JP2000316750A - 便座カバー用紙セット - Google Patents

便座カバー用紙セット

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JP2000316750A
JP2000316750A JP11162843A JP16284399A JP2000316750A JP 2000316750 A JP2000316750 A JP 2000316750A JP 11162843 A JP11162843 A JP 11162843A JP 16284399 A JP16284399 A JP 16284399A JP 2000316750 A JP2000316750 A JP 2000316750A
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Japan
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sheet
paper
cushion
toilet seat
base plate
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JP11162843A
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Shigeru Tokuoka
滋 徳岡
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】常に強くかつ一定の力で用紙と粘着手段とを押
圧して用紙を確実に付着すると共に、用紙と粘着手段が
強く付着していても、用紙を剥がす動作をほとんど必要
としない便座カバー用紙セットを提供する。 【解決手段】クッション62を隆起させた凸部を、中央
に貫通孔を有する凹状クッシヨンと、凸部下部のベース
プレート61に設けた円形開口部と、凹状クッションの
貫通孔に挿入し、台形のテーパーバネ71と、バネ頂部
と係合し、雌型ネジ部を内側に有する下ボタン72と、
下ボタンの雌型ネジと嵌合する雄型ネジ部を有すると共
に、粘着シールを上面に貼付した上ボタン74とから構
成する。バネの反発力はクッションの反発力よりも強く
常に強い一定の反発力で用紙と粘着手段とを押圧し、用
紙を確実に付着できる。また凸部頂部と粘着手段表面間
には一定の間隔があるので、用紙の付着後は凹状クッシ
ョンの復元力により自動的に徐々に用紙が剥がれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は腰掛け(洋式)便器にお
いてワンタッチで便座にカバー用紙を敷設して、便座に
肌を触れずに清潔かつ快適に用便可能にした便座カバー
用紙セットの善に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、洋の東西を問わず、腰掛け便器で
他人の座った便座に直接肌を触れて用便することに誰し
も不快感を感じている。臀部はともすれば不潔になって
皮膚病や吹き出物が生じやすく、実際に便座には汗など
の分泌物と共に多くの雑菌が付着していることが知られ
ている。特に近年のエイズなどの性病の蔓延やO−15
7騒動で便座を清潔に保つ必要性が再認識されている。
これは男性に比べて便座に腰をかけて用便する回数の多
い女性にとって特に切実で、公共トイレでは用便前に便
座をティッシュで拭いたり、腰を浮かせて用便するなど
の努力をしている。
【0003】即ち社会一般には、便座に肌を触れずに、
そして実際に雑菌の付着を心配することなく用便可能に
する装置に対する強い要望が存在する。
【0004】従来、この問題の解決手段としては、壁な
どにかけたペーパーホルダに便座をカバーする用紙を収
納し、用便前に自ら同ホルダから1枚を取り出し、便座
に敷くというものがある。しかし用便前にホルダから用
紙を取り出して便座に敷くのに手間がかかってめんどう
であり、また便座表面が円滑なので用紙がずれやすいと
云う欠点があった。
【0005】更にロール状のカバー用紙を便座の背後に
設置した装置内に収納し、装置のボタンを押すことで自
動的に用紙を取り出してカットし、便座をカバーする装
置がある(例えばTOTO製マイザレット)。しかしこ
れは用紙がロール式なので柔らかい紙を使用できず、ま
た用紙の中央部分を最初からくりぬくことができない故
に、紙が必然的に硬質で面積が大きくなり、強力な水洗
設備のあるビルなどでしか使用できないという欠点があ
る。更に同装置は比較的高価で、電気設備ないし電池を
必要とする。
【0006】また消毒液を浸したナプキンあるいはトイ
レ内に設置した容器から消毒液をトイレットペーパーに
浸して、用便前に便座を拭く手段もあるが、これも用便
前にはめんどうであるという欠点があった。
【0007】他にも様々な提案がなされているが、シン
プルな形状の腰掛け便器ではスペースも限られているの
で新たな装置や機能を工夫するのは困難で、利用者に満
足を与えると共にコスト的にも優れたものは普及してい
ないというのが実状である。
【0008】そこで本出願人は上記の問題を解決し、上
述のニーズを満たす装置を、平成4年2月21日に「便
座カバー用紙セット」の名称で出願し(実願平4−16
475号)、平成8年12月20日にその実用新案登録
がなされた(登録番号第2530511号)。同便座カ
バー用紙セットを第1の従来例としてまずその概略を以
下に述べる。
【0009】上記の第1従来例の「便座カバー用紙セッ
ト」の基本的構成は、図9の部分断面図にあるように、
便座2に似た環状の用紙束F6を収納した用紙容器F9
を便ふたF3側に立てかけ、便座2側に便座2に適合す
る形状を有し用紙容器F9との間で旋回可能な便座カバ
ーF4を配置し、その表面に用紙を何度でも貼付、剥離
可能な粘着手段F5(例えば1万回以上、貼付・剥離可
能なウレタン系粘着ゴムシール)を数カ所に配し、用便
時には便座カバーF4を上下して用紙容器F9内の用紙
束6の最前部に当接すると用紙が1枚、粘着手段F5に
付着して便座カバーF4に付着し、便座カバーF4を便
座上に載置すれば便座2に肌を触れずに用便可能になる
というものである。用便後は用紙をはがしてトイレット
ペーパーと共に水に流す。
【0010】ここで用紙束F6はその側面を弱く糊付け
して全体の一体性を保持しながら1枚づつ剥離可能とし
ている。第1実施例では用紙容器F9の裏面に強力両面
粘着パッドなどの接合部材F10を介して便ふた3に接
合して固定し、従来の便ふたF3に取り付け可能にして
おり、第2実施例では従来の便ふたF3に代えて便ふた
と用紙容器とを一体成形したものをヒンジを介して便器
に接続している。用紙束F6の背後に支持板F7を設け
て用紙束F6を例えば両面粘着テープなどの強力な接着
部材F14を介して保持し、支持板F7と用紙容器F9
の後部内面間にはバネF8を設けて支持板F7を付勢し
て用紙束F6を用紙容器F9の最前部に送り出す。便座
カバーF4はプラスチックなどで形成し、用紙容器F9
にヒンジ部F11で軸支している。なお便座カバーF4
の表面に配設した粘着手段F5は、前記用紙F6側部の
糊付けよりも強い粘着度を有し、粘着手段F5は例えば
1万回以上使用して劣化すれば、別の粘着手段と容易に
張り替えることができる。
【0011】以上のように構成することで、用便時に単
に便座カバーF4を上下して用紙束F6に当接するだけ
で迅速かつ半自動的に便座カバーF4を介して便座2を
用紙F6で被うことができる。用紙F6は粘着手段F5
と付着しているのでその上に座ってもずれることはな
く、便座2に全く肌を触れずに用便が可能になる。用便
後は用紙F6を粘着手段F5から剥がして水に流すだけ
であり、操作も至って簡単であって実用的である。電力
や電池などの動力も必要としなかった。
【0012】しかし上記の「便座カバー用紙セット」を
実施するに際して次のようないくつかの問題点があっ
た。問題点(1)第1実施例ではヒンジ部F11を介し
て便座カバーF4と結合した用紙容器F9を接合部材F
10で便ふたF2に接合・固定しているが、用便の際は
使用者の体重が便座カバーF4にかかり、便座カバーF
4が便座2からずれたり、接合部材F10に大きな負荷
がかかって外れる可能性があった。なお第2の実施例の
ように便ふたと用紙容器F9を一体成形したものについ
ては用紙容器F9が外れることはない。
【0013】(2)用紙束F6の側面の糊付けを弱くし
て束としての一体性を保ちながら粘着手段5に付着した
際に1枚だけ剥がれるようにしているが、糊付けにむら
があったりすると粘着手段F5と付着する際に2−3枚
まとまって剥離したり、用紙束F6を曲げるとまとまっ
て剥離する可能性があった。
【0014】(3)用紙束F6を支持板F7上の接着部
材F14と接合させて用紙容器F9に収納しており、用
紙容器F9を静止している場合は問題ないが、便ふたF
3を用紙容器F9と共に降ろす際に用紙束F6に大きな
衝撃を与えると、衝撃が用紙束F6側部の糊付け力を超
過したり接着部材F14と乖離して、用紙束F6が用紙
容器F9から落下する可能性があった。
【0015】(4)用紙束F6をバネF8により前方に
送って粘着手段F7と当接するようにしているが、この
当接は両者の角度がほぼ一致する場合にのみ可能で、用
紙束や便座カバーF4が不適切に傾斜したり、用紙表面
に凹凸があったりすると、最前部で用紙束F6と粘着手
段F5が適切に当接しない可能性があった。
【0016】(5)通常の腰掛け便器では便器1と便座
2と便ふたF3を連結するヒンジを便座2の後部に設置
し、便ふたF3を立てた場合にヒンジ部分の便座2と便
ふたF3間には2−3cmの間隔があり、用紙容器F9
を便ふた3内側に立てかけることができる。しかしいわ
ゆる暖房便座などの機能性トイレでは、便座後部に機能
部分を配置し、更にヒンジを便座の側部に配置している
ので、便座後部には上述の間隔はない。従って上記の第
1の従来例の便座カバー用紙セットはそのままでは上記
のような機能性トイレに設置できなかった。
【0017】(6)トイレには手洗い設備が付随してい
る場合がある。更に便器内には水をためており、用便時
に水がはねることがある。即ちトイレ内では水しぶきが
生じることが多いが、用紙束F6の前面は外に露出して
おり、用紙は水溶性であるので、しぶきがかかると脆弱
になって機能を果たさなくなったり、使用者に不快感を
与える可能性があった。
【0018】(7)粘着手段F5には数多くの用紙を繰
り返し付着するので、それぞれの用紙のわずかな繊維が
粘着手段F5に付着して蓄積し、粘着手段F5の粘着力
が徐々に失われる。むろん粘着手段F5は水拭き可能で
それにより粘着力は回復するが、当然ながら常に同一の
粘着力を保持することが粘着機能を果たす上で望まし
い。また用紙は水溶性なので引っ張り強度は弱く、用便
後に粘着手段F5に付着した用紙を剥がして水に流す際
に、用紙が破れる可能性があった。
【0019】そこで第1従来例の「便座カバー用紙セッ
ト」の上記の問題点に鑑みて、本出願の発明者はその改
良版を特願平9−307761号として同じく「便座カ
バー用紙セット」の名称で出願した(以下、第2従来例
と称する)。以下にその概略を上記の問題点と対応させ
て述べる。
【0020】即ち第1従来例の上記問題点(1)に対
し、第2従来例の便座カバー用紙セットでは図10に示
す便座後部の部分断面図にあるように、便ふたの代わり
に用紙保持手段S5を設け、用紙保持手段S5と中間シ
ート(第1従来例の便座カバーF4に相当)S7を連結
するヒンジ部S81(第1従来例のヒンジ部F11に相
当)の軸を延長して第1の羽根S82を追加し、便座2
にネジなどで結合することで、用紙保持手段S5と中間
シートS7とをヒンジ部S81を介して便座2に強固に
固定できる。更に中間シートS7のベースプレートS7
1に設けた貫通孔に緩衝部材S76を嵌入し、ヒンジ部
S81に軸支され断面がU状の第2の羽根S84に対し
てベースプレートS71を前後に摺動可能にビスS87
により結合することで、用便時に中間シートS7に大き
な荷重が加わっても便座の形状に最も適合した位置に摺
動し、緩衝部材S76でその衝撃を吸収できる。従って
中間シートS7と用紙保持手段S5の安定性が増大し、
大きな荷重やねじれなどが加わっても外れることはな
い。
【0021】上記問題点(2)に対しては、図10の右
上部分に示すように、用紙束S4を硬質紙S42と重ね
てその内外周の側面を粘着テープS43で巻き付けてカ
ートリッジ状に用紙束を保持する。即ち第1従来例のよ
うにそれぞれの用紙を互いに糊付けするのではなく、粘
着テープS43を介して一体に保持しているだけで、そ
れぞれの用紙が粘着テープと接する面積は非常にわずか
なので、用紙束S4を粘着手段(図示せず)に当接する
と最前部の用紙を1枚だけ容易かつ確実に剥離できる。
即ち粘着手段に付着する際に2−3枚がまとまって剥離
することもなく、下層に硬質紙を有するので形くずれや
曲がりも生じにくい。
【0022】上記問題点(3)に対しては、前述の用紙
束S4を用紙保持手段S5の開口部から押し込むと係止
手段のアームS51が開き、その三角形のヘッドの底辺
部分で粘着テープS43を係止して用紙束S4を保持す
るようにしている。即ち用紙束S4を用紙容器S5に簡
単に収納できると共に、用紙束S4に大きな衝撃が加わ
っても係止手段S51で用紙束S4を確実に係止するの
で外れることはない。
【0023】上記問題点(4)に対しては、図11の中
間シートS7の断面図に示すように、中間シートS7を
例えばプラスチック製のベースプレートS71と、その
上に積層するウレタンフォームなどのクッションS72
と、クッションS72並びに折り返してベースプレート
S71の一部を被う表皮S74とから構成し、粘着手段
S6を設ける箇所を更に突起させて凸部S73を設けて
いる。従って中間シートS7を上げて粘着手段S6と用
紙束S4を当接する際、例えその当接角度がずれていた
り、用紙束に若干の凹凸があっても用紙S4を確実に粘
着手段S6に付着できる。更に凸部S73とクッション
S71の高さが例えば合計15mmで用紙束S4の厚さ
が例えば10mmであれば、粘着手段S6は用紙束S4
の最後の用紙に十分到達するので、最後の用紙まで確実
に付着できる。従って大量の用紙をセットする場合を除
いて、第1の従来例のようにバネを用いて用紙束を前送
りする必要はなく、構造を簡潔にすることが出来る。
【0024】上記問題点(5)に対しては、図12の便
座後部の断面図に示すように、ヒンジ部S81の軸と用
紙保持手段S5とを連結する第3の羽根S89を設け、
その他端に更に別の第2のヒンジ部S891を設けて用
紙保持手段S5’を旋回可能に軸支し、更にクッション
S72のヒンジ部側の側面を90度にカットしている。
即ち用紙保持手段S5’を便ふたS3内側に立設した際
に羽根S89の他端の第2のヒンジ部S891で軸支す
るのでその背後にスペースは必要でない。なおこの場
合、用便時には中間シートS7を上げる代わりに用紙保
持手段S5を下げて用紙と粘着手段を当接することにな
る。従って暖房便座などのように便座後部に機能部分を
配置した一部の機能性トイレにも本発明の便座カバー用
紙セットを設置できる。
【0025】上記問題点(6)に対しては、図13に示
すように用紙束S4全体を例えば熱収縮性のプラスチッ
クフィルムS44で被ってカートリッジ状に一体に保持
し、フィルムS44の粘着手段S6と用紙S4が当接す
る箇所に対応する箇所に開口部S441を設け、更に開
口部S441を結んで切れ目S442を入れ、切れ目S
442を開封する開封手段S443を備える。用紙束S
4を使用する際は、切れ目S442に沿って開封手段S
443を除去することでフィルムを切断する。なおフィ
ルムS44の中央部及び周辺部は肉厚の粘着テープS4
3に接着してあるので、上記のようにフィルムS44を
切断しても落下することはない。そして中間シートS7
を上げると用紙束S4と粘着手段S6がフィルム開口部
S441を通して付着し、中間シートS7を下げると用
紙が1枚、切れ目S442を押し分けて出てくる。フィ
ルムS44が開いて用紙が出ると、フィルムS44はそ
の復元力により再び用紙束S4を被い、最終的にフィル
ムS44で生じる静電気によりフィルムは再び用紙束に
付着する。従ってトイレ内で水しぶきが生じてフィルム
S44にかかってもフィルム開口部S441に対応する
部分を除いて用紙束S4にかかることはない。即ちフィ
ルムS44により用紙束S4を保護しながらも粘着手段
S6に付着した用紙を確実に取り出せる。
【0026】上記問題点(7)に対しては、用紙の粘着
手段S6が当接する部分(即ちフィルム開口部S441
に対応する部分)とその周辺のみに部分的に水溶性の糊
状物質を混入ないし塗布して用紙の繊維を強固に固定す
るか、用紙表面に薄膜を形成して部分的に用紙表面強度
を増している。それにより数多くの用紙を粘着手段S6
に繰り返し付着しても用紙の繊維が粘着手段S6に付着
することはなく、粘着手段S6の粘着力を一定かつ強力
に保持できる。また粘着手段S6と当接する用紙部分の
表面強度が増大すると共にその表面が円滑になるので、
用便後に用紙を粘着手段S6から剥がすときに破れにく
くなると共に剥がしやすくなる。また粘着手段S6が当
接する用紙部分はフィルム開口部S441に対応して外
部に露出しているが、表面強度を増して表面が円滑なの
で、開口部を通して若干の水しぶきがかかってもすぐに
脆弱になることはない。なお、用紙全体を強度を増すと
水に溶けにくくなるので、粘着手段S6が当接する部分
とその周辺のみの強度を増している。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】以上のように第2従来
例は第1従来例の問題点を克服し、より確実に作動する
実用的なものとなっている。しかし第2従来例にもその
実施に際して更に次のようないくつかの問題があった。
【0028】(1)第2従来例では上述のように用紙束
S4を硬質紙S42と共に積層し、その側面を粘着テー
プS43で巻き付け、更にフィルムS44で全体を被っ
てカートリッジ状にしているが、用紙を使用し終わると
それらカートリッジの外形を形成する硬質紙S42や粘
着テープS43、フィルムS44は不用すなわちゴミに
なる。つまり100枚程度の用紙のためにそれらを無駄
にすることはコスト的にも環境・資源的にも許容し難
い。さらにホテルの個室では宿泊客毎にトイレットペー
パなどを総取り替えするが、例えば1回に20枚程度の
用紙を入れ替える場台、カートリッジ方式では更に無駄
が多くなる。
【0029】(2)第2従来例では中間シートS7はク
ッションS72を有し、更にクッション性を有する凸部
S73上に粘着手段S6を貼付して、クッションの弾力
性(反発力)を利用して粘着手段S6と用紙が確実に付
着するようにしているが、クッションの弾力性はさほど
強くなく、粘着手段S6の粘着力が低下すると用紙が付
着しにくくなる。またクッションは10万回以上も座る
と「へたり」が生じ、弾力性を失って用紙が付着しにく
くなると共に高さが減少して粘着手段S6が用紙束の最
後の用紙まで到達せず、最後の方の用紙が出なくなる可
能性がある。
【0030】(3)第2従来例では粘着シールなどの粘
着手段S6を中間シートの凸部S73上に貼付している
が、粘着手段S6は外部に露出しているので剥がれた
り、傷が付きやすい。更に用紙の粘着手段S6と当接す
る部分に糊状物質を塗布したり薄膜を貼付して表面強度
を増すと共に表面を円滑にして、用便後に用紙を粘着手
段S6から剥がしやすくしているが、用紙と粘着手段S
6が強く付着している場合は、依然、用紙は剥がれにく
く、強化部分以外の部分が破れる可能性があった。な
お、確実に用紙を付着するには粘着力が強い方が望まし
い。
【0031】(4)第2従来例の第3実施例としてヒン
ジ部S81と用紙保持手段S5’とを連結する第3の羽
根S89を設け、その他端に更に第2のヒンジ部S89
1を設けて用紙保持手段S5’を旋回可能に軸支し、用
紙保持手段S5を立設するスペースのない一部の機能性
トイレにも便座カバー用紙セットを設置できるようにし
ている。しかし近年の特に局部洗浄機能のついた洗浄便
座の多くは、上述のスペースがないだけでなく、便座の
ヒンジ部と便ふたのヒンジ部を分離してそれぞれ便座と
の間に段差を有している。従ってヒンジ部S81を介し
て用紙保持手段S5と中間シートS7を保持する第2従
来例の便座カバー用紙セットではそれらの洗浄便座に対
応できない。
【0032】従って本発明の目的は、上述の従来の便座
カバー用紙セットにおいて、用紙束そのものだけを枚数
の多少にかかわらず簡単かつ確実に収納できて無駄がな
く、かつ用紙を確実に取り出せる用紙保持手段を有する
改善型便座カバー用紙セットを提供することである。
【0033】本発明の別の目的は、例え粘着手段の粘着
力が落ちたりクッションにへたりが生じても、常に強く
かつ一定の力で用紙と粘着手段とを押圧して用紙を確実
に付着できる機能を有する改善型便座カバー用紙セット
を提供することである。
【0034】本発明の更なる目的は、粘着手段を保護す
ると共に、用紙と粘着手段が強く付着していても徐々に
自動的に剥がれ、用紙を剥がす動作をほとんど必要とせ
ずに用便後に用紙を簡単に水に流せる手段を講じた改善
型便座カバー用紙セットを提供することである。
【0035】本発明の更に別の目的は、便座のヒンジ部
や便ふたのヒンジ部が分離していて便座に対して段差を
有するような洗浄便座などの機能性トイレにも設置可能
な改善型便座カバー用紙セットを提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の第1の態様によれば、腰掛け便器の便ふた
側に立設し、便座に似た環状の用紙束を収納・保持する
用紙保持手段と、便座上に用紙保持手段と便座間で旋回
可能に取り付け、便座の形状に適合すると共に、表面に
何回(例えば1万回)でも用紙を貼付・剥離可能な粘着
手段を設けたクッションシートとからなり、用紙保持手
段ないしクッションシートを上下して用紙を粘着手段に
付着させることでクッションシートに付着させ、用紙が
付着したクッションシートを便座上に載置することで用
紙で便座を被い、便座に肌を触れずに用便可能にした便
座カバー用紙セットにおいて、用紙保持手段を、側壁部
を有して便座側に開口した本体と、本体の中央部に本体
と一体成形し、側壁部と同程度の高さを有する環状の内
枠と、本体側壁部と係合する外枠と、外枠を本体に対し
て旋回可能に軸支するヒンジと、本体の側壁部と外枠を
係止する係止手段とから構成する。更に後付け部品とし
て、外枠よりも若干小さい面積を有し、クッションシー
ト上の粘着手段及びその周辺に対応する部分にはそれぞ
れの角を丸くした三角形の開口部を設けた用紙保護フィ
ルムと、用紙保護フィルムを貼付した保護フィルム枠と
からなる保護フィルムセットを備える。内枠はその内周
に小突起を有して保護フィルム枠を係止することで保護
フィルムセットを保持し、外枠は側枠部と、側枠部に対
して垂直に特定幅だけ延長した前枠部とからなり、前枠
部はクッションシート上の粘着手段及びその周辺に対応
する部分にそれぞれの角を丸くした三角形の開口部を有
し、側枠部はその後部に、外枠を本体に旋回可能に結合
するヒンジを取り付けると共に、通常の便ふたの代わり
に用紙保持手段を便器に結合・軸支するヒンジ部を有す
る。
【0037】以上のように構成することで、使用準備
は、ネジなどの係止手段を緩めて外枠を本体から外し、
用紙束を内枠にかけつつ本体内にはめ込むように収納
し、外枠を再び本体側壁部に係合してネジを締めて外枠
と本体を固定し、保護フィルム枠を内枠にはめ込んで用
紙束を保護フィルムでカバーすることで完了し、非常に
簡単である。用紙束は外枠の前枠部がその前部を係止す
ると共に用紙保持手段全体で用紙束全体の形状を保持す
るので、例え強く振ったり衝撃を与えても落下すること
はない。なお第1従来例では用紙束の縁を弱く糊付け
し、第2従来例では用紙束の縁に粘着テープを巻いて互
いに結束してそれぞれ収納していたが、本発明ではその
ような結束手段を必要とせず、1枚でも収納可能となっ
ている。ただし用紙束に帯封などをすれば容易に一体と
して取り扱い可能になり、その場合は収納後にその帯封
を切る。
【0038】それぞれ角を丸くした三角形の保護フィル
ム開口部と前枠部開口部が相対することでほぼ菱形の開
口部が形成され、用紙ホルダないしクッションシートを
上下すると、用紙ホルダ内の用紙束とクッションシート
上の粘着手段はこの菱形開口部を通して付着する。そし
て用紙ホルダをクッションシートから離すと、保護フィ
ルムと前枠部の間から保護フィルムを押し分けて用紙が
1枚、引っ張り出される。ここで用紙束の用紙1枚1枚
は互いに分離しているので、まとまって出ることはなく
確実に1枚だけを用紙ホルダからスムーズに出すことが
できる。用紙が出た後は保護フィルムがその復元力によ
り用紙束を再び被うようになり、最終的にその静電気に
より用紙束に付着し、保護フィルムとして水しぶきなど
から用紙束を保護する機能を果たす。
【0039】前述の第2従来例の便座カバー用紙セット
では例えば熱収縮性フィルムで用紙束全体を被ってカー
トリッジ状にして、100枚程度の用紙を使いきればそ
の他の部分は1回限りの使い捨てになっていた。しかし
本発明の便座カバー用紙セットでは不用になる部分は用
紙束の帯封だけで、無駄が少なく、かつ用紙束を簡単か
つ確実に収納できる。また第2従来例のフィルムには開
封手段を設けてそれを切ることで用紙保護フィルムとし
ての機能を持たせると共に上記のように1回限りで捨て
ていたが、本発明の用紙保護フィルムでは開封手段や開
封動作を必要とせず、用紙収容時に簡単に用紙ホルダの
内枠に取り付けることができ、また何回でも持続的に使
用できるので無駄がない。
【0040】また第2従来例では例えば20枚程度の少
ない枚数のカートリッジを作ることは困難であったが、
本発明では用紙1枚でも収納可能で、更に本体側壁部
と、内枠と、外枠側壁部の高さを少なくすることでその
ような20枚程度の用紙束でも適切に収納可能になる。
反対に本体側壁部と、内枠と、外枠側壁部の高さを大き
くすることで何百枚もの用紙を収納でき、大人数の人が
利用する場合にも対応可能になる。
【0041】本発明の第2の態様によれば、第1の態様
の便座カバー用紙セットにおいて、クッションシート
は、便座の形状に適合したベースプレートと、その上に
積層するクッションと、クッション並びに折り返してベ
ースプレートの一部とを被う表皮と、ベースプレート及
び表皮折返し部を裏面から被うカバープレートとからな
る。ベースプレートの裏面側の内外周の縁に突起を設け
て突起で表皮を折り返し、カバープレートは表皮を折り
返した突起の内周に嵌合する大きさ及び高さとし、折返
し部の両面に再剥離可能な接着手段を塗布ないし貼付し
てベースプレート及びカバープレートに接着してその間
で折返し部を固定すると共に、折返し部を介してベース
プレートとカバープレートを固定する。更にベースプレ
ートに複数の小突起を設け、カバープレートに小突起と
係合する複数の凹部を設け、更に折返し部に複数の貫通
孔を設け、貫通孔に小突起を通し、更に凹部を係合させ
てことで表皮を強固に固定し、カバープレートとベース
プレートの数カ所の要所をビスで止めることで両者を更
に強固に固定する。更にクッションシートの粘着手段に
対応する箇所にクッションが隆起した凸部を設ける。凸
部は、中央部に貫通孔を有する凹状クッション部と、凸
部下部のベースプレートに設けた円形開口部と、凹状ク
ッションの貫通孔に挿入し、クッションよりも強い反発
力を有する台形のテーパーバネと、テーパバネ底部をベ
ースプレートの開口部に固定する金具と、バネ頂部と係
合し、雌型ネジ部を内側に有する下ボタンと、表皮を貫
通して下ボタンの雌型ネジと嵌合する雄型ネジ部を有す
ると共に、粘着手段としての粘着シールを上面に貼付し
た上ボタンとからなる。凹状クッション頂部と粘着手段
表面間には一定の間隔を設ける。
【0042】上記のように構成することで、凸部を押圧
してバネを圧縮するとバネの一部及び上下ボタンがベー
スプレート開口部内に入り込み、凸部をベースプレート
近くまで押圧でき、用紙と粘着手段の当接・付着を一定
の力で確実に行うことができる。またバネの反発力はク
ッションの反発力よりも強くかつ一定しているので、例
え粘着手段の粘着力が落ちてもより強い一定の反発力で
用紙と粘着手段とを押圧して、用紙を確実に付着させる
ことができる。またクッションは10万回のオーダでへ
たりが生じるが、バネは100万回から1000万回の
オーダでしかへたりが生じない。従って時間が経ったり
使用回数が多くなってクッションにへたりが生じてその
高さが低くなっても、バネの高さは一定で、上下ボタン
とベースプレート間の距離は常に一定に保たれるので、
粘着手段と用紙とを常に確実に付着することができる。
【0043】更に表皮は、汚れや劣化がひどくなったり
季節毎の衣替えの場合、容易に張り替えることが出来
る。即ち、1)裏面のカバープレートとベースプレート
を連結するビスを外し、再剥離可能な接着手段で接着さ
れている折り返部とカバープレートを分離することでカ
バープレートを外し、2)小突起に引っかかった折返し
部を外すと共に接着手段を剥がすことでベースプレート
から折返し部を外し、3)下ボタンにネジ止めした上ボ
タンをまわして取り外すことで、表皮をベースプレート
やクッションから分離できる。新たな表皮は上記とほぼ
逆の手順で張ることが出来る。
【0044】また凸部の先端を凹状とし、粘着手段を一
定の間隔をおいてその底部に設けることで粘着手段を保
護できる。更に用紙ホルダ並びに用紙束をクッションシ
ートに対して押圧すると、凸部の先端の凹状クッション
が最初に押圧されて下がり、粘着手段と用紙が当接して
付着する。そして用紙ホルダと用紙束をクッションシー
トから離すと、用紙が1枚、粘着手段に付着するが、凹
状クッションはその反発力により元の形に復元し、用紙
は徐々に粘着手段から離されるようになる。従って用紙
と粘着手段が強く付着していても時間が経つにつれ自動
的にほぼ剥がれ、用便後は用紙はクッションシート上に
浮いたような状態になる。即ち利用者が用便後に用紙を
剥がす動作がほとんど必要なくなるので用便後に用紙を
簡単に水に流すことができる。つまり表面強化部分だけ
に凹状クッションの反発力が作用して用紙を剥がすので
用紙が破れることはなく、粘着手段の粘着力を強くして
より確実に用紙を付着するようにできる。
【0045】本発明の第3の態様によれば、便座のヒン
ジ部及び便ふたのヒンジ部が異なる位置にあり、便座か
らそれぞれ段差を有する洗浄便座などの機能性トイレに
おいて、クッションシートからフックを延長して便座用
ヒンジ部に係止して旋回可能に取り付け、用紙保持手段
はその後部から所定の長さのアームを形成して便ふたの
代わりに便ふた用ヒンジ部に旋回可能に取り付け、その
前部を便座及びその上に載置したクッションシートに平
行に保ち、後部を段差に対応して湾曲させる。用紙保持
手段及びクッションシートの内部構造は基本的に上述の
第1、2態様のものと同じである。
【0046】以上のように構成することで、用紙保持手
段を下げてクッションシートと当接させると、用紙が1
枚、クッションシート前部の粘着手段に付着し、用紙が
付着したクッションシートを介して便座をカバーでき
る。クッションシート後部には粘着手段はないので用紙
は用紙保持手段後部で引っかかった状態になり、ちょう
ど段差部分をカバーすることができる。また上記第3の
態様で、便座を軸支する側壁部に穿孔を設けてクッショ
ンシートと結合したヒンジの軸を挿入して軸支すること
で、クッションシートを便座に対して旋回可能に載置し
てもよい。
【0047】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して以下に述べ
る。図1は本発明の第1の実施例の便座カバー用紙セッ
トの全体を既存の腰掛け便器と共に示した斜視図であ
る。図1の腰掛け便器は便器1と便座2からなるが、通
常の便ふたを改変して便ふたを兼ねた用紙保持手段3と
しており、通常の便ふたと同様に便器後部のヒンジ部3
34で軸支する。即ち本発明の便座カバー用紙セットの
基本的構成は第1及び第2従来例と同様に、用紙束4を
収納し便座2側に開口部を有する上記の用紙ホルダ3
と、用紙ホルダ3と便座2間に旋回可能に設け、便座2
の形状と適合し、表面に何回(例えば1万回)でも用紙
を貼付・剥離可能な粘着手段5を設けたクッションシー
ト6(第1従来例の便座カバー及び第2従来例の中間シ
ートに相当するが、クッションを有する点を1つの特徴
とするので以下クッションシートと称する)とからな
る。
【0048】図2A−2Cは上記の装置の基本的な動作
を示す斜視図で、まず用紙ホルダ3を下げて用紙束4を
クッションシート6上の粘着手段5に当接する(図2
A)。すると用紙が1枚、粘着手段5に付着し、用紙ホ
ルダ3を上げると粘着手段5に付着した用紙は用紙ホル
ダ3から出てそのままクッションシート6に固定される
ので、クッションシート6を介して便座2を用紙で被う
ことができ、便座2に肌を触れずに用便が可能になる
(図2B)。用便後は用紙を剥がしてトイレットペーパ
と同様に水に流す(図2C)。なお本発明では用紙ホル
ダ3を上下するが、第1及び第2従来例では便座カバー
F4ないし中間シートS7を上下して粘着手段と当接す
る場合を主に説明している。これは用紙束とクッション
シートの傾斜角度に依存し、本発明では用紙ホルダ3を
立てかけた際に用紙束4とクッションシート6間に便座
2及びクッションシート6を押圧した高さに見合った距
離が存在し、クッションシート6を上げても傾斜角度に
違いが生じて用紙束4と当接しないので、用紙ホルダ3
を下げる方式を取っている(図4の断面図を参照)。し
かし第1従来例では便座カバーF4と用紙容器F9が互
いに軸支されているのでどちらを上下しても傾斜角度に
違いを生じず、第2従来例では上記距離に相当する距離
が短く、中間シートS7と用紙束S4の間に傾斜角度の
違いが生じないのでどちらを上下してもよい。従って本
発明でも上記距離を短くして用紙束4とクッションシー
ト6間の傾斜角度がない構成とすれば、クッションシー
ト6を上げる方式を採用できる。
【0049】次に本発明による改良点の詳細を説明す
る。図3は用紙ホルダ3全体を外枠が開いた状態で示し
た斜視図である。図4Aはその断面図、図4Bは用紙束
4を収納し、用紙保護フィルム34をセットした状態の
断面図である。図3及び図4A、Bにおいて、用紙ホル
ダ3は便座側に開口した本体30と、本体30の一部を
なす側壁部31と、本体30の中央部に本体30と一体
成形し、側壁部31と同程度の高さを有する環状の内枠
32と、本体側壁部31と係合する外枠33と、用紙保
護フィルム34と、本体30の側壁部31と外枠33を
係止するネジ35と、外枠33を本体30に対して旋回
可能に軸支するヒンジ36とからなる。保護フィルム3
4は環状の保護フィルム枠341に貼付して保護フィル
ムセットとする。保護フィルム34のクッションシート
6上の粘着手段5及びその周辺に対応する部分にはそれ
ぞれの角を丸くした三角形の開口部(図示せず)を設け
る。内枠32の内周には保護フィルム枠341の外周の
縁と係合する小突起321を設け、更に内枠32の一部
に切欠部322を設け、保護フィルム34を外す時は切
欠部322に指を入れて係止した保護フィルム枠341
を取り出せるようにする。
【0050】外枠33は側壁部331と、側壁部331
に対して特定の幅を有して垂直に延長した前枠部332
とからなり、前枠部332のクッションシート6上の粘
着手段5及びその周辺に対応する部分にはそれぞれの角
を丸くした三角形の開口部333(図3を参照)を設け
る。側壁部331の後部には前記ヒンジ36を取り付け
て外枠33を本体30に旋回可能に結合し、更に側壁部
331と一体にヒンジ部334を設けて通常の便ふたの
代わりに外枠33と本体30とからなる用紙ホルダ3を
便器1に結合・軸支している。なお開口部333の角を
丸くするのは、用紙ホルダ3から用紙を引っぱり出す際
に引っかかりや抵抗を出来るだけ少なくするためであ
る。
【0051】用紙束4を収納する際は、ネジ35を緩め
て外枠33を側壁部31及び本体30から外し、用紙束
4を内枠32にかけながら側壁部31に囲まれた本体3
0内にはめ込むように収納する。そして外枠33を再び
側壁部31に係合し、ネジ35を締めて外枠33と本体
30を一体に固定する。なお用紙束4は帯封などにより
一体に取り扱い可能なものとした場合は、収納後にその
帯封を切る。次に保護フィルム枠341を内枠32には
め込んでその小突起321に係止することで用紙束4を
保護フィルム34でカバーし、使用準備が完了する。
【0052】使用の際、用紙ホルダ3を上下に強く振っ
たり衝撃を与えても、外枠33の前枠部332で用紙束
4を係止すると共に用紙ホルダ3独自の形状で用紙束4
を保持できるので落下しない。即ち用紙束4が落下する
とすればその直前に必ず形状の変化を生じ、環状の用紙
束の水平方向にしわができたり、内側部分が突出すれば
外側部分はその反対方向に突出するようになる。そこで
前枠部332で係止しても、本体30やその内枠32、
側壁部31がなければそれら形状の変化が生じて簡単に
落下してしまう。しかし本体30や内枠32、側壁部3
1により用紙束4を包囲してその変形を防いで形状を一
定に維持するので、前枠部332が有効に係止して、落
下を防止できる。なお、用紙の枚数が少なくなれば当然
隙間ができるが、それに反比例して用紙束の重量が軽く
なるので衝撃をあまり受けず、落下しにくくなる。ちな
みに前枠部332の幅が狭すぎると用紙束4は落下しや
すくなり、大きすぎると反対に用紙が出にくくなるが、
本発明者の実験によると用紙サイズを通常の便座より若
干大きい程度にした場合、前枠部332の最適幅は15
mmから25mmであった。
【0053】それぞれ角を丸くした三角形の保護フィル
ムの開口部と前枠部の開口部333が相対することでほ
ぼ菱形の開口部が形成され、用紙ホルダ3を下げると、
用紙ホルダ3内の用紙束4がクッションシート6上の粘
着手段5にこの菱形開口部を通して付着する。そして用
紙ホルダ3を上げると、保護フィルム34と前枠部33
2の間から保護フィルム34を押し分けて粘着手段5に
付着した用紙が1枚、引っ張り出される。ここで菱形開
口部は粘着手段5よりも十分大きいので、前枠部332
やその開口部333で引っかかることない。また用紙束
4の用紙1枚1枚は互いに分離しているので、確実に1
枚だけを用紙ホルダ3からスムーズに出すことができ
る。用紙が出た後は保護フィルム34はその復元力によ
り用紙束4を再び被うようになり、最終的にその静電気
により用紙束4に付着し、保護フィルム34として水し
ぶきなどから用紙束4を保護する機能を果たす。
【0054】前述の第2従来例の便座カバー用紙セット
では硬質紙S42、粘着テープS43、フィルムS44
を用いて用紙束全体をカートリッジ状にし、100枚程
度の用紙を使いきればそれらは1回限りの使い捨てにな
っていた。しかし本発明の便座カバー用紙セットでは不
用になる部分は用紙束4の帯封だけで、無駄が少なく、
かつ用紙束4を簡単かつ確実に収納できる。また第2従
来例のフィルムには開封手段S443を設けてそれを切
ることで用紙保護フィルムとしての機能を持たせると共
に上記のように1回限りで捨てていたが、本発明の用紙
保護フィルム34ではそのような開封手段や開封動作を
必要とせず、簡単に用紙ホルダ3の内枠32に取り付け
ることができ、また何回でも持続的に使用できるので無
駄がない。
【0055】また第2従来例では例えば20枚程度の少
ない枚数のカートリッジを作ることは困難であったが、
本発明では例え1枚でも収納できる。ホテルの個室のよ
うに少ない枚数しか必要としない場合には、本体側壁部
31と、内枠32と、外枠側壁部331の高さを少なく
することでそのように20枚程度の用紙束でも収納可能
になる。反対に本体側壁部31と、内枠32と、外枠側
壁部331の高さを大きくすることで何百枚もの用紙を
収納でき、例えばイベント会場のように大人数の人が利
用する場合にも対応可能になる。
【0056】図5はクッションシート6の基本的内部構
造を示す横断面図である。図示するようにクッションシ
ート6は、便座の形状に適合したプラスチック製のベー
スプレート61と、その上に積層するウレタンフォーム
などのクッション62と、ベースプレート61の一部と
クッション62を被うビニールレザーなどの表皮63
と、ベースプレート61及び表皮63の折返し部631
を裏面から被うカバープレート64とからなる。
【0057】ベースプレート61の裏面側の内外周の縁
には突起611を設けて突起611で表皮63を折り返
す。カバープレート64は表皮63を折り返した突起6
11にちようど嵌合する大きさ及び厚さとする。また表
皮63の折返し部631の両面に再剥離可能な接着剤な
いし両面接着テープなどの接着手段を塗布ないし貼付し
てベースプレート61及びカバープレート64に接着し
てその間で折返し部631を固定すると共に、折返し部
631を介してベースプレート61とカバープレート6
4を固定する。折返し部631にはむろん、ベースプレ
ート61の曲率に合わせて多数の図示しない切欠きを設
けている。更にベースプレート61の複数の小突起61
2を設け、カバープレート64には小突起612と係合
する凹部を設け、更に表皮の折返し部631に貫通孔を
設け、貫通孔を小突起612に引っかけカバープレート
64の凹部を係合させて表皮63を更に強固に固定す
る。なお図示しないが、カバープレート64とベースプ
レート61の複数の要所をビスで止めることで更に強固
に固定する。ベースプレート61はヒンジないしフック
などの結合手段で便座2に旋回可能に取り付ける。なお
裏面の折返し部631とカバープレート64の境目に防
水ゴムを注入、塗布してもよい。
【0058】以上のように構成することで、表皮63と
ベースプレート61、カバープレート64を容易かつ強
固に固定でき、利用者の体重がかかっても外れることは
ない。更にクッションシート6の表裏にわたって外部に
露出したしわがなく平滑なので汚れがたまることがな
く、防水性を保つことが出来るので清掃も容易になる。
【0059】図6はクッションシート6の凸部7の拡大
断面図である。凸部7下部のベースフレート61には円
形開口部613を設ける。凸部7は、クッション62に
設けた貫通孔621に挿入し、クッション62よりも強
い反発力を有する台形のテーパーバネ71と、バネ71
底部をベースプレート61に固定する金具72と、バネ
71頂部と係合し、雌型ネジ部を内側に有する下ボタン
73と、表皮63を貫通して下ボタン73の雌型ネジと
嵌合する雄型ネジ部741を有すると共に、粘着手段5
としての粘着シールを上面に貼付した上ボタン74と、
突起したクッション凹部75とからなる。
【0060】ベースプレート61の開口部613の径は
バネ71底部の内径と等しく、そのまわりにL字状のく
ぼみ614を設けてバネ71を嵌入し、移動しないよう
にする。そして金具72によりくぼみ614に設置した
バネ71底部をベースプレート61に固定する。バネ7
1頂部と係合する下ボタン73の下部外周壁に、バネ7
1頂部内周よりも径が大きく一部を切り欠いたフランジ
状の薄肉のストッパ731を設け、螺旋状のバネ71の
先端を切欠きに通して同ストッパ731でバネ71頂部
を係止することで、バネ71と下ボタン73と固定す
る。
【0061】上述のようにベースプレート61に開口部
613に設けるが、これは以下の理由による。テーパー
バネ71は圧縮すると平たくなるが、その際に圧縮すれ
ばする程、反発力が増す性質がある。しかしその下部に
開口部613を設けることで図7Aに示すように凸部7
を押圧してバネ71を圧縮するとバネ71の一部が開口
部613内に入り、反発力が変化せずに一定の圧力でベ
ースプレート61近くまで凸部7を押圧できる。即ちバ
ネ71の反発力が強くなり用紙と粘着手段5とを強く付
着させすぎると剥離が困難になるが、開口部613を設
けることでバネ71を常に一定の圧力で押圧して用紙と
粘着手段5を付着させることでき、その剥離を制御でき
る。更に上下ボタン73、74も数mmの高さを有して
いるが、同ボタンやバネ71を押圧すると開口部613
内に入り込み、凸部7をベースプレート61近くまで押
圧でき、用紙と粘着手段5の当接・付着をより確実にゆ
とりを持って行うことができる。なお円柱状のコイルバ
ネの代わりにテーパーバネ71を使用する理由は、圧縮
したときの高さを少なくしてベースプレート61近くま
で凸部7を押圧するためであることはいうまでもない。
【0062】上記のように構成することで、バネ71の
反発力はクッション62の反発力よりも強くかつ一定し
ているので、例え粘着手段の粘着力が落ちてもより強い
一定の反発力で用紙と粘着手段5とを押圧して、用紙を
確実に付着させることができる。またクッション62は
10万回のオーダでへたりが生じるが、バネ71は10
0万回から1000万回のオーダでしかへたりが生じな
い。従って時間が経ってあるいは使用回数が多くなって
クッション62にへたりが生じてその高さが低くなって
も、バネ71の高さは一定で、上下ボタン73、74と
ベースプレート61間の距離は常に一定に保たれるの
で、粘着手段5と用紙とを常に確実に付着することがで
きる。
【0063】更に上記のようにクッションシート6を構
成することで、表皮63を容易に張り替えることが出来
る。即ちまず、1)裏面のカバープレート64とベース
プレート61を連結するビスを外し、再剥離可能な接着
手段で接着されている折返し部631とカバープレート
64を分離することでカバープレート64を外し、2)
突起612に引っかかった折返し部631を外すと共に
接着手段を剥がすことでベースプレート61から折返し
部631を外し、3)下ボタン73にネジ止めした上ボ
タン74を取り外すことで、表皮63をベースプレート
61とクッション62から分離できる。新たな表皮は上
記とほぼ逆の手順で張ることが出来、例えば表皮の汚れ
や劣化がひどくなったり季節毎の衣替えの場合にも、容
易かつ確実に張り替えができる。
【0064】また図6に示すように凸部7の先端は凹状
になっており、粘着手段5をその底部に設けて、凸部7
頂部と粘着手段5表面間に1乃至3mmの間隔gを設け
る。
【0065】以上のように構成することで例えば清掃時
に粘着手段5が容易に剥がれたり傷つくことがなくな
り、粘着手段5を保護できる。更に図7Aに示すよう
に、用紙ホルダ3並びに用紙束4をクッションシート6
に対して押圧すると、凸部7の先端の凹状クッション7
5が最初に押圧されて下がり、粘着手段5と用紙が当接
して付着する。そして図7Bに示すように用紙ホルダ3
を上げると、粘着手段5と用紙4は付着しているが、凹
状クッション75がその反発力により元の形に復元し、
もともと凸部7の頂部と粘着手段5表面間には間隔gが
あった故に、用紙4は徐々に粘着手段5から引き離され
るようになる。従って用紙4と粘着手段5が強く付着し
ていても時間が経つにつれ自動的にほぼ剥がれ、用便後
は用紙4はクッションシート6上に浮いたような状態に
なる。即ち利用者が用便後に用紙を剥がす動作がほとん
ど必要なくなるので、用便後に用紙4を簡単に水に流す
ことができる。つまり用紙4としては第2従来例のよう
に粘着手段5と当接する部分及びその周辺の表面をコー
ティングして強化したものを用いるが、第2従来例では
粘着手段5が強すぎると用紙4を剥がす際に表面強化部
分以外の箇所が破れる可能性があったが、本実施例では
表面強化部分だけに凹状クッション75の反発力が作用
して用紙4を剥がすので用紙が破れることはない。即ち
粘着手段5の粘着力を強くして用紙を強く付着しながら
も用紙を容易に剥がすようにするという相反する課題を
一挙に解決できる。なお凸部7の頂部と粘着手段5表面
間の間隔gが大きすぎると用紙4と粘着手段5が付着し
てもすぐに剥がれ、また小さすぎると上述の効果を十分
もたらすことができない。従ってこの間隔は粘着手段5
の粘着強度と表面積、用紙強化部分の硬度、粘着手段5
の部位などによって異なるが、上述のように1−3mm
程度である。
【0066】図8Aは最近多く市販されている洗浄便座
などの典型的な機能性トイレの斜視図である。機能性ト
イレは便器1に載置し、大まかに便座T2と、便ふたT
3と、機能装置を格納した機能部分T4と、機能を制御
する制御部T5とからなる。即ち図示するように機能性
トイレではその機能部分T4を便座T2後部に配置する
都合上、上述の第1の実施例のように便座後部に用紙保
持手段を配設するスペースはなく、便座T2のヒンジ部
T6や便ふたT3のヒンジ部T7を側壁部T8で軸支し
て異なる位置に設け、便座T2からそれぞれ段差Dを有
することが多い。
【0067】図7Bは本発明の第2の実施例として、上
記の機能性トイレに対応した便座カバー用紙セットの構
造と動作を示す側面図である。なお基本的な構造と機能
は上述の第1の実施例と同じであるので、異なる部分の
みを述べる。
【0068】図8Bにおいて便座T2の形状に適合した
クッションシートT9を第1の実施例と同様に便座T2
上に旋回可能に載置するが、クッションシート6と便座
2をヒンジを介して直接結合した第1の実施例とは以下
の点で異なる。即ちクッションシートT9後部から延長
する例えば金属製のフックT10を便座T2を軸支して
いるヒンジ部T6に連結してクッションシートT9を便
座T2と共に軸支するか、便座T2を軸支する側壁部T
8に穿孔を設けてクッションシートT9と連結したヒン
ジの軸を挿入して軸支することで、クッションシートT
9を便座T2に対して旋回可能に載置する。即ちヒンジ
部T6にフックT10を取り付ける間隔がある場合はそ
れにフックT10を取り付け、そうでない場合は側壁部
T8に穿孔を設けるが、これは機能性トイレのメーカタ
イプにより異なる。クッションシートT9の内部構造は
第1の実施例と同様である。
【0069】用紙保持手段T11も基本的構造は第1実
施例と同じで便ふたT3の代わりに取り付けるが、後部
を湾曲させて段差Dに対応した点が異なる。即ち本実施
例の用紙保持手段T11はその前部を便座T2及びその
上に載置したクッションシートT9に平行に保ち、後部
を段差Dに対応して湾曲させ、用紙保持手段T11の後
部から必要な長さのアームT12を形成してヒンジ部T
7と連結する。
【0070】以上のように構成することで、用紙保持手
段T11を下げてクッションシートT9と当接させる
と、第1実施例と同様に、用紙4が1枚、クッションシ
ートT9前部の粘着手段5に付着し、用紙4が付着した
クッションシートT9を介して便座T2をカバーでき
る。クッションシートT9後部には粘着手段5はないの
で用紙4は用紙保持手段T11後部で引っかかった状態
になり、ちようど段差D部分をカバーすることができ
る。用便後は第1実施例と同様に用紙4を簡単に取り外
して水に流すことができる。
【0071】以上、本発明の第1、第2の実施例の説明
をしたが、当業者には本発明の趣旨の範囲内で様々な変
更が可能であり、また本発明と周知の関連技術を組み合
わせて更に様々な効果をもたらすことができることが明
らかであろう。例えば本発明の便座カバー用紙セットで
は表皮62の上に用紙4を敷くので肌を触れて座っても
冷たくないが、特に寒冷地用として例えばニクロム線な
どの周知の熱源手段をクッションシート6内に組み込む
ことで暖房便座としての機能を持たせることができる。
【0072】また用紙ホルダ3を便ふたと同様にみなし
てそれに触れることに躊躇する利用者がいることが想定
されるが、用紙ホルダ3の裏側(開口部の反対側)に取
っ手を設ければ、そのような躊躇は少なくなると共に用
紙ホルダをクッションシートに対して押圧する更に有効
な手段となる。
【0073】あるいはセンサとモータなどからなる用紙
ホルダ駆動機構を組み込み、センサで利用者がトイレに
入ってきた時あるいはクッションシート6上に用紙4が
ないのを感知して信号を駆動機構に送り、その信号を受
けて駆動機構内のモータが駆動してモータと連結された
用紙ホルダを自動的に上下し、用紙4をクッションシー
ト6に敷設するという自動化システムも周知の技術を利
用して実現可能である。この場合、用紙ホルダにも触れ
ずに用便が可能になる。
【0074】
【発明の効果】上述のように本発明の便座カバー用紙セ
ットによれば、帯封を除いて用紙束そのものだけを簡単
かつ確実に収納できるので無駄がなく、また少ない枚数
でも収納できる。
【0075】また例え粘着手段の粘着力が落ちたりクッ
ションにへたりが生じても、テーパーバネの強くかつ一
定した力で用紙と粘着手段とを押圧することで用紙を常
に確実に付着できる。
【0076】更に凹状クッション底部に粘着手段を設け
ているので粘着手段を保護できると共に、用紙と粘着手
段が強く付着していても徐々に自動的にほぼ剥がれ、用
紙を剥がす動作をほとんど必要とせず、用便後に簡単に
水に流すことができる。
【0077】また表皮の再剥離可能な接着手段を両面に
塗布した折返し部を介してベースプレートとカバープレ
ートを接合しているのでベースプレートとカバープレー
トを強固に固定できる。更にクッションシートの表裏に
わたってしわがなく平滑なので汚れがたまらず、防水性
を保つことができて清掃も容易になり、その上に表皮の
張り替えも容易に行うことが出来る。
【0078】また本発明によれば、便座のヒンジ部や便
ふたのヒンジ部が分離していて便座に対して段差を有す
るような洗浄便座などの機能性トイレにおいても、用紙
保持手段の前部を便座及びクッションシートと平行に保
つと共に用紙保持手段の後部を湾曲させて段差に対応す
ることで、第1実施例の便座カバー用紙セットと同様の
機能を有する便座カバー用紙セットの設置が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の便座カバー用紙セッ
トの全体を既存の腰掛け便器と共に示した斜視図であ
る。
【図2】 便座カバー用紙セットの基本的な動作を示す
斜視図である。
【図3】 用紙保持手段としての用紙ホルダの外枠を開
いた状態を示す斜視図である。
【図4A、B】 図4Aは図3の外枠を開いた状態の用
紙ホルダの断面図で、図4Bは用紙束を収納し、保護フ
ィルムをセットした状態の断面図である。
【図5】 クッションシートの構造の1部を示す横断面
図である。
【図6】 クッションシートの凸部の構造を示す拡大断
面図である。
【図7A、B】 用紙ホルダと用紙束をクッションシー
トに対して押圧した際とそれらを離した際の凸部の状態
を示す断面図である。
【図8A、B】 図8Aは洗浄便座などの機能性トイレ
の斜視図で、図8Bは図8Aの機能性トイレに設置した
本発明の第2の実施例の便座カバー用紙セットの構造と
動作を示す側面図である。
【図9】 第1従来例の便座カバー用紙セットの基本的
構成を示す部分断面図である。
【図10】 第2従来例の便座カバー用紙セットの部分
断面図である。
【図11】 第2従来例のクッションシートの凸部の断
面図である。
【図12】 第2従来例のカートリッジ状の用紙束の上
面図で、用紙保護フィルムの形状を示す。
【図13】 第2従来例の機能性トイレに対応した便座
カバー用紙セットの便座後部の断面図である。
【符号の説明】
1 便器 2 便座 F3、S3 便ふた F4 便座カバー F5、S6、5 粘着手段 F6、S4、4 用紙束 F7 支持板 F8 バネ F9 用紙容器 S42 硬質紙 S43 粘着テープ S44 用紙保護フィルム S5、S5’ 用紙保持手段 S7 中間シート S71 ベースプレート S72 クッション S73 突起 S74 表皮 3 用紙保持手段 30 本体 31 側壁部 32 内枠 33 外枠 331 外枠側壁部 332 外枠前枠部 333 外枠開口部 334 ヒンジ部 34 用紙保護フィルム 341 保護フィルム枠 35 ネジ 36 ヒンジ 6 クッションシート 61 ベースプレート 613 円形開口部 62 クッション 621 貫通孔 63 表皮 631 表皮折返し部 64 カバープレート 7 凸部 71 テーパーバネ 72 金具 73 下ボタン 74 上ボタン 75 クッション凹部 T2 便座 T3 便ふた T4 機能部分 T5 制御部 T6 便座ヒンジ部 T7 便ふたヒンジ部 T8 側壁部 D 段差 T9 クッションシート T10 クッションシート・フック T11 用紙ホルダ T12 用紙ホルダ・アーム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腰掛け便器の便ふた側に立設し、便座の
    似た環状の用紙束を収納、保持する用紙保持手段と、 前記用紙保持手段と前記便座間で旋回可能で、便座の形
    状に適合すると共に、表面に何回(例えば1万回)でも
    用紙を貼付、剥離可能な粘着手段を設けたクッションシ
    ートとからなり、 前記用紙保持手段ないし前記クッションシートを上下し
    て前記用紙を1枚、前記粘着手段に付着させることで前
    記クッションシートに付着させ、前記用紙が付着したク
    ッションシートを前記便座上に載置することで前記用紙
    で前記便座を被い、前記便座に肌を触れずに用便可能に
    した便座カバー用紙セットにおいて、 前記用紙保持手段は、 側壁部を有して便座側に開口した本体と、 前記本体の中央部に前記本体と一体成形し、前記側壁部
    と同程度の高さを有する環状の内枠と、 前記本体側壁部と係合する外枠と、 前記外枠を本体に対して旋回可能に軸支するヒンジと、 前記本体の側壁部と前記外枠を係止する係止手段とから
    なり、 更に後付け部品として、前記外枠よりも若干小さい面積
    を有し、前記クッションシート上の粘着手段及びその周
    辺に対応する部分にはそれぞれの角を丸くした三角形の
    開口部を設けた用紙保護フィルムと、前記用紙保護フィ
    ルムを貼付した環状の保護フィルム枠とからなる保護フ
    ィルムセットを備え、 前記内枠はその内周に小突起を有して前記保護フィルム
    枠を係止することで前記保護フィルムセットを保持し、 前記外枠は側枠部と、前記側枠部に対して垂直に特定幅
    だけ延長した前枠部とからなり、 前記前枠部は前記クッションシート上の粘着手段及びそ
    の周辺に対応する部分にそれぞれの角を丸くした三角形
    の開口部を有し、 前記側枠部はその後部に、前記外枠を前記本体に旋回可
    能に結合する前記ヒンジと共に、通常の便ふたの代わり
    に前記用紙保持手段を便器に結合・軸支するヒンジ部を
    有し、 互いに結束していない用紙束でも容易に前記本体内に収
    納可能で、前記外枠の前記前枠部で係止すると共に前記
    用紙保持手段で前記用紙束の形状を維持してその落下を
    防止すると共に、前記用紙保持手段を下げて前記クッシ
    ョンシート上の前記粘着手段に当接すると前記保護フィ
    ルムの前記開口部と前記前枠部の前記開口部を通して用
    紙が前記粘着手段に付着し、前記用紙保持手段を上げる
    と前記用紙が確実に1枚だけ、前記保護フィルムを押し
    広げて前記用紙保持手段から出て前記粘着手段並びに前
    記クッションシートを介して前記便座を用紙で被うよう
    にしたことを特徴とする前記便座カバー用紙セット。
  2. 【請求項2】 前記クッションシートは、 便座の形状に適合したベースプレートと、 前記ベースプレート上に積層したクッションと、 前記クッションと、折り返して前記ベースプレートの一
    部とを被う表皮と、 前記ベースプレートと前記折返し部を裏面から被うカバ
    ープレートとからなり、 前記ベースプレートの裏面側の内外周の縁に突起を設け
    て前記表皮を折り返し、 前記カバープレートは前記表皮を折り返した前記突起の
    内周に嵌合する大きさ及び厚さとし、 前記折返し部両面に再剥離可能な接着手段を塗布ないし
    貼付して前記ベースプレート及び前記カバープレートに
    接着し、その間で前記折返し部を固定すると共に前記折
    返し部を介して前記ベースプレートと前記カバープレー
    トを固定し、 前記ベースプレートに複数の小突起を設け、前記カバー
    プレートに前記小突起と係合する複数の凹部を設け、更
    に前記折返し部に複数の貫通孔を設け、前記貫通孔に前
    記小突起を通し、更に前記凹部を係合させて前記表皮を
    強固に固定し、 前記カバープレートと前記ベースプレートの数カ所の要
    所をビスで止めることで両者を更に強固に固定し、 更に前記クッションシートの前記粘着手段に対応する箇
    所に前記クッションが隆起した凸部を設け、 前記凸部は、中央部に貫通孔を有する凹状クッション部
    と、 前記凸部下部の前記ベースプレートに設けた円形開口部
    と、 前記凹状クッションの前記貫通孔に挿入し、前記クッシ
    ョンよりも強い反発力を有する台形のテーパーバネと、 前記テーパバネ底部を前記ベースプレートの前記開口部
    に固定する金具と、 前記バネ頂部と係合し、雌型ネジ部を内側に有する下ボ
    タンと、 前記表皮を貫通して前記下ボタンの雌型ネジと嵌合する
    雄型ネジ部を有すると共に、前記粘着手段としての粘着
    シールを上面に貼付した上ボタンとからなり、 前記凸部頂部と前記粘着手段表面間に一定の間隔を設
    け、 前記用紙保持手段を上下して当接した際に、前記テーパ
    ーバネの常に一定した強い力で前記粘着手段に用紙を確
    実に付着すると共に、用紙が付着した後は前記凹状クッ
    ションの反発力により自動的に徐々に前記用紙を剥がれ
    るようにしたことを特徴とする請求項1の便座カバー用
    紙セット。
  3. 【請求項3】 便座と、局部洗浄機能などの機能部分
    と、各種機能を制御する制御部とからなり、前記便座の
    ヒンジ部及び便ふたのヒンジ部が異なる位置にあり、前
    記便座からそれぞれ段差を有する洗浄便座などの機能性
    トイレにおいて、 便ふた側に立設し、前記便座に似た環状の用紙束を収納
    ・保持する用紙保持手段と、 前記便座の形状に適合すると共に、表面に何回(例えば
    1万回)でも用紙を貼付・剥離可能な粘着手段を設けた
    クッションシートとからなり、 前記用紙保持手段の前部は前記便座及びその上に載置し
    たクッションシートに平行に保つと共に後部を前記段差
    に対応して湾曲させ、後部から所定長さのアームを延長
    して前記便ふたの代わりに前記便ふたヒンジ部に連結
    し、 前記クッションシートからフックを延長して便座を軸支
    している軸に連結して前記クッションシートを前記便座
    と共に軸支し、 前記用紙保持手段は更に、 側壁部を有して便座側に開口した本体と、 前記本体の中央部に前記本体と一体成形し、前記側壁部
    と同程度の高さを有する環状の内枠と、 前記本体側壁部と係合する外枠と、 前記外枠を本体に対して旋回可能に軸支するヒンジと、 前記本体の側壁部と前記外枠を係止する係止手段とから
    なり、 更に後付け部品として、前記外枠よりも若干小さい面積
    を有し、前記クッションシート上の粘着手段及びその周
    辺に対応する部分にはそれぞれの角を丸くした三角形の
    開口部を設けた用紙保護フィルムと、前記用紙保護フィ
    ルムを貼付した保護フィルム枠とからなる保護フィルム
    セットを備え、 前記内枠はその内周に小突起を有して前記保護フィルム
    枠を係止することで前記保護フィルムセットを保持し、 前記外枠は側枠部と、前記側枠部に対して垂直に特定幅
    だけ延長した前枠部とからなり、 前記前枠部は前記クッションシート上の粘着手段及びそ
    の周辺に対応する部分にそれぞれの角を丸くした三角形
    の開口部を有し、 前記側枠部はその後部に、前記外枠を前記本体に旋回可
    能に結合する前記ヒンジと共に、通常の便ふたの代わり
    に前記用紙保持手段を便器に結合・軸支するヒンジ部を
    有し、 互いに結束していない用紙束でも容易に前記本体内に収
    納可能で、前記外枠の前記前枠部で係止すると共に前記
    用紙保持手段により前記用紙束の形状を維持してその落
    下を防止すると共に、前記用紙保持手段を下げて前記ク
    ッションシート上の前記粘着手段に当接すると前記保護
    フィルムの前記開口部と前記前枠部の前記開口部を通し
    て用紙が前記粘着手段に付着し、前記用紙保持手段を上
    げると前記用紙が確実に1枚だけ、前記保護フィルムを
    押し広げて前記用紙保持手段から出て前記粘着手段を並
    びに前記クッションシートを介して前記便座を用紙で被
    うようにし、 前記クッションシートは更に、 前記便座の形状に適合したベースプレートと、 前記ベースプレート上に積層したクッションと、 前記クッションと、折り返して前記ベースプレートの一
    部とを被う表皮と、 前記ベースプレート及び前記表皮折返し部を裏面から被
    うカバープレートとからなり、 前記ベースプレートの裏面側の内外周の縁に突起を設け
    て前記表皮を折返し、 前記カバープレートは前記表皮を折り返した突起の内周
    に嵌合する大きさ及び厚さとし、 前記折返し部の両面に再剥離可能な接着手段を塗布ない
    し貼付して前記ベースプレート及び前記カバープレート
    に接着してその間で前記折返し部を固定すると共に、前
    記折返し部を介して前記ベースプレートと前記カバープ
    レートを固定し、 前記ベースプレートに複数の小突起を設け、前記カバー
    プレートに前記小突起と係合する複数の凹部を設け、更
    に前記折返し部に複数の貫通孔を設け、前記貫通孔に前
    記小突起を通し、更に前記凹部を係合させて前記表皮を
    強固に固定し、 前記カバープレートと前記ベースプレートの数カ所の要
    所をビスで止めることで両者を更に強固に固定し、 更に前記クッションシートの前記粘着手段に対応する箇
    所に前記クッションが隆起した凸部を設け、 前記凸部は、中央部に貫通孔を有する凹状クッション部
    と、 前記凸部下部の前記ベースプレートに設けた円形開口部
    と、 前記凹状クッションの前記貫通孔に挿入し、前記クッシ
    ョンよりも強い反発力を有する台形のテーパーバネと、 前記バネ底部を前記ベースプレートの前記開口部に固定
    する金具と、 前記バネ頂部と係合し、雌型ネジ部を内側に有する下ボ
    タンと、 前記表皮を貫通して前記下ボタンの雌型ネジと嵌合する
    雄型ネジ部を有すると共に、前記粘着手段としての粘着
    シールを上面に貼付した上ボタンとからなり、 前記凸部頂部と前記粘着手段表面間に一定の間隔を設
    け、前記用紙保持手段を上下して当接した際に、前記テ
    ーパーバネの常に一定した強い力で前記粘着手段に用紙
    を確実に付着すると共に、用紙が付着した後は前記凹状
    クッションの反発力により自動的に徐々に前記用紙が剥
    がれるようにしたことを特徴とする便座カバー用紙セッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記便座を軸支する側壁部に穿孔を設
    け、前記クッションシートと結合したヒンジの軸を挿入
    して軸支することで、前記クッションシートを前記便座
    に対して旋回可能に載置した請求項3の便座カバー用紙
    セット。
  5. 【請求項5】 前記外枠の前記側枠部に対して垂直に延
    長した前枠部の幅は15mmから25mmであることを
    特徴とする請求項1乃至4の便座カバー用紙セット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1360920A2 (en) * 2002-04-17 2003-11-12 Kabushiki Kaisha Ohba Toilet seat cover mechanism
CN105078351A (zh) * 2014-05-08 2015-11-25 黎超波 自动铺设和清除一次性坐垫的坐便器坐板
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