JP2000324444A - 番組構造化方法、番組編集支援方法、番組編集支援システム、イベントリスト記録媒体、番組インデックス制作方法、及び番組インデックス編集装置 - Google Patents

番組構造化方法、番組編集支援方法、番組編集支援システム、イベントリスト記録媒体、番組インデックス制作方法、及び番組インデックス編集装置

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JP2000324444A
JP2000324444A JP2000060318A JP2000060318A JP2000324444A JP 2000324444 A JP2000324444 A JP 2000324444A JP 2000060318 A JP2000060318 A JP 2000060318A JP 2000060318 A JP2000060318 A JP 2000060318A JP 2000324444 A JP2000324444 A JP 2000324444A
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JP2000060318A
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English (en)
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Junichi Kuboki
準一 久保木
Takako Hashimoto
隆子 橋本
Takeshi Kimura
武史 木村
Mitsuteru Kataoka
充照 片岡
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Jisedai Joho Hoso System Kenkyusho KK
Original Assignee
Jisedai Joho Hoso System Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 番組編集作業の飛躍的な効率化を実現可能な
番組構造化方法、番組編集支援方法、番組編集支援シス
テム、及びイベントリスト記録媒体を提供することを課
題とする。 【解決手段】 番組に対して付加情報を与える構造化を
行う際に用いられる番組構造化方法であって、生番組の
編集を行うにあたり、編集対象となる番組時系列上にて
時々刻々と生起してきた映像又は音声を含むイベントに
対し、その生起時間を含むイベント情報を有機的に関連
付けたイベントリストを作成し、作成したイベントリス
トを基に番組の構造化を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、番組に対して付加
情報を与える構造化を行う際に用いられる番組構造化方
法に係り、特に、番組編集作業の飛躍的な効率化を実現
可能な番組構造化方法、番組編集支援方法、番組編集支
援システム、及びイベントリスト記録媒体に関する。
【0002】また、本発明は、こうした番組構造化方法
を用いて得られたイベントリストの情報をもとに、番組
それ自体と並んで価値あるコンテンツたる番組インデッ
クスを、簡易な手順をもって、効率的に制作可能な番組
インデックス制作方法に関する。
【0003】そして、本発明は、番組インデックスを、
視覚を通じて、かつ、簡易な操作をもって、効率的に編
集可能な番組インデックス編集装置に関する。
【0004】
【従来の技術】最近現行の地上波放送に加えてデジタル
放送に係る社会基盤が急速に整備されてきた。
【0005】ところで、デジタル放送が真に魅力あるサ
ービスとしての地位を確立する上で考慮すべき重要な点
は、映像・音声などを含む番組を単にデジタル化して放
送するのみならず、いわゆる「デジタル化の配当」を視
聴者に還元する点にあるといわれている。
【0006】ここで「デジタル化の配当」とは、例えば
幼児から高齢者に至るあらゆる年齢層の視聴者の嗜好に
合致するであろう多様な番組を放送すること、及びデジ
タル化の特性を活かして番組情報等を付加した番組を放
送することで、あたかもシャワーのようにして複数の各
放送事業者から送られてくる膨大な数量の番組のなかか
ら、視聴者の嗜好に合致した番組を素早く検索して視聴
可能とする仕組みを用意することをいう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した
「デジタル化の配当」のうち、前者の多様な番組の放送
に注目すれば、これは視聴者にとっての番組選択肢が増
えることを意味するため、自身の放送番組の視聴率向上
を切望する放送事業者は、人材・時間・費用を含む制約
条件下で、視聴者の多様な嗜好に合致した魅力ある番組
を制作しこれを放送する必要に迫られるが、この際、従
来の番組制作手法をそのまま踏襲していたのでは、厳し
い制約条件下でこの要求を満足することは到底不可能で
あるといった解決すべき課題を内在していた。
【0008】そこで、放送事業者は、番組制作段階から
その枠組みを見直し、人材・時間・費用を含む制約条件
下であっても、視聴者の多様な嗜好に合致した魅力ある
番組を制作可能な新たな枠組みを再構築する必要に迫ら
れていた。
【0009】本発明は、上記した課題を解決するために
なされたものであり、番組編集作業の飛躍的な効率化を
実現可能な番組構造化方法、番組編集支援方法、番組編
集支援システム、及びイベントリスト記録媒体を提供す
ることを課題とする。
【0010】また、本発明は、上述した番組構造化方法
ないし番組編集支援方法を用いて得られたイベントリス
トの情報をもとに、番組それ自体と並んで価値あるコン
テンツたる番組インデックスを、簡易な手順をもって、
効率的に制作可能な番組インデックス制作方法を提供す
ることを課題とする。
【0011】そして、本発明は、番組インデックスを、
視覚を通じて、かつ、簡易な操作をもって、効率的に編
集可能な番組インデックス編集装置を提供することを課
題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴をより明確
に訴求するために、本発明の説明に先立って、番組の構
造化に関する定義・趣旨と、従来の番組編集手法を用い
て番組の構造化を慣行した際に生じる課題について言及
する。
【0013】番組の構造化とは、番組の構成要素たる映
像又は音声などに何らかの付加情報を与えることをい
う。番組を構造化するのは、その番組中における特定の
シーンや音声部分を切り出して再生順序を入れ換えた
り、または、別の番組に挿入するなどといった番組編集
作業の効率化を図る趣旨である。
【0014】従来の番組編集手法を用いた番組の構造化
では、通常、映像を複数のシーンに分割し、分割後の各
シーンに対して再生順序などの付加情報を付与していく
といった手順を踏むのが一般的であった。しかし、映像
を複数のシーンに分割するといった編集作業、つまり編
集点(イン点とアウト点を含む上位概念)を試行錯誤し
ながら決定していく作業は、既に記録媒体に記録されて
いるような映像を対象とすることを前提として慣行され
る。こうした前提下で慣行される従来の番組構造化で
は、例えば野球やサッカーといったスポーツイベントの
ように、時間の経過に従って動きが変化していくような
事象(以下、イベントという場合がある。)を含む映像
を対象として、リアルタイムにシーンを分割していくと
いった処理を行うことは困難であった。
【0015】そこで、第1の課題として、生放送番組を
対象とした編集を行う生番組編集時においても、リアル
タイムに番組を構造化できる仕組みが求められていたの
である。
【0016】また、第2の課題として、録画番組を対象
とした編集を行う録画番組編集時においても、番組の構
造化を含む編集作業は、その閲覧だけでも映像の収録時
間を少なくとも要するため、映像収録時にリアルタイム
で撮影事象に対する構造化情報を付加できる仕組みを用
意することが、番組編集作業の効率化の観点から望まし
い。
【0017】さらに、時系列映像データの特徴として
「時系列映像データのうち、どの部分を切り出しても映
像データである。」というものがある。これは、映像デ
ータが時間的に連続した時系列情報であり、切り出す場
所を変えるだけで、新しい映像を生成できるといった性
質に基づくものである。
【0018】このような映像データを構造化するという
ことは、切り出す場所を定義することに他ならない。さ
らにその切り出す場所とは、切り出しの処理を行なった
編集者においてのみ意味をもった場所であり、別な編集
者は、上述と同様の観点で構造化処理を行った場合であ
っても、別な場所を切り出すかもしれない。つまり、任
意の編集点は、常に編集者の主観に基づくあいまいさを
含んでいる。このため、こうした編集者の主観に基づく
あいまいさを許容しながら、番組の構造化が可能な仕組
みが求められていた。
【0019】つまり、第3の課題として、従来の番組構
造化の枠組みを基礎として、新しい映像切り出し位置、
又は新しい番組構造化を自由に定義できる枠組みが求め
られていたのである。
【0020】こうした第1ないし第3の課題を一挙に解
決するために、本発明では、生番組または録画番組を対
象とした編集を行うにあたり、映像又は音声を含むイベ
ントに対し、その生起時間を含むイベント情報を有機的
に関連付けたイベントリストと呼ぶ番組の構造化を実現
可能とするための新規な概念を導入し、このイベントリ
ストを活用することによって、番組編集作業の飛躍的な
効率化、ひいては番組関連情報の作成簡易化などに寄与
する新規な枠組みを提案していく。
【0021】第1の課題の解決手段として位置付けられ
る請求項1の発明は、番組に対して付加情報を与える構
造化を行う際に用いられる番組構造化方法であって、生
番組の編集を行うにあたり、編集対象となる番組時系列
上にて時々刻々と生起してきた映像又は音声を含むイベ
ントに対し、その生起時間を含むイベント情報を有機的
に関連付けたイベントリストを作成し、当該作成したイ
ベントリストを基に番組の構造化を行なうことを要旨と
する。
【0022】また、第2の課題の解決手段として位置付
けられる請求項2の発明は、番組に対して付加情報を与
える構造化を行う際に用いられる番組構造化方法であっ
て、録画番組の編集を行うにあたり、編集対象となる番
組時系列上にて生起した映像又は音声を含むイベントに
対し、その生起時間を含むイベント情報を有機的に関連
付けたイベントリストを作成し、当該作成したイベント
リストを基に番組の構造化を行なうことを要旨とする。
【0023】さらに、第1の課題の解決手段として位置
付けられる請求項3の発明は、請求項1に記載の番組構
造化方法であって、生番組の編集を行うにあたり、前記
イベントリストに掲載すべきイベントの種類を表すイベ
ントタイプを予め設定しておき、編集対象となる番組時
系列上にて時々刻々と生起してきた映像又は音声を含む
イベントのうち、前記設定されたイベントタイプに属す
るイベントに対し、その生起時間を含むイベント情報を
有機的に関連付けたイベントリストを作成し、当該作成
したイベントリストを基に番組の構造化を行なうことを
要旨とする。
【0024】さらにまた、第2の課題の解決手段として
位置付けられる請求項4の発明は、請求項2に記載の番
組構造化方法であって、録画番組の編集を行うにあた
り、前記イベントリストに掲載すべきイベントの種類を
表すイベントタイプを予め設定しておき、編集対象とな
る番組時系列上にて生起した映像又は音声を含むイベン
トのうち、前記設定されたイベントタイプに属するイベ
ントに対し、その生起時間を含むイベント情報を有機的
に関連付けたイベントリストを作成し、当該作成したイ
ベントリストを基に番組の構造化を行なうことを要旨と
する。
【0025】請求項1又は3の発明では、生番組の編集
を想定した番組構造化方法の枠組みを規定している。特
に、請求項3の発明では、イベントリストに掲載すべき
イベントの種類が複数存在する場面を想定した番組構造
化方法の枠組みを規定している。
【0026】請求項1又は3の発明によれば、必要に応
じて、イベントリストに掲載すべきイベントタイプを予
め設定しておき、設定されたイベントタイプに属するイ
ベントが生起する毎に、その生起時間をイン点としてリ
アルタイムにマークすることで、イベントリストを作成
することが可能となる。これは、実時間の映像や音声な
どを対象としたイベント生起履歴を逐次入力するリアル
タイムマーキングが実現可能となることを意味する。し
たがって、生番組の実時間収録に伴って番組の構造化を
行う仕組みを整備することができる。
【0027】一方、請求項2又は4の発明では、請求項
1又は3の発明が生番組の編集を想定しているのに対
し、録画番組の編集を想定した番組構造化方法の枠組み
を規定している。特に、請求項4の発明では、イベント
リストに掲載すべきイベントの種類が複数存在する場面
を想定した番組構造化方法の枠組みを規定している。
【0028】請求項2又は4の発明によれば、必要に応
じて、イベントリストに掲載すべきイベントタイプを予
め設定しておき、設定されたイベントタイプに属するイ
ベントが生起する毎に、その生起時間をイン点としてマ
ークすることで、イベントリストを作成することが可能
となる。これは、VTRなどに収録済みの映像や音声な
どを対象としたイベント生起履歴を逐次入力するマーキ
ングが実現可能となることを意味する。したがって、録
画番組の再生に伴って番組の構造化を行う仕組みを整備
することができる。
【0029】しかも、請求項1乃至4のうちいずれか一
項に記載の発明では、例えば、番組時系列上におけるイ
ベント生起の有無を判定し、この判定の結果、イベント
が生起した旨の判定が下されたときに初めて、この生起
イベントに対し、その生起時間を含むイベント情報を有
機的に関連付けたイベントリストを自動作成するといっ
た運用を行うこともできる。このようにすれば、番組構
造化の自動化を促進可能となる結果として、さらに優れ
た番組構造化のための仕組みの整備を期待することがで
きる。
【0030】さらにいえば、従来、編集者がある観点か
ら番組を構造化した結果として得られる番組構造化情
報、すなわち本編の編集記録とダイジェスト用の編集記
録の各々には、各編集者毎の意図や感性を含む個性が色
濃く反映されている。こうした編集記録にあっては、相
異なる編集者相互間で交換し利用しあうという側面はな
いのが通常であった。しかし、各編集者毎の個性が色濃
く反映された編集記録たる番組構造化情報は、番組制作
者側にとってはそれ自体が番組素材とともに貴重な財産
であり、そうした財産を継承できる仕組みがあれば、番
組編集技術の向上に資するであろうことは想像に難くな
い。これに対し、請求項1乃至4のうちいずれか一項に
記載の発明によれば、各編集者毎の個性が色濃く反映さ
れたイベントリストを通じて、各編集者のもとに蓄積さ
れているノウハウの承継を期待することができる。これ
は、個人のもとで秘匿化される傾向があったノウハウの
積極的活用という側面と、こうした活用を通じて個々の
編集能力を向上し得るという側面と、を有するといった
意味で、しかも、番組の多目的利用の途を開くという側
面からも、画期的な試みであるといえる。
【0031】一方、請求項5の発明は、請求項3又は4
に記載の番組構造化方法であって、前記イベントタイプ
は、階層構造を持つことを要旨とする。
【0032】請求項5の発明によれば、前記イベントタ
イプは、階層構造を持つものとされるので、したがっ
て、例えばイベントタイプに階層構造を定義付けした場
合には、木構造の番組構造化を実現することができる。
【0033】また、請求項6の発明は、請求項3乃至5
のうちいずれか一項に記載の番組構造化方法であって、
前記イベントタイプが階層構造を持つとき、前記イベン
トリストに掲載すべきイベントの種類を表すイベントタ
イプを設定するにあたり、前記階層構造を持つ複数のイ
ベントタイプをまとめてイベントプロファイルとして設
定することを要旨とする。
【0034】請求項6の発明によれば、イベントタイプ
が階層構造を持つとき、イベントリストに掲載すべきイ
ベントの種類を表すイベントタイプを設定するにあた
り、階層構造を持つ複数のイベントタイプをまとめてイ
ベントプロファイルとして設定するので、したがって、
例えばイベントリストを記録媒体に記録して流通させる
場面を想定した場合、イベントリストに伴ってイベント
プロファイルをも流通させることが可能となる結果とし
て、より一層の利便性向上を期待することができる。
【0035】さらに、請求項7の発明は、請求項1乃至
6のうちいずれか一項に記載の番組構造化方法であっ
て、前記イベント情報は、当該イベントの生起を入力し
た制作端末又は編集者を識別可能とするオーサー識別を
含むことを要旨とする。
【0036】請求項7の発明によれば、イベント情報
は、イベントの生起を入力した制作端末又は編集者を識
別可能とする、例えば図5に示すオーサー番号(author
no.)で表されるオーサー識別を含むので、したがって、
例えば、複数の編集者が手分けして複数の各制作端末か
らイベントの生起履歴を逐次入力する要望を生じた場合
であっても、複数の制作端末又は編集者間での混同を生
じることなく、つまり、編集者毎に固有となる意図の混
在を未然に抑制しながら、その要望を満足することがで
きる。
【0037】また、請求項7の発明によれば、同一対象
のイベントに対して相異なる編集者が各個別の制作端末
からイベント生起履歴を入力した場合であっても、オー
サー識別を参照することでこれらを混同することなく識
別可能である。これにより、例えば図5に示す例のよう
に、複数の各制作端末でそれぞれ作成されたイベント生
起履歴を含むイベントリストのマージ、すなわち統合化
を、編集者毎に固有となる意図の混在を未然に抑制しつ
つ安全に遂行することができる。
【0038】さらにまた、請求項8の発明は、請求項7
に記載の番組構造化方法であって、前記イベント情報と
して複数のオーサー識別を含んでいるとき、前記イベン
トリストは、複数の各オーサー識別毎に独立して作成さ
れることを要旨とする。
【0039】請求項8の発明によれば、イベント情報と
して複数のオーサー識別を含んでいるとき、イベントリ
ストは、複数の各オーサー識別毎に独立して作成される
ので、したがって、例えば、図1に示すように、複数の
制作端末13,15間をネットワーク17を介して接続
し、各制作端末13,15間でイベントリスト等の情報
交換を行う番組編集支援システム11を構築した場合を
想定したとき、例えシステムの機能がダウンするといっ
た最悪の事態が生じた場合であっても、各制作端末1
3,15はスタンドアロンで自身に蓄積しておいたイベ
ントリストを最低限利用することができる。
【0040】しかも、請求項9の発明は、請求項8に記
載の番組構造化方法であって、前記複数の各オーサー識
別毎に独立して作成されたイベントリストは統合化され
ることを要旨とする。
【0041】請求項9の発明によれば、複数の各オーサ
ー識別毎に独立して作成されたイベントリストは統合化
されるので、したがって、従来手法では、編集者は、何
度もプレビューを試行しつつ編集点(イン点)を決定し
ていたのに対し、統合化されたイベントリストを参照し
ながら、例えば、自身が付与したイベント生起履歴を集
めて編集対象にする一方で、他の編集者が付与したイベ
ント生起履歴を必要に応じて利用するといったように、
複数の観点で付与されているイン点/アウト点の候補の
なかから、プレビューを行うことなく、自身の目的に合
った編集点を適宜選択可能である結果として、編集作業
の飛躍的な効率化を実現することができる。そのうえ、
他の制作端末又は他の編集者において付与された編集点
の候補を利用できるため、より一層の編集作業の効率化
を期待することができる。この場合、編集点は番組を構
造化する上で貴重な資源として位置付けられることか
ら、みだりに削除・訂正されることを禁止するのが好ま
しい。つまり、例えばリアルタイムマーキング時におい
て、ある編集者が付与したイベント生起履歴を、その他
の編集者が削除・訂正するといった編集を禁止するのは
当然として、例え自身が付与したイベント生起履歴とい
えども、一旦付与後にはその編集を原則として禁止する
といった運用規定を設けておくのが好ましいといえる。
なお、原則として禁止とは、過誤によって付与した編集
点の削除は例外的に認める趣旨である。
【0042】ところで、イベントリストの運用形態とし
て、同一対象とみなせる一つのイベントに対し、相異な
る生起時間の関連付けを禁止する形態を採ることもでき
るであろう。しかし、こうした形態を採用した場合に
は、以下に述べる場面において問題を生じるおそれがあ
る。すなわち、例えばリアルタイムマーキング時におい
て、番組時系列上にて時々刻々と生起してきたあるイベ
ントに対し、過誤によってイベント情報を付与してしま
った場面を想定すると、こうした場面では、時間的な猶
予がないなかで過誤を是正する機会を与えるのが好まし
いところ、そうした機会が失われてしまうといった問題
がある。
【0043】こうした観点から、請求項10の発明は、
請求項1乃至9のうちいずれか一項に記載の番組構造化
方法であって、前記イベント情報は、同一対象とみなせ
る一つのイベントに対し、相異なる生起時間の関連付け
を許容することを企図した候補識別を含むことを要旨と
する。
【0044】請求項10の発明では、イベント情報は、
同一対象とみなせる一つのイベントに対し、相異なる生
起時間の関連付けを許容することを企図した、例えば図
5に示すバージョン番号 (ver no.)で表される候補識別
を含むものとされる。なお、同一対象とみなせるイベン
トとは、その生起時間や継続時間、及びキーフレーム時
間などを含む時間情報は相違しているものの、その他の
属性値は共通となるイベントのことをいう。
【0045】請求項10の発明によれば、例えばリアル
タイムマーキング時において、番組時系列上にて時々刻
々と生起してきたあるイベントに対し、過誤によってイ
ベント情報を付与してしまった場面であっても、そのイ
ベントに対するイベント情報の追加を許容する仕組みを
用いて、当該過誤を是正することができる。これは、言
い換えれば、編集者の主観に基づくあいまいさを許容し
ながら、番組の構造化が可能な仕組みの構築に寄与する
ものといえる。
【0046】しかも、請求項10の発明によれば、イベ
ント情報の属性として候補識別を持つことによって、前
工程で付与したマーク、すなわち編集点を活用すること
で編集作業を効率化でき、また、その編集点が気に入ら
ない場合には、他の編集点の候補をノンリニア的に検索
して順次閲覧していくことで、新編集点を決めやすいと
いった効果を期待することもできる。
【0047】さらに、請求項10の発明によれば、候補
識別を用いることで、イベントリストの情報を利用しつ
つ、自分独自の編集点を追加することができ、また、編
集点の変更を、候補識別の追加という形態で処理できる
ので、リアルタイム編集作業がきわめて容易になる。な
お、従来手法では、過誤によって編集点を付与してしま
った場合には、時間的にさかのぼって編集点の削除など
の処理を行う必要があったところ、本発明では、この削
除処理を省略することができる。これは、わざわざ削除
処理を行わなくとも、編集点候補の検索をノンリニア的
に簡易に行えるといった事実に由来している。しかも、
録画番組編集時における編集点の追加を、生番組編集時
における生起イベントに対するマーク付与と同様のユー
ザーインタフェースで実現すれば、編集作業効率のさら
なる向上を期待することができる。
【0048】ところで、録画番組編集時において、同一
対象とみなせる一つのイベントに対して複数の候補識別
が付与されている場合、複数の候補識別のなかから、ど
の編集点を優先的に取り込むかが問題となる。しかしこ
の場合、一般に、時間的に後にマークされた編集点が編
集者の意図をより反映していることが経験的に多い。そ
こで、こうした経験を考慮しつつ番組編集作業を遂行す
れば、時間効率の向上を期待することができることにな
る。
【0049】さらに、請求項11の発明は、請求項1乃
至10のうちいずれか一項に記載の番組構造化方法であ
って、前記イベント情報は、映像又は音声の収録場所、
収録日時、収録時の天候、収録者、アナウンサーのしゃ
べりだし点、及び収録者の制作意図のうち、少なくとも
1又は2以上の組み合わせをさらに含むことを要旨とす
る。
【0050】請求項11の発明によれば、イベント情報
は、映像又は音声の収録場所、収録日時、収録時の天
候、収録者、アナウンサーのしゃべりだし点、及び収録
者の制作意図のうち、少なくとも1又は2以上の組み合
わせをさらに含むので、したがって、例えば上述した種
々のイベント情報を必要に応じて検索すれば、多様な観
点から所要の番組単位部分を切り出すことが可能にな
る。
【0051】さらにまた、請求項12の発明は、請求項
11に記載の番組構造化方法であって、前記収録者の制
作意図は、映像の撮影に用いた撮影手段のパン又はチル
トを含む動きデータから取得することを要旨とする。
【0052】請求項12の発明によれば、収録者の制作
意図は、映像の撮影に用いた撮影手段のパン又はチルト
を含む動きデータから取得するので、したがって、例え
ば、録画番組の編集時において、撮影手段のパン又はチ
ルトを含む動きデータを基に、収録者の制作意図を推察
可能である結果として、撮影者の制作意図を忠実に反映
した番組編集を実現することができる。
【0053】しかも、請求項13の発明は、請求項1乃
至12のうちいずれか一項に記載の番組構造化方法であ
って、前記イベント情報は、当該イベントの内容を記述
したイベント帰属情報を含むことを要旨とする。
【0054】請求項13の発明によれば、イベント情報
は、イベントの内容を記述したイベント帰属情報を含む
ので、したがって、例えば、各生起イベント毎にきめ細
かな内容記述を行うことが可能となる結果として、豊富
なイベント帰属情報をもとにした繊細な番組編集作業の
実現を期待することができる。
【0055】一方、請求項14の発明は、請求項1乃至
13のうちいずれか一項に記載の番組構造化方法を用い
て構造化された番組を対象とした編集支援を行う際に用
いられる番組編集支援方法であって、編集対象となる番
組時系列上にて時間間隔の概念を持つ単位部分を切り出
し対象とした編集支援を行うにあたり、切り出し対象と
しての検索条件を指定し、前記イベントリストに含まれ
るイベントのなかから、この検索条件に合致する組イベ
ントを抽出し、当該抽出した各イベント毎に有機的に関
連付けられた各生起時間を、前記単位部分の特定に用い
るイン点/アウト点としてそれぞれ割り付け指定するこ
とで、時間間隔の概念を持たない各イベントを、時間間
隔の概念を持つイベントに変換することにより、番組時
系列上の単位部分を切り出し対象とした編集支援を行う
ことを要旨とする。
【0056】請求項14の発明では、編集対象となる番
組時系列上にて時間間隔の概念を持つ単位部分を切り出
し対象とした編集支援を行うにあたり、切り出し対象と
しての検索条件を指定し、イベントリストに含まれるイ
ベントのなかから、検索条件に合致する組イベントを抽
出し、抽出した各イベント毎に有機的に関連付けられた
各生起時間を、単位部分の特定に用いるイン点/アウト
点としてそれぞれ割り付け指定することで、時間間隔の
概念を持たない各イベントを、時間間隔の概念を持つイ
ベントに変換することにより、番組時系列上の単位部分
を切り出し対象とした編集支援を行う。
【0057】ここで、ノンリニア編集装置を用いた番組
編集作業は、イン点とアウト点、すなわち始点と終点を
指定してカットを切り出す第1の工程と、切り出したカ
ットの時間的な配列順序を並べ替える第2の工程と、に
大別できる。
【0058】近年のノンリニア編集装置によれば、第2
のカット並べ替え工程を、瞬間的、かつ作業順序にとら
われずに実行することができ、編集作業の効率化の観点
から一定の効果をあげている。しかし、第1のカット切
り出し工程に関しては手作業で行われているのが現状で
あり、このため、少なくとも映像の長さ分だけの映像閲
覧時間を第1の工程に浪費し、番組編集作業の効率化の
観点からさらなる改善が求められていた。
【0059】ところが、請求項14の発明によれば、本
発明で新規に提案したイベントリストを活用すること
で、映像時系列上において各々が「点」として位置付け
られる各組のイベントを、編集意図に応じて、映像時系
列上において「2点間を結ぶ線」として位置付けられる
単位部分に変換することにより、番組時系列上の単位部
分を切り出し対象とした編集支援を行うので、したがっ
て、第1のカット切り出し工程を自動的かつ瞬時に実行
することが可能となる結果として、番組編集作業の飛躍
的な効率化を期待することができる。換言すれば、編集
意図を持たずに、もしくは、複数の編集意図が反映され
ているイベントリストから、編集意図に応じてその都
度、カット切り出しを柔軟に行うことが可能となる結果
として、番組編集作業の飛躍的な効率化を期待すること
ができる。
【0060】なお、請求項14でいう検索条件の指定と
は、イン点のイベントとアウト点のイベントとを各個別
に指定する形態、及びイン点のイベントを指定する一方
で、その継続時間(時間間隔)を直接指定することでア
ウト点のイベントを間接的に指定する形態、の両者を含
む概念であることを付言しておく。
【0061】また、請求項15の発明は、請求項14に
記載の番組編集支援方法であって、前記検索条件に合致
する組イベントは、共通のイベントタイプに属するイベ
ントであることを要旨とする。
【0062】請求項15の発明では、検索条件に合致す
る組イベントは、共通のイベントタイプに属するイベン
トとされる。ここで、検索条件に合致する組イベント
が、共通のイベントタイプに属するイベントとなる場合
とは、例えばあるイベントタイプに属するイベントの生
起時間間隔を粒度とする番組の分割を企図して検索条件
を設定する場合が考えられる。これについて、例えば、
階層構造化されたイベントタイプを含む野球放送番組を
例示するとともに、図6に示すA分割法を参照して具体
的に説明すると、検索条件として、例えば「打席イベン
ト毎に分割する」を設定した場合が考えられる。この場
合、検索条件に合致する組イベントには、相互に隣接す
る打席イベント、すなわち、共通のイベントタイプに属
するイベントが該当し、検索条件の指定に際しては、イ
ン点/アウト点として相互に隣接する打席イベントが割
り付け指定されることになる。この例の場合、検索条件
に合致する単位部分として、セグメントA−1、A−2
を切り出すことができる。
【0063】請求項15の発明によれば、所要の検索条
件を設定することで、あるイベントタイプに属するイベ
ントの生起間隔を粒度とする番組の分割を行うことが可
能となる結果として、検索条件に合致した所要の単位部
分を切り出すことができる。
【0064】さらに、請求項16の発明は、請求項14
に記載の番組編集支援方法であって、前記検索条件に合
致する組イベントは、相異なるイベントタイプに属する
イベントであることを要旨とする。
【0065】請求項16の発明では、検索条件に合致す
る組イベントは、相異なるイベントタイプに属するイベ
ントとされる。ここで、検索条件に合致する組イベント
が、相異なるイベントタイプに属するイベントとなる場
合とは、例えば番組中における冗長部分の切り出しを企
図して検索条件を設定する場合が考えられる。これにつ
いて、上述した野球放送番組を例示するとともに、図6
に示すB分割法を参照して具体的に説明すると、検索条
件として、例えば「選手が打席に立ってから実際のプレ
ーが始まるまでの冗長部分を切り出す」を設定した場合
が考えられる。この場合、検索条件に合致する組イベン
トには、打席イベントとその直後の投球イベント、すな
わち、相異なるイベントタイプに属するイベントが該当
し、検索条件の指定に際しては、イン点として打席イベ
ントが、アウト点としてその直後の投球イベントが、そ
れぞれ割り付け指定されることになる。この例の場合、
検索条件に合致する単位部分として、セグメントB−
1、B−2を切り出すことができる。
【0066】請求項16の発明によれば、所要の検索条
件を設定することで、例えば番組中における冗長部分の
切り出しを企図した番組の分割を行うことが可能となる
結果として、請求項15の発明と同様に、検索条件に合
致した所要の単位部分を切り出すことができる。
【0067】さらにまた、請求項17の発明は、請求項
14乃至16のうちいずれか一項に記載の番組編集支援
方法であって、前記検索条件は、注目しているイベント
タイプに属する注目イベントを含み、この検索条件に合
致する組イベントを抽出するにあたり、前記注目イベン
トの生起時間を内包する組み合わせに係る組イベントを
抽出することを要旨とする。
【0068】請求項17の発明では、検索条件は、注目
しているイベントタイプに属する注目イベントを含み、
検索条件に合致する組イベントを抽出するにあたり、注
目イベントの生起時間を内包する組み合わせに係る組イ
ベントを抽出する。これは、例えばある意味イベントの
生起時間を内包する観点から抽出された構造イベントの
切り出しを企図して検索条件を設定する場面を想定して
いる。これについて、上述した野球放送番組を例示する
とともに、図6に示すB分割法を参照して具体的に説明
すると、検索条件として、例えば「ホームランを打った
シーンを投球間隔の時間粒度で切り出す」を設定し、注
目イベントとしてホームランイベント(意味イベント)
を指定し、注目イベントの生起時間を内包する組み合わ
せに係る組イベントとして投球イベント(構造イベン
ト)を指定する。すると、検索条件に合致する単位部分
として、セグメントC−1を切り出すことができる。
【0069】請求項17の発明によれば、意味イベント
と構造イベントの組み合わせに係る検索条件を設定する
ことで、例えばある意味イベントの生起時間を内包する
観点から抽出された構造イベントの切り出しを企図した
番組の分割を行うことが可能となる結果として、請求項
15乃至16の発明と同様に、検索条件に合致した所要
の単位部分を切り出すことができる。
【0070】しかも、請求項18の発明は、請求項15
に記載の番組編集支援方法であって、前記検索条件は、
前記共通のイベントタイプに属するイベントの内容を記
述した属性値を含み、この検索条件に合致する組イベン
トを抽出するにあたり、前記属性値がその内容として記
述されているイベントと、このイベントの直後に位置す
るイベントと、の組み合わせに係る組イベントを抽出す
ることを要旨とする。
【0071】請求項18の発明では、検索条件は、共通
のイベントタイプに属するイベントの内容を記述した属
性値を含み、この検索条件に合致する組イベントを抽出
するにあたり、属性値がその内容として記述されている
イベントと、このイベントの直後に位置するイベント
と、の組み合わせに係る組イベントを抽出する。これ
は、例えば、時間間隔を定義可能な構造イベントと、そ
の内容を記述した属性値と、の組み合わせを指定するこ
とで、属性値の記述内容の観点から抽出された構造イベ
ントの切り出しを企図して検索条件を設定する場面を想
定している。これについて、上述した野球放送番組を例
示するとともに、図6に示すD分割法を参照して具体的
に説明すると、検索条件として、例えば「ストライクで
あったシーンを投球間隔の時間粒度で切り出す」を設定
し、注目イベントの属性値として投球イベント(構造イ
ベント)のストライクを指定する。すると、検索条件に
合致する単位部分として、セグメントD−1、D−2を
切り出すことができる。なお、この例以外にも、例え
ば、特定選手の画像を打席単位もしくはワンプレー単位
で切り出すといった適用も考えられる。
【0072】請求項18の発明によれば、構造イベント
とその属性値の組み合わせに係る検索条件を設定するこ
とで、例えば、属性値の記述内容の観点から抽出された
構造イベントの切り出しを企図した番組の分割を行うこ
とが可能となる結果として、請求項15乃至17の発明
と同様に、検索条件に合致した所要の単位部分を切り出
すことができる。
【0073】なお、請求項14乃至18の番組編集支援
方法を用いて映像の編集作業を行った場合、ノンリニア
編集における映像クリップ切り出しの工程を不要とし
て、映像をプレビューし直すことなく粗編集作業が完了
するので、したがって、従来の粗編集行程を省略可能と
なる結果として、番組の編集作業を飛躍的に効率化する
ことができる。
【0074】しかも、請求項19の発明は、請求項14
乃至18のうちいずれか一項に記載の番組編集支援方法
を用いて番組の編集支援を行う番組編集支援システムで
あって、編集対象となる番組時系列上にて時間間隔の概
念を持つ単位部分を切り出し対象とした編集支援を行う
にあたり、切り出し対象としての検索条件を指定し、前
記イベントリストに含まれるイベントのなかから、この
検索条件に合致する組イベントを抽出し、当該抽出した
各イベント毎に有機的に関連付けられた各生起時間を、
前記単位部分の特定に用いるイン点/アウト点としてそ
れぞれ割り付け指定することで、時間間隔の概念を持た
ない各イベントを、時間間隔の概念を持つイベントに変
換することにより、番組時系列上の単位部分を切り出し
対象とした編集を実行可能に構成したことを要旨とす
る。
【0075】請求項19の発明によれば、編集対象とな
る番組時系列上にて時間間隔の概念を持つ単位部分を切
り出し対象とした編集支援を行うにあたり、切り出し対
象としての検索条件を指定し、イベントリストに含まれ
るイベントのなかから、検索条件に合致する組イベント
を抽出し、抽出した各イベント毎に有機的に関連付けら
れた各生起時間を、単位部分の特定に用いるイン点/ア
ウト点としてそれぞれ割り付け指定することで、時間間
隔の概念を持たない各イベントを、時間間隔の概念を持
つイベントに変換することにより、番組時系列上の単位
部分を切り出し対象とした編集を実行可能に構成したの
で、したがって、本発明で新規に提案したイベントリス
トを活用することで、映像時系列上において各々が
「点」として位置付けられる各組イベントを、映像時系
列上において「2点間を結ぶ線」として位置付けられる
単位部分に変換することにより、番組時系列上の単位部
分を切り出し対象とした編集支援を行うことで、請求項
14の説明部分で述べた第1のカット切り出し工程を自
動的かつ瞬時に実行することが可能となる結果として、
編集作業の飛躍的な効率化を期待することができる。
【0076】なお、請求項19でいう検索条件の指定と
は、イン点のイベントとアウト点のイベントとを各個別
に指定する形態、及びイン点のイベントを指定する一方
で、その継続時間(時間間隔)を直接指定することでア
ウト点のイベントを間接的に指定する形態、の両者を含
む概念であることを付言しておく。
【0077】ところで、上述した番組編集支援方法を用
いて映像の編集作業を行った場合、番組編集支援システ
ム全体としての応答遅延や、リアルタイムマーキングに
起因するある程度の入力遅れが予想される。
【0078】そこで、これらを補正するために、イン点
/アウト点のオフセットを指定可能とすることができ
る。このオフセットを利用すれば、カットのトリミング
をそれぞれの使用用途ごとに行うことができる。
【0079】また、請求項20の発明に係るイベントリ
スト記録媒体は、請求項1乃至13のうちいずれか一項
に記載の番組構造化方法を用いて作成されたイベントリ
ストを記録したことを要旨とする。
【0080】請求項20の発明によれば、請求項1乃至
13のうちいずれか一項に記載の番組構造化方法を用い
て作成されたイベントリストを記録した新規なイベント
リスト記録媒体を提供することができる結果として、番
組編集の飛躍的な効率化に寄与するイベントリストの流
通性を高めることができる。
【0081】一方、請求項21の発明は、請求項1乃至
13のうちいずれか一項に記載の番組構造化方法の手順
を用いて得られたイベントリストの情報をもとに、番組
インデックスを制作する際に用いられる番組インデック
ス制作方法であって、前記イベントリストの情報のう
ち、あるイベントに有機的に関連付けられた生起時間
を、番組インデックスのうち、EIT又はLITノード
に含まれる開始時刻に割り当てる工程と、前記イベント
リストの情報のうち、組イベントを構成する個々のイベ
ントに有機的に関連付けられた生起時間の間隔を、番組
インデックスのうち、EIT又はLITノードに含まれ
る継続時間に割り当てる工程と、を含んで構成されるこ
とを要旨とする。
【0082】請求項21の発明では、イベントリスト
と、番組インデックスと、の両者共に含まれる生起時間
とその時間間隔の情報に着目して、上述した各工程の変
換処理を施すことにより、イベントリストの情報をもと
に、番組インデックスを効率的に制作するようにしてい
る。
【0083】請求項21の発明によれば、イベントリス
ト上において時間間隔の概念を持たない個々のイベント
を、番組インデックスにおいて時間間隔の概念を持つイ
ベントに変換することで、イベントリストの情報をもと
に、番組それ自体と並んで価値あるコンテンツたる番組
インデックスを、簡易な手順をもって、効率的に制作す
ることができる。
【0084】また、請求項22の発明は、番組インデッ
クスを編集する際に用いられる番組インデックス編集装
置であって、番組インデックスに含まれるERT・LI
T・EITのノードの情報のうち、少なくとも複数の組
み合わせに係るノードの情報を、この複数の組み合わせ
に係る各ノード相互間の階層構造ないしリンク関係が把
握可能な表示態様で、共通の表示画面上に表示させる表
示手段と、この表示手段で表示されたノードの情報を対
象とした編集を受け付ける編集手段と、を備え、前記編
集手段で受け付けられた編集内容は、前記表示手段にお
ける表示内容に反映されることを要旨とする。
【0085】請求項22の発明では、表示手段と、編集
手段と、を備え、編集手段で受け付けられた編集内容
は、表示手段における表示内容に反映されるようにし
て、両手段の有機的な関係付けを構築することにより、
番組インデックスの効率的な編集を可能にしている。
【0086】請求項22の発明によれば、番組インデッ
クスを、視覚を通じて、かつ、簡易な操作をもって、効
率的に編集可能な番組インデックス編集装置を提案する
ことができる。
【0087】そして、請求項23の発明は、請求項22
に記載の番組インデックス編集装置において、前記複数
の組み合わせに係る各ノード相互間の階層構造ないしリ
ンク関係が把握可能な表示態様とは、ERTノード相互
間の階層構造を木構造で表示させる態様ないしERT・
LITノード間のリンク関係を明示的に表示させる態様
を含むことを要旨とする。
【0088】請求項23の発明によれば、複数の組み合
わせに係る各ノード相互間の階層構造ないしリンク関係
を視覚を通じて確実に把握しながら、簡易な操作をもっ
て、番組インデックスを効率的に編集することができ
る。
【0089】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る番組構造化
方法、番組編集支援方法、番組編集支援システム、イベ
ントリスト記録媒体、番組インデックス制作方法、及び
番組インデックス編集装置の各実施形態について、図に
基づいて詳細に説明する。
【0090】図1は、本発明に係る番組編集支援システ
ムの概略ブロック構成図、図2乃至図3は、本発明に係
る番組編集支援システムの動作フローチャート図、図4
は、本発明で提案するイベントリストの概念図、図5
は、複数の制作端末で作成されたイベントリストを統合
化サーバの元で統合化したときの状態遷移を表す概念
図、図6は、編集作業時における単位部分の切り出しに
係る複数手法の説明に供する図、図7は、番組インデッ
クス編集装置におけるGUI画面を表す図、図8は、図
7に対応する番組内インデックスの構造を表す概念図、
図9は、EITのデータ構造を模式的に表した図、図1
0は、LITのデータ構造を模式的に表した図、図11
は、ERTのデータ構造を模式的に表した図、図12
は、EITのデータ構造を形式的に表した図、図13
は、LITのデータ構造を形式的に表した図、図14
は、ERTのデータ構造を形式的に表した図、図15
は、番組インデックスにおける各ノード相互間の階層構
造ないしリンク関係の一例を表す図である。
【0091】はじめに、本発明で提案するイベントリス
トの概念について定義付けを行う。イベントリストと
は、例えば図4に野球放送番組の例を挙げて具体的に説
明すると、編集対象となる番組時系列上で生起した、ゲ
ームイベント、イニングイベント、打席イベント、投球
イベント、ホームランイベント、珍プレーイベント、又
はアナウンサーコメントイベント等の種々のイベントに
対し、その生起時間たるタイムコードや内容記述を含む
イベント情報を有機的に関連付けて記録したファイルの
ことをいう。イベントリストには、番組時系列上で生起
した種々のイベントに関係する情報が、時間の経過とと
もに逐次記録されていく。言い換えれば、各イベントに
は、その生起時間やイベントの内容を説明する情報等
が、イベント情報として付与されていく。
【0092】なお、本明細書中の説明において、あるイ
ベントに対し該当するイベント情報を付与する操作又は
動作を、「マークする」又は「マーキング」という場合
があり、さらに、マーク場所、すなわち番組時系列上に
おけるイベント生起時点を、「イン点」、「アウト
点」、又は「編集点」という場合があることを付言して
おく。また、本実施形態では、番組中に含まれる映像を
編集対象とした例を挙げて説明する。
【0093】イベントリストは、リアルタイムマーキン
グを可能とする仕組みとして、下記の通り大きな二つの
特徴を内包している。
【0094】第1に、イベントリストに記録される各イ
ベントは、それ自体では時間間隔の概念を持たない。こ
れにより、ピンポイント的なリアルタイムマーキングの
実現が可能である。
【0095】しかし、イベントリストに記録される各イ
ベントは、それ自体では時間間隔の概念を持たない単な
る点の集合に過ぎず、こうした各イベントの情報をもと
に、時間間隔の概念を持つ映像の単位部分すなわちカッ
トを切り出し対象として一意に特定するには、なんらか
の手法を用いて、それ自体では時間間隔の概念を持たな
いイベントを、時間間隔の概念を持つイベント形態に変
換することが求められる。
【0096】そこで、本発明では、切り出し対象となる
カットのイン点/アウト点を、本発明で提案する新規な
編集手法を用いて指定することで、切り出し対象となる
カットを一意に特定可能としている。
【0097】第2に、イベントリストに記録される各イ
ベントは、掲載すべき対象の種類に応じて、イベントの
種類を表すイベントタイプをイベントプロファイルとし
て予め登録しておくことができる。これにより、リアル
タイムマーキング時に、ワンアクションでのマーク付与
の実現を可能にしている。
【0098】ところで、イベントはその特性により、構
造イベント・意味イベント・編集イベントの3つに分類
することができる。
【0099】構造イベントとは、番組構造化に利用でき
るイベントをいう。野球放送番組を例に挙げると、ゲー
ム、イニング、打席、投球、などの事象がこれに該当す
る。こうした構造イベントを用いて番組の構造化を行う
にあたり、例えば、イニングイベントが生起し(1
回)、次回イベントが生起した時(2回)、両者の生起
時間間隔を1回の時間間隔とするといった番組構造化が
実現可能となる。この構造イベントは、あるイベントの
イン点/アウト点をともに指示する能力を持っている。
すなわち、例えば、野球において現イニングのイン点は
前イニングのアウト点で表現できる。したがって、例え
ば図4に示すように、イン点として現イニング開始イベ
ントを指定する一方で、アウト点として次に出現するイ
ニング開始イベントを指定すると、あるイニングの時間
間隔を定義することができる結果として、それ自体では
時間間隔の概念を持たないイベントを、時間間隔の概念
を持つイベント形態に変換することができることにな
る。
【0100】意味イベントとは、映像がもつなんらかの
意味的情報を表すイベントをいう。上述と同様に野球放
送番組を例に挙げると、ホームラン、ヒット、盗塁、得
点、珍プレー、好プレーなどの事象がこれに該当する。
こうした意味イベントは、何がしかの結果や様子などの
意味的情報を表すものであり、明示的に番組構造化に利
用しにくい性格のものである。
【0101】編集イベントとは、番組制作者の意図を推
定する際に用いられるイベントをいう。例えば、アナウ
ンサーのしやべりだし点や、カメラワークにおけるパン
・チルト等の動作開始点・終了点などの事象がこれに該
当する。
【0102】ここで、上述した各カテゴリに属するイベ
ントの好ましい用途に言及すると、構造イベントを用い
て番組を構造化し、また、意味イベントを用いて検索な
どの処理を行ない、さらに、編集イベントを用いてオフ
ライン編集作業を行えば、従来手法と比較して格段に効
率化された番組編集作業の実現を期待することができる
ことになる。なお、このように分類できる各種イベント
を、本明細書では特に断らない限り単に「イベント」と
総称することにする。
【0103】次に、本発明に係る番組編集支援方法を具
現化した請求項19に対応する番組編集支援システムの
概略ブロック構成について、図1を参照して説明する。
【0104】図1に示すように、番組編集支援システム
11は、映像・音声を含む番組を表示・出力可能な複数
の制作端末13,15と、映像・音声・これらと有機的
に関連づけられた各種イベント情報を、各イベントの生
起時間に伴って蓄積保存する統合化サーバ19と、の間
を、ネットワーク17を介して接続して構成され、各制
作端末13,15及び統合化サーバ19の各間でイベン
トリスト等の情報交換を行う如く構成されている。
【0105】第1乃至第2の制作端末13,15は、自
身で作成されたイベントリストを逐次蓄積可能な記録媒
体を有し、適宜のタイミングで自身に蓄積したイベント
リストを統合化サーバ19宛に送出する一方、例えば録
画番組編集時には、統合化サーバ19に蓄積されている
イベントリストのうち、所望のイベントリストを参照し
つつ編集処理を実行する機能を有して構成されている。
【0106】また、統合化サーバ19は、第1乃至第2
の制作端末13,15から送られてきたイベントリスト
を統合化し、映像構造情報として蓄積する機能を有して
構成されている。
【0107】なお、第1乃至第2の制作端末13,1
5、又は統合化サーバ19の各々に内蔵ないし外付けさ
れるイベントリスト記録媒体としては、例えば、ハード
ディスク装置、又は、フロッピーディスク、光磁気記録
媒体、もしくはZIPディスク等の適宜の記録媒体を採
用することができる。このようにすれば、本発明で提案
する新規なイベントリストを記録したイベントリスト記
録媒体を提供可能となる結果として、番組編集作業の飛
躍的な効率化に寄与するイベントリストの流通性を高め
ることができる。
【0108】次に、番組編集支援システム11を構成す
る第1乃至第2の制作端末(以下、単に「制作端末」と
いう場合がある。)13,15及び統合化サーバ19の
各々におけるイベントリスト作成・統合化手順につい
て、図2乃至図3を参照して説明する。
【0109】まず、制作端末13,15におけるイベン
トリスト作成手順について述べると、図2に示すよう
に、ステップS11において、制作端末13,15は、
イベントリストに掲載すべきイベントの種類を表すイベ
ントタイプの入力待機を行う。イベントタイプの入力待
機中に、1又は2以上のなにがしかのイベントタイプが
確定入力されると、次のステップS12へ進む。このイ
ベントタイプの入力に際しては、階層構造を持つイベン
トタイプを予め定義しておけばよい。ここで、階層構造
を持つイベントタイプについて、野球放送番組に適用し
たイベントタイプの具体例に言及すると、例えば、ゲー
ム_イニング_打席_投球といった階層化例を挙げるこ
とができる。このように、イベントタイプに階層構造を
予め定義付けした場合には、木構造の番組構造化を実現
することができることになる。
【0110】本流に戻って説明を続けると、ステップS
12において、制作端末13,15は、ステップS11
で入力された階層構造を持つイベントタイプをまとめた
イベントプロファイルを作成する。こうしたイベントプ
ロファイルを作成しておけば、例えばイベントリストを
記録媒体に記録しこれを流通させる場面を想定した場
合、イベントリストに伴ってイベントプロファイルをも
流通させることが可能となる結果として、より一層の利
便性向上を期待することができる。なお、既存のイベン
トプロファイルを使用する場合には、ステップS11乃
至S12の処理に代えて、所望のイベントプロファイル
の読み出し処理を実行することになる。
【0111】ステップS13において、イベントプロフ
ァイルに登録されている各イベントタイプに属するイベ
ントの生起を監視する。この監視中にイベントが生起し
た旨の判定が制作端末13,15の元で下されるか、又
は編集者によるマーク付与が入力されたとき、ステップ
S14へ進む。
【0112】ステップS14において、生起イベントに
関する属性値の入力有無を判定する。この判定処理は、
制作端末13,15自身が判断する場合と、編集者が判
断する場合とがある。この判定の結果、生起イベントに
関する属性値の入力有のときにはステップS15へ進む
一方、生起イベントに関する属性値の入力無のときには
ステップS16へ進む。
【0113】ステップS15において、生起イベントに
関する属性値を入力する。この入力処理は、制作端末1
3,15自身が入力すべき属性値を自動入力する場合
と、編集者が手動入力する場合とがある。ステップS1
5の入力後に、ステップS16へ進む。
【0114】ステップS16において、制作端末13,
15は、イベントリストの更新処理を実行し、この実行
後にステップS13へ戻り、以下の処理を繰り返し実行
する。なお、ステップS16で更新されたイベントリス
トは、制作端末13,15に付属の記録媒体に記録され
る。
【0115】次に、統合化サーバ19におけるイベント
リスト統合化手順について、図3を参照して説明する。
なお、本実施形態では、各制作端末13,15でイベン
トリストの更新処理がなされる毎に、リアルタイムでイ
ベントリストを統合化する形態を例示して説明する。
【0116】ステップS21において、統合化サーバ1
9は、制作端末13,15におけるイベントリストの更
新有無を監視する。この監視の結果、イベントリストの
更新が検知されたときにはステップS22へ進む。
【0117】ステップS22乃至24において、統合化
サーバ19は、自身の記録媒体に蓄積されているイベン
トリストと、更新があったイベントリストと、を統合化
し、統合化されたイベントリストに基づき映像を含む番
組を構造化し、構造化された映像を映像構造情報の形態
で蓄積し、この蓄積後にステップS21へ戻り、以下の
処理を繰り返し実行する。なお、本実施形態では、各制
作端末13,15でイベントリストの更新処理がなされ
る毎に、リアルタイムでイベントリストを統合化する形
態を例示して説明したが、本発明はこの形態に限定され
ることなく、システムとしての要求条件を考慮しなが
ら、適当な間隔でのバッチ処理によるイベントリストの
統合化を実行する形態を採用することもできる。
【0118】このように、請求項19に対応する番組編
集支援システム11では、編集対象となる番組時系列上
にて時間間隔の概念を持つ単位部分を切り出し対象とし
た編集支援を行うにあたり、切り出し対象としての検索
条件を指定し、イベントリストに含まれるイベントのな
かから、検索条件に合致する組イベントを抽出し、当該
抽出した各イベント毎に有機的に関連付けられた各生起
時間を、前記単位部分の特定に用いるイン点/アウト点
としてそれぞれ割り付け指定することで、それ自体では
時間間隔の概念を持たない各イベントを、時間間隔の概
念を持つイベントに変換することにより、番組時系列上
の単位部分を切り出し対象とした編集を実行するように
している。なお、ここでいう検索条件の指定とは、イン
点のイベントとアウト点のイベントとを各個別に指定す
る形態、及びイン点のイベントを指定する一方で、その
継続時間(時間間隔)を直接指定することでアウト点の
イベントを間接的に指定する形態、の両者を含む概念で
あることを付言しておく。
【0119】本番組編集支援システム11によれば、本
発明で新規に提案したイベントリストを活用すること
で、番組時系列上において各々が時間間隔の概念を持た
ない「点」として位置付けられる各組イベントを、番組
時系列上において時間間隔の概念を持つ「2点間を結ぶ
線」として位置付けられる単位部分に変換して、番組時
系列上の単位部分を切り出し対象とした編集支援を行う
ことにより、例えばカット切り出し工程を自動的かつ瞬
時に実行することが可能となる結果として、編集作業の
飛躍的な効率化を期待することができる。
【0120】上述の説明では、番組時系列上にて生起す
るイベントに対し、その生起時間を含むイベント情報を
有機的に関連付けたイベントリストを作成し、こうして
作成したイベントリストを基に番組の構造化を行なう旨
などを種々述べてきた。
【0121】ところで、いままさにデジタル放送時代を
迎えるにあたり、時々刻々と放送されてきた膨大な数に
のぼる番組のなかから、視聴者自身の好みに合致した番
組を簡易に選択し得る仕組みが求められている。そうし
た要望を満足するために、例えばデータ放送での利用を
想定した番組の選択に資するEPG(Electronic Progra
m Guide:電子番組表)と呼ばれる情報提供サービスが、
既に一部で実施されている。
【0122】しかし、そうしたEPGを用いた情報提供
サービスでは、番組それ自体の放送時間やタイトルなど
を含む情報の提供は実現可能であるものの、番組内の細
かいシーンや説明記述などを含む情報の提供までは実現
不可能であった。
【0123】これについて詳しく述べると、デジタル放
送では、放送局、チャンネル、または番組などに関する
種々の情報が番組映像に伴って放送され、番組の識別
子、開始時刻(start_time)、継続時間(duration)、又は
番組の説明等の番組表(EPG:Electronic Program Gu
ide) に相当する情報は、例えば図9及び図12に示す
ように、社団法人電波産業会が規定した「デジタル放送
に使用する番組配列情報」(ARIB STD-B10)で定義される
EIT (Event Information Table)と呼ばれる表を用い
て表現される。
【0124】EITとは、番組、すなわちイベントの識
別子、開始時刻、継続時間、またはイベントの説明記述
等の各種の情報を、各イベント毎に対応付けてテーブル
化したものである。番組配列情報とも呼ばれるこれら複
数の情報は、例えば図9に示すように、短形式イベント
記述子、または拡張形式イベント記述子などを含む現行
のデジタル放送の枠組みを用いて、通常現在から2週間
程度の将来にわたって放送予定の番組を対象として、デ
ータ放送に準拠したデータカルーセルと呼ばれるデータ
伝送方式を用いて周期的に繰り返し伝送される。
【0125】ところが、こうしたEITでは、イベント
(番組)といったコンテンツの単位での情報をそれぞれ
個別に記述する能力は有しているものの、イベント中の
個々のシーンに対応するローカルイベント(番組内の部
分)といったより小さいコンテンツの単位での情報、イ
ベント間の関係、またはイベントとローカルイベント間
の関係、などを記述する能力までは有していない。この
ため、このようなEITを参照しても、例えば、連続ド
ラマなどのように連続性を持つシリーズ番組、ニュース
や天気予報などのように毎日複数回設定され、曜日によ
って回数や放送時間帯が異なり、さらに第何回といった
概念がない帯番組、または、最初に放送した本放送番組
に対して同一内容とみなせる番組を、時間帯やチャンネ
ル等を変えて複数回放送するような再放送番組、などを
含む番組編成上の番組グループを受信機側で識別可能に
表現することはできず、シリーズ番組等をグループ化し
一括で視聴予約や記録予約を行うといったアプリケーシ
ョンを実現することは不可能であった。
【0126】そこで、ある観点でグループ化した複数の
番組を一括して視聴予約や記録予約を行うといったアプ
リケーションの実現等を企図して、イベントより小さい
ローカルイベントというコンテンツの単位での情報を記
述する、例えば図10および図13に示すLIT (Loca
l-event Information Table)と呼ばれる仕組みと、ロー
カルイベントを含むイベント間の関係を記述する例えば
図11および図14に示すERT(Event Relation Tabl
e)と呼ばれる仕組みとを含む番組インデックス方式が、
社団法人電波産業会が規定する「デジタル放送に使用す
る番組配列情報」の1.2版 (ARIB STD-B10 1.2版)におい
て新規に整備されるに至った。
【0127】こうした番組インデックス方式によれば、
例えば、その番組がどのグループに属するか、またはそ
の番組があるシリーズ番組グループに属する場合には、
その番組のグループ内での第何回というような位置付け
などを表現することができる。
【0128】ここで、LITとは、開始時刻(start_tim
e)、継続時間(duration)、木構造で親ノードに対応する
ERTのノードへの参照など、ローカルイベントに関す
る情報を、各ローカルイベント毎にLITのノードとし
て対応付けてテーブル化したものである。また、ERT
とは、イベントまたはローカルイベント間の関係を記述
する木構造による情報などを、木構造のノード毎に対応
付けてテーブル化したものである。ERTは、例えば図
15に示すように、EITと共に用いてイベント間の関
係を表現する一方、LITと共に用いてローカルイベン
ト間の関係を表現することができ、さらには、EIT・
LITと共に用いてイベントとローカルイベント間の関
係を表現することもできる。
【0129】具体的には、EIT・LITの各テーブル
においてリファレンス記述子をおく拡張を施すことによ
って、イベント・ローカルイベントを、ERTのノード
で表される所要のグループに関連付ける。このリファレ
ンス記述子の情報には、図9および図10に示すよう
に、例えば参照ノード識別 (reference_node_id)や、参
照番号(reference_number)などの領域が含まれている。
【0130】参照ノード識別 (reference_node_id)は、
例えば、この領域にその番組又は番組内イベントが属す
る親ERTノードがもつノード識別を記述することによ
り、その番組又は番組内イベントがどのグループに属す
るかに係るグループ帰属情報を表現する際などに用いら
れる。
【0131】また、参照番号(reference_number)は、シ
リーズ回数などの順序表現能力と、再放送番組表現能力
と、などを有している。具体的には、例えば、共通の番
組グループに属する複数の各番組に割り当てる順序の識
別子として、1,2,3,…などの順序関係を識別可能
な各値をそれぞれ記述することにより、シリーズ番組グ
ループ中のシリーズ回数を表現する際などに用いられる
一方、共通の再放送番組グループに属する複数の各番組
に割り当てる順序の識別子として、ある共通の値をそれ
ぞれ記述することにより、順序の識別子として共通値を
持つ複数の番組が共通の再放送番組グループに属する旨
を表現する際などに用いられる。ここで、本発明に係る
フォーマット変換方法における参照番号の活用例につい
て、例えば図5に示すイベント情報の属性である候補識
別の概念説明図を参照して説明すると、同一対象とみな
せるイベントに対し、複数の編集者が相互に異なる観点
で編集した複数のイベントを関係付ける旨を表現する際
などに用いられる。この場合、複数の編集者毎に相互に
異なる参照番号が与えられることになる。
【0132】一方、ERTノードに含まれる情報とし
て、親ノード識別(parent_node_id)を挙げることができ
る。ここで、本発明に係るフォーマット変換方法におけ
る親ノード識別の活用例について、例えば図4に示す野
球放送番組をもとに、ゲーム_イニング_打席_投球と
いった階層構造をもつイベントタイプを含むイベントリ
ストの情報を例示して概念的に説明すると、イニングイ
ベントがゲームイベントを参照し、打席イベントがイニ
ングイベントを参照し、投球イベントが打席イベントを
参照する、といったように、相互に直近上位のERTノ
ードを参照するような関係を表現する際などに用いられ
る。この場合、図4に示すゲーム、イニング、打席、投
球の各イベントは、時間間隔の概念を持つイベントに変
換されているものとする。
【0133】次に、以下の説明で使用する用語の定義付
けを行うと、ローカルイベントを含むイベント間の関係
を記述する情報を番組群インデックスと呼び、1つの番
組内におけるローカルイベントの情報、またはローカル
イベント間の関係を記述する情報を番組内インデックス
と呼び、番組群インデックスと番組内インデックスとを
総称して番組インデックスと呼ぶことにする。
【0134】番組群インデックスは、イベントのグルー
プ化情報を提供し、このグループ化情報によって番組の
選択や検索を補助する機能を有しており、従来の規定に
従う番組配列情報の基本情報で定義するEITと、新規
に整備された規定に従う番組配列情報の拡張情報で定義
するERTと、をともに用いて上記補助機能を発揮す
る。番組群インデックスによれば、シリーズ番組グルー
プ、再放送番組グループ、お薦め番組グループなど、多
彩な観点での番組のグループ化が可能となる。なお、番
組群インデックスでは、そのグループ化対象として、イ
ベントのみならずローカルイベントをも取り扱うことが
できる。この場合には、ローカルイベントを定義するた
めにLITを用いる。
【0135】番組内インデックスは、例えば図8に示す
ように、ローカルイベントの選択や検索を補助するため
の情報や、ローカルイベントのグループ化情報を提供
し、このグループ化情報によってローカルイベントの選
択や検索を補助する機能を有しており、新規に整備され
た規定に従う番組配列情報の拡張情報で定義するLIT
とERTをともに用いて上記補助機能を発揮する。
【0136】ところで、こうした番組内シーンの選択な
どを可能にする番組インデックスを視聴者側に提供する
には、番組インデックスのもとになるデータを収集する
仕組みが必要となる。しかし、番組インデックスのもと
になるデータは、主として番組制作過程で制作意図の態
様で多数発生しているものの、従来それらを収集する仕
組みは存在せず、それらは発生と同時に散逸してしまっ
ているのが現状であり、そのデータ収集作業は困難をき
わめていた。
【0137】そこで、本発明者らは、番組インデックス
のもとになるデータを効率的に収集する仕組みとして、
上述したイベントリストの情報を活用できないか、との
着想を得るに到った。ここで、番組制作者側における番
組再利用等の便宜を企図したイベントリストの情報と、
視聴者側における番組内シーン選択の便宜を企図した番
組インデックスの情報とは、各情報が想定している利用
対象者は相互に相違するものの、両者ともに番組の構造
化に資するという意味で、その親和性も良好であるとい
える。このことからも、イベントリストの情報から番組
インデックスのもとになるデータを取得するといった着
想は、きわめて合理的かつ妥当なものであるということ
ができる。
【0138】こうした着想を実現する上で考慮すべき重
要なことは、イベントリストに固有の情報フォーマット
と、番組インデックスに固有の情報フォーマットと、の
各々に含まれる情報の異同を比較考慮しつつ、イベント
リストの情報をもとに、番組インデックスを制作するた
めの仕組みを如何にして構築するか、にある。
【0139】そこで、本発明では、イベントリストの情
報をもとに、番組インデックスを効率的に制作するため
の番組インデックス制作方法について、その基本概念を
中心に説明していく。
【0140】本発明に係る番組インデックス制作方法で
は、イベントリストと番組インデックスの両者共に含ま
れる生起時間とその時間間隔の情報に着目して、イベン
トリストの情報のうち、あるイベントに有機的に関連付
けられた生起時間を、番組インデックスのうち、EIT
又はLITノードに含まれる開始時刻(start_time)に割
り当てる工程と、イベントリストの情報のうち、組イベ
ントを構成する個々のイベントに有機的に関連付けられ
た生起時間の間隔を、番組インデックスのうち、EIT
又はLITノードに含まれる継続時間(duration)に割り
当てる工程と、を含んで構成されている。これにより、
イベントリスト上において時間間隔の概念を持たない個
々のイベントを、番組インデックスにおいて時間間隔の
概念を持つイベントに変換することで、イベントリスト
の情報をもとに、番組それ自体と並んで価値あるコンテ
ンツたる番組インデックスを、簡易な手順をもって、効
率的に制作することができる。
【0141】また、本発明に係る番組インデックス制作
方法では、イベントリストの情報のうち、同一対象とみ
なせる複数のイベントの各々に有機的に関連付けられた
属性情報である候補識別を、番組インデックスのうち、
EIT、又はLITノードの情報のうちリファレンス記
述子に含まれる参照番号(reference_number)に割り当て
るようにしている。これについて、図10に示すLIT
ノードの情報のうち、リファレンス記述子に含まれる参
照番号(ref._number) を例示して、参照番号の活用例に
ついて説明すると、例えば、ある共通の親ノードを参照
しているLITノードが複数存在する場合において、こ
れら複数のLITノード間の優先順位を参照番号領域に
記述表現する際などに用いられる。これにより、イベン
トリスト上において、あるイベントに注目したときの代
替候補である旨が表現された個々のイベントを、番組イ
ンデックスにおいても同様の趣旨が表現された個々のイ
ベントに変換することができる。
【0142】しかも、イベントリストの情報に対してあ
る検索条件を指定した検索処理を施し、この検索処理に
よって抽出されたイベントの情報を参照して、番組イン
デックスのもとになるデータを取得することで、イベン
トリストの情報を番組インデックスに変換するといった
運用を行うこともできる。これについて、例えばニュー
スのイベントのうち海外のニュースに関するイベントを
収集した番組インデックスを作成する場面を例示して説
明すると、この場面では、まず、イベントリストの情報
に対して海外のニュースに関するイベントを収集する旨
の断片化意図を検索条件として指定した検索処理を施
し、この検索処理によって抽出されたイベントの情報を
参照して、番組インデックスのもとになるデータを取得
することで、イベントリストの情報を番組インデックス
に変換することができる。これにより、簡易な手順をも
って、データ放送のコンテンツたる番組インデックスを
効率的に制作することができる。
【0143】ところで、上述の手順等を踏んで制作され
る番組インデックスは、番組それ自体と並んで価値ある
コンテンツであり、もしもその内容に誤りがある場合に
は、視聴者側における番組又は番組内シーンの選択等に
支障をきたすおそれがある。しかるに、例えば、ERT
ノード相互間の階層構造、各ノード間のリンク関係、又
は、各ノードの記述内容などの各種の情報を含む番組イ
ンデックスを、視覚を通じて、かつ、簡易な操作をもっ
て、制作・編集可能な番組インデックス編集装置は未だ
存在せず、そうした番組インデックス編集装置の開発が
急務であった。
【0144】こうした要請を満足するために、以下で
は、番組インデックスを、視覚を通じて、かつ、簡易な
操作をもって、効率的に編集可能な番組インデックス編
集装置を提案し、この編集装置について、図7及び図8
を参照して説明する。図7は、番組インデックス編集装
置がもつGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェ
ース)画面の一例を示し、また、図8は、図7に示すG
UI画面を表示するために構築された番組インデックス
の階層構造例を示す。
【0145】図7に示す例では、GUI画面31は、大
きく4つの領域に区画されている。こうして区画された
各領域の大きさは、編集者がマウスなどの図示しない入
力装置を用いて、例えば各領域の境界線BL付近を編集
対象としたドラッグ・アンド・ドロップ操作を行うこと
により、編集者の意図に応じた任意の大きさに変更し得
るように構成されている。なお、こうした入力装置を用
いたGUIの操作ルールは、全体として統一感があるも
のが採用されている。これにより、編集者は直感的な操
作を行うのみで、所要の編集操作を遂行し得るように構
成されている。
【0146】GUI画面31のうち、図7中左上の第1
の領域33では、ERTノード相互間の階層構造を木構
造の態様で一覧表示し、図7中左下の第2の領域35で
は、現在カーソルが置かれているERTノードに関する
情報を一覧表示し、図7中右上の第3の領域37では、
図7中左上の領域33で示す複数のERTノードをそれ
ぞれ参照しているLITノードに関する記述内容を一覧
表示し、図7中右下の第4の領域39では、現在カーソ
ルが置かれているERTノードを参照しているLITノ
ードに関する情報を一覧表示している。これにより、編
集者は、こうしたGUI画面31上に表示されている各
種の項目の正誤を視覚を通じて逐次確認しながら、各種
の項目の記述内容の変更ないし誤り訂正、ERTノード
相互間の階層構造の変更、各ノード相互間のリンク関係
の変更、又は必要に応じたノードの記述の追加などを含
む編集操作を遂行し得るように構成されている。この際
に、編集者がマウスを用いてカーソルを所要の項目上に
位置させた後、決定ボタンをワンクリック又はダブルク
リック操作すると、このときカーソルが置かれている項
目が他の項目と識別可能となるようにハイライト表示さ
れるとともに、該当項目に係る記述内容に対する編集操
作を実行し得るように構成されている。
【0147】上述したGUI画面31の例では、ERT
・LITノード間のリンク関係を表示しながら、番組イ
ンデックスの編集を遂行する態様を示した。しかし、本
番組インデックス編集装置におけるGUI画面31上に
は、符号43で示すLIT/EIT切替ボタンが設けて
あり、必要に応じて切り替え操作を行うことにより、E
RT・EITノード間のリンク関係を表示しながら、番
組インデックスの編集を遂行することもできる。しか
も、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定される
ことなく、ERT・LIT・EITの三者のノード間の
リンク関係を表示しながら、番組インデックスの編集を
遂行する態様をも包含することは言うまでもない。
【0148】上述したGUI画面31において、編集者
があるERTノードを選択操作したときの、ERT・L
ITノード間のリンク関係の表示態様が、図7中の符号
41で示してある。
【0149】こうしたERT・LITノード間のリンク
関係の表示態様を遂行するために、本番組インデックス
編集装置は、以下に述べる動作を行う。すなわち、編集
者がERTノードを選択した場面では、選択されている
ERTノードを参照しているLITノードを検索し、こ
の検索により抽出されたLITノードの記述行をハイラ
イト表示する。上述した検索は、選択されているERT
ノードがもつノード識別と、LITノードの情報のうち
レファレンス記述子に含まれる参照ノード識別(ref._no
de_id)領域の記述内容と、を逐次照合することで遂行さ
れる。このとき、その照合結果が一致したLITノード
が抽出されることになる。なお、選択されているERT
ノードを、複数のLITノードが参照している場合も考
えられるので、前述した検索は、全てのLITノードを
対象として遂行するのが好ましい。一方、これとは逆
に、編集者がLITノードを選択した場面では、選択さ
れているLITノードが参照しているLITノードを検
索し、この検索により抽出されたERTノードの項目を
ハイライト表示する。上述した検索は、選択されている
LITノードの情報のうちレファレンス記述子に含まれ
る参照ノード識別(ref._node_id)領域の記述内容と、E
RTノードがもつノード識別と、を逐次照合することで
遂行される。このとき、その照合結果が一致したERT
ノードが抽出されることになる。なお、選択されている
LITノードが、複数のERTノードが参照している場
合も考えられるので、前述した検索は、LITノードの
情報のうちレファレンス記述子のループ回数だけ繰り返
し遂行するのが好ましい。
【0150】また、編集者がマウスを用いてあるERT
ノードの項目上にカーソルを位置させた後、ドラッグ・
アンド・ドロップ操作を行うことでこのERTノードを
その他のERTノード上に移動しドロップすると、ER
Tノード相互間の階層構造を変更し得るように構成され
ている。こうした簡易な操作でERTノード相互間の階
層構造を変更し得るのは、あるERTノードをその他の
ERTノード上に移動しドロップする操作が、番組イン
デックスの階層構造を変更する内部動作に対応付けられ
ているからである。これについて、親ERTノードと、
これに従属する子ERTノードと、の対応付け関係を例
示して説明すると、この場合、ERTノード相互間の階
層構造は、図11に示すように、子ERTノードに関す
る記述である「上位ノードの参照情報」のうち、親ノー
ド識別(parent_node_id)の領域に、親ERTノードがも
つノード識別を記述することで、ERTノードの親子関
係が保たれている。つまり、あるERTノードをその他
のERTノード上に移動しドロップする操作とは、ER
Tノードの親子関係に関する表現記述を書き換える内部
動作に対応付けられており、こうした対応付けがなされ
ていることから、簡易な操作をもって、ERTノード相
互間の階層構造を変更することが可能となっている。
【0151】さらに、編集者がマウスを用いて例えばあ
るERTノードに従属しているLITノードの項目上に
カーソルを位置させた後、ドラッグ・アンド・ドロップ
操作を行うことでこのLITノードを前記とは異なるE
RTノード上に移動しドロップすることで、ERT・L
ITノード相互間のリンク関係を変更し得るように構成
されている。こうした簡易な操作でERT・LITノー
ド相互間のリンク関係を変更し得るのは、あるERTノ
ードに従属しているLITノードを、これとは異なるE
RTノード上に移動しドロップする操作が、番組インデ
ックスにおけるノード相互間のリンク関係を変更する内
部動作に対応付けられているからである。これについ
て、親ERTノードと、これに従属するLITノード
と、のリンク関係を例示して説明すると、この場合、E
RT・LITノード相互間のリンク関係は、図10に示
すように、LITノードに関する記述である「上位ノー
ドの参照情報」のうち、レファレンス記述子に含まれる
参照ノード識別(ref._node_id)の領域に、親ERTノー
ドがもつノード識別を記述することで、ERT・LIT
ノード相互間のリンク関係が保たれている。つまり、あ
るERTノードに従属しているLITノードを、これと
は異なるERTノード上に移動しドロップする操作と
は、ERT・LITノード相互間のリンク関係に関する
表現記述を書き換える内部動作に対応付けられており、
こうした対応付けがなされていることから、簡易な操作
をもって、ERT・LITノード相互間のリンク関係を
変更することが可能となっている。こうしたERT・L
ITノード相互間のリンク関係の変更に伴って、LIT
ノードに関する項目名などの記述内容も、このLITノ
ードが参照することとなったERTノードに関する項目
名などの記述内容をそのまま承継するように変更され
る。こうした記述内容の承継は、デフォルトで、つまり
システムに与えられる初期値に対して何らの設定変更操
作を行わない状況下で、実行される如く構成される。承
継した記述内容を編集したいときには、所定の操作手順
を踏むことでそうした編集要求も許容される。
【0152】なお、例えば各ノードに対して固有値が割
り当てられるノード識別のように、むやみに変更すると
番組インデックスに含まれるデータ相互間の整合性が保
たれなくなるような編集禁止項目に対しては、編集者が
入力装置を操作することでこうした項目上にカーソルを
位置させても、該当項目がハイライト表示されないよう
に構成されている。これにより、編集禁止項目の内容が
みだりに変更されることを未然に防止するといった積極
的な効果と、編集禁止項目の存在を編集者に訴求すると
いった消極的な効果と、を併せ持ったきわめて実用的な
GUI機能を備えた番組インデックス編集装置を提供す
ることができる。
【0153】なお、上述した実施の形態は、本発明の理
解を容易にするために例示的に記載したものであって、
本発明の技術的範囲を限定するために記載したものでは
ない。すなわち、本発明は、その技術的範囲に属する全
ての実施の形態を含むことは当然として、そのいかなる
均等物をも含む趣旨である。
【0154】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1又
は3の発明によれば、必要に応じて、イベントリストに
掲載すべきイベントタイプを予め設定しておき、設定さ
れたイベントタイプに属するイベントが生起する毎に、
その生起時間をイン点としてリアルタイムにマークする
ことで、イベントリストを作成することが可能となる。
これは、実時間の映像や音声などを対象としたイベント
生起履歴を逐次入力するリアルタイムマーキングが実現
可能となることを意味する。したがって、生番組の実時
間収録に伴って番組の構造化を行う仕組みを整備するこ
とができる。
【0155】一方、請求項2又は4の発明によれば、必
要に応じて、イベントリストに掲載すべきイベントタイ
プを予め設定しておき、設定されたイベントタイプに属
するイベントが生起する毎に、その生起時間をイン点と
してマークすることで、イベントリストを作成すること
が可能となる。これは、VTRなどに収録済みの映像や
音声などを対象としたイベント生起履歴を逐次入力する
マーキングが実現可能となることを意味する。したがっ
て、録画番組の再生に伴って番組の構造化を行う仕組み
を整備することができる。
【0156】しかも、請求項1乃至4のうちいずれか一
項に記載の発明では、例えば、番組時系列上におけるイ
ベント生起の有無を判定し、この判定の結果、イベント
が生起した旨の判定が下されたときに初めて、この生起
イベントに対し、その生起時間を含むイベント情報を有
機的に関連付けたイベントリストを自動作成するといっ
た運用を行うこともできる。このようにすれば、番組構
造化の自動化を促進可能となる結果として、さらに優れ
た番組構造化のための仕組みの整備を期待することがで
きる。
【0157】さらにいえば、従来、編集者がある観点か
ら番組を構造化した結果として得られる番組構造化情
報、すなわち本編の編集記録とダイジェスト用の編集記
録の各々には、各編集者毎の意図や感性を含む個性が色
濃く反映されている。こうした編集記録にあっては、相
異なる編集者相互間で交換し利用しあうという側面はな
いのが通常であった。しかし、各編集者毎の個性が色濃
く反映された編集記録たる番組構造化情報は、番組制作
者側にとってはそれ自体が番組素材とともに貴重な財産
であり、そうした財産を継承できる仕組みがあれば、番
組編集技術の向上に資するであろうことは想像に難くな
い。これに対し、請求項1乃至4のうちいずれか一項に
記載の発明によれば、各編集者毎の個性が色濃く反映さ
れたイベントリストを通じて、各編集者のもとに蓄積さ
れているノウハウの承継を期待することができる。これ
は、個人のもとで秘匿化される傾向があったノウハウの
積極的活用という側面と、こうした活用を通じて個々の
編集能力を向上し得るという側面と、を有するといった
意味で、しかも、番組の多目的利用の途を開くという側
面からも、画期的な試みであるといえる。
【0158】一方、請求項5の発明によれば、前記イベ
ントタイプは、階層構造を持つものとされるので、した
がって、例えばイベントタイプに階層構造を定義付けし
た場合には、木構造の番組構造化を実現することができ
る。
【0159】また、請求項6の発明によれば、イベント
タイプが階層構造を持つとき、イベントリストに掲載す
べきイベントの種類を表すイベントタイプを設定するに
あたり、階層構造を持つ複数のイベントタイプをまとめ
てイベントプロファイルとして設定するので、したがっ
て、例えばイベントリストを記録媒体に記録して流通さ
せる場面を想定した場合、イベントリストに伴ってイベ
ントプロファイルをも流通させることが可能となる結果
として、より一層の利便性向上を期待することができ
る。
【0160】さらに、請求項7の発明によれば、イベン
ト情報は、イベントの生起を入力した制作端末又は編集
者を識別可能とする、例えば図5に示すオーサー番号(a
uthor no.)で表されるオーサー識別を含むので、したが
って、例えば、複数の編集者が手分けして複数の各制作
端末からイベントの生起履歴を逐次入力する要望を生じ
た場合であっても、複数の制作端末又は編集者間での混
同を生じることなく、つまり、編集者毎に固有となる意
図の混在を未然に抑制しながら、その要望を満足するこ
とができる。
【0161】また、請求項7の発明によれば、同一対象
のイベントに対して相異なる編集者が各個別の制作端末
からイベント生起履歴を入力した場合であっても、オー
サー識別を参照することでこれらを混同することなく識
別可能である。これにより、例えば図5に示す例のよう
に、複数の各制作端末でそれぞれ作成されたイベント生
起履歴を含むイベントリストのマージ、すなわち統合化
を、編集者毎に固有となる意図の混在を未然に抑制しつ
つ安全に遂行することができる。
【0162】さらにまた、請求項8の発明によれば、イ
ベント情報として複数のオーサー識別を含んでいると
き、イベントリストは、複数の各オーサー識別毎に独立
して作成されるので、したがって、例えば、図1に示す
ように、複数の制作端末13,15間をネットワーク1
7を介して接続し、各制作端末13,15間でイベント
リスト等の情報交換を行う番組編集支援システム11を
構築した場合を想定したとき、例えシステムの機能がダ
ウンするといった最悪の事態が生じた場合であっても、
各制作端末13,15はスタンドアロンで自身に蓄積し
ておいたイベントリストを最低限利用することができ
る。
【0163】しかも、請求項9の発明によれば、複数の
各オーサー識別毎に独立して作成されたイベントリスト
は統合化されるので、したがって、従来手法では、編集
者は、何度もプレビューを試行しつつ編集点(イン点)
を決定していたのに対し、統合化されたイベントリスト
を参照しながら、例えば、自身が付与したイベント生起
履歴を集めて編集対象にする一方で、他の編集者が付与
したイベント生起履歴を必要に応じて利用するといった
ように、複数の観点で付与されているイン点/アウト点
の候補のなかから、プレビューを行うことなく、自身の
目的に合った編集点を適宜選択可能である結果として、
編集作業の飛躍的な効率化を実現することができる。そ
のうえ、他の制作端末又は他の編集者において付与され
た編集点の候補を利用できるため、より一層の編集作業
の効率化を期待することができる。
【0164】請求項10の発明によれば、例えばリアル
タイムマーキング時において、番組時系列上にて時々刻
々と生起してきたあるイベントに対し、過誤によってイ
ベント情報を付与してしまった場面であっても、そのイ
ベントに対するイベント情報の追加を許容する仕組みを
用いて、当該過誤を是正することができる。これは、言
い換えれば、編集者の主観に基づくあいまいさを許容し
ながら、番組の構造化が可能な仕組みの構築に寄与する
ものといえる。
【0165】しかも、請求項10の発明によれば、イベ
ント情報の属性として候補識別を持つことによって、前
工程で付与したマーク、すなわち編集点を活用すること
で編集作業を効率化でき、また、その編集点が気に入ら
ない場合には、他の編集点の候補をノンリニア的に検索
して順次閲覧していくことで、新編集点を決めやすいと
いった効果を期待することもできる。
【0166】さらに、請求項10の発明によれば、候補
識別を用いることで、イベントリストの情報を利用しつ
つ、自分独自の編集点を追加することができ、また、編
集点の変更を、候補識別の追加という形態で処理できる
ので、リアルタイム編集作業がきわめて容易になる。な
お、従来手法では、過誤によって編集点を付与してしま
った場合には、時間的にさかのぼって編集点の削除など
の処理を行う必要があったところ、本発明では、この削
除処理を省略することができる。これは、わざわざ削除
処理を行わなくとも、編集点候補の検索をノンリニア的
に簡易に行えるといった事実に由来している。しかも、
録画番組編集時における編集点の追加を、生番組編集時
における生起イベントに対するマーク付与と同様のユー
ザーインタフェースで実現すれば、編集作業効率のさら
なる向上を期待することができる。
【0167】ところで、録画番組編集時において、同一
対象とみなせる一つのイベントに対して複数の候補識別
が付与されている場合、複数の候補識別のなかから、ど
の編集点を優先的に取り込むかが問題となる。しかしこ
の場合、一般に、時間的に後にマークされた編集点が編
集者の意図をより反映していることが経験的に多い。そ
こで、こうした経験を考慮しつつ番組編集作業を遂行す
れば、時間効率の向上を期待することができることにな
る。
【0168】さらに、請求項11の発明によれば、イベ
ント情報は、映像又は音声の収録場所、収録日時、収録
時の天候、収録者、アナウンサーのしゃべりだし点、及
び収録者の制作意図のうち、少なくとも1又は2以上の
組み合わせをさらに含むので、したがって、例えば上述
した種々のイベント情報を必要に応じて検索すれば、多
様な観点から所要の番組単位部分を切り出すことが可能
になる。
【0169】さらにまた、請求項12の発明によれば、
収録者の制作意図は、映像の撮影に用いた撮影手段のパ
ン又はチルトを含む動きデータから取得するので、した
がって、例えば、録画番組の編集時において、撮影手段
のパン又はチルトを含む動きデータを基に、収録者の制
作意図を推察可能である結果として、撮影者の制作意図
を忠実に反映した番組編集を実現することができる。
【0170】しかも、請求項13の発明によれば、イベ
ント情報は、イベントの内容を記述したイベント帰属情
報を含むので、したがって、例えば、各生起イベント毎
にきめ細かな内容記述を行うことが可能となる結果とし
て、豊富なイベント帰属情報をもとにした繊細な番組編
集作業の実現を期待することができる。
【0171】一方、請求項14の発明によれば、編集意
図を持たずに、もしくは、複数の編集意図が反映されて
いるイベントリストから、編集意図に応じてその都度、
カット切り出しを柔軟に行うことが可能となる結果とし
て、番組編集作業の飛躍的な効率化を期待することがで
きる。
【0172】また、請求項15の発明によれば、所要の
検索条件を設定することで、あるイベントタイプに属す
るイベントの生起間隔を粒度とする番組の分割を行うこ
とが可能となる結果として、検索条件に合致した所要の
単位部分を切り出すことができる。
【0173】さらに、請求項16の発明によれば、所要
の検索条件を設定することで、例えば番組中における冗
長部分の切り出しを企図した番組の分割を行うことが可
能となる結果として、請求項15の発明と同様に、検索
条件に合致した所要の単位部分を切り出すことができ
る。
【0174】さらにまた、請求項17の発明によれば、
意味イベントと構造イベントの組み合わせに係る検索条
件を設定することで、例えばある意味イベントの生起時
間を内包する観点から抽出された構造イベントの切り出
しを企図した番組の分割を行うことが可能となる結果と
して、請求項15乃至16の発明と同様に、検索条件に
合致した所要の単位部分を切り出すことができる。
【0175】しかも、請求項18の発明によれば、構造
イベントとその属性値の組み合わせに係る検索条件を設
定することで、例えば、属性値の記述内容の観点から抽
出された構造イベントの切り出しを企図した番組の分割
を行うことが可能となる結果として、請求項15乃至1
7の発明と同様に、検索条件に合致した所要の単位部分
を切り出すことができる。
【0176】なお、請求項14乃至18の番組編集支援
方法を用いて映像の編集作業を行った場合、ノンリニア
編集における映像クリップ切り出しの工程を不要とし
て、映像をプレビューし直すことなく粗編集作業が完了
するので、したがって、従来の粗編集行程を省略可能と
なる結果として、番組の編集作業を飛躍的に効率化する
ことができる。
【0177】しかも、請求項19の発明によれば、本発
明で新規に提案したイベントリストを活用することで、
映像時系列上において各々が「点」として位置付けられ
る各組イベントを、映像時系列上において「2点間を結
ぶ線」として位置付けられる単位部分に変換することに
より、番組時系列上の単位部分を切り出し対象とした編
集支援を行うことで、請求項14の説明部分で述べた第
1のカット切り出し工程を自動的かつ瞬時に実行するこ
とが可能となる結果として、編集作業の飛躍的な効率化
を期待することができる。
【0178】また、請求項20の発明によれば、請求項
1乃至13のうちいずれか一項に記載の番組構造化方法
を用いて作成されたイベントリストを記録した新規なイ
ベントリスト記録媒体を提供することができる結果とし
て、番組編集の飛躍的な効率化に寄与するイベントリス
トの流通性を高めることができる。
【0179】一方、請求項21の発明によれば、イベン
トリスト上において時間間隔の概念を持たない個々のイ
ベントを、番組インデックスにおいて時間間隔の概念を
持つイベントに変換することで、イベントリストの情報
をもとに、番組それ自体と並んで価値あるコンテンツた
る番組インデックスを、簡易な手順をもって、効率的に
制作することができる。
【0180】また、請求項22の発明によれば、番組イ
ンデックスを、視覚を通じて、かつ、簡易な操作をもっ
て、効率的に編集可能な番組インデックス編集装置を提
案することができる。
【0181】そして、請求項23の発明によれば、複数
の組み合わせに係る各ノード相互間の階層構造ないしリ
ンク関係を視覚を通じて確実に把握しながら、簡易な操
作をもって、番組インデックスを効率的に編集すること
ができるというきわめて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る番組編集支援システムの
概略ブロック構成図である。
【図2】図2は、本発明に係る番組編集支援システムの
動作フローチャート図である。
【図3】図3は、本発明に係る番組編集支援システムの
動作フローチャート図である。
【図4】図4は、本発明で提案するイベントリストの概
念図である。
【図5】図5は、複数の制作端末で作成されたイベント
リストを統合化サーバの元で統合化したときの状態遷移
を表す概念図である。
【図6】図6は、編集作業時における単位部分の切り出
しに係る複数手法の説明に供する図である。
【図7】図7は、番組インデックス編集装置におけるG
UI画面を表す図である。
【図8】図8は、図7に対応する番組内インデックスの
構造を表す概念図である。
【図9】図9は、EITのデータ構造を模式的に表した
図である。
【図10】図10は、LITのデータ構造を模式的に表
した図である。
【図11】図11は、ERTのデータ構造を模式的に表
した図である。
【図12】図12は、EITのデータ構造を形式的に表
した図である。
【図13】図13は、LITのデータ構造を形式的に表
した図である。
【図14】図14は、ERTのデータ構造を形式的に表
した図である。
【図15】図15は、番組インデックスにおける各ノー
ド相互間の階層構造ないしリンク関係の一例を表す図で
ある。
【符号の説明】
11 番組編集支援システム 13 第1の制作端末 15 第2の制作端末 17 ネットワーク 19 統合化サーバ 31 GUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェー
ス)画面 33 第1の領域 35 第2の領域 37 第3の領域 39 第4の領域 41 ERT・LITノード間のリンク関係の表示態様 43 LIT/EIT切替ボタン BL 各領域の境界線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/445 H04N 5/76 B 5/76 7/08 A 7/025 G11B 27/02 B 7/03 7/035 (72)発明者 木村 武史 東京都台東区西浅草1丁目1番1号 株式 会社次世代情報放送システム研究所内 (72)発明者 片岡 充照 東京都台東区西浅草1丁目1番1号 株式 会社次世代情報放送システム研究所内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 番組に対して付加情報を与える構造化を
    行う際に用いられる番組構造化方法であって、 生番組の編集を行うにあたり、編集対象となる番組時系
    列上にて時々刻々と生起してきた映像又は音声を含むイ
    ベントに対し、その生起時間を含むイベント情報を有機
    的に関連付けたイベントリストを作成し、当該作成した
    イベントリストを基に番組の構造化を行なうことを特徴
    とする番組構造化方法。
  2. 【請求項2】 番組に対して付加情報を与える構造化を
    行う際に用いられる番組構造化方法であって、 録画番組の編集を行うにあたり、編集対象となる番組時
    系列上にて生起した映像又は音声を含むイベントに対
    し、その生起時間を含むイベント情報を有機的に関連付
    けたイベントリストを作成し、当該作成したイベントリ
    ストを基に番組の構造化を行なうことを特徴とする番組
    構造化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の番組構造化方法であっ
    て、 生番組の編集を行うにあたり、前記イベントリストに掲
    載すべきイベントの種類を表すイベントタイプを予め設
    定しておき、編集対象となる番組時系列上にて時々刻々
    と生起してきた映像又は音声を含むイベントのうち、前
    記設定されたイベントタイプに属するイベントに対し、
    その生起時間を含むイベント情報を有機的に関連付けた
    イベントリストを作成し、当該作成したイベントリスト
    を基に番組の構造化を行なうことを特徴とする番組構造
    化方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の番組構造化方法であっ
    て、 録画番組の編集を行うにあたり、前記イベントリストに
    掲載すべきイベントの種類を表すイベントタイプを予め
    設定しておき、編集対象となる番組時系列上にて生起し
    た映像又は音声を含むイベントのうち、前記設定された
    イベントタイプに属するイベントに対し、その生起時間
    を含むイベント情報を有機的に関連付けたイベントリス
    トを作成し、当該作成したイベントリストを基に番組の
    構造化を行なうことを特徴とする番組構造化方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の番組構造化方法
    であって、 前記イベントタイプは、階層構造を持つことを特徴とす
    る番組構造化方法。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5のうちいずれか一項に記
    載の番組構造化方法であって、 前記イベントタイプが階層構造を持つとき、前記イベン
    トリストに掲載すべきイベントの種類を表すイベントタ
    イプを設定するにあたり、前記階層構造を持つ複数のイ
    ベントタイプをまとめてイベントプロファイルとして設
    定することを特徴とする番組構造化方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のうちいずれか一項に記
    載の番組構造化方法であって、 前記イベント情報は、当該イベントの生起を入力した制
    作端末又は編集者を識別可能とするオーサー識別を含む
    ことを特徴とする番組構造化方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の番組構造化方法であっ
    て、 前記イベント情報として複数のオーサー識別を含んでい
    るとき、前記イベントリストは、複数の各オーサー識別
    毎に独立して作成されることを特徴とする番組構造化方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の番組構造化方法であっ
    て、 前記複数の各オーサー識別毎に独立して作成されたイベ
    ントリストは統合化されることを特徴とする番組構造化
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のうちいずれか一項に
    記載の番組構造化方法であって、 前記イベント情報は、同一対象とみなせる一つのイベン
    トに対し、相異なる生起時間の関連付けを許容すること
    を企図した候補識別を含むことを特徴とする番組構造化
    方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のうちいずれか一項
    に記載の番組構造化方法であって、 前記イベント情報は、映像又は音声の収録場所、収録日
    時、収録時の天候、収録者、アナウンサーのしゃべりだ
    し点、及び収録者の制作意図のうち、少なくとも1又は
    2以上の組み合わせをさらに含むことを特徴とする番組
    構造化方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の番組構造化方法で
    あって、 前記収録者の制作意図は、映像の撮影に用いた撮影手段
    のパン又はチルトを含む動きデータから取得することを
    特徴とする番組構造化方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のうちいずれか一項
    に記載の番組構造化方法であって、 前記イベント情報は、当該イベントの内容を記述したイ
    ベント帰属情報を含むことを特徴とする番組構造化方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13のうちいずれか一項
    に記載の番組構造化方法を用いて構造化された番組を対
    象とした編集支援を行う際に用いられる番組編集支援方
    法であって、 編集対象となる番組時系列上にて時間間隔の概念を持つ
    単位部分を切り出し対象とした編集支援を行うにあた
    り、 切り出し対象としての検索条件を指定し、前記イベント
    リストに含まれるイベントのなかから、この検索条件に
    合致する組イベントを抽出し、当該抽出した各イベント
    毎に有機的に関連付けられた各生起時間を、前記単位部
    分の特定に用いるイン点/アウト点としてそれぞれ割り
    付け指定することで、時間間隔の概念を持たない各イベ
    ントを、時間間隔の概念を持つイベントに変換すること
    により、番組時系列上の単位部分を切り出し対象とした
    編集支援を行うことを特徴とする番組編集支援方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の番組編集支援方法
    であって、 前記検索条件に合致する組イベントは、共通のイベント
    タイプに属するイベントであることを特徴とする番組編
    集支援方法。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の番組編集支援方法
    であって、 前記検索条件に合致する組イベントは、相異なるイベン
    トタイプに属するイベントであることを特徴とする番組
    編集支援方法。
  17. 【請求項17】 請求項14乃至16のうちいずれか一
    項に記載の番組編集支援方法であって、 前記検索条件は、注目しているイベントタイプに属する
    注目イベントを含み、この検索条件に合致する組イベン
    トを抽出するにあたり、前記注目イベントの生起時間を
    内包する組み合わせに係る組イベントを抽出することを
    特徴とする番組編集支援方法。
  18. 【請求項18】 請求項15に記載の番組編集支援方法
    であって、 前記検索条件は、前記共通のイベントタイプに属するイ
    ベントの内容を記述した属性値を含み、この検索条件に
    合致する組イベントを抽出するにあたり、前記属性値が
    その内容として記述されているイベントと、このイベン
    トの直後に位置するイベントと、の組み合わせに係る組
    イベントを抽出することを特徴とする番組編集支援方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項14乃至18のうちいずれか一
    項に記載の番組編集支援方法を用いて番組の編集支援を
    行う番組編集支援システムであって、 編集対象となる番組時系列上にて時間間隔の概念を持つ
    単位部分を切り出し対象とした編集支援を行うにあた
    り、 切り出し対象としての検索条件を指定し、前記イベント
    リストに含まれるイベントのなかから、この検索条件に
    合致する組イベントを抽出し、当該抽出した各イベント
    毎に有機的に関連付けられた各生起時間を、前記単位部
    分の特定に用いるイン点/アウト点としてそれぞれ割り
    付け指定することで、時間間隔の概念を持たない各イベ
    ントを、時間間隔の概念を持つイベントに変換すること
    により、番組時系列上の単位部分を切り出し対象とした
    編集を実行可能に構成したことを特徴とする番組編集支
    援システム。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至13のうちいずれか一項
    に記載の番組構造化方法の手順を用いて作成されたイベ
    ントリストを記録したことを特徴とするイベントリスト
    記録媒体。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至13のうちいずれか一項
    に記載の番組構造化方法の手順を用いて得られたイベン
    トリストの情報をもとに、番組インデックスを制作する
    際に用いられる番組インデックス制作方法であって、 前記イベントリストの情報のうち、あるイベントに有機
    的に関連付けられた生起時間を、番組インデックスのう
    ち、EIT又はLITノードに含まれる開始時刻に割り
    当てる工程と、 前記イベントリストの情報のうち、組イベントを構成す
    る個々のイベントに有機的に関連付けられた生起時間の
    間隔を、番組インデックスのうち、EIT又はLITノ
    ードに含まれる継続時間に割り当てる工程と、 を含んで構成されることを特徴とする番組インデックス
    制作方法。
  22. 【請求項22】 番組インデックスを編集する際に用い
    られる番組インデックス編集装置であって、 番組インデックスに含まれるERT・LIT・EITの
    ノードの情報のうち、少なくとも複数の組み合わせに係
    るノードの情報を、この複数の組み合わせに係る各ノー
    ド相互間の階層構造ないしリンク関係が把握可能な表示
    態様で、共通の表示画面上に表示させる表示手段と、 この表示手段で表示されたノードの情報を対象とした編
    集を受け付ける編集手段と、 を備え、 前記編集手段で受け付けられた編集内容は、前記表示手
    段における表示内容に反映されることを特徴とする番組
    インデックス編集装置。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の番組インデックス
    編集装置において、 前記複数の組み合わせに係る各ノード相互間の階層構造
    ないしリンク関係が把握可能な表示態様とは、 ERTノード相互間の階層構造を木構造で表示させる態
    様ないしERT・LITノード間のリンク関係を明示的
    に表示させる態様を含むことを特徴とする番組インデッ
    クス編集装置。
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