JP2000328649A - 建築部材の接合方法及び建築構造物 - Google Patents

建築部材の接合方法及び建築構造物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼構造建築物において、鋼材どうし又は鋼材
と木材を所定の条件下でタッピンねじを用いて接合する
ことにより、コストを低減し、作業性を向上することの
できる建築部材の接合方法及び建築構造物を得ること。 【解決手段】 建築物を構成する鋼製部材どうしをタッ
ピンねじ11で接合する方法であってタッピンねじ11
のねじ呼び径dとねじ山ピッチpとの比(d/p)を
6.00以上6.40以下とし、接合する鋼製部材の合
計板厚tとねじ呼び径dとの比(t/d)を0.65以
上1.13以下とすると共に、合計板厚tとねじ山ピッ
チpとの比(t/p)を3.90以上6.80以下とし
て、鋼製部材どうしをタッピンねじ11により一面せん
断形式で接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築部材の接合方
法及び建築構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築基準法による鋼構造建築物の
構造部材の接合は、溶接、ボルト、リベットを用いるこ
とが規定されており、ドリリングタッピンねじ(以下、
タッピンねじという)は、建築物の構造部材の接合には
用いられていなかった。しかし、近年、鉄鋼メーカーが
中心になり、板厚1mm前後の表面処理鋼板と、呼び径
4〜5mmのタッピンねじを用いたスチールハウス建築
物が開発され、建設大臣の特別認定を経て住宅分野で実
績をあげつつある。
【0003】タッピンねじを用いたスチールハウス建築
物の接合部は、板厚0.8〜1.6mm程度の鋼製部材
(以下、鋼材という)を重ね合わせ、ねじ呼び径4.2
mm又は4.8mmのタッピンねじを用いて接合してい
る。接合部のせん断力は、接合部の有効断面積による耐
力、タッピンねじ自身のせん断耐力のほか、鋼材の板
厚、タッピンねじのねじ呼び径、鋼材強度の関数で与え
られた設計式から求めた耐力の最小値としている。一
方、鋼材と木製部材(以下、木材という)との接合につ
いては、鋼材を添え板とした場合の釘、木ねじ、ボルト
の耐力計算式が、社団法人 日本建築学会発行の「木質
構造設計基準・同解説」(以下、規準という)で与えら
れているけれども、木材と鋼構造建築部の主要構造物と
の直接接合は、必ずしも想定していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】鋼材と鋼材との接合に
おいて、スチールハウス建築物で用いる板厚より厚い鋼
材を用いた組み合わせでは、それに合わせてタッピンね
じのねじ呼び径を大きくする必要があるが、その場合、
タッピンねじのねじ込み時の抵抗が大きくなり、通常ね
じ込みに用いられる電動ドリルドライバーでは、ねじ込
みが困難あるいは不能となることがある。
【0005】タッピンねじのねじ込みが不能の場合は、
インパクトドライバーなど、より大きなねじ込みトルク
の得られる工具を使用することになるが、ねじ込み時の
トルク管理が難しく、ねじ頭の破断が発生しやすい、ね
じ込み時の騒音が大きい等の問題がある。一方、ねじ込
みが可能であった場合でも、施工速度が遅く、また、ね
じ込み終了時にタッピねじに過大なねじりモーメントが
残留するため、接合部に力が加わったときにタッピンね
じの早期破断を誘発する場合があり、それに伴う接合部
の耐力の低下やばらつき等の問題が生じる。
【0006】接合部のせん断耐力は、接合する鋼材の板
厚が厚くなると概ねタッピンねじ自身のせん断耐力で決
定されるが、ねじ頭側の鋼材の板厚が薄い場合は、ねじ
穴部分の支圧破壊で計算耐力が決定されることがある。
しかし、タッピンねじに過大なねじり応力が残留してい
る場合は、本来の破壊形態とは異なり、支圧破壊以前に
ねじ頭が破断することがあり、きわめて危険である。
【0007】構造実験によって接合部の許容耐力を決定
する場合、実験結果の標準偏差σから求める耐力下限値
(通常、平均値−2σから−3σの間で設定する)に対
して安全率を設定して求める方法がある。この場合、ば
らつき、すなわち標準偏差σが大きくなると接合部の許
容耐力は小さくなり、必要な接合部耐力を得るためには
必要とするタッピンねじの本数が多くなってしまうとい
う問題もある。
【0008】また、木材と鋼材からなる柱や梁との直接
接合は、鋼材の板厚を3.2mm〜4.5mmとした場
合、木ねじや釘を直接鋼材に打ち込むことは不可能であ
るため鋼材に先穴をあけておく必要があり、さらに、先
穴との関係上、打ち込む方向は鋼材側から木製部材側に
限定されるため、鋼管柱に木製胴縁(受木)を直接取り
付けることは不可能であり、また、鋼製梁の上面に木製
根太を直接取り付ける場合は、梁のフランジに先穴を設
け、木ねじ又は釘を上向きに打つ形態になる。
【0009】この作業は、作業姿勢が悪いため危険で手
間がかかるばかりでなく、接合部にかかる力の向きを考
えた場合、破壊形態は木材へのめり込みではなく引き抜
き型になり、強度的にも不利になる。そのため、必ず取
付金物を介して接合する必要が生じ、コスト負担が増加
する。この場合、取付金物には当然先穴をあけておかな
ければならない。また、ボルト接合の場合は、鋼材、木
材の双方に貫通穴を設ける必要があり、加工と精度管理
の手間、ナット、座金を設置する手間が発生する。
【0010】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、鋼構造建築物において、鋼材どうし又は
鋼材と木材を所定の条件下でタッピンねじを用いて接合
することにより、コストを低減し、作業性を向上するこ
とのできる建築部材の接合方法及び建築構造物を得るこ
とを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は、建築物
を構成する鋼製部材どうしをタッピンねじで接合する方
法であって、該タッピンねじのねじ呼び径dとねじ山ピ
ッチpとの比(d/p)を6.00以上6.40以下と
し、接合する前記鋼製部材の合計板厚tと前記ねじ呼び
径dとの比(t/d)を0.65以上1.13以下とす
ると共に、前記合計板厚tとねじ山ピッチpとの比(t
/p)を3.90以上6.80以下として、前記鋼製部
材どうしを前記タッピンねじにより一面せん断形式で接
合するようにしたものである。
【0012】(2)上記(1)の建築部材の接合方法に
おいて、接合するタッピンねじのねじ頭側の鋼製部材の
板厚t1とねじ先端側の鋼製部材の板厚t2との比(t1
/t2)を1.0以下とし、前記板厚t2と前記タッピン
ねじのねじ呼び径dとの比(t2/d)を0.53以上
0.75以下とすると共に、前記板厚t2と前記タッピ
ンねじのねじ山ピッチpとの比(t2/p)を3.20
以上4.50以下とした。
【0013】(3)上記(1)の建築部材の接合方法に
おいて、接合するタッピンねじのねじ頭側の鋼製部材の
板厚t1 とねじ先端側の鋼製部材の板厚t2との比(t1
/t2)を1.0以上とし、前記板厚t2と前記タッピン
ねじのねじ呼び径dとの比(t2/d)を0.27以上
0.38以下とすると共に、前記板厚t2 と前記タッピ
ンねじのねじ山ピッチpとの比(t2/p)を1.60
以上2.30以下とした。
【0014】(4)上記(1)の建築部材の接合方法に
おいて、接合するタッピンねじのねじ頭側の鋼製部材の
板厚t1と前記タッピンねじのねじ山ピッチpとの比
(t1/p)が3.2未満のとき、前記タッピンねじの
1本あたりの接合部耐力を前記板厚t1とねじ先端側の
鋼製部材の板厚t2との比(t1/t2)の一次関数で設
定し、前記(t1/p)が3.2以上のとき、前記接合
部耐力を一定として評価した。
【0015】(5)また、本発明は、建築物を構成する
鋼製部材と木製部材をタッピンねじで接合する方法であ
って、木製部材から鋼製部材に打ち込む前記タッピンね
じの首下長さを前記木製部材の厚さの2倍以上の長さと
し、該タッピンねじのねじ呼び径dとねじ山ピッチpと
の比(d/p)を3.30以上とすると共に、前記鋼製
部材の板厚t2と前記ねじ呼び径dとの比(t2/d)を
0.53以上0.75以下とし、かつ、前記木製部材の
厚さを木材の圧縮強度と鋼材の引張り強度から鋼材の板
厚に換算した相当板厚で3.2〜4.5mmとしたもの
である。
【0016】(6)さらに、鋼製部材から木製部材に打
ち込むタッピンねじのねじ呼び径dとねじ山ピッチpと
の比(d/p)を3.30以上とすると共に、前記鋼製
部材の厚板t1と前記ねじ呼び径dとの比(t1/d)を
0.26以上0.54以下とし、かつ、前記木製部材の
厚さを木材の圧縮強度と鋼材の引張り強度から鋼材の板
厚に換算した相当板厚で4.0〜6.0mmとしたもの
である。
【0017】(7)また、本発明に係る建築構造物は、
形鋼又は角形鋼管からなる柱部材に、形鋼若しくは鋼板
成形品からなる胴縁又は取付金物を、上記(2)に記載
の接合方法によって取付けたものである。
【0018】(8)また、形鋼からなる梁部材に、形鋼
若しくは鋼板成形品からなる横架材又は該横架材の取付
金物を、上記(2)に記載の接合方法によって取付けた
ものである。
【0019】(9)また、形鋼からなる梁部材に、ボル
ト、溶接又は上記(2)に記載の接合方法等により取付
金物を取付け、該取付金物に形鋼又は鋼板成形品からな
る横架材を上記(3)に記載の接合方法で取付けたもの
である。
【0020】(10)また、形鋼又は角形鋼管からなる
柱部材又は梁部材に、木材からなる受木を上記(5)に
記載の接合方法によって取付けたものである。
【0021】(11)また、形鋼からなる梁部材に、ボ
ルト、溶接又は上記(2)に記載の接合方法等により取
付金物を取付け、該取付金物に木材からなる横架材を上
記(6)に記載の接合方法で取付けたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明を実施した建築構造
物の概要を説明するための斜視図である。図において、
1はコンクリート基礎で、その上面には形鋼からなる土
台3がアンカーボルト2により固定されている。16は
土台3上に立設され、溶接により固定された断面四角形
の鋼管柱(角形鋼管)、4は土台3及び鋼管柱16に溶
接接合されたブラケットである。なお、鋼管柱16及び
ブラケット4は取付金物を使用し、又は直接ボルトによ
り土台3及び鋼管柱16に固定してもよい。
【0023】17はリップ溝形鋼からなる鋼製胴縁で、
そのウェブを鋼管柱16に当接し、それぞれタッピンね
じ11で接合されている。28は木製胴縁(受木)で、
同様にして鋼管柱16にタッピンねじ11で接合されて
いる。28aは土台3上に設置され、タッピンねじ11
で接合された受木である。29は土台3上に設置された
木製根太で、一方の辺がボルト、溶接又はタッピンねじ
11により土台3に固定されたL字状の取付金物24の
他方の辺に当接され、タッピンねじ11により接合され
ている。
【0024】このように、本発明においては、鋼構造建
築物を構成する鋼材と鋼材、又は鋼材と木材とを、ボル
ト、釘、木ねじ等を使用することなく、接合する部材に
対応した構造のタッピンねじを用いて接合するようにし
たものである。以下、それぞれの実施の形態について詳
細に説明する。
【0025】[実施の形態1]本実施の形態は、鋼構造
建築物における鋼材と鋼材との接合に関するもので、図
2に示すように、溝形鋼からなる鋼材12のウェブを溝
形鋼からなる鋼材13のウェブ(以下、鋼材12を上部
鋼材、鋼材13を下部鋼材ということがある)に当接
し、両鋼材12,13をタッピンねじ11により一面せ
ん断形式で接合してモデル化したものである。このと
き、接合する鋼材12,13の合計板厚tは3.9〜
6.8mmであり、タッピンねじ11には、図3に示す
ような、ねじ呼び径d(以下、単に呼び径dという)が
6.0mm、ねじ山ピッチp(以下、単にピッチpとい
う)が1.0mmのものを使用した。
【0026】また、比較のため、上記と同じ鋼材12,
13を、図4に示すような、呼び径dが6.0mm、ピ
ッチpが1.8mmのタッピンねじ11aにより一面せ
ん断形式で接合した(以下、比較例という)。
【0027】そして、本発明及び比較例における一面せ
ん断接合部のせん断試験を行った。試験結果による最大
荷重の変動係数V(ばらつき)の比較を表1に示す。な
お、上記の変動係数Vは、それぞれの各試験体グループ
ごとの最大荷重平均値mで各試験体の最大荷重を割り、
各試験体グループごとに平均値1のサンプル集団を作
り、それら全体をサンプルとして標準偏差を計算したも
のである。
【0028】
【表1】
【0029】表1から明らかなように、本実施の形態に
おいては、耐力のばらつき(変動係数V)が小さくなる
ため、接合部の許容耐力を高く設定することができる。
ここに、接合部の許容耐力を、例えば、最大荷重平均値
m×(1−3V)/安全率αで求めた場合、比較例では
0.503m/αであるのに対し、本実施の形態では
0.922m/αとなり、最大荷重平均値mと安全率α
が等しいと仮定しても(実際には早期破断の場合もあ
り、一般的には比較例の値はさらに低くなる)、本実施
の形態においては、ピッチpが1.0mmのタッピンね
じ11を用いたことにより、比較例の1.8倍の許容耐
力が設定できることになる。また、本実施の形態によれ
ば、ねじ込み抵抗が減少するため、ねじ込みが容易で施
工性が向上する。
【0030】上記の結果から、本実施の形態において
は、タッピンねじ11の呼び径dとピッチpとの比(d
/p)を6.00以上6.40以下とし、接合する鋼材
12,13の合計板厚tとタッピンねじ11の呼び径d
との比(t/d)を0.65以上1.13以下とし、か
つ、接合する鋼材12,13の合計板厚tとタッピンね
じ11のピッチpとの比(t/p)を3.90以上6.
80以下とすることにより、上述の効果を得ることがで
きた。
【0031】[実施の形態2]図2において、板厚t1
が1.6mm及び2.3mmの上部鋼材12と、板厚t
2が3.2mm及び4.5mmの下部鋼材13とを組合
わせて、両鋼材12,13を図3に示すような、呼び径
dが6.0mm、ピッチpが1.0mmのタッピンねじ
11により、実施の形態1の条件下で接合し、一面せん
断接合部のせん断試験を行った。試験結果に基づく試験
体グループごとのタッピンねじ1本当りの許容耐力算定
例を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】この範囲では、特に破壊モードが計算上ね
じ破断になり、かつ、早期破断に対して安全性が向上し
ているのでばらつきが小さくなり、ばらつきを考慮した
耐力下限値(m−3σ)がほぼ等しくなる。これは表2
によっても明らかである。このことから、タッピンねじ
1本あたりの許容耐力をほぼ等しくしても実用上差支え
なく、この範囲での接合部の耐力は、タッピンねじ11
の本数にのみ依存するため、設計、管理が容易になる。
【0034】上記の結果から、本実施の形態は、実施の
形態1の条件下において、接合するねじ頭側の上部の鋼
材12の板厚t1と、ねじ先端側の下部鋼材13の板厚
2との比(t1/t2)を1.0以下とし、ねじ先端側
の下部鋼材13の板厚t2と、タッピンねじ11の呼び
径dとの比(t2/d)を0.53以上0.75以下と
し、かつ、ねじ先端側の下部鋼材13の板厚t2とタッ
ピンねじ11のピッチpとの比(t2/p)を3.20
以上4.50以下とすることにより、上述の効果が得ら
れた。
【0035】[実施の形態3]図2において、板厚t1
が2.3mm及び3.2mmの上部鋼材12と、板厚t
2が1.6mm及び2.3mmの下部鋼材13とを組合
わせて、両鋼材12,13を図3に示すような、呼び径
dが6.0mm、ピッチpが1.0mmのタッピンねじ
11により実施の形態1の条件下で接合し、一面せん断
接合部のせん断試験を行った。試験結果に基づく変動係
数Vを表3に示す。表3から明らかなように、本実施の
形態によれば早期のねじ破断が少ないため、変動係数V
のばらつきを小さくできるので許容耐力を高く設定する
ことができる。
【0036】
【表3】
【0037】本実施の形態は、上記の結果から、実施の
形態1の条件下において、接合するねじ頭側の上部鋼材
12の板厚t1と、ねじ先端側の下部鋼材13の板厚t2
との比(t1/t2)を1.0以上とし、ねじ先端側の下
部鋼材13の板厚t2とタッピンねじ11の呼び径dと
の比(t2/d)を0.27以上0.38以下とし、か
つ、ねじ先端側の下部鋼材13の板厚t2とタッピンね
じ11のピッチpとの比(t2/p)を1.60以上
2.30以下とすることにより、上述の効果を得ること
ができる。
【0038】[実施の形態4]図2において、板厚t1
が1.6mm、2.3mm及び3.2mmの上部鋼材1
2と、板厚t2が1.6mm、2.3mm、3.2mm
及び4.5mmの下部鋼材13とを組合わせて、図3に示
すような呼び径dが6.0mm、ピッチpが1.0mm
のタッピンねじ11により実施の形態1の条件下で接合
し、一面せん断接合部の耐力下限値を求めた。試験結果
を表4及び図5に示す。なお、図5は横軸に上部鋼材1
2と下部鋼材13の板厚t1,t2の比を、縦軸に試験体
の耐力下限値を示す。
【0039】
【表4】
【0040】接合部の耐力計算式は、上部鋼材12の板
厚t1と下部鋼材13の板厚t2との比の一次関数で表わ
されるが、図5から明らかなように、上部鋼材12の板
厚t 1とタッピンねじ11のピッチpとの比(t1/p)
が3.2以上(ここでは、下部鋼材の板厚t2によら
ず、上部鋼材12の板厚t1が3.2mmのもの)で
は、タッピンねじ11の1本あたりの接合部の耐力がほ
ぼ一定であることがわかった。
【0041】本実施の形態においては、上記の結果か
ら、実施の形態1の条件下において、接合するタッピン
ねじのねじ頭側の鋼製部材の板厚t1とタッピンねじの
ねじ山ピッチpとの比(t1/p)が3.2未満のと
き、タッピンねじの1本あたりの接合部耐力を板厚t1
とねじ先端側の鋼製部材の板厚t2との比(t1/t2
の一次関数で設定し、(t1/p)が3.2以上のと
き、接合部耐力を一定として評価することができるの
で、設計、管理が容易である。
【0042】[実施の形態5]本実施の形態は、鋼構造
建築物における鋼材と木材との接合に関するもので、例
えば図6に示すように、板厚t2が3.2mm及び4.
5mmの鋼材13上に、厚さt3 が45mmの米つが材
からなる木材14を載置し、図7に示すような、呼び径
が6.0mm、ピッチpが1.8mm、首下長さが10
0mmのタッピンねじ11bを木材14側から打ち込ん
で接合したものである。この場合、タッピンねじ11の
首下長さLは、木材14の厚さt3 の2倍以上であるこ
とが望ましい。鋼材13の引張り強度は43.5〜4
6.7kgf/mm2、木材14の圧縮強度は340〜
410kgf/cm2である。そして、厚さt3が45m
mの木材14の圧縮強度と鋼材13の引張り強度から鋼
材の板厚に換算した木材14の相当板厚を求めると、
3.2〜4.5mmの範囲内となる。
【0043】上記のような鋼材13と木材14との組合
わせにより耐力試験を行ったところ、良好な結果が得ら
れた。試験体の破壊モードが、類似の接合部である鋼材
と木材とのボルト接合に関する、規準のボルト接合部耐
力算定式によって概ね評価できることからも、ボルト接
合に代えてタッピンねじを使用しうることが確認され
た。このため、先穴加工を施すなど、ボルト接合による
諸問題を解決できるので、コストを低減でき、かつ、同
等の性能を有する接合部を得ることができる。
【0044】本実施の形態においては、木材14側から
鋼材13にタッピンねじ11を打込んで接合するにあた
り、タッピンねじ11の首下長さLを接合する木材14
の厚さt3の2倍以上の長さとし、タッピンねじ11の
呼び径dとピッチpとの比(d/p)を3.30以上と
し、かつ、接合する鋼材13の板厚t2とタッピンねじ
11の呼び径dとの比(t2/d)を0.53以上0.
75以下として、木材14の厚さt3を、木材14の圧
縮強度と鋼材13の引張り強度から鋼材の板厚に換算し
た相当板厚を3.2〜4.5mmとしたことで、上述の
効果を得ることができた。
【0045】[実施の形態6]本実施の形態は、図8に
示すように、厚さt3が45mmの米つが材からなる木
材14上に、板厚t1が1.6mm又は3.2mmの鋼
材12を載置し、図7に示すような、呼び系dが6.0
mm、ピッチpが1.8mm、首下長さLが60mmの
タッピンねじ11bを鋼材12側から打込んで接合し
た。木材14の圧縮強度は340〜410kgf/cm
2、鋼材12の引張り強度は33.6〜37.9kgf
/mm2程度であり、木材14の厚さt3を、木材14の
圧縮強度と鋼材12の引張り強度から鋼材の板厚に換算
した相当板厚を求めると4.0〜6.0mmの範囲内に
なる。
【0046】この範囲では、タッピンねじ11の破壊状
態が釘、木ねじによる接合部の場合とほぼ等しくなり、
接合部の耐力も同様に評価することができる。したがっ
て、これにより釘、木ねじ接合部の諸問題を解決できる
ばかりでなく、同等の性能の接合部を得ることができ、
コストを低減できる。
【0047】本実施の形態においては、鋼材12側から
木材14側にタッピンねじ11を打ち込んで接合するに
あたり、タッピンねじ11の呼び径dとのピッチpとの
比(d/p)を3.30以上とし、接合する鋼材12の
板厚t2とタッピンねじ11の呼び径dとの比(t2
d)を0.26以上0.54以下として、木材14の厚
さt3を、木材14の圧縮強度と鋼材12の引張り強度
から鋼材の板厚に換算した相当板厚を4.0〜6.0m
mとしたので、上述の効果を得ることができる。
【0048】[実施の形態7]本実施の形態は、図9に
示すように、梁部材15(以下、梁という)に溶接組立
H形鋼(BH250×99×4.5×4.5)、柱部材
16(以下、柱という)に角形鋼管(□75×75×
3.2)を用いた鋼構造建築物に、軽量形鋼、例えば、
リップ溝形鋼(C−100×50×20×2.3)から
なる鋼製胴縁17を、そのウェブ面を柱16に当接し、
鋼製胴縁17から柱16に向って、図3に示すような、
呼び径dが6.0mm、ピッチpが1.0mmのタッピ
ンねじ11を、上下方向に455mm間隔で、実施の形
態2の条件下で直接打ち込んで両者を接合したものであ
る。この場合、柱16及び鋼製胴縁17には先穴加工は
施されていない。なお、上記の柱16には角形鋼管に代
えて形鋼を用いてもよく、また、鋼製胴縁17には鋼板
成形品を用いてもよい。さらに、本実施の形態は、上記
部材あるいは外装材を取付けるための取付金物の取付け
にも実施することができる。
【0049】接合された鋼製胴縁17の室内側フランジ
には、室内壁地下材として、ポリエチレンシートからな
る防湿層18を介して厚さ9.5mmの石膏ボード19
が取付けられ、屋外側フランジには、金属サイディング
等の外装材20が取り付けられており、壁の中には断熱
材としてグラスウール(図示せず)が充填されている。
このような一方向で先穴加工不要の接合は従来の鋼構造
建築物ではなされておらず、本実施の形態によれば、コ
ストが低減され、作業性を向上することができる。
【0050】本実施の形態は、形鋼又は角形鋼管からな
る柱16に、形鋼又は鋼板成形品からなる胴縁17、あ
るいは取付金物を、実施の形態2の方法によりタッピン
ねじ11で直接接合するようにしたので、上述のような
効果を得ることができる。
【0051】[実施の形態8]本実施の形態は、図10
に示すように、例えば実施の形態7の梁15と同じ構造
の二階小屋梁15のフランジ上に、ハット状に形成した
鋼板成形品(例えば、上フランジ45mm、せい:45
mm、下フランジ:45mm、板厚:3.2mm)から
なる床根太22を、開断面を下向きにして直交して設置
し、床根太22の下フランジから梁15に、図3に示す
ような、呼び径が6.0mm、ピッチpが1.0mmの
タッピンねじ11を、実施の形態2の条件下で直接打ち
込んで接合したものである。23は床根太22の上フラ
ンジの上に取付けられて床を構成する構造用合板からな
る床下地材である。なお、本実施の形態は、床根太22
に代わる鋼板成形品からなる天井根太、小屋梁、垂木、
屋根トラス等の横架材、あるいはこれら横架材の取付金
物の接合にも実施することができる。
【0052】タッピンねじ11による梁15と床根太2
2の接合にあたっては、これらに先穴加工を施す必要が
なく、また、床根太22の取付けはすべて下向き作業に
よって行うことができるので作業性が向上し、その上先
穴加工が不要なので、現場での急な設計変更にも容易に
対応することができる。
【0053】本実施の形態は、形鋼からなる梁15に、
形鋼又は鋼板成形品からなる床根太、天井根太、小屋
梁、垂木、屋根トラス等の横架材、あるいは前記横架材
の取付金物を、実施の形態2の方法によりタッピンねじ
11で接合するようにしたので、上述の効果を奏するこ
とができる。
【0054】[実施の形態9]本実施の形態は、図11
に示すように、例えば、実施の形態7の梁15と同じ構
造の二階小屋梁15の上フランジの上に、一方の片がボ
ルトによって固定されたL字状の垂木取付け用の取付金
物24(板厚t4が3.2mm)の他方の片に、二階小
屋梁15上にこれと直交して設置したリップ溝形鋼(C
−75×45×15×2.3)又は鋼板成形品からなる
鋼製垂木26のウェブを当接し、図3に示すような、呼
び径dが6.0mm、ピッチpが1.0mmのタッピン
ねじ11を、実施の形態3の条件下で取付金物24側か
ら直接打ち込んで両者を接合したものである。なお、取
付金物24の二階小屋梁15のフランジへの取付けは、
実施の形態2の条件の下にタッピンねじ11を用いても
よい。27は鋼製垂木26の上フランジに取付けた構造
用合板からなる野地板である。
【0055】二階小屋梁15に固定された取付金物24
へのタッピンねじ11による鋼製垂木26の接合にあた
っては、これら部材に先穴加工を施す必要がないので、
加工工数を低減することができるばかりでなく、現場で
の急な設計変更にも容易に対応することができる。な
お、本実施の形態においては、上述の鋼製垂木26のほ
か形鋼又は鋼板成形品からなる床根太、天井根太、小屋
梁、屋根トラス等の横架材の接合にも実施することがで
きる。
【0056】本実施の形態は、形鋼からなる梁15のフ
ランジに、ボルト、溶接又は実施の形態2の方法で取付
金物24を固定し、該取付金物24に形鋼又は鋼板成形
品からなる垂木、床根太、天井根太、小屋梁、屋根トラ
ス等の横架材を実施の形態3の方法により接合するよう
にしたので、上述の効果を奏することができる。
【0057】[実施の形態10]本実施の形態は、図1
2に示すように、梁15及び柱16に、実施の形態7の
梁15及び角形鋼管からなる柱16と同じ構造のものを
用いた鋼構造建築物において、米つが材(105×4
5)からなる木製の受木(胴縁)28を、その長辺面を
柱16に当接し、受木28側から柱16に向って、図7
に示すような、呼び径dが6.0mm、ピッチpが1.
8mm、首下長さLが100mmのタッピンねじ11
を、実施の形態5の条件下で上下方向に455mmの間
隔で直接打ち込んで接合したものである。なお、タッピ
ンねじ11を直接打ち込むようにしたので、受木28及
び柱16には先穴加工は施されていない。
【0058】そして、柱16に接合された受木28の屋
内側には、室内壁下地材として、ポリエチレンシート等
からなる防湿層18を介して、厚さ9.5mmの石膏ボ
ード19が取付けられ、屋外側には金属サイディング等
の外装材20が取付けられており、壁の中にはグラスウ
ールの如き断熱材(図示せず)が充填されている。この
ように、一方向で先穴不要の接合は、従来の鋼構造建築
物では実施されておらず、現場における急な設計変更に
も容易に対応することができ、先穴加工の不要と相俟っ
てコストを低減し作業性を向上することができる。な
お、本実施の形態は、梁に受木を接合する場合にも実施
することができる。
【0059】本実施の形態は、形鋼又は角形鋼管からな
る柱16又は梁に、木材からなる受木28をタッピンね
じ11を用いて実施の形態5の方法により接合するよう
にしたので、上述の効果を奏することができる。
【0060】[実施の形態11]本実施の形態は、図1
3に示すように、実施の形態7の梁15と同じ構造の梁
15のフランジ上に、一方の片がボルト25、溶接等に
よって固定された床根太取付用のL字状の取付金物24
(板厚t4:3.2mm)の他方の片に、米つが材(7
5×45)からなり、梁15上にこれと直交して設置さ
れた木製床根太29の長辺面を当接し、図7に示すよう
な呼び径dが6.0mm、ピッチpが1.8mm、首下
長さLが60mmのタッピンねじ11bを、実施の形態
6の条件下で取付金物24側から直接打ち込んで両者を
接合したものである。なお、取付金物24の梁15のフ
ランジへの取付けは、実施の形態2の条件下にタッピン
ねじを用いてもよい。23は木製床根太29の上面に取
付けられた構造用合板からなる床下地材である。
【0061】梁15に固定された取付金物24へのタッ
ピンねじ11bによる木製床根太29の接合にあたって
は、これらの部材に先穴加工を施す必要がないので加工
工数を低減することができ、その上現場での急な設計変
更に対しても容易に対応することができる。なお、本実
施の形態は、上述の木製床根太29のほか、木製の天井
根太、小屋梁、垂木、屋根トラス等の横架材の接合にも
実施することができる。
【0062】本実施の形態に係る建築構造物は、形鋼か
らなる梁15のフランジに、ボルト、溶接又は実施の形
態2の方法などにより取付金物24を固定し、この取付
金物24に木材からなる床根太、天井根太、小屋梁、乗
木、屋根トラス等の横架材を、実施の形態6の方法によ
り接合するようにしたので、上述の効果を奏することが
できる。
【0063】
【発明の効果】(1)本発明に係る建築部材の接合方法
は、建築物を構成する鋼製部材どうしをタッピンねじで
接合するにあたり、タッピンねじのねじ呼び径dとねじ
山ピッチpとの比(d/p)を6.00以上6.40以
下とし、接合する鋼製部材の合計板厚tとねじ呼び径d
との比(t/d)を0.65以上1.13以下とすると
共に、合計板厚tとねじ山ピッチpとの比(t/p)を
3.90以上6.80以下として、鋼製部材どうしを前
記タッピンねじによ一面せん断形式で接合するように
し、
【0064】(2)また、上記(1)の接合するタッピ
ンねじのねじ頭側の鋼製部材の板厚t 1とねじ先端側の
鋼製部材の板厚t2との比(t1/t2)を1.0以下と
し、板厚t2とタッピンねじのねじ呼び径dとの比(t2
/d)を0.53以上の0.75以下とすると共に、板
厚t2とタッピンねじのねじ山ピッチpとの比(t2
p)を3.20以上4.50以下とし、
【0065】(3)さらに、上記(1)の接合するタッ
ピンねじのねじ頭側の鋼製部材の板厚t1 とねじ先端側
の鋼製部材の板厚t2 との比(t1/t2)を1.0以上
とし、板厚t2とタッピンねじのねじ呼び径dとの比
(t2/d)を0.27以上0.38以下とすると共
に、板厚t2 とタッピンねじのねじ山ピッチpとの比
(t2/p)を1.60以上2.30以下としたので、
変動係数のばらつきが小さくなり、大きな許容耐力を設
定することができる。また、タッピンねじのねじ込みが
容易で、作業性を向上することができる。
【0066】(4)また、上記(1)の建築部材の接合
方法において、接合するタッピンねじのねじ頭側の鋼製
部材の板厚t1とタッピンねじのねじ山ピッチpとの比
(t1/p)が3.2未満のとき、タッピンねじの1本
あたりの接合部耐力を板厚t1とねじ先端側の鋼製部材
の板厚t2との比(t1/t2)の一次関数で設定し、
(t1/p)が3.2以上のとき、接合部耐力を一定と
して評価することができるので、設計管理が容易にな
る。
【0067】(5)また、建築物を構成する鋼製部材と
木製部材をタッピンねじで接合するにあたり、木製部材
から鋼製部材に打ち込むタッピンねじの首下長さを木製
部材の厚さの2倍以上の長さとし、タッピンねじのねじ
呼び径dとねじ山ピッチpとの比(d/p)を3.30
以上とすると共に、鋼製部材の板厚t2とねじ呼び径d
との比(t2/d)を0.53以上0.75以下とし、
かつ、木製部材の厚さを木材の圧縮強度と鋼材の引張り
強度から鋼製の板厚に換算した相当板厚で3.2〜4.
5mmとしたので、先穴加工を省略することができてコ
ストを低減できると共に作業性を向上することができ、
しかも、ボルト接合の場合と同等の性能を有する接合部
を得ることができる。
【0068】(6)さらに、鋼製部材から木製部材に打
ち込むタッピンねじのねじ呼び径dと、ねじ山ピッチp
との比(d/p)を3.30以上とすると共に、鋼製部
材の厚板t1とねじ呼び径dとの比(t1/d)を0.2
6以上0.54以下とし、かつ、木製部材の厚さを木材
の圧縮強度と鋼材の引張り強度から鋼材の板厚に換算し
た相当板厚で4.0〜6.0mmとしたので、先穴加工
を省略することができてコストを低減することができる
と共に作業性を向上することができ、しかも、釘、木ね
じ接合の場合と同等の性能を有する接合部を得ることが
できる。
【0069】(7)本発明に係る建築構造物は、形鋼又
は角形鋼管からなる柱部材に、形鋼若しくは鋼板成形品
からなる胴縁又は取付金物を、上記(2)に記載の接合
方法によって取付けるようにしたので、一方向で先穴加
工不要の接合を行うことができ、コストを低減し、作業
性を向上することができる。
【0070】(8)また、形鋼からなる梁部材に、形鋼
若しくは鋼板成形品からなる横架材又は横架材の取付金
物を、上記(2)に記載の接合方法によって取付けるよ
うにしたので、先穴加工を施す必要がなく、また、横架
材の取付けはすべて下向き作業によって行うことができ
るため作業性を向上することができ、その上現場での急
な設計変更にも容易に対応することができる。
【0071】(9)また、形鋼からなる梁部材に、ボル
ト、溶接又は上記(2)に記載の接合方法等により取付
金物を取付け、取付金物に形鋼又は鋼板成形品からなる
横架材を上記(3)に記載の接合方法で取付けるように
したので、これら部材に先穴加工を施す必要がないため
コストが低減され、作業性を向上することができ、その
上現場での急な設計変更にも容易に対応することができ
る。
【0072】(10)さらに、形鋼又は角形鋼管からな
る柱部材又は梁部材に、木材からなる受木を上記(5)
に記載の接合方法によって取付けるようにしたので、一
方向で先穴不要の接合を行うことができる。また、現場
における急な設計変更にも容易に対応することができ、
先穴加工の不要と相俟って、コストを低減し、作業能率
を向上することができる。
【0073】(11)また、形鋼からなる梁部材に、ボ
ルト、溶接又は上記(2)に記載の接合方法等により取
付金物を取付け、取付金物に木材からなる横架材を上記
(6)に記載の接合方法で取付けるようにしたので、上
記(10)と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した建築構造物の概要を説明する
ための斜視図である。
【図2】実施の形態1〜4の鋼材どうしを接合する場合
の説明図である。
【図3】本発明に使用するタッピンねじの説明図であ
る。
【図4】実施の形態1の比較例の使用するタッピンねじ
の説明図である。
【図5】実施の形態4の試験結果を示す線図である。
【図6】実施の形態5の鋼材と木材を接合する場合の説
明図である。
【図7】実施の形態5に使用するタッピンねじの説明図
である。
【図8】実施の形態6の鋼材と木材を接合する場合の説
明図である。
【図9】実施の形態7を説明するための斜視図である。
【図10】実施の形態8を説明するための斜視図であ
る。
【図11】実施の形態9を説明するための斜視図であ
る。
【図12】実施の形態10を説明するための斜視図であ
る。
【図13】実施の形態11を説明するための斜視図であ
る。
【符号の説明】
11 タッピンねじ 12,13 鋼材 14 木材 15 梁 16 角形鋼管(柱) 17 鋼製胴縁 22 床根太 24 取付金物 26 鋼製垂木 28 受木(胴縁) 29 木製床根太

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物を構成する鋼製部材どうしをタッ
    ピンねじで接合する方法であって、 該タッピンねじのねじ呼び径dとねじ山ピッチpとの比
    (d/p)を6.00以上6.40以下とし、接合する
    前記鋼製部材の合計板厚tと前記ねじ呼び径dとの比
    (t/d)を0.65以上1.13以下とすると共に、
    前記合計板厚tとねじ山ピッチpとの比(t/p)を
    3.90以上6.80以下として、前記鋼製部材どうし
    を前記タッピンねじにより一面せん断形式で接合するこ
    とを特徴とする建築部材の接合方法。
  2. 【請求項2】 接合するタッピンねじのねじ頭側の鋼製
    部材の板厚t1とねじ先端側の鋼製部材の板厚t2との比
    (t1/t2)を1.0以下とし、前記板厚t2と前記タ
    ッピンねじのねじ呼び径dとの比(t2/d)を0.5
    3以上0.75以下とすると共に、前記板厚t2と前記
    タッピンねじのねじ山ピッチpとの比(t2/p)を
    3.20以上4.50以下としたことを特徴とする請求
    項1記載の建築部材の接合方法。
  3. 【請求項3】 接合するタッピンねじのねじ頭側の鋼製
    部材の板厚t1 とねじ先端側の鋼製部材の板厚t2 との
    比(t1/t2)を1.0以上とし、前記板厚t2と前記
    タッピンねじのねじ呼び径dとの比(t2/d)を0.
    27以上0.38以下とすると共に、前記板厚t2 と前
    記タッピンねじのねじ山ピッチpとの比(t2/p)を
    1.60以上2.30以下としたことを特徴とする請求
    項1記載の建築部材の接合方法。
  4. 【請求項4】 接合するタッピンねじのねじ頭側の鋼製
    部材の板厚t1と前記タッピンねじのねじ山ピッチpと
    の比(t1/p)が3.2未満のとき、前記タッピンね
    じの1本あたりの接合部耐力を前記板厚t1とねじ先端
    側の鋼製部材の板厚t2との比(t1/t2)の一次関数
    で設定し、前記(t1/p)が3.2以上のとき、前記
    接合部耐力を一定として評価することを特徴とする請求
    項1記載の建築部材の接合方法。
  5. 【請求項5】 建築物を構成する鋼製部材と木製部材を
    タッピンねじで接合する方法であって、 木製部材から鋼製部材に打ち込む前記タッピンねじの首
    下長さを前記木製部材の厚さの2倍以上の長さとし、該
    タッピンねじのねじ呼び径dとねじ山ピッチpとの比
    (d/p)を3.30以上とすると共に、前記鋼製部材
    の板厚t2と前記ねじ呼び径dとの比(t2/d)を0.
    53以上0.75以下とし、かつ、前記木製部材の厚さ
    を木材の圧縮強度と鋼材の引張り強度から鋼材の板厚に
    換算した相当板厚で3.2〜4.5mmとしたことを特
    徴とする建築部材の接合方法。
  6. 【請求項6】 建築物を構成する鋼製部材と木製部材を
    タッピンねじで接合する方法であって、 鋼製部材から木製部材に打ち込むタッピンねじのねじ呼
    び径dとねじ山ピッチpとの比(d/p)を3.30以
    上とすると共に、前記鋼製部材の厚板t1と前記ねじ呼
    び径dとの比(t1/d)を0.26以上0.54以下
    とし、かつ、前記木製部材の厚さを木材の圧縮強度と鋼
    材の引張り強度から鋼材の板厚に換算した相当板厚で
    4.0〜6.0mmとしたことを特徴とする建築部材の
    接合方法。
  7. 【請求項7】 形鋼又は角形鋼管からなる柱部材に、形
    鋼若しくは鋼板成形品からなる胴縁又は取付金物を、請
    求項2に記載の接合方法によって取付けたことを特徴と
    する建築構造物。
  8. 【請求項8】 形鋼からなる梁部材に、形鋼若しくは鋼
    板成形品からなる横架材又は該横架材の取付金物を、請
    求項2に記載の接合方法によって取付けたことを特徴と
    する建築構造物。
  9. 【請求項9】 形鋼からなる梁部材に、ボルト、溶接又
    は請求項2に記載の接合方法等により取付金物を取付
    け、該取付金物に形鋼又は鋼板成形品からなる横架材を
    請求項3に記載の接合方法で取付けたことを特徴とする
    建築構造物。
  10. 【請求項10】 形鋼又は角形鋼管からなる柱部材又は
    梁部材に、木材からなる受木を請求項5に記載の接合方
    法によって取付けたことを特徴とする建築構造物。
  11. 【請求項11】 形鋼からなる梁部材に、ボルト、溶接
    又は請求項2に記載の接合方法等により取付金物を取付
    け、該取付金物に木材からなる横架材を請求項6に記載
    の接合方法で取付けたことを特徴とする建築構造物。
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