JP2000308262A - 電源装置および放電灯点灯装置 - Google Patents

電源装置および放電灯点灯装置

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JP2000308262A
JP2000308262A JP11108614A JP10861499A JP2000308262A JP 2000308262 A JP2000308262 A JP 2000308262A JP 11108614 A JP11108614 A JP 11108614A JP 10861499 A JP10861499 A JP 10861499A JP 2000308262 A JP2000308262 A JP 2000308262A
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進吾 増本
Hiroshi Kido
大志 城戸
Atsushi Kobayashi
敦 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷とのインピーダンスマッチングをとりな
がらも、高調波ノイズを低減させることが可能な電源装
置を提供する。 【解決手段】 高周波電源回路2からマッチング回路3
を介して負荷1に高周波電力を供給する。高周波電源回
路2とマッチング回路3との間には、インダクタLa1
とコンデンサCa1とにより構成されたローパスフィル
タであるノイズフィルタ4が挿入される。ノイズフィル
タ4のカットオフ周波数は高周波電源回路2の出力周波
数よりも高く設定されており、このカットオフ周波数以
上の高調波ノイズを低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波電力を負荷
に供給する電源装置およびこの電源装置を用いて無電極
放電灯を点灯させる放電灯点灯装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、図14に示すような電源装置
が知られている(特開平7−37695号公報参照)。
この電源装置は、負荷1である無電極放電灯に高周波電
力を供給して無電極放電灯を点灯させるものであり、高
周波電源回路2と負荷1との間にはインピーダンスをマ
ッチングさせるためのマッチング回路3が挿入されてい
る。
【0003】高周波電源回路2はFETよりなるスイッ
チング素子Q1,Q2のスイッチングにより高周波電力
を発生させ、マッチング回路3は3個のコンデンサC1
〜C3とインダクタL1とを用いて構成されている。ま
た、無電極放電灯は、放電ガスが封入されたバルブ11
と、バルブ11の近傍に配置された励起コイル12とに
より構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した電源装置で
は、マッチング回路3を用いているから、高周波電源回
路2と負荷1とのインピーダンスマッチングをとること
はできるが、スイッチング素子Q1,Q2や励起コイル
12から発生する高周波電源回路2の出力周波数に対す
る高調波ノイズを低減させることができない場合があ
る。
【0005】本発明は上記事由に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、高周波電源回路と負荷とのインピー
ダンスマッチングをとりながらも、高調波電源回路や負
荷から発生する高調波ノイズを低減させることが可能な
電源装置およびこの電源装置を用いて無電極放電灯を点
灯させる放電灯点灯装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、高周
波電源回路からマッチング回路を介して負荷に高周波電
力を供給する電源装置であって、上記高周波電源回路と
上記負荷との間に、上記高周波電源回路と上記負荷との
少なくとも一方から発生するノイズを低減させるノイズ
フィルタを挿入したものである。この構成によれば、高
周波電源回路と負荷との間にノイズフィルタを挿入する
ことにより、マッチング回路によって高周波電源回路と
負荷とのインピーダンスマッチングをとりながらも、ノ
イズフィルタによって高周波電源回路や負荷から発生す
るノイズを低減させることができる。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、上記ノイズフィルタがコモンモードフィルタよりな
るので、コモンモードノイズを低減させることができ
る。
【0008】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、上記ノイズフィルタが、上記高周波電源回路の出力
周波数よりも高く設定したカットオフ周波数以上の高調
波成分の通過量を低減させる周波数フィルタよりなるも
のである。この構成によれば、周波数フィルタのカット
オフ周波数以上の高調波ノイズを低減させることがで
き、しかも、カットオフ周波数を変化させることによ
り、低減すべき高調波ノイズの周波数帯域を変化させる
ことができる。
【0009】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、上記ノイズフィルタが1個以上のノ
ーマルモードフィルタを含むので、ノーマルモードノイ
ズを低減させることができる。
【0010】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、上記ノイズフィルタが、上記マッチ
ング回路と上記負荷との間に挿入されているものであ
る。この構成によれば、ノイズフィルタがマッチング回
路と負荷との間に挿入されているので、負荷から外部に
輻射されるノイズを低減させることができる。
【0011】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、上記ノイズフィルタが、上記高周波
電源回路と上記マッチング回路との間に挿入されている
ものである。この構成によれば、ノイズフィルタが高周
波電源回路とマッチング回路との間に挿入されているの
で、高周波電源回路から発生するノイズを低減させるこ
とができる。
【0012】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、上記ノイズフィルタが、上記高周波
電源回路と上記マッチング回路との間および上記マッチ
ング回路と上記負荷との間にそれぞれ挿入されているも
のである。この構成によれば、ノイズフィルタを高周波
電源回路とマッチング回路との間およびマッチング回路
と負荷との間にそれぞれ挿入することにより、高周波電
源回路および負荷から発生するノイズをともに低減させ
ることができる。
【0013】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、上記ノイズフィルタが、上記マッチ
ング回路の一部を構成しているものである。ノイズフィ
ルタは、請求項5ないし請求項8の発明のように高周波
電源回路と負荷との間で任意の場所に用いることができ
るから、目的に応じて自由に設計することができる。
【0014】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
8の発明において、上記高周波電源回路と上記マッチン
グ回路との間が同軸ケーブルで接続されているものであ
る。
【0015】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、上記ノイズフィルタが、上記同軸ケーブルの端部
が挿入されてノイズを低減させる筒状のコアよりなるも
のである。この構成によれば、同軸ケーブルの端部にコ
アを設けた簡単な構成で、高周波電源回路から発生する
ノイズを低減させることができる。
【0016】請求項11の発明は、請求項1ないし請求
項10の発明において、電源投入直後からあらかじめ設
定された期間には上記高周波電源回路から上記ノイズフ
ィルタを通さずに上記負荷に電力を供給させるバイパス
手段を備えるものである。この構成によれば、電源投入
直後からあらかじめ設定された期間にはノイズフィルタ
を通さずに電力を負荷に供給するので、電源投入直後に
は負荷に流れる電流を大きくすることができる。しか
も、電源投入直後からあらかじめ設定された期間が経過
した後には負荷への電力供給経路にノイズフィルタが挿
入されるので、ノイズを低減させることができる。例え
ば、負荷に無電極放電灯を用いたときには、電源投入直
後つまり無電極放電灯の始動時に無電極放電灯に流れる
電流を大きくすることにより、無電極放電灯の始動性を
向上させ、点灯後はノイズを低減させることができる。
【0017】請求項12の発明は、請求項1ないし請求
項11の発明において、上記高周波電源回路の出力周波
数が0.5〜20MHzに設定されているものである。
【0018】請求項13の発明は、請求項1ないし請求
項12のいずれかに記載の電源装置と、上記電源装置か
らの高周波電力により点灯する上記負荷としての無電極
放電灯とを備える放電灯点灯装置である。
【0019】請求項14の発明は、高周波電源回路から
マッチング回路を介して負荷に高周波電力を供給する電
源装置であって、上記マッチング回路と上記負荷との間
に挿入されたコモンモードフィルタと、上記高周波電源
回路と上記マッチング回路との間を接続する同軸ケーブ
ルとを有し、上記高周波電源回路の出力周波数は0.5
〜20MHzに設定され、上記負荷は無電極放電灯を含
んでいるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0021】(実施形態1)本実施形態は、図1に示す
ように、高周波電源回路2からマッチング回路3を介し
て負荷1に高周波電力を供給する電源装置において、高
周波電源回路2とマッチング回路3との間に、インダク
タLa1とコンデンサCa1とにより構成されたローパ
スフィルタであるノイズフィルタ4を挿入したものであ
る。
【0022】高周波電源回路2は、商用電源21を高周
波電力に変換する電力変換回路22を備える。マッチン
グ回路3には、3個のコンデンサC31〜C33を用い
て構成されたT型マッチング回路を用いている。ノイズ
フィルタ4のカットオフ周波数は高周波電源回路2の出
力周波数よりも高く設定されており、このカットオフ周
波数以上の高調波ノイズを低減させる。
【0023】本実施形態では、ローパスフィルタである
ノイズフィルタ4を高周波電源回路2とマッチング回路
3との間に挿入しているので、マッチング回路3によっ
て高周波電源回路2と負荷1とのインピーダンスマッチ
ングをとりながらも、高周波電源回路2から発生する高
調波ノイズをノイズフィルタ4によって低減させること
ができる。しかも、ノイズフィルタ4はローパスフィル
タであるから、カットオフ周波数を適宜設定すれば、低
減すべき高調波ノイズの周波数帯域を変えることができ
る。
【0024】本実施形態の構成について、以下のような
シミュレーションを行って効果を確認した。すなわち、
ノイズフィルタ4のみの場合、マッチング回路3のみの
場合、マッチング回路3とノイズフィルタ4とを併用し
た場合について、それぞれのインピーダンスの周波数依
存性に関するシミュレーションを行った。その結果を図
2ないし図4に示す。このシミュレーションは、高周波
電源回路2の出力周波数を13.56MHzとし、負荷
1のインピーダンスZをZ=10+j100[Ω](j
は虚数単位)という条件で行った。
【0025】図2(a)のようにノイズフィルタ4のみ
を通して負荷1に電力を供給する場合のシミュレーショ
ン結果を図2(b)に示す。ただし、La1=0.1μ
H、Ca1=50pFとし、ノイズフィルタ4のカット
オフ周波数を71.2MHzに設定した。図によれば、
周波数がカットオフ周波数よりも高くなると、インピー
ダンスが上昇することがわかる。
【0026】一方、図3(a)のようにマッチング回路
3のみを通して負荷1に電力を供給する場合のシミュレ
ーションでは、図3(b)のような結果が得られた。た
だし、C31=180pF、C32=200pF、C3
3=180pFとし、13.56MHzのときにマッチ
ング回路3の入力インピーダンスZ1がほぼ50Ω(Z
1=51.34−j1.23[Ω]、SWR=1.0
4)になるように設定した。図によれば、13.56M
Hz付近でインピーダンスの変動があるが、全体の傾向
としては周波数が高くなるにつれてインピーダンスが低
下するので、マッチング回路3のみでは高調波ノイズが
低減されにくいと言える。
【0027】しかして本実施形態のように、マッチング
回路3とノイズフィルタ4とを併用した図4(a)の回
路を採用すると、図4(b)に示すようなシミュレーシ
ョン結果が得られた。ここに、ノイズフィルタ4とマッ
チング回路3との回路定数は図2(a)および図3
(a)と同じに設定した。このとき、ノイズフィルタ4
とマッチング回路4とを合わせた回路の入力インピーダ
ンスZ2はほぼ50Ω(Z2=48.51−j3.26
[Ω]、SWR=1.08)になる。図4(b)から明
らかなように、ノイズフィルタ4のカットオフ周波数よ
りも周波数が高くなるとインピーダンスが上昇してい
る。したがって、本実施形態の構成を採用すると、ノイ
ズフィルタ4のカットオフ周波数よりも高い周波数の高
調波ノイズを低減できることが確認された。
【0028】ところで、マッチング回路3には、図5
(a)に示すようにインダクタL31とコンデンサC3
4,C36とを用いて構成されたπ型マッチング回路も
知られている。そこで、マッチング回路3として、上述
したT型マッチング回路に代えて、π型マッチング回路
を用いることが可能か否かを確認すべくシミュレーショ
ンを行った。すなわち、マッチング回路3のみの場合、
マッチング回路3とノイズフィルタ4とを併用した場合
について、それぞれのインピーダンスの周波数依存性に
関するシミュレーションを行った。その結果を図5およ
び図6に示す。なお、高周波電源回路2の出力周波数お
よび負荷1のインピーダンスは、図2ないし図4のシミ
ュレーションと同じ条件にした。
【0029】図5(a)のようにマッチング回路3のみ
を通して負荷1に電力を供給した場合のシミュレーショ
ン結果を図5(b)に示す。ただし、L31=2.37
μH、C34=170pF、C36=180pFとし、
13.56MHzのときにマッチング回路3の入力イン
ピーダンスZ3がほぼ50Ω(Z3=49.96+j
0.562[Ω]、SWR=1.01)になるように設
定した。この回路に対するシミュレーション結果は図5
(b)に示すようになり、13.56MHzよりも高い
周波数帯域では周波数が高くなるにつれてインピーダン
スが低下しており、π型マッチング回路を用いた場合も
マッチング回路3のみでは高調波ノイズが低減されにく
いと言える。
【0030】一方、図6(a)のようにマッチング回路
3にノイズフィルタ4を併用すると、図6(b)に示す
ようなシミュレーション結果が得られた。ただし、ノイ
ズフィルタ4には、図2(a)に示したローパスフィル
タを用いた。このとき、ノイズフィルタ4とマッチング
回路3とを合わせた回路の入力インピーダンスZ4はほ
ぼ50Ω(Z4=48.01+j1.16[Ω]、SW
R=1.05)になる。図6(b)から明らかなよう
に、ノイズフィルタ4のカットオフ周波数よりも周波数
が高くなるとインピーダンスが上昇している。したがっ
て、マッチング回路3にπ型マッチング回路を用いた場
合においても、T型マッチング回路と同様の結果が得ら
れることが確認された。
【0031】(実施形態2)本実施形態は、図7に示す
ように、マッチング回路3として図5(a)に示した形
のπ型マッチング回路を用い、ノイズフィルタ4として
2個のノーマルモードフィルタLb1,Lb2を用いた
ものである。
【0032】各ノーマルモードフィルタLb1,Lb2
は、高周波電源回路2とマッチング回路3とを接続する
2線のそれぞれに挿入される。
【0033】本実施形態では、ノイズフィルタ4にノー
マルモードフィルタLb1,Lb2を用いることによ
り、高周波電源回路2と負荷1との間のノーマルモード
ノイズを低減させることができる。
【0034】(実施形態3)本実施形態は、図8に示す
ように、マッチング回路3としてコンデンサC34〜C
36よりなるπ型マッチング回路を用い、ノイズフィル
タ4にコモンモードフィルタLc1を用いたものであ
る。
【0035】また、ノイズフィルタ4をマッチング回路
3と負荷1との間に挿入してある。この構成によりコモ
ンモードノイズが低減され、負荷1から外部に輻射され
るノイズを低減させることができる。
【0036】(実施形態4)本実施形態は、図9に示す
ように、ノイズフィルタ4として2つのバンドパスフィ
ルタを用い、各バンドパスフィルタを高周波電源回路2
とマッチング回路3との間およびマッチング回路3と負
荷1との間にそれぞれ挿入したものである。
【0037】各バンドパスフィルタは、2個ずつのイン
ダクタLd1,Ld2,Ld3,Ld4と2個ずつのコ
ンデンサCd1,Cd2,Cd3,Cd4とを用いて構
成され、高周波電源回路2の出力周波数を含む所定の周
波数帯域以外の通過量を低減させるように設計されてい
る。
【0038】本実施形態では、ノイズフィルタ4として
2つのバンドパスフィルタを用い、各バンドパスフィル
タを高周波電源回路2とマッチング回路3との間および
マッチング回路3と負荷1との間にそれぞれ挿入するこ
とにより、高周波電源回路2および負荷1から発生する
ノイズをともに低減させることができる。
【0039】(実施形態5)本実施形態は、図10に示
すように、実施形態3の構成を変形したものであって、
ノイズフィルタ4であるコモンモードフィルタLc1が
マッチング回路3の一部を構成しているものである。す
なわち、コモンモードフィルタLc1の一方の巻線をコ
ンデンサC35とコンデンサC36との間に挿入し、他
方の巻線をコンデンサC34とコンデンサC36との間
に挿入してある。他の構成は実施形態3と同様である。
【0040】(実施形態6)本実施形態では、図11に
示すように、高周波電源回路2とマッチング回路3との
間を同軸ケーブル5で接続し、ノイズフィルタ4として
同軸ケーブル5の両端に2個の筒状のコアCo1,Co
2をそれぞれ設けたものである。
【0041】ここで用いるコアCo1,Co2は、クラ
ンプフィルタという商品名で市販されているものであっ
て、筒状のコアの中心部に1回以上電線を通すことによ
り特定周波数帯域において高インピーダンスになるもの
である。
【0042】そこで、コアCo1,Co2にはノイズを
低減させようとする周波数帯域で減衰特性を示すものを
用いる。したがって、各コアCo1,Co2の中心部に
同軸ケーブル5の両端をそれぞれ挿入することにより、
周波数フィルタと同様の機能を持つノイズフィルタ4と
して用いることができる。
【0043】本実施形態では、ノイズフィルタ4として
同軸ケーブル5の両端にコアCo1,Co2をそれぞれ
設けた簡単な構成で、高周波電源回路2から発生するノ
イズを低減させることができる。
【0044】(実施形態7)本実施形態は、図12に示
すように、それぞれコモンモードフィルタLc1,Lc
2よりなる2個のノイズフィルタ4を用いたものであ
る。
【0045】コモンモードフィルタLc1は、高周波電
源回路2と同軸ケーブル5との間に挿入され、高周波電
源回路2から発生するコモンモードノイズを低減させ
る。一方、コモンモードフィルタLc2は、マッチング
回路3と負荷1との間に挿入され、負荷1から発生する
コモンモードノイズを低減させる。
【0046】本実施形態では、ノイズフィルタ4となる
コモンモードフィルタLc1,Lc2を高周波電源回路
2と同軸ケーブル5との間およびマッチング回路3と負
荷1との間にそれぞれ挿入することにより、高周波電源
回路2および負荷1から発生するノイズをともに低減さ
せることができる。
【0047】(実施形態8)本実施形態は、図13に示
すように、実施形態3の構成において、負荷1として放
電ガスが封入されたバルブ11と励起コイル12とから
なる無電極放電灯を用い、電源投入直後からあらかじめ
設定された期間には高周波電源回路2からノイズフィル
タ4を通さずに励起コイル12に電力を供給させるバイ
パス手段を設けたものである。
【0048】本実施形態では、バイパス手段として2個
のスイッチS1,S2を設けている。各スイッチS1,
S2は、ノイズフィルタ4であるコモンモードフィルタ
Lc1の各巻線の両端間にそれぞれ接続され、電源投入
直後にはともにオンし、無電極放電灯の点灯後はともに
オフするように、図示しない制御回路で制御されてい
る。
【0049】電源投入直後つまり無電極放電灯の始動時
には、図13(a)に示すように、各スイッチS1,S
2がともにオンしてコモンモードフィルタLc1の各巻
線の両端間がそれぞれ短絡され、コモンモードフィルタ
Lc1を通さずに電力が励起コイル12に供給される。
したがって、励起コイル12に流れる電流が大きくな
り、無電極放電灯が始動しやすくなる。
【0050】その後、無電極放電灯が点灯する程度の時
間が経過すると、図13(b)に示すように、各スイッ
チS1,S2がともにオフして、励起コイル12への電
力供給経路にコモンモードフィルタLc1が挿入される
ことにより、コモンモードノイズが低減される。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明は、高周波電源回路から
マッチング回路を介して負荷に高周波電力を供給する電
源装置であって、上記高周波電源回路と上記負荷との間
に、上記高周波電源回路と上記負荷との少なくとも一方
から発生するノイズを低減させるノイズフィルタを挿入
したものであり、高周波電源回路と負荷との間にノイズ
フィルタを挿入しているので、マッチング回路によって
高周波電源回路と負荷とのインピーダンスマッチングを
とりながらも、ノイズフィルタによって高周波電源回路
や負荷から発生するノイズを低減させることができると
いう効果がある。
【0052】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、上記ノイズフィルタがコモンモードフィルタよりな
るので、コモンモードノイズを低減させることができる
という効果がある。
【0053】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、上記ノイズフィルタが、上記高周波電源回路の出力
周波数よりも高く設定したカットオフ周波数以上の高調
波成分の通過量を低減させる周波数フィルタよりなるの
で、周波数フィルタのカットオフ周波数以上の高調波ノ
イズを低減させることができ、しかも、カットオフ周波
数を変化させることにより、低減すべき高調波ノイズの
周波数帯域を変化させることができるという効果があ
る。
【0054】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、上記ノイズフィルタが1個以上のノ
ーマルモードフィルタを含むので、ノーマルモードノイ
ズを低減させることができるという効果がある。
【0055】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、上記ノイズフィルタが、上記マッチ
ング回路と上記負荷との間に挿入されているものであ
り、ノイズフィルタがマッチング回路と負荷との間に挿
入されているので、負荷から外部に輻射されるノイズを
低減させることができるという効果がある。
【0056】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、上記ノイズフィルタが、上記高周波
電源回路と上記マッチング回路との間に挿入されている
ものであり、ノイズフィルタが高周波電源回路とマッチ
ング回路との間に挿入されているので、高周波電源回路
から発生するノイズを低減させることができるという効
果がある。
【0057】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、上記ノイズフィルタが、上記高周波
電源回路と上記マッチング回路との間および上記マッチ
ング回路と上記負荷との間にそれぞれ挿入されているも
のであり、ノイズフィルタを高周波電源回路とマッチン
グ回路との間およびマッチング回路と負荷との間にそれ
ぞれ挿入することにより、高周波電源回路および負荷か
ら発生するノイズをともに低減させることができるとい
う効果がある。
【0058】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、上記ノイズフィルタが、上記同軸ケーブルの端部
が挿入されてノイズを低減させる筒状のコアよりなるも
のであり、同軸ケーブルの端部にコアを設けた簡単な構
成で、高周波電源回路から発生するノイズを低減させる
ことができるという効果がある。
【0059】請求項11の発明は、請求項1ないし請求
項10の発明において、電源投入直後からあらかじめ設
定された期間には上記高周波電源回路から上記ノイズフ
ィルタを通さずに上記負荷に電力を供給させるバイパス
手段を備えるものであり、電源投入直後からあらかじめ
設定された期間にはノイズフィルタを通さずに電力を負
荷に供給するので、電源投入直後には負荷に流れる電流
を大きくすることができる。しかも、電源投入直後から
あらかじめ設定された期間が経過した後には負荷への電
力供給経路にノイズフィルタが挿入されるので、ノイズ
を低減させることができる。例えば、負荷に無電極放電
灯を用いたときには、電源投入直後つまり無電極放電灯
の始動時に無電極放電灯に流れる電流を大きくすること
により、無電極放電灯の始動性を向上させ、点灯後はノ
イズを低減させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す回路図である。
【図2】(a)はシミュレーションの対象となる回路の
回路図、(b)は同図(a)の回路のシミュレーション
結果を示すグラフ図である。
【図3】(a)はシミュレーションの対象となる回路の
回路図、(b)は同図(a)の回路のシミュレーション
結果を示すグラフ図である。
【図4】(a)はシミュレーションの対象となる回路の
回路図、(b)は同図(a)の回路のシミュレーション
結果を示すグラフ図である。
【図5】(a)はシミュレーションの対象となる回路の
回路図、(b)は同図(a)の回路のシミュレーション
結果を示すグラフ図である。
【図6】(a)はシミュレーションの対象となる回路の
回路図、(b)は同図(a)の回路のシミュレーション
結果を示すグラフ図である。
【図7】本発明の実施形態2を示す回路図である。
【図8】本発明の実施形態3を示す回路図である。
【図9】本発明の実施形態4を示す回路図である。
【図10】本発明の実施形態5を示す回路図である。
【図11】本発明の実施形態6を示す回路図である。
【図12】本発明の実施形態7を示す回路図である。
【図13】本発明の実施形態8を示し、(a)は電源投
入直後の状態を示す回路図、(b)は無電極放電灯の点
灯後の状態を示す回路図である。
【図14】従来例を示す回路図である。
【符号の説明】 1 負荷 2 高周波電源回路 3 マッチング回路 4 ノイズフィルタ 5 同軸ケーブル Lb1,Lb2 ノーマルモードフィルタ Lc1,Lc2 コモンモードフィルタ Co1,Co2 コア S1,S2 スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 敦 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 3K072 AA16 FA05 GB01 5G066 EA01 5H740 BB08 NN02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波電源回路からマッチング回路を介
    して負荷に高周波電力を供給する電源装置であって、上
    記高周波電源回路と上記負荷との間に、上記高周波電源
    回路と上記負荷との少なくとも一方から発生するノイズ
    を低減させるノイズフィルタを挿入したことを特徴とす
    る電源装置。
  2. 【請求項2】 上記ノイズフィルタは、コモンモードフ
    ィルタであることを特徴とする請求項1記載の電源装
    置。
  3. 【請求項3】 上記ノイズフィルタは、上記高周波電源
    回路の出力周波数よりも高く設定したカットオフ周波数
    以上の高調波成分の通過量を低減させる周波数フィルタ
    であることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  4. 【請求項4】 上記ノイズフィルタは、1個以上のノー
    マルモードフィルタを含むことを特徴とする請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載の電源装置。
  5. 【請求項5】 上記ノイズフィルタは、上記マッチング
    回路と上記負荷との間に挿入されていることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電源装
    置。
  6. 【請求項6】 上記ノイズフィルタは、上記高周波電源
    回路と上記マッチング回路との間に挿入されていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の電源装置。
  7. 【請求項7】 上記ノイズフィルタは、上記高周波電源
    回路と上記マッチング回路との間および上記マッチング
    回路と上記負荷との間にそれぞれ挿入されていることを
    特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の
    電源装置。
  8. 【請求項8】 上記ノイズフィルタは、上記マッチング
    回路の一部を構成していることを特徴とする請求項1な
    いし請求項4のいずれかに記載の電源装置。
  9. 【請求項9】 上記高周波電源回路と上記マッチング回
    路との間は、同軸ケーブルで接続されていることを特徴
    とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の電源
    装置。
  10. 【請求項10】 上記ノイズフィルタは、上記同軸ケー
    ブルの端部が挿入されてノイズを低減させる筒状のコア
    であることを特徴とする請求項9記載の電源装置。
  11. 【請求項11】 電源投入直後からあらかじめ設定され
    た期間には上記高周波電源回路から上記ノイズフィルタ
    を通さずに上記負荷に電力を供給させるバイパス手段を
    備えることを特徴とする請求項1ないし請求項10のい
    ずれかに記載の電源装置。
  12. 【請求項12】 上記高周波電源回路の出力周波数は
    0.5〜20MHzに設定されていることを特徴とする
    請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の電源装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし請求項12のいずれか
    に記載の電源装置と、上記電源装置からの高周波電力に
    より点灯する上記負荷としての無電極放電灯とを備える
    ことを特徴とする放電灯点灯装置。
  14. 【請求項14】 高周波電源回路からマッチング回路を
    介して負荷に高周波電力を供給する電源装置であって、
    上記マッチング回路と上記負荷との間に挿入されたコモ
    ンモードフィルタと、上記高周波電源回路と上記マッチ
    ング回路との間を接続する同軸ケーブルとを有し、上記
    高周波電源回路の出力周波数は0.5〜20MHzに設
    定され、上記負荷は無電極放電灯を含んでいることを特
    徴とする電源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014183693A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Toyota Industries Corp 受電機器及び非接触電力伝送装置
KR20160010981A (ko) * 2014-07-21 2016-01-29 삼성전자주식회사 2단 노이즈 필터 및 이를 포함하는 전자장치

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KR102230863B1 (ko) * 2014-07-21 2021-03-24 삼성전자 주식회사 2단 노이즈 필터 및 이를 포함하는 전자장치

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