JP2000331698A - ガスタービン排ガスを用いた燃料電池発電装置 - Google Patents

ガスタービン排ガスを用いた燃料電池発電装置

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JP2000331698A JP11138606A JP13860699A JP2000331698A JP 2000331698 A JP2000331698 A JP 2000331698A JP 11138606 A JP11138606 A JP 11138606A JP 13860699 A JP13860699 A JP 13860699A JP 2000331698 A JP2000331698 A JP 2000331698A
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cathode
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池の燃料利用率を向上する。 【解決手段】 カソードとアノードからなり酸素を含む
カソードガスと水素を含むアノードガスから発電する燃
料電池10と、カソードから排出されるカソード排ガス
とアノードから排出されるアノード排ガスとを燃焼する
燃焼器12と、この燃焼器12の燃焼排ガスで、燃料ガ
スライン20よりの蒸気を含む燃料ガスを改質してアノ
ードガスを生成しアノードに供給する改質器11と、こ
の改質器11に供給された燃焼排ガスをカソードに循環
させる炭酸ガスリサイクルライン22と、を備えた燃料
電池発電装置において、カソードにガスタービン1の排
ガスを供給するガスタービン排ガスライン7と、アノー
ド排ガスの一部を燃料ガスライン20に再循環するアノ
ード排ガス再循環ライン25と、を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンの排
ガスをカソードに供給する燃料電池発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池は、高効率で環境
への影響が少ないなど、従来の発電装置にない特徴を有
しており、水力、火力、原子力に続く発電システムとし
て注目を集め、現在鋭意研究が進められている。更に効
率を高めるためガスタービンとのコンバインドシステム
の開発も行われている。
【0003】図4はガスタービンと溶融炭酸塩型燃料電
池と結合したコンバインドシステムを示す。燃料電池発
電装置2は常圧型(電池内圧力約1.1kgf/cm2 )であ
り、ガスタービン1の排ガスには燃料電池10のカソー
ドで必要とする炭酸ガスや酸素が含まれており、圧力も
同じなので、この排ガスをカソードに供給する。燃料電
池10はアノードとカソードより構成され、アノードに
は改質器11よりアノードガスが供給される。アノード
からのアノード排ガスとカソードからのカソード排ガス
を触媒燃焼器12で燃焼し燃焼排ガスを改質器11に供
給する。改質器11は改質室と加熱室よりなり、改質室
は蒸気を含む燃料ガスを加熱室からの加熱と改質触媒に
より水素を含むアノードガスに改質しアノードに供給す
る。加熱室には触媒燃焼器12より燃焼排ガスが供給さ
れ、改質室を加熱し改質反応を促進する。この燃焼排ガ
スにはカソードが必要とする炭酸ガスを含んでおり炭酸
ガス再循環ブロワ15によりカソードガスとしてカソー
ドに供給される。
【0004】燃料ガスを供給する燃料ライン1と改質器
11で生成したアノードガスをアノードに供給するアノ
ードガスライン21との熱交換を行う燃料予熱器18が
設けられている。燃料予熱器18は、蒸気と混合した燃
料ガスを加熱するとともに、改質室で生成された高温の
アノードガスをアノードの温度に適した温度、例えば6
00℃程度に降温する働きをする。
【0005】カソードでは電池反応を行うために炭酸ガ
スと酸素を必要とする。このためガスタービン1と結合
していない単独の燃料電池ではカソードに空気ラインを
設け、空気と燃焼排ガスとの混合ガスをカソードガスと
し、カソードに供給している。ガスタービンとのコンバ
インシステムでは、この空気に代えて、炭酸ガスと酸素
を含む高温のガスタービン排ガスをカソードに、改質器
11からの燃焼排ガスと混合してカソードガスとして供
給する。このためガスタービンとのコンバインドシステ
ムでは、カソードガスは空気の場合より酸素濃度が低い
のが特徴である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】燃料電池の入口から出
口まで電池内での燃料利用率は85%以下に押えられて
いる。これ以上にすると電池内のガス配流の影響で局所
的に燃料不足が生ずる恐れがあるからである。このため
燃料利用率が上げられないので、残りの15%は燃焼器
で燃焼しなければならない。
【0007】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
ので、燃料電池の燃料利用率を向上することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、カソードとアノードからなり
酸素を含むカソードガスと水素を含むアノードガスから
発電する燃料電池と、カソードから排出されるカソード
排ガスとアノードから排出されるアノード排ガスとを燃
焼する燃焼器と、この燃焼器の燃焼排ガスで、燃料ガス
ラインよりの蒸気を含む燃料ガスを改質してアノードガ
スを生成し前記アノードに供給する改質器と、この改質
器に供給された燃焼排ガスをカソードに循環させる炭酸
ガスリサイクルラインと、を備えた燃料電池発電装置に
おいて、前記カソードにガスタービンの排ガスを供給す
るガスタービン排ガスラインと、前記アノード排ガスの
一部を前記燃料ガスラインに再循環するアノード排ガス
再循環ラインと、を設ける。
【0009】アノード排ガスには蒸気が多く含まれてい
るので、アノード排ガスを改質器に再循環させることに
より改質温度を低下することができる。アノード排ガス
中の未反応分は再びアノードに供給され電池内で反応す
るので、燃料利用率が向上する。燃料利用率上昇および
改質温度低下により、燃焼器での燃焼温度、燃焼排ガス
温度は低下するが、ガスタービンより高温の排ガスが供
給されるので、カソードに供給されるガスの温度をカソ
ードで必要とする温度に維持できる。また、改質温度が
下がり燃料ガスを加熱しなくてもよくなり、改質器で生
成するアノードガスの温度も低減し、アノード入口で必
要とされる温度になるので、従来用いていた燃料予熱器
が不要になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態のガ
スタービンと燃料電池発電装置とのコンバインドシステ
ムの全体構成図である。本図において図4と同一機能を
有するものは同一符号で表す。ガスタービン1は、空気
を加圧するコンプレッサ3と、この加圧さた空気と燃料
ガスを混合して燃焼する燃焼器4と、燃焼器4で発生す
る燃焼ガスで回転し、コンプレッサ3を駆動するととも
に、発電機6を駆動するタービン5より構成される。タ
ービン5より排出される高温の排ガスは、ガスタービン
排ガスライン7により、燃料電池発電装置2に供給され
る。
【0011】燃料電池発電装置2は、アノードとカソー
ドからなる燃料電池10と、改質室と加熱室よりなる改
質器11と、加熱室に燃焼排ガスを供給する触媒燃焼器
12と、カソード排ガスとガスタービンの排ガスにより
蒸気を発生する排熱回収蒸気発生器13と、この発生し
た蒸気で図示しない発電機を回転する蒸気タービンより
構成される。
【0012】天然ガス等の燃料ガスは、燃料ガスライン
20で蒸気と混合し改質室に供給さる。燃料電池10の
アノードからはアノード排ガスがアノード排ガスライン
23により触媒燃焼器12に供給される。またカソード
からはカソード排ガスがカソード排ガスライン24によ
り触媒燃焼器12に供給される。触媒燃焼器12では、
アノード排ガス中の未反応成分(水素、一酸化炭素、メ
タン等)が、カソード排ガス中に含まれる酸素と、燃焼
触媒のもとで燃焼し燃焼排ガスを生成する。
【0013】燃焼排ガスは改質器11の加熱室に供給さ
れ、改質室を加熱する。改質室では蒸気を含む燃料ガス
を改質触媒のもとで加熱して水素ガスを含むアノードガ
スを生成し、アノードガスライン21によりアノードに
供給する。加熱室より排出される燃焼排ガスには炭酸ガ
スが含まれており、これはカソードでの電池反応に必要
なので、炭酸ガス再循環ライン22の炭酸ガス再循環ブ
ロワ15でカソードへ供給される。
【0014】ガスタービン排ガスライン7は分岐して1
つは炭酸ガス再循環ブロワ15の出口側に接続され、ガ
スタービン1の排ガスをカソードに供給し、他はカソー
ド排ガスライン24に接続され、排熱回収蒸気発生器1
3に排ガスを供給する。排熱回収蒸気発生器13ではこ
の排ガスとカソード排ガスにより蒸気を発生し、蒸気タ
ービン14に供給する。蒸気タービン14ではこの蒸気
によりタービンを駆動し、図示しない発電機を駆動して
発電する。
【0015】アノード排ガスライン23と燃料ガスライ
ン20を結んでアノード排ガス再循環ライン25が設け
られ、アノード排ガス再循環ブロワ16によりアノード
排ガスを蒸気を含む燃料ガスとともに改質室に送り込
み、アノードガスを生成してアノードに供給し、アノー
ドで反応してアノード排ガスとなる循環が行なわれる。
【0016】このように構成された燃料電池発電装置の
動作を説明する。従来常圧の燃料電池の改質器では、7
50℃程度の燃焼排ガスで加熱され改質反応を行い70
0℃以上のアノードガスを生成し、十分な改質率を得て
いる。アノード排ガスは電池反応で発生した多量の蒸気
2 Oを含むので、これを改質器11に再循環させるこ
とにより、同等な改質率の得られる改質温度が大幅に低
下する。例えばアノード排ガスを60%程度再循環させ
ると改質温度を600℃程度とすることができる。ま
た、再循環することによりアノード排ガス中の未反応分
が再びアノードに供給されるので、電池出入口基準の燃
料利用率を85%としてもアノード排ガスを60%程度
再循環することにより、総合の燃料利用率は90%以上
にすることができる。
【0017】アノード排ガスを一部再循環することによ
り触媒燃焼器12に送られる発熱量が減少し、触媒燃焼
器12から排出される燃焼排ガスの温度も低下する。し
かし改質温度も低下するので適合する。加熱室から排出
される燃焼排ガスの温度も低下する。この燃焼排ガスに
ガスタービンからの排ガスを混合してカソードに供給さ
れる。カソードに供給されるガスのカソード入口での必
要温度は580℃程度であり、ガスタービンの排ガスの
温度は高いので、燃焼排ガスの温度が低下してもガスタ
ービンの排ガスとの混合ガスの温度はカソードの条件に
適合する。なお、ガスタービンとコンバインドしてない
燃料電池発電装置では、ガスタービンの排ガスの代わり
に空気をカソードに供給しているが、空気の温度は低い
ので燃焼排ガスで加熱する必要がある。故にアノード排
ガスを再循環して改質温度を低下する本発明は、ガスタ
ービンとコンバインドした燃料電池発電装置に適応され
る。
【0018】アノード排ガスを再循環することにより改
質温度を600℃程度と低下させ、アノード入口温度と
ほぼ等しくしているが、これでも従来の高温(700℃
程度)の改質温度の場合と同等の改質率が得られるのは
次の理由による。改質反応は次式で表される。 CH4 +H2 O→3H2 +CO …(1) 改質反応はモル数が増加する反応であるため、圧力が低
い方が反応が進み易い。改質温度をアノード入口温度と
同等としても十分な改質率が得られるのは、常圧の燃料
電池であるため、加圧型のものに比べ圧力が低いこと、
および蒸気濃度が高いことによる。
【0019】次に、改質温度が低くてもS/C(スチー
ムカーボン比)が大きければ改質温度が高い場合と同じ
改質率が得られるデータを説明する。図2はS/Cと改
質率の変化を改質温度をパラメータとして示した図であ
る。常圧型燃料電池とガスタービンとのコンバインドシ
ステムのデータで、条件として常圧(1.1kg/cm
2 ),燃料は天然ガスの場合である。改質温度700
℃、S/C=3.0で改質率は95%となるが、改質温
度600℃、S/C=7.5以上で改質率95%が得ら
れる。
【0020】図3は本実施形態において、アノード排ガ
ス再循環ライン25を設けない従来システムと本実施形
態との改質率を同じくした場合のS/Cの相違を示す。
従来のシステムは改質温度700℃、S/Cは3であ
り、本実施形態のシステムは改質温度600℃、S/C
は8.7である。改質率は両システムとも95%であ
る。なお、本実施形態のシステムのアノード排ガス再循
環率は55%である。S/Cと改質率との関係が図2と
多少異なるのは、本実施形態のシステムでは改質器入口
にCO2 が多量に含まれている影響による。
【0021】本発明のシステムでは、改質温度を大幅に
低下することができるので、燃料ガスを加熱して改質器
に供給する必要がなくなる。また改質器出口でのアノー
ドガスの温度はアノード入口温度とほぼ同じになる。こ
れにより図4に示す燃料予熱器18は、本発明のシステ
ムでは不要になる。
【0022】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
は、アノード排ガスの一部を改質器入口に再循環するこ
とにより、S/Cを増加し改質温度を低下することがで
きる。これにより燃料予熱器が不要になる。またアノー
ド排ガスの未燃焼燃料分を改質器でアノードガスに改質
しアノードに循環させて燃焼することにより燃料利用率
を向上させることができる。これらの結果として、シス
テムがよりシンプルとなり、単位排ガス当たりの燃料電
池出力を増加することができ、プラント全体の発電効率
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のガスタービンと燃料電池発
電装置とのコンバインドシステムの全体構成図である。
【図2】改質温度をパラメータとしたS/Cと改質率の
関係を示す図である。
【図3】改質率を同じとした場合の従来のシステムと本
発明のシステムとの改質温度とS/Cとの関係を示す。
【図4】従来のガスタービンと燃料電池発電装置とのコ
ンバインドシステムの全体構成図である。
【符号の説明】
1 ガスタービン 2 燃料電池発電装置 3 コンプレサ 4 燃焼器 5 タービン 6 発電機 7 ガスタービン排ガスライン 10 燃料電池 11 改質器 12 触媒燃焼器 13 排熱回収蒸気発生器 14 蒸気タービン 15 炭酸ガス再循環ブロワ 16 アノード排ガス再循環ブロワ 18 燃料予熱器 20 燃料ガスライン 21 アノードガスライン 22 炭酸ガス再循環ライン 23 アノード排ガスライン 24 カソード排ガスライン 25 アノード排ガス再循環ライン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソードとアノードからなり酸素を含む
    カソードガスと水素を含むアノードガスから発電する燃
    料電池と、カソードから排出されるカソード排ガスとア
    ノードから排出されるアノード排ガスとを燃焼する燃焼
    器と、この燃焼器の燃焼排ガスで、燃料ガスラインより
    の蒸気を含む燃料ガスを改質してアノードガスを生成し
    前記アノードに供給する改質器と、この改質器に供給さ
    れた燃焼排ガスをカソードに循環させる炭酸ガスリサイ
    クルラインと、を備えた燃料電池発電装置において、前
    記カソードにガスタービンの排ガスを供給するガスター
    ビン排ガスラインと、前記アノード排ガスの一部を前記
    燃料ガスラインに再循環するアノード排ガス再循環ライ
    ンと、を設けたことを特徴とするガスタービン排ガスを
    用いた燃料電池発電装置。
JP11138606A 1999-05-19 1999-05-19 ガスタービン排ガスを用いた燃料電池発電装置 Pending JP2000331698A (ja)

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