JP2000309531A - 高級不飽和脂肪酸混合組成物及びこれを含有する食品 - Google Patents
高級不飽和脂肪酸混合組成物及びこれを含有する食品Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 効率よくＤＨＡを摂取できるようにすること
である。 【解決手段】 リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕及
びα−リノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕を含有し、
これらの存在比が、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：
２〕／α−リノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕＝０．
０５〜２．０（重量比）とする。
である。 【解決手段】 リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕及
びα−リノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕を含有し、
これらの存在比が、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：
２〕／α−リノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕＝０．
０５〜２．０（重量比）とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、リノール酸及び
α−リノレン酸から構成される高級不飽和脂肪酸混合組
成物に関する。
α−リノレン酸から構成される高級不飽和脂肪酸混合組
成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】ドコサヘキサエン酸（以下、「ＤＨＡ」
と略する。）は、哺乳類の脳における主要な高度不飽和
脂肪酸である。ＤＨＡが視覚識別、認識力（学習力）、
記憶力過程に重要な役割を果たしていることは、よく知
られている。
と略する。）は、哺乳類の脳における主要な高度不飽和
脂肪酸である。ＤＨＡが視覚識別、認識力（学習力）、
記憶力過程に重要な役割を果たしていることは、よく知
られている。
【０００３】また、それ以外にもＤＨＡは、コレステロ
ール合成、血液凝固の抑制に関係するばかりでなく、老
化及び癌予防にも関係する。さらに、最近、ＤＨＡが心
臓循環器官疾病にも役立つ効果を有することや、リュウ
マチ性関節炎に効果を有すること、喘息等の肺疾患に良
いとの報告がされている。
ール合成、血液凝固の抑制に関係するばかりでなく、老
化及び癌予防にも関係する。さらに、最近、ＤＨＡが心
臓循環器官疾病にも役立つ効果を有することや、リュウ
マチ性関節炎に効果を有すること、喘息等の肺疾患に良
いとの報告がされている。
【０００４】このＤＨＡ等の高度不飽和脂肪酸は、身体
内で生産されないため、食物摂取によって補給される。
ところで、最近の老齢人口の増加につれ、老人性痴呆や
様々な成人病の患者が増加している。これらの痴呆や成
人病は、脳の機能と密接な関係があり、食物摂取によっ
てＤＨＡを補給し、脳機能強化を促進する方法が要求さ
れている。
内で生産されないため、食物摂取によって補給される。
ところで、最近の老齢人口の増加につれ、老人性痴呆や
様々な成人病の患者が増加している。これらの痴呆や成
人病は、脳の機能と密接な関係があり、食物摂取によっ
てＤＨＡを補給し、脳機能強化を促進する方法が要求さ
れている。
【０００５】ＤＨＡ合成は、α−リノレン酸から５つの
酵素反応過程、すなわち、δ−６−デサチュラーゼ（de
saturase,18:4,octadecateranoic acid ）、エロンガー
ゼ（elongase,20:4,arachidonic acid）、δ−５−デサ
チュラーゼ（desaturase,20:5,eicosapentanoic aci
d）、エロンガーゼ（elongase,22:5,doscosapentanoic
acid ）、δ−デサチュラーゼ（desaturase,22:6,docos
ahexanoic acid ）の各酵素によって導かれる。
酵素反応過程、すなわち、δ−６−デサチュラーゼ（de
saturase,18:4,octadecateranoic acid ）、エロンガー
ゼ（elongase,20:4,arachidonic acid）、δ−５−デサ
チュラーゼ（desaturase,20:5,eicosapentanoic aci
d）、エロンガーゼ（elongase,22:5,doscosapentanoic
acid ）、δ−デサチュラーゼ（desaturase,22:6,docos
ahexanoic acid ）の各酵素によって導かれる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】一般に、日常の成人の
ＤＨＡ必要量は、１日３００〜４００ｍｇと考えられて
いる。また、炭素数１８以上の脂肪酸は、炭素数１８の
リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕及びα−リノレン
脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕から生成されると考えられ
るので、ドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）を生成するため
には、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕及びα−リ
ノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕が必須脂肪酸となる
と考えられる。しかしながら、上記の量のＤＨＡを効率
よく摂取する方法は、ほとんど知られていない。
ＤＨＡ必要量は、１日３００〜４００ｍｇと考えられて
いる。また、炭素数１８以上の脂肪酸は、炭素数１８の
リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕及びα−リノレン
脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕から生成されると考えられ
るので、ドコサヘキサエン酸（ＤＨＡ）を生成するため
には、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕及びα−リ
ノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕が必須脂肪酸となる
と考えられる。しかしながら、上記の量のＤＨＡを効率
よく摂取する方法は、ほとんど知られていない。
【０００７】また、ＤＨＡの脳や目に対する作用メカニ
ズムや機能に関しての科学的データは全くなく、この面
から見ても効率よく摂取方法がほとんど知られていな
い。
ズムや機能に関しての科学的データは全くなく、この面
から見ても効率よく摂取方法がほとんど知られていな
い。
【０００８】そこで、この発明の課題は、効率よくＤＨ
Ａを摂取できるようにすることである。
Ａを摂取できるようにすることである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕
及びα−リノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕を含有す
る高級不飽和脂肪酸混合組成物であって、これらの存在
比を、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕／α−リノ
レン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕＝０．０５〜７．５
（重量比）とすることを特徴とする。
め、この発明は、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕
及びα−リノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕を含有す
る高級不飽和脂肪酸混合組成物であって、これらの存在
比を、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕／α−リノ
レン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕＝０．０５〜７．５
（重量比）とすることを特徴とする。
【００１０】リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕とα
−リノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕の存在比を所定
の値としたので、摂取後、体内、特に脳でのＤＨＡが効
率よく合成され、認識力（学習力）や記憶力増強に効果
的に寄与する。
−リノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕の存在比を所定
の値としたので、摂取後、体内、特に脳でのＤＨＡが効
率よく合成され、認識力（学習力）や記憶力増強に効果
的に寄与する。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。
する。
【００１２】この発明にかかる高級不飽和脂肪酸混合組
成物は、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕（以下、
「リノール酸」と称する。）、及びα−リノレン脂肪酸
〔ｎ−３，１８：３〕（以下、「α−リノレン酸」と称
する。）を含有又は添加した組成物である。
成物は、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕（以下、
「リノール酸」と称する。）、及びα−リノレン脂肪酸
〔ｎ−３，１８：３〕（以下、「α−リノレン酸」と称
する。）を含有又は添加した組成物である。
【００１３】このリノール酸やα−リノレン酸は、任意
の植物や動物から植物油や動物油として採取することが
できる。たとえば、亜麻粉、フラックスシード ミール
（Flaxseed meal ）、フラックスシード オイル（Flax
seed oil）等の亜麻油、ペリラ（Perilla ）油等から得
ることができる。これらはそれぞれ単独で用いてもよ
く、また、混合したり、してもよい。上記のリノール酸
やα−リノレン酸は、生成したものを用いる必要はな
く、各種の高度不飽和脂肪酸を含む飼料等の食品にリノ
ール酸やα−リノレン酸を含む油を添加し、リノール酸
やα−リノレン酸が所定の割合だけ含有されるように添
加すれば、目的の高級不飽和脂肪酸混合組成物を得るこ
とができる。
の植物や動物から植物油や動物油として採取することが
できる。たとえば、亜麻粉、フラックスシード ミール
（Flaxseed meal ）、フラックスシード オイル（Flax
seed oil）等の亜麻油、ペリラ（Perilla ）油等から得
ることができる。これらはそれぞれ単独で用いてもよ
く、また、混合したり、してもよい。上記のリノール酸
やα−リノレン酸は、生成したものを用いる必要はな
く、各種の高度不飽和脂肪酸を含む飼料等の食品にリノ
ール酸やα−リノレン酸を含む油を添加し、リノール酸
やα−リノレン酸が所定の割合だけ含有されるように添
加すれば、目的の高級不飽和脂肪酸混合組成物を得るこ
とができる。
【００１４】上記リノール酸とα−リノレン酸の存在比
は、重量比でリノール酸／α−リノレン酸＝０．０５〜
７．５がよく、０．０５〜２．０が好ましい。上記存在
比が０．０５より少ないと、１日当たりの必須リノール
酸が足らなくなり、脳内のＤＨＡ量の増加量が低下す
る。さらに、７．５より多い場合も、脳内のＤＨＡ量が
低下する。また、上記存在比を０．０５〜２．０の範囲
とすると、脳内のＤＨＡ量がより高くなる。
は、重量比でリノール酸／α−リノレン酸＝０．０５〜
７．５がよく、０．０５〜２．０が好ましい。上記存在
比が０．０５より少ないと、１日当たりの必須リノール
酸が足らなくなり、脳内のＤＨＡ量の増加量が低下す
る。さらに、７．５より多い場合も、脳内のＤＨＡ量が
低下する。また、上記存在比を０．０５〜２．０の範囲
とすると、脳内のＤＨＡ量がより高くなる。
【００１５】この発明にかかる高級不飽和脂肪酸混合組
成物は、それ自体を健康食品等の食品として使用するこ
とができる。また、この高級不飽和脂肪酸混合組成物を
各種食品に添加又は混合して使用することができる。
成物は、それ自体を健康食品等の食品として使用するこ
とができる。また、この高級不飽和脂肪酸混合組成物を
各種食品に添加又は混合して使用することができる。
【００１６】この高級不飽和脂肪酸混合組成物は、投与
した動物の脳内のＤＨＡ量を増加させるので、認識力
（学習力）や記憶保持力を増強させる効果を有する。こ
の効果を発揮する有効な動物への上記高級不飽和脂肪酸
混合組成物の投与量は、体重６０ｋｇ（成人の場合の基
準）当たり９〜１８ｇ／日とするのが好ましい。このと
き、例えば、毎食時ごとに１日の要求量の１／３を摂取
（すなわち、６０ｋｇの体重の成人に対し、３ｇ／一食
の食事）したり、毎食ごとに０．４ｇのカプセルを８個
ずつ摂取する等の摂取法をとる必要がある。この様な摂
取法を行うための食事法としては、例えば、多様な食品
産物（焼いて調理した食べ物等）に添加したり、サラダ
油として大豆油、酪農製品、カプセル等に添加したりす
る方法があげられる。これ以外に、パン製品、穀物食
品、豆乳等の各種の食品に添加することにより、摂取す
ることができる。
した動物の脳内のＤＨＡ量を増加させるので、認識力
（学習力）や記憶保持力を増強させる効果を有する。こ
の効果を発揮する有効な動物への上記高級不飽和脂肪酸
混合組成物の投与量は、体重６０ｋｇ（成人の場合の基
準）当たり９〜１８ｇ／日とするのが好ましい。このと
き、例えば、毎食時ごとに１日の要求量の１／３を摂取
（すなわち、６０ｋｇの体重の成人に対し、３ｇ／一食
の食事）したり、毎食ごとに０．４ｇのカプセルを８個
ずつ摂取する等の摂取法をとる必要がある。この様な摂
取法を行うための食事法としては、例えば、多様な食品
産物（焼いて調理した食べ物等）に添加したり、サラダ
油として大豆油、酪農製品、カプセル等に添加したりす
る方法があげられる。これ以外に、パン製品、穀物食
品、豆乳等の各種の食品に添加することにより、摂取す
ることができる。
【００１７】また、妊娠中の女性や生まれてきた子供
が、上記高級不飽和脂肪酸混合組成物を摂取し、一日の
摂取量を体重６０ｋｇ（成人の場合）当たり、一日に少
なくとも９〜１８ｇ摂取したなら、脳でのＤＨＡ合成
は、出生時、離乳期、成人時に最大となる。このため、
妊娠期間だけでなく、持続して出生後５年後まで上記上
記高級不飽和脂肪酸混合組成物を摂取することにより、
初期脳のＤＨＡを増加させることができる。これによ
り、生まれてきた子供の認識力や記憶保持力を増強させ
る。この場合の摂取方法は、菓子類、焼いて製造する食
品、サラダドレッシング類、大豆油、他の酪農製品、パ
ン製品、豆乳その他の乳製品等のあらゆる食品に対して
可能である。妊娠中の女性や生まれてきた子供の場合、
上記高級不飽和脂肪酸混合組成物の一日の摂取量は、体
重６０ｋｇの成人を基準とし、一日摂取する平均食品量
を１．１ｋｇとしたとき、９〜１８ｇであればよい。こ
の量を摂取するため、例えば、毎食ごとに３ｇずつ、又
は一日に３度ずつ８〜１０個の０．４ｇのカプセルを摂
取する等の方法をとることができる。
が、上記高級不飽和脂肪酸混合組成物を摂取し、一日の
摂取量を体重６０ｋｇ（成人の場合）当たり、一日に少
なくとも９〜１８ｇ摂取したなら、脳でのＤＨＡ合成
は、出生時、離乳期、成人時に最大となる。このため、
妊娠期間だけでなく、持続して出生後５年後まで上記上
記高級不飽和脂肪酸混合組成物を摂取することにより、
初期脳のＤＨＡを増加させることができる。これによ
り、生まれてきた子供の認識力や記憶保持力を増強させ
る。この場合の摂取方法は、菓子類、焼いて製造する食
品、サラダドレッシング類、大豆油、他の酪農製品、パ
ン製品、豆乳その他の乳製品等のあらゆる食品に対して
可能である。妊娠中の女性や生まれてきた子供の場合、
上記高級不飽和脂肪酸混合組成物の一日の摂取量は、体
重６０ｋｇの成人を基準とし、一日摂取する平均食品量
を１．１ｋｇとしたとき、９〜１８ｇであればよい。こ
の量を摂取するため、例えば、毎食ごとに３ｇずつ、又
は一日に３度ずつ８〜１０個の０．４ｇのカプセルを摂
取する等の方法をとることができる。
【００１８】したがって、所定混合比のリノール酸とα
−リノレン酸を含む高級不飽和脂肪酸混合組成物は、認
識力（学習力）及び記憶力増強剤として使用することが
できる。また、上記高級不飽和脂肪酸混合組成物を上記
の各種食品に添加することにより、認識力及び記憶力増
強効果を有する食品を得ることができる。さらに、この
高級不飽和脂肪酸混合組成物を認識力（学習力）及び記
憶力増強用の食品用組成物として使用することができ
る。
−リノレン酸を含む高級不飽和脂肪酸混合組成物は、認
識力（学習力）及び記憶力増強剤として使用することが
できる。また、上記高級不飽和脂肪酸混合組成物を上記
の各種食品に添加することにより、認識力及び記憶力増
強効果を有する食品を得ることができる。さらに、この
高級不飽和脂肪酸混合組成物を認識力（学習力）及び記
憶力増強用の食品用組成物として使用することができ
る。
【００１９】上記認識力（学習力）及び記憶力増強用の
食品用組成物として使用する場合、供給される食品に含
ませる上記食品用組成物の割合は、供給される食品全体
に対して３〜５％とするのが好ましい。また、一日に与
える上記食品用組成物の量は、体重６０ｋｇの成人を基
準とした場合、一食の食事に上記食品用組成物を３〜６
ｇずつ与え、一日に９〜１８ｇを供給することが好まし
い。
食品用組成物として使用する場合、供給される食品に含
ませる上記食品用組成物の割合は、供給される食品全体
に対して３〜５％とするのが好ましい。また、一日に与
える上記食品用組成物の量は、体重６０ｋｇの成人を基
準とした場合、一食の食事に上記食品用組成物を３〜６
ｇずつ与え、一日に９〜１８ｇを供給することが好まし
い。
【００２０】
【実施例】〔高級不飽和脂肪酸混合組成物の製造〕フラ
ックスシード（Flaxseed）、レプシード（Rapeseed）、
ペリラ（Perilla）油を挽き、脂肪酸分析を行ったもの
を混合し、リノール酸／α−リノレン酸混合比が、それ
ぞれ、２、７．５、１０、１６となるように高級不飽和
脂肪酸混合組成物を調整し、製造した。そして、これら
のそれぞれををラットの基礎飼料に添加して実験に供与
した。このとき、高級不飽和脂肪酸混合組成物は、基礎
飼料に対して３〜５％の範囲で含ませた。
ックスシード（Flaxseed）、レプシード（Rapeseed）、
ペリラ（Perilla）油を挽き、脂肪酸分析を行ったもの
を混合し、リノール酸／α−リノレン酸混合比が、それ
ぞれ、２、７．５、１０、１６となるように高級不飽和
脂肪酸混合組成物を調整し、製造した。そして、これら
のそれぞれををラットの基礎飼料に添加して実験に供与
した。このとき、高級不飽和脂肪酸混合組成物は、基礎
飼料に対して３〜５％の範囲で含ませた。
【００２１】〔実施例及び比較例〕高級不飽和脂肪酸混
合組成物の投与量が０．１５ｇ（体重１ｋｇ当たり）と
なるように、毎日、上記の各基礎飼料を妊娠ラットに妊
娠第１日目から分娩の日まで与え、その後は、生まれた
仔ラットに８週齢になるまで与えた。その後、これらの
仔ラットについて、脳内脂肪酸分析、学習力及び記憶保
持能力試験を行った。
合組成物の投与量が０．１５ｇ（体重１ｋｇ当たり）と
なるように、毎日、上記の各基礎飼料を妊娠ラットに妊
娠第１日目から分娩の日まで与え、その後は、生まれた
仔ラットに８週齢になるまで与えた。その後、これらの
仔ラットについて、脳内脂肪酸分析、学習力及び記憶保
持能力試験を行った。
【００２２】なお、学習力及び記憶保持能力試験は、下
記のモリス マゼ（Morris maze ）試験によって行い、
統計的に増強した。
記のモリス マゼ（Morris maze ）試験によって行い、
統計的に増強した。
【００２３】脳内脂肪酸分析の結果、すなわち、脳内の
ＤＨＡ濃度の変化を図１及び図２に示す。また、モリス
マゼ試験結果のうち、認識力（学習力）の結果を図３
に、記憶力の結果を図４に示す。
ＤＨＡ濃度の変化を図１及び図２に示す。また、モリス
マゼ試験結果のうち、認識力（学習力）の結果を図３
に、記憶力の結果を図４に示す。
【００２４】なお、図２、図３（ａ）及び図４（ａ）は
雄の仔ラットの結果を示し、図１、図３（ｂ）及び図４
（ｂ）は雌の仔ラットの結果を示す。
雄の仔ラットの結果を示し、図１、図３（ｂ）及び図４
（ｂ）は雌の仔ラットの結果を示す。
【００２５】また、図１及び図２の縦軸は、仔ラットの
脳内の全脂肪酸量に対するＤＨＡ量の存在割合を示す。
脳内の全脂肪酸量に対するＤＨＡ量の存在割合を示す。
【００２６】モリス マゼ（Morris maze ）試験（学習
能力及び記憶保持能力試験） 学習能力及び記憶保持能力の両方については、Morris m
aze 試験を用いて評価した。
能力及び記憶保持能力試験） 学習能力及び記憶保持能力の両方については、Morris m
aze 試験を用いて評価した。
【００２７】この試験では、まず直径１６０ｃｍ、深さ
５０ｃｍのプールに、水中に何が入っているかが見えな
いようにデンプンを入れて乳濁させた水を入れた。そし
て、台をプールの中心から６０ｃｍのところに時計で１
時の方向に向けて置いた。所定のリノール酸／α−リノ
レン酸比の高級不飽和脂肪酸混合組成物を投与した８週
齢の雄と雌のラットを対象に、１０週間にわたって学習
能力及び記憶保持力試験を行った。
５０ｃｍのプールに、水中に何が入っているかが見えな
いようにデンプンを入れて乳濁させた水を入れた。そし
て、台をプールの中心から６０ｃｍのところに時計で１
時の方向に向けて置いた。所定のリノール酸／α−リノ
レン酸比の高級不飽和脂肪酸混合組成物を投与した８週
齢の雄と雌のラットを対象に、１０週間にわたって学習
能力及び記憶保持力試験を行った。
【００２８】第１週目は、ラットを新しい実験室の環境
に馴化させた。第２週目から、ラットを各実験群に分
け、４日間づつ学習仕事を連続的に行った。はじめの学
習が確立した後、ラットを元のケージに４週間戻し、そ
して記憶保持力を試すために、各実験群のラットに再び
同じ学習仕事を行わせた。ここでのMorris maze 試験の
条件は前回と全く同じである。
に馴化させた。第２週目から、ラットを各実験群に分
け、４日間づつ学習仕事を連続的に行った。はじめの学
習が確立した後、ラットを元のケージに４週間戻し、そ
して記憶保持力を試すために、各実験群のラットに再び
同じ学習仕事を行わせた。ここでのMorris maze 試験の
条件は前回と全く同じである。
【００２９】学習能力及び記憶保持能力試験は、ラット
が不透明な水の中にある台がどこにあるのか学習し、ま
た、思い出すのに要する時間（秒）を測定することで行
った（プールの中に入れられたラットは、何処に台が置
かれているかは見えない。）。Morris maze 試験におけ
る有意差判定は、student のｔ検定、分散分析（ＡＮＯ
ＶＡ）、Dunnet's and Scheffe's試験を行い、それぞれ
ｐ＜０．０１またはｐ＜０．０５について行った。
が不透明な水の中にある台がどこにあるのか学習し、ま
た、思い出すのに要する時間（秒）を測定することで行
った（プールの中に入れられたラットは、何処に台が置
かれているかは見えない。）。Morris maze 試験におけ
る有意差判定は、student のｔ検定、分散分析（ＡＮＯ
ＶＡ）、Dunnet's and Scheffe's試験を行い、それぞれ
ｐ＜０．０１またはｐ＜０．０５について行った。
【００３０】その結果を図３及び図４に示す。図３は、
認識力（学習力）を上記説明した様にMorris maze 試験
を用いてリノール酸／α−リノレン酸比（重量比）が
２．０、７．５、１０．０である飼料を与えた群のラッ
トの認識力、即ち見えない水中の台を探す時間（秒）を
表したものである。また、図４は、同様にして記憶力を
測定したものである。いずれの場合も、反応時間が短い
ほど、認識力（学習能力）や記憶力に優れている。
認識力（学習力）を上記説明した様にMorris maze 試験
を用いてリノール酸／α−リノレン酸比（重量比）が
２．０、７．５、１０．０である飼料を与えた群のラッ
トの認識力、即ち見えない水中の台を探す時間（秒）を
表したものである。また、図４は、同様にして記憶力を
測定したものである。いずれの場合も、反応時間が短い
ほど、認識力（学習能力）や記憶力に優れている。
【００３１】結果 １．脳内脂肪酸分析 出産時、生後２１日目及び５６日目における脳内のＤＨ
Ａ濃度は、図１又は図２に示すように、リノール酸／α
−リノレン酸混合比が２のものが最も高く、この混合比
が増加するにつれ、脳内のＤＨＡ濃度は減少した。
Ａ濃度は、図１又は図２に示すように、リノール酸／α
−リノレン酸混合比が２のものが最も高く、この混合比
が増加するにつれ、脳内のＤＨＡ濃度は減少した。
【００３２】２．学習力及び記憶保持能力試験 図３及び図４から明らかなように、リノール酸／α−リ
ノレン酸混合比が２のものが最も良く、この混合比が増
加するにつれ、悪くなっていった。
ノレン酸混合比が２のものが最も良く、この混合比が増
加するにつれ、悪くなっていった。
【００３３】３．結果 したがって、リノール酸／α−リノレン酸混合比が２の
飼料を妊娠中の母ラットに、また、出産後は仔ラットに
与えた場合が、脳内のＤＨＡ濃度が最も高くなり、学習
力及び記憶保持能力が増強した。
飼料を妊娠中の母ラットに、また、出産後は仔ラットに
与えた場合が、脳内のＤＨＡ濃度が最も高くなり、学習
力及び記憶保持能力が増強した。
【００３４】
【発明の効果】この発明によれば、所定混合比のリノー
ル酸とα−リノレン酸を摂取することにより、摂取後、
脳内のＤＨＡが明らかに増加し、その結果、認識力（学
習力）や記憶力増強に効果的に寄与することができる。
このため、食品医学産業上極めて有用である。
ル酸とα−リノレン酸を摂取することにより、摂取後、
脳内のＤＨＡが明らかに増加し、その結果、認識力（学
習力）や記憶力増強に効果的に寄与することができる。
このため、食品医学産業上極めて有用である。
【図１】高級不飽和脂肪酸混合組成物の投与量と、脳内
ＤＨＡの存在比との関係を示すグラフ
ＤＨＡの存在比との関係を示すグラフ
【図２】高級不飽和脂肪酸混合組成物の投与量と、脳内
ＤＨＡの存在比との関係を示すグラフ
ＤＨＡの存在比との関係を示すグラフ
【図３】高級不飽和脂肪酸混合組成物の投与量と、モリ
ス マゼ（Morris maze ）試験における認識力（学習
力）との関係を示すグラフ
ス マゼ（Morris maze ）試験における認識力（学習
力）との関係を示すグラフ
【図４】高級不飽和脂肪酸混合組成物の投与量と、モリ
ス マゼ（Morris maze ）試験における記憶力との関係
を示すグラフ
ス マゼ（Morris maze ）試験における記憶力との関係
を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ１１Ｃ 1/00 Ｃ１１Ｃ 1/00 3/00 3/00 (71)出願人 599100372 5905， Ｗｉｌｓｏｎ Ｌａｎｅ， Ｂｅ ｔｈｅｓｄａ， ＭＤ 20817 Ｕ．Ｓ. Ａ Ｆターム(参考） 4B018 MD10 MD13 ME14 4C206 AA01 AA02 DA04 DA05 MA02 MA04 ZA02 ZA15 4H006 AA05 AB10 BS10 4H059 BA26 BA33 BA34 BB04 BB05 BB06 CA51 EA21 EA40
Claims (3)
- 【請求項１】 リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕及
びα−リノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕を含有し、
これらの存在比が、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：
２〕／α−リノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕＝０．
０５〜７．５（重量比）である高級不飽和脂肪酸混合組
成物。 - 【請求項２】 上記リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：
２〕及びα−リノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕の存
在比が、リノール脂肪酸〔ｎ−６，１８：２〕／α−リ
ノレン脂肪酸〔ｎ−３，１８：３〕＝０．０５〜２．０
（重量比）である請求項１に記載の高級不飽和脂肪酸混
合組成物。 - 【請求項３】 請求項１又は２に記載の高級不飽和脂肪
酸混合組成物を含有する食品。
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- 2003-10-23 US US10/692,577 patent/US20040082656A1/en not_active Abandoned
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2004
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