JP2000333972A - 歯科用補強材およびそれを用いた義歯 - Google Patents

歯科用補強材およびそれを用いた義歯

Info

Publication number
JP2000333972A
JP2000333972A JP15259799A JP15259799A JP2000333972A JP 2000333972 A JP2000333972 A JP 2000333972A JP 15259799 A JP15259799 A JP 15259799A JP 15259799 A JP15259799 A JP 15259799A JP 2000333972 A JP2000333972 A JP 2000333972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dental
reinforcing
trunk
denture
wax
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP15259799A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Akazawa
良 赤澤
Takeo Morifuji
武夫 森藤
Kenichiro Miama
健一朗 美甘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KAWAI KK
Original Assignee
KAWAI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KAWAI KK filed Critical KAWAI KK
Priority to JP15259799A priority Critical patent/JP2000333972A/ja
Publication of JP2000333972A publication Critical patent/JP2000333972A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dental Prosthetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】残存歯列に容易に対応できるとともに、人工歯
直下のレジン床を強化して咬合圧に対して高い強度が得
られる歯科用補強材およびそれを用いた義歯ならびに義
歯の製造方法を提供すること。 【解決手段】歯科用補強材1が、塑性変形可能な金属か
らなり、左右方向に延びる前辺部6および前辺部6の両
端から左右対称状に延設された1対の側辺部7を有する
補強幹部5と、補強幹部5から外方へ向けて櫛歯状に設
けられた多数の枝部11,12を有する保持体部10と
を備えてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジン床義歯の補
強に使用される歯科用補強材およびそれを用いた義歯な
らびに義歯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レジン床義歯の補強材には、例え
ば、ステンレス鋼線や金属撚線等からなる補強線材、ま
たは、予め口腔形状に合わせて成形した、金属製多孔板
からなる補強板材等が用いられている。
【0003】補強線材を用いたものは、患者より採得し
た口腔模型に合わせて補強線材を適宜長さに切断すると
ともに、屈曲形成してレジン床に埋設し、人工歯を植設
して義歯が形成されていた。
【0004】このレジン床に補強線材を埋設する義歯の
製造方法は、一般には、以下の手順で行われている。
【0005】 口腔模型にワックスを盛って蝋堤を作
成し、 その蝋堤上に人工歯を排列して蝋義歯を作成し、試
適する、 補強線材56を屈曲形成して蝋義歯55内に埋入す
るとともに、必要に応じてクラスプを蝋義歯55内に埋
入し、 次いで、上下分割形フラスコ50に蝋義歯55を内
装し、歯科用埋没材を用いて、まず、下半部50aに下
埋没材51を注入して口腔模型54とにより下型部分を
形成し、次に、上半部50bに上埋設材52を注入して
上型部分を型取りし(図13参照)、 流蝋して、上下分割形鋳型を作成し、 その下型の上面にレジンを定置し、上型で加圧する
とともに加熱重合して、補強線材が埋設されたレジン床
を有する義歯を作成する、工程を経て製造されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の歯科用補強材を用いた義歯は、例えば、上述の補強
線材を用いたものにおいては、補強線材自体の形状安定
性が悪く、かつレジン床と補強線材との密着性が弱いた
め、義歯に強い咬合圧力が加わったとき、変形して両者
がずれて隙間が生じ、レジン床にひび割れが発生すると
いう問題があった。
【0007】また、従来の製造方法においては、試適時
には、蝋義歯に補強線材が埋設されていないため、蝋義
歯の強度が弱く、その取扱いに細心の注意を必要として
いた。またレジン床成形に際して、上型と下型との合わ
せ面(図13に符号53で示す)にばりが発生し、成形
後に、ばりを取り除く手間がかかるという問題があっ
た。
【0008】また、多孔板からなる補強板材を用いたも
のは、口腔の大きさに対応する大小の寸法のものを必要
とし、残存歯がある場合には、補強板材を残存歯列形状
に合わせて切り欠くのが難しく、その加工に極めて手間
がかかり、またレジン床が厚肉になるという問題があっ
た。
【0009】この発明は上記にかんがみてなされたもの
であり、その目的とするところは、残存歯列に容易に対
応できるとともに、人工歯直下のレジン床を強化して咬
合圧に対して高い強度が得られる歯科用補強材およびそ
れを用いた義歯ならびに義歯の製造方法を提供しようと
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するためになされたものであり、第1の発明の歯科用
補強材は、塑性変形可能な金属製板材からなる歯科用補
強材であって、左右方向に延びる前幹部および該前幹部
の両端から左右対称状に延設された1対の側幹部を有す
る補強幹部と、前記補強幹部から少なくとも外方へ向け
て櫛歯状に設けられた多数の枝部を有する保持体部と、
を備えてなることを特徴とする歯科用補強材である。
【0011】第2の発明の歯科用補強材は、塑性変形可
能な金属製鋳造材からなる歯科用補強材であって、左右
方向に延びる前幹部および該前幹部の両端から左右対称
状に延設された1対の側幹部を有するとともに歯槽堤部
の内側に沿って屈曲形成および長さが調節された補強幹
部と、前記補強幹部から少なくとも外方へ向けて櫛歯状
に設けられた多数の枝部を有するとともに該枝部が歯槽
堤部斜面に沿いかつ該枝部先端が歯槽頂を越えて形成さ
れた保持体部と、を備えてなることを特徴とする歯科用
補強材である。
【0012】第3の発明の歯科用補強材は、請求項1、
請求項2の何れかに記載の歯科用補強材であって、前記
歯科用補強材の保持体部は、残存歯列に合わせて前記枝
部が部分的に削除されてなることを特徴とする歯科用補
強材である。
【0013】第4の発明の義歯は、人工歯を植設したレ
ジン床に歯科用補強材が埋設された義歯であって、前記
歯科用補強材は、塑性変形可能な金属製板材からなり、
左右方向に延びる前幹部および該前幹部の両端から左右
対称状に延設された1対の側幹部を有する補強幹部と、
前記補強幹部から少なくとも外方へ向けて櫛歯状に設け
られた多数の枝部を有する保持体部と、を備えて形成さ
れ、該歯科用補強材の補強幹部が前記レジン床の歯槽堤
部の内側に沿って屈曲形成および長さが調節されるとと
もに、前記保持体部の枝部が歯槽堤部斜面に沿いかつ該
枝部先端が歯槽頂を越えて形成され、前記歯科用補強材
の補強幹部が前記レジン床の歯槽堤部の内側に沿い、か
つ前記枝部先端が前記レジン床の歯槽頂を越えて埋設さ
れてなることを特徴とする義歯である。
【0014】第5の発明の義歯は、人工歯を植設したレ
ジン床に歯科用補強材が埋設された義歯であって、前記
歯科用補強材は、塑性変形可能な金属製鋳造材からな
り、左右方向に延びる前幹部および該前幹部の両端から
左右対称状に延設された1対の側幹部を有するとともに
歯槽堤部の内側に沿って屈曲形成および長さが調節され
た補強幹部と、前記補強幹部から少なくとも外方へ向け
て櫛歯状に設けられた多数の枝部を有するとともに該枝
部が歯槽堤部斜面に沿いかつ該枝部先端が歯槽頂を越え
て形成された保持体部と、を備えて形成され、前記歯科
用補強材の補強幹部が前記レジン床の歯槽堤部の内側に
沿い、かつ前記枝部先端が前記レジン床の歯槽頂を越え
て埋設されてなることを特徴とする義歯である。
【0015】第6の発明の義歯製造方法は、口腔模型に
基づいてレジン床を形成するとともに該レジン床を歯科
用補強材で補強した義歯の製造方法であって、 塑性変形可能な金属製板材からなり、左右方向に延
びる前幹部および該前幹部の両端から左右対称状に延設
された1対の側幹部を有する補強幹部と、前記補強幹部
から少なくとも外方へ向けて櫛歯状に設けられた多数の
枝部を有する保持体部と、を備えた歯科用補強材を用
い、その補強幹部を屈曲形成および長さを調節するとと
もに前記保持体部の枝部を屈曲形成および長さを調節し
て、該歯科用補強材を前記口腔模型に合わせて調製し、 調製された前記歯科用補強材の保持体部にクラスプ
を固着し、 その歯科用補強材を芯材として前記口腔模型上に蝋
堤を作成し、 前記蝋堤に人工歯を排列して蝋義歯を作成し、試適
する、 試適した蝋義歯を埋没形フラスコ内に支持するとと
もに、前記蝋義歯から埋没形フラスコ外へ通ずる蝋排出
道を設け、 蝋義歯を内蔵した埋没形フラスコ内に歯科用埋没材
を注入して充填し、 前記埋没形フラスコ内の歯科用埋没材の固化後、加
熱して前記蝋排出道を介して流蝋して、一体形鋳型を作
成し、 前記一体形鋳型にレジンを注入し重合固化して、前
記歯科用補強材が埋設されたレジン床を有する義歯を作
成する、 の工程順からなることを特徴とする義歯の製造方法であ
る。
【0016】第7の発明の義歯の製造方法は、口腔模型
に基づいてレジン床を形成するとともに該レジン床を歯
科用補強材で補強した義歯の製造方法であって、 塑性変形可能な金属製鋳造材からなり、左右方向に
延びる前幹部および該前幹部の両端から左右対称状に延
設された1対の側幹部を有するとともに歯槽堤部の内側
に沿って屈曲形成および長さが調節された補強幹部と、
前記補強幹部から少なくとも外方へ向けて櫛歯状に設け
られ長さが調節された多数の枝部を有するとともに該枝
部が歯槽堤部斜面に沿いかつ該枝部先端が歯槽頂を越え
て形成された保持体部と、を備えた歯科用補強材を用
い、 前記歯科用補強材の保持体部にクラスプを固着し、 その歯科用補強材を芯材として前記口腔模型上に蝋
堤を作成し、 前記蝋堤に人工歯を排列して蝋義歯を作成し、試適
する、 試適した蝋義歯を埋没形フラスコ内に支持するとと
もに、前記蝋義歯から埋没形フラスコ外へ通ずる蝋排出
道を設け、 蝋義歯を内蔵した埋没形フラスコ内に歯科用埋没材
を注入して充填し、 前記埋没形フラスコ内の歯科用埋没材の固化後、加
熱して前記蝋排出道を介して流蝋して、一体形鋳型を作
成し、 前記一体形鋳型にレジンを注入し重合固化して、前
記歯科用補強材が埋設されたレジン床を有する義歯を作
成する、 の工程順からなることを特徴とする義歯の製造方法であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施態様を図面
に基づいて説明する。
【0018】図1〜4は、この発明の歯科用補強材の第
一の実施態様を示す。
【0019】図1において、符号1で示す歯科用補強材
(以下、補強材1と略称す)は、塑性変形可能な金属
板、例えば、ステンレス鋼薄板からなり、プレス加工打
ち抜き、またはレーザ加工により切断されて、一体形成
された補強幹部5と、保持体部10とを備えて構成され
ている。
【0020】補強幹部5は、本例では、所定幅を有して
左右方向へ弧線状に延びる前幹部6と、前幹部6の両端
から図の下方へ、それぞれ所定角度で末広がり状に延び
た側幹部7,7とを有して形成されている。
【0021】保持体部10は、補強幹部5より外方へ向
けて櫛の歯状に延びる多数の枝部11,12,12を有
して形成されている。この枝部11は、補強幹部5より
狭い幅員を有して形成され、前幹部6より図の上方へ向
けて放射状に突設されている。枝部12は、補強幹部5
より稍狭い幅員を有し、側幹部7に直交して外側方へ向
けて突設されている。そして、補強材1の表面には、後
述するレジン床21との結合を強化するための金属−レ
ジン結合剤が塗布されている。
【0022】なお、図1に示す補強材1は、例えば上顎
用の義歯に使用される。また補強材1表面に、レジン床
21との結合強化のために、サンドブラスト加工、また
はプレス加工による微細凹凸部を設けてもよい。
【0023】また、補強幹部5の内方に、例えば、図2
に示すように多数の枝部11,12,12と対応する位
置に、多数の小枝部13,14,14を内方へ向けて櫛
の歯状に設けてもよい。この小枝部13,14,14の
長さは、枝部11,12,12の突設長さの1/3〜1
/5程度に設定される。これにより、補強材1とレジン
床21との結合性向上、およびレジン床21の強化を行
うことができる。
【0024】また、前幹部6、側幹部7,7、枝部1
1,12,12の外縁線を、図例の直線以外に、波形
線、ジグザグ状線等で形成してもよい。さらに、補強材
1表面を、金色や、レジン床と同色等の着色加工を行っ
てもよい。
【0025】図3は、変形例の補強材2を示す。なお、
以下では補強材1と同一あるいは同等な構成要素は、同
一符号を付して説明を省略する。
【0026】この補強材2は、補強幹部5が直線状の前
幹部6と、前幹部6の両端から稍斜め下向きに、それぞ
れ側方へ延びた側幹部7,7を有し、枝部11は、前幹
部6に直交して図2の上方へ向けて設けられている。こ
の補強材2は、例えば下顎用の義歯に使用され、両側幹
部7,7間の角度、各部の寸法等を除いて補強材1と略
同様に形成されている。
【0027】上記のように構成された補強材1は、患者
より採得した口腔模型に合わせて、補強幹部5の前幹部
6、側幹部7,7を屈曲するとともに、保持体部10の
枝部11,12,12を歯槽頂を越えて屈曲して、例え
ば、図4に示す全部床義歯用に屈曲形成された補強材1
Aが形成される。このとき補強幹部5の前幹部6と側幹
部7,7とは、図4の側面視において略同一平面上にあ
る。なお、口腔寸法の大小に対しては、側幹部7,7の
長さ、および枝部11,12,12の長さが適宜切断さ
れる。
【0028】また、残存歯がある場合は、補強材1は、
残存歯列に合わせて所要の枝部11,12,12が切断
されるとともに、補強幹部5、保持体部10を屈曲し
て、部分床義歯用の補強材1Bが形成される(図5参
照)。
【0029】図6,7は、補強材1Aを用いて作られた
義歯20Aの例を示す。
【0030】義歯20Aは、上記口腔模型に合わせて作
られたレジン床21を有し、レジン床21には補強材1
Aが埋設されるとともに、人工歯25が植設されてい
る。
【0031】レジン床21は、レジンとして、例えば、
加熱重合可能なアクリル系樹脂(PMMA等)が使用さ
れている。そして歯槽堤部22の内側に沿って、補強材
1Aの補強幹部5が埋設されるとともに、保持体部10
の枝部11,12,12が内側斜面22aに沿い、かつ
枝部11,12,12の先端は、それぞれ歯槽頂23を
越えて埋設されている。この枝部11,12先端部は、
レジン床21外縁部の変形を防止している。
【0032】図8,9は、補強材1Bを用いて作られた
義歯20Bの例を示す。
【0033】義歯20Bは、残存歯を有する口腔模型に
合わせて作られたレジン床21を有し、レジン床21に
は、複数のクラスプ15を有する補強材1Bが埋設され
るとともに、人工歯25が植設されている。なお、補強
材1は、切断される枝部11,12の基部11a,12
aを僅かに残すことにより、補強幹部5の縁辺が凹凸状
となり、レジン床21との密着性を向上できる。
【0034】上記クラスプ15は、例えば、白金加金線
等の金属線からなり、鉤腕16と脚部17とを有し、脚
部17が所要の枝部12に鑞着により固着されている。
この脚部17の枝部12(または枝部11)への固定
は、クラスプ15近傍の2本の枝部12に固着すること
により、クラスプ15の脚部17長を短くできるととも
に、安定的に固定でき、その枝部12自体も強化するこ
とができる。
【0035】図10は、補強材2を用いて作られた義歯
20Cの例を示す。この義歯20Cのレジン床21に
は、補強材2を屈曲形成した補強材2Aが埋設されてい
る。この補強材2Aにおいても、部分床義歯用補強材を
形成できることは勿論である。
【0036】次に、第一の実施態様の補強材1を用いた
義歯の製造方法の一実施態様を、義歯20Bを参照して
説明する。
【0037】本発明の製造方法は、以下の手順により進
められる。
【0038】 補強材1を用い、補強幹部5および保
持体部10の枝部11,12,12を、予め患者より採
得した口腔模型30に合わせて屈曲し、長さを調節して
補強材1B(図5参照)を調製し、 補強材1Bの保持体部10にクラスプ15を固着
(図8参照)し、 口腔模型30上に、クラスプ15を固着した補強材
1B芯材として蝋堤31を形成する。
【0039】 蝋堤31上に人工歯25を排列して蝋
義歯32を作成し(図11参照)、試適する、 次いで蝋義歯32を、該蝋義歯32全体を包蔵可能
な埋没形フラスコ35内に定置、支持するとともに、蝋
義歯32の蝋堤31から、埋没形フラスコ35の底面3
5aの蝋排出口36に延びる蝋排出道33を設ける、
(なお、埋没形フラスコ35は、その筒状本体の上下
に、着脱可能な底面35a,蓋体35bを備えて形成さ
れている) 蝋義歯32を内蔵した埋没形フラスコ25内に歯科
用埋没材37、例えば、石膏を注入して、歯科用埋没材
37で蝋義歯32を囲繞するとともに、埋没形フラスコ
25内に歯科用埋没材37を充填し(図12参照)、 埋没形フラスコ35内の歯科用埋没材37の固化
後、該埋没形フラスコ35を加熱して、蝋義歯32の蝋
堤31を溶融し蝋排出道33を介して排出、流蝋して、
口腔模型30と固化した歯科用埋没材37とが一体化し
た一体形鋳型を作成し、 続いて、上記一体形鋳型に柔軟状態にあるレジン、
例えば、PMMAを注入、充填し、重合固化してレジン
床21を形成する。この工程順により、補強材1Bが埋
設されたレジン床21、人工歯25を有する義歯20B
(図9参照)が得られる。
【0040】なお、全部床義歯の義歯20Aの場合は、
上記工程が省略される。また、本発明の義歯の製造方
法においては、歯科用補強材として、従来例に示した補
強線材を用いることもできる。その場合、本発明の歯科
用補強材による特徴的な作用効果を除いて、レジン床に
ばり等のない義歯を得る効果がある。
【0041】次に、第二の実施態様である塑性変形可能
な金属製鋳造材からなる補強材、それを用いた義歯、お
よびその義歯の製造方法について説明する。なお、以下
では金属製板材からなる第一の実施態様の補強材1、お
よび補強材1A,1B、それを用いた義歯20A,20
B、その製造方法と形状が略同一の部分については、そ
の説明に用いた図1〜12を引用する。
【0042】第二の実施態様の金属製鋳造材からなる補
強材は、例えば、16金、またはパラジウム合金、白金
加金等の金属からなり、公知のインベストメント鋳造法
により、図4に示す形状を有する補強材1A、または図
5に示す形状を有する補強材1Bが鋳造品として形成さ
れている。
【0043】ここで、インベストメント鋳造法による補
強材の形成を、補強材1Bを例にして説明する。
【0044】まず、蝋または光重合型樹脂等を用いて、
例えば、図1に補強材1で示す形状を有する平板状の模
型原形が製作される。なお、補強幹部5、枝部11,1
2の横断面形状は、長方形、方形、長円形、円形等、随
意に形成することができる。
【0045】この蝋製模型原形(または樹脂製模型原
形)は柔軟性を有しており、それを口腔模型30に合わ
せて補強幹部5を歯槽堤部の内側に沿い、また枝部1
1,12は歯槽堤部斜面に沿わせるとともに、その先端
を歯槽頂を越えるようにして屈曲し、長さを調節して
(必要なら蝋片等の追加により枝部11,12の延長も
可能)、図5に示す補強材1B相当形状の模型を調製す
る。
【0046】そして、補強材1B形状の模型を使用して
鋳型を作成し、インベストメント鋳造法の定法により、
上述の金属を溶融して注入し、図5に示す形状を有する
補強材1Bが得られる。
【0047】この第二の実施態様の補強材1Bによれ
ば、補強幹部5、枝部11,12の横断面設定が容易
で、補強材の剛性を大にすることができる。また模型原
形の口腔模型30形状への順応性が高く、形状再現性が
大である。
【0048】この補強材1Bは、第一の実施態様と同様
にクラスプ15が固着され、レジン床21へ埋設され
て、図9に示すような義歯20Bが形成される。
【0049】以下に、第二の実施態様における塑性変形
可能な金属製鋳造材からなる補強材1Bを用いた義歯2
0Bの製造方法について説明する。
【0050】工程では、上述の模型原形の作成、補強
材1B相当形状の模型の形成と、それによる鋳型の形成
の過程を経て、インベストメント鋳造法により、予め患
者より採得した口腔模型30に合致させて、補強幹部5
および保持体部10の枝部11,12,12を屈曲し、
長さが調節された、例えば、18金からなる鋳造品であ
る補強材1Bを作成し、その補強材1を用い、続いて工
程へ移行する。なお、その後の〜の各工程は、第
一の実施態様の補強材1を用いた義歯の製造方法の各工
程と同様である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明の金属製板材
からなる歯科用補強材は、補強幹部と保持体部とを備え
た構成なので、屈曲形成が自在で歯茎形状に合わせ易
く、また切断し易く、残存歯列形状に容易に対応するこ
とができる。
【0052】また、金属製鋳造材からなる歯科用補強材
は、補強幹部と保持体部とを備え、それらが鋳造用の模
型調製段階で口腔模型に従って屈曲形成、長さ調節して
鋳造された構成なので、歯茎形状に合わせ易く、残存歯
列形状に容易に対応することができるとともに、補強材
自体の剛性を大にすることができる。
【0053】これらの補強材は、補強材自体の形状安定
性が良く、義歯のレジン床形状を安定して保持できると
ともに、保持体部へクラスプを容易に安定的に固着で
き、かつ補強材を安価に形成することができる。
【0054】また、本発明の歯科用補強材を用いた義歯
は、保持体部が歯槽頂を越えてレジン床に埋設されてい
るので、人工口歯直下のレジン床を強化して、咬合圧に
対して高い強度を得ることができる。
【0055】また、多数の枝部からなる保持体部の構成
により、レジン床との密着性を高めるとともに、レジン
床肉圧を薄くすることができ、かつ半透明なレジン床の
使用により保持体部形状を透過して、義歯の見栄えを良
くすることができる。
【0056】さらに、本発明の義歯の製造方法によれ
ば、屈曲形成した補強材を芯として蝋堤を作成するの
で、蝋堤が堅固に形成できるとともに、義歯製造工程の
早い段階で適合精度を確認でき、精度の高い蝋義歯を迅
速、適確に形成することができる。
【0057】また、一体形鋳型により、精度の高いレジ
ン床を成形できるとともに、レジン床のばり発生を防止
することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施態様の歯科用補強材を示す
平面図。
【図2】図1の歯科用補強材に小枝部を設けた例を示す
平面図。
【図3】変形例の歯科用補強材を示す平面図。
【図4】図1の補強材の屈曲形成状態を示す斜視図。
【図5】図1の補強材の屈曲形成、部分削除状態を示す
斜視図。
【図6】図4の補強材を使用した義歯の斜視図。
【図7】図6の断面図。
【図8】図5の補強材にクラスプを固着した状態を示す
斜視図。
【図9】図8の補強材を使用した義歯の斜視図。
【図10】図3の補強材を屈曲して使用した義歯の斜視
図。
【図11】本発明の義歯の製造方法における蝋義歯と口
腔模型を示す断面図。
【図12】同じく、製造方法における蝋義歯の蝋排出道
および埋没形フラスコにおける歯科用埋没材充填を示す
断面図。
【図13】従来の上下分割形フラスコにおける上,下型
部分の型取り断面図。
【符号の説明】
1,1A,1B,2,2A 補強材 5 補強幹部 6 前幹部 7 側幹部 10 保持体部 11,12 枝部 15 補強材 20A,20B,20C 義歯 21 レジン床 23 歯槽頂 25 人工歯 30 口腔模型 31 蝋堤 32 蝋義歯 33 蝋排出道 35 埋没形フラスコ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美甘 健一朗 愛知県名古屋市昭和区南分町6丁目36番地 株式会社カワイ内 Fターム(参考) 4C059 FF03 FF21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塑性変形可能な金属製板材からなる歯科
    用補強材であって、 左右方向に延びる前幹部および該前幹部の両端から左右
    対称状に延設された1対の側幹部を有する補強幹部と、 前記補強幹部から少なくとも外方へ向けて櫛歯状に設け
    られた多数の枝部を有する保持体部と、 を備えてなることを特徴とする歯科用補強材。
  2. 【請求項2】 塑性変形可能な金属製鋳造材からなる歯
    科用補強材であって、 左右方向に延びる前幹部および該前幹部の両端から左右
    対称状に延設された1対の側幹部を有するとともに歯槽
    堤部の内側に沿って屈曲形成および長さが調節された補
    強幹部と、 前記補強幹部から少なくとも外方へ向けて櫛歯状に設け
    られた多数の枝部を有するとともに該枝部が歯槽堤部斜
    面に沿いかつ該枝部先端が歯槽頂を越えて形成された保
    持体部と、 を備えてなることを特徴とする歯科用補強材。
  3. 【請求項3】 請求項1、請求項2の何れかに記載の歯
    科用補強材であって、 前記歯科用補強材の保持体部は、残存歯列に合わせて前
    記枝部が部分的に削除されてなることを特徴とする歯科
    用補強材。
  4. 【請求項4】 人工歯を植設したレジン床に歯科用補強
    材が埋設された義歯であって、 前記歯科用補強材は、塑性変形可能な金属製板材からな
    り、 左右方向に延びる前幹部および該前幹部の両端から左右
    対称状に延設された1対の側幹部を有する補強幹部と、 前記補強幹部から少なくとも外方へ向けて櫛歯状に設け
    られた多数の枝部を有する保持体部と、を備えて形成さ
    れ、 該歯科用補強材の補強幹部が前記レジン床の歯槽堤部の
    内側に沿って屈曲形成および長さが調節されるととも
    に、前記保持体部の枝部が歯槽堤部斜面に沿いかつ該枝
    部先端が歯槽頂を越えて形成され、 前記歯科用補強材の補強幹部が前記レジン床の歯槽堤部
    の内側に沿い、かつ前記枝部先端が前記レジン床の歯槽
    頂を越えて埋設されてなることを特徴とする義歯。
  5. 【請求項5】 人工歯を植設したレジン床に歯科用補強
    材が埋設された義歯であって、 前記歯科用補強材は、塑性変形可能な金属製鋳造材から
    なり、 左右方向に延びる前幹部および該前幹部の両端から左右
    対称状に延設された1対の側幹部を有するとともに歯槽
    堤部の内側に沿って屈曲形成および長さが調節された補
    強幹部と、 前記補強幹部から少なくとも外方へ向けて櫛歯状に設け
    られた多数の枝部を有するとともに該枝部が歯槽堤部斜
    面に沿いかつ該枝部先端が歯槽頂を越えて形成された保
    持体部と、を備えて形成され、 前記歯科用補強材の補強幹部が前記レジン床の歯槽堤部
    の内側に沿い、かつ前記枝部先端が前記レジン床の歯槽
    頂を越えて埋設されてなることを特徴とする義歯。
  6. 【請求項6】 口腔模型に基づいてレジン床を形成する
    とともに該レジン床を歯科用補強材で補強した義歯の製
    造方法であって、 塑性変形可能な金属製板材からなり、左右方向に延
    びる前幹部および該前幹部の両端から左右対称状に延設
    された1対の側幹部を有する補強幹部と、前記補強幹部
    から少なくとも外方へ向けて櫛歯状に設けられた多数の
    枝部を有する保持体部と、を備えた歯科用補強材を用
    い、 その補強幹部を屈曲形成および長さを調節するとともに
    前記保持体部の枝部を屈曲形成および長さを調節して、
    該歯科用補強材を前記口腔模型に合わせて調製し、 調製された前記歯科用補強材の保持体部にクラスプ
    を固着し、 その歯科用補強材を芯材として前記口腔模型上に蝋
    堤を作成し、 前記蝋堤に人工歯を排列して蝋義歯を作成し、試適
    する、 試適した蝋義歯を埋没形フラスコ内に支持するとと
    もに、前記蝋義歯から埋没形フラスコ外へ通ずる蝋排出
    道を設け、 蝋義歯を内蔵した埋没形フラスコ内に歯科用埋没材
    を注入して充填し、 前記埋没形フラスコ内の歯科用埋没材の固化後、加
    熱して前記蝋排出道を介して流蝋して、一体形鋳型を作
    成し、 前記一体形鋳型にレジンを注入し重合固化して、前
    記歯科用補強材が埋設されたレジン床を有する義歯を作
    成する、 の工程順からなることを特徴とする義歯の製造方法。
  7. 【請求項7】 口腔模型に基づいてレジン床を形成する
    とともに該レジン床を歯科用補強材で補強した義歯の製
    造方法であって、 塑性変形可能な金属製鋳造材からなり、左右方向に
    延びる前幹部および該前幹部の両端から左右対称状に延
    設された1対の側幹部を有するとともに歯槽堤部の内側
    に沿って屈曲形成および長さが調節された補強幹部と、
    前記補強幹部から少なくとも外方へ向けて櫛歯状に設け
    られ長さが調節された多数の枝部を有するとともに該枝
    部が歯槽堤部斜面に沿いかつ該枝部先端が歯槽頂を越え
    て形成された保持体部と、を備えた歯科用補強材を用
    い、 前記歯科用補強材の保持体部にクラスプを固着し、 その歯科用補強材を芯材として前記口腔模型上に蝋
    堤を作成し、 前記蝋堤に人工歯を排列して蝋義歯を作成し、試適
    する、 試適した蝋義歯を埋没形フラスコ内に支持するとと
    もに、前記蝋義歯から埋没形フラスコ外へ通ずる蝋排出
    道を設け、 蝋義歯を内蔵した埋没形フラスコ内に歯科用埋没材
    を注入して充填し、 前記埋没形フラスコ内の歯科用埋没材の固化後、加
    熱して前記蝋排出道を介して流蝋して、一体形鋳型を作
    成し、 前記一体形鋳型にレジンを注入し重合固化して、前
    記歯科用補強材が埋設されたレジン床を有する義歯を作
    成する、 の工程順からなることを特徴とする義歯の製造方法。
JP15259799A 1999-05-31 1999-05-31 歯科用補強材およびそれを用いた義歯 Withdrawn JP2000333972A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15259799A JP2000333972A (ja) 1999-05-31 1999-05-31 歯科用補強材およびそれを用いた義歯

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15259799A JP2000333972A (ja) 1999-05-31 1999-05-31 歯科用補強材およびそれを用いた義歯

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000333972A true JP2000333972A (ja) 2000-12-05

Family

ID=15543913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15259799A Withdrawn JP2000333972A (ja) 1999-05-31 1999-05-31 歯科用補強材およびそれを用いた義歯

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000333972A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3478222B1 (fr) * 2016-06-30 2021-10-27 Circle Centrale De Referencement Procédé de fabrication d'une prothèse dentaire partielle amovible par moulage à l'aide d'un moule réalisé en fabrication additive

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3478222B1 (fr) * 2016-06-30 2021-10-27 Circle Centrale De Referencement Procédé de fabrication d'une prothèse dentaire partielle amovible par moulage à l'aide d'un moule réalisé en fabrication additive
US11432914B2 (en) 2016-06-30 2022-09-06 Circle Anatoscope Intuitive Design Method for manufacture of a removable dental prosthesis by moulding with the aid of a mould formed by additive manufacture

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4778386A (en) Ring for the construction of dental crowns and method of restoration
KR100865079B1 (ko) 치열 교정용 브라켓 위치설정 지그 및 그 제조방법
JP5466121B2 (ja) 歯列矯正ワイヤ形成装置の製造方法及び歯列矯正ワイヤ
JPS58180143A (ja) 義歯及び/または橋義歯と維持歯及び/または歯冠との間のアタツチメント連結体とその製造方法
US4689013A (en) Modular system for restorative dentistry
JPH04231040A (ja) 歯の複合修復において用いられるマトリックスバンド
CA1129688A (en) Internal ceramic core
JP5155475B1 (ja) 義歯用金属床および義歯の製造方法
US5074791A (en) Method for constructing a dental bridge using a prefabricated pontic
US5102337A (en) Prefabricated thermoplastic clasp
JP4657673B2 (ja) 歯科補綴材
US4269595A (en) Prefabricated non-precious pontic
US3808687A (en) Method of making dental restorations and pontic member therefor
US2213964A (en) Artificial tooth
US3565387A (en) Prefabricated dental pattern having adjusting slot means
JP2000333972A (ja) 歯科用補強材およびそれを用いた義歯
US6267596B1 (en) Dental appliance
US4346750A (en) Method of making dental bridge using a prefabricated non-precious pontic
US3273242A (en) Dental crown and method of producing the same
US4571186A (en) Precision attachment for denture construction
US3457644A (en) Preformed pontic patterns
CN113995536A (zh) 加强构造一举埋入式有基托义齿及其制作方法
US20020162642A1 (en) Process for producing dental devices
US20050202369A1 (en) Pontic assembly
WO2010105069A1 (en) Convertible twin orthodontic brackets

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060801