JP2000321274A - 小胞輸送蛋白ミントの測定法 - Google Patents

小胞輸送蛋白ミントの測定法

Info

Publication number
JP2000321274A
JP2000321274A JP12869799A JP12869799A JP2000321274A JP 2000321274 A JP2000321274 A JP 2000321274A JP 12869799 A JP12869799 A JP 12869799A JP 12869799 A JP12869799 A JP 12869799A JP 2000321274 A JP2000321274 A JP 2000321274A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mint
disease
alzheimer
protein
βapp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP12869799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4064569B2 (ja
Inventor
Tomohiro Matsuyama
知弘 松山
Masaya Okamoto
昌也 岡本
Minoru Sugita
實 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP12869799A priority Critical patent/JP4064569B2/ja
Publication of JP2000321274A publication Critical patent/JP2000321274A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4064569B2 publication Critical patent/JP4064569B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は神経に特有でかつβアミロイド(A
β)生成にからみ、かつ神経伝達機構にも関与する分子
マーカーを利用してすべてのアルツハイマー痴呆症の新
たな診断法を提供するものである。即ち、本発明は神経
性疾患、特にアルツハイマー病の新規な診断マーカーを
提供するものである。 【解決手段】 本発明は、神経性疾患を判定するための
体液又は組織中のミント、好ましくはミント1又は2の
検出、同定又は定量に用いるための判定用組成物、当該
組成物を含有してなる神経性疾患を判定、診断するため
のキットに関する。また、本発明は、神経性疾患、例え
ば痴呆症、アルツハイマー病などの診断マーカーとして
のミント又はそれに対する抗体の使用に関する。さら
に、本発明は、検体中のミントを検出、同定又は定量す
る方法に関する。本発明の方法により、簡便にかつ正確
に痴呆症などの神経性疾患を診断することができ、神経
性疾患の予防、治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体液又は組織中の
ミントを検出、同定又は定量することからなる神経性疾
患、好ましくは痴呆症、アルツハイマー病などの診断
剤、診断マーカーとしてのミント又はそれに対する抗体
の使用、及び、検体中のミントを検出、同定又は定量す
る方法に関する。本発明はアルツハイマー病をはじめと
する痴呆性疾患の診断に利用できる診断剤、検査法に関
するもので、この検査法により測定される神経伝達に必
須のシナプス小胞輸送蛋白(Mints)の濃度および
活性は神経活動の指標として広く利用できる。
【0002】
【従来の技術】アルツハイマー病は神経変性を伴う痴呆
性疾患である。家族性アルツハイマー病(FAD)以外
はその原因が不明であるため診断治療法は確立していな
い。アルツハイマー脳の病理学的検討から、アルツハイ
マー病にみられる活性物質の変化があるが、現在ではこ
れらを指標として診断の一助としているに過ぎない。そ
の例として、痴呆脳・老化脳にみられる神経伝達物質の
変化や、老人班(senileplaque;SP)やアルツハイマ
ー原線維変化(neurofibrillary tangle;NFT)形成
に関わる活性物質の測定がなされている。
【0003】痴呆脳・老化脳にみられる神経伝達物質の
変化としては、例えば、アセチルコリン(Acetylcholin
e(Ach))量の減少、コリンアセチル転移酵素(cho
lineacetyltransferase(CAT))活性の減少、アセ
チルコリンエステラーゼ(acetylcholine esterase(A
chE))活性の減少、アセチルコリン合成酵素(Ac
h synthetase)量の減少、アセチルコリン受容体(A
ch receptor)量の減少などが知られている。また、
ソマトスタチン(Somatostatin)や神経ペプチドY(Ne
uropeptide Y)などの神経ペプチド、ノルアドレナリ
ン(Noradrenaline)、ドーパミン(Dopamine)、セレ
トニン(Serotonin(5HT))、5−ヒドロキシイン
ドールアミノ酸(5-hydrooxyindoraminoacid(5HIA
A))などの神経伝達物質の量の変化を調べることも知
られている。
【0004】これら神経伝達物質はおもに脳脊髄液(ce
rebrospinal fluid;CSF)で測定されるが、その変
化は正常脳や他の痴呆性疾患の脳でも見られアルツハイ
マー型痴呆との関連性については未だ確立されておら
ず、アルツハイマー型痴呆であることを特定するための
診断法としての診断的価値は少ないと思われる。
【0005】アルツハイマー病の神経病理学的変化の主
なものとしては、神経原線維変化(Neurofibrillary ta
ngle;NFT)と老人班(Senile plaque;SP)が挙
げられる。アルツハイマー神経原線維変化(Neurofibri
llary tangle;NFT)は特異なねじれを有するフィラ
メント(Paired Helical Filament(PHF))が主成
分であり、このPHFは微小管結合蛋白質(microtuble
associate proteins(MAPs))の一種であるタウ
蛋白(τ蛋白質)の異常リン酸化で生成される。老人班
(SP)は、アミロイド物質が細胞外に蓄積したもので
あり、その主な構成成分としてβアミロイド前駆体蛋白
質(β−Amyloid Precursor protein(βAPP))か
ら生成されるAβ/A4Amyloid(Aβ)などが
ある。
【0006】一方、アルツハイマー病の神経病理学的変
化で注目されているβアミロイド(Aβ)生成沈着機構
の解明により、これに関わる多くの活性分子が明らかと
なってきた。これらには、Aβの前駆体であるβアミロ
イド前駆タンパク(β−amyloid precursor protein;
βAPP)や、その切断酵素であるセクレターゼ(secr
etase)、その選別蛋白質(sorting protein)の可能性
があるプレセニリン(presenirin;PS)があげられ
る。これらの異常は遺伝的アルツハイマー病の原因であ
ることはすでに報告されているが、これら遺伝的アルツ
ハイマー病の頻度は全アルツハイマー病の5%以下であ
り、その大部分を占める孤発性アルツハイマー病の原因
は未だ不明である。Aβがアルツハイマー病の主因を説
明する最も重要な分子である限り、この生成沈着に関わ
る新たな分子の存在確認とその制御機構の解明は是非必
要な作業であるといわざるを得ない。全アルツハイマー
病患者の数%は家族性である。その原因遺伝子としてこ
れまで同定されているのはβAPP、プレセニリン1お
よび2(PS−1、PS−2)の3種である。また、A
βのキャリアー蛋白質(carrier蛋白質)であるアポリ
ポ蛋白質E(Apolipoprotein E(APOE))のある
種の対立遺伝子産物(APOE4)もアミロイド物質の
沈着の危険因子であるとされている。このような家族性
アルツハイマー病の遺伝的背景をまとめると次の表1の
ようになる。
【0007】 表1 アルツハイマー病の遺伝的要因 分類 発症/頻度 原因遺伝子 遺伝子座 ダウン症候群 早期発症 βAPP 21 家族性アルツハイマー病(FAD) AD1 早期発症FAD/5% βAPP 21 AD2 晩期発症FAD ApoE 19 AD3 早期発症FAD/70% PS−1 14 AD4 Volga German家系 PS−2 1 AD5 晩期発症FAD 12? HCHWA−D オランダ家系 βAPP 21
【0008】家族性アルツハイマー病に関与すると考え
られている種々の遺伝子が解明されてきているが、アル
ツハイマー病患者の90%以上を占める孤発例では遺伝
的要因が明らかではないため生前の診断は困難であり、
これらは大部分の孤発性アルツハイマー病の診断マーカ
ーとなるものではない。
【0009】さらにこれらの分子(βAPP、PS、s
ecretase、ApoEなど)は脳神経細胞のみな
らず非神経細胞すなわち他臓器の体細胞でも産生してい
るため、これらの異常が神経特有の変性疾患であるアル
ツハイマー病の病態を完全には説明しえず、当然診断マ
ーカーとしての期待は出来ない。従って、神経特有の分
子であり、かつAβとの関わりを持つ新たな分子に診断
マーカーとしての可能性を期待しなければならない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は神経
に特有でかつAβ生成にからみ、かつ神経伝達機構にも
関与する分子マーカーを利用してすべてのアルツハイマ
ー痴呆症の新たな診断法を提供するものである。即ち、
本発明は神経性疾患、特にアルツハイマー病の新規な診
断マーカーを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、体液又は組織
中のミントを検出、同定又は定量することからなる神経
性疾患の診断剤、当該診断剤を含有してなる神経性疾患
を診断するためのキットに関する。また、本発明は、神
経性疾患を判定するための体液又は組織中のミントの検
出、同定又は定量に用いるための判定用組成物、当該組
成物を含有してなる神経性疾患を判定、診断するための
キットに関する。本発明は、神経性疾患、例えば痴呆
症、アルツハイマー病などの診断マーカーとしてのミン
ト又はそれに対する抗体の使用に関する。さらに、本発
明は、検体中のミントを検出、同定又は定量する方法に
関する。
【0012】本発明者らは、上記の課題を解決すべく種
々検討した結果、神経に特有でかつ神経伝達機構の根幹
をなすシナプス伝達に必須の小胞輸送蛋白に注目した。
発明者の一人である岡本らは小胞輸送蛋白であるマンク
18(Munc18)に特異的に結合し、シナプス小胞
(synaptic vesicle)のエクソサイトーシス(exocytos
is)に関与する新規小胞輸送蛋白マンク18関連蛋白質
(Munc18-interactingproteins)であるミント(Min
ts)をクローニングした(M.Okamoto., et al., J. Bi
ol. Chem., 272(50),31459-31464,1997 ; Eur. J. Cell
Biol., 77, 161-165, 1998)。ミント(Mints)
は、少なくともミント1(Mint1)からミント3
(Mint3)からなるファミリーを形成し、ミント1
と2は神経に特異的に発現する小胞輸送蛋白である。そ
の後の研究により、ミントはPTBドメインとふたつの
PDZドメイン(PDZaドメイン及びPDZbドメイ
ン)という蛋白間の相互作用に重要な働きを持つ二つの
基本機能構造(モジュール)を持つことが判明した。こ
の2種のモジュールを一つの蛋白が持つのは現在の所こ
のミントのみであり、この点からもミントの神経伝達機
能における特異性が示唆されている(M.Okamoto., et a
l., J. Biol. Chem., 272(50),31459-31464,1997)。
【0013】ミントは他に例をみない特徴的なドメイン
構造をしている。ミント1及び2のN−末端側半分には
二つのプロリンリッチな領域が存在し、マンク18結合
ドメイン(MID)が保存されている以外には相同性が
極めて低いが、C−末端側半分には共通して1つのPT
Bドメインと2つのPDZドメインが存在し、相同性は
極めて高い。一方ミント1は、前シナプス終末蛋白であ
るCASK及びベリ(veli)と複合体を形成し、神
経細胞膜蛋白であるニューレキシン(neurexin)などと
相互作用し、シナプス形成に関与していると考えられて
いる。この機構は生物進化上極めてよく保存されている
ことが明らかにされている。実際、線虫(C.eleg
ans)ではCASK、ベリ(veli)、ミント1の
各ホモログであるリン(LIN)−2,7,10が複合
体を形成して細胞分化制御をすることが明らかにされて
いる。これらのことより、ヒトでも同様の蛋白相互作用
が行われていると考えられる。
【0014】さらにミント1はβAPPと結合すること
が明らかとなった(J P. Borg, etal., Mol. Cell. Bio
l., 16, 6229-6241, 1996)。ミント1はそのPTBド
メインを介してβAPPのC末端のYENPTY配列と
特異的に結合する。ミント1とβAPPの結合は、Aβ
生成を制御し、ミント1の異常は神経伝達機能不全を引
き起こすと同時にAβ生成を増強する。一方、βAPP
のエンドサイトーシス(Endocytosis)に
は、βAPPのC末端のYENPTY配列が必要であ
り、Aβはその後β/γセクレターゼによって細胞内で
産生される。すなわち、Aβの生成にはYENPTY配
列が必要であり、ミント1はこのAβ生成の機構を制御
していると考えられる。
【0015】ミントのもつこのような機能を次のように
して確認した。まず、抗ミント1ポリクローナル抗体を
用いた免疫組織化学で、マウスの脳のミント1の局在を
検討した(図1参照)。電子顕微鏡による微細構造の検
討では、ミント1は前シナプス神経終末に存在するシナ
プス小胞とそのアクティブゾーン(active zone)に限
局していることが示された(図2参照)。さらにラット
の細胞株PC12細胞を神栄養因子(NGF)により、
神経細胞に分化させ、培養ディシュ上でシナプス結合を
形成させ、その時の内在性ミント1の局在を蛍光抗体法
により観察した結果、ミント1は前シナプス終末に限局
していた。以上のことより、ミント1がシナプス小胞輸
送蛋白であることが示された。さらに、ミント分子中の
各ドメインの機能を解析するために、種々の欠失変異体
を遺伝子工学的手法により作成し、培養細胞に導入発現
させた。この結果ミントが細胞内で小胞に結合するため
にはPDZドメインが必須であることが明らかとなった
(図5参照)。一方、ミントがβAPPに結合するのは
PTBドメインを介してである。
【0016】生体内で実際にミントがβAPPと結合し
ていることを確認するためにヒト細胞株HEK293細
胞のミント1/βAPP強制発現細胞においてβAPP
とミント1の局在を共焦点レーザー顕微鏡を用いた二重
標識間接蛍光抗体法で検討した(図4参照)。その結
果、ミント1とβAPPは一致して局在することが明ら
かとなり、細胞内でミント1はβAPPと結合している
ことが示された。従って、ミント1はPDZドメインを
介してβAPPを輸送する小胞の動きを制御し、その過
程でPTBドメインを介してβAPPと結合し、最終的
にAβの産生にいたる蛋白質代謝分解経路をも調節する
ものと考えられる。
【0017】つぎに、マウスの脳虚血モデルを用いてミ
ント1の発現を検討した(図3参照)。この結果ミント
1の発現は脳虚血により変動することが明らかとなっ
た。このことは神経伝達物質の放出時にミント1がシナ
プス伝達機能を果たしていることを示す。また、マウス
の脳をホモジュネートし、その抽出液からウエスタンブ
ロッティング(Western blotting)によりミント1の同
定を試みたところ、ミント1はマウス脳に存在してお
り、他臓器には存在しないことが明らかとなった。さら
に、脳虚血を加えた脳ではミント1蛋白量が虚血負荷後
経時的に変動することが明らかとなった(図3及び図6
参照)。
【0018】家族性、孤発性を問わずアルツハイマー病
にいたる異常はβAPPの代謝分解異常である。βAP
Pと強固に結合しその機能を制御するミントは同時にシ
ナプス伝達をも制御すると考えられる。以上のことか
ら、Aβの蓄積がみられるアルツハイマー病の初期には
ミントの異常による神経障害がみられると考えられる。
このことはミント1の測定が神経変性疾患としてまた痴
呆性疾患としてのアルツハイマー病の診断に適している
ことを示している。特に、これらの疾患の初期症状の診
断に適したものということができる。従来からアルツハ
イマー病の診断をめざして多数の神経物質が用いられて
きたが、いずれもアルツハイマー病にのみ関連するもの
ではなく、各器官に点在する神経物質の量の増減を測定
し、この結果からアルツハイマー病である可能性をみる
というものであった。しかしながら、本発明のミントの
測定は、Aβの生成に直接関連し、かつ脳に局在する蛋
白質を測定するものであることから、アルツハイマー病
などの神経性疾患の発病の状況を直接知ることができる
ものである。
【0019】本発明は、小胞輸送蛋白ミント、好ましく
はミント1及び/又はミント2を検出、同定又は定量す
ることにより神経性疾患、例えば痴呆症、アルツハイマ
ー病などを診断することができることを見い出したもの
である。本発明の小胞輸送蛋白ミントを検出、同定又は
定量する方法としては、例えば抗ミント抗体を使用する
ことができる。抗ミント抗体はミント又はミントの部分
配列からなる蛋白質で感作させた動物から得ることがで
きる。例えば、ラットのミントをウサギに感作させるこ
とにより、ウサギ抗ラットミント抗体を得ることができ
る。抗原として使用されるミントの部分配列としては、
ミント1又はミント2のN−末端部分、C−末端部分、
PTBドメイン、PDZドメイン、およびβ−アミロイ
ド前駆体蛋白質(βAPP)の側からはミントとの結合
部分であるYENPTY配列などを用いることができ
る。
【0020】使用される抗体としては、抗ヒト抗体が好
ましいが、ミント1をはじめとするこれらの蛋白の免疫
原性は種間で極めて交差性が高く、異種生物の抗体を使
用してもヒトミントの測定をすることができる。また、
異種生物の抗体を必要に応じてキメラ型やヒト型などに
変性させて使用することもできる。抗体はポリクローナ
ル抗体であってもよいが、モノクローナル抗体であって
もよい。本発明者らは、ラットミントに対するウサギポ
リクローナル抗体を製造し、これを本発明の方法とし
た。
【0021】本発明の診断剤における小胞輸送蛋白ミン
トの検出、同定又は定量のための手段としては、抗原−
抗体反応による通常の手段を使用することができる。例
えば、ELISA(enzyme-linked immunosolubent ass
ay)法などを用いることができる。また、βAPP抗体
を用いた免疫沈降法との組み合わせて、ミント蛋白の定
量とβAPP結合能の両者を測定することもできる。
【0022】また、本発明における検体としては、各種
の体液や組織を用いることができるが、痴呆症などの診
断において通常使用されている脳脊髄液(CSF)を使
用するのが好ましい。本発明のミント蛋白測定ELIS
Aシステムは生体試料の正常及び異常ミント蛋白量、活
性、PTB、PDZドメイン活性、βAPP結合能など
が測定でき、シナプス機能の分子マーカーとして使用す
ることが出来る。特に、βAPP結合能の測定からはア
ルツハイマー病発症の予知診断を下すことが出来る。
【0023】
【実施例】次に具体例により本発明をより詳細に説明す
るが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではな
い。
【0024】実施例1(ミントの存在部位) ラットの各器官からノーザンブロット解析によりミント
1の発現分布を検討した。ミント1、2、3にそれぞれ
特異的なN−末端側領域を含むDNA断片をプローブと
して使用するために、ラジオアイソトープで標識し、
脳、心臓、肺、脾臓、肝臓、腎臓、筋、精巣の各臓器よ
り抽出したmRNAをプロットしたフィルターに対して
ハイブリダイゼーションを行った。この結果からミント
1はラット脳に存在しており、他臓器には存在しないこ
とが明らかとなった。
【0025】実施例2(ミント1の脳内での局在) 抗ミント1ポリクローナル抗体を用いた免疫組織化学で
マウス脳のミント1の局在を検討した。マウスを経心的
に4%パラフォルムアルデヒドを含む固定液で潅流固定
後、脳を摘出し、ビブラトームを用いて脳切片を作成し
た。その後脳切片をミント1に対する免疫組織化学に供
した。即ち、脳切片をラビットポリクローナル抗ラット
ミント1抗体を含むリン酸緩衝液(2000倍希釈)にて12時
間反応させ(第一反応)、洗浄後ビオチン標識ヤギ抗ラ
ビットIgG(第二反応)、次いでアビヂン/ビオチン/
ペルオキシダーゼ複合体と反応させた。ミント1の可視
化はDAB反応により行い、光学顕微鏡観察に供した。
一部の脳切片はその後オスミウム固定、ウラン染色、脱
水、エポン包埋を経て超薄切片とし、電子顕微鏡観察に
供した。結果を図面に代る写真により図1(a)及び
(b)に示す。また、さらに他の脳切片においては第一
反応後に金コロイド標識のヤギ抗ラビットIgGを用いて
第二反応を施行し、その後銀染色(silver enhancemen
t)をして可視化した後に電子顕微鏡観察に供した。結
果を図面に代る写真により図2A、B、C、及びDとし
て示す。光学顕微鏡による検討結果では、ミント1は海
馬への興奮性伝導路と苔状線維に多量に局在していた。
以上のことより、ミント1が側頭葉海馬という記憶中枢
に豊富に含まれていることが示された(図1参照)。電
子顕微鏡による微細構造の検討結果では、ミント1は前
シナプスボタンのシナプス小胞とアクティブゾーン(ac
tive zone)に限局していた。以上のことより、ミント
1がシナプス小胞輸送蛋白であることが示された。(図
2参照)
【0026】実施例3(抗ミント1ポリクローナル抗体
の製造) ラットミント1のN−末端側に存在するマンク18結合
ドメインを含むミント1に特異的な領域とGSTの融合
蛋白質を大腸菌内で製造し、これをアフィニティーカラ
ムにて精製して抗原として用いた。この抗原蛋白質をウ
サギに投与することにより感作し、抗体を含む血清を得
た。この抗体のミント1に対する特異性はリコンビナン
トミント1、GST融合蛋白質、GSTのウエスタンブ
ロットで確認した。
【0027】実施例4(脳虚血によるミント1の発現の
変動) マウスの脳虚血モデルを用いた検討ではミント1の発現
は脳虚血により変動することが明かになった。マウスの
両側総頚動脈の15分間結紮による一過性前脳虚血を作成
した。血流再開後1,3,5日目にマウスを経心的に4
%パラフォルムアルデヒドを含む固定液で潅流固定後、
脳を摘出した。その後、実施例2と同様にしてビブラト
ームを用いて脳切片を作成し、ミント1に対する免疫組
織化学に供した。光学顕微鏡による結果を、図面に代る
写真として図3a〜fに示す。図3のa〜cはミント1
の1日目、3日目及び5日目をそれぞれ示し、図3のd
〜fはマンク18の1日目、3日目及び5日目をそれぞ
れ示す。ミント1は虚血負荷後1日目では苔状線維で免
疫反応性が低下し、3日目では逆にコントロールよりも
増強していた(図3a〜c参照)。このことによりミン
ト1蛋白量が虚血負荷後経時的に変動することが明かと
なり、また神経伝達物質の放出時にミント1が機能して
いることを示す。
【0028】実施例5(ミント1のβAPPとの結合
能) HEK293細胞のミント1/βAPP強制発現細胞に
おいてミント1とβAPPの局在を共焦点レーザー顕微
鏡を用いた二重標識間接蛍光抗体法で行った。結果を図
4に図面に代る写真として示す。図4の左上はFITC
標識され緑色に蛍光を発色するミント1の局在を、右上
はCy3標識され赤色に蛍光を発色するβAPPの局在
を、左下は両者の蛍光が一致した時に黄色に発色するミ
ント1/βAPPの局在を示す。即ち図4の左上はミン
ト1単独、右上はβAPP単独、左下はミント1とβA
PPの結合体を示す。その結果、Mint1とβAPP
は細胞内局在が一致することが明らかとなり、細胞内で
Mint1はβAPPと結合していることが示された
(図4参照)。
【0029】実施例6(ミント1の各ドメインの小胞輸
送機構に対する役割) PCR法と標準的な遺伝子工学組みかえDNA作製手法
により、ミントの各ドメインとEGFP(enhanced gre
en fluorescence protein)の融合蛋白質を作製し、ヒ
ト細胞株A431細胞の中で発現させた。その結果を図
面に代る写真として図5に示す。図5の上段はEGFP
単独の場合を、中段はEGFPとミント3のPTBドメ
インとの融合蛋白質の場合を、下段はEGFPとミント
3のPDZドメインを含む融合蛋白質の場合をそれぞれ
示す。この結果、PDZドメインを含む融合蛋白質のみ
がゴルジ装置と小胞上に分布した。
【0030】実施例7(脳におけるミント1蛋白の半定
量的測定) マウス脳(全脳又は海馬)をホモジュネートし、その抽
出液から免疫ブロッティング法(Immunoblot
ting)によりミント1の同定を試みた。正常および
虚血脳(一過性虚血後1、3、7日後)から抽出した蛋
白質をSDS−PAGE法により泳動したあとニトロセ
ルロース膜に転写し、抗ミント1抗体を用いて同定し
た。結果を図面に代る写真として、図6A及びBに示
す。図6Aのレーン1は正常脳の海馬を示し、レーン2
は虚血後1日目の海馬を示し、レーン3は虚血後3日目
の海馬を示し、レーン4は虚血後5日目の海馬を示し、
レーン5はレーン1と同じである。図6Bのレーン1は
正常脳の大脳皮質を示し、レーン2は虚血後1日目の大
脳皮質を示し、レーン3は虚血後3日目の大脳皮質を示
し、レーン4は虚血後5日目の大脳皮質を示し、レーン
5はレーン1と同じである。各レーンの上段のブロット
は約140kDaの全長のミント1蛋白を、下段の約7
0kDaのブロットはそのミント1蛋白が切断された一
断片蛋白質を示している。この結果より、ミント1は海
馬(A)大脳皮質(B)に豊富に存在していることがわ
かる。また、海馬では虚血後3日目にミント蛋白および
その断片蛋白の発現産生量が増加しているが、断片蛋白
の増加が正常蛋白の増加より顕著であることから、ミン
ト1の産生代謝量が虚血により亢進することが示され
た。一方、大脳皮質ではミント1の産生量は虚血後も大
きくは変化しない。以上のことから、虚血後の神経障害
が大きい海馬での神経伝達物質放出時にミント1産生量
が変動すると考られた。
【0031】
【発明の効果】本発明はアルツハイマー病をはじめとす
る痴呆性疾患の診断に利用できる診断剤、検査法に関す
るもので、この検査法により測定される神経伝達に必須
のシナプス小胞輸送蛋白ミント(Mints)の濃度お
よび活性は神経活動の指標として広く利用できる。本発
明の方法は、ヒト由来の微量試料を用いて簡便に利用で
き、且つ神経機能を特異的に測定できる痴呆の診断法を
提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、マウスにおけるミント1の脳内局在を
示す免疫組織化学の結果を示す図面に代る写真である。
【図2】図2は、ミント1の微細局在を示す図面に代る
電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は、脳虚血後のミント1の変動を示す免疫
組織化学の結果を示す図面に代る写真である。
【図4】図4は、HEK293細胞におけるミント1と
βAPPの局在の一致を示す図面に代る共焦点レーザー
顕微鏡写真である。
【図5】図5は、ミントのPDZドメインがミントが小
胞に結合するために必須であることを示す図面に代る写
真である。
【図6】図6は、正常および虚血後のミント1の半定量
的測定結果を示す免疫ブロットの結果を示す図面に代る
写真である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体液又は組織中のミントを検出、同定又
    は定量することからなる神経性疾患の診断剤。
  2. 【請求項2】 ミントがミント1又は2である請求項1
    に記載の診断剤。
  3. 【請求項3】 神経性疾患が痴呆症又はアルツハイマー
    病である請求項1又は2に記載の診断剤。
  4. 【請求項4】 ミントの検出、同定又は定量が、ミント
    に対する抗体を用いるものである請求項1〜3のいずれ
    かに記載の診断剤。
  5. 【請求項5】 抗体がモノクローナル抗体である請求項
    4に記載の診断剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の診断剤
    を含有してなる神経性疾患を診断するためのキット。
  7. 【請求項7】 神経性疾患の診断マーカーとしてのミン
    ト又はその抗体の使用。
  8. 【請求項8】 神経性疾患がアルツハイマー病である請
    求項7に記載の使用。
  9. 【請求項9】 ミントに対する抗体を用いて検体中のミ
    ントを検出、同定又は定量する方法。
  10. 【請求項10】 抗体がモノクローナル抗体である請求
    項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 ELISAによる請求項9又は10に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 ELISA法により検体中のミントを
    検出、同定又は定量するためのミント蛋白測定ELIS
    Aシステム。
  13. 【請求項13】 βAPPに対する抗体を用いたβAP
    P結合能の測定を組み合わせてなる請求項12に記載の
    システム。
JP12869799A 1999-05-10 1999-05-10 小胞輸送蛋白ミントの測定法 Expired - Fee Related JP4064569B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12869799A JP4064569B2 (ja) 1999-05-10 1999-05-10 小胞輸送蛋白ミントの測定法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12869799A JP4064569B2 (ja) 1999-05-10 1999-05-10 小胞輸送蛋白ミントの測定法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000321274A true JP2000321274A (ja) 2000-11-24
JP4064569B2 JP4064569B2 (ja) 2008-03-19

Family

ID=14991193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12869799A Expired - Fee Related JP4064569B2 (ja) 1999-05-10 1999-05-10 小胞輸送蛋白ミントの測定法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4064569B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008209419A (ja) * 2000-12-18 2008-09-11 Bayer Ag 少なくとも2種の異なる分子マーカーを同時に測定することによって腫瘍およびそれらの前駆体段階を検出する場合に臨床的特異性を増強する方法
WO2009139378A1 (ja) * 2008-05-12 2009-11-19 独立行政法人理化学研究所 イヌ又はヒトの抗原特異的IgEを定量する方法
WO2011012672A1 (en) * 2009-07-29 2011-02-03 Pharnext New diagnostic tools for alzheimer disease

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008209419A (ja) * 2000-12-18 2008-09-11 Bayer Ag 少なくとも2種の異なる分子マーカーを同時に測定することによって腫瘍およびそれらの前駆体段階を検出する場合に臨床的特異性を増強する方法
WO2009139378A1 (ja) * 2008-05-12 2009-11-19 独立行政法人理化学研究所 イヌ又はヒトの抗原特異的IgEを定量する方法
JPWO2009139378A1 (ja) * 2008-05-12 2011-09-22 独立行政法人理化学研究所 イヌ又はヒトの抗原特異的IgEを定量する方法
JP5334269B2 (ja) * 2008-05-12 2013-11-06 独立行政法人理化学研究所 イヌ又はヒトの抗原特異的IgEを定量する方法
US8716031B2 (en) 2008-05-12 2014-05-06 Riken Method for quantification of antigen-specific canine IgE
WO2011012672A1 (en) * 2009-07-29 2011-02-03 Pharnext New diagnostic tools for alzheimer disease

Also Published As

Publication number Publication date
JP4064569B2 (ja) 2008-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sjögren et al. The cerebrospinal fluid levels of tau, growth-associated protein-43 and soluble amyloid precursor protein correlate in Alzheimer’s disease, reflecting a common pathophysiological process
Andreasen et al. CSF biomarkers for mild cognitive impairment and early Alzheimer's disease
Blennow et al. The past and the future of Alzheimer’s disease fluid biomarkers
Blennow Cerebrospinal fluid protein biomarkers for Alzheimer's disease
Kinoshita et al. Identification of septins in neurofibrillary tangles in Alzheimer's disease
Blennow CSF biomarkers for mild cognitive impairment
Höglund et al. Alzheimer's disease—Recent biomarker developments in relation to updated diagnostic criteria
KR20080034874A (ko) 알츠하이머병을 진단하는 방법
WO1999050300A1 (en) Method of identifying, diagnosing and treating synuclein positive neurodegenerative disorders
US20220291241A1 (en) Assay for the detection of alpha-synuclein seeding activity associated with synucleinopathies
Perneel et al. Accumulation of TMEM106B C-terminal fragments in neurodegenerative disease and aging
US7682795B2 (en) Method of diagnosing Alzheimer's Disease
US7235383B2 (en) Alzheimer's related proteins and methods of use
US20150018223A1 (en) Methods of diagnosing tau-associated neurodegenerative diseases
JP2007319127A (ja) アルツハイマー病の診断方法
Mirabella et al. Apolipoprotein E and apolipoprotein E messenger RNA in muscle of inclusion body myositis and myopathies
de la Monte et al. The AD7c-NTP neuronal thread protein biomarker for detecting Alzheimer's disease
Schmidt et al. Plaque-associated neuronal proteins: a recurrent motif in neuritic amyloid deposits throughout diverse cortical areas of the Alzheimer's disease brain
JP4064569B2 (ja) 小胞輸送蛋白ミントの測定法
Dowjat et al. A novel highly pathogenic Alzheimer presenilin-1 mutation in codon 117 (Pro117Ser): Comparison of clinical, neuropathological and cell culture phenotypes of Pro117Leu and Pro117Ser mutations
CN102549438B (zh) Fkbp52-tau相互作用作为新颖治疗靶点用于治疗涉及tau机能失调的神经障碍
Torp et al. Identification of neuronal plasma membrane microdomains that colocalize β-amyloid and presenilin: implications for β-amyloid precursor protein processing
Zetterberg et al. Biological CSF markers of Alzheimer's disease
JP2005502368A (ja) アルツハイマー病および関連する神経変性障害のためのf−ボックス蛋白質の診断的および治療的使用
Nazir Increasing the interpretability of Alzheimer-related biomarkers: cell-and cerebrospinal fluid-based studies with focus on neurogranin

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031031

A621 Written request for application examination

Effective date: 20040121

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Effective date: 20040129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060314

A521 Written amendment

Effective date: 20060515

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20061212

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

A521 Written amendment

Effective date: 20070207

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070328

A521 Written amendment

Effective date: 20070309

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070329

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070814

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071012

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20071113

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20071225

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20071227

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees