JP2000327735A - 透明ポリウレタン弾性体 - Google Patents

透明ポリウレタン弾性体

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JP2000327735A
JP2000327735A JP11144760A JP14476099A JP2000327735A JP 2000327735 A JP2000327735 A JP 2000327735A JP 11144760 A JP11144760 A JP 11144760A JP 14476099 A JP14476099 A JP 14476099A JP 2000327735 A JP2000327735 A JP 2000327735A
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polyurethane
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polyurethane elastic
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Satoshi Nakamura
聡史 仲村
Hideyuki Hanaoka
秀之 花岡
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実質的に透明でありながら、ポリウレタン材
料の有する良好な接着性が維持されたポリウレタン弾性
体を提供する。 【解決手段】 (A)グリセリンを出発物質としてプロ
ピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドにより鎖延
長された末端に水酸基を有する分子量3000〜600
0のトリオールと(B)分子量200〜600のポリエ
チレングリコールを含むポリオール成分と、分子内に2
つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート
を含むイソシアネート成分とをNCOとOHのモル比N
CO/OHで表されるNCOインデックスが0.95〜
1.20となるように反応させることにより実質的に透
明なポリウレタン弾性体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明ポリウレタン
弾性体に関し、さらに詳しくは、装飾品材料や玩具材料
等に適する無発泡で、実質的に透明なポリウレタン弾性
体に関する。
【0002】
【従来の技術】食品サンプルや玩具、装飾品の製造のた
めに用いられる透明なプラスチック注形材料のうちで
も、透明なポリウレタンとしては弾性のない硬度の高い
ものが従来より使用されていた。この様な透明ポリウレ
タンの一例としては、特開昭60−179416号公報
に記載されているポリウレタンが挙げられるが、これら
透明な硬質ポリウレタンは、成形時の収縮が大きく原料
成分を容器等に注入して一体成形品を得ようとした場
合、剥離を生じる点で問題であった。また、容器とポリ
ウレタンの熱膨張係数が異なるため、温度変化により生
じる容器の収縮にポリウレタンが追従できず、剥離を生
じるという問題があった。
【0003】一方、上記プラスチック注形材料として塩
化ビニルも使用されているが、透明度が低く用途が限定
されているとともに、燃焼によるダイオキシンの発生が
問題となっている。
【0004】また、透明度が高いものとしてシリコンゴ
ムが挙げられるが、シリコンゴムは脆く、強度が低く、
さらに他材料と組み合わせて使用する場合には接着が困
難であるばかりでなく、価格も高い点で問題である。
【0005】この様に、食品サンプルや玩具、装飾品の
製造のために用いられる透明なプラスチック注形材料と
しては、これまでに、要求される物性を十分に満たす材
料が得られていないのが現状であった。そこで、機械物
性に優れるとともに接着性も良好であるポリウレタン材
料において、透明性の高いポリウレタン弾性体が得られ
れば、上記の様な透明プラスチック注形材料として要求
される物性を十分に満たすことが考えられるが、これま
でに、この様な透明性の高いポリウレタン弾性体は得ら
れておらず、その開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、実質的に透明でありながら、ポ
リウレタン材料の有する良好な接着性が維持されたポリ
ウレタン弾性体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するためにポリウレタン弾性体の成形原料につい
て鋭意研究を行った結果、イソシアネート成分と組み合
わせるポリオール成分を特殊な組成とすると、透明度の
高いポリウレタン弾性体が得られることを見出し、本発
明を完成させた。
【0008】すなわち本発明は、(A)グリセリンを出
発物質としてプロピレンオキサイドおよびエチレンオキ
サイドにより鎖延長された末端に水酸基を有する分子量
3000〜6000のトリオールと(B)分子量200
〜600のポリエチレングリコールを含むポリオール成
分と、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポ
リイソシアネートを含むイソシアネート成分とを、NC
OとOHのモル比NCO/OHで表されるNCOインデ
ックスが0.95〜1.20となるように反応させるこ
とにより得られる実質的に透明なポリウレタン弾性体で
ある。
【0009】本発明のポリウレタン弾性体の反応原料の
一つであるポリオール成分が含有するトリオールにおけ
るエチレンオキサイド部分の占める割合として、具体的
には、15〜70重量%程度を挙げることができる。
【0010】また、本発明のポリウレタン弾性体のもう
一つの反応原料であるイソシアネート成分が含有するポ
リイソシアネートとして、具体的には、カルボジイミド
反応により変性されていてもよい4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、および水添キシリレンジイソシアネートから選ばれ
る少なくとも1種や、カルボジイミド反応により変性さ
れていてもよい4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、および水添キシ
リレンジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種
と、グリセンリンまたはグリコールを出発物質としてプ
ロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイド
により鎖延長された末端に水酸基を有するポリオールと
を反応させることにより得られる、末端にイソシアネー
ト基を有するプレポリマー等を挙げることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリウレタン弾性体は、上記(A)および
(B)のポリオールを含むポリオール成分と、分子内に
2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネー
トを含むイソシアネート成分とを反応させることにより
得られる実質的に透明なポリウレタン弾性体である。ま
ず、本発明のポリウレタン弾性体の反応原料を構成する
ポリオール成分、イソシアネート成分をその順に説明す
る。
【0012】(1)ポリオール成分 本発明のポリウレタン弾性体の反応原料を構成するポリ
オール成分は、上記(A)のトリオールおよび(B)の
ポリエチレングリコールを含有するものである。
【0013】(A)トリオール 本発明に用いるポリオール成分が含有するトリオール
は、グリセリンを出発物質としてプロピレンオキサイド
およびエチレンオキサイドにより鎖延長された末端に水
酸基を有するトリオールであり、その分子量は3000
〜6000、好ましくは3000〜5000である。
【0014】また、本発明に用いるトリオールの分子中
において上記プロピレンオキサイドとエチレンオキサイ
ドは規則的に結合していても、不規則に結合していても
よい。したがって、プロピレンオキサイドおよびエチレ
ンオキサイドはそれぞれ1分子単独のあるいは2分子以
上が結合した状態のプロピレンオキサイド部分およびエ
チレンオキサイド部分として、前記トリオール分子中に
断続的または連続的に存在する。この様な、本発明に用
いるトリオールの分子中に占めるエチレンオキサイド部
分の合計は、トリオール分子全体の15〜70重量%程
度であることが好ましく、15〜40重量%程度である
ことがより好ましい。
【0015】(B)ポリエチレングリコール 本発明に用いるポリエチレングリコールは、200〜6
00、好ましくは400〜600の分子量を有するポリ
エチレングリコールである。
【0016】上記(A)および(B)のポリオールは、
何れも従来公知の方法により得られるものである。本発
明に用いるポリオール成分は、上記(A)トリオールお
よび(B)ポリエチレングリコールを含有する。(A)
および(B)のポリオールの含有量については、特に制
限されるものではないが、ポリオール成分における
(A)トリオールと(B)ポリエチレングリコールの含
有比率(A)/(B)は、好ましくは、重量比率で1〜
50程度、より好ましくは2〜30程度である。
【0017】本発明に用いるポリオール成分は、上記ポ
リオール以外に、ポリウレタン弾性体を製造する際に通
常用いられるポリオール成分が含有する各種成分の適当
量を本発明の効果を損なわない範囲で含有することがで
きる。この様な成分として、例えば、反応を促進させる
ための触媒、難燃剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、染料、
顔料、消泡剤等が挙げられる。
【0018】また、上記触媒として、具体的には、3級
アミン、イミダゾール、有機錫化合物、有機鉛化合物、
有機カリウム塩、有機ナトリウム塩、DBU(1,8−
ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7)のフェ
ノール、ギ酸、オクチル酸、オレイン酸等との塩等が挙
げられる。さらに、上記難燃剤としては、水酸化アルミ
ニウム、リン酸エステル類、メラミン、赤リン、膨張黒
鉛等が、脱水剤としては、ケイ酸カルシウム、炭酸カル
シウム、硫酸マグネシウム、合成ゼオライト等が、可塑
剤としては、DOP(ジ(2−エチルヘキシル)フタレ
ート)、DOA(ジ(2−エチルヘキシル)アジペー
ト)、DBP(ジブチルフタレート)等が、耐候剤とし
ては、HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)やポリ
ウレタン樹脂に通常用いられる紫外線吸収剤、光安定
剤、酸化防止剤等を構成する成分と同様の化合物等が、
消泡剤としては、シリコンオイル、オキシプロピレング
リコールモノエーテル、アルキルフェノール等がそれぞ
れ挙げられる。
【0019】(2)イソシアネート成分 本発明のポリウレタン弾性体の反応原料を構成するイソ
シアネート成分は、分子内に2つ以上のイソシアネート
基を有するポリイソシアネートを含有するものである。
上記ポリイソシアネートとして、具体的には、ポリウレ
タン弾性体を製造する際に通常用いられるポリイソシア
ネートを特に制限なく挙げることができる。
【0020】この様なポリイソシアネートとして、より
具体的には、トリレンジイソシアネート、ポリメリック
4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート(ポリメリ
ックMDI)、カルボジイミド反応により変性されてい
てもよい4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水
添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート等が挙げられる。
【0021】これらのうちで、本発明に好ましく用いら
れるポリイソシアネートとして、カルボジイミド反応に
より変性されていてもよい4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添
キシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0022】また、カルボジイミド反応により変性され
ていてもよい4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ートとして、具体的には、4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、カルボジイミド変性4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0023】さらに、本発明においては、上記ポリイソ
シアネートとして、カルボジイミド反応により変性され
ていてもよい4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、および水添キシリ
レンジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種のジ
イソシアネートと、グリセンリンまたはグリコールを出
発物質としてプロピレンオキサイドおよび/またはエチ
レンオキサイドにより鎖延長された末端に水酸基を有す
るポリオールとを反応させることにより得られる、末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを用いること
が可能であり、好ましい。
【0024】また、上記プレポリマー製造のために用い
るポリオールの分子量は、好ましくは400〜6000
程度であり、より好ましくは3000〜5000程度で
ある。また、プレポリマー製造に用いる上記ポリオール
とジイソシアネートの量比は、得ようとするプレポリマ
ーのNCO%(プレポリマー分子中に占めるイソシアネ
ート(NCO)基の重量の割合を百分率で示した値;具
体的には、「100×42.02/プレポリマーのイソ
シアネート当量」で求められる。)の値によって決定さ
れる。本発明に用いられる上記プレポリマーの好ましい
NCO%として、5〜30%程度の値が挙げられ、より
好ましいNCO%として10〜25%程度の値が挙げら
れる。
【0025】上記プレポリマーの製造は、通常、ポリイ
ソシアネートとポリオールを用いて末端にイソシアネー
ト基を有するプレポリマーを製造するのと同様の方法で
行うことができる。
【0026】本発明に用いるイソシアネート成分は、上
記ポリイソシアネート以外に、ポリウレタン弾性体を製
造する際に通常用いられるイソシアネート成分が含有す
る各種成分の適当量を本発明の効果を損なわない範囲で
含有することができる。この様な成分として、例えば、
難燃剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、染料、顔料、消泡剤
等が挙げられる。これら各種成分の具体例については、
上記ポリオール成分で説明したのと同様のものが挙げら
れる。
【0027】次に、上記ポリオール成分とイソシアネー
ト成分を反応させて得られる本発明の実質的に透明なポ
リウレタン弾性体について説明する。
【0028】(3)本発明のポリウレタン弾性体 本発明の実質的に透明なポリウレタン弾性体は、上記ポ
リオール成分とイソシアネート成分を反応させることに
より得られる。反応に用いるポリオール成分とイソシア
ネート成分の割合としては、NCOとOHのモル比NC
O/OHで表されるNCOインデックスで、0.95〜
1.20程度であり、好ましくは1.00〜1.10程
度である。
【0029】また、本発明のポリウレタン弾性体を得る
反応において、上記ポリオール成分とイソシアネート成
分とともに、これら以外の成分として、必要に応じて上
述した様な触媒、難燃剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、染
料、顔料、消泡剤等の各種成分を本発明の効果を損なわ
ない範囲の量で用いることも可能である。これら各種成
分の具体例については、上記(1)で説明したのと同様
である。
【0030】本発明のポリウレタン弾性体の原料成分は
上記に説明した通りであるが、本発明においては原料成
分に4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)
(MOCA)の様な塩素系化合物を含有しないことが、
焼却時のダイオキシンの発生等を考慮すれば好ましい。
【0031】上記ポリオール成分とイソシアネート成分
を用いて本発明のポリウレタン弾性体を得る反応は、具
体的には、上記ポリオール成分とイソシアネート成分と
必要に応じて添加される上記各種成分とを混合して、反
応・硬化させることにより行うことができる。この際の
反応・硬化は、常温、常圧で行うことが可能であるが、
必要に応じて、例えば、硬化時間を短縮すること等を目
的として、加温条件下で行うこともできる。ここで、本
明細書において、常温とは、概ね10〜30℃の範囲を
いい、常圧とは大気圧を意味する。また、本発明のポリ
ウレタン弾性体を得る際の、上記硬化に要する時間は、
用いる原料成分の組成等により異なるが、常温、常圧
で、概ね5分〜24時間である。
【0032】この様にして得られる本発明のポリウレタ
ン弾性体は、実質的に透明であって、さらに、引裂強度
等の機械物性に優れるとともに他材料、例えば、ポリプ
ロピレン、塩化ビニル、ABS樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン等のプラスチック;ガラス;
陶器;鉄、アルミニウム、鋳物、ステンレス等の金属等
との接着性、密着性も良好である。
【0033】ここで、本明細書において「実質的に透明
である」とは、60mmφ×30mmtのサイズの円柱
形サンプルを室内の蛍光灯照射条件下で肉眼観察した際
に、着色、濁りおよび曇りが認められないことを意味す
る。また、「弾性体」については、A型硬度計(JIS
K6301)により測定した値が5〜90程度である
物体を表す用語として用いている。
【0034】さらに、本発明のポリウレタン弾性体にお
いては、上記構成する原料成分の配合比率や可塑剤の添
加などで、硬度、強度等を必要に応じて適当に変えるこ
ともできる。例えば、可塑剤を添加したり、トリオール
の分子量を大きくしたりすることにより、硬度を低くす
ることが可能であり、反対にトリオールの分子量を小さ
くすることにより、硬度を高くすることが可能である。
【0035】また、本発明のポリウレタン弾性体を製造
する際には、通常のポリウレタン弾性体に用いられる成
形法が特に制限されずに適用されるが、本発明のポリウ
レタン弾性体の製造に際しては、上記混合後の原料成分
の粘度が低いことから成形法として注形成形を採ること
が好ましい。言い換えれば、本発明のポリウレタン弾性
体は、注形成形により製造することが必要とされるポリ
ウレタン弾性体として好適である。また、本発明のポリ
ウレタン弾性体は接着性、密着性に優れることから、他
材料からなる容器等に上記混合後の原料成分を注入して
硬化させることで前記容器と一体となった成形品を得る
一体成形にも適するものである。
【0036】注形成形は、具体的には、ポリオール成
分、イソシアネート成分および必要に応じて添加される
任意成分を混合した後、直ちに所定の型に注入し、所定
時間型内に放置後、脱型することで行われる。この際、
混合から硬化開始までの時間を、触媒の種類や使用量、
原料の温度等によって、5〜30分に調整することが望
ましい。前記時間は注入する際の注入方法(手作業か機
械注入か)、注入機の吐出能力、注入する型の容量、す
なわち得ようとする成形品の大きさ等に応じて適宜調製
される。前記時間は注入時の作業性を考慮すれば長い方
が好ましいが、前記時間を長く調整するとそれに伴い硬
化に要する時間も長くなってしまうことから、本発明に
おいては上記範囲が適当といえる。常温の場合の硬化時
間は、上記の通り概ね5分〜24時間であるが、状況に
より、脱型を早めるために注入前あるいは注入後に型を
加温して反応・硬化時間を短縮することもできる。
【0037】本発明のポリウレタン弾性体を注形成形す
る際に用いる、混合装置や注入装置としては、ポリウレ
タン弾性体の製造に通常用いられる混合装置、注入装置
が特に制限なく挙げられる。また、注形用の型について
は、上述の様に原料成分の反応・硬化に加熱、加圧等を
必ずしも必要としないことから、例えば、樹脂型やFR
P型等の簡易型が適用可能であり、これによって製造装
置全体の簡素化が図れる。さらに、型内での原料成分の
反応・硬化を常温で行うことが可能であり、その場合に
は、特に成形収縮が少なく、型の設計も容易である。
【0038】一体成形は、上記注形成形を行う際に、注
形型の代わりに本発明のポリウレタン弾性体と一体成形
しようとする容器等を用い、さらに、脱型を行わないこ
とを除いて上記と全く同様に行うことができる。この場
合、前記容器等としては、ポリプロピレン、塩化ビニ
ル、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン等のプラスチック;ガラス;陶器;鉄、アルミニ
ウム、鋳物、ステンレス等の金属等の材料からなるもの
が特に好ましく用いられる。本発明のポリウレタン弾性
体は上記のように成形収縮が少なく、この特性は一体成
形においては、容器等との密着性を得る点で有利であ
る。
【0039】この様に、本発明のポリウレタン弾性体に
おいては、原料成分が安価であり、また簡易な装置でか
つ簡単な操作で成形が可能であることから、他の透明プ
ラスチック注形材料と比べてコスト面でも有利である。
【0040】また、本発明の実質的に透明なポリウレタ
ン弾性体の用途は特に限定されないが、高い透明性に加
えて、機械物性や接着性に優れることから、注形成形に
より製造される食品サンプルや玩具、装飾品に好ましく
適用できる。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。まず、
本発明の各実施例、比較例に用いた原料化合物につい
て、物性、製造元等の詳細をポリオールについては表1
に、ポリオール以外の原料成分については表2に示す。
【0042】なお、表1中、「EO」はエチレンオキサ
イドを、「PO」はプロピレンオキサイドを示し、「E
O/PO」はEOおよびPOがともに鎖延長に使用され
たことを意味する。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【実施例1〜17】下記表3および表4に示される組成
に基づいて、ポリオール(A)および(B)、触媒、可
塑剤を撹拌混合した。得られた混合液(ポリオール成
分)の状態を下記の方法で評価した後、ポリオール成分
と、表3および表4に示されるイソシアネート成分を、
表3、表4に示される所定の配合比率に基づいて、合計
で150gになるように混合し、撹拌して反応液を得
た。撹拌はガラス棒等を使用し、混合不良がないように
1分間充分にかき混ぜる方法により行った。得られた反
応液のうち、一部を下記評価に用い、100gを、内径
60mm、肉厚0.5mm、高さ80mmのポリプロピ
レン(PP)製の容器に流し込み、70℃で12時間放
置し、実施例1〜17のポリウレタン成形品を得た。な
お、前記成形品はポリプロピレン(PP)製の容器との
一体成形品である。
【0046】<ポリウレタン原料成分、樹脂組成物およ
びポリウレタン硬化物の評価>上記各実施例で用いたポ
リオール成分、ポリウレタン樹脂組成物、および上記各
実施例で得られたポリウレタン成形品(ポリウレタン硬
化物)を、以下の方法で評価した。結果を、表3および
表4の最下欄に示す。
【0047】(1)ポリオール成分の状態 ポリオール成分を上記同様の内径60mm、肉厚0.5
mm、高さ80mmのポリプロピレン製容器に入れた状
態で、室内の蛍光灯照射下で肉眼観察し、白濁、分離、
沈殿、着色の有無を判定した。白濁、分離、沈殿、着色
が全くないものを「透明」と評価した。
【0048】(2)ポリウレタン樹脂組成物の可使時間 上記ポリオール成分とイソシアネート成分を混合し、1
分間撹拌して得られた反応液の、室温(20℃)におけ
る増粘具合の変化を観察した。撹拌終了時から、反応液
の粘度が他の容器へ注ぎ移すのに困難な程度に上昇する
までの時間を測定し可使時間とした。
【0049】(3)ポリウレタン樹脂組成物の硬化時間 上記ポリオール成分とイソシアネート成分を混合し、1
分間撹拌して得られた反応液を直ちに70℃の加温室に
入れ硬化の具合を観察した。撹拌終了時から、反応液の
入った容器を傾けても形状が変化しない状態になるまで
の時間を測定し硬化時間とした。観察は5分ごとに行い
1時間継続した。1時間以内に硬化しない場合は、硬化
時間を1時間以上と表記した。
【0050】(4)ポリウレタン硬化物の状態 得られたポリウレタン一体成形品におけるPP容器内の
ポリウレタン硬化物の状態を、室内の蛍光灯照射下で肉
眼観察し、白濁、着色、収縮の有無を判定した。また、
PP容器を傾ける試験によりポリウレタンの硬化・未硬
化を判定し、さらに、硬化したものについては、硬化
後、ガラス棒でポリウレタン硬化物の表面に触れること
により、べたつきの有無を判定した。白濁、着色のない
ものを透明とし、透明であり、且つ、べたつき、収縮が
なく、未硬化でないものを「良好」とした。
【0051】(5)PP容器との接着性 得られたポリウレタン成形品について、ポリウレタン硬
化物とPP容器との間に剥離があるかどうかを肉眼観察
によりチェックした。剥離が認められなかったものを
「良好」とした。
【0052】(6)ポリウレタン硬化物のA硬度(単
位;度) JISA型ゴム硬度計により、JIS K6301に準
じて測定した。すなわち、得られたポリウレタン成形品
のポリウレタン硬化物にJISA型ゴム硬度計の測定部
を押し付け、指示針が静止した時点の値を読み取ること
により、A硬度を測定した。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【比較例1〜13】上記表3、表4の成分の代わりに下
記表5、表6に示す成分を用いた以外は上記実施例と全
く同様に操作を行って、比較例1〜13のポリウレタン
成形品を得た。ただし、表5、表6中に示す比較例1〜
13の作製に用いたポリオール(A)'および(B)'
は、それぞれ本発明に用いるポリオール(A)および
(B)に対応するトリオールおよびポリエチレングリコ
ールであるが、構成アルキレンオキサイドの種類や分子
量等において本発明に用いるトリオールおよびポリエチ
レングリコールの範囲に含まれないポリオールをも含む
ものである。例えば、表1を見れば明らかな様に、トリ
オール1、トリオール3およびポリエチレングリコール
4はそれぞれ、本発明に用いるトリオールおよびポリエ
チレングリコールの範囲外のポリオールである。
【0056】また、上記各比較例で用いたポリオール成
分、ポリウレタン樹脂組成物、および上記各比較例で得
られたポリウレタン成形品(ポリウレタン硬化物)を、
上記実施例と同様の方法で評価した。結果を表5、表6
の最下欄に示す。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【発明の効果】本発明のポリウレタン弾性体は、実質的
に透明であって、さらに、引裂強度等の機械物性に優れ
るとともに他材料との接着性も良好である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA07 BA08 CA04 CA05 CB03 CB04 DB05 DG03 HA06 HA07 HB06 HC03 HC16 HC17 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 KA01 KC02 KC08 KD02 KD11 KD12 QA03 QB08 QB15 RA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)グリセリンを出発物質としてプロ
    ピレンオキサイドおよびエチレンオキサイドにより鎖延
    長された末端に水酸基を有する分子量3000〜600
    0のトリオールと(B)分子量200〜600のポリエ
    チレングリコールを含むポリオール成分と、分子内に2
    つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート
    を含むイソシアネート成分とを、NCOとOHのモル比
    NCO/OHで表されるNCOインデックスが0.95
    〜1.20となるように反応させることにより得られる
    実質的に透明なポリウレタン弾性体。
  2. 【請求項2】 トリオールにおけるエチレンオキサイド
    部分の占める割合が15〜70重量%であることを特徴
    とする請求項1記載のポリウレタン弾性体。
  3. 【請求項3】 ポリイソシアネートが、カルボジイミド
    反応により変性されていてもよい4,4’−ジフェニル
    メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
    ート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソ
    シアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
    ト、および水添キシリレンジイソシアネートから選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1記載の透明ポリウレタ
    ン弾性体。
  4. 【請求項4】 ポリイソシアネートが、カルボジイミド
    反応により変性されていてもよい4,4’−ジフェニル
    メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
    ート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソ
    シアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
    ト、および水添キシリレンジイソシアネートから選ばれ
    る少なくとも1種と、グリセンリンまたはグリコールを
    出発物質としてプロピレンオキサイドおよび/またはエ
    チレンオキサイドにより鎖延長された末端に水酸基を有
    するポリオールとを反応させることにより得られる、末
    端にイソシアネート基を有するプレポリマーであること
    を特徴とする請求項1記載の透明ポリウレタン弾性体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002050151A1 (en) * 2000-12-19 2002-06-27 Dow Global Technologies Inc. Thermoplastic polyurethane containing structural units of ethylene oxide polyol or ethylene oxide capped propylene oxide polyol
CN108559058A (zh) * 2018-05-11 2018-09-21 美瑞新材料股份有限公司 一种高透明热塑性聚氨酯弹性体及其制备方法

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