JP2000328156A - アルミニウム基複合材料の製造方法 - Google Patents

アルミニウム基複合材料の製造方法

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JP2000328156A
JP2000328156A JP11139112A JP13911299A JP2000328156A JP 2000328156 A JP2000328156 A JP 2000328156A JP 11139112 A JP11139112 A JP 11139112A JP 13911299 A JP13911299 A JP 13911299A JP 2000328156 A JP2000328156 A JP 2000328156A
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aluminum
alumina
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porous
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JP11139112A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Nakao
靖宏 中尾
Hiroto Shoji
広人 庄子
Aritoshi Sugaya
有利 菅谷
Takashi Kato
崇 加藤
Takaharu Echigo
隆治 越後
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 アルミナ粉末11中に所定量のアルミニ
ウム粉末12を混合し、混合物13を得る工程と、混合
物13を成形し、酸化物系セラミックスからなる多孔質
成形体20を造る工程と、多孔質成形体、アルミニウム
合金及びマグネシウムを炉内に納める工程と、炉内に窒
素ガスを吹込み、炉内のマグネシウムを窒化マグネシウ
ムに変換し、窒化マグネシウムで酸化物系セラミックス
を還元し、酸化物系セラミックスの多孔質にアルミニウ
ム合金の溶湯を浸透させてアルミニウム基複合材料を得
る工程と、からなるアルミニウム基複合材料の製造方
法。 【効果】 多孔質成形体にアルミナより熱伝導率が高い
金属粉末を結合したので、多孔質成形体の昇温が容易に
なる。短時間で所定温度まで昇温できるので、アルミニ
ウム合金の浸透が速くなり、アルミニウム基複合材料の
生産効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム基複合
材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム基複合材料の製造方法に
は、例えば、特開平8−41563号公報「金属・セラ
ミックス複合材料の製造方法」がある。この金属・セラ
ミックス複合材料の製造方法は、同公報の段落番号[0
009]〜[0015]に示される通りである。これら
を要約したものを次に示す。 (1)炉1内に純アルミニウムのブロック7、多孔質成
形体8及びマグネシウム9をセットする。 (2)炉1内をArガスで置換し、900℃まで昇温
し、マグネシウム9を蒸発させるとともに、純アルミニ
ウムのブロック7を溶解する。 (3)炉1内に窒素ガスを導入し、マグネシウムと反応
させて窒化マグネシウムを生成する。窒化マグネシウム
で多孔質成形体8のアルミナを還元する。 (4)純アルミニウムの溶湯が多孔質成形体8に浸透
し、その後純アルミニウムが凝固すると金属・セラミッ
クス複合材料が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の製造方法では、
純アルミニウムの溶湯が多孔質成形体に浸透するのに時
間がかかる。特に大型の多孔質成形体の場合には、多孔
質成形体の内部(深層部)まで、多量の純アルミニウム
の溶湯を浸透させなければならず、アルミニウム基複合
材料の生産効率が悪い。また、多孔質成形体が大型にな
ると、所定温度まで昇温するのに長時間を要するため、
さらに生産効率が悪くなる。
【0004】そこで、本発明の目的は、生産効率のよい
アルミニウム基複合材料の製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、アルミナ粉末中に所定量の金属粉末を混
合し、混合物を得る工程と、混合物を成形し、酸化物系
セラミックスからなる多孔質成形体を造る工程と、多孔
質成形体、アルミニウム合金及び、マグネシウム又はマ
グネシウム発生源を炉内に納める工程と、炉内に窒素ガ
スを吹込むことで、炉内のマグネシウムを窒化マグネシ
ウムに変換し、この窒化マグネシウムの作用で酸化物系
セラミックスを還元し、還元後の酸化物系セラミックス
の多孔質にアルミニウム合金の溶湯を浸透させてアルミ
ニウム基複合材料を得る工程と、からなる。
【0006】アルミナ粉末中に所定量の金属粉末を混合
した多孔質成形体を造る。所定量の金属粉末を添加する
ことで、アルミナ粉末の割合を減らした多孔質成形体を
得る。また、アルミナより熱伝導率が高い金属粉末を添
加したので、多孔質成形体の熱的特性が変化する。
【0007】請求項2は、金属粉末が、アルミニウム粉
末であることを特徴とする。アルミナ粉末中に所定量の
アルミニウム粉末を混合した多孔質成形体を造る。アル
ミニウムはアルミナより熱伝導率が高いので、多孔質成
形体の熱伝導率が向上する。また、アルミニウム粉末は
母材と同様に比重が小さく、複合材料の軽量化を維持す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係るアルミニウム基複合材
料の製造方法のフローチャートであり、ST××はステ
ップを示す。 ST01:アルミナ粉末中にアルミニウム粉末を混合
し、混合物を得る。 ST02:混合物を加熱・成形し、酸化物系セラミック
スからなる多孔質成形体を造る。 ST03:多孔質成形体、アルミニウム合金及びマグネ
シウムを雰囲気炉に納める。 ST04:アルミニウム合金を溶解し、多孔質にアルミ
ニウム合金の溶湯を浸透させてアルミニウム基複合材料
を得る。 次に、ST01〜ST04を具体的に説明する。
【0009】図2(a)〜(c)は本発明に係るアルミ
ニウム基複合材料の製造方法の第1説明図である。 (a):まず、アルミナ粉末11中に所定量の金属粉末
としてのアルミニウム粉末12を混合し、混合物13を
得る。
【0010】アルミナ粉末11は、酸化アルミニウム
(Al23)の粉末であり、粒径は10μm〜200μ
mの範囲から選択するのが望ましい。10μm未満であ
れば、アルミニウム基複合材料の強度は向上するが、ア
ルミニウム基複合材料のアルミナの割合が多くなるた
め、生産コストが嵩む。200μmを超えると、アルミ
ニウム基複合材料の強度の向上が期待できない。実施例
では、アルミナ粉末11の添加量は50重量%の割合で
あり、平均粒径は50μmを使用した。平均粒径50μ
mとは、一般的な粒度測定装置で測定した50μmの粒
径(粒子径)であり、粒子形状が不規則なものの集合で
ある。
【0011】アルミニウム粉末12の所定量(割合)
は、アルミナ粉末11の重量に対し、10重量%〜75
重量%の範囲から選択する量である。10重量%未満で
あれば、多孔質成形体のアルミニウム粉末12の割合は
非常に少なく、多孔質成形体の熱的特性の改善が期待で
きない。また、アルミニウム基複合材料のアルミナの割
合がほとんど変化せず、強度調整ができない。75重量
%を超えると、アルミニウム基複合材料のアルミナの割
合が少なくなり過ぎ、アルミニウム基複合材料の強度が
低下する。実施例では、アルミニウム粉末12の所定量
(添加量)は、50重量%である。
【0012】アルミニウム粉末12の粒径は、1μm〜
200μmの範囲から選択するのが望ましい。1μm未
満であれば、多孔質成形体の密度は高くなり、熱伝導率
は向上するが、多孔質成形体のアルミニウム粉末の割合
が多くなり、生産コストが嵩む。また、多孔質成形体の
アルミナの割合を調整する際にも、アルミニウム粉末の
割合が多くなり、生産コストが嵩む。200μmを超え
ると、多孔質成形体の気孔が大きくなり、熱的特性に影
響する。また、アルミナの割合の微調整が難しい。実施
例では、アルミニウム粉末12の平均粒径は、50μm
である。
【0013】つまり、平均粒径50μmのアルミナ粉末
11を50重量%に、平均粒径50μmのアルミニウム
粉末12を50重量%を混合し、混合物13をプレスマ
シン14の下金型15に入れる。なお、説明を容易にす
るために下金型15内で混合したが、混合機で十分に混
合した後、混合物13をプレスマシン14へ搬送するの
が望ましい。必要に応じてバインダーを添加する。
【0014】(b):次に、プレスマシン14で混合物
13を所定の条件で加圧する。具体的には、混合物13
を加熱手段16で所定温度(例えば、200℃程度)に
昇温するとともに、上金型18を下降し、混合物13を
加圧(例えば、10kgf/cm2程度)する。
【0015】(c):混合物を成形し、酸化物系セラミ
ックス(アルミナ(Al23))からなる多孔質成形体
20を造る。上金型18を仮想線の如く上昇させ、下金
型15から多孔質成形体20を取り出す。多孔質成形体
20は、アルミナ粉末とアルミニウム粉末とが結合した
ものであり、表面まで通じた開気孔及び内部に孤立した
閉気孔の2種類の気孔を有する多孔体であり、体積分率
(Vf)20%程度である。
【0016】ここで、体積分率(Vf)は、全体積のな
かである成分が占める体積の百分率であり、複数の成分
を含む混合物の全体積をV、それぞれの成分が占める体
積、例えば成分iが占める体積を体積Viとしたときの
Vi/Vを成分iの体積分率という。
【0017】つまり、体積分率(Vf)20%は、固相
部分(閉気孔含む)の体積分率であり、下記の式(1)
で求めたものである。 Vf=(固相部分の体積Vm/混合物の全体積V)×100 ………(1) また、固相部分の体積Vmは、下記の式(2)で求めた
ものである。 Vm=アルミナの体積V1+アルミニウムの体積V2 ………………(2) なお、アルミナの体積分率(V1f)は10%でり、下
記の式(3)で求めたものである。 V1f=(アルミナの体積V1/混合物の全体積V)×100 ……(3)
【0018】図3は本発明に係るアルミニウム基複合材
料を製造する炉の概要構造図であり、炉30は、雰囲気
炉31と、この雰囲気炉31に付属した加熱装置32
と、雰囲気炉31に不活性ガスを供給するガス供給装置
33と、雰囲気炉31内を減圧する真空ポンプ34とか
らなる。35及び36は坩堝(るつぼ)である。詳しく
は、加熱装置32は、例えば、制御装置41と、温度セ
ンサ42と、加熱コイル43とからなり、ガス供給装置
33は、アルゴンガス(Ar)44のボンベ45と、窒
素ガス(N2)46のボンベ47と、これらのボンベ4
5,47のガスを雰囲気炉31へ供給する管48と、こ
の管48に設けた圧力ゲージ49,49とからなる。
【0019】坩堝35は酸化物系セラミックスであると
ころの多孔質成形体20及びアルミニウム合金51を入
れる容器であり、坩堝36はマグネシウム(Mg)52
を入れる容器である。アルミニウム合金51は、例えば
A6061である。マグネシウム52はマグネシウム合
金でもよい。
【0020】図4(a),(b)は本発明に係るアルミ
ニウム基複合材料の製造方法の第2説明図であり、浸透
までの過程を模式的に示す。 (a):まず、多孔質成形体20とともに、アルミニウ
ム合金51及びマグネシウム52を炉内に納める。具体
的には、坩堝35に多孔質成形体20を入れ、多孔質成
形体20にアルミニウム合金51を載せ、坩堝36にマ
グネシウム52を入れる。
【0021】次に、雰囲気炉31内の酸素を除去するた
めに雰囲気炉31内を真空引きし、一定の真空度に達し
たら、真空ポンプ34を止め、雰囲気炉31にアルゴン
ガス(Ar)44を矢印の如く供給し、加熱コイル4
3で矢印の如く多孔質成形体20、アルミニウム合金
51及びマグネシウム52の加熱を開始する。
【0022】雰囲気炉31内の温度を温度センサ42で
検出しつつ昇温(自動)する。所定温度(例えば、約7
50℃〜約900℃)に達する過程で、アルミニウム粉
末及びアルミニウム合金51は溶解する。同時に、マグ
ネシウム52は矢印の如く蒸発する。その際、雰囲気
炉31内はアルゴンガス(Ar)44の雰囲気下にある
ので、アルミニウム合金51及びマグネシウム52が酸
化することはない。
【0023】(b):次に、雰囲気炉31内を加圧し、
窒化マグネシウム54の作用で多孔質成形体20を還元
し、多孔質成形体20の多孔質にアルミニウム合金51
の溶湯を浸透させてアルミニウム基複合材料60を製造
する。具体的には、雰囲気炉31に窒素ガス(N2)4
6を矢印の如く供給しつつ加圧(例えば、大気圧+約
0.5kg/cm2)し、雰囲気炉31内の雰囲気を窒
素ガス(N2)46に置換する。
【0024】雰囲気炉31内が窒素ガス(N2)46の
雰囲気になると、窒素ガス46は、マグネシウム52と
反応して窒化マグネシウム(Mg32)54を生成す
る。この窒化マグネシウム54は多孔質成形体20のア
ルミナ(Al23)を還元するので、アルミナは濡れ性
がよくなる。その結果、アルミナの多孔質にアルミニウ
ム合金51の溶湯が浸透する。アルミニウム合金51が
凝固してアルミニウム基複合材料60が完成する。
【0025】アルミニウム基複合材料60は、アルミニ
ウムの母材(マトリックス相)にアルミナ(分散相)を
組合せた複合材料である。アルミニウムの体積分率は9
0%、アルミナの体積分率は10%である。
【0026】以上に述べたアルミニウム基複合材料の製
造方法の作用を次に説明する。図5は本発明に係る多孔
質成形体のアルミナの体積分率を示したグラフであり、
横軸をアルミニウム粉末の割合とし、縦軸をアルミナの
体積分率としたものである。この試験は、アルミナの平
均粒径を50μmの一定とし、アルミニウムの平均粒径
を10μm、50μm及び200μmの3種類に分け、
おのおのの粒径を25重量%、50重量%、75重量%
の割合でアルミナ粉末に混合し、アルミナの体積分率を
確認した。
【0027】アルミナ粉末を75重量%、アルミニウム
粉末を25重量%にした場合、アルミニウム粉末の粒径
が10μm(□印で示す)、200μm(○印で示す)
では、アルミナの体積分率はほとんど変化しない。アル
ミニウム粉末の粒径が50μm(◎印で示す)では、ア
ルミナの体積分率は15%に減少する。
【0028】アルミナ粉末を50重量%、アルミニウム
粉末を50重量%にした場合、粒径が50μm(◎印)
では、アルミナの体積分率は10%に減少する。粒径が
200μm(○印)では、アルミナの体積分率は約12
%である。本実施例のように平均粒径50μmのアルミ
ニウム粉末を50重量%混合すると、アルミナの体積分
率は約10%である。
【0029】アルミナ粉末を25重量%、アルミニウム
粉末を75重量%にした場合、粒径が10μm(□印で
示す)では、アルミナの体積分率はあまり減少せず、2
00μm(○印で示す)では、アルミナの体積分率は最
も減少する。
【0030】アルミニウム粉末の所定量(割合)は、ア
ルミナ粉末の重量に対し、10重量%〜75重量%の範
囲から選択する。アルミナの割合とアルミニウム基複合
材料の機械的性質とは相関関係があるから、アルミナの
体積分率を調整することで、アルミニウム基複合材料の
機械的性質を変えることができる。
【0031】このように、アルミナ粉末中に所定量の金
属粉末を混合することで、アルミナ粉末を分散させつ
つ、アルミナの体積分率を調整することができ、アルミ
ナの体積分率の調整が容易である。その結果、所望の機
械的性質を有するアルミニウム基複合材料の製造が容易
になる。また、アルミニウム粉末は比重が小さいので、
アルミニウム基複合材料の軽量化を維持することができ
る。
【0032】図6は本発明に係る多孔質成形体の粒子結
合の説明図であり、粒子結合を模式的に示す。(a)は
比較例として、アルミナ粉末のみの多孔質成形体を示
し、(b)は実施例のアルミナ粉末及びアルミニウム粉
末を混合した多孔質成形体を示す。(a)において、比
較例の多孔質成形体70は、平均粒径50μmのアルミ
ナ粉末11を100重量%としたアルミナ粉末11のみ
の成形体であり、アルミナ粉末11の粒子62・・・(・・・
は複数を示す。以下同様。)同士が結合し、粒子62間
に多くの気孔(空隙)64・・・を形成した多孔質成形体
である。多孔質成形体70の体積分率は20%程度であ
る。
【0033】多孔質成形体70を加熱手段16で加熱す
ると、熱65は表層部に位置する粒子62a(粒子62
を粒子62aと呼ぶ)を昇温するとともに、粒子62a
に結合した粒子62b(粒子62を粒子62bと呼
ぶ),62bへと伝わり、粒子62b,62bを昇温す
る。アルミナの粒子62a、62bの熱伝導率は約0.
065cal/cm・s・℃であり、一般的な金属(例
えば、軟鋼や鋳鉄)に較べ、熱伝導率は小さく、熱がア
ルミナの粒子間を伝導するのに時間がかかる。そのた
め、多孔質成形体70の内部(深層部)を所定温度まで
昇温するに時間がかかる。また、表層部の温度と内部
(深層部)の温度を比較すると大きな温度差が発生す
る。
【0034】(b)において、実施例の多孔質成形体2
0は、平均粒径50μmのアルミナ粉末11を50重量
%と、平均粒径50μmのアルミニウム粉末12を50
重量%とを混合し、成形したものであり、アルミナ粉末
11の粒子62・・・とアルミニウム粉末12の粒子73・
・・とが結合し、粒子62,73間に多くの気孔(空隙)
74・・・を形成した多孔質成形体である。多孔質成形体
20の体積分率は多孔質成形体70と同様に20%程度
であり、アルミナの体積分率が約10%、アルミニウム
の体積分率が約10%である。
【0035】多孔質成形体20を加熱手段16で加熱す
ると、熱65は表層部に位置するアルミナの粒子62及
びアルミニウムの粒子73を昇温する。アルミニウムの
粒子73の熱伝導率は約0.53cal/cm・s・℃
であり、アルミナに較べ熱伝導率が8倍も高いので、熱
65はアルミナの粒子間を伝導するよりも先にアルミニ
ウムの粒子73a(粒子73を粒子73aと呼ぶ)から
アルミニウムの粒子73b(粒子73を粒子73bと呼
ぶ),73c(粒子73を粒子73cと呼ぶ)へと伝導
する。そのため、多孔質成形体70よりも短時間で多孔
質成形体20の内部(深層部)を所定温度まで昇温する
ことができる。また、表層部の温度と内部(深層部)の
温度との温度差は非常に小さく、ほぼ均一に昇温するこ
とができる。
【0036】図7は本発明に係る多孔質成形体の昇温速
度の一例を示したグラフであり、横軸を時間とし、縦軸
を温度としたものである。この試験は、雰囲気炉内に比
較例の多孔質成形体及び実施例の多孔質成形体を置き、
加熱装置により所定の条件で加熱し、650℃まで達す
るのに要した時間を確認した。なお、温度は、おのおの
の多孔質成形体の内部(深層部)を計測したものであ
り、参考に炉温(雰囲気炉内の温度)の推移も記録し
た。
【0037】雰囲気炉内を650℃まで昇温するのに要
した時間は、昇温開始から約45分である。比較例の多
孔質成形体を650℃まで昇温するのに要した時間は、
約100分(6.5℃/分)である。実施例の多孔質成
形体を650℃まで昇温するのに要した時間は、約80
分(8.1℃/分)である。
【0038】実施例の多孔質成形体は、比較例の多孔質
成形体に較べ、昇温時間が20%短縮されている。多孔
質成形体にアルミニウム粉末を混合することで、短時間
で多孔質成形体を所定温度まで昇温することができると
ともに、むらなく均一に内部(深層部)まで昇温するこ
とができ、多孔質成形体の昇温が容易である。その結
果、多孔質成形体にアルミニウムを短時間で浸透させる
ことができ、アルミニウム基複合材料の生産効率が向上
する。
【0039】金属粉末としてアルミニウム粉末を使用し
たが、金属粉末として銅の粉末をアルミナ粉末中に混合
してもよい。銅の熱伝導率は約0.941cal/cm
・s・℃であり、アルミニウムに較べ約2倍、アルミナ
に較べ14倍も熱伝導率が高い。アルミナ粉末中に銅の
粉末を混合することで、多孔質成形体の昇温がより容易
になる。
【0040】尚、本発明の実施例に示した多孔質成形体
20はアルミナ粉末中に平均粒径50μmのみを混合し
たが、二種類の粒径、例えば、10μm及び200μm
を同時にアルミナ粉末中に混合することも可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1では、アルミナ粉末中に所定量の金属粉
末を混合し、混合物を得る。アルミナ粉末中の金属粉末
の量を調整することで、アルミナ(酸化物系セラミック
ス)からなる多孔質成形体の熱伝導率を変える。多孔質
成形体にアルミナより熱伝導率が高い金属粉末を結合し
たので、従来のアルミナの多孔質成形体より短時間で多
孔質成形体の内部まで昇温することができるとともに、
むらなく均一に内部まで昇温することができ、多孔質成
形体の昇温が容易になる。
【0042】酸化物系セラミックスの多孔質にアルミニ
ウム合金の溶湯を浸透させてアルミニウム基複合材料を
得る。多孔質成形体を短時間で所定温度まで昇温するこ
とができるので、アルミニウム合金の浸透が速くなり、
アルミニウム基複合材料の生産効率が向上する。
【0043】請求項2では、金属粉末は、アルミニウム
粉末である。アルミナの粒子にアルミナより熱伝導率が
高いアルミニウムの粒子を結合したので、加熱装置によ
る熱はアルミナの粒子より先にアルミニウムの粒子間を
伝導し、短時間で多孔質成形体の内部(深層部)に達す
る。その結果、多孔質成形体をより短時間で昇温するこ
とができるとともに、むらなくより均一に内部まで昇温
することができ、多孔質成形体の昇温がより容易にな
る。また、アルミニウム粉末は比重が小さいので、アル
ミニウム基複合材料の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルミニウム基複合材料の製造方
法のフローチャート
【図2】本発明に係るアルミニウム基複合材料の製造方
法の第1説明図
【図3】本発明に係るアルミニウム基複合材料を製造す
る炉の概要構造図
【図4】本発明に係るアルミニウム基複合材料の製造方
法の第2説明図
【図5】本発明に係る多孔質成形体のアルミナの体積分
率を示したグラフ
【図6】本発明に係る多孔質成形体の粒子結合の説明図
【図7】本発明に係る多孔質成形体の昇温速度の一例を
示したグラフ
【符号の説明】
11…アルミナ粉末、12…アルミニウム粉末、13…
混合物、20…多孔質成形体、31…雰囲気炉、51…
アルミニウム合金、52…マグネシウム、54…窒化マ
グネシウム、60…アルミニウム基複合材料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅谷 有利 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 加藤 崇 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 越後 隆治 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4K020 AA22 AC01 BA02 BB22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ粉末中に所定量の金属粉末を混
    合し、混合物を得る工程と、 前記混合物を成形し、酸化物系セラミックスからなる多
    孔質成形体を造る工程と、 前記多孔質成形体、アルミニウム合金及び、マグネシウ
    ム又はマグネシウム発生源を炉内に納める工程と、 前記炉内に窒素ガスを吹込むことで、炉内のマグネシウ
    ムを窒化マグネシウムに変換し、この窒化マグネシウム
    の作用で前記酸化物系セラミックスを還元し、還元後の
    酸化物系セラミックスの多孔質にアルミニウム合金の溶
    湯を浸透させてアルミニウム基複合材料を得る工程と、
    からなるアルミニウム基複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属粉末は、アルミニウム粉末であ
    ることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基複合
    材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101928852A (zh) * 2010-09-07 2010-12-29 贾晓莎 一种连续自动化生产通孔泡沫铝的技术及设备技术

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