JP2000321111A - 液体の計量装置 - Google Patents

液体の計量装置

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JP2000321111A
JP2000321111A JP11167284A JP16728499A JP2000321111A JP 2000321111 A JP2000321111 A JP 2000321111A JP 11167284 A JP11167284 A JP 11167284A JP 16728499 A JP16728499 A JP 16728499A JP 2000321111 A JP2000321111 A JP 2000321111A
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Takashi Nishizawa
隆志 西澤
Kaoru Funaki
薫 船木
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DKK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体等の分析計に好適に使用できる、試料
水や試薬液等を簡便に精度良くかつ迅速に計量すること
が可能な液体の計量装置を提供する。 【解決手段】 貯留されている液体を計量空間に減圧導
入して計量する液体の計量装置において、貯留されてい
る液体内において開口する導入開口部5と減圧手段であ
るポンプ4に連結される減圧開口部とを有する計量空間
と、減圧開口部5を閉塞可能な第1開閉手段である開閉
弁6と、計量空間を導入開口部5に面する導入空間11
と減圧開口部に面する減圧空間12とに分割して、遮断
可能な第2開閉手段である開閉弁7とを備え、開閉弁6
を開き、開閉弁7を閉じて減圧空間12を予め減圧した
後に、開閉弁7を開いて減圧空間12と導入空間11と
を連通することにより、貯留されている液体を計量空間
内に導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体の計量装置に
関し、さらに詳しくは、液体等の分析計に好適に使用で
きる計量装置であって、試料水や試薬液等を簡便に精度
良くかつ迅速に計量することが可能な液体の計量装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】液体等の分析計では、計量装置で計量し
た試料水や試薬液等を、計量容器に連結又は挿入された
送液管等を介して反応槽や分析部等に送出することが行
われている。計量装置には、種々の方式のものがある
が、計量容器に加圧又は減圧により液体を導入すると共
に、計量容器の所定の水位まで液体が導入されたとき
に、液面センサー等で検知して導入路の弁を閉じたりポ
ンプを停止したりすることによって導入を中止する方式
の装置が広く用いられている。
【0003】この場合、導入された液体は、導入経路を
逆流させてその全量を分析部等に送出することも可能で
あるが、通常は、その一部が送出される。たとえば、計
量容器への導入路の途中に送出管を分岐して連結すれ
ば、その分岐点より上方の液体のみが送出できる。ま
た、計量容器内に送液管を挿入して計量容器内を加圧す
れば、挿入した送液管の開口部より上方の液体のみが送
出できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の計量装置で
は、導入した液体の全部を送出する場合であっても、一
部を送出する場合であっても、一定の水位より上方の液
体を正確に分析部等に送出することは容易である。従っ
て、導入する際の液体の量さえ正確であれば、分析部等
に希望量の液体を正確に計量して送出することができ
る。
【0005】ところが、液体の導入スピードが速すぎる
と、液面センサーで検知してポンプを停止したときに
は、所定の水位を超えて液体が計量容器に導入されてし
まい、正確な計量ができないという問題が生じる。この
ため、計量容器の吸引始端部(吸込み側)や吸引終端部
の近傍にオリフィスを設けて、導入するスピードを低く
コントロールすることが行われている。
【0006】しかし、吸引始端部近傍にオリフィスを設
けると、貯留されている液体中のごみ等を吸い込み詰ま
りの原因となりやすい。また、吸引終端部近傍にオリフ
ィスを設ける場合、吸引終端部よりも上部の気層部に設
けないと詰まりやすいので、径が小さく長い管が必要と
なる。従って、計量容器の取り扱いに注意を要すると共
に、装置の大型化を招くこととなる。さらに、導入スピ
ードを遅くすることは、計量にかかる時間が長くなるこ
とを意味し、迅速な分析等の要請に反する。本発明は、
上記事情に鑑みなされたもので、取り扱いが容易な簡便
な装置で、精度良くかつ迅速に液体の計量が可能な計量
装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
検討した結果、予め減圧した閉じた空間に液体が導入さ
れると、空間内の気層の体積が減少することによって減
圧度を徐々に低下させることができることに着目した。
つまり、液体が容器に導入されるにつれ、容器の液体が
満たされていない部分の圧力と導入された液体の水頭圧
との差が小さくなって、導入スピードが徐々に小さくな
り、ついには導入が停止されることに想到して、本発明
を成したものである。
【0008】すなわち、請求項1の液体の計量装置は、
貯留されている液体を計量空間に減圧導入して計量する
液体の計量装置において、貯留されている液体内におい
て開口する導入開口部と減圧手段に連結される減圧開口
部とを有する計量空間と、減圧開口部を閉塞可能な第1
開閉手段と、計量空間を導入開口部に面する導入空間と
減圧開口部に面する減圧空間とに分割して、導入空間と
減圧空間とを遮断可能な第2開閉手段とを備えたことを
特徴とする。
【0009】本計量装置では、計量空間を導入空間と減
圧空間とに分割して各々を遮断可能としたので、第1開
閉手段を開き、第2開閉手段を閉じて減圧空間を予め減
圧した後に、第2開閉手段を開いて減圧空間と導入空間
とを連通することにより、貯留されている液体を計量空
間内に導入することかできる。なお、液体は、導入空間
だけでなく導入空間と減圧空間の一部にわたって導入さ
れても差し支えない。
【0010】また、請求項2に記載の液体の計量装置
は、貯留されている液体を計量空間に減圧導入して計量
する液体の計量装置において、貯留されている液体内に
おいて開口する導入開口部と減圧手段に連結される減圧
開口部とを有する計量空間と、減圧開口部を閉塞可能な
第1開閉手段と、計量空間を導入開口部に面する導入空
間と減圧開口部に面する減圧空間とに分割して、導入空
間と減圧空間とを遮断可能な第2開閉手段と、減圧空間
を2以上の区分空間に分割して、各々の区分空間を互い
に遮断可能な1以上の第3開閉手段とを備えたことを特
徴とする。
【0011】本計量装置では、減圧空間を遮断可能な複
数の区分空間に分割したので、請求項1に記載の計量装
置と同様に液体を導入するにあたり、各開閉手段の開閉
のタイミングの変更によって、予め減圧された区分空間
と導入空間とを連通させたときの減圧状態を種々変化さ
せることができる。すなわち、第1開閉手段を開き、予
め減圧空間を減圧する段階では、第2開閉手段又は第3
開閉手段のいずれを閉じておくかによって、そのときに
減圧する区分空間を選択することができる。また、次に
第2開閉手段を開いて導入空間を減圧する段階では、予
め減圧した区分空間の内、全部を導入空間と連結する
か、一部を導入空間と連結するかを、第1開閉手段及び
第3開閉手段の開閉状態を適宜調整することにより、選
択することができる。
【0012】つまり、計量空間に導入する液体の量の変
更が容易に可能となる。また、減圧空間に複数の導入空
間を並列に連結した場合、それぞれの導入空間における
所望の導入終了位置で導入が終了するように、それぞれ
に応じた減圧度を得ることもできる。すなわち、一つの
減圧空間を用いて複数の導入空間へ液体を導入すること
が可能となる。
【0013】請求項1又は請求項2に記載の計量装置で
は、導入空間と減圧空間の一部又は全部からなる空間に
おける液体が満たされていない気層部分は体積が減少す
るにつれ圧力が上昇、つまり減圧度が低下する。そのた
め、液体の導入スピードが低下する。そして、気層部分
の圧力と導入された液体の水頭圧とが均衡すれば、導入
は自然と停止する。
【0014】この自然に導入停止をする時点まで液体を
導入しても良いが、貯留されている液体の水位等の変動
により、停止位置も変動してしまう。つまり、液体の導
入量に変動が生じる可能性がある。そこで、請求項3に
記載の液体の計量装置は、計量空間内に所定量の液体が
導入されたときに、導入開口部からの液体の導入を強制
的に終了させる導入終了手段を備えたことを特徴とす
る。
【0015】ここで、導入中止手段としては、光やフロ
ートスイッチ等を利用した液面センサで吸引終端部に液
体が達したことを検知して、計量容器又は計量容器上方
に設けた開閉弁を閉じる方式や、吸引終端部に液体が達
すると、フロートが、吸引路を塞ぐことによりそれ以上
の吸引をできなくする方式等、種々の方式が採用でき
る。
【0016】本計量装置によれば、導入スピードがある
程度小さくなる位置、すなわち自然に停止する位置のや
や手前側(導入開口部側)に所望の導入終了位置が来る
ように、減圧タンク及び計量容器の大きさや減圧タンク
の減圧度を調整しておけば、導入中止手段で液体の導入
を中止する際には導入のスピードが落ちている。そのた
め、導入中止手段によって所望の導入終了位置を通りす
きてしまうことなく、導入を中止できる。また、貯留さ
れている液体の水位等に影響されず、常に所定量の液体
が導入できる。
【0017】請求項1から請求項3に記載の計量装置に
おいて、連結される減圧手段としては、吸引ポンプ、ア
スピレータ等の任意の減圧手段が使用できる。また、導
入された液体を反応槽や分析部等に送出する手段に特に
限定はなく、計量空間に連結又は挿入された送液管等を
介し、加圧、吸引、高低差等を利用して送出する。この
場合、送出する液体は、通常導入した液体の一部であ
り、その量は、送液管の連結箇所等により適宜決めるこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。図1は本発明の1実施形態である計量装
置の構成を示すもので、1は計量容器、2は減圧タン
ク、3は液体の貯留タンク、4はポンプ、5は計量容器
1に連結して貯留タンク3に挿入される配管の開口部で
ある。減圧タンク2とポンプ4との間の配管には開閉弁
6が介装されている。計量容器1と減圧タンク2との間
の配管には開閉弁7が介装されている。また、計量容器
1と開口部5との間の配管には開閉弁8が介装されてい
る。さらに、計量容器1と開閉弁7との間の配管には液
面センサ9が設けられている。
【0019】本実施形態においては、開口部5と開閉弁
7との間の計量容器1を含む空間が導入空間11を構成
する。この導入空間11の体積をVとする。なお、以
下の説明の便宜上、導入空間11全体に占める開口部5
と開閉弁8との間の空間の体積は無視できるものとして
扱う。また、開口部5の位置と、貯留タンク3の液面と
の高低差は無視できるものとして扱う。開閉弁6と開閉
弁7との間の減圧タンク2を含む空間が減圧空間12を
構成する。この減圧空間12の体積をVxとする。ま
た、導入空間11と減圧空間12とをあわせた空間が計
量空間を構成する。
【0020】なお、開口部5は請求項1における導入開
口部に、開閉弁6は減圧開口部に設けられた第1開閉手
段に、開閉弁7は第2開閉手段に各々該当する。また、
開閉弁8は、液面センサ9が液面を検知したときに閉じ
られるよう、制御部(図示せず)により制御されてい
る。すなわち、開閉弁8、液面センサ9、及び制御部で
請求項3にいう導入終了手段を構成している。
【0021】本実施形態の計量装置を用いて計量する場
合、まず図1(a)に示すように、開閉弁6を開き、開
閉弁7と開閉弁8を閉じて、ポンプ4を作動させ減圧空
間12を圧力Pまで減圧する。このとき、導入空間1
1の圧力は大気圧Pと等しい。次に、図1(b)に示
すように開閉弁6を閉じ、開閉弁7を開けて減圧空間1
2と導入空間11の圧力を等しくする。このときの圧力
をPとする。次に、図1(c)に示すように開閉弁8
を開くと、開口部5から液体が計量空間に導入される。
そして、導入された液体の水頭圧と計量空間の気層部分
の圧力が等しく共にPとなれば、液体の導入は自然に
停止するが、液面センサ9の位置で開閉弁8が閉じられ
るので、その時点で導入が終了する。その後、計量容器
1に連結された送液管(図示せず)等を用いて、反応槽
や分析部等、所望の場所に液体を移送することが可能と
なる。
【0022】上記図1(a)と(b)における各部の圧
力は、数1の関係にある。
【0023】
【数1】 P×V+P×V=P×(Vx+V
【0024】また、図1(b)と(c)における各部の
圧力は、水頭圧がPとなる位置が開閉弁7の位置と近
似的に等しいとした場合、数2の関係にある。
【0025】
【数2】P×(V+V)=P×V
【0026】数1と数2をまとめると数3が得られる。
【0027】
【数3】P×V+P×V=P×V
【0028】数3より、吸引圧力Pのポンプ4を用い
て、望みの水頭圧Pを得るために必要な減圧空間12
の体積Vは、数4で求められる。
【0029】
【数4】Vx=P×V/(P−P
【0030】例えばV=10mL,P=1Kg/c
,P=0.830Kg/cmであり、Pは、
密度1.0368g/cmの液体を0.9mまで吸い
上げたいとして、P=1−0.09×1.0368=
0.907Kg/cmである場合、数4にこれらの値
を代入してV=130mLが求められる。
【0031】なお、上記圧力関係の説明をわかりやすく
するため、図1(a),(b)において開閉弁8は閉じ
ておくものしたが、開いたままにしておいても同様に液
体の導入が可能である。
【0032】また、図1の実施形態を、請求項1に記載
の計量装置として説明したが、開閉弁8を第2開閉手
段、開閉弁7を第3開閉手段、開閉弁8と開閉弁6との
間の空間を減圧空間として捉えれば、請求項2に記載の
計量装置としても把握できる。
【0033】図2〜図5は本発明の他の実施形態である
計量装置の構成を示すもので、111は計量容器、12
1,122は減圧タンク、130は液体の貯留タンク、
140はポンプ、150は計量容器111に連結して貯
留タンク130に挿入される配管の開口部である。減圧
タンク121とポンプ140との間の配管には開閉弁1
60が介装されている。計量容器111と減圧タンク1
22との間の配管には開閉弁170が、減圧タンク12
2と減圧タンク121との間の配管には開閉弁171
が、各々介装されている。また、計量容器111と開口
部150との間の配管には開閉弁180が介装されてい
る。さらに、計量容器111と開閉弁170との間の配
管には液面センサ190が設けられている。
【0034】本実施形態においては、開口部150と開
閉弁170との間の計量容器111を含む空間が導入空
間210を構成する。なお、以下の説明において、便宜
上開口部150の位置と、貯留タンク130の液面との
高低差は無視できるものとして扱う。この導入空間21
0の体積を図2〜図5において各々V01〜V04とす
る。また、開閉弁160と開閉弁170との間の減圧タ
ンク121,122を含む空間が減圧空間220を構成
する。この減圧空間220は、開閉弁171により、2
つの区分空間221,222に分割されている。この各
区分空間221,222の体積をVx1,Vx2とす
る。また、導入空間210と減圧空間220とをあわせ
た空間が計量空間を構成する。
【0035】なお、開口部150は請求項2における導
入開口部に、開閉弁160は減圧開口部に設けられた第
1開閉手段に、開閉弁170は第2開閉手段に、開閉弁
171は第3開閉手段に各々該当する。また、開閉弁1
80は、液面センサ190が液面を検知したときに閉じ
られるよう、制御部(図示せず)により制御されてい
る。すなわち、開閉弁180、液面センサ190、及び
制御部で請求項3にいう導入終了手段を構成している。
【0036】本実施形態の計量装置を用いて計量する場
合、開閉弁を様々に使用することによって、吸引可能な
液体の水頭圧を様々に変化させ、計量空間に導入可能な
液量を調整することが可能である。まず、図2では高い
水頭圧を得るための動作について説明する。なお、図2
の(a)〜(c)は、同一の計量装置の各動作段階を示
すものなので、図の煩雑を避けるため、(b),(c)
においては各構成要素の符号を省略している。
【0037】図2では、まず(a)に示すように、開閉
弁160を開き、開閉弁170を閉じて、ポンプ140
を作動させ減圧空間220全体を圧力Pまで減圧す
る。このとき、導入空間210の圧力は大気圧Pと等
しい。次に、(b)に示すように開閉弁160を閉じ、
開閉弁180を開けた状態で開閉弁170を開けて減圧
空間220と導入空間210の圧力を等しくする。この
とき、液体が計量空間に導入される前の圧力をP11
する。その後、(c)に示すように導入された液体の水
頭圧と計量空間の気層部分の圧力が等しく共にP31
なれば、液体の導入は自然に停止するが、液面センサ1
90の位置で開閉弁180が閉じられるので、その時点
で導入が終了する。その後、計量容器111に連結され
た送液管(図示せず)等を用いて、反応槽や分析部等、
所望の場所に液体を移送することが可能となる。
【0038】上記図2(a)と(b)における各部の圧
力は、数5の関係にある。
【0039】
【数5】P×(Vx1+Vx0)+P×V01=P
11×(Vx1+Vx2+V01
【0040】また、図2(b)と(c)における各部の
圧力は、水頭圧がP31となる位置が開閉弁170の位
置と近似的に等しいとした場合、数6の関係にある。
【0041】
【数6】P11×(Vx1+Vx2+V01)=P31
×(Vx1+Vx2
【0042】数5と数6をまとめると導入可能な液体の
水頭圧P31について数7が得られる。
【0043】
【数7】P31= {P×(Vx1+Vx2)+P
×V01}/(Vx1+Vx2
【0044】従って、液面センサ190の位置まで正確
に液体を導入するためには、液面センサ190の位置ま
で液体が導入されたときの水頭圧が、上記P31よりも
小さくなるように計量容器111や液面センサ190の
位置を調整すれば良い。
【0045】図3では中程度の水頭圧を得るための動作
について説明する。なお、図3の(a)〜(c)は、同
一の計量装置の各動作段階を示すものなので、図の煩雑
を避けるため、(b),(c)においては各構成要素の
符号を省略している。
【0046】図3では、まず(a)に示すように、開閉
弁160を開き、開閉弁171を閉じて、ポンプ140
を作動させ減圧空間220の内区分空間221を圧力P
まで減圧する。このとき、導入空間210と区分空間
222の圧力は大気圧Pと等しい。次に、(b)に示
すように開閉弁160を閉じ、開閉弁180を開けた状
態で開閉弁171を開けて減圧空間220全体と導入空
間210の圧力を等しくする。このとき、液体が計量空
間に導入される前の圧力をP12とする。その後、
(c)に示すように導入された液体の水頭圧と計量空間
の気層部分の圧力が等しく共にP32となれば、液体の
導入は自然に停止するが、液面センサ190の位置で開
閉弁180が閉じられるので、その時点で導入が終了す
る。その後、計量容器111に連結された送液管(図示
せず)等を用いて、反応槽や分析部等、所望の場所に液
体を移送することが可能となる。
【0047】上記図3(a)と(b)における各部の圧
力は、数8の関係にある。
【0048】
【数8】P×Vx1+P×(Vx2+V02)=P
12×(Vx1+Vx2+V02
【0049】また、図3(b)と(c)における各部の
圧力は、水頭圧がP32となる位置が開閉弁170の位
置と近似的に等しいとした場合、数9の関係にある。
【0050】
【数9】P12×(Vx1+Vx2+V02)=P32
×(Vx1+Vx2
【0051】数8と数9をまとめると導入可能な液体の
水頭圧P32について数10が得られる。
【0052】
【数10】P32= {P×Vx1+P×(V
+V02) }/(Vx1+Vx2
【0053】従って、液面センサ190の位置まで正確
に液体を導入するためには、液面センサ190の位置ま
で液体が導入されたときの水頭圧が、上記P32よりも
小さくなるように計量容器111や液面センサ190の
位置を調整すれば良い。
【0054】次に図4では中程度の水頭圧を得るための
他の動作について説明する。なお、図4の(a)〜
(d)は、同一の計量装置の各動作段階を示すものなの
で、図の煩雑を避けるため、(b)〜(d)においては
各構成要素の符号を省略している。
【0055】図4では、まず(a)に示すように、開閉
弁160を開き、開閉弁170を閉じて、ポンプ140
を作動させ減圧空間220全体を圧力Pまで減圧す
る。このとき、導入空間210の圧力は大気圧Pと等
しい。次に、(b)に示すように開閉弁171を閉じて
から、(c)に示すように開閉弁180を開けた状態で
開閉弁170を開けて区分空間222と導入空間210
の圧力を等しくする。このとき、液体が計量空間に導入
される前の圧力をP13とする。その後、(d)に示す
ように、導入された液体の水頭圧と計量空間の気層部分
の圧力が等しく共にP33となれば、液体の導入は自然
に停止するが、液面センサ190の位置で開閉弁180
が閉じられるので、その時点で導入が終了する。その
後、計量容器111に連結された送液管(図示せず)等
を用いて、反応槽や分析部等、所望の場所に液体を移送
することが可能となる。
【0056】上記図4(b)と(c)における各部の圧
力は、数11の関係にある。
【0057】
【数11】P×Vx2+P×V03=P13×(V
x2+V03
【0058】また、図4(c)と(d)における各部の
圧力は、水頭圧がP33となる位置が開閉弁170の位
置と近似的に等しいとした場合、数12の関係にある。
【0059】
【数12】P13×(Vx2+V03)=P33×V
x2
【0060】数11と数12をまとめると導入可能な液
体の水頭圧P33について数13が得られる。
【0061】
【数13】 P33= {P×Vx2+P×V03}/Vx2
【0062】従って、液面センサ190の位置まで正確
に液体を導入するためには、液面センサ190の位置ま
で液体が導入されたときの水頭圧が、上記P33よりも
小さくなるように計量容器111や液面センサ190の
位置を調整すれば良い。
【0063】次に図5では低い水頭圧を得るための動作
について説明する。なお、図5の(a)〜(d)は、同
一の計量装置の各動作段階を示すものなので、図の煩雑
を避けるため、(b)〜(d)においては各構成要素の
符号を省略している。
【0064】図5では、まず(a)に示すように、開閉
弁160を開き、開閉弁171を閉じて、ポンプ140
を作動させ減圧空間220の内区分空間221を圧力P
まで減圧する。このとき、導入空間210と区分空間
222の圧力は大気圧Pと等しい。次に、(b)に示
すように開閉弁170を閉じた状態で、開閉弁160を
閉じてから開閉弁171を開き、区分空間221と区分
空間222の圧力を等しくする。このときの圧力をP
14とする。次に(c)に示すように開閉弁180を開
けた状態で開閉弁170を開けて区分空間222と導入
空間210の圧力を等しくする。このとき、液体が計量
空間に導入される前の圧力をP24とする。その後、
(d)に示すように、導入された液体の水頭圧と計量空
間の気層部分の圧力が等しく共にP34となれば、液体
の導入は自然に停止するが、液面センサ190の位置で
開閉弁180が閉じられるので、その時点で導入が終了
する。その後、計量容器111に連結された送液管(図
示せず)等を用いて、反応槽や分析部等、所望の場所に
液体を移送することが可能となる。
【0065】上記図5(a)と(b)における各部の圧
力は、数14の関係にある。
【0066】
【数14】P×Vx1+P×Vx2=P14×(V
x1+Vx2
【0067】また、図5(b)と(c)における各部の
圧力は、数15の関係にある。
【0068】
【数15】P14×Vx2+P×V04=P24×
(Vx2+V04
【0069】また、図5(c)と(d)における各部の
圧力は、水頭圧がP34となる位置が開閉弁170の位
置と近似的に等しいとした場合、数16の関係にある。
【0070】
【数16】 P24×(Vx2+V04)=P34×Vx2
【0071】数14〜数16をまとめると導入可能な液
体の水頭圧P34について数17が得られる。
【0072】
【数17】
【0073】従って、液面センサ190の位置まで正確
に液体を導入するためには、液面センサ190の位置ま
で液体が導入されたときの水頭圧が、上記P34よりも
小さくなるように計量容器111や液面センサ190の
位置を調整すれば良い。
【0074】以上のように、共通の減圧タンク121、
122を使用して、異なる量の液体の導入が可能であ
る。従って、後述の実施例に記載するように、減圧タン
クに複数の計量容器を並列に連結し、種々の液体の計量
に同一の減圧タンクを共用することも可能である。
【0075】
【実施例】図6及び表1に、本発明の実施例として、希
釈液50mL、試料液50mL、試薬1を20mL、試
薬2を15mL、試薬3を5mL計量する計量装置を示
す。図6において、図2〜図5と同一の構成部材につい
ては、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施
例においては、希釈液、試料液、試薬1〜3の計量容器
として、計量容器111a〜111eが設けられてい
る。それぞれの計量容器には、共通の減圧タンク12
1、122が弁171、170を介して連結されてい
る。また、これらの計量容器に導入された液体は、それ
ぞれの出口弁185を開き、ヘッド圧又は加圧により分
析部等へ送出されるようになっている。
【0076】本実施例において、開閉弁160と開閉弁
171との間の減圧タンク121を含む空間(区分空間
221)の体積は1000mL,開閉弁171と開閉弁
170との間の減圧タンク122を含む空間(区分空間
222)の体積は1000mLである。また、計量容器
111a〜111eの体積は、表1の「計量容器(m
L)」の欄に、各計量容器を含むそれぞれの開口部15
0と開閉弁170との間の空間(導入空間210)の体
積は、表1の「導入空間210(mL)」の欄に示すと
おりである。
【0077】各計量容器に対し、表1「減圧方式」に示
すように、図2、4、5において説明した手順で液体を
導入した。この場合、計算上得られる水頭圧と、液体の
密度を1としてその水頭圧に対応する液面を、各々「水
頭圧(Kg/cm)」、「計算上の液面(cm)」の
欄に示した。この計算上の液面に対して、「所望の液面
(cm)」の欄に示してあるのは、開口部150から液
面センサ190までの高低差である。いずれの所望の液
面も、計算上の液面より低くくなっており(「余裕(c
m)」欄参照)、充分に導入が可能なものである。ま
た、所望の液面に達する頃は、最も余裕の大きい希釈液
の導入の場合であっても、減圧度(ゲージ圧)が半分以
下に落ちている。このため、いずれの計量容器への液体
の導入においても、液面センサ190の位置では導入ス
ピードが遅くなっており、的確に導入を終了できるもの
である。
【0078】導入された液体は、各々弁180を閉じ弁
185を開いて、分析部等へ送出される。このとき、液
面センサ190より上方に大気開放弁を設けて(図示せ
ず)、これを開くことにより、ヘッド圧を利用した送出
が可能となる。また、加圧ポンプ(図示せず)を用い、
液面センサ190より上方から加圧して送出することも
可能である。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、予め減圧した閉じた空
間に圧力差を利用して液体を導入するので、計量空間へ
の所定量の液体の導入を簡便に行うことができる。ま
た、液体の導入スピードは徐々に低下するので、液面セ
ンサ等の導入中止手段を組み合わせることにより、計量
空間への液体の導入を正確かつ迅速に行うことができ
る。
【0080】所定量の液体が正確に導入できれば、希望
量の液体を分析部等に正確に送出することが可能であ
る。従って、本発明の計量装置は、簡便な構成で、正確
かつ迅速な計量を可能とするもので実用的価値の高いも
のであり、分析計等で幅広く使用し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の動作説明図である。
【図2】本発明の他の実施形態の第1の動作説明図であ
る。
【図3】本発明の他の実施形態の第2の動作説明図であ
る。
【図4】本発明の他の実施形態の第3の動作説明図であ
る。
【図5】本発明の他の実施形態の第4の動作説明図であ
る。
【図6】本発明の実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 計量容器 2 減圧タンク 6,7,8 開閉弁 9 液面センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯留されている液体を計量空間に減圧導
    入して計量する液体の計量装置において、貯留されてい
    る液体内において開口する導入開口部と減圧手段に連結
    される減圧開口部とを有する計量空間と、減圧開口部を
    閉塞可能な第1開閉手段と、計量空間を導入開口部に面
    する導入空間と減圧開口部に面する減圧空間とに分割し
    て、導入空間と減圧空間とを遮断可能な第2開閉手段と
    を備えたことを特徴とする液体の計量装置。
  2. 【請求項2】 貯留されている液体を計量空間に減圧導
    入して計量する液体の計量装置において、貯留されてい
    る液体内において開口する導入開口部と減圧手段に連結
    される減圧開口部とを有する計量空間と、減圧開口部を
    閉塞可能な第1開閉手段と、計量空間を導入開口部に面
    する導入空間と減圧開口部に面する減圧空間とに分割し
    て、導入空間と減圧空間とを遮断可能な第2開閉手段
    と、減圧空間を2以上の区分空間に分割して、各々の区
    分空間を互いに遮断可能な1以上の第3開閉手段とを備
    えたことを特徴とする液体の計量装置。
  3. 【請求項3】 計量空間内に所定量の液体が導入された
    ときに、導入開口部からの液体の導入を強制的に終了さ
    せる導入終了手段を備えたことを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の液体の計量装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021047112A (ja) * 2019-09-19 2021-03-25 株式会社アナテック・ヤナコ 液体計量装置および水質測定装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021047112A (ja) * 2019-09-19 2021-03-25 株式会社アナテック・ヤナコ 液体計量装置および水質測定装置
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