JP2000337948A - 傾斜板描画帯と水位計測システム - Google Patents

傾斜板描画帯と水位計測システム

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JP2000337948A
JP2000337948A JP15148399A JP15148399A JP2000337948A JP 2000337948 A JP2000337948 A JP 2000337948A JP 15148399 A JP15148399 A JP 15148399A JP 15148399 A JP15148399 A JP 15148399A JP 2000337948 A JP2000337948 A JP 2000337948A
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plate drawing
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water
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English (en)
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Yoichi Takagi
陽市 高木
Kazunori Muraki
和則 村木
Takayuki Yoneoka
孝幸 米丘
Akio Tsujikawa
秋雄 辻川
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Hitachi Ltd
Hitachi Information and Control Systems Inc
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Process Computer Engineering Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取付あるいは取外し作業を容易に行なうこと
ができる。 【解決手段】 ダム10のコンクリート壁12の壁面に
沿って配置された傾斜板描画帯16は帯状に形成された
本体18と、この本体18の表面に描かれた複数の傾斜
板20とを備え、傾斜板20は、黒色の本体18の上に
白色で描かれている。そして本体18は、屈曲性を有す
るゴム材を用いて構成され、傾斜板描画帯16の上端部
が巻き上げ機構22に連結され、巻き上げ機構22の駆
動により傾斜板描画帯16が上下動可能に配置されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、傾斜板描画帯と水
位計測システムに係り、特に、水面からの光信号をディ
ジタル画像のデータに変換し、このディジタル画像のデ
ータを処理して、例えば、ダム、河川、海、湖などの水
位を計測するものに利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダムや河川などの水位(潮位)を
測定するに際しては、フロート式や圧力式の水位計測方
法が採用されている。この種の水位計測方法において
は、「機械工学便覧(改定第6版;日本機械学会199
7;第6編 計測法第7章 7.6 液位の測定)」に
記載されているように、フックゲージポイントゲージを
用いて、基準面から液の表面までの距離を直接測定する
方式や、川からトンネルなどで陸上の井戸に水を引き、
井戸の水面にフロートを浮かべ、フロートの変位を機械
的に測定する方式が採用されている。さらに、タンクの
底面、側面に取り付けたダイフラムの圧力による変形を
機械的および電気的に検出したり、あるいは液体内に細
管を挿入し、細管先端から圧縮空気を噴出させて、細管
の背圧を測定したりする方式が採用されている。しか
し、これらの水位計測方法では、水中に精密機器を設置
する必要があり、設置作業が困難である。
【0003】そこで、水中に精密機器を設置することな
く、非接触で且つ遠隔操作によって水位を計測するもの
として、例えば、特開平8−145765号公報、特開
平10−62231号公報、特開平11−23350号
公報に記載されているように、カメラと画像処理装置と
を組み合わせたものが提案されている。
【0004】従来の水位計測システムにおいては、ダム
の壁面などに沿って配置されて水位の目盛が付された量
水標に隣接して、傾斜板を配置し、量水標と傾斜板から
の光をカメラに取り込み、カメラに入射した光信号を光
学像として結像させ、この光学像を複数の画素に対応づ
けて分割し、各光学像をその輝度にしたがったディジタ
ル画像信号に変換し、このディジタル画像信号をアナロ
グの映像信号に変換して画像処理装置に出力し、画像処
理装置において、アナログ信号をディジタル信号に変換
するとともに、このディジタル信号を画像データとして
画像メモリに記憶し、画像メモリに記憶されたデータを
処理して水位を計測する方式が採用されている。そして
傾斜板としては、板状のものた用いられており、傾斜板
の表面には、黒色の地の上に、長方形状の傾斜板が複数
個、垂直軸と交差するように配列されて白色で描かれて
いる。この傾斜板を用いてダムの全水深を計測する場
合、1メートル程度の小片に分割された傾斜板本体をダ
ムのコンクリート壁に沿って複数個配置し、各傾斜板本
体を植え込みボルトなどを用いて固定する方法が採用さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】傾斜板を用いてダムな
どの水位を計測する場合、新規にダムを建設するときに
は、ダムに水が満たされる前にダムのコンクリート壁に
傾斜板を取り付けることはできるが、ダムが建設された
後で、傾斜板を取り付けるときには、ダムに水が満たさ
れた状態で傾斜板を取り付けることが必要となる。ダム
に水が満たされた状態で傾斜板を取り付ける作業は、水
面下の設置作業、すなわち潜水作業が必要となるため、
設置作業が困難になるとともに工事費が高価なものとな
る。また傾斜板を長期間使用することに伴って、傾斜板
の表面が汚れたり、色が薄くなったりしてコントラスト
を十分に保てなくなったときには、画像処理に支障をき
たすため、傾斜板の補修が必要となる。このような場合
でも、傾斜板をコンクリート壁にボルトで取り付ける方
法では、水面下の傾斜板を取り替えるには潜水作業が要
求され、補修作業が困難となる。またさらに、傾斜板本
体を小片に分割して取り付ける場合には、傾斜板本体の
小片間に隙間が生じ、この隙間が画像処理時に計測誤差
の原因になる。
【0006】本発明の目的は、取付あるいは取外し作業
を容易に行なうことができる傾斜板描画帯と水位計測シ
ステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決るための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、帯状に形成された本体と、この本体の表
面に前記本体の長手方向の中心線と交差する方向に沿っ
て描かれた複数条の傾斜板とを備え、前記本体は、水と
接する壁面に沿って壁面上部から水中に亘って配置可能
に構成されてなる傾斜板描画帯を構成したものである。
【0008】前記傾斜板描画帯を構成するに際しては、
以下の要素を付加することができる。
【0009】(1)前記本体は、屈曲性を有する弾性体
で構成されてなる。
【0010】(2)前記本体の長手方向上端部に支持部
材が連結されてなる。
【0011】(3)前記本体の長手方向上端部は、手動
操作による巻き上げ機の巻き取り軸に巻き付けられてな
る。
【0012】(4)前記本体の長手方向上端部は、電動
による巻き上げ機の巻き取り軸に巻き付けられてなる。
【0013】(5)前記本体の長手方向下端部に錘が連
結されてなる。
【0014】また、本発明は、水中から水面上方に亘っ
て配置されて水位の目盛が付された量水標に隣接して配
置された傾斜板描画帯と、前記量水標と傾斜板描画帯か
らの光を入射しこの入射光を指定の位置に結像させる光
入射手段と、この光入射手段により結像された光学像を
複数の画素に対応づけて分割し各光学像をその輝度に従
ったディジタル画像信号に変換する光電変換手段と、こ
の光電変換手段の変換によるディジタル画像信号をディ
ジタル画像のデータとして記憶する記憶手段と、この記
憶手段に記憶されたディジタル画像のデータを処理して
前記傾斜板描画帯周辺の水位を計測する水位計測手段と
を備えてなる水位計測システムを構成したものである。
【0015】前記水位計測システムを構成するに際して
は、以下の要素を付加することができる。
【0016】(1)前記記憶手段に記憶されたデータに
したがった画像と前記水位計測手段の計測結果を表示す
る表示手段を備えてなる。
【0017】(2)前記水位計測手段は、前記記憶手段
に記憶されたディジタル画像のデータのうち前記傾斜板
の実像部と虚像部とが交差する位置のデータを水面とし
て、この水面位置における画像上の座標を、地上の標高
を示す世界座標系の座標に変換し、変換された座標に従
って水位を計測してなる。
【0018】前記した手段によれば、傾斜板描画帯の本
体が、水と接する壁面に沿って壁面上部から水中に渡っ
て配置可能に構成されているため、水面下の作業が不要
となり、本体の取付あるいは取外し作業を容易に行なう
ことができる。特に、本体を、屈曲性を有する弾性体で
構成することで、本体の取付あるいは取外し作業を容易
に行なうことができる。
【0019】また本体の長手方向上端部に支持部材を連
結することで、本体を、例えば、ダムのコンクリート壁
上部側から吊り下げたり吊り上げたりすることもでき
る。
【0020】さらに、本体の長手方向上端部を、手動操
作あるいは電動による巻き上げ機の巻き取り軸に巻きつ
けることで、本体の取付あるいは取外し作業をさらに容
易に行なうことができる。また本体の長手方向下端部に
錘を連結することで、本体が水によって揺れるのを防止
することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す
水位計測システムの全体構成図である。図1において、
ダム10のコンクリート壁12には、垂直式量水標14
と傾斜板描画帯16が互いに隣接して、水中から水面上
方に渡って配置されている。垂直式量水標14は、垂直
軸、すなわち重力の作用する方向に沿って形成されたコ
ンクリート壁12の壁面に沿って垂直に設置されてお
り、量水標14の表面には水位に関する目盛が付されて
いる。傾斜板描画帯16は、量水標14近傍に配置され
て、コンクリート壁12の壁面に沿って垂直に設置され
ている。
【0022】この傾斜板描画帯16は、図2に示すよう
に、帯状に形成された本体18と、本体18の表面に本
体18の長手方向の中心線と交差する方向に沿って描画
された複数状の傾斜板20を備え、本体18は、水と接
する壁面(コンクリート壁12の壁面)に沿ってコンク
リート壁12の上部から水中に渡って配置可能なもの、
例えば、屈曲性を有する弾性体として平板状のゴム材を
用いて構成されている。本体18の表面は、画像処理時
における濃度差(輝度差)がはっきり出るように、地が
黒色で描かれ、黒色の地の上に長方形形状の傾斜板20
が白色の絵模様で描画されている。本体18の長手方向
上端部は手動操作による巻き上げ機構(巻き上げ機)2
2に連結され、本体18の長手方向下端部には、傾斜板
描画帯16が水によって揺れるのを防止するために、錘
24が連結されている。
【0023】巻き上げ機構22は、図3ないし図6に示
すように、箱型形状のケース26、シャフト(巻き取り
軸)28、歯車30、ハンドル32、ラチェット34を
備えて構成されており、シャフト28の両端がケース2
6の側壁に回転可能に連結されている。そしてシャフト
28には、窓部36を介して、本体18の長手方向上端
部が巻き付けられている。歯車30とハンドル32はケ
ース26の側壁に配置されてシャフト28の軸方向端部
に連結されており、ラチェット34は、その先端部が歯
車30と噛合可能に配置されている。すなわち、ハンド
ル32を一定の方向に操作することで、傾斜板描画帯1
6を巻き上げることができるようになっているととも
に、ラチェット34が歯車30と噛み合うことで、傾斜
板描画帯16の自重によりシャフト28が回転して傾斜
板描画帯16が落下するのを防止するようになってい
る。なお、巻き上げ時には、ラチェット34は、ハンド
ル32の操作に伴って歯車30によって自然に押し上げ
られ、歯車30の回転がラチェット34によって妨げら
れないようになっている。また巻き下げ時には、ラチェ
ット34と歯車30との噛み合いを外した状態で、ハン
ドル32を巻き上げ時とは逆方向に操作することで、傾
斜板描画帯16の巻き下げ量を自在に調整することがで
きる。すなわちハンドル32の操作により傾斜板描画帯
16を巻下げたり、巻上げたりすることができ、傾斜板
描画帯16の取付あるいは取外し作業を容易に行なうこ
とができる。
【0024】次に、傾斜板描画帯16にゴム材を用いた
ときの引っ張り強さについて考察する。
【0025】傾斜板描画帯16の全長をL、厚さt、幅
B、比重をgとすると、全体の重さWは、 W=LBtg/1000Kg…(1) となる。
【0026】ここで、ダム10の高さを25mと仮定
し、L=2500cm、B=1000cm、t=0.5
cm、g=1.5g/cm3を(1)式に代入すると、
重さWは、 W=2500×1000×1.5×0.5/1000Kg =1875Kg となる。このとき、傾斜板描画帯16の最上部における
引っ張り応力σは、 σ=W/B・t =1875/(100×0.5) =37.5Kg/cm2 となる。硬質ゴムの引っ張り強さは、70〜6305K
g/cm2とされており、傾斜板描画帯16にゴム材を
用いても強度的に問題になることない。
【0027】次に、図7に示すように、傾斜板描画帯1
6をシャフト28に巻き取る際の実用上の問題点につい
て考察する。
【0028】傾斜板描画帯16の幅をB、外径をD1、
内径をD2、厚さをt、比重をgとすると、傾斜板描画
帯16の全体の重さWは、 W=(D12−D22)Bgπ/4…(2) となる。
【0029】(1)式と(2)式から、 W=LBtg/1000=(D12−D22)Bgπ/4 Lt=(D12−D22)π/4 となる。
【0030】ここで、D2=20cmと仮定すると、L
=2500cm、t=0.5であるから、D1は、 D1=SQRT(4Lt/π+D22) =SQRT(4×2500×0.5/π+202) =44.6cm となる。外径D1の値は、内径D2の2倍程度の値であ
り実用上問題になることはない。
【0031】一方、図1に示すように、ダム10から一
定の距離離れた地点にダム管理所38が設置されてお
り、ダム管理所38にはカメラ40と雲台42が配置さ
れている。カメラ40は、一端側が開口されたケース4
4内に収納されており、ケース44は、雲台42の上部
側に傾斜自在に固定されている。カメラ40は、量水標
14と傾斜板描画帯16からの光を入射し、この入射光
を指定の位置に結像させる光入射手段としてのレンズ
と、このレンズにより結像された光学像を複数の画素に
対応づけて分割し、各光学像をその輝度にしたがったデ
ィジタル画像信号に変換する光電変換手段としてのCC
D(Charge Coupled Device)を
備えて構成されており、ディジタル画像信号が信号線4
6を介して、計算機室48内の画像処理装置50に伝送
されるようになっている。また雲台42内には、カメラ
40の光軸の傾斜角を調整するためのコントローラやケ
ース44を駆動するためのリンク機構が内蔵されてお
り、コントローラが信号線46を介して画像処理装置5
0に接続されている。
【0032】画像処理装置50は、ディジタル画像信号
をディジタル画像のデータとして記憶する記憶手段とし
ての画像メモリと、画像メモリに記憶されたディジタル
画像のデータを処理して傾斜板描画帯16周辺の水位5
2を計測する水位計測手段としてのマイクロプロセッサ
を備えて構成されており、マイクロプロセッサにはモニ
タTV54、水位表示器56が接続されている。モニタ
TV54は、カメラ40の撮像による画像を表示する表
示手段として構成されており、水位表示器56は、画像
処理装置50の処理に伴う水位を表示する表示手段とし
て構成されている。
【0033】次に、図1に示すシステムを用いて水位を
計測するときの具体的な処理内容を図8ないし図12に
したがって説明する。
【0034】画像処理装置50は、図9に示す教示処理
プログラム200、オンライン計測処理プログラム20
2にしたがって傾斜板描画帯16周辺の水位52を計測
するようになっている。そして傾斜板描画帯16周辺の
水位52を実際に計測するに先立って、システム立ち上
げ時に、教示処理プログラム200にしたがって教示処
理Aを実行することとしている。この教示処理Aでは、
オペレータの操作に基づいて、量水標14の基準点をシ
ステムに教示したり、画像座標系(画面上の座標系)に
おける距離を地上の標高を示す世界座標系における距離
に変換するための距離変換係数を教示したりすることが
行なわれる。
【0035】具体的には、図8に示すように、モニタT
V54の画面上に、量水標14と傾斜板描画帯16周囲
の画像を表示した状態で教示を行なう。この場合、画面
上には、量水標14の画像として、実像部14aの画像
が表示されるとともに、量水標14の像が水面上で反射
したり、水面下からの屈折像が合成された虚像部14b
が画像として表示される。さらに、傾斜板描画帯16の
傾斜板20が実像部20aの画像として表示されるとと
もに、傾斜板20に入射した光が水面上で反射して得ら
れた反射像20b、傾斜板20に入射した光が水面下で
屈折して得られた屈折像20cの画像がそれぞれ表示さ
れる。
【0036】図8に示すような画像が表示されていると
きに、図9に示す教示処理Aが実行され、オペレータの
操作により、第1の基準点60が量水標14の実像部1
4a上に設定されると、図10に示すように、第1の基
準点60の画像座標系における座標と地上における標高
を示す世界座標系の座標がそれぞれ算出されて記憶され
る(ステップA−100)。次に、量水標14の実像部
14a上に第2の基準点62が設定されると、第2の基
準点62の画像座標系における座標と世界座標における
座標がそれぞれ算出されて記憶される(ステップA−2
00)。このあと、第1の基準点60と第2の基準点6
2とを結ぶ基準点間距離として、画像座標系における距
離ΔYgが算出される(ステップA−300)。次に、
地上の任意の点を基準点64とし、地上における基準点
間の距離として、第1の基準点60と基準点64との距
離をH1とし、地上における基準点間の距離として、基
準点62と基準点64との距離をH2とし、地上におけ
る基準点間の標高差ΔH=H1−H2が算出される(ス
テップA−400)。すなわち第1の基準点60と第2
の基準点62との地上における標高差が算出される。こ
の後、距離変換係数ε=ΔH/ΔYgが算出される。こ
の距離変換係数εに画面上の長さ(距離)を掛け算する
ことで、地上における高さ(距離)を求めることができ
る。
【0037】教示処理Aが終了したあとは、図9に示す
ように、画像処理装置50による画像処理が開始され、
計測対象からの画像を処理するために、傾斜板描画帯1
6周辺の画像を取り込む(ステップB)。この後、入力
したディジタル画像のデータにしたがって水面検知を実
行する(ステップC)。この水面検知では、水面境界を
画像処理で検知するために、図11に示すように、ま
ず、ディジタル画像を2値化するための処理が実行され
る(ステップC−100)。ディジタル画像信号がディ
ジタル画像のデータとして2値化されたあとは、図8に
示すように、傾斜板描画帯16の画像のうち傾斜板20
の実像部20aの一辺上に点Pを取る処理が自動的に行
なわれる(ステップC−200)。この後、点Pを、辺
に沿って変曲点Qまで下方に移動する処理が自動的に実
行される(ステップC−300)。この変曲点Qは実像
部20aの辺と反射像20bの辺との交点あるいは実像
部20aの辺と屈折像20cの辺との交点を示す点であ
る。そして水面位置は、実像部20aと反射像20bと
の接続部あるいは実像部20aと屈折像20cとの接続
部であることに基づいて、変曲点Qを水面位置とする処
理が自動的に行なわれる(ステップC−400)。水面
位置が検出されたときには、水位計算処理に移行する
(図9のステップD)。
【0038】水位計算処理では、図12に示すように、
水面位置を示す変曲点Qと量水標14の実像部14aに
設定された第1の基準点60との差Hが計測され、この
計測値、すなわち画像座標系における長さが計測される
(ステップD−100)。この後、差Hに距離変換係数
εを掛け算し、差Hを世界座標系における座標、すなわ
ち標高に変換する処理が実行される(ステップD−20
0)。この後、基準標高、すなわち基準位置64の標高
に、差Hに対応した世界座標系における標高を加算また
は減算し、変曲点Qの水位が算出される(ステップD−
300)。
【0039】水位が計測れたときには、この計測結果が
水位表示器56の画面上に表示される(図9のステップ
E)。
【0040】本実施形態によれば、ディジタル画像のデ
ータをアナログ信号に変換することなく、ディジタル画
像のデータを画像処理装置50において直接処理して水
位を算出するようにしているため、傾斜板描画帯16周
辺の水位52を高精度に計測することができる。
【0041】次に、本発明の他の実施形態を図13ない
し図15にしたがって説明する。
【0042】本実施形態は、電動による巻き上げ機とし
て電動式巻き上げ機構66を用いたものであり、電動式
巻き上げ機構66は、箱型に形成されたケース68、シ
ャフト70、歯車72、74、フレキシブルカップリン
グ76、電動機78を備えて構成されており、シャフト
70には、窓部80を介して傾斜板描画帯16の上端部
側が巻き付けられている。シャフト70は、ケース68
の側壁に回転自在に連結されており、シャフト70の軸
方向端部には歯車72が連結されている。この歯車72
は歯車74と噛み合うように配置されており、歯車74
はフレキシブルカップリング76を介して電動機78の
回転軸に連結されている。そして電動機78が正転駆動
されると、電動機78の回転駆動力が動力伝達用のフレ
キシブルカップリング76を介して歯車74に伝達さ
れ、歯車74の回転に伴って歯車72が回転し、傾斜板
描画帯16が巻き上げられるようになっている。一方、
電動機78が逆転駆動されたときには、傾斜板描画帯1
6が巻き下げられるようになっている。このとき電動機
78の駆動量を調整することで傾斜板描画帯16の巻き
下げ量を自在に調整することができる。
【0043】本実施形態によれば、電動機78の駆動力
を利用して傾斜板描画帯16を巻き上げたり巻き下げた
りすることができるため、水面下での作業が不要とな
り、傾斜板描画帯16の取付あるいは取外し作業を容易
に行なうことができる。
【0044】なお、歯車72、74の代わりに、ウオー
ムギヤを用いることもできる。
【0045】次に、本発明の第3実施形態を図16およ
び図17にしたがって説明する。
【0046】本実施形態は、傾斜板描画帯16の長手方
向上端部を支持部材に連結したものであり、傾斜板描画
帯16の上端部がワイヤ82を介して支持機構84に連
結されている。支持機構84はケース86、支持台8
8、ベース90、支持ピン92、サポート板94、96
を備えて構成されており、ベース90がコンクリート壁
12の上部にアンカーボルト98によって固定されてい
る。支持台88はベース90上に固定されており、サポ
ート板94、96は支持台88の両側面に固定されてい
る。支持ピン92の両端側はサポート板94、96によ
って支持されている。そして支持ピン92の両端側には
傾斜板描画帯16と一体となって形成されたワイヤ82
が掛けられている。
【0047】本実施形態によれば、コンクリート壁12
に沿って吊り下げられた傾斜板描画帯16をワイヤ8
2、支持機構84を用いて支持することができ、傾斜板
描画帯16を補修するために取り外すときには、一対の
ワイヤ82を支持ピン92から外してワイヤ82を引き
上げることによって傾斜板描画帯16を引き上げること
ができる。一方、傾斜板描画帯16を取り付けるときに
は、一対のワイヤ82をそれぞれ支持ピン92に掛けた
状態で傾斜板描画帯16を徐々に引き下げることで傾斜
板描画帯16を容易に取り付けることができる。
【0048】本実施形態によれば、傾斜板描画帯16の
取付あるいは取外し作業を容易に行なうことができる。
【0049】前記各実施形態によれば、ダム10内に水
が満たされているか満たされていないかによらず、コン
クリート壁12上部側から傾斜板描画帯16をコンクリ
ート壁12の壁面に沿って垂らすことで傾斜板描画帯1
6を設置することができ、取付作業を容易に行なうこと
ができる。さらに、傾斜板描画帯16の上端部を手動操
作あるいは電動によって引き下げたり、引き上げたりす
ることで傾斜板描画帯16の取付けあるいは取外し作業
を容易に行なうことができる。
【0050】また本実施形態によれば、水面下での作業
を行なうことなく傾斜板16の取付あるいは取外し作業
を行なうことができる。
【0051】さらに、前記各実施形態によれば、傾斜板
描画帯16には継ぎ目がないため、画像処理時に継ぎ目
による誤差が発生するのを防止することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
傾斜板描画帯の本体が、水と接する壁面に沿って壁面上
部から水中に渡って配置可能に構成されているため、水
面下の作業が不要となり、本体の取付あるいは取外し作
業を容易に行なうことができる。特に、本体を、屈曲性
を有する弾性体で構成することで、本体の取付あるいは
取外し作業を容易に行なうことができる。
【0053】また本体の長手方向上端部に支持部材を連
結することで、本体を、例えば、ダムのコンクリート壁
上部側から吊り下げたり吊り上げたりすることもでき
る。
【0054】さらに、本体の長手方向上端部を、手動操
作あるいは電動による巻き上げ機の巻き取り軸に巻きつ
けることで、本体の取付あるいは取外し作業をさらに容
易に行なうことができる。また本体の長手方向下端部に
錘を連結することで、本体が水によって揺れるのを防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す水位計測システムの
全体構成図である。
【図2】傾斜板描画帯と巻き上げ機構との関係を説明す
るための図である。
【図3】手動操作による巻き上げ機構の斜視図である。
【図4】巻き上げ機構の設置状態を説明するための要部
断面図である。
【図5】巻き上げ機構の内部構成を説明するための要部
断面図である。
【図6】(a)は巻き上げ機構の要部拡大図、(b)は
(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図7】傾斜板描画帯をシャフトに巻き取ったときの外
形図である。
【図8】図1に示すシステムの画像処理方法を説明する
ための図である。
【図9】教示処理とオンライン計測処理を説明するため
のフローチャートである。
【図10】教示処理の具体的内容を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図11】水面検知処理を説明するためのフローチャー
トである。
【図12】水位計算処理を説明するためのフローチャー
トである。
【図13】電動式巻き上げ機構の斜視図である。
【図14】電動式巻き上げ機構の縦断面図である。
【図15】図14のC−C線に沿う断面図である。
【図16】傾斜板描画帯と支持機構との関係を説明する
ための図である。
【図17】(a)は支持機構の設置状態を説明するため
の図、(b)は(a)のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
10 ダム 12 コンクリート壁 14 量水標 16 傾斜板描画帯 18 本体 20 傾斜板 22 巻き上げ機構 24 錘 28 シャフト 32 ハンドル 34 ラチェット 40 カメラ 42 雲台 48 計算機室 50 画像処理装置 54 モニタTV 56 水位表示器 66 電動式巻き上げ機構 70 シャフト 72、74 歯車 82 ワイヤ 84 支持機構 92 支持ピン
フロントページの続き (72)発明者 村木 和則 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 日 立プロセスコンピュータエンジニアリング 株式会社内 (72)発明者 米丘 孝幸 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 日 立プロセスコンピュータエンジニアリング 株式会社内 (72)発明者 辻川 秋雄 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 Fターム(参考) 2F014 AA14 AB01 AB02 AB03 FA04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状に形成された本体と、この本体の表
    面に前記本体の長手方向の中心線と交差する方向に沿っ
    て描かれた複数条の傾斜板とを備え、前記本体は、水と
    接する壁面に沿って壁面上部から水中に亘って配置可能
    に構成されてなる傾斜板描画帯。
  2. 【請求項2】 前記本体は、屈曲性を有する弾性体で構
    成されてなることを特徴とする請求項1記載の傾斜板描
    画帯。
  3. 【請求項3】 前記本体の長手方向上端部に支持部材が
    連結されてなることを特徴とする請求項1または2記載
    の傾斜板描画帯。
  4. 【請求項4】 前記本体の長手方向上端部は、手動操作
    による巻き上げ機の巻き取り軸に巻き付けられてなるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の傾斜板描画帯。
  5. 【請求項5】 前記本体の長手方向上端部は、電動によ
    る巻き上げ機の巻き取り軸に巻き付けられてなることを
    特徴とする請求項1または2記載の傾斜板描画帯。
  6. 【請求項6】 前記本体の長手方向下端部に錘が連結さ
    れてなることを特徴とする請求項1、2、3、4または
    5記載の傾斜板描画帯。
  7. 【請求項7】 水中から水面上方に亘って配置されて水
    位の目盛が付された量水標に隣接して配置された請求項
    1乃至6のうちいずれか1項に記載の傾斜板描画帯と、
    前記量水標と傾斜板描画帯からの光を入射しこの入射光
    を指定の位置に結像させる光入射手段と、この光入射手
    段により結像された光学像を複数の画素に対応づけて分
    割し各光学像をその輝度に従ったディジタル画像信号に
    変換する光電変換手段と、この光電変換手段の変換によ
    るディジタル画像信号をディジタル画像のデータとして
    記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されたディジ
    タル画像のデータを処理して前記傾斜板描画帯周辺の水
    位を計測する水位計測手段とを備えてなる水位計測シス
    テム。
  8. 【請求項8】 水中から水面上方に亘って配置されて水
    位の目盛が付された量水標に隣接して配置された請求項
    1乃至6のうちいずれか1項に記載の傾斜板描画帯と、
    前記量水標と傾斜板描画帯からの光を入射しこの入射光
    を指定の位置に結像させる光入射手段と、この光入射手
    段により結像された光学像を複数の画素に対応づけて分
    割し各光学像をその輝度に従ったディジタル画像信号に
    変換する光電変換手段と、この光電変換手段の変換によ
    るディジタル画像信号をディジタル画像のデータとして
    記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されたディジ
    タル画像のデータを処理して前記傾斜板描画帯周辺の水
    位を計測する水位計測手段と、前記記憶手段に記憶され
    たデータに従った画像と前記水位計測手段の計測結果を
    表示する表示手段とを備えてなる水位計測システム。
  9. 【請求項9】 前記水位計測手段は、前記記憶手段に記
    憶されたディジタル画像のデータのうち前記傾斜板の実
    像部と虚像部とが交差する位置のデータを水面として、
    この水面位置における画像上の座標を、地上の標高を示
    す世界座標系の座標に変換し、変換された座標に従って
    水位を計測してなることを特徴とする請求項7または8
    記載の水位計測システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013104216A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Fujita Corp 水中コンクリート打設方法及び装置

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