JP2000309575A - 新規ヒダントイン誘導体およびその製造法 - Google Patents

新規ヒダントイン誘導体およびその製造法

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JP2000309575A
JP2000309575A JP11120780A JP12078099A JP2000309575A JP 2000309575 A JP2000309575 A JP 2000309575A JP 11120780 A JP11120780 A JP 11120780A JP 12078099 A JP12078099 A JP 12078099A JP 2000309575 A JP2000309575 A JP 2000309575A
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carbon atoms
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JP11120780A
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Toru Yamano
徹 山野
Mitsuru Kawada
満 川田
Yu Momose
百瀬  祐
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学活性5-フェニル-2-ヒドロキシ吉草酸類
を製造するために重要な合成中間体である新規ヒダント
イン誘導体を提供する。 【解決手段】 【化1】 (式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を
示す。)で表される化合物またはその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規ヒダントイン
誘導体およびその製造法に関するものである。本発明化
合物は、更に光学活性5-フェニル-2-ヒドロキシ吉草
酸類に誘導され、血糖および血中脂質低下作用を有する
光学活性2,4-オキサゾリジンジオン誘導体の合成原料
として供することができる。また、新規ヒダントイン誘
導体は、医薬、農薬、動物薬、商業用化学物質、その他
の化学製品の合成中間体としても有用なものとして供す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】光学活性2,4-オキサゾリジンジオン誘
導体は、血糖および血中脂質低下作用を有する化合物で
あることが既に特開平9-194467号公報に報告さ
れており、公知化合物である。この光学活性2,4-オキ
サゾリジンジオン誘導体は、光学活性5-フェニル-2-
ヒドロキシ吉草酸類を経由して製造される。当該光学活
性5-フェニル-2-ヒドロキシ吉草酸類の製造法として
は、特開平9-194467号公報にリパーゼによる光
学分割を用いる方法が報告されている。また、特開平1
0-120621号公報および特開平10-120622
号公報には、不斉還元を用いて、光学活性5-フェニル-
2-ヒドロキシ吉草酸類を製造する方法が報告されてい
る。ケトエステルの還元反応によるパン酵母を用いた製
造方法は、特開平10-84987号公報に報告されて
いる。さらに、関連化合物である光学活性2-ハロゲノ-
4-フェニル酪酸誘導体の製造法としては、ラセミ体の
ヒダントイン誘導体を酵素化学的に不斉加水分解し、ジ
アゾ化、ハロゲノ化する方法が知られている(特公平8
-9569号公報)。同種のヒダントイナーゼを用いた
反応が、醗酵工学,61,139(1983)に報告され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の公知技術に照ら
しても、工業的に応用可能な光学活性5-フェニル-2−
ヒドロキシ吉草酸類の製造法は知られていない。従っ
て、工業化の見地から、より安価な、また環境にも配慮
した光学活性5−フェニル-2-ヒドロキシ吉草酸類の製
造法の開発が望まれている。本発明においては、該光学
活性5-フェニル-2-ヒドロキシ吉草酸類を製造するた
めに重要な合成中間体である新規ヒダントイン誘導体を
提供するのが目的である。また、医薬、農薬、動物薬、
商業用化学物質、その他の化学製品の合成中間体として
も有用な新規ヒダントイン誘導体を提供することも目的
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、α,β-不
飽和アルデヒド誘導体とヒダントインまたはヒダントイ
ン誘導体とを縮合してジエン誘導体を製造し、更にこれ
を還元することにより新規ヒダントイン誘導体を得るこ
とを知見し、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、 (1)式:
【化4】 (式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を
示す。)で表される化合物またはその塩; (2)環Aが、無置換または少なくとも一つの電子吸引
基で置換されているベンゼン環である前項1記載の化合
物; (3)環Aの3位置換基が水素またはアルコキシ基であ
り、4位置換基が置換されていてもよいスルフォニルオ
キシ基である前項1記載の化合物; (4)式:
【化5】 (式中、Xは水素または塩素を示し、波線は幾何異性体
を含むことを示し、環Aは前記と同意義を示す。)で表
されるジエン誘導体またはその塩を還元することを特徴
とする式:
【化6】 (式中、記号は前記と同意義を示す。)で表される化合
物またはその塩の製造法;等である。上記化合物(VI
I)および(VIII)における環Aは置換されていてもよ
いベンゼン環である。該置換基はベンゼン環上に0ない
し5個有していてもよい。好ましくは置換可能な任意の
位置に1個ないし2個の置換基を有するベンゼン環であ
る。該置換基としては、置換されていてもよい炭化水素
基、置換されていてもよい複素環基、ハロゲン原子、ニ
トロ基、シアノ基、置換されていてもよい水酸基、置換
されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアシ
ル基、置換されていてもよいチオール基、エステル化さ
れていてもよいカルボキシル基等が挙げられる。これら
は複数個同時に存在してもよい。
【0005】該炭化水素基としては、例えば脂肪族炭化
水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂
肪族炭化水素基が挙げられる。該脂肪族炭化水素基とし
ては、炭素数1から15の直鎖状あるいは分岐鎖状の脂
肪族炭化水素基、例えば、炭素数1から10のアルキル
基、炭素数2から10のアルケニル基、炭素数2から1
0のアルキニル基が挙げられる。アルキル基の好ましい
例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブ
チルなどが挙げられる。アルケニル基の好ましい例とし
ては、例えば、ビニル、アリル(allyl)、イソプロペニ
ル、1-プロペニル等が挙げられる。アルキニル基の好ま
しい例としては、例えば、エチニル、2−プロピニル、
3−ブチニル等が挙げられる。脂環式炭化水素基として
は、炭素数3から12の飽和あるいは不飽和の脂環式炭
化水素基、例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル
基、シクロアルカジエニル基等が挙げられる。シクロア
ルキル基の好適な例としては、例えばシクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシ
クロ[2.2.2]オクチル等が挙げられる。シクロアルケ
ニル基の好適な例としては、例えば2-シクロペンテン-
1-イル、2-シクロヘキセン-1-イル、シクロアルカジ
エニル基の好適な例としては2,4-シクロヘプタジエニル
等が挙げられる。該芳香族炭化水素基としては、炭素数
6から16の単環式あるいは縮合多環式芳香族炭化水素
が挙げられる。その好適な例としては、例えばフェニ
ル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等のアリー
ル(aryl)基が挙げられる。該芳香脂肪族炭化水素基と
しては、炭素数7〜9のフェニルアルキル、例えばベン
ジル、フェネチル、1-フェニルエチル、3-フェニルプ
ロピルが、炭素数11〜13のナフチルアルキル、例え
ばα―ナフチルメチル、α―ナフチルエチル等が挙げら
れる。
【0006】該炭化水素基の置換基としては、例えば、
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル
基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜7のシク
ロアルキル基、フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜1
0のアリール基、ベンジルなどの炭素数7〜11のアラ
ルキル基、1〜2個の炭素数1〜6のアルキル基で置換
されていてもよいアミノ基、アミジノ基、炭素数2〜8
のアシル基、1〜2個の炭素数1〜6のアルキル基で置
換されていてもよいカルバモイル基、1〜2個の炭素数
1〜6のアルキル基で置換されていてもよいスルファモ
イル基、カルボキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカ
ルボニル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルコキシ
基、炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、炭素数3〜7
のシクロアルキルオキシ基、炭素数7〜11のアラルキ
ルオキシ基、フェニルオキシ、ナフチルオキシなどの炭
素数6〜10のアリールオキシ基、メルカプト基、炭素
数1〜4のアルキルチオ基、炭素数7〜11のアラルキ
ルチオ基、フェニルチオなどの炭素数6〜10のアリー
ルチオ基、スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、
ニトロソ基、フッ素、塩素、臭素、沃素などのハロゲ
ン、置換基を有していてもよい複素環基、例えば置換基
を有していてもよいチエニル、置換基を有していてもよ
いフリル、置換基を有していてもよいピロリジノ、置換
基を有していてもよいオキサゾリル、置換基を有してい
てもよいチアゾリルなどの複素環基が挙げられる。該複
素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭
素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル
基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜7のシク
ロアルキル基、フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜1
0のアリール基、ベンジルなどの炭素数7〜11のアラ
ルキル基、フリル、ピロリジノ、オキサゾリル、チアゾ
リルなどの複素環基が挙げられる。環Aで示されるベン
ゼン環が置換基として有していてもよい複素環基として
は、硫黄原子、窒素原子または/および酸素原子を少な
くとも1個有する単環または縮合環の複素環である。例
えば1個の硫黄原子、窒素原子または酸素原子を含む5
〜7員複素環基、2〜4個の窒素原子を含む5〜6員複
素環基、1〜2個の窒素原子および1個の硫黄または酸
素原子を含む5〜6員複素環基が挙げられる。これらの
複素環は2個以下の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環
または1個の硫黄原子を含む5員環と縮合していてもよ
い。このような複素環基の具体的な例としては、例え
ば、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジ
ニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、6-ピリミジニ
ル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピラジニル、
2-ピロリル、3-ピロリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾ
リル、5-イミダゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、
イソチアゾリル、イソオキサゾリル、2-チアゾリル、4-
チアゾリル、5-チアゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサ
ゾリル、5-オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾール−5-
イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル、1,2,3-トリアゾー
ル-4-イル、テトラゾール-5-イル、ベンズイミダゾール
-2-イル、インドール-3-イル、1H-インダゾール-3-イ
ル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル、1H-ピロロ[2,3
-b]ピリジン-6-イル、1H-ピロロ[4,5-b]ピリジン-2-イ
ル、1H-ピロロ[4,5-c]ピリジン-2-イル等が挙げられ
る。該複素環基の置換基としては、前記の炭化水素基の
置換基と同様のものが挙げられる。該ハロゲン原子とし
ては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。と
りわけフッ素、塩素が好ましい。
【0007】前記置換されていてもよい水酸基として
は、水酸基、置換されていてもよいスルホニルオキシ基
(R3SO2O-)、有機酸カルボニルオキシ基(R4CO2-)、
式R9O-で表される基等が挙げられる。置換されていても
よいスルホニルオキシ基(R3SO2O-)および有機酸カル
ボニルオキシ基(R4CO2-)のR3およびR4としては、ア
ルキル基(例:メチル、エチル、n-, i-プロピル基等の
1-6アルキル基)、芳香族基(例:メチル、エチル、n
-, i-プロピル基等のC1-6アルキル基やニトロ基等によ
って置換されていてもよいフェニル基)等が挙げられ
る。置換されていてもよいスルホニルオキシ基の具体例
としては、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニ
ルオキシ基などのアルキルスルホニルオキシ基、フェニ
ルスルホニルオキシ基、トリルスルホニルオキシ基、ニ
トロフェニルスルホニルオキシ基などの芳香族スルホニ
ルオキシ基等が挙げられる。式R9O-で表される基におけ
るR9としては、前記の置換されていてもよい炭化水素
基、置換されていてもよい複素環基等が挙げられる。該
置換されていてもよいアミノ基としては、無置換のアミ
ノ基の他、炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10
のアルケニル、炭素数2〜10のアルキニル、炭素数3
〜8のシクロアルキル、炭素数1〜10のアシル(好ま
しくはホルミル、C2-5アルカノイル、ベンゾイル等)
または芳香族基(好ましくは、C6-10アリール基等)が
1個あるいは2個アミノ基 (NH2)に置換したもの等であ
る。その例としては、例えばメチルアミノ、ジメチルア
ミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミ
ノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシルアミノ、アセチル
アミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェ
ニルアミノ等が挙げられる。
【0008】該置換されていてもよいアシル基として
は、無置換のアシルおよび置換されたアシルが挙げられ
る。該無置換のアシルとしては,例えばホルミル、およ
び炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10のアルケ
ニル、炭素数2〜10のアルキニル、炭素数3〜8のシ
クロアルキル、炭素数6〜12の芳香族等(好ましくは
6-10アリール、ピリジル等)とカルボニル基の結合し
たもの等である。その例としては,例えばアセチル、プ
ロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、ヘ
キサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、シクロブタ
ンカルボニル、クロトニル、ベンゾイル、ニコチノイル
等が挙げられる。置換されたアシルとしては、例えば上
記無置換のアシル基に、例えば炭素数1〜3のアルコキ
シ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノなどが置換
したもの等が挙げられる。該置換されていてもよいチオ
ール基としては、無置換のチオール基および置換された
チオール基がある。置換されたチオールの例としては,
置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよ
いアラルキル基、置換されていてもよいアシル基で置換
されたもの等が挙げられる。該アルキル基の置換基とし
ては、前記の炭化水素基の置換基と同様のものが挙げら
れる。該アラルキル基の置換基としては、前記の炭化水
素基の置換基と同様のものが挙げられる。該アシル基の
置換基としては、前記の炭化水素基の置換基と同様のも
のが挙げられる。
【0009】置換されていてもよいアルキル基で置換さ
れた例として,炭素数1〜10のアルキルチオ基,例えば
メチルチオ,エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、
イソブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げ
られる。置換されていてもよいアラルキル基で置換され
た例として、炭素数7〜15のアラルキルチオ基、例え
ばベンジルチオ、フェネチルチオなどが挙げられる。置
換されていてもよいアシル基で置換された例として、炭
素数2〜10のアルカノイルチオ基、例えばアセチルチ
オ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチ
オ等が挙げられる。該エステル化されていてもよいカル
ボキシル基としては、無置換のカルボキシル基とエステ
ル化されたカルボキシル基がある。エステル化されたカ
ルボキシル基としては、例えば置換されていてもよいア
ルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアラルキ
ルオキシカルボニル基、置換されていてもよいアリール
オキシカルボニル基等が挙げられる。該置換されていて
もよいアルコキシカルボニル基の置換基としては、前記
の炭化水素基の置換基と同様のものが挙げられる。該置
換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基の置
換基としては、前記の炭化水素基の置換基と同様のもの
が挙げられる。該置換されていてもよいアリールオキシ
カルボニル基の置換基としては、前記の炭化水素基の置
換基と同様のものが挙げられる。該置換されていてもよ
いアルコキシカルボニル基の例としては、炭素数2〜1
0のアルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブト
キシカルボニル等が挙げられる。該置換されていてもよ
いアラルキルオキシカルボニル基の例としては、炭素数
8〜15のアラルキルオキシカルボニル基、例えばベン
ジルオキシカルボニル等が挙げられる。該置換されてい
てもよいアリールオキシカルボニル基の例としては、炭
素数7〜15のアリールオキシカルボニル基、例えばフ
ェニルオキシカルボニル、p-トリルオキシカルボニル等
が挙げられる。これらのうち好ましい環Aの置換基とし
ては、置換されていてもよい水酸基である。とりわけ、
有機スルホニルオキシ基が好ましい。また、後述の化合
物(IX)から化合物(X)を製造する反応において、反
応を阻害しないものであればよい。該水酸基の置換基は
フェノール性水酸基の保護基であることが望ましく、弱
アルカリ条件下でのヒダントイナーゼ処理、さらには強
酸性条件下でのジアゾ化反応に対して安定であることが
必須である。
【0010】このような条件を満たすためには、環Aの
置換基としては、少なくとも一つは電子吸引基である化
合物が好ましい。このような電子吸引基としては、前述
の置換基のうち、置換されていてもよいスルホニルオキ
シ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられ
る。また、環Aの3位置換基が水素または前記の式R9O-
で表される基であり、4位置換基が置換されていてもよ
いスルホニルオキシ基である化合物が好ましい。好まし
い電子吸引基としては、例えば、トシル基、メシル基、
ベンゼンスルホニル基、ニトロベンゼンスルホニル(ノ
シル)基等が挙げられる。他の置換基が更にベンゼン環
に置換していても、このような電子吸引基がベンゼン環
に置換していることによって、ジアゾ化反応およびその
条件に対してベンゼン環を安定化させればよい。また、
化合物(VII)は幾何異性体化合物であり、E体・Z体が
含まれる。いずれか一方でもよく、また、それらの混合
物でもよい。前記の化合物(VII)を還元反応に付すこと
により化合物(VIII)を合成する反応は常法にしたがい、
溶媒中、触媒の存在下に1〜200気圧の水素雰囲気下
で行われる。該溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチ
ルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランな
どのエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステ
ル類、クロロホルム、ジクロロメタン、エチレンジクロ
ライド、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、N,N-
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸、
アセトニトリル、水などが挙げられる。好ましくは、メ
タノールあるいは酢酸エチルである。溶媒の使用量は、
化合物(VII)に対して1〜1000倍(v/w)、好ましくは
1〜100倍(v/w)である。触媒としては、ニッケルな
どの金属、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウムな
どの遷移金属触媒を挙げることができる。これらは活性
炭やアルミナに担持されていても差し支えない。好まし
くは、活性炭に担持されたパラジウムである。その使用
量は、化合物(VII)に対して0.01〜10倍(w/w)、好
ましくは0.05〜1倍(w/w)である。
【0011】本反応は、0〜100℃、好ましくは10
〜50℃にて、0.5〜50時間、好ましくは1〜10時
間かけて行われる。このようにして得られる化合物(VII
I)は、自体公知の分離精製手段、例えば濃縮、溶媒抽
出、晶出、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離す
る事ができる。前記反応の出発物質である化合物(VI
I)は以下のような方法により合成することができる。
まず、次の反応式1に従って、化合物(I)から化合物
(II-Cl)を得る。
【化7】 (式中、環Aは置換されていてもよいベンゼン環であ
る。)この反応では、化合物(I)をビルスマイヤー(Vi
lsmeier)反応に付すことにより、化合物(II-Cl)を
得る。この反応は、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩
化スルフリル、ホスゲン、オキサリルクロリド等から選
ばれる少なくとも一種と、ジメチルホルムアミド、N-
メチルホルムアミド等から選ばれる少なくとも一種を反
応させることで行なわれる。好ましくは、それぞれ、オ
キシ塩化リンおよびジメチルホルムアミドである。好ま
しい組合せは、オキシ塩化リンとジメチルホルムアミド
である。オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフリ
ル、ホスゲン、オキサリルクロリド等から選ばれる少な
くとも一種の使用量は化合物(I)に対して1〜10モ
ル等量、好ましくは1〜5モル等量である。ジメチルホ
ルムアミド、N-メチルホルムアミド等から選ばれる少
なくとも一種の使用量は、化合物(I)に対して1〜5
0倍(v/w)、好ましくは1〜10倍(v/w)である。本反応
は、0〜100℃、好ましくは0〜30℃にて、0.5
〜50時間、好ましくは5〜20時間かけて行われる。
化合物(II-Cl)は、アルデヒドに隣接する二重結合
に関して幾何異性体の混合物(E),(Z)-体として得られる
こともある。このようにして得られる化合物(II-C
l)は、自体公知の分離精製手段、例えば濃縮、溶媒抽
出、晶出、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離す
る事ができる。なお、化合物(I)は、市場で入手可能
な化合物、あるいは市場で入手可能な化合物を原料にし
て自体公知の製造方法によって製造することができる化
合物である。好ましい具体例としては、例えば、3-メト
キシ-4-メタンスルホニルオキシアセトフェノン、3-メ
トキシ-4-トルエンスルホニルオキシアセトフェノン、3
-メトキシ-4-(4-ニトロベンゼンスルホニルオキシ)アセ
トフェノン、4-メタンスルホニルオキシアセトフェノ
ン、4-トルエンスルホニルオキシアセトフェノン等が挙
げられる。
【0012】また、化合物(II-Cl)の塩素が水素で置
換された化合物(II-H)は次の反応式2、反応式3およ
び反応式4に従って合成される。次の反応式2:
【化8】 (式中、R5、R6、R7、R8およびR1はそれぞれ独立
して、置換されていてもよい炭化水素基を示し、またY
はハロゲン原子を示し、他の記号は前記と同意義であ
る。)に従い、化合物(III)と酢酸ホスホネート誘導体
あるいは酢酸ホスホニウム誘導体を反応させることによ
り、化合物(IV)を製造する。該反応は塩基の存在下、
適宜溶媒中で行われる。なお、化合物(III)は、市場で
入手可能であり、また自体公知の製造方法によっても製
造することができる。該溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類、クロロホルム、ジクロロメタン、エチレンジクロ
ライド、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、N,N-
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙
げられる。好ましくは、テトラヒドロフランあるいはN,
N-ジメチルホルムアミドである。溶媒の使用量は、化合
物(III)に対して1〜50倍(v/w)、好ましくは1〜1
0倍(v/w)である。該塩基としては、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコ
キシド類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩
基類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ金属水酸化物類、水素化ナトリウム、水素化カリウム
などのアルカリ金属水素化物、酢酸ナトリウムなどのア
ルカリ金属カルボン酸塩類、ピペリジン、ピペラジン、
ピロリジン、モルホリン、ジエチルアミンなどの2級ア
ミン類、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどのピリ
ジン類が挙げられる。
【0013】上記反応式2の酢酸ホスホネート誘導体あ
るいは酢酸ホスホニウム誘導体におけるR5、R6
7、R8は、置換されていてもよい炭化水素基である。
該炭化水素基としては、例えば脂肪族炭化水素基、脂環
式炭化水素基、アリール基等が挙げられる。該脂肪族炭
化水素基としては、炭素数1から15の直鎖状あるいは
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、例えば、炭素数1から1
0のアルキル基、炭素数2から10のアルケニル基、炭
素数2から10のアルキニル基が挙げられる。アルキル
基の好ましい例としては、例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチ
ル、tert-ブチルなどが挙げられる。アルケニル基の好
ましい例としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロ
ペニル、1−プロペニル等が挙げられる。アルキニル基
の好ましい例としては、例えば、エチニル、2−プロピ
ニル、3−ブチニルなどが挙げられる。脂環式炭化水素
基としては、炭素数3から12の飽和あるいは不飽和の
脂環式炭化水素基、例えばシクロアルキル基、シクロア
ルケニル基、シクロアルカジエニル基等が挙げらあれ
る。シクロアルキル基の好適な例としては、例えばシク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル等が挙げられる。シ
クロアルケニル基の好適な例としては、例えば2−シク
ロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル
等が挙げられる。該アリール基としては、単環式あるい
は縮合多環式芳香族炭化水素が挙げられる。その好適な
例としては、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、
フェナントリル等が挙げられる。とりわけ好ましくは、
5およびR6およびR8は、メチル基あるいはエチル基
である。また、R7は、フェニル基である。これらR5
よびR6は同一であっても、それぞれ異なっていてもよ
い。
【0014】該炭化水素基の置換基としては、例えば、
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル
基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜7のシク
ロアルキル基、フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜1
0のアリール基、ベンジルなどの炭素数7〜11のアラ
ルキル基、炭素数2〜8のアシル基、炭素数2〜8のア
ルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、
炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、炭素数3〜7のシ
クロアルキルオキシ基、炭素数7〜11のアラルキルオ
キシ基、フェニルオキシ、ナフチルオキシなどの炭素数
6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜4のアルキル
チオ基、炭素数7〜11のアラルキルチオ基、フェニル
チオなどの炭素数6〜10のアリールチオ基、スルホ
基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、フッ
素、塩素、臭素、沃素などのハロゲン、置換基を有して
いてもよい複素環、例えば置換基を有していてもよいチ
エニル、置換基を有していてもよいフリル、置換基を有
していてもよいピロリジノ、置換基を有していてもよい
オキサゾリル、置換基を有していてもよいチアゾリルな
どの複素環基が挙げられる。該複素環基が有していても
よい置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアル
キニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、フェニ
ル、ナフチルなどの炭素数6〜10のアリール基、ベン
ジルなどの炭素数7〜11のアラルキル基、フリル、ピ
ロリジノ、オキサゾリル、チアゾリルなどの複素環が挙
げられる。化合物(IX)のR1は、反応式2において酢
酸ホスホネート誘導体あるいは酢酸ホスホニウム誘導体
の置換基であるR6もしくはR8が対応する。Yはハロゲ
ン原子を表し、具体的にはフッ素、塩素、臭素、沃素等
である。好ましくは塩素あるいは臭素である。
【0015】これら塩基の使用量は、化合物(III)に対
して、1〜5モル等量が好ましい。酢酸ホスホネート誘
導体あるいは酢酸ホスホニウム誘導体の使用量は、化合
物(III)に対して、1〜5モル等量、好ましくは1〜3
モル等量である。本反応は、通常、-20〜100℃、
好ましくは0〜100℃にて、0.5〜50時間、好ま
しくは0.5〜24時間かけて行われる。化合物(IV)
は、エステルに隣接する二重結合に関して幾何異性体の
混合物(E),(Z)-体として得られることもある。このよう
にして得られる化合物(IV)は、自体公知の分離精製手
段、例えば濃縮、溶媒抽出、晶出、転溶、クロマトグラ
フィーなどにより単離する事ができる。続く反応は次の
反応式3:
【化9】 (式中、記号は前記と同意義である。)にしたがって行
われる。化合物(V)は、化合物(IV)を還元することによ
り製造することができる。該反応は、自体公知の方法に
より行うことができる。還元剤としては、例えば水素化
ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素
化ジイソプロピルアルミニウム、水素化硼素ナトリウム
などの金属水素化物、ジボランなどが挙げられる。該溶
媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、ブチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロ
ロメタン、エチレンジクロライド、四塩化炭素などのハ
ロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これら還元剤の使
用量は、化合物(IV)に対して、0.25〜10モル等量
が好ましい。本反応は、通常、-20〜100℃、好ま
しくは0〜100℃にて、0.5〜50時間、好ましく
は0.5〜24時間かけて行われる。化合物(V)は、ヒド
ロキシメチル基に隣接する二重結合に関して幾何異性体
の混合物(E),(Z)-体として得られることもある。このよ
うにして得られる化合物(V)は、自体公知の分離精製手
段、例えば濃縮、溶媒抽出、晶出、転溶、クロマトグラ
フィーなどにより単離する事ができる。
【0016】更に、次の反応式4:
【化10】 (式中、各記号は前記と同意義である)にしたがって、
化合物(V)を酸化することにより化合物(II-H)が合成さ
れる。該反応は、自体公知の方法により行うことができ
る。酸化剤としては、例えば二酸化マンガン、クロム
酸、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、好ましくは二
酸化マンガンである。該溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類、クロロホルム、ジクロロメタン、エチレンジクロ
ライド、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ジメ
チルスルホキシド等が挙げられる。本反応は、通常、-
20〜100℃、好ましくは0〜50℃にて、0.5〜
50時間、好ましくは0.5〜24時間かけて行われ
る。化合物(II-H)は、アルデヒドに隣接する二重結合に
関して幾何異性体の混合物(E),(Z)-体として得られるこ
ともある。このようにして得られる化合物(II-H)は、自
体公知の分離精製手段、例えば濃縮、溶媒抽出、晶出、
転溶、クロマトグラフィー等により単離する事ができ
る。
【0017】上記のようにして得られる化合物(II-C
L)および化合物(II-H)を併せて、化合物(II)と表
記する。次の反応式5:
【化11】 (式中、Xは水素または塩素を示し、R2は置換されて
いてもよい炭化水素基を示す。他の記号は前記と同意義
である。)にしたがって、化合物(II)から化合物(VI
I)が合成される。該反応は、化合物(II)とヒダントイン
あるいはリン酸エステル(VI)とを塩基の存在下で溶媒中
縮合させることにより行われる。リン酸エステル(VI)
は、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,
56巻,6897ページ、1991年に記載の方法に従
って、ヒダントインを臭素化し、次いで亜リン酸トリア
ルキルを反応させることにより製造される。 R2は、置
換されていてもよい炭化水素基である。該炭化水素基と
しては、例えば脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基が
挙げられる。該脂肪族炭化水素基としては、炭素数1か
ら15の直鎖状あるいは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、
例えば、炭素数1から10のアルキル基、炭素数2から
10のアルケニル基、炭素数2から10のアルキニル基
が挙げられる。アルキル基の好ましい例としては、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が挙げら
れる。アルケニル基の好ましい例としては、例えば、ビ
ニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル等が挙
げられる。アルキニル基の好ましい例としては、例え
ば、エチニル、2−プロピニル、3−ブチニル等が挙げ
られる。該脂環式炭化水素基としては、炭素数3から1
2の飽和あるいは不飽和の脂環式炭化水素基、例えばシ
クロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジ
エニル基等が挙げられる。シクロアルキル基の好適な例
としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.2.2]オクチ
ル等が挙げられる。シクロアルケニル基の好適な例とし
ては、例えば2−シクロペンテン−1−イル、2−シク
ロヘキセン−1−イル等が挙げられる。とりわけ好まし
くは、メチルあるいはエチルである。
【0018】該炭化水素基の置換基としては、例えば、
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル
基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数3〜7のシク
ロアルキル基、フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜1
0のアリール基、ベンジルなどの炭素数7〜11のアラ
ルキル基、炭素数2〜8のアシル基、炭素数2〜8のア
ルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、
炭素数2〜5のアルケニルオキシ基、炭素数3〜7のシ
クロアルキルオキシ基、炭素数7〜11のアラルキルオ
キシ基、フェニルオキシ、ナフチルオキシなどの炭素数
6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜4のアルキル
チオ基、炭素数7〜11のアラルキルチオ基、フェニル
チオなどの炭素数6〜10のアリールチオ基、スルホ
基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、フッ
素、塩素、臭素、沃素などのハロゲン、置換基を有して
いてもよい複素環、例えば置換基を有していてもよいチ
エニル、置換基を有していてもよいフリル、置換基を有
していてもよいピロリジノ、置換基を有していてもよい
オキサゾリル、置換基を有していてもよいチアゾリルな
どの複素環基が挙げられる。該複素環基が有していても
よい置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアル
キニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、フェニ
ル、ナフチルなどの炭素数6〜10のアリール基、ベン
ジルなどの炭素数7〜11のアラルキル基、フリル、ピ
ロリジノ、オキサゾリル、チアゾリルなどの複素環が挙
げられる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチ
ルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、
クロロホルム、ジクロロメタン、エチレンジクロライ
ド、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸等が挙
げられる。好ましくは、エタノールである。
【0019】該塩基としては、ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド
類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基類、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属
水酸化物類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの
アルカリ金属水素化物、酢酸ナトリウムなどのアルカリ
金属カルボン酸塩類、ピペリジン、ピペラジン、ピロリ
ジン、モルホリン、ジエチルアミンなどの2級アミン
類、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどのピリジン
類が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属アルコキシ
ド類であり、具体的にはナトリウムエトキシドである。
ヒダントインあるいは化合物(VI)の使用量は、化合物(I
I)に対して0.5〜10モル等量、好ましくは1〜5モ
ル等量である。塩基の使用量は、化合物(II)に対して
0.01〜5モル等量、好ましくは0.5〜2モル等量で
ある。溶媒の使用量は、化合物(II)に対して1〜100
倍(v/w)、好ましくは1〜10倍(v/w)である。本反応
は、0〜150℃、好ましくは10〜60℃にて、0.
5〜50時間、好ましくは2〜20時間かけて行われ
る。化合物(VII)は、ヒダントインに隣接する二つの二
重結合に関して四種類の幾何異性体の混合物(E,E),(E,
Z),(Z,E),(Z,Z)-体として得られることもある。このよ
うにして得られる化合物(VII)は、自体公知の分離精製
手段、例えば濃縮、溶媒抽出、晶出、転溶、クロマトグ
ラフィーなどにより単離する事ができる。上述のように
して、本発明製造法の出発物質(化合物(VII))を得
ることができる。
【0020】そして、本発明製造法である次の反応式
6:
【化12】 (式中、記号は前記と同意義である。)に従って、化合
物(VII)を還元反応に付すことにより本発明の新規ヒダ
ントイン誘導体(化合物(VIII))が合成される。本還元
反応は前記した条件に従って行なわれる。更に、この新
規ヒダントイン誘導体である化合物(VIII)は、次の反応
式7:
【化13】 (式中、*はキラル中心を示し、環Aは前記と同意義で
ある。)に従って、開環反応に付すことによって、化合
物(IX)に誘導される。開環反応の代表的な例として
は、弱アルカリ性条件下にヒダントイナーゼで加水分解
する方法が挙げられる。この反応において得られる化合
物(IX)はR体またはS体の立体構造を有する。目的と
する最終物の化学構造に合わせて、必要な方を製造す
る。場合によっては、ラセミ体であってもよいことがあ
る。化合物(IX)を更に後述の反応式8の反応に付し、
特開平9-194467号公報記載の光学活性2,4-オ
キサゾリジンジオン誘導体の合成中間体(光学活性5-
フェニル-2-ヒドロキシ吉草酸類)を得る場合にはR体
を得る。該ヒダントイナーゼとしては、目的とする物質
にR体の化合物(IX)が必要な場合には、R体を過剰に
産生するものが、またS体が必要な場合にはS体を過剰
に産生するものが、適宜選ばれ、特に限定されるもので
はない。このようなヒダントイナーゼは市販のものでよ
く、微生物由来、植物由来のものが挙げられる。例え
ば、市販のD-ヒダントイナーゼ、例えばロシュ・ダイア
グノスティック社製のD-Hyd1 (Cat.-No. 1 582 194, 組
み替えE. coli由来) あるいはシグマ アルドリッチ社
製のD-Hydantoinase (Product No. H 4028, 小豆由来)
等が挙げられる。さらに、植物、特に小豆、ささげ豆、
ピーナッツ、アオイ豆、インゲン豆などの豆類の抽出液
あるいはその乾固物も用いることができる。また、アル
スロバクター・クリスタロポイエステ等の微生物の培養
液あるいはその処理物等も用いられる。これら培養液
は、通常の培養方法、すなわち菌体をコーンスティープ
リカー、酵母エキス、リン酸カリウム、硫酸マグネシウ
ムを含む培地中にて振とうするなどして行われるが、尿
素の添加によりさらに有利に行える。
【0021】これらヒダントイナーゼは担体に固定化さ
れていても差し支えがない。ヒダントイナーゼの使用量
としては、その含量、力価によって大きく異なるので特
に限定しないが、化合物(VIII)に対して0.1〜50倍
重量、好ましくは0.5〜10倍重量である。反応は、
静置、振とう、攪拌のいずれの方法によっても行うこと
が出来る。また、化合物(VIII)の量に対し、反応が適切
に行われる量のヒダントイナーゼが使用される。該反応
は通常、水を溶媒として行われるが、適宜有機溶媒を添
加してもよい。該有機溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、等のアルコ
ール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
ブチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエ
ステル類、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トン類、クロロホルム、ジクロロメタン、エチレンジク
ロライド、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、N,
N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢
酸、アセトニトリルなどが挙げられる。これら溶媒とし
ては水溶性溶媒であっても、水不溶性溶媒であってもよ
い。好ましくは水溶性溶媒であり、具体的にはメタノー
ル、アセトン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(VIII)に対して1〜10000
倍(v/w)、好ましくは10〜500倍(v/w)である。pH
は、6〜11、好ましくは8〜10である。本反応に
は、該pHすなわち弱アルカリ性を維持することが必須で
あり、そのために水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ金属水酸化物、あるいは炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩を適宜適
量加え、該pHを維持するか、あるいはリン酸緩衝液や硼
酸緩衝液中にて反応が行われる。
【0022】本反応は、0〜100℃、好ましくは25
〜60℃にて、0.5〜120時間、好ましくは1〜9
6時間かけて行われる。このようにして得られる化合物
(IX)またはその塩は、例えば濃縮、溶媒抽出、晶出、転
溶、クロマトグラフィーなどにより単離する事ができ
る。特に、晶出、吸着樹脂カラム等に付すか、これらを
組合せることで、化合物(IX)またはその塩は精製され
る。例えば、水溶液あるいは水溶性溶媒を含む水溶液の
pHを酸性試剤により1〜4、好ましくは2〜3 に調整し、
次いで、放置、冷却、接種、水溶性有機溶媒の添加によ
り晶出させることにより行うことが出来る。これらの操
作は複数個組み合わせても差し支えがない。該酸性試剤
としては塩酸、硫酸、臭化水素酸などの鉱酸が挙げられ
る。好ましくは、硫酸である。該有機溶媒としては、例
えば、エタノール、2-プロパノール等が挙げられる。晶
出は、水溶性有機溶媒、例えば、エタノール、アセトン
に溶解し、これに水あるいは有機溶媒、例えば水、ヘキ
サンを加え、放置、冷却、接種することによって行うこ
とが出来る。より具体的には、エタノールに溶解し、水
を加え、放置、冷却、接種することによって行うことが
出来る。これら操作は複数個組み合わせても差し支えが
ない。吸着樹脂カラムには、例えば、スチレンとジビニ
ルベンゼンの共重合体あるいはアクリル酸エステル重合
体が用いられる。スチレンとジビニルベンゼンの共重合
体の例としては、例えば、ダイヤイオン (HP-10, 20, 3
0, 40, 50)、セパビーズ (SP-800, 900, 207, 206)、ア
ンバーライト(XAD-2, 4)等が挙げられ、好ましくはダイ
ヤイオン (HP-20) である。ダイヤイオン (HP-20) を用
いることにより、未反応のまま化合物(VIII)と化合物(I
X)またはその塩を、効率的に分離精製できる。また、ア
クリル酸エステル重合体の例としては、例えば、アンバ
ーライト(XAD-7, 8)等が挙げられる。溶出には、水、弱
アルカリ水、エタノール、2-プロパノールなどのアルコ
ールを含有する水、好ましくは、エタノールを含有する
水が用いられる。
【0023】そして更に、反応式8:
【化14】 (式中、記号は前記と同意義である。)に従って、化合
物(IX)を、酸性条件下、ジアゾ化剤を作用させ、加水分
解させることにより、化合物(X)を製造することがで
きる。また、化合物(IX)のR体、S体のいずれであって
も、対応するR体またはS体の化合物(X)に上記反応
式8に従って誘導することができる。該ジアゾ化剤とし
ては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸イソ
アミルなどを挙げることができる。好ましくは、亜硝酸
ナトリウムである。該ジアゾ化剤の使用量としては、化
合物(IX)に対して2〜20モル等量、好ましくは2〜1
0モル等量である。酸性条件を実現する酸性試剤として
は、塩酸、硫酸、臭化水素酸等の鉱酸が挙げられる。こ
れらは単独でも、また複数使用してもよい。通常これら
は、反応開始時に加えられるが、反応途中に適宜追加し
ても差し支えがない。好ましくは、硫酸である。その使
用量は、化合物(IX)に対して1〜20モル等量、好まし
くは2〜10モル等量である。該反応は通常、水を溶媒
として行われるが、適宜酢酸、ギ酸などのカルボン酸を
添加してもよい。特に化合物(IX)の溶解度を向上させる
水溶性の溶媒が好ましく、酢酸が好適である。溶媒の使
用量は、化合物(IX)に対して1〜100倍(v/w)、好ま
しくは5〜50倍(v/w)である。本反応は、0〜100
℃、好ましくは0〜60℃にて、1〜48時間、好まし
くは2〜24時間かけて行われる。このようにして得ら
れる化合物(X)は、自体公知の分離精製手段、例えば濃
縮、溶媒抽出、晶出、転溶、クロマトグラフィーなどに
より単離する事ができる。
【0024】上記各化合物(I)ないし化合物(X)の塩
は、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸と
の塩、有機酸との塩、塩基性あるいは酸性アミノ酸との
塩が上げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、
例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属
塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金
属塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩等が挙げらる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、エタノールア
ミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチ
レンジアミン等との塩が挙げられる。また、無機酸との
塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝
酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩
の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオ
ロ酢酸、蓚酸、酒石酸、メタンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸等との塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、ア
ルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アス
パラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。上記のよ
うにして得られた化合物(X)は、特開平9-19446
7号公報記載の方法等、自体公知の方法によって、血糖
または血中脂質低下作用を有する光学活性2,4-オキサ
ゾリジンジオン誘導体に誘導することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に参考例並びに実施例を挙げ
て本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。核磁気共鳴スペクトル (1H-NM
R) は、内部標準としてテトラメチルシランを用いて日
本電子株式会社JMTC0400/54(400 MHz) あるいは日立製
作所 R-90H (90 MHz) にて測定し、δ値をppmで示し
た。実施例中の記号は以下の意味を有する。s:シングレ
ット、d:ダブレット、t:トリプレット、m:マルチプレッ
ト、br:幅広い、J:カップリング定数。赤外吸収スペク
トル (IR) は、パーキンエルマー社製Pragon 1000ある
いは島津製作所IR-260-10を使用し、KBr法にて測定し
た。鏡像体過剰率 (% ee) は、キラルカラムを用いる高
速液体クロマトグラフィーにより測定した。
【0026】
【実施例】参考例1小豆抽出物の製造 小豆2000 gを粉砕し、水10リットル中で室温にて24 時
間振とうした。遠心分離により得られた上澄み液のpHを
水酸化ナトリウム水溶液を加えて9.0に調整し、さらに
遠心分離(8000rpm、10分)して上澄み液6リットルを
得た。これにエタノール 6リットルを加え、冷蔵庫内
に一夜放置した。その後、遠心分離(8000rpm、10分)
により沈殿物を分取し、さらにこれを凍結乾燥して、1
6.7 gの小豆抽出物の粉末を得た。なお、以下の実施例
1および参考例2〜8を反応式でまとめると、次のスキー
【化15】 のように表される。
【0027】参考例2p-(メタンスルホニルオキシ)アセトフェノンの製造 p-ヒドロキシアセトフェノン600 g、トリエチルアミン8
00 ml、酢酸エチル3600 mlを0 ℃ にて攪拌した。この
溶液にメタンスルホニルクロリド443 mlを1.5時間かけ
て滴下した。室温にて2時間攪拌した後、この反応液を
水3000 ml、0.1N塩酸2000 ml、飽和食塩水2000 mlによ
り順次洗浄した。硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後
に、減圧下濃縮して粗生成物を黄色固体として得た。こ
れを酢酸エチルより再結晶して、表題化合物843 gを淡
黄色結晶として得た。1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 2.60 (3H, s), 3.18 (3
H, s), 7.37 (2H, d, J =8.8 Hz), 8.02 (d, J = 8.8 H
z). IR (KBr) ν cm-1: 1687, 1336. 参考例33-クロロ-3-(4-メタンスルホニルオキシフェニル)プ
ロペナールの製造 N,N-ジメチルホルムアミド1600 mlに0 ℃に保ちながら
オキシ塩化リン840 ml(9.0 mol)を2時間かけて滴下し
た。滴下後、室温下に30分間撹拌した。次いで0 ℃に冷
却し、4-(メタンスルホニルオキシ)アセトフェノン736
g(3.4 mol)のN,N-ジメチルホルムアミド1344 ml溶液
を1.5時間かけて滴下し、さらに室温にて一晩撹拌し
た。この後、氷水3750 g中に反応混合液を滴下した。次
いで酢酸エチル6000 mlを加えて抽出し、氷1000 g、炭
酸カリウム1500 gを加えてアルカリ性とし、更に酢酸エ
チル6000 mlを加えて抽出した。これに硫酸ナトリウム
を加えて乾燥し、減圧下濃縮して褐色結晶を得た。粗結
晶を酢酸エチルより再結晶し、表題化合物506 g(56%)
を黄色結晶として得た。1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.22 (3H, s), 6.653
(d, J = 6.6 Hz) , 6.654(d, J = 6.9 Hz), 7.40 (2H,
d, J = 8.5 Hz), 7.81 (2H, d, J = 8.5 Hz), 10.213
(d, J = 6.9 Hz) , 10.215 (d, J = 6.6 Hz). IR (KBr) ν cm-1: 1671, 1362. 融点 93-98 ℃ (酢酸エチル)
【0028】参考例45-[3-クロロ-3-(4-メタンスルホニルオキシフェニル)プ
ロペニリデン]-2,4-イミダゾリジンジオンの製造 炭酸カリウム 31.8 g (0.23mol)、ヒダントイン23.1 g
(0.23 mol)、2-プロパノール(80 ml)を水(200 m
l)中で懸濁し、オイルバスで45℃に加温した。次いで3
-クロロ-3-(4-メタンスルホニルオキシフェニル)プロ
ペナール 20.0 g(0.08 mol)を添加し、同温で16時間
撹拌した。原料の消失をHPLCにて確認し(変換率91
%)、10℃に冷却して水(600 ml)を加え30分攪拌し減
圧ろ過した。表題化合物21.6 g(82%)を黄色結晶とし
て得た。 IR (KBr) ν cm-1: 3321, 1719, 1356. 融点 283-288 ℃ (2-プロパノール - 水) 高速液体クロマトグラフィー条件 カラム:Inertsil ODS (ジーエルサイエンス工業株式会
社製) 移動相:アセトニトリル / 水 (4 /6) 流速:1.0 ml / min 検出:UV (220 nm) 温度:室温 保持時間:8.0 分 参考例55-[3-クロロ-3-(4-メタンスルホニルオキシフェニル)プ
ロペニリデン]-2,4-イミダゾリジンジオンの製造 ジエチル 2,4-ジオキソイミダゾリジン-5-ホスホネー
ト100 g(0.42 mol) をエタノール3000 ml中で懸濁さ
せ、室温にてナトリウムエトキシド34.6 g (0.51mol)
を20分間かけて添加した。3-クロロ-3-(4-メタンスル
ホニルオキシフェニル)プロペナール110 g (0.42 mol)
を加えて、同温度にて2.5時間攪拌した後、ナトリウム
エトキシド3.5 g (0.05 mol) およびジエチル 2,4-ジ
オキソイミダゾリジン-5-ホスホネート10 g(0.04 mol)
を追加し、さらに1時間攪拌した。この後、水2000 mlを
加え、析出した固体をろ取した。これをジイソプロピル
エーテルにて洗浄し、乾燥して表題化合物を黄色結晶
(102 g, 70%) として得た。
【0029】実施例15-[3-(4-メタンスルホニルオキシフェニル)プロピル]-
2,4-イミダゾリジンジオンの製造 アルゴン雰囲気下にパラジウム−炭素(wet) 7 gをメタ
ノール350 mlに懸濁させ、容器をアルゴン置換後に5-[3
-クロロ-3-(4-メタンスルホニルオキシフェニル)プロペ
ニリデン]-2,4-イミダゾリジンジオン19.2 g(0.06 mo
l)を添加した。水素ガスを導入し、常圧、室温下で4時
間撹拌した。パラジウム-炭素を濾去し、減圧下濃縮し
て表題化合物17.1 g(98%)を灰色結晶として得た。1 H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 1.48-1.68 (4H, m),
2.49 (2H, m), 3.34 (3H,s), 4.01(1H, m), 7.25 (2H,
d, J = 8.6 Hz), 7.30 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.96 (1
H, s), 10.58 (1H, s). IR (KBr) ν cm-1: 1730, 1367, 1179. 融点 138-141 ℃ (メタノール) 高速液体クロマトグラフィー条件 カラム:Inertsil ODS (ジーエルサイエンス工業株式会
社製) 移動相:アセトニトリル / 水 (4 / 6) 流速:1.0 ml / min 検出:UV (220 nm) 温度:室温 保持時間:3.6 分
【0030】参考例6(R)-2-アミノカルボニルアミノ-5-(4-メタンスルホニル
オキシフェニル)ペンタン酸の製造 5-[3-(4-メタンスルホニルオキシフェニル)プロピル]-
2,4-イミダゾリジンジオン50 mg、小豆抽出物300 mgを
0.2 Mリン酸バッファー (pH 9.0) 4.5 ml, アセトン0.5
mlに加え、50℃にて24時間振とうした。この反応液を
高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、転換
率は96%であった。 高速液体クロマトグラフィー条件 カラム:CHIRALPAK-AD (ダイセル化学工業製) 移動相:n-ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸
= 700/300/1 流速:1 ml/min 温度:室温 検出:UV (220 nm) 参考例7(R)-2-アミノカルボニルアミノ-5-(4-メタンスルホニル
オキシフェニル)吉草酸の製造 アルスロバクター・クリスタロポイエテスIFO142
35を40mlのTSB培地(前出)を含む200ml
容エーレンマイヤー(Erlenmeyer)フラスコに接種し、
28℃で24時間振とう下で増殖させた。得られた培養
液(0.4ml)を2%コーンスティープリカー、0.
5%酵母エキス、0.25%KH2PO4、0.1%Mg
SO4・7H2O、0.8%尿素からなる培地(40m
l)を含む200ml容エーレンマイヤーフラスコに移
し、28℃で96時間振とう下で培養を行った。5-[3-
(4-メタンスルホニルオキシフェニル)プロピル]-2,4-
イミダゾリジンジオン(9g)をN,N−ジメチルホル
ムアミドに溶解し、基質溶液(90ml)を調製した。
上記の方法で得られた培養液(900ml)に2M N
4OH−NH4Cl緩衝液pH9.0(90ml)およ
び基質溶液(90ml)を加え、37℃で94時間攪拌
しながら反応を行った。反応後、反応液の基質と生成物
をHPLCで定量したところ、変換率は92.1であっ
た。 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)条件 カラム:Inertsil ODS 移動相:20 mMリン酸二水素カリウム / アセトニトリ
ル = 800 / 200 流速:0.8 ml/min 温度:室温 検出:UV (220 nm) 上記の反応終了後の反応液(1.1l)を硫酸でpH7
に調整後、遠心ろ過し、ろ液を得た。得られたろ液
(1.1l)を硫酸でpHを3に調整後、冷却晶出し、
粗結晶(8.0g)を得た。粗結晶を水(400ml)
に懸濁し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.4に調
整して溶解後、吸着樹脂HP−20(70ml)のカラ
ムに通液した。カラムを10%エタノール水(200m
l)で洗浄し、通過液および洗浄液(600ml)を得
た。通過液および洗浄液を、減圧下で400mlまで濃
縮し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.5に調整
後、エタノール(400ml)を加え、50℃に加温
後、pHを3に調整し、冷却晶出させ、(R)−2−
(アミノカルボニルアミノ)-5-(4-メタンスルホニル
オキシフェニル)ペンタン酸の精結晶(6.16g)を
得た。1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.50-1.68 (4H, m), 2.5
0 (2H, m), 3.31 (3H, s), 4.10 (1H, m), 5.52 (2H,
s), 6.21 (1H, d, J=8.3Hz), 7.25-7.32 (4H, m), 12.
48 (1H, s). IR (KBr) n cm-1: 3482, 1686, 1361. m.p. 194-197℃ (エタノール - 水)
【0031】参考例8(R)- 2-ヒドロキシ-5-(4-メタンスルホニルオキシフェ
ニル) 吉草酸の製造 2-アミノカルボニルアミノ-5-(4-メタンスルホニルオキ
シフェニル)吉草酸7.5g (23 mmol)を、酢酸23 ml, 硫
酸11 gの水溶液150 mlに懸濁させ、0℃に冷却した。次
いで亜硝酸ナトリウム1.7 g (25mmol)を水15 mlに溶
解し、0℃を保ちながら30分間かけて滴下した。滴下終了
後、室温で一晩撹拌した。その後オイルバスで50℃に加
温し、亜硝酸ナトリウム9.4 g (136 mmol)の水溶液75
mlを90分間かけて滴下した。さらに同温で90分攪拌
し、酢酸エチル500 mlを加えて、水、飽和食塩水で洗浄
した。硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、減圧下濃縮
して表題化合物6.6 g(純量 6.1 g、収率 94%)を淡黄
色結晶として得た。1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.72-1.89 (4H, m), 2.6
7 (2H, m), 3.13 (3H, s), 4.28 (1H, m), 7.18 (2H,
d, J = 8.7 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.7 Hz).IR (KBr)
ν cm-1: 3439, 1737, 1383. 融点 90-96 ℃ (酢酸エチル) この生成物の鏡像体過剰率を算出するために、メチルエ
ステル化を行った。すなわち、上記結晶500 mg (1.7 m
mol)を10%-塩酸/メタノール溶液10 ml, メタノール2.5
mlに溶解し、室温で4 時間撹拌した。減圧下濃縮して
得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(SiO2 5
0 g, ヘキサン/酢酸エチル = 1/1)にて精製し、エステ
ル体450 mg(86%) を無色油状物として得た。 HPLC分
析によると、鏡像体過剰率は94% eeであった。1 H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.71-1.85 (4H, m), 2.6
6 (2H, m), 3.12 (3H, s), 3.78 (3H, s), 4.21 (1H,
m), 7.18 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.22 (2H, d, J= 9.0
Hz). IR (KBr) ν cm-1: 3509, 1736, 1365 高速液体クロマトグラフィー条件 カラム:CHIRALPAK AD (ダイセル化学工業株式会社製) 移動相: n-ヘキサン / エタノール / トリフルオロ酢
酸 (700 / 300 / 1) 流速:1.0 ml / min 検出:UV (220 nm) 温度:35 ℃ 保持時間:(R)-体 11.8分 (S)-体 13.5分
【0032】なお、以下の実施例2および参考例9〜14を
反応式でまとめると、次のスキーム
【化16】 のように表される。
【0033】参考例93-メトキシ-4-(メタンスルホニルオキシ)アセトフェノ
ンの製造 3-メトキシ-4-ヒドロキシアセトフェノン200 g、トリエ
チルアミン185 ml、および酢酸エチル1400 mlを0 ℃に
て攪拌した。この溶液にメタンスルホニルクロライド10
3 mlを30分間かけて滴下した。室温にて2時間攪拌した
後、トリエチルアミン18 ml、および酢酸エチル11 ml
を、さらに1時間45分間後、トリエチルアミン18 ml、
および酢酸エチル10 mlを追加し、50分間攪拌した。こ
の後、この反応液を水、次いで2N塩酸にて洗浄し、硫酸
ナトリウムを加えて脱水した。これを減圧下濃縮して、
黄色固体を得た。この粗生成物を酢酸エチル、アセトン
500 mlより再結晶して、表題化合物242 g (82%) を得
た。1 H-NMR (90 MHz, CDCl3) δ: 2.59 (3H, s), 3.22 (3H,
s), 3.95 (3H, s), 7.31 - 7.61 (3H, m). IR (KBr) ν cm-1: 1688, 1360. 融点89 - 90 ℃ (酢酸エチル、アセトン) 参考例103-クロロ-3-(3-メトキシ-4-メタンスルホニルオキシフ
ェニル)プロペナールの製造 N,N-ジメチルホルムアミド200 mlに0℃に保ちながらオ
キシ塩化リン188 gを滴下した。滴下後、室温下に30分
間撹拌した。次いで0℃に冷却し、3-メトキシ-4-(メタ
ンスルホニルオキシ)アセトフェノン100 g(0.409 mo
l)のN,N-ジメチルホルムアミド200 ml溶液を滴下し、
室温にて3時間撹拌した。氷水1.5リットル中に反応混合
液を滴下した。炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムを加
えてアルカリ性とし、酢酸エチルを加えて抽出した。こ
の抽出液に硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、減圧下濃縮
して褐色油状物160 gを得た。この油状物に酢酸エチ
ル、n-ヘキサン、ジイソプロピルエーテルを加えて、褐
色固体41 g を得た。これを酢酸エチル、n-ヘキサンよ
り再結晶し、表題化合物27 g(23%)を黄色結晶として
得た。また、油状物の洗浄液を濃縮乾固し、シリカゲル
クロマトグラフィー (SiO2 800 g) により精製して、黄
色固体26 g (22%) を得た。1 H-NMR (90 MHz, CDCl3) δ: 3.23 (3H, s), 3.96 (3H,
s), 6.63 (1H, d, J =6.7 Hz), 7.36 (3H, s), 10.37
(1H, d, J = 6.7 Hz). IR (KBr) ν cm-1: 1668, 1360. 融点 104 ℃ (酢酸エチル、ジイソプロピルエーテル)
【0034】参考例115-[3-クロロ-3-(3-メトキシ-4-メタンスルホニルオキ
シフェニル)プロペニリデン]-2,4-イミダゾリジンジオ
ンの製造 ジエチル 2,4-ジオキソイミダゾリジン-5-ホスホネー
ト51 g(0.18 mol) をエタノール1500 ml中で懸濁させ、
室温にてナトリウムエトキシド14.5 gを添加した。同温
度にて8分間攪拌した後、3-クロロ-3-(3-メトキシ-4-
メタンスルホニルオキシフェニル)プロペナール50 gを
加えて、室温下にて2時間40分間攪拌した。ナトリウム
エトキシド1.4 g およびジエチル 2,4-ジオキソイミダ
ゾリジン-5-ホスホネート5.1 g を追加し、さらに2時間
攪拌した。この後、水2000 mlを加え、析出した固体を
ろ取した。これをジイソプロピルエーテルにて洗浄し、
乾燥して表題化合物を黄色結晶 (46 g, 70%) として得
た。 IR (KBr) ν cm−1: 3314, 1725,
1344. 融点 245 ℃以上 (分解)
【0035】実施例25-[3-(3-メトキシ-4-メタンスルホニルオキシフェニル)
プロピル]-2,4-イミダゾリジンジオンの製造 オートクレーブに5-[3-クロロ-3-(3-メトキシ-4-メタン
スルホニルオキシフェニル)プロペニリデン]-2,4-イミ
ダゾリジンジオン45.4 g(0.12 mol)、パラジウム−炭
素(wet) 9 g およびメタノール500 mlを仕込んだ。水素
ガスを導入して20 kg/cm2 に加圧し、50℃で2.5時間撹
拌した。メタノール4000 mlを加え、パラジウム-炭素を
濾去した。ろ液を減圧下濃縮し、得られた残さをジイソ
プロピルエーテルにて洗浄し、乾燥して表題化合物34.0
g(75%)を白色固体として得た。1 H-NMR (90 MHz, DMSO-d6) δ: 1.62 (4H, m), 2.61(2
H, m), 3.29 (3H, s), 3.84 (3H, s), 4.00 (1H, m),
6.80 (1H, dd, J = 1.7 and 8.2 Hz), 7.03 (1H, d, J
= 1.7 Hz), 7.19 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.93 (1H, br
s), 10.5 (1H, br s). IR (KBr) ν cm-1: 3385, 1765, 1714, 1342, 1176. 融点 148-149 ℃ (メタノール) 参考例12(R)-2-アミノカルボニルアミノ-5-(3-メトキシ-4-メタ
ンスルホニルオキシフェニル)吉草酸の製造 5-[3-(3-メトキシ-4-メタンスルホニルオキシフェニル)
プロピル]-2,4-イミダゾリジンジオン10 g、小豆抽物60
gを0.1 Mリン酸バッファー (pH 9.0) 900 ml,アセトン
100 mlに加え、50℃にて24時間振とうした。この反応液
を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、転
換率は91%であった。 高速液体クロマトグラフィー条件 カラム:CHIRALPAK-AD (ダイセル化学工業製) 移動相:n-ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸
= 680 / 320 / 1 流速:1 ml/min 温度:室温 検出:UV (220 nm)
【0036】参考例13(R)-2-アミノカルボニルアミノ-5-(3-メトキシ-4-メタ
ンスルホニルオキシフェニル)吉草酸の製造 アルスロバクター・クリスタロポイエテスIFO142
35を500mlのTSB培地(前出)を含む2l容坂
口フラスコ(2本)に接種し、28℃で24時間振とう
下で増殖させた。得られた培養液(約1l)を、1%シ
ョ糖、2%コーンスティープリカー、0.5%酵母エキ
ス、1%尿素、0.25%KH2PO4、0.1%MgS
4・7H2O,1%CaCO3からなる120lの培地
を含む200l容発酵槽(fermenter)に移し、28℃
で4日間通気攪拌培養を行った。5-[3-(3-メトキシ-4-
メタンスルホニルオキシフェニル)プロピル]-2,4-イミ
ダゾリジンジオン(100g)をN,N−ジメチルホル
ムアミドに溶解し、基質溶液(1l)を調製した。上記
で得られた培養液(10l)に2M NH4OH−NH4
Cl緩衝液pH9.0(1l)および基質溶液(1l)
を加え、50時間後にさらに培養液(1.5l)を追加
して、37℃で90時間攪拌しながら反応を行った。反
応後、反応液中の基質と生成物をHPLCで測定した結
果、反応の変換率は96.2%、生成物(R−体)の光
学純度は99%以上であった。 高速液体クロマトグラフィー条件 カラム:Inertsil ODS 移動相:20 mMリン酸二水素カリウム / アセトニトリ
ル = 8 / 2 流速:0.8 ml/min 温度:室温 検出:UV (220 nm) この反応液(1.35l)を硫酸でpH7に調整した
後、遠心分離して上清液(13.2l)を得た。上清液
を硫酸でpH2に調整し、冷却晶出して粗結晶(65.
0g)と母液(10.9l)を得た。母液は吸着樹脂H
P−20(500ml)のカラムに通液し、洗浄後0.
2Nアンモニアを含む10%イソプロピルアルコール水
(2l)で溶出し、得られた有効区分を硫酸でpH2に
調整し、冷却晶出して粗結晶(22.2g)を得た。先
に得られた粗結晶(65.0g)と合わせアセトン
(4.4l)で溶解し、活性炭(4.4g)を加えて3
0分間攪拌した後ろ過し、得られたろ液にヘキサン(5
l)を加えて冷却晶出して(R)−2−(アミノカルボ
ニルアミノ)-5-(4-メタンスルホニルオキシフェニ
ル)ペンタン酸精結晶(88.2g)を得た。1 H-NMR (90 MHz, DMSO-d6) δ: 1.62 (4H, m), 2.60 (2
H, m), 3.29 (3H, s), 3.83 (3H, s), 4.11 (1H, m),
5.54 (2H, S), 6.21 (1H, d, J=8.4 Hz), 6.79 (1H, d
d, J = 1.8 and 8.3 Hz), 7.02 (1H, d, J = 1.8 Hz),
7.18 (1H, d, J = 8.3 Hz), 10.4 (1H, br s). IR (KBr) ν cm-1: 3436, 1688, 1360. 融点 154 ℃ (アセトン、n-ヘキサン) [α]25 D = −4.0 (c = 1.02, 酢酸).
【0037】参考例14(R)- 2-ヒドロキシ-5-(3-メトキシ-4-メタンスルホニル
オキシフェニル) 吉草酸の製造 2-アミノカルボニルアミノ-5-(3-メトキシ-4-メタンス
ルホニルオキシフェニル)吉草酸30 g (83 mmol)を、
酢酸93 ml, 硫酸44 gの水溶液600 mlに懸濁させ、0℃に
冷却した。次いで亜硝酸ナトリウム6.92 gの水溶液を0
℃を保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、室
温で一晩撹拌した。その後オイルバスで50℃に加温し、
亜硝酸ナトリウム34 g の水溶液を90分間かけて滴下し
た。さらに同温で攪拌した後、酢酸エチルを加えて抽出
し、水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムを加え
て乾燥した後、減圧下濃縮して表題化合物25.7 g(純量
23.0g,収率 87%)を淡黄色結晶として得た。1 H-NMR (200 MHz, CDCl3) δ: 1.80 (4H,
m), 2.66 (2H, m), 3.17 (3
H, s), 3.87 (3H, s), 4.28
(1H, m), 6.80 (2H, m),
7.19 (1H, d, J = 8.0 Hz). MS (SIMS) m/z : 319 (M
).
【0038】なお、以下の実施例3および参考例15〜20
を反応式でまとめると、次のスキーム
【化17】 のように表される。
【0039】参考例153-メトキシ-4-(トリルスルホニルオキシ)アセトフェノ
ンのの製造 バニリン59.26 g、炭酸カリウム67.33 g、p-トリルスル
ホニルクロライド90.0g、アセトン350 mlを還流温度に
て4時間攪拌した。この反応液を氷水1500 ml中に加え、
析出した粗結晶をろ取した。これを酢酸エチル約800 ml
より再結晶して表題化合物90.65 g (76%) を得た。1 H-NMR (90 MHz, CDCl3) δ: 2.44 (3H, s), 3.63 (3H,
s), 7.25-7.40 (5H, m), 7.75 (2H, d, J = 8.4 Hz),
9.88 (1H, s). IR (KBr) ν cm-1: 1700, 1370, 1185. 融点 126 - 127 ℃ (酢酸エチル). 参考例16エチル 3-(3-メトキシ-4-トリルスルホニルオキシフェ
ニル)プロペノエート 3-メトキシ-4-トリルスルホニルオキシベンズアルデヒ
ド100 g (0.326 mol),ジエチルホスホノ酢酸エチル81.7
gをジメチルホルムアミド500 mlに溶解し、約10℃に冷
却した。これに、水素化ナトリウム、油性15.8 gを加え
て、室温にて90分間攪拌した。この後、水中にこの反
応混合物を加え、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を飽
和食塩水にて洗浄した後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥
した。減圧下濃縮して、表題化合物を黄色の油状物
(112.5 g, 92%) として得た。1 H-NMR (90 MHz, CDCl3) δ: 1.32 (3H, t, J = 7.0 H
z), 2.44 (3H, s), 3.59(3H, s), 4.25 (2H, q, J = 7.
0 Hz), 6.34 (1H, d, J = 16.2 Hz), 6.9-7.8 (8H, m). IR (KBr) ν cm-1: 1715, 1375, 1185. MS (SIMS) m/z : 377 (MH+).
【0040】参考例173-(3-メトキシ-4-トリルスルホニルオキシフェニル)-2-
プロペン-1-オールの製造 エチル 3-(3-メトキシ-4-トリルスルホニルオキシフェ
ニル)プロペノエート112 g (0.298 mol),をジエチルエ
ーテル500 mlに溶解し、約10 ℃に冷却した。これに、
水素化アルミニウムリチウム10.89 gを加えて、約20 ℃
にて2時間攪拌した。この反応混合物に水、次いで 1N
塩酸を加え、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を飽和食
塩水にて洗浄した後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥し
た。減圧下濃縮して、黄色の油状物 (87.8 g) を得た。
この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー (シリカ
ゲル 2000 g, n-ヘキサン/酢酸エチル=1/1) によ
り精製して、表題化合物40.6 g (41%) を得た。1 H-NMR (90 MHz, CDCl3) δ: 2.42 (3H, s), 3.53 (3H,
s), 3.85 (1H, d, J =1.9 Hz), 4.30 (2H, m), 6.35-
7.75 (9H, m). IR (KBr) ν cm-1: 1605, 1375, 1185. MS (SIMS) m/z : 334 (MH+). 参考例183-(3-メトキシ-4-トリルスルホニルオキシフェニル)-2-
プロペナールの製造 3-(3-メトキシ-4-トリルスルホニルオキシフェニル)-2-
プロペン-1-オール40.2 g (0.120 mol),をトルエン200
mlに溶解し、これに二酸化マンガン255.7 gを加えて、
室温にて6.5時間攪拌した。不溶物をろ過して除き、母
液を減圧下濃縮した。残さをシリカゲルクロマトグラフ
ィー (シリカゲル 1000 g, n-ヘキサン/酢酸エチル=
1/1) により精製して、表題化合物12.7 g (32%) を
黄色結晶として得た。1 H-NMR (90 MHz, CDCl3) δ: 2.45 (3H, s), 3.62 (3H,
s), 6.61 (1H, dd, J =7.4 and 16.1 Hz), 7.0 - 7.8
(8H, m), 9.68 (1H, d, J = 7.4 Hz). IR (KBr) ν cm-1: 1675, 1375, 1185. 融点 109 - 112 ℃ (n-ヘキサン, 酢酸エチル).
【0041】参考例195-[3-(3-メトキシ-4-トリルスルホニルオキシフェニル)
プロペニリデン]-2,4-イミダゾリジンジオンの製造 ジエチル 2,4-ジオキソイミダゾリジン-5-ホスホネー
ト11.1 g (0.0468 mol)をエタノール350 ml中で懸濁さ
せ、室温にてナトリウムエトキシド3.19 gを添加した。
0℃に冷却し、3-(3-メトキシ-4-トリルスルホニルオキ
シフェニル)-2-プロペナール12.6 gを加えて、室温下に
て5時間攪拌した。この後、氷水1500 mlを加え、析出し
た固体をろ取した。水にて洗浄し、乾燥して表題化合物
を黄色結晶 (15.1 g, 96%) として得た。1 H-NMR (90 MHz, CDCl3 and DMSO-d6) δ: 2.46 (3H,
s), 3.10 (1H, br s), 3.56 and 3.58 (3H, s), 6.2 -
7.8 (10H, m), 10.6 (1H, br s). 実施例35-[3-(3-メトキシ-4-トリルスルホニルオキシフェニル)
プロピル]-2,4-イミダゾリジンジオンの製造 5-[3-(3-メトキシ-4-トリルスルホニルオキシフェニル)
プロペニリデン]-2,4-イミダゾリジンジオン15.0 g(0.
036 mol)、パラジウム−炭素(wet) 10 g、メタノール1
000 ml, テトラヒドロフラン100 ml に懸濁させ、水素
ガスを導入し、常圧、室温下で2.5時間撹拌した。この
後、パラジウム-炭素を濾去し、減圧下濃縮し、乾燥し
て表題化合物13.5 g(89%)を白色固体として得た。1 H-NMR (90 MHz, CDCl3) δ: 1.71 (4H, m), 2.41 (3H,
s), 2.54(2H, m), 3.51(3H, s), 4.03 (1H, m), 6.4 -
7.1 (3H, m), 7.27 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.71 (2H,
d, J = 8.1 Hz), 9.2 (1H, br s). IR (KBr) ν cm-1: 3250, 1730, 1375, 1185. MS (SIMS) m/z : 419 (MH+).
【0042】参考例20(R)-2-アミノカルボニルアミノ-5-(3-メトキシ-4-トリ
ルスルホニルオキシフェニル)吉草酸の製造 5-[3-(3-メトキシ-4-トリルスルホニルオキシフェニル)
プロピル]-2,4-イミダゾリジンジオン5.0 g、小豆抽出
物26 gを0.1 Mリン酸バッファー (pH 9.0) 450ml, アセ
トン50 mlに加え、50 ℃にて24時間振とうした。小豆抽
出物4 gおよびアセトン10 ml追加して、さらに4時間振
とうした。この反応液を高速液体クロマトグラフィーに
て分析したところ、転換率は93%であった。 高速液体クロマトグラフィー条件 カラム:CHIRALPAK-AD (ダイセル化学工業製) 移動相:n-ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸
= 750 / 250 / 1 流速:1 ml/min 温度:室温 検出:UV (280 nm) この反応液から参考例5と同様にして、表題化合物の白
色結晶3.2 g を得た。1 H-NMR (90 MHz, DMSO-d6) δ: 1.58 (4H, m), 2.42 (3
H, s), 2.54 (2H, m), 3.48 (3H, s), 4.10 (1H, m),
5.55 (2H, br s), 6.19 (1H, d-like, J = 8.2 Hz), 6.
66-7.00 (3H, m), 7.43 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.69 (2
H, d, J = 8.4 Hz), 12.35 (1H, br s). IR (KBr) ν cm-1: 3445, 1692, 1380, 1173.
【0043】
【発明の効果】本発明の方法により光学活性な5-フェニ
ル-2-ヒドロキシ吉草酸類が高収率、高立体選択的に製
造できる。該化合物は医薬中間原料として有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: 【化1】 (式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を
    示す。)で表される化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】環Aが、無置換または少なくとも一つの電
    子吸引基で置換されているベンゼン環である請求項1記
    載の化合物。
  3. 【請求項3】環Aの3位置換基が水素またはアルコキシ
    基であり、4位置換基が置換されていてもよいスルホニ
    ルオキシ基である請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】式: 【化2】 (式中、Xは水素または塩素を示し、波線は幾何異性体
    を含むことを示し、環Aは前記と同意義を示す。)で表
    されるジエン誘導体またはその塩を還元することを特徴
    とする式: 【化3】 (式中、記号は前記と同意義を示す。)で表される化合
    物またはその塩の製造法。
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