JP2000309194A - 転写用素子 - Google Patents

転写用素子

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JP2000309194A
JP2000309194A JP11118904A JP11890499A JP2000309194A JP 2000309194 A JP2000309194 A JP 2000309194A JP 11118904 A JP11118904 A JP 11118904A JP 11890499 A JP11890499 A JP 11890499A JP 2000309194 A JP2000309194 A JP 2000309194A
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JP
Japan
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liquid crystal
layer
film
cholesteric liquid
protective layer
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JP11118904A
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English (en)
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Ryo Nishimura
涼 西村
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写時にコレステリック液晶層に配向乱れ、
割れ等が生じることなく、また所望の形状にコレステリ
ック液晶層を被転写物に転写することができる転写用素
子を提供する。 【解決手段】 支持基板/保護層/コレステリック液晶
層/接着剤層から少なくとも構成され、液晶層がGPC
(ポリスチレン換算)で測定した重量平均分子量Mwが
1000〜10万、分子量分布(Mw/Mn;Mnは数
平均分子量)が5以下、対数粘度が0.05〜2.0
(フェノール/テトラクロロエタン(重量比60/4
0)混合溶媒において濃度0.5g/dl(温度30
℃))、ガラス転移温度(Tg)が200℃以下、かつ
液晶相から等方相への転移温度(Ti)が40℃以上で
ある高分子液晶を必須成分とするフィルム材料から形成
されたコレステリック液晶性フィルムである転写用素
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事務用品やその他
の任意の製品に様々な意匠性を付与して識別を容易にす
る等に使用される転写用素子に関する。
【0002】
【従来の技術】コレステリック液晶はその特異な特性、
選択反射特性や選択反射波長の温度依存性(温度変化に
伴う色変化)等から色鮮やかな呈色効果を有することか
ら事務用品をはじめとする各種様々な製品に対して意匠
性や識別性を付与する目的で用いられている。
【0003】またコレステリック液晶は、その円偏光選
択反射性といった特性を有することから、自動車運転免
許証、身分証明書、クレジットカード、プリペイドカー
ド、有価証券等の真偽判別フィルムとして利用する方法
等が開示されている(例えば特開昭63−51193号
公報等)。上述の用途に使用されるコレステリック液晶
は、加工性や外観の均一性等から低分子液晶が主体であ
ったが、低分子液晶は室温で粘性がかなり高いものの流
動性を示すためカプセル化等の特殊な袋状のものの中に
充填する必要がある。また流動性故に意匠性の付与が困
難であったりもする。さらに近年、高分子液晶も使用さ
れるようになってきつつあるが、転写された後の液晶膜
に、例えば配向乱れが生じる、所望の形状に液晶膜を転
写できない、また割れが生じる等の問題があり、これら
要求を満足する高分子コレステリック液晶薄膜の開発が
求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決するものであり、特定の高分子液晶からなるコレステ
リック液晶性フィルムを用いることにより転写時に配向
乱れや割れといった現象が起きず、また所望の形状に容
易に転写することができる転写用素子を提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、支持
基板/保護層/コレステリック液晶層/接着剤層から少
なくとも構成され、液晶層がGPC(ポリスチレン換
算)で測定した重量平均分子量Mwが1000〜10
万、分子量分布(Mw/Mn;Mnは数平均分子量)が
5以下、対数粘度が0.05〜2.0(フェノール/テ
トラクロロエタン(重量比60/40)混合溶媒におい
て濃度0.5g/dl(温度30℃))、ガラス転移温
度(Tg)が200℃以下、かつ液晶相から等方相への
転移温度(Ti)が40℃以上である高分子液晶を必須
成分とするフィルム材料から形成されたコレステリック
液晶性フィルムである転写用素子に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の転写用素子は、支持基板/保護層/コレス
テリック液晶層/接着剤層から少なくとも構成されるも
のである。ここで支持基板/保護層/コレステリック液
晶層/接着剤層とは、支持基板、保護層、コレステリッ
ク液晶層、接着剤層の順に積層された構成を意味する。
なお支持基板と保護層との間、また保護層とコレステリ
ック液晶層の間には、中間層を有することもでき、例え
ば接着剤層、剥離層等を中間層として用いることができ
る。以下、順に本発明の構成要素について説明する。
【0007】本発明の構成要素である支持基板とは、コ
レステリック液晶層の支持体として機能するものであ
り、コレステリック液晶層が被転写物に転写された後、
支持基板は剥離除去される。このような機能を有する支
持基板としては、例えばポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルフ
ァイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコ
ール、セルロース系プラスチックスや、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ノ
ルボルネン系樹脂などの鎖式または脂環式ポリオレフィ
ン等から形成されたプラスチックフィルムやシート等が
挙げられる。また支持基板としては、後述するコレステ
リック液晶性フィルム形成の際に用いることができる各
種配向支持基板をそのまま支持基板として利用すること
もできる。
【0008】また支持基板としては、プラスチックフィ
ルムやシートの表面にシリコン処理等の表面処理、また
アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂あるいは
パラフィン系のワックスをコーティングしたもの等も支
持基板として使用することができる。さらには支持基板
となるプラスチックフィルムやシートに対して、エンボ
ス加工等の物理的変形処理、親水化処理、疎水化処理等
を行ったものも本発明の構成要素である支持基板として
使用することができる。
【0009】支持基板の膜厚は、通常8〜200μm、
好ましくは15〜150μm、さらに好ましくは20〜
100μmである。8μmより薄い場合、得られる転写
用素子のハンドリング性を悪化させる恐れがある。また
200μmより厚い場合には、剥離転写操作がスムーズ
に行えない可能性がある。
【0010】なお支持基板は、被転写物にコレステリッ
ク液晶層が転写された際には除去されるものであり、そ
の剥離界面は通常、支持基板と保護層との界面間であ
る。
【0011】本発明の構成要素である保護層とは、コレ
ステリック液晶層が被転写物に転写された後、該液晶層
を保護する目的のものである。保護層としては、紫外線
吸収性および/またはハードコート性を有するものであ
れば特に限定されるものではない。例えば紫外線吸収剤
およびハードコート剤を含有した保護層形成材料をフィ
ルム状物、シート状物、薄膜状物、板状物に形成したも
のが挙げられる。また紫外線吸収剤を含有した保護層形
成材料からなる紫外線吸収性を有した保護層(以下、紫
外線吸収層)と、ハードコート剤を含有した保護層形成
材料からなるハードコート性を有した保護層(以下、ハ
ードコート層)との積層物を本発明でいう保護層として
用いることもできる。また一般に市販されている紫外線
カットフィルムとハードコートフィルムとの積層物を保
護層として用いることができる。また紫外線吸収層に各
種ハードコート剤を塗布して成膜した積層物も保護層と
して用いることができる。ここで紫外線吸収層およびハ
ードコート層は、それぞれ2層以上から形成されてもよ
く、各層はそれぞれ接着剤層等を介して積層することが
できる。
【0012】保護層形成材料としては、光透過性が高い
ものが望ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)、ポリスチレ
ン、アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタク
リレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、
ポリスルフォン、セルロース系樹脂等に紫外線吸収剤お
よび/またはハードコート剤を添加したものを用いるこ
とができる。また保護層としては、熱、光または電子線
硬化型の反応性接着剤に紫外線吸収剤および/またはハ
ードコート剤を添加した接着剤組成物を用いることもで
き、その接着剤組成物の硬化物を保護層とすることもで
きる。
【0013】紫外線吸収剤としては、保護層形成材料に
相溶または分散できるものであれば特に制限はなく、例
えばベンゾフェノン系化合物、サルシレート系化合物、
ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合
物、シアノアクリレート系化合物等の有機系紫外線吸収
剤、酸化セシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機系紫
外線吸収剤を用いることができる。なかでも紫外線吸収
効率が高いベンゾフェノン系化合物が好適に用いられ
る。また紫外線吸収剤は、1種単独または複数種添加す
ることができる。保護層中の紫外線吸収剤の配合割合
は、使用する保護層形成材料により異なるが、通常0.
1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%であ
る。
【0014】ハードコート剤としては、保護層形成材料
に相溶または分散できるものであれば特に制限はなく、
例えばオルガノポリシロキサン系、光硬化型樹脂系のア
クリルオリゴマー系、ウレタンアクリレート系、エポキ
シアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、熱硬
化型樹脂系のアクリル−シリコン系、またはセラミック
ス等の無機系化合物等を用いることができる。なかでも
成膜性等の観点からオルガノポリシロキサン系、光硬化
型樹脂系であるアクリルオリゴマー系のハードコート剤
が好適に用いられる。なおこれらのハードコート剤は、
無溶媒型、溶媒型のいずれであっても使用することがで
きる。
【0015】保護層形成材料には、紫外線吸収剤および
ハードコート剤の他に必要に応じてヒンダードアミンや
消光剤等の光安定剤、帯電防止剤、スベリ性改良剤、染
料、顔料、界面活性剤、微細なシリカやジルコニア等の
充填剤等の各種添加剤を配合することもできる。これら
各種添加剤の配合割合は、本発明の効果を損なわない範
囲であれば特に制限はないが、通常0.01〜10重量
%、好ましくは0.05〜5重量%である。
【0016】また保護層を構成する紫外線吸収層は、先
に説明した保護層形成材料に紫外線吸収剤、必要に応じ
て光安定剤等を適宜配合したものを用いて形成すること
ができる。さらに一般に市販されている紫外線カットフ
ィルム等を紫外線吸収層として本発明に用いることもで
きる。
【0017】また保護層を構成するハードコート層は、
先に説明した保護層形成材料にハードコート剤、場合に
より各種添加剤を配合したものを用いて形成することが
できる。またハードコート層としては、上記ハードコー
ト剤を透明な支持フィルム上に塗布して形成したもので
あってもよい。透明な支持フィルムとしては、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイ
ド、アモルファスポリオレフィン、トリアセチルセルロ
ース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート等から形成されるフィルムを挙げることができ
る。
【0018】紫外線吸収層とハードコート層とは接着剤
等を介して積層し、本発明でいう保護層とすることがで
きる。接着剤としては、熱、光または電子線硬化型の反
応性接着剤等を用いることができる。また接着剤として
紫外線吸収剤を含有したものを用い、別に用意したハー
ドコート層をコレステリック液晶層に積層することによ
り保護層を形成することもできる。また接着剤には必要
に応じて染料、顔料、界面活性剤等を適宜添加してもよ
い。
【0019】さらにハードコート層としては、グラビア
インキ用ビヒクル樹脂等も好適に用いることができる。
グラビアインキ用ビヒクル樹脂としては、例えばニトロ
セルロース、エチルセルロース、ポリアミド樹脂、塩化
ビニル、塩素化ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリウ
レタン、ポリエステル等が挙げられる。またグラビアイ
ンキ用ビヒクル樹脂中に接着性向上や皮膜強度向上の為
に、例えばエステルガム、ダンマルガム、マレイン酸樹
脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、キ
シレン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂等のハードレジン
を配合してもよい。
【0020】またハードコート層の構成は、要求される
耐候性等に応じてハードコート層1層または複合層にす
ることができる。複合層としては、例えばオルガノポリ
シロキサンを含むハードコート層、光硬化型樹脂を含む
ハードコート層、熱硬化型樹脂を含むハードコート層、
無機化合物を含むハードコート層等、それぞれを組み合
わせて2層以上からなる複合層をハードコート層として
用いることもできる。
【0021】さらにハードコート性の度合い、すなわち
硬度としては本発明の光学積層体を構成する材質により
一概に決定できないが、JIS L 0849記載の試
験法に準じて評価を行った場合、変色の判定基準として
少なくとも3以上、好ましくは4以上であることが望ま
しい。
【0022】本発明の構成要素である保護層、また保護
層を構成する紫外線吸収層およびハードコート層の成膜
法は、通常ロールコート法、ディッピング法、グラビア
コート法、バーコード法、スピンコート法、スプレーコ
ート法、プリント法等の公知の方法を採用することがで
きる。これら方法によりコレステリック液晶層上、また
は支持フィルム上に成膜した後、使用した保護層形成材
料に応じた後処理を施すことにより保護層を形成するこ
とができる。また紫外線吸収層とハードコート層との複
合層からなる保護層の形成方法としては、例えば紫外線
吸収層に直接ハードコート剤を塗布形成する方法、接着
剤等を介して積層する方法等が挙げられる。
【0023】保護層の膜厚は、紫外線吸収性およびハー
ドコート性のそれぞれが求められる性能に応じて異なる
ため一概には言えないが、通常0.1〜100μm、好
ましくは1〜50μmである。また保護層が紫外線吸収
層およびハードコート層との複合層から形成される場合
も、各層の全膜厚が上記範囲に入ることが望ましい。
【0024】本発明の構成要素であるコレステリック液
晶層とは、GPC(ポリスチレン換算)で測定した重量
平均分子量Mwが1000〜10万、分子量分布(Mw
/Mn;Mnは数平均分子量)が5以下、対数粘度が
0.05〜2.0(フェノール/テトラクロロエタン
(重量比60/40)混合溶媒において濃度0.5g/
dl(温度30℃))、ガラス転移温度(Tg)が20
0℃以下、かつ液晶相から等方相への転移温度(Ti)
が40℃以上であるで高分子液晶を必須成分とするフィ
ルム材料から形成された少なくとも1枚のコレステリッ
ク液晶性フィルムから構成されるものである。
【0025】高分子液晶のGPC(ポリスチレン換算)
で測定した重量平均分子量(Mw)が、1000未満で
は得られる液晶性フィルムの機械的強度が低く、各種後
処理工程や実用性能面で望ましくない。また10万を越
えると液晶の流動性が悪化し配向性に悪影響を及ぼす恐
れがある。また分子量分布が5を越えると、コレステリ
ック液晶性フィルム作製時の溶融性、溶液への溶解性が
悪くなり、コレステリック相への均一配向も得られ難く
実用上問題となる恐れがある。また対数粘度が0.05
未満ではコレステリック液晶性フィルムの機械的強度が
低くなる恐れがあり、各種後工程や実用性能面で望まし
くない。また2.0を越えると液晶の流動性が悪化しコ
レステリック相への均一配向が得られ難くなる恐れがあ
る。またガラス転移温度(Tg)が、200℃より高い
場合は液晶状態での流動性が悪く均一配向が得られ難く
なる恐れがあり、さらに必要により配向時に使用される
支持基板の選定が困難という問題も生じる可能性があ
る。さらに液晶相から等方相への転移温度(Ti)が4
0℃より低い場合は室温付近におけるコレステリック液
晶性フィルムの配向安定性が悪化する恐れがあり望まし
くない。
【0026】本発明に用いられる高分子液晶は、上記各
諸物性を満足する高分子液晶であれば何ら限定されるも
のではなく、主鎖型、側鎖型高分子液晶等いずれでも使
用することができる。具体的にはポリエステル、ポリア
ミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミドなどの主
鎖型液晶ポリマー、あるいはポリアクリレート、ポリメ
タクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサンなどの
側鎖型液晶ポリマーなどが挙げられる。なかでもコレス
テリック配向を形成する上で配向性が良く、合成も比較
的容易である液晶性ポリエステルが望ましい。またポリ
マーの構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族
ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単
位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位を
好適な例として挙げられる。
【0027】またコレステリック液晶性フィルムの耐熱
性等を向上させるために、フィルム材料中にコレステリ
ック相の発現を妨げない範囲において、例えばビスアジ
ド化合物やグリシジルメタクリレート等の架橋剤を添加
することもでき、これら架橋剤を添加することによりコ
レステリック相を発現させた状態で架橋させることもで
きる。さらにフィルム材料中には、二色性色素、染料、
顔料等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲に
おいて適宜添加することもできる。
【0028】コレステリック液晶層を構成するコレステ
リック液晶性フィルムは、例えば配向支持基板上または
基板上に形成された配向膜上に上述したフィルム材料を
塗布し、熱処理することによって得ることができる。
【0029】配向支持基板としては、コレステリック配
向阻害になるものでなければ特に限定されず、例えばガ
ラス基板またはプラスチックフィルム、プラスチックシ
ート等のプラスチック基板を例示することができる。ガ
ラス基板としては例えばソーダガラス、シリカコートソ
ーダガラス、ホウケイ酸ガラス基板等を用いることがで
きる。またプラスチック基板としては、ポリメチルメタ
クリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエ
ーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、アモ
ルファスポリオレフィン、トリアセチルセルロース、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
基板等を用いることができる。これらの支持基板に必要
に応じて一軸または二軸延伸操作を適宜加えることもで
きる。さらに上記基板に、親水化処理や疎水化処理や易
剥離性処理などの表面処理を施すこともできる。また支
持基板としては1種単独、または2種以上の基板を積層
したものを配向支持基板として用いることもできる。
【0030】また配向膜としては、ラビング処理したポ
リイミドフィルムが好適に用いられるが、その他当該分
野で公知の配向膜も適宜使用することができる。またポ
リイミド等を塗布することなく、直接ラビング処理によ
って配向能を付与して得られるプラスチック基板等もコ
レステリック液晶性フィルムを得る際に使用することが
できる。なお配向処理の方法は特に制限されるものでは
ないが、液晶分子を配向処理界面と一様に平行に配向さ
せるものであればよい。次いで配向支持基板上にフィル
ム材料を塗布する手段としては、溶融塗布、溶液塗布が
挙げられるが、プロセス上溶液塗布が望ましい。
【0031】溶液塗布は、フィルム材料を所定の割合で
溶媒に溶解し、所定濃度の溶液を調製する。溶媒として
は、用いるフィルム材料の種類により異なるが、通常ト
ルエン、キシレン、ブチルベンゼン、テトラヒドロナフ
タレン、デカヒドロナフタレン等の炭化水素系、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエー
テル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、γ
−ブチロラクトン等のエステル系、N−メチル−2−ピ
ロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド系、ジクロロメタン、四塩化炭素、テトラ
クロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
系、ブチルアルコール、トリエチレングリコール、ジア
セトンアルコール、ヘキシレングリコール等のアルコー
ル系等を用いることができる。これらの溶媒は必要によ
り2種以上を適宜混合して使用することもできる。また
溶液の濃度は用いられる高分子液晶の分子量や溶解性、
さらに最終的に目的とするフィルムの膜厚等により異な
るため一概には言えないが、通常1〜60重量%、好ま
しくは3〜40重量%である。
【0032】また溶液中には、塗布を容易にするために
界面活性剤等を加えても良い。界面活性剤としては、例
えばイミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルア
ミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面
活性剤、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮
合物、第一級あるいは第二級アルコールエトキシレー
ト、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレン
グリコール及びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン
類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸
塩、脂肪族あるいは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物
等の陰イオン系界面活性剤、ラウリルアミドプロピルベ
タイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活
性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性
剤、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレン
オキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアン
モニウム塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オ
リゴマー、パーフルオロアルキル・親油基含有オリゴマ
ーパーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界
面活性剤などが挙げられる。界面活性剤の添加量は、界
面活性剤の種類や溶剤、あるいは塗布する支持基板にも
よるが、通常、高分子液晶の重量に対する比率にして1
0ppm〜10%、好ましくは50ppm〜5%、さら
に好ましくは0.01%〜1%の範囲である。上記の如
くして調製したフィルム材料溶液を配向支持基板上に塗
布する。
【0033】塗布方法としては、例えばロールコート
法、ダイコート法、バーコート法、グラビアロールコー
ト法、スプレーコート法、ディップコート法、スピンコ
ート法等を採用することができる。
【0034】塗布後溶媒を乾燥により除去し、コレステ
リック液晶相を呈する所定温度、所定時間熱処理してコ
レステリック配向を完成させる。次いで液晶状態におい
て形成したコレステリック配向を、高分子液晶のガラス
転移点以下の温度に急冷することによってコレステリッ
ク配向が固定化されたコレステリック液晶性フィルムを
得ることができる。
【0035】コレステリック液晶性フィルムの厚さは、
特に制限されるものではないが、量産性、製造プロセス
の面から、通常0.3〜20μm、好ましくは0.5〜
10μm、さらに好ましくは0.7〜3μmであること
が望ましい。
【0036】次いで本発明の構成要素である接着剤層
は、被転写物とコレステリック液晶層との間の接着を目
的として形成されるものである。接着剤層としては、特
に限定されるものではなく、従来公知の様々な粘・接着
剤、具体的にはホットメルト型接着剤、光または電子線
硬化型の反応性接着剤等を適宜用いることができる。な
かでも転写時の作業性の観点からホットメルト型接着剤
が本発明では好適に用いられる。
【0037】ホットメルト型接着剤としては特に制限は
ないが、ホットメルトの作業温度が250℃以下、好ま
しくは80〜200℃、さらに好ましくは100〜16
0℃程度のものが作業性等の観点から望ましく用いられ
る。具体的には、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、熱可塑性ゴム系、ポリアクリル系樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルブチラー
ル等のポリビニルアセタール系樹脂、石油系樹脂、テル
ペン系樹脂、ロジン系樹脂等をベース樹脂とするホット
メルト接着剤を用いることができる。
【0038】また反応性接着剤としては、光または電子
線重合性を有するプレポリマーおよび/またはモノマー
に必要に応じて他の単官能性モノマー、多官能性モノマ
ー、各種ポリマー、安定剤、光重合開始剤、増感剤等を
配合したものを用いることができる。
【0039】光または電子線重合性を有するプレポリマ
ーとしては、具体的にはポリエステルアクリレート、ポ
リエステルメタクリレート、ポリウレタンアクリレー
ト、ポリウレタンメタクリレート、エポキシアクリレー
ト、エポキシメタクリレート、ポリオールアクリレー
ト、ポリオールメタクリレート等を例示することができ
る。また光または電子線重合性を有するモノマーとして
は、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、2官
能アクリレート、2官能メタクリレート、3官能以上の
多官能アクリレート、多官能メタクリレート等が例示で
きる。またこれらは市販品を用いることもでき、例えば
アロニックス(アクリル系特殊モノマー、オリゴマー;
東亞合成(株)製)、ライトエステル(共栄社化学
(株)製)、ビスコート(大阪有機化学工業(株)製)
等を用いることができる。
【0040】また光重合開始剤としては、例えばベンゾ
フェノン誘導体類、アセトフェノン誘導体類、ベンゾイ
ン誘導体類、チオキサントン類、ミヒラーケトン、ベン
ジル誘導体類、トリアジン誘導体類、アシルホスフィン
オキシド類、アゾ化合物等を用いることができる。
【0041】本発明に用いることができる光または電子
線硬化型の反応性接着剤の粘度は、接着剤の加工温度等
により適宜選択するものであり一概にはいえないが、通
常25℃で10〜2000mPa・s、好ましくは50
〜1000mPa・s、さらに好ましくは100〜50
0mPa・sである。粘度が10mPa・sより低い場
合、所望の厚さが得られ難くくなる。また2000mP
a・sより高い場合には、作業性が低下する恐れがあり
望ましくない。粘度が上記範囲から外れている場合に
は、適宜、溶剤やモノマー割合を調整し所望の粘度にす
ることが好ましい。
【0042】また光硬化型の反応性接着剤を用いた場
合、その接着剤の硬化方法としては公知の硬化手段、例
えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハ
ライドランプ、キセノンランプ等を使用することができ
る。また露光量は、用いる反応性接着剤の種類により異
なるため一概にはいえないが、通常50〜2000mJ
/cm2、好ましくは100〜1000mJ/cm2であ
る。
【0043】また電子線硬化型の反応性接着剤を用いた
場合、その接着剤の硬化方法としては、電子線の透過力
や硬化力により適宜選定されるものであり一概にはいえ
ないが、通常、加速電圧が50〜1000kV、好まし
くは100〜500kVの条件で照射して硬化すること
ができる。
【0044】さらに本発明における接着剤層として粘着
剤を用いる場合も特に制限されるものではなく、例えば
ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテ
ル系粘着剤などを用いることができる。接着剤層の厚さ
は、用いられる用途やその作業性等により異なるため一
概にはいえないが、通常0.5〜50μm、好ましくは
1〜10μmである。
【0045】また接着剤層の形成方法としては、後述す
る転写用素子の製造方法により異なるが、例えばロール
コート法、ダイコート法、バーコート法、、カーテンコ
ート法、エクストルージョンコート法、、グラビアロー
ルコート法、スプレーコート法、スピンコート法等の公
知の方法を用いてコレステリック液晶層上等に形成する
ことができる。
【0046】本発明の転写用素子を構成する支持基板と
保護層との間、また保護層とコレステリック液晶層との
間には中間層を有することもできる。中間層としては、
例えば接着剤層、離型層等を挙げることができる。
【0047】接着剤層としては、特に制限されるもので
はないが、例えば先に説明した光または電子線硬化型の
反応性接着剤を適宜用いることができる。また離型層と
しては、例えば熱により流動性を示すワックス、シリコ
ーン、フッ素系離型剤等から形成することができる。な
お本発明の転写用素子の支持基板と保護層との間には、
接着剤層および離型層の2層を中間層として構成するこ
ともできる。
【0048】本発明の転写用素子の製造方法としては、
(1)支持基板上に他の構成要素を順次本発明の構成と
なるように積層する、(2)配向支持基板上にてコレス
テリック液晶層を形成させた後、コレステリック液晶層
上に保護層を形成する。次いで本発明の構成要素である
支持基板上に中間層(接着剤層および/または離型層)
を介して保護層が形成されたコレステリック液晶層を転
写し、コレステリック液晶層から配向支持基板を剥離除
去する。次いでコレステリック液晶層面上に接着剤層を
形成する、といった方法等が挙げられる。なお上記製造
方法は、あくまでも例示であり本発明の転写用素子はこ
れらに限定されるものではない。
【0049】本発明の転写用素子は、該素子を構成する
接着剤層の種類にもよるが、例えばポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケト
ンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフ
ォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオ
キサイド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピ
レン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコー
ル、ポリアセタール、ポリアリレート、セルロース系プ
ラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のシー
ト、フィルムあるいは基板、または紙、合成紙等の紙
類、金属箔、ガラス等の被転写物に対して容易に支持基
板からコレステリック液晶層を配向乱れや割れを生じる
ことなく、また所望の形状に転写することができる。
【0050】また本発明の構成要素である接着剤として
ホットメルト型接着剤を用いた場合には、加熱、加圧、
衝撃を瞬時に加えることができるいわゆるホットスタン
プ装置を用いた際には、転写、剥離、除去の一連の操作
が同時に、また瞬時に行うことが可能である。
【0051】
【実施例】以下に実施例について述べるが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。本発明で使用した各種
測定法は以下のとおりである。 (GPC測定法)東ソー製GPC(CP8000、CO
8000、UV8000)に、TSKG3000HX
L、G2000HXL、G1000HXLの構成のカラ
ムを接続し、25℃℃でテトラヒドロフラン(THF)
溶媒、流量0.7ml/分で測定を行った。同条件で標
準ポリスチレンを用いて検量線を別途作成し、ポリスチ
レン換算の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnおよ
び分子量分布Mw/Mnを求めた。 (ガラス転移温度(Tg)の測定)Du Pont製D
SC990にて測定した。 (液晶相から等方相への転移温度(Ti)の測定)ホッ
トステージを設置したオリンパス(株)製偏光顕微鏡B
X50にて測定を行った。
【0052】(実施例1)Mw(重量平均分子量)が7
200、Mw/Mnが2.1、固有粘度が0.145d
L/g、Tgが85℃、Tiが150℃の液晶性ポリエ
ステル(R体光学活性化合物を含有)を20重量%含む
N−メチル−2−ピロリドン溶液を調製した。この溶液
をラビング処理した厚さ75μmのポリフェニレンスル
フィド(PPS)フィルムにスピンコート法で塗布し、
溶媒を乾燥させ、200℃で5分間熱処理を行った。熱
処理後、室温まで急冷したところ金色の鏡面反射を呈す
るフィルムが得られた。得られたフィルムを日本分光
(株)製紫外可視近赤外分光光度計V−570にて透過
スペクトルを測定したところ、中心波長が約600n
m、選択反射波長帯域幅約100nmを示す厚さ1.6
μmのコレステリック液晶性フィルムが形成されている
ことが確認された。
【0053】次いで、コレステリック液晶性フィルム上
に、アクリルオリゴマー系のリポキシSP−1509
(昭和高分子(株)製品)にアエロジルR812(日本
アエロジル(株)製品)を5重量%及び光重合開始剤と
してイルガキュアー907(チバガイギー社商品名)3
重量%添加した試製紫外線硬化型ハードコート剤(イソ
プロピルアルコール溶液(固形分20重量%))をバー
コーターで厚さ5μmとなるよう塗布した。次いで表面
をシリコン処理を施したポリエチレンテレフタレートフ
ィルムで覆い、該ポリエチレンテレフタレートフィルム
の上から高圧水銀灯による紫外光を照射して、該ハード
コート剤を硬化させ(保護層)、PPSフィルムを剥離
して除去した。この上にさらにポリビニルアルコール系
ホットメルト接着剤層を形成させ、転写用素子を完成さ
せた。
【0054】この転写用素子を、10cm角、厚さ1m
mのポリ塩化ビニル製のプラスチックシート上に、ホッ
トスタンプ装置を用いて1cm角の保護層/コレステリ
ック液晶性フィルム/接着剤層の積層体を140℃で転写
を試みた。その結果、ポリ塩化ビニル製のプラスチック
シートに1cm角の、保護層/コレステリック液晶性フ
ィルム/接着剤層の積層体を転写することができた。転
写用素子の支持基板であるポリエチレンテレフタレート
フィルムは、ホットスタンプ時に保護層から剥離した。
また接着剤層は、ポリ塩化ビニルシートに強固に接着さ
れていた。転写後のコレステリック液晶性フィルムには
配向乱れや割れ等は発生していなかった。
【0055】次いでポリ塩化ビニルシート上の積層体の
耐摩擦性試験をスガ試験機(株)製摩擦試験機FR−I
型を用いて行った。試験片として該積層体を保護層が上
面になるように固定し、摩擦子に乾燥状態の白綿布を装
着して試験片上10cmの間を50秒間50往復の摩擦
操作を行い、試験後のフィルムの保護層を目視観察した
ところ、保護層にほとんど傷は見られなかった。変色の
判定基準による評価は、4−5であった。また、この転
写用素子を用いて、A4サイズの紙の上に転写すること
を試みた。ポリ塩化ビニルシートを被転写体としたとき
と同様、良好な転写が行えた。
【0056】 (比較例1)Mwが950、Mw/Mnが
2.0、対数粘度が0.06、Tgが20℃、Tiが1
20℃の液晶性ポリエステル(R体光学活性化合物を含
有)を用い、コレステリック配向のための処理温度を4
0℃に、急冷温度を0℃とする以外は実施例1と同様に
転写用素子を作製した。得られた転写用素子を、10c
m角、厚さ1mmのポリ塩化ビニル製のプラスチックシ
ート上に、ホットスタンプ装置を用いて140℃で転写
したが、フィルムの一部に割れが生じるとともに、コレ
ステリック配向が乱れ、配向ムラが発生していた。また
回折パターンに起因する虹色も呈していなかった。
【0057】(比較例2)Mwが約12万、Mw/Mn
が4.0、対数粘度が2.0、Tgが150℃、Tiが
240℃の液晶性ポリエステル(R体光学活性化合物を
含有)を用いる以外は実施例1と同様に転写用素子を作
製した。得られた転写用素子を、10cm角、厚さ1m
mのポリ塩化ビニル製のプラスチックシート上に、ホッ
トスタンプ装置を用いて140℃で転写したが、コレス
テリック液晶層に多数の配向欠陥が見られ、また全体的
に配向ムラも発生していた。
【0058】(比較例3)Mwが95000、Mw/M
nが6.0、対数粘度が1.5、Tgが145℃、Ti
が240℃の液晶性ポリエステル(R体光学活性化合物
を含有)を用いる以外は実施例1と同様に転写用素子を
作製した。得られた転写用積層体を、10cm角、厚さ
1mmのポリ塩化ビニル製のプラスチックシート上に、
ホットスタンプ装置を用いて140℃で転写した。得ら
れた積層体の反射色は鮮やかでなく、オリンパス(株)
製顕微鏡BX50で反射光観察したところ、液晶層に多
数の配向欠陥が観察された。
【0059】(比較例4)Mwが98000、Mw/M
nが3.0、対数粘度が1.8、Tgが205℃、Ti
が250℃の液晶性ポリエステル(R体光学活性化合物
を含有)を用いる以外は実施例1と同様に転写用素子を
作製した。得られた転写用素子を、10cm角、厚さ1
mmのポリ塩化ビニル製のプラスチックシート上に、ホ
ットスタンプ装置を用いて140℃で転写した。得られ
た積層体の反射色は鮮やかでなく、オリンパス(株)製
顕微鏡BX50で反射光観察したところ、液晶層に多数
の配向欠陥が観察された。
【0060】(比較例5)Mwが1040、Mw/Mn
が2.1、対数粘度が0.06、Tgが15℃、Tiが
36℃の液晶性ポリエステル(R体光学活性化合物を含
有)を用い、コレステリック配向温度を30℃、急冷温
度を10℃とした以外は実施例1と同様に転写用素子を
作製した。得られた転写用素子を、10cm角、厚さ1
mmのポリ塩化ビニル製のプラスチックシート上に、ホ
ットスタンプ装置を用いて140℃で転写したが、コレ
ステリック液晶層の一部が等方相に転移するとともに、
コレステリック配向が乱れ、配向ムラも発生していた。
【0061】(比較例6)Mwが1030、Mw/Mn
が2.2、対数粘度が0.046、Tgが20℃、Ti
が115℃の液晶性ポリエステル(R体光学活性化合物
を含有)を用い、コレステリック配向温度を100℃と
する以外は実施例1と同様に転写用素子を作製した。得
られた転写用素子を、10cm角、厚さ1mmのポリ塩
化ビニル製のプラスチックシート上に、ホットスタンプ
装置を用いて140℃で転写したが、コレステリック液
晶層の一部が等方相に転移するとともに、コレステリッ
ク配向が乱れ、配向ムラも発生していた。
【0062】(比較例7)Mwが98900、Mw/M
nが4.0、対数粘度が2.5、Tgが148℃、Ti
が250℃の液晶性ポリエステル(R体光学活性化合物
を含有)を用いる以外は実施例1と同様に転写用素子を
得た。得られた転写用素子を、10cm角、厚さ1mm
のポリ塩化ビニル製のプラスチックシート上に、ホット
スタンプ装置を用いて140℃で転写したが、液晶層に
配向欠陥が認められ均一なコレステリック配向は得られ
ていなかった。
【0063】
【発明の効果】本発明の転写用素子は、転写された液晶
層に配向乱れ、割れ等が生じることなく、また所望の形
状に被転写物に転写できることから、事務用品やその他
の任意の製品に様々な意匠性を付与することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板/保護層/コレステリック液
    晶層/接着剤層から少なくとも構成され、液晶層がGP
    C(ポリスチレン換算)で測定した重量平均分子量Mw
    が1000〜10万、分子量分布(Mw/Mn;Mnは
    数平均分子量)が5以下、対数粘度が0.05〜2.0
    (フェノール/テトラクロロエタン(重量比60/4
    0)混合溶媒において濃度0.5g/dl(温度30
    ℃))、ガラス転移温度(Tg)が200℃以下、かつ
    液晶相から等方相への転移温度(Ti)が40℃以上で
    ある高分子液晶を必須成分とするフィルム材料から形成
    されたコレステリック液晶性フィルムである転写用素
    子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001085472A1 (en) * 2000-04-25 2001-11-15 Koninklijke Philips Electronics N.V. Method for providing a surface of an article with a decoration or text
JP2019000816A (ja) * 2017-06-16 2019-01-10 中井工業株式会社 転写箔の製造方法及び転写箔

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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