JP2000308486A - 細菌検出法 - Google Patents

細菌検出法

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JP2000308486A
JP2000308486A JP2000045025A JP2000045025A JP2000308486A JP 2000308486 A JP2000308486 A JP 2000308486A JP 2000045025 A JP2000045025 A JP 2000045025A JP 2000045025 A JP2000045025 A JP 2000045025A JP 2000308486 A JP2000308486 A JP 2000308486A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】煩雑な作業を必要とすることなく、迅速かつ特
異的に細菌を検出することができる細菌検出法を提供す
ること。 【解決手段】測定対象細菌を検出するための方法であっ
て、細菌に特異的に結合しそして増殖するバクテリオフ
ァージを、細菌に結合させる工程であって、ここで、該
バクテリオファージ内に存在している発光タンパク質を
発現する遺伝子が細菌の内部に導入され、細菌の内部で
遺伝子の産物であるタンパク質が産生される、工程;お
よび細菌の外部から非侵襲の状態で外因子を与え、これ
により存在する細菌のみを特異的に発光させる工程を包
含する、方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光遺伝子を挿入
したバクテリオファージを用いて、特異的にかつ簡便に
細菌を検出および同定する方法に関する。本発明の方法
は、細菌を測定あるいは検出する手段として利用するこ
とができ、特に環境、食品及び医療の分野に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】細菌の存在を決定し、そしてそれらの型
を同定する多くの試験が存在する。それらのほとんど
は、未同定の細菌を含有する試料を各種の特定の培地で
培養した後、培養学的特徴、形態学的特徴、生理学的特
徴、抗生物質に対する感受性、種々の着色物質の吸収、
血清学的特徴等を観察することに基づいて行われる。し
かし、これらの従来の方法においては、目的の細菌を選
択的に増殖させ、目的以外の細菌の増殖を妨げるため
に、培地等の選択が必要とされる。このような要求のた
めに、従来の方法では目的の有機体(細菌)を単離した
後、それを同定するためにかなりの時間を要する。
【0003】上記の問題を解決するために、検出可能な
機能を発現するタンパク質を産生するための外来遺伝子
を細菌に取り込ませ、これを発現させることにより細菌
を検出する方法が開発されている。
【0004】従来の生物発光を利用した細菌検出法で
は、代表的には、ルシフェラーゼ酵素とその基質である
ルシフェリンとを用いて、細菌由来のアデノシン三リン
酸(ATP)の存在下で反応させることにより発光を得
ていた。この従来の方法によれば、あらかじめルシフェ
ラーゼとルシフェリンとを混合した反応溶液を用意して
おき、サンプル(例えば、肉)を破砕した後、この破砕
物あるいは破砕後抽出した溶液に先の反応液を加える。
サンプルに細菌が含まれていれば、発光が観察される。
これは、破砕により、細菌中に含まれていたアデノシン
三リン酸(ATP)が菌体外部に漏出して、このATP
の作用により先の反応溶液において発光反応が生じるた
めである。発光強度を測定することにより細菌が検出さ
れる。(特開平5−30997号公報を参照のこと)し
かし、この測定系では、サンプルに存在している細菌以
外の細胞由来ATPも測定してしまう。そのため、誤動
作が生じ易い、あるいは実質的な感度が低下し易いとい
う問題点がある。
【0005】他方、バクテリオファージなどのベクター
にあらかじめルシフェラーゼを発現する遺伝子を導入
し、このウイルスを細菌に感染させる方法も知られてい
る。この方法では、遺伝子導入の後、ルシフェリンを細
菌の外部から侵襲的に導入させ、細胞内のATPを利用
した酵素反応によって発光させる。発光強度を測定する
ことにより細菌が検出される(特公平6−34757号
公報を参照のこと)。この技術を用いる場合、ルシフェ
リンの導入を細菌細胞に対して侵襲的な手法によって行
うため、すべての細胞あるいは多くの細胞が破壊され
る。結果として、上述した誤動作および感度低下の問題
を解決するという観点から、必ずしも満足できるもので
はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題の
解決を意図するものであり、発光反応を生じさせるため
の要素を細菌細胞に対して非侵襲的に与えることによっ
て、試料中に存在する特定の細菌種のみを、特異的に、
高感度で、迅速かつ確実に検出および同定する方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の方法を用いれ
ば、細菌を破砕しあるいは傷つけることがなく、そし
て、細菌の内部のみで発光反応を生じさせ得る。そのた
め、誤動作がなくかつ高感度な細菌の測定ができる。従
って、本発明の方法によって、煩雑な作業を必要とする
ことなく、迅速かつ特異的に細菌を検出および同定する
ことが可能となる。
【0008】特に、発光タンパク質として、グリーンフ
ルオレセントプロテインなどの、発光のために基質を必
要としないタンパク質を使用することによって、ルシフ
ェラーゼ−ルシフェリン系を利用する(上記)方法の欠
点である、細菌の外部から侵襲的に外因子を与える工程
を容易に省略することができる。
【0009】本発明により、測定対象細菌を検出および
同定するための方法が提供される。この方法は、以下の
工程を包含する:上記細菌に特異的に結合しそして増殖
するバクテリオファージを、上記細菌に結合させる工程
(ここで、上記バクテリオファージ内に存在している発
光タンパク質を発現する遺伝子が上記細菌の内部に導入
され、上記細菌の内部で上記遺伝子の産物であるタンパ
ク質が産生される);および、上記細菌の外部から非侵
襲の状態で外因子を与える工程(これにより存在する上
記細菌のみを特異的に発光させる)である。
【0010】1つの実施態様において、測定対象である
上記細菌は以下からなる群から選択される:ロドスピリ
ルム、クロマチウム、クロロビウム、ミクソコッカス、
アルカンギウム、シストバクター、ポリアンギウム、サ
イトファーガ、ベギアトア、シモンシエラ、リューコト
リックス、アクロマチウム、ペロネーマ、スピロヘー
タ、スピリルム、シュードモナス、アゾトバクター、リ
ゾビウム、メチロモナス、ハロバクテリウム、腸内細
菌、ヴィブリオ、バクテロイデス、ナイセリア、ヴェイ
ヨネラ、アンモニアまたは亜硝酸酸化細菌、硫黄代謝細
菌、酸化鉄および/または酸化マンガン沈着細菌、シデ
ロカプサ、メタノバクテリウム、好気性および/または
通性嫌気性ミクロコッカス、ストレプトコッカス、嫌気
性ペプトコッカス、バチルス、乳酸桿菌、コリネフォル
ム細菌、プロピオン酸菌、アクチノミセス、マイコバク
テリウム、フランキア、アクチノプラーネス、デルマト
フィルス、ノカルディア、ストレプトミセス、ミクロモ
ノスポラ、リケッチア、バルトネラ、アナプラズマ、ク
ラミディア、マイコプラズマ、およびアコレプラズマ
属。
【0011】1つの実施態様において、上記バクテリオ
ファージは以下からなる群から選択される:T4、P
2、T2、T7、λ、MV−L2、PRD1、PM2、
MV−L1、φX174、fd、MS2、φ6、FEL
IX01、およびG47。
【0012】1つの実施態様において、上記の発光タン
パク質は、グリーンフルオレセントプロテイン(GF
P)、またはブルーフルオレセントプロテイン(BF
P)である。
【0013】1つの実施態様において、本発明の方法で
使用される上記外因子は光である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の測定対象細菌を検出およ
び同定する方法は、細菌にバクテリオファージ(以下、
単に「ファージ」ともいう)を結合させ、予めファージ
内に存在している発光タンパク質を発現する遺伝子を細
菌の内部に導入する工程(結合工程)と、その後、細菌
の外部から外因子を与えて、当該細菌のみを特異的に発
光させる工程(発光工程)とを含む。すなわち、結合工
程において、発光タンパク質をコードする遺伝子を有す
るバクテリオファージを細菌に感染させる。上記結合工
程は、感染したファージを宿主細菌内で増殖させること
をさらに包含し得、それによって発光タンパク質をコー
ドする遺伝子を増幅し得る。感染ファージは、宿主であ
る細菌細胞が破壊される直前まで、通常、少なくとも約
102個〜104個ファージ粒子/細菌細胞まで増殖し
得、そしてそれ故、発光タンパク質遺伝子が少なくとも
約102〜104倍増幅され得ることになる。この遺伝子
から産生された発光タンパク質を、次の発光工程におい
て、外因子を与えることにより発光させ、目的とする細
菌を検出する。
【0015】本発明の方法により測定可能な対象細菌の
限定的ではない例としては、以下のものが挙げられる:
Rhodospirillaceae(ロドスピリル
ム)、Chromatiaceae(クロマチウム)、
Chlorobiaceae(クロロビウム)、Myx
ococcaceae(ミクソコッカス)、Archa
ngiaceae(アルカンギウム)、Cystoba
cteraceae(シストバクター)、Polyan
giaceae(ポリアンギウム)、Cytophag
aceae(サイトファーガ)、Beggiatoac
eae(ベギアトア)、Simonsiellacea
e(シモンシエラ)、Leucotrichaceae
(リューコトリックス)、Achromatiacea
e(アクロマチウム)、Pelonemataceae
(ペロネーマ)、Spirochaetaceae(ス
ピロヘータ)、Spirillaceae(スピリル
ム)、Pseudomonadaceae(シュードモ
ナス)、Azotobacteraceae(アゾトバ
クター)、Rhizobiaceae(リゾビウム)、
Methylomonadaceae(メチロモナ
ス)、Halobacteriaceae(ハロバクテ
リウム)、Enterobacteriaceae(腸
内細菌)、Vibrionaceae(ヴィブリオ)、
Bacteroidaceae(バクテロイデス)、N
eisseriaceae(ナイセリア)、Veill
onellaceae(ヴェイヨネラ)、アンモニアま
たは亜硝酸酸化細菌(Organisms oxidi
zing ammonia or nitrite)、
硫黄代謝細菌(Organisms metaboli
zingsulfer and sulfer com
pounds)、酸化鉄および/または酸化マンガン沈
着細菌(Organisms depositingi
ron and/or manganese oxid
es)、Siderocapsaceae(シデロカプ
サ)、Methanobacteriaceae(メタ
ノバクテリウム)、好気性および/または通性嫌気性
(Aerobicand/or facultativ
ely anaerobic)Micrococcac
eae(ミクロコッカス)、Streptococca
ceae(ストレプトコッカス)、嫌気性(Anaer
obic)、Peptococcaceae(ペプトコ
ッカス)、Bacillaceae(バチルス)、La
ctobacillaceae(乳酸桿菌)、コリネフ
ォルム細菌(Coryneform group of
bacteria)、Propionibacter
iaceae(プロピオン酸菌)、Actinomyc
etaceae(アクチノミセス)、Mycobact
eriaceae(マイコバクテリウム)、Frank
iaceae(フランキア)、Actinoplana
ceae(アクチノプラーネス)、Dermatoph
ilaceae(デルマトフィルス)、Nocardi
aceae(ノカルディア)、Streptomyce
taceae(ストレプトミセス)、Micromon
osporaceae(ミクロモノスポラ)、Rick
ettsiaceae(リケッチア)、Bartone
llaceae(バルトネラ)、Anaplasmat
aceae(アナプラズマ)、Chlamydiace
ae(クラミディア)、Mycoplasmatace
ae(マイコプラズマ)、およびAcholeplas
mataceae(アコレプラズマ)属。このように、
本発明においては、ファージに感染するいわゆるファー
ジ型細菌のいずれもが測定対象細菌となり得る。
【0016】本発明を実施するに当っては、上記のよう
な測定対象細菌に対して特異的に結合しそして増殖する
性質を有するファージを選ぶことが所望される。対象細
菌に特異的に結合するファージ、つまりファージと細菌
の特定の特異的な組み合わせは当該分野で公知である。
【0017】有用なファージは、例えば、Americ
an Type CultureCollection
(ATCC)から入手可能である。入手可能な株の詳細
は、例えば、ATCCによる「Catalogue o
f Bacteria &Bacteriophage
s」に公表されている。
【0018】自然界に存在する利用可能なバクテリオフ
ァージの限定的でない例としては、T4、P2、T2、
T7、λ、MV−L2、PRD1、PM2、MV−L
1、φX174、fd、MS2、φ6、FELIX0
1、およびG47が挙げられる。これらの各ファージに
ついて、それぞれ特異的に結合する細菌が知られてい
る。例えば、T4、P2、T2、T7、λ、φX17
4、およびMS2ファージは、腸内細菌、例えば、大腸
菌を検出する場合に望ましいファージの例である。φ6
およびPM2は、シュードモナスを検出する場合に望ま
しいファージの例である。FELIX01は、サルモネ
ラ菌を検出する場合に望ましいファージの例である。
【0019】寄託された公知のファージに加えて、適切
な環境からファージを単離することによっても、所望の
ファージを入手し得る。適切な環境とは、好ましくは、
測定対象細菌自体が見出される環境である。ファージを
単離するための技術は、当業者に公知である(例えば、
LoessnerおよびBusse、Applieda
nd Environmental Microbio
logy、第56巻、第1912〜1918頁(199
0)、および「Bacteriophages」Int
erscience Inc. 第447〜455頁
(1959)を参照のこと)。
【0020】これらのファージまたはその他のウィルス
を、測定対象細菌に特異的に結合しそして増殖し得るよ
うに改変して使用することも可能である。例えば、クロ
ーニング用に改良されたファージ(例えば、EMBL
3、EMBL4)が市販されている。ファージまたはそ
の他のウイルスを組換えDNA技術を用いて改変する手
法は当業者に公知である。
【0021】異質DNAが、いくつかの方法でベクター
中に導入され得る。例えば、発光に寄与するタンパク質
をコードする遺伝子が、当業者に公知の方法でバクテリ
オファージのDNA中に導入され得る。
【0022】細菌にバクテリオファージを感染させるた
めの手法としては、当該分野で公知の通常の感染条件が
使用され得る。ファージの感染は非常に株または種特異
的であるので、目的の遺伝子(DNA)を所定の細菌細
胞中に導入し得るか否かは、通常、ファージの種類によ
って限定される。一部のファージは、密接に関係するバ
クテリアのいくつかの種を感染し得る。大部分は、単一
種の株のみを感染することが知られている。したがっ
て、このようなファージの公知の感染スペクトルを考慮
し、特定のファージを選択することによって、試料中に
存在する特定の株または細菌種を特異的に同定すること
が可能である。
【0023】任意の検出可能な機能をコードするDNA
を有するベクターを、バクテリオファージの感染によっ
て標的の細菌に取り込ませ、これを発現させることによ
って検出可能な機能を有する標的の細菌のみを検出し得
る。代表的には、本発明に好ましい検出可能な機能は発
光、特に蛍光であるが標的の細菌に取り込ませ、発現さ
れる限りこれに限定されない。発光タンパク質として、
例えば、グリーンフルオレセントプロテイン(GFP)
およびブルーフルオレセントプロテイン(BFP)など
が用いられ得る。本発明に特に好ましい発光タンパク質
は、GFPである。上記検出可能な機能を誘発する外因
子は、発光タンパク質の場合には光である。但し、外因
子として光に限定されないことはいうまでもない。用い
る検出可能な機能に応じて、音、電磁波、磁気、圧力な
どの適切な外因子を用い得る。
【0024】GFPは、オワンクラゲが産生する発光タ
ンパク質であり、発光のために基質を必要としない。そ
の遺伝子はオワンクラゲからクローニングされており、
238アミノ酸残基からなる分子量26,900のタン
パク質である。オワンクラゲの体内では、GFPは、別
の発光タンパク質であるエクオリンが出す青色の蛍光を
うけて、緑色の蛍光を出す。励起スペクトルのピークは
508nmである。GFPを有するように形質転換され
た大腸菌、酵母など形質転換体に適切な波長の励起光を
照射すれば、発光が生じる。
【0025】発光タンパク質を発現する遺伝子におい
て、発光タンパク質をコードする構造遺伝子は、天然由
来の遺伝子および合成遺伝子のいずれであってもよい。
GFPまたはBFPと同様の発光特性を有する他の発光
タンパク質もまた、本発明において好ましく利用し得
る。
【0026】このようにして発光させた細菌の検出に
は、フォトメーター、ケミルミネッセンスリーダー、シ
ンチレーションカウンター、ルミノメーターなどの公知
の手段を使用することができる。これらの装置により、
発光反応によって生成される光子量を測定する事が可能
である。また、高感度フィルム(例えば、ポラロイド社
(611,667)、アマシャム社(ハイパーフィルム
MP)、フジフィルム(X線フィルムRX)などから市
販されている)に感光させること、および高感度ビデオ
カメラを用いた画像解析によって検出することもまた可
能である。
【0027】本発明の方法によれば、所望の発光タンパ
ク質をコードする遺伝子を、測定対象細菌に特異的に結
合しそして増殖するバクテリオファージに組み込み、こ
のファージと測定対象細菌とを適当な温度下(10〜4
0℃)で混合することによって細菌にファージを感染さ
せる。その後、外因子を加えることにより、測定対象細
菌が検出される。
【0028】本発明の方法によれば、標的細菌の存在の
有無を検出するだけでなく、細菌濃度と検出される光子
量との関係を示す標準曲線を作製することによって、光
子量の計測に基づく標的細菌の定量もまた可能となる。
【0029】以下に、本発明の実施の具体例として、発
光タンパク質としてグリーンフルオレセントプロテイン
(GFP)を使用する細菌検出方法を記載する。バクテ
リオファージとしてFELIX01を用いて、FELI
X01ファージが特異的に結合し得る測定対象細菌であ
るサルモネラ菌(Salmonella typhim
urium SL1027株)を測定した。いうまでも
なく、以下の実施例は例示であり、本発明を限定するも
のではない。
【0030】
【実施例】1.培地 栄養培地(nutrient broth no.2、
八洲薬品より入手)を細菌の培養に使用した。バクテリ
オファージ溶液の調製には、栄養培地に0.15g/L
のCaCl2を添加した培養液を使用した。CaCl2
有培養液のpHは、7.0に調整した。バクテリオファ
ージの培養および力価測定は、栄養培地に1.5%の寒
天を添加した寒天培地上で行った。
【0031】2.細菌 S. typhimurium SL1027株を、ア
メリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)か
ら入手した。
【0032】3.バクテリオファージストックの調製 FELIX01バクテリオファージを、B.A.D.
Stocker, Stanford Univers
ity, Stanford, Calif.から入手
した。FELIX01バクテリオファージをサルモネラ
SL1027株に感染させ、栄養培地寒天の表面で感染
株を培養することによって増殖させた。培地の表面に
0.005Mのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)を
流し込み、これを回収することによって、ファージを収
集した。0℃にて30分間の15,000×gでの遠心
分離によって細菌および寒天の破片を除去した。次い
で、15℃にて90分間の62,000×gでの遠心分
離によってセシウムクロライド−エチジウムブロマイド
密度勾配(1.7および1.5g/cm3)中で、ファ
ージを濃縮した。紫外線照射して可視化されたバクテリ
オファージの部分を、遠心分離ポリアロマーチューブの
側部から注射針を差し込んで採集した。0.005Mの
リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に対して一晩透析
して、CsClを除去した。
【0033】4.FELIX01バクテリオファージD
NAの調製 ssPHAGETM DNA SPINキット(BIO
101)はPEG沈殿法を用いて一本鎖DNAを単離す
るためのキットである。このキットを用いて、上記のバ
クテリオファージストックからDNAを単離した。得られ
た一本鎖DNAを鋳型として用いて、ランダムプライマ
ーを使用してPCR反応を行い、二本鎖のバクテリオフ
ァージDNAを得た。
【0034】5.FELIX01バクテリオファージD
NAへのGFP遺伝子の挿入 上記で得られたFELIX01ファージDNAを制限酵
素HindIIIで切断した。同じHindIIIで切
断したオワンクラゲAequorea victore
a由来のGFPの約1.1kbの遺伝子断片をリガーゼ
を用いて互いに連結した。このようにして、GFP遺伝
子を含む組換えファージDNAを作製した。
【0035】6.GFP遺伝子を含むFELIX01ファ
ージ粒子の生成 細菌ウイルスタンパク質混合液にDNAを加えて試験管
内で感染性ファージ粒子を得る、インビトロパッケージ
ング法(Molecular Biologyof t
he Gene, James D. Watson
ら、1988)を使用して上記の組換えファージDNA
からファージ粒子を得た。得られたファージ粒子を、バ
クテリオファージストックの調製の節に記載したよう
に、増殖させ、そして精製した。このバクテリオファー
ジをすぐに使用しない場合は、液体窒素の上方に配置し
た低温試験管中で無菌溶解物として貯蔵した。
【0036】7.ファージ粒子でのサルモネラSL10
27株の感染 サルモネラSL1027株を、nutrient培地中
で、GFP遺伝子を含むFELIX01ファージに感染
させた。125mlの三角フラスコに10mlの培地を
入れた。この培地にサルモネラSL1027株を接種
し、そして104〜106細胞/mlになるまで、37℃
の水浴中で浸透しながらインキュベートした。次いで、
同じフラスコに、3×108PFU/mlの濃度になる
ようにファージ粒子を添加した。コントロールとして、
サルモネラ菌を含まないフラスコについても同時に実験
を行った。
【0037】これらのフラスコを振盪機を備えた37℃
の水浴中で200rpmで振盪しながらインキュベート
した。2時間後、フラスコ中の培養液の蛍光を測定し
た。
【0038】8.発光の測定 各培養液から50μlのサンプルを採取して、1から1
3細胞/mlの細胞濃度になるように段階希釈してポ
リスチレンキュベットに入れ、測定機器に備えた温度制
御されたキュベットホルダーに配置して、分光光度法測
定を行った。蛍光を396nmでの励起波長を用いて4
90〜520nmで、SLM Aminco Bowm
an AB2蛍光光度計(Fisher;Pittsb
urgh,PA;カタログ#14385991F)を使
用して測定した。
【0039】サルモネラ菌を含むフラスコおよびサルモ
ネラ菌を含まないフラスコの両方に関して蛍光を測定し
た。サルモネラ菌を含まない管から得られた測定値をバ
ックグラウンドとして、サンプル培養物管から得られた
測定値から減算し、得られた値を、発光量としてサルモ
ネラ菌濃度に対してプロットした(図1)。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明により、高感度に、
高い信頼性で細菌を検出できる細菌検出法を得ることが
できる。
【0041】本発明の方法を利用することにより、煩雑
な作業を必要とすることなく、迅速かつ特異的に細菌を
検出および測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、サルモネラ菌の検出結果を示す図であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象細菌を検出するための方法であ
    って、該細菌に特異的に結合しそして増殖するバクテリ
    オファージを、該細菌に結合させる工程であって、ここ
    で、該バクテリオファージ内に存在している発光タンパ
    ク質を発現する遺伝子が該細菌の内部に導入され、該細
    菌の内部で該遺伝子の産物であるタンパク質が産生され
    る、工程;および該細菌の外部から非侵襲の状態で外因
    子を与え、これにより存在する該細菌のみを特異的に発
    光させる、工程、を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記細菌が、ロドスピリルム、クロマチ
    ウム、クロロビウム、ミクソコッカス、アルカンギウ
    ム、シストバクター、ポリアンギウム、サイトファー
    ガ、ベギアトア、シモンシエラ、リューコトリックス、
    アクロマチウム、ペロネーマ、スピロヘータ、スピリル
    ム、シュードモナス、アゾトバクター、リゾビウム、メ
    チロモナス、ハロバクテリウム、腸内細菌、ヴィブリ
    オ、バクテロイデス、ナイセリア、ヴェイヨネラ、アン
    モニアまたは亜硝酸酸化細菌、硫黄代謝細菌、酸化鉄お
    よび/または酸化マンガン沈着細菌、シデロカプサ、メ
    タノバクテリウム、好気性および/または通性嫌気性ミ
    クロコッカス、ストレプトコッカス、嫌気性ペプトコッ
    カス、バチルス、乳酸桿菌、コリネフォルム細菌、プロ
    ピオン酸菌、アクチノミセス、マイコバクテリウム、フ
    ランキア、アクチノプラーネス、デルマトフィルス、ノ
    カルディア、ストレプトミセス、ミクロモノスポラ、リ
    ケッチア、バルトネラ、アナプラズマ、クラミディア、
    マイコプラズマ、およびアコレプラズマ属からなる群か
    ら選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記バクテリオファージが、T4、P
    2、T2、T7、λ、MV−L2、PRD1、PM2、
    MV−L1、φX174、fd、MS2、φ6、FEL
    IX01、およびG47からなる群から選択される、請
    求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記発光タンパク質が、グリーンフルオ
    レセントプロテイン(GFP)、またはブルーフルオレ
    セントプロテイン(BFP)である、請求項1に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 前記外因子が光である、請求項1に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 試料中に存在する細菌を同定するための
    方法であって、 該細菌に特異的に結合しそして増殖するバクテリオファ
    ージを、該細菌に結合させる工程であって、ここで、該
    バクテリオファージ内に存在している発光タンパク質を
    発現する遺伝子が該細菌の内部に導入され、該細菌の内
    部で該遺伝子の産物であるタンパク質が産生される、工
    程;および該細菌の外部から非侵襲の状態で外因子を与
    え、これにより存在する該細菌のみを特異的に発光させ
    る、工程、を包含する、方法。
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