JP2000314558A - ドレン中和装置付き潜熱回収用熱交換器を備えた燃焼装置 - Google Patents

ドレン中和装置付き潜熱回収用熱交換器を備えた燃焼装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潜熱回収用熱交換器を備えた燃焼装置におい
て発生する酸性ドレンによる建造物劣化や環境汚染を防
止するため、業務上の使用状態によって発生量が大幅に
変動するドレンの発生状況に応じて、中和に要するアル
カリ液の混合を精確に制御する手段を備えた中和装置付
き燃焼装置を提供する。 【解決手段】 予め一定濃度に調製したアルカリ水溶液
によりドレンを中和するに際して、燃焼器制御装置に中
和制御部を設け、自己認識されている外部環境及び燃焼
に関する瞬間値パラメータを用いて所要燃焼量をフィー
ドフォワード演算し、このフィードフォワード量に基づ
くアルカリ液混合量に対してドレンの凝縮から中和器流
入までの時間遅れ要素、燃焼空気比により変わる排ガス
の湿度、入水温度と火炎温度との差により変わるドレン
凝縮率等の補正演算を行うことにより、リアルタイムで
アルカリ液の混合量を精確に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潜熱回収用熱交換
器を備えた燃焼装置を用いて天然ガス、メタンハイドレ
ートから分離して得た可燃ガス、石油液化ガス或いは都
市ガス等を燃焼する際に発生する排ガスの酸性ドレンを
中和処理する装置、を備えたガス燃焼装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】潜熱回収用熱交換器を備えた燃焼器は、
民生用或は産業用の給湯器等に応用されている。図7に
このような給湯器の一般的な構成例を示した。バーナ2
で都市ガス等が燃焼され、発生した燃焼熱は第1段熱交
換器3において水を所定温度まで加熱するために消費さ
れるが、余剰の燃焼熱は第1段熱交換器3の上方に配設
された第2段熱交換器4において、水管中の水を加熱す
るために使用される。
【0003】第2段熱交換器4において、燃焼排ガスが
水管中の冷水と熱交換する際に、排ガスの顕熱のみでな
く排ガス中の水蒸気が保有している潜熱も回収され、高
い熱交換効率が達成される。潜熱回収が行われる結果、
排ガス中の水蒸気は凝縮して水滴5を生じ、水滴が集合
してドレンとなるが、このドレンは排ガス中の硫黄酸化
物や窒素酸化物等を吸収して、PHが3程度の強酸性液
体となっている。
【0004】強酸性のドレンをそのまま排出すると、排
水管系統等に使用されている金属製品の腐蝕やコンクリ
ート建造物の劣化等の被害、水質汚染等の環境問題を起
こす原因となるため、排水基準で規定するPH5−9の
範囲に適合するように中和処理する必要がある。
【0005】従来、ドレンの中和処理方法として、第2
段熱交換器4の下方に受け皿6を配設して水滴5を集
め、例えば図7に示すように燃焼器内に、または燃焼器
外に酸化マグネシウム或はカルシウム合金等のアルカリ
性固体中和剤を充填した中和器9を設け、ドレン管7を
通して中和器9にドレンを導いて中和処理する技術が提
案されている(例えば特開昭60−97094号)。
【0006】しかし、前記中和処理の際に、ドレンの酸
性成分との中和反応後に残る余剰の中和剤が水と反応し
て塩基性水酸化物を生成するため、PH値がアルカリ性
側に行き過ぎる傾向が強い。そこで、固体中和剤から水
に溶解するアルカリ性成分の濃度を或る範囲内に抑える
ため、酸化マグネシウム等に代えて用いる特殊な酸化リ
チウム・アルミナ・シリカ系複合酸化物であるβ−スポ
ジューメンが提案されている(特開平9−150163
号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような固体中和
剤を用いる中和処理方法では、長期間の使用により中和
剤粒子の表面に付着物が付いて目詰まりを起こす等の不
調や、経時的劣化を起こすため、或る期間使用の後、新
しい中和剤と取替えまたは補給が必要となる。また、P
H値が強アルカリ性側に行き過ぎ易い欠点があり、溶解
度調整が可能な特殊中和剤の使用を余儀なくされてい
る。
【0008】更に、スポーツセンターやレストラン等で
使用される32号乃至50号程度の業務用給湯器では、
例えば最大出湯能力が32号に対して最低出湯能力は3
号程度(1号は1,500kcal/hrの出湯量に相
当)で運転されるので、所要燃焼量が10倍程も変動
し、その結果ドレン発生量も毎時0.3−3リットル程
度の変動がある。このように給湯器が大型になるほど、
単にドレンを中和剤充填層に通すのみではPH値を排水
基準内に維持することが困難である。
【0009】本発明は、上記のような中和剤の経時劣化
問題がなく、特殊な中和剤の使用を必要とせず、極く一
般的な工業用強アルカリ液を精確に少量用いてリアルタ
イムの中和ができるように、新たな制御手段を装備した
ドレン中和装置を併設してなるガス燃焼装置の提供を課
題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、予め一
定濃度に調製した汎用アルカリ水溶液をドレンに対して
混合するに際して、燃焼器制御装置に中和制御部を設
け、自己認識されている外部環境及び燃焼に関する瞬間
値パラメータを用いて所要燃焼量をフィードフォワード
演算し、このフィードフォワード量に基づくアルカリ液
混合量に対してドレンの凝縮からアルカリ液混合器流入
までの時間遅れ要素、燃焼空気の比率による排ガス水分
含有率の変化、入水温度と火炎温度との温度差によるド
レン凝縮率の変化の補正演算を行うことによりアルカリ
液調節弁の作動を制御するという手段を設け、アルカリ
液混合を精確に制御することで上記課題が解決される。
【0011】即ち本発明は、潜熱回収用熱交換器を備え
たガス燃焼装置であって、該潜熱回収用熱交換器におい
て発生する排ガスドレンと強アルカリ水溶液とを混合し
て排出する手段、強アルカリ水溶液の混合をドレンの発
生状況に対応して制御する手段、及び該強アルカリ水溶
液を貯留する手段からなるドレン中和装置を備えている
ことを特徴とする燃焼装置の発明である。
【0012】また前記強アルカリ水溶液の混合を制御す
る手段は、入水温度センサ及び入水流量センサからの情
報を受けて所要熱量に係るフィードフォワード量を算出
するフィードフォワード演算部と、出湯温度センサから
の情報を受けて出湯温度の現在値と設定値との偏差を修
正する増減分の熱量をフィードバック量として算出する
フィードバック演算部と、前記フィードフォワード量と
フィードバック量とを加算してガス供給量を比例制御す
る燃焼制御部とからなる燃焼器制御装置において、前記
フィードフォワード量を用いてアルカリ液混合量に係る
所要量を演算すると共に所定の時間遅れを加えた時点に
おける所要量を算出してアルカリ液混合量を制御する中
和制御部が設けられていること、を特徴とする燃焼装置
の発明である。
【0013】更に、前記強アルカリ水溶液の混合を制御
する手段は、入水温度センサ及び入水流量センサからの
情報を受けて所要熱量に係るフィードフォワード量を算
出するフィードフォワード演算部と、入水温度センサ及
び入水流量センサ並びに出湯温度センサへの外部入力に
よる補正データを記憶する補正データ記憶部と、該補正
データ記憶部に記憶されている補正データを用いてフィ
ードフォワード量の補正値を求めて前記フィードフォワ
ード量を補正するフィードフォワード量補正部と、出湯
温度センサからの情報を受けて出湯温度の現在値と設定
値との偏差を修正する増減分熱量をフィードバック量と
して算出するフィードバック演算部と、前記補正された
フィードフォワード量とフィードバック量とを加算して
ガス供給量を比例制御する燃焼制御部とからなる燃焼器
制御装置において、前記補正されたフィードフォワード
量を用いてアルカリ液混合量に係る所要量を演算すると
ともに所定の時間遅れを加えた時点における所要量を算
出してアルカリ液の混合量を制御する中和制御部が設け
られていること、を特徴とするガス燃焼装置の発明であ
る。
【0014】上記のように構成された本発明の強アルカ
リ液混合制御手段の作用を図3に基づいて説明する。図
3は本発明に係る制御手段の要部構成を示すブロック図
であり、フィードフォワード演算部21と、フィードバ
ック演算部22と、燃焼量制御部23と、中和制御部2
4とを有している。このフィードフォワード演算部21
は、入水流量センサ12で検出される第2段熱交換器4
への入水量と入水温度センサ13で検出される入水温度
およびリモコン17により設定される給湯設定温度の情
報を受け、入水温度を給湯設定温度に高めるのに要する
所要熱量をフィードフォワード量として演算する。
【0015】フィードバック演算部22は、リモコン1
7により設定される給湯設定温度および出湯温度センサ
14で検出される出湯温度の情報を受け、給湯設定温度
に対する出湯温度の偏差を零にするのに要する増減分の
熱量をフィードバック量として演算する。
【0016】燃焼制御部23は、前記フィードフォワー
ド演算部21で算出されたフィードフォワード量とフィ
ードバック演算部22で算出されたフィードバック量と
を加算し、予め与えられている図6(a)に示すような
燃焼能力即ち出力と開弁駆動回路に印加すべき電流量即
ち操作量とを関係付けた能力特性データに従い、ガス比
例弁2の開弁駆動電流を操作量として求め、この操作量
をガス比例弁2に指令することによりバーナ1の燃焼制
御を行う。
【0017】中和制御部24は、フィードフォワード演
算部21で算出されたフィードフォワード量と予め与え
られている図6(b)に示すような中和特性データとを
用いて、第一に前記燃焼能力に対応するアルカリ液混合
所要量を算出する。即ち、中和特性データには、図6
(b)に示すように、例えば縦軸には燃焼装置の最大燃
焼能力Pmaxと最小燃焼能力Pminが与えられてお
り、横軸にはPmaxに対応して発生するドレンを中和
するのに必要な強アルカリ水溶液の毎秒当たりの容積Q
maxと、Pminに対応して必要な強アルカリ水溶液
の毎秒当たりの容積Qminが与えられている。更に図
6(b)の別の縦軸には、アルカリ液調節弁19を通し
てQmaxを流すのに要する最大開弁駆動電流Imax
とQmin を流すのに要する最小開弁駆動電流Imin
が与えられている。中和制御部24はフィードフォワー
ド演算部21で算出されたフィードフォワード量Pt、
ここでPmin<P<Pmax、に対応するアルカリ
液所要混合量Qを算出し、更にQに対応する操作量
として開弁駆動電流Iを算出する。第二に、バーナで
ガスが燃焼して発生した水分が第2段熱交換器で凝縮
し、ドレンとしてアルカリ液混合器に流入するまでの時
間tを時間遅れとして現在時刻tに加え、この開弁駆
動電流Iをアルカリ液調節弁19の開弁駆動回路に流
す時刻(t+t )を算出する。このtは機器特性で
あり、燃焼能力の関数として予め中和制御部に与えられ
ている。
【0018】或る時刻tに、燃焼制御部23により制御
されたバーナ1において或る量のガスが燃焼すると、第
2段熱交換器4のフィンにおいて燃焼排ガス中の水分が
結露する。時間遅れtを経て熱交換器のフィンから落
下した水滴5がドレン管7を通してアルカリ液混合器1
1に流入する。この時刻t+tにおいて、開弁駆動電
流に係る操作量Iが中和制御部24から指令され、開
弁駆動回路に駆動電流が流れることによりアルカリ液調
節弁19が比例制御される。このように、バーナ1にお
ける時々刻々の燃焼量変動に従って発生するドレンの発
生状況に対応して、リアルタイムでアルカリ水溶液の精
確な液量の混合が制御される。
【0019】アルカリ液調節弁19の制御に係る別の実
施形態として、前記比例制御に代えてデューティ制御を
適用してもよい。すなわち、アルカリ液調節弁19とし
て電磁開閉弁を使用し、制御周期例えば30秒に対する
開弁時間(秒)の比率(%:デューティ比と略称)を制
御することにより、アルカリ液混合量を制御する。
【0020】なお、上記説明は燃料ガスと燃焼空気の比
率を一定とした場合であるが、燃焼量制御部23からの
情報を受けて所要熱量に対応して燃料ガスと燃焼空気の
比率を制御する燃焼空気制御部31を設け、中和制御部
24がこの比率に係る情報を受けて予め与えられた水蒸
気飽和度のデータを用いて結露するドレン量を求めるこ
とにより、所要熱量から算出されたドレンの理論発生量
との偏差を零にするようにアルカリ液の所要混合量を修
正する演算を行わせることもできる。
【0021】次に、本発明に係る制御手段の別の要部構
成例を図4に沿って説明する。この構成では、フィード
フォワード演算部21から発信した情報をフィードフォ
ワード量補正部29で補正した後、中和制御部24へ送
信してアルカリ液混合量を演算している。燃焼装置のセ
ンサとして汎用の民生品が装備された場合に、測定誤差
が生じることが少なくないので、フィードフォワード量
の演算精度が低下することが有る。その結果フィードバ
ック量が大きくなり、出湯温度が設定温度に到達するの
に時間が長くかかる。フィードフォワード量補正部29
はこの点を解決して出湯温度の安定化制御を改善するた
めに設けられている。従って、このような燃焼器制御装
置を装備している燃焼装置においては、フィードフォワ
ード量補正部29で補正されたフィードフォワード量を
用いてアルカリ液混合量を演算することにより、リアル
タイムでアルカリ水溶液の混合が制御される。
【0022】なお、図4の構成において補正データ記憶
部28からフィードフォワード量補正部29へ送信され
る情報には、各センサから得られた情報と共にリモコン
17からの指令信号が含まれている。これは、リモコン
17により出湯温度を設定すると同時に、入水温度と理
論火炎温度との温度差△Tを入力するためである。燃焼
排ガス中の水分含有率が同じでも温度差△Tの大小で第
2段熱交換器4における水分の凝縮率が変動する結果、
ドレン発生量の補正が必要となるが、上記構成によりフ
ィードフォワード量補正部29に補正量を演算させる。
フィードフォワード量補正部29は、予めドレン補正量
を温度差△Tの関数として与えられており、このデータ
を用いて中和制御部24へ送る情報を補正することがで
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係る燃焼装置の実施形態
を図1に基づいて説明する。図1は潜熱回収用熱交換器
を有する燃焼装置で発生するドレンを燃焼装置外へ導
き、併設された本発明に係るアルカリ液混合制御手段に
より中和処理するように構成した一実施形態を示す工程
系統図である。この燃焼装置はバーナ1、第1段熱交換
器3、第2段熱交換器4、ドレンの受け皿6、ドレン管
7、燃焼用空気ファン8、出湯の流量を調節する給湯量
調整弁15、ガス供給の遮断用電磁弁に隣接して設けら
れたガス供給量比例制御用のガス比例弁2、給水の流量
を検出する入水流量センサ12、給水温度を検出するサ
ーミスタ等の入水温度センサ13、出湯温度を検出する
サーミスタ等の出湯温度センサ14及び燃焼器制御装置
20を備えており、更にアルカリ液タンク16、強アル
カリ液をドレンと混合して排出するアルカリ液混合器1
1、アルカリ液タンク16に水を補給するアルカリ液調
節弁19、燃焼器制御装置の一部としてこの弁19にア
ルカリ液混合量を指示し制御する中和制御部24からな
るドレン中和装置10が併設されている。
【0024】燃焼器制御装置20において各センサから
の情報に基づき所要熱量に係るフィードフォワード量と
フィードバック量が演算され、制御装置20内の燃焼量
制御部23(図示せず)から発信される制御指令に従っ
てガス比例弁2の開度が制御される。比例弁2の開度制
御に従ってガス供給量が増減すると、バーナ1でのガス
燃焼量が増減し、少しの時間遅れを経て第2段熱交換器
4から落下する水滴(図示せず)も増減し、これがドレ
ンとして受け皿6により集められ、ドレン管7を通りア
ルカリ液混合器11に到達するドレン量が増減する。一
方、燃焼器制御装置20内の中和制御部24において前
記フィードフォワード量からアルカリ液に係る所要混合
量が演算される。この所要量のアルカリ液が混合器11
においてこの到達時刻に合わせて混合されるように、所
定の時間遅れを加えられた制御指令が中和制御部24か
ら発信され、アルカリ液調節弁19が制御される。
【0025】図1に示したアルカリ液タンク16は、タ
ンクの一部に溶解度が一定の固形中和剤が充填され、こ
れに給水管から水を導入し、飽和溶解度に達した強アル
カリ液がオーバーフローしてアルカリ液貯留部分に集ま
るようになっている。従ってアルカリ液の混合量の制御
はオーバーフロー量を制御することにより、オーバーフ
ロー量の制御は導入する給水の水量をアルカリ液調節弁
19で制御することによって達成される。
【0026】なお、ここで使用されている強アルカリと
云う用語は、上記NaOHやCa(OH)のように水
溶液中の電離度が大きい塩基を意味するのは勿論である
が、本発明ではNaCOやCaCOのように窒素酸
化物(NO)や硫黄酸化物(SO)由来の強酸と混
合するとCOを遊離して容易に中和反応する塩基性化
合物、CaOやMgOのように水と容易に反応して強ア
ルカリ性のCa(OH)やMg(OH)を生じる化
合物、溶解度一定である限りこれらの混合物も包含す
る。
【0027】本発明に係る燃焼装置について別の実施形
態を図2に基づいて説明する。図2は本発明に係るドレ
ン中和装置10を小型化し、潜熱回収用熱交換器4を有
する燃焼装置で発生するドレンを、この燃焼装置内で中
和処理して排出するように構成した一実施形態を示す要
部断面図である。この燃焼装置は、図7に例示する従来
の潜熱回収熱交換型給湯器の中和器9に代えて、取り外
し交換できるようにしたカセット式アルカリ液タンク1
6と、強アルカリ液の混合量をデューティ制御する電磁
弁であるアルカリ液調節弁19と、強アルカリ液とドレ
ンを混合するアルカリ液混合器11と、燃焼器制御装置
20の一部分である中和制御部24とからなるドレン中
和装置10を内蔵している。
【0028】汎用されている8号給湯器にアルミニウム
製の潜熱回収用熱交換器を装備している場合を例にとっ
て説明すると、発生するドレンのPHは約4であり、ド
レンの液量は毎時約1リットル程度である。業務用給湯
器について保証時間とされている10,000時間を例
にとって、この期間に発生する水素イオンの量を計算す
ると、数式1の通り1molとなる。従って濃度1mo
l/Lの例えばNaOH水溶液を僅か1リットル用意す
れば中和できることになる。
【0029】
【数1】0.0001(mol/L)×1(L/hr)
×10,000(hr)=1(mol)
【0030】図2の実施形態は、中和剤として強アルカ
リ液を使用することにより必要となる少混合量の精確な
制御手段を導入することによって具体化したものであ
る。カセット式アルカリ液タンク16の容量は、強アル
カリ水溶液として1mol/Lの例えば工業用カセイソ
ーダ液を1−1.2リットル程度収容できれば良い。タ
ンクには液位計18を備え、アルカリ液が無くなると警
告表示を出すようにすると便利である。中和制御部24
及びアルカリ液調節弁19の動作については前記図1に
示した実施形態の場合と同様であるが、図2の実施形態
においては、アルカリ液調節弁19は直接に強アルカリ
液の流量を制御している。
【0031】実施形態に関する上記説明は燃焼継続中の
負荷変動に対応した制御を中心にしたものであるが、燃
焼装置の起動、停止操作と本発明に係る制御手段の動作
との関係については、図5に従って説明する。図5は起
動、停止操作を含む制御手順の概略を示すフローチャー
トである。前記図1の給湯量調整弁15が開かれると運
転スイッチ(図1には図示せず)がオンとなり、ガス遮
断電磁弁が開き、イグナイタ(図1には図示せず)が作
動してバーナ1が点火され、着火に失敗すると点火制御
回路が働いて停止処理を行う。この操作を図5の上段に
示している。
【0032】燃焼器制御装置20は、各センサからの情
報を受けてこのような運転状態を自己認識する機能を備
えており、自己認識されたデータに基づいて、フレーム
ロッド電極(図1には図示せず)からの火炎検出情報を
受けて燃焼量比例制御の演算を開始する。フィードフォ
ワード演算部21及びフィードバック演算部22におい
て算出されたフィードフォワード量及びフィードバック
量に基づいて、燃焼量制御部23においてガス比例弁2
の開度が決定され、同部23から開弁駆動指令が発信さ
れる。また同部23からの情報により燃焼空気制御部3
1において燃焼空気の比率が演算され、これに基づきフ
ァン8の回転数が決定され、回転駆動指令が発信され
る。例えば32号乃至50号給湯器のように燃焼能力が
大型の燃焼装置の場合、バーナ1は幾つかに分割されて
おり、給湯量調整弁15の開度が小さく給湯量が少量の
場合にはガス燃焼量が少ないので、安定火炎を維持する
ために、分割されたバーナの或る部分のみが点火され
る。給湯量が多い場合はバーナ切り替え弁(図1には図
示せず)がオン・オフ作動し、分割されたバーナの末点
火の部分が点火される。この操作を図5の中段に示して
いる。
【0033】フィードフォワード演算部21が演算を開
始すると、中和制御部24はフィードフォワード量の情
報を受けて所要アルカリ量の演算を行い、アルカリ液調
節弁19の開度を決定し、開弁駆動指令が発信され、強
アルカリ液混合量が制御される。この操作を図5の下段
に示している。燃焼が継続されるとこの制御手順が繰り
返される。給湯量調整弁15が閉じられると、図5の最
下段に示すように安全装置が作動しバーナ1が消火し、
即時停止処理が行われると共に、前記の時間遅れを経過
した後、アルカリ液調節弁19が閉じられる。
【0034】
【発明の効果】本発明に係るドレン中和装置は中和剤の
所要量が極く少量であるので、家庭用潜熱回収型給湯器
等の小型燃焼装置に内蔵することができる。また本発明
に係る中和装置はドレン量の激しい変動に良く対応でき
るので大型化に適しており、本発明のドレン中和装置付
き潜熱回収型給湯器は業務用として、大型燃焼能力が必
要なスポーツセンター、レストラン、理容院、美容院等
において使用できる。出湯量を頻繁に大きく変動させて
もリアルタイムの中和処理が行われるので、水質汚染や
建造物劣化等の被害が防止される。しかも中和に汎用の
工業用アルカリ水溶液を使用できるので、中和処理のコ
ストが安価である。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃焼装置の一実施形態を示す工程
系統図である。
【図2】本発明に係る燃焼装置の別の実施形態を示す要
部断面図である。
【図3】本発明に係る制御手段を説明するブロック図で
ある。
【図4】本発明に係る別の制御手段を説明するブロック
図である。
【図5】本発明に係る制御手段の制御手順を説明するフ
ローチャートである。
【図6a】 本発明に係る燃焼量制御部に与えられるガ
ス比例弁能力特性を説明する線図である。
【図6b】 本発明に係る中和制御部に与えられる中和
当量及びアルカリ液調節弁特性を説明する線図である。
【図7】 従来の中和器付き潜熱回収型燃焼装置の説明
図である。
【符号の説明】
1・・・・バーナ 2・・・・ガス比例弁 3・・・・第1段熱交換器 4・・・・第2段熱交換器 5・・・・水滴 6・・・・受け皿 7・・・・ドレン管 8・・・・ファン 9・・・・中和器 10・・・ドレン中和装置 11・・・アルカリ液混合器 12・・・入水流量センサ 13・・・入水温度センサ 14・・・出湯温度センサ 15・・・給湯量調整弁 16・・・アルカリ液タンク 17・・・リモコン 18・・・液位計 19・・・アルカリ液調節弁 20・・・燃焼器制御装置 21・・・フィードフォワード演算部 22・・・フィードバック演算部 23・・・燃焼量制御部 24・・・中和制御部 27・・・データ入力部 28・・・補正データ記憶部 29・・・フィードフォワード量補正部 31・・・燃焼空気制御部 32・・・風量センサ 33・・・ファン回転数検出センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F24H 9/00 F24H 9/00 B (72)発明者 越水 大介 神奈川県横浜市神奈川区白幡上町38−37− 102 Fターム(参考) 3L034 BA26 BB03 3L036 AA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜熱回収用熱交換器を備えたガス燃焼装
    置であって、該潜熱回収用熱交換器において発生する排
    ガスドレンと強アルカリ水溶液とを混合して排出する手
    段、強アルカリ水溶液の混合をドレンの発生状況に対応
    して制御する手段、及び該強アルカリ水溶液を貯留する
    手段からなるドレン中和装置を備えていることを特徴と
    する燃焼装置。
  2. 【請求項2】 前記強アルカリ水溶液の混合を制御する
    手段は、入水温度センサ及び入水流量センサからの情報
    を受けて所要熱量に係るフィードフォワード量を算出す
    るフィードフォワード演算部と、出湯温度センサからの
    情報を受けて出湯温度の現在値と設定値との偏差を修正
    する増減分の熱量をフィードバック量として算出するフ
    ィードバック演算部と、前記フィードフォワード量とフ
    ィードバック量とを加算してガス供給量を比例制御する
    燃焼制御部とからなる燃焼器制御装置において、前記フ
    ィードフォワード量を用いてアルカリ液混合量に係る所
    要量を演算すると共に所定の時間遅れを加えた時点にお
    ける所要量を算出してアルカリ液混合量を制御する中和
    制御部が設けられていること、を特徴とする請求項1記
    載の燃焼装置。
  3. 【請求項3】 前記強アルカリ水溶液の混合を制御する
    手段は、入水温度センサ及び入水流量センサからの情報
    を受けて所要熱量に係るフィードフォワード量を算出す
    るフィードフォワード演算部と、入水温度センサ及び入
    水流量センサ並びに出湯温度センサへの外部入力による
    補正データを記憶する補正データ記憶部と、該補正デー
    タ記憶部に記憶されている補正データを用いてフィード
    フォワード量の補正値を求めて前記フィードフォワード
    量を補正するフィードフォワード量補正部と、出湯温度
    センサからの情報を受けて出湯温度の現在値と設定値と
    の偏差を修正する増減分の熱量をフィードバック量とし
    て算出するフィードバック演算部と、前記補正されたフ
    ィードフォワード量とフィードバック量とを加算してガ
    ス供給量を比例制御する燃焼制御部とからなる燃焼器制
    御装置において、前記補正されたフィードフォワード量
    を用いてアルカリ液混合量に係る所要量を演算すると共
    に所定の時間遅れを加えた時点における所要量を算出し
    てアルカリ液混合量を制御する中和制御部が設けられて
    いること、を特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
  4. 【請求項4】 前記中和制御部は、前記燃焼量制御装置
    に設けられた燃焼空気制御部からの燃料ガスと燃焼空気
    との比率に係る情報を用いてアルカリ液混合量を補正す
    る演算機能を備えていること、を特徴とする請求項2ま
    たは3記載の燃焼装置。
  5. 【請求項5】 前記中和制御部は、前記燃焼量制御装置
    に設けられた燃焼空気制御部からの燃料ガスと燃焼空気
    との比率に係る情報及び入水温度と火炎温度との温度差
    に係る情報を用いてアルカリ液混合量を補正する演算機
    能を備えていること、を特徴とする請求項2、3または
    4記載の燃焼装置。
  6. 【請求項6】 前記潜熱回収用熱交換器を備えたガス燃
    焼装置は、天然ガス、メタンハイドレートから分離して
    得た可燃ガス、液化石油ガス若しくは都市ガスを燃焼す
    る給湯器である請求項1、2、3、4または5記載の燃
    焼装置。
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