純化された平均分光分布デ
ータを用いて、数8式により基準強度を計算し、基準強
度を正規化する(前述の基準強度の計算参照)。正規化
された基準強度の値、および代表点の位置データ(波長
および対応する相対強度)は、ハードディスク記憶装置
24に保存され、以下に述べる撮像環境下での光源の分
光分布の測定に使用される(ステップS140)。
【0092】撮像環境下、この場合スキャナー10を使
用する環境下での光源の分光分布およびスキャナー(画
像入力機器)10の特性を推定したい場合には、ユーザ
は初期のメニュー表示画面で、入力機器特性推測モード
を選択する。これにより図12の処理手順は、ステップ
S10→S20→S25へと進み、図14の処理手順が
実行される。
【0093】なお、初期画面で、その他の処理がユーザ
により指示された場合は手順はステップS10→S20
→S30へと進み、予め用意されているその他の処理が
実行される。
【0094】図14の処理手順を説明する。図14にお
いて、ユーザはスキャナー10に図2の色票をセット
し、画像の読み取り(入力)をキーボードあるいはマウ
ス等により指示する。この指示に応じて、CPU21は
スキャナー10を制御して、色票の画像データをシステ
ムメモリ23に取り込む(ステップS200)。
【0095】CPU21は入力された画像データから数
9式により強度を計算し、次に正規化を行なう(ステッ
プS220)。
【0096】CPU21はハードディスク記憶装置24
に保存してある各色票の基準強度とステップS220で
得られた強度を使用して数10式により補正係数を計算
する(ステップS230)。
【0097】得られた補正係数と、ハードディスク記憶
装置24に保存されている代表点(特徴点)の位置デー
タ、すなわち、図4の平均分光分布の乗算することによ
り、撮像環境下での光源の分光分布を取得する(ステッ
プS240)。
【0098】得られた分光分布は単純化された分光分布
であるので、周知のスプライン補間処理により、詳細な
分光分布に復元される(ステップS250)。
【0099】得られた分光分布は、ハードディスク記憶
装置24に保存してもよいし、印刷出力してもよいし、
使用目的に応じて、出力形態を定めればよい。
【0100】本形態の場合には、数12式および数13
式を使用して数14式の行列を構成するC11〜C33の値
が計算され、その計算結果がハードディスク記憶装置2
4に保存される。この計算結果として得られる画像入力
機器の特性は、スキャナー10から入力された画像を画
像処理する場合の補正に使用される。
【0101】以上、述べた実施形態の他に次の形態を実
施できる。
【0102】1)図2の複数の色票は、スペクトル順に
並べておくと、上述の情報処理が容易となる。また、色
票の個数は図2に示すような個数に限定されることはな
い。
【0103】2)上述の実施形態では、画像処理装置2
0において、基準強度を三波長域発光形ランプの分光分
布の平均から求めているが、予めプログラム内あるいは
プログラムに付随するデータファイルとして、ハードデ
ィスク記憶装置24に保存してもよい。
【0104】3)上述の実施形態では、平均分光分布の
単純化において、代表点を自動抽出しているが、平均分
光分布を表示装置の表示画面に表示して、ユーザが表示
画面上で、マウスを使用して代表点を指定することもで
きる。
【0105】4)上述の実施形態では、画像処理装置2
0が撮像系の光源の分光分布を測定したが、画像処理装
置に変わりデジタルプロセッサ等を使用してもよい。
【0106】5)画像入力機器としては、上述のスキャ
ナー以外に、ビデオカメラ、デジタルカメラ等各種の機
器を使用することができる。
【0107】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1の発明
によれば、色票を使用することにより簡単に光源の分光
分布を測定できるとともに、どのような撮像環境下、た
とえば、スキャナーのように光源が画像入力機器内に内
蔵されているような環境下あるいは、光源が劣化した
り、交換されるような環境下でもその光源の分光分布を
測定することができる。
【0108】請求項2では、商業的に広く使用されてい
る三波長域発光形の光源の分光分布平均を基準分光分布
とすることで、測定精度を高めることができる。
【0109】請求項3の発明では、基準分光分布の代表
点を主波長とする色票の分光反射率から各色票の基準強
度を取得するので、光源の分光特性の影響を測定結果に
加味することができ、測定精度が高まる。
【0110】請求項4の発明では、光源の分光分布の測
定結果からさらに画像入力機器の特性を推定することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はxy色度図上の分布を示す説明図であ
り、(B)は色票のスペクトル代表値を示す説明図であ
る。
【図2】色票の内容を示す説明図である。
【図3】平均分光分布を説明するための説明図である。
【図4】平均分光分布上の代表点を示す説明図である。
【図5】選択された色票を示す説明図である。
【図6】基準強度一例を示す説明図である。
【図7】入力画像の強度を示す説明図である。
【図8】補正係数の内容を示す説明図である。
【図9】光源の分光分布の測定結果を示す説明図であ
る。
【図10】スプライン補間の結果を示す説明図である。
【図11】本発明実施形態のシステム構成を示すブロッ
ク図である。
【図12】CPU21実行する処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図13】CPU21が実行する処理手順を示すフロー
チャートである。
【図14】CPU21が実行する処理手順を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
10 スキャナー 20 画像処理装置 21 CPU 22 インターフェース 23 システムメモリ 24 ハードディスク記憶装置
フロントページの続き (72)発明者 原 智美 長野県松本市大字和田4010番10 キッセイ コムテック株式会社内 Fターム(参考) 2G020 AA04 AA08 CB43 CB55 CD12 CD22 CD36 CD37 CD38 DA14 DA63 DA65

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分布光源が使用される環境下で画像入力
    機器により撮像を行う撮像系の光源の分光分布測定方法
    において、 前記光源の基準分光分布を予めコンピュータ内に記憶し
    ておき、 色の異なる複数の色票について、各色票に対応する基準
    強度を前記基準分光分布から前記コンピュータにより計
    算し、 前記複数の色票を、前記光源が使用される環境下で前記
    画像入力機器により撮像し、 当該撮像により得られる各色票の強度と、前記コンピュ
    ータにより計算された基準強度の比から補正係数を前記
    コンピュータにより計算し、 当該計算された補正係数を記憶された前記基準分光分布
    に乗算し、その乗算結果を前記光源の分光分布の測定結
    果とすることを特徴とする撮像系の光源の分光分布測定
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の撮像系の光源の分光分
    布測定方法において、前記基準分光分布は、三波長域発
    光形の光源のそれぞれの分光分布の平均であることを特
    徴とする撮像系の光源の分光分布測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の撮像系の光源の分光分
    布測定方法において、前記基準分光分布の代表点を予め
    定めておき、該代表点を主波長とする色票を前記複数の
    色票の中から選択し、当該選択された色票の分光反射率
    と前記基準分光分布の積に等色関数をかけることにより
    前記色票の基準強度を取得することを特徴とする撮像系
    の光源の分光分布測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の撮像系の光源の分光分
    布測定方法において、予め各色票の分光反射率を前記コ
    ンピュータ内に記憶しておき、当該記憶された各色票の
    分光反射率と前記光源の分光分布の測定結果と等色関数
    に基づき前記画像入力機器の特性を前記コンピュータに
    より計算することを特徴とする撮像系の光源の分光分布
    測定方法。
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