JP2000304794A - 伝導イミュニティ試験器 - Google Patents

伝導イミュニティ試験器

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JP2000304794A JP11114390A JP11439099A JP2000304794A JP 2000304794 A JP2000304794 A JP 2000304794A JP 11114390 A JP11114390 A JP 11114390A JP 11439099 A JP11439099 A JP 11439099A JP 2000304794 A JP2000304794 A JP 2000304794A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、規模が大がかりで時間と手間
のかかるイミュニティ試験系を簡易化および自動化する
ことにより、イミュニティ試験が容易かつ短時間に行
え、操作性および再現性にもすぐれた試験器を提供する
ことにある。 【解決手段】本発明による伝導イミュニティ試験器は、
被試験装置(EUT)の有する各種機能に対応した異常
検出手段を設け、異常発生と連動して印加妨害波の周波
数をステップさせる等妨害波印加条件を制御し、もしく
は妨害波印加停止時にEUTが自動復帰しない場合に
も、EUTを通信動作状態に自動的に立ち上げる等の手
段を設け、これらによって操作容易で試験時間を大幅に
短縮できるようにしたことを特徴としている。また、E
UTに生じる誤動作、符号誤り、画質劣化、雑音可聴等
の種々の機能異常モ−ドに対しても、電磁気的、光学
的、または音響的検出手段等、各種の方法で検出可能な
ようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信機器等の電子
情報技術装置の通信線や電力線に伝導妨害波を印加し、
被試験装置の妨害波耐力(イミュニティ)を評価する試
験器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の伝導イミュニティ試験方
法としては、図2のような個別の試験構成手段を組み合
わせ接続した試験系が用いられている。すなわち、図2
で、1は被試験装置(以下、EUTという)、2はEU
T1を通信動作状態にするため通信線の対向側に接続し
た補助装置(以下、AEという)、3はEUT1とAE
2とを交換接続するための擬似交換機、4はEUT1の
通信線、5は通信線4を介してEUT1にコモンモ−ド
の試験用の電磁妨害波(以下、単に妨害波という)を結
合・印加する妨害波結合器、6は試験用妨害波の発生
器、7はEUT1に通信動作機能の異常を発生させるの
に必要なレベルまで妨害波発生器6の出力を増加する増
幅器、8はEUT1への印加妨害波を計測する妨害波計
測器である。また、図3は妨害波発生器6の出力波形例
であり、(a)はラジオ放送等のAM変調波、(b)は
AC電源等の周期に同期した矩形パルス波(パルス幅
t、周期T)、(c)は蛍光灯等の家電機器等から発生
するバ−スト波(バ−スト幅W、周期T、パルス周期
d)、(d)は(b)、(c)と同一周期の減衰振動波
である。
【0003】図4は、図3(a)のAM変調波のような
連続性伝導妨害波を印加する場合に、通常用いられる妨
害波結合器5のコンデンサ結合型回路構成例である。
(a)は電話加入者線路等の平衡2線通信線用の結合・
減結合回路(CDN−2W)であり、5Aはその筐体、5
A−1はEUT側の接続端子、5A−2はAE側の接続
端子、5A−3は、妨害波入力端子である。また、
(b)はホ−ムバス等の平衡4線通信線用の結合・減結
合回路(CDN−4W)であり、5Bはその筐体、5B−
1はEUT側の接続端子、5B−2はAE側の接続端
子、5B−3は、妨害波入力端子である。このほか平衡
8線程度までの多線条線路に対しては、同様の構成のも
のが用いられる。
【0004】図3(a)のAM変調波のような連続性の
伝導妨害波を印加して、通信機器のようなEUT1のイ
ミュニティを試験・評価するには、通常以下のような手
順がとられる。すなわち図2で、 AE2を操作し、擬似交換機3を介してEUT1にア
クセスし(またはEUT1からAE2にアクセスし)、
EUT1を通信動作状態にする。 妨害波発生器6のAM変調波出力信号を設定し(搬送
周波数fc、変調周波数f、変調度M等)、増幅器7お
よび妨害波結合器5を介して通信線4にコモンモ−ドで
結合させ、EUT1に試験妨害波を印加する。 妨害波発生器6のAM変調波出力レベルを増加してい
き、通信動作中のEUT1に機能異常(誤動作や通信品
質劣化)が発生したときの印加レベル(≒イミュニティ
レベル)を、妨害波計測器8により測定する。(なお、
イミュニティレベルは正確には機能異常が発生する直前
の印加レベルをいうが、ここでは実際の測定の容易性上
から発生時の印加レベルをもってイミュニティレベルと
する。) または、あらかじめ定められたイミュニティ試験レベ
ルがEUT1に加わるよう、AM変調波出力レベルを設
定して印加し、EUT1の機能異常発生の有無を確認し
て合否判定する。 AM変調信号の搬送周波数fcを順次変えて〜を
繰り返し、試験周波数帯域におけるEUT1のイミュニ
ティレベルを求めるか合否を判定するなどにより、EU
T1の耐力を評価する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、イミュニ
ティ試験は一般に印加妨害波に対するEUTの耐力限界
を求める試験であるため、まず周波数等の印加条件を設
定し、EUTに機能異常が発生するまで印加妨害波レベ
ルを増加して、発生後は周波数等を変えて繰り返し試験
する必要があること、特にEUTが通信機器の場合に
は、機能異常の発生形態が誤動作、符号誤り、同期はず
れ、画像品質劣化、雑音可聴など種々あり、メイン機能
に対してこれらの異常動作モ−ドの検出手段が必要なこ
と、これらの機能異常発生時には直ちに印加を停止しな
いと通信動作状態に復帰しない場合があること、復帰し
ない場合は改めてAE等からアクセスしてEUTを立ち
上げ、通信動作状態にした上で印加を繰り返す必要があ
ることなどにより、膨大な時間と手間のかかる欠点があ
った。
【0006】また、通信機器のイミュニティ試験系は、
図2から明らかなように通信交換接続系と妨害波結合・
印加系の両者が必要であるが、従来はそれぞれ個別の試
験構成手段を組み合わせて構成していたため、接続系が
複雑となり、かつ、EUTの機能異常を目視によりその
つど見知してからEUTを立ち上げ、印加条件を手動可
変設定するなど人力に頼っていたため、操作性がきわめ
て悪い欠点もあった。
【0007】さらに、EUTが線数の異なる複数の多線
条通信線で接続された複合システム機器の伝導イミュニ
ティを試験するには、複合システム機器に接続する多く
のラインのおのおのから妨害波の印加が可能で、妨害波
を印加しない非印加ラインは終端してEUT配置系のコ
モンモ−ドインピ−ダンスを安定化させる必要がある
が、従来のものでこのような配置構成とするには、試験
系が大がかりで広い占有場所を要するなどの欠点があっ
た。
【0008】本発明の目的は、このように規模が大がか
りで時間と手間のかかるイミュニティ試験系を簡易化お
よび自動化することにより、イミュニティ試験が容易か
つ短時間に行え、操作性および再現性にもすぐれた試験
器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による伝導イミュニティ試験器は、被試験装
置の対向通信線に接続され該被試験装置の通信動作状態
を可能にする通信交換接続手段と、前記被試験装置の通
信線に電磁妨害波をコモンモ−ドで結合する妨害波結合
手段と、該妨害波結合手段を介して電磁妨害波を印加し
た時に生じる前記被試験装置の機能異常信号を検出し通
信品質劣化度を測定する障害度測定手段と、前記被試験
装置への電磁妨害波の印加条件を設定制御する妨害波制
御手段とから構成され、該妨害波制御手段は、前記障害
度測定手段で測定される通信品質劣化度が前記被試験装
置の障害モ−ドによりあらかじめ定められた評価レベル
となった時の前記被試験装置への妨害波印加レベルを出
力・表示すること、または、あらかじめ定められたレベ
ルの電磁妨害波を前記被試験装置へ印加した時の前記障
害度測定手段で測定される通信品質劣化度を出力・表示
することを特徴とする。
【0010】本発明による伝導イミュニティ試験器は、
EUTの有する各種機能に対応した異常検出手段を設
け、異常発生と連動して印加妨害波の周波数をステップ
させる等妨害波印加条件を制御し、もしくは妨害波印加
停止時にEUTが自動復帰しない場合にも、EUTを通
信動作状態に自動的に立ち上げる等の手段を設け、これ
らによって操作容易で試験時間を大幅に短縮できるよう
にしたことを特徴としている。また、EUTに生じる誤
動作、符号誤り、画質劣化、雑音可聴等の種々の機能異
常モ−ドに対しても、電磁気的、光学的、または音響的
検出手段等、各種の方法で検出可能なようにしてある。
【0011】また、アナログ・デジタル擬似交換機能を
有する通信交換接続系と、アナログ平衡2/4線やデジ
タルインタフェ−スU点・S/T点への印加が可能な妨
害波結合・印加系とを一体化配置構成にして試験系を簡
易化すると共に、大半のアナログ・デジタル通信機器の
通信動作状態が実現でき、これによるイミュニティ試験
が実施可能なようにしてある。
【0012】さらに、可聴雑音評価試験では、音声劣化
の評価基準を設定するために必要な連続性正弦波および
パルス波の信号源を試験器内に組み込むと共に、EUT
側と対向通信線側にそれぞれ基準信号レベルと妨害波信
号レベルとの検出手段を設け、これらの各側における検
出信号の比較によって、音量調整つまみの設定やマイク
ロホンの設置位置で受話音量が異なるEUTに対して
も、適正な可聴雑音の評価ができる特徴を有する。ま
た、EUT側だけでなく対向機器側への影響や、連続性
正弦波だけでなく、連続性パルスに対する可聴雑音の評
価もできるようにしてある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
【実施例1】図1は本発明の第1の実施例を示す図であ
り、9は本試験器の構成各部を含む筐体、3’、5’、
6’、7’は、それぞれ従来の擬似交換機3、妨害波結
合器5、妨害波発生器6、および増幅器7と同様の機能
を有するそれぞれ擬似交換部、妨害波結合部、妨害波発
生部、および増幅部、4はEUT1の通信線、3−1お
よび5−1はそれぞれ擬似交換部3’および妨害波結合
部5’の外部接続端子である。
【0015】また、1AはEUT1に組み込まれ、EU
T1に通信誤動作や同期はずれ等の機能異常が発生した
時に点灯または発光する警報ランプ等の発光素子、10
はEUT1の発光素子1A等の機能異常発生箇所に接近
または接触して装着する等の方法で結合させた障害信号
検出部、10−0は障害信号検出部10の内部に組み込
まれたLED等の受光素子、11は障害信号検出部10
で検出した障害信号のレベルや頻度等を測定したり、あ
らかじめ定められた所定の評価基準値と比較する等によ
り機能異常の程度を評価する障害度測定部、11−1は
本試験器の筐体9に設けられた障害信号検出部10の入
力接続端子、12は通信線に接続された妨害波結合部
5’と擬似交換部3’との間に接続挿入され、線路損失
を可変設定する擬似線路、13は妨害波発生部6’の出
力信号の周波数やレベル、および出力タイミング等を設
定制御する制御部、14は制御部13の制御操作の設定
画面および障害度測定部11で測定した結果を表示する
表示部、15は制御部13と、障害度測定部11や妨害
波発生部6’および表示部14等とを結ぶGP−IBケ
−ブル、15−1と15−1’はGP−IBケ−ブル1
5の外部接続端子、16は妨害波結合部5’の出力を試
験前または試験後に所定のレベルに校正したり、EUT
1に印加される妨害波を測定する印加出力測定部、16
−1は印加出力測定部16の外部接続端子である。
【0016】また、図5は、図1の制御部13を用いて
妨害波発生部6’のAM変調波信号を出力制御する方法
を説明する図である。
【0017】以下に図1および図5を用いて、図3
(a)のようなAM変調波を印加時に、EUT1のイミ
ュニティ特性を試験・評価するために必要な動作を説明
する。すなわち図1で、まず、補助装置AE2を操作し
て擬似交換部3’、擬似線路12、妨害波結合部5’を
介してEUT1にアクセスし、またはEUT1から逆に
AE2にアクセスしてEUT1を立ち上げ、通信動作状
態を実現する。このとき擬似線路12を可変して実回線
条件を模擬した線路損失を設定しておく。
【0018】次に、制御部13において、妨害波発生部
6’から発生させるAM変調波の変調周波数fや変調度
Mおよび出力レベルの上昇速度を定めると共に、搬送周
波数fcを図5(a)に示す試験帯域(fl〜fh)内の
最初の任意ポイントfiに設定し、妨害波発生部6’を
動作させる。この出力信号を増幅部7’で増幅し、妨害
波結合部5’を介してコモンモ−ドの伝導妨害波として
EUT1の通信線4からEUT1に印加し、その印加レ
ベルを次第に増加していく。
【0019】この結果、EUT1の内部回路が妨害波に
耐えきれなくなった時に論理素子等が反転して誤動作や
同期はずれ等の機能異常を発生し、EUT1の警報ラン
プ等の発光素子1Aが発光する。この発光を発光素子1
Aに接近または接触装着した受光素子10−0が検知し
て、検知信号を障害度測定部11に入力する。これによ
る障害度測定部11からの出力信号がGP−IBケ−ブ
ル15を介して制御部13に伝達すると、制御部13で
はこのときの妨害波発生部6’の出力信号レベル(図5
(a)のei)を記憶した後、その出力レベルをすみや
かにゼロまたは所定レベル以下に減少させて、EUT1
への妨害波印加を解除する。すると発光素子1Aが消灯
してEUT1は正常動作に復帰し、通信動作状態を継続
する。制御部13では、図5(a)に示すように妨害波
発生部6’の上記出力レベル低下時点からEUT1が正
常動作に復帰するのに要する所定時間経過後に、搬送周
波数fiをあらかじめ設定した次の任意のfjにΔfだけ
可変ステップした後、その出力レベルを前と同様に次第
に増加させる。
【0020】これによって、前の設定周波数fiによる
印加時と同様に、EUT1の発光素子1Aが再発光し、
EUT1の機能異常発生信号が障害度測定部11および
GP−IBケ−ブル15を介して制御部13に伝達し、
この時の妨害波発生部6’の出力信号レベル(図5
(a)のej)を、前と同様に記憶する。これらの制御
動作を試験帯域(fl〜fh)内であらかじめ設定した全
周波数ポイントについて実行した後、各周波数ポイント
毎に記憶した妨害波発生部6’の出力レベルeを妨害波
結合部5’からEUT1への印加レベルVに換算してプ
ロットすれば、図6のようなEUT1のイミュニティ特
性が得られる。同図で、VrefはあらかじめEUT1の
設置される電磁環境条件などから定めたイミュニティ評
価基準レベルであり、Vrefと各周波数ポイントにおけ
るイミュニティ特性値を比較することにより、EUT1
が試験帯域内で許容レベルを満足するかどうかや、どの
周波数範囲やポイントでどの程度不満足かなどの評価が
容易に可能となる。なお、上記の出力レベル低下時点か
ら再印加までの時間は、それぞれのEUT1による復帰
特性を考慮し、制御部13であらかじめ可変設定できる
ようにしてある。
【0021】また、全試験帯域にわたってEUT1のイ
ミュニティが評価基準レベルVrefを満足しているかど
うかの合否判定結果のみを知ればよい場合には、妨害波
発生部6’の出力レベルを図5(a)のように1つの周
波数ポイント毎に増減させずに、図5(b)のように各
所定の出力レベルとなるよう試験帯域内を周波数ステッ
プさせて掃引し、発光素子1Aの発光による障害度測定
部11への信号入力がなければ合格を、掃引の途中で発
光による信号入力があれば不合格を容易に確認できる。
また、信号入力時の掃引停止周波数ポイントから、不合
格となった周波数がただちにわかる。
【0022】このように、本実施例では、EUT1の機
能異常発生と連動して妨害波発生部6’の出力を低下さ
せ、EUT1の通信動作状態の復帰を待って周波数ステ
ップさせた信号を再印加する等により妨害波発生部6’
の周波数掃引制御を行っているため、全試験帯域にわた
りイミュニティ試験を自動化でき、容易かつ短時間の試
験・評価が可能となる。
【0023】なお、図1で通信動作中のEUT1に対し
て、通信線4に妨害波を結合する前と、障害信号検出部
10の出力信号をトリガとする妨害波結合後の通信線間
信号を障害度測定部11で測定・比較することにより、
妨害波の影響によるAE2に与える通信の伝送品質等の
評価も可能となる。
【0024】一方、以上の動作で、妨害波結合部5’か
らEUT1へ適正な所定の妨害波レベルVを結合・印加
するには、各周波数ポイントにおける妨害波発生部6’
の出力eをどのように制御部13で設定し出力したらよ
いかが問題となる。その理由は、妨害波発生部6’の出
力点からEUT1の通信線入力点までの経路に増幅部
7’や妨害波結合部5’が介在し、これら増幅部7’の
増幅度特性や妨害波結合部5’の内部浮遊容量などによ
る損失の周波数特性があるため、これらの補正を行って
おく必要があることによる。
【0025】図7は制御部13により設定する妨害波発
生部6’の出力eと、これによって妨害波結合部5’か
らEUT1へ実際に印加される妨害波レベルVとの対応
をとる方法、すなわち妨害波結合部5’の出力の校正方
法を説明する図である。両者の対応をとるには、EUT
1のイミュニティ試験に先だって(または試験後に)、
図7(a)のようにEUT1の接続される妨害波結合部
5’の接続端子5−1と印加出力測定部16の接続端子
16−1とを接続線17で接続する。
【0026】次に、試験帯域内の任意の周波数ポイント
iにおいて妨害波発生部6’の出力を増加し、印加出
力測定部16で測定される妨害波結合部5’の出力レベ
ルの読み(=EUT1への印加レベル V)が所定の試
験レベルViとなるよう制御部13を調整して、妨害波
発生部6’の出力レベルeiを設定した後記憶する。次
に、周波数をΔfだけステップさせたfjにおいて、同
一のViとなるようejを設定して記憶する。これらの操
作を図7(b)の試験帯域(fl〜fh)内の各周波数ポ
イントについて実行することにより、EUT1へ全帯域
にわたり同一の試験レベルVを印加するのに必要な各周
波数ポイントにおけるeの値が設定できる。Δfのステ
ップ幅を細かくするほど多数の周波数ポイントにおける
eの値が測定され精度が向上する。さらに試験レベルV
を設定印加レベルの範囲(Vl〜Vh)内で任意に変えて
同様の測定を行うことにより、任意の所定印加レベルV
に対するeの設定値が確定する。
【0027】このように、多数の設定V値に対してそれ
ぞれのeを細かく測定しておけば、印加レベル設定の精
度が向上するが、校正時間の短縮をはかるには、EUT
への印加レベルの範囲内で、例えば最小値Vlと最大値
h、またはこれらと任意の中間値との複数の特定Vに
対してのみ各eを測定し、これらの間のVに対しては上
記の各測定e値を比例配分した計算値を用いれば、精度
は落ちるが校正時間を短縮できる。
【0028】これらの校正値を用いれば、図5のような
周波数設定・掃引に当たって、試験帯域内の任意の限定
した帯域部分のみを詳細に設定して掃引したり、あらか
じめ定めた複数の特定周波数ポイントのみを設定して妨
害波を印加する等の掃引・印加が可能となり、目的に応
じた妨害波の印加制御ができる。
【0029】なお、上記EUT1への印加レベルVの実
際の校正時には、EUT1の試験帯域におけるコモンモ
−ドインピ−ダンスが機種により異なるため、これによ
ってVが変化するのを避けるため、図4の妨害波結合器
5の2線や4線の通信線をコモンモ−ドとみなして一つ
にまとめて表した図7(c−1)に示すような妨害波結
合部5’の出力端子5−1に、校正用抵抗18(=R1
+R2)で置き換えたEUT1のコモンモ−ド入力イン
ピ−ダンス相当の回路を接続し、印加出力測定部16の
入力インピ−ダンスに相当するR2の両端電圧V1を測定
して、これを信号源の起電力Vemf=V1(r+R+R1
+R2)/R2として換算して(Rは通信線4の対地抵抗
を模擬した妨害波結合部5’の合成抵抗、rは信号源の
内部抵抗)、EUT1の印加レベルVとする。Vemf
また、図7(c−2)のように端子5−1を開放時の開
放端電圧V0(=Vemf)として直接測定することもでき
る。
【0030】
【実施例2】図8は本発明の第2の実施例を示す図であ
り、図1の実施例で、EUT1に印加した妨害波を除去
しても通信動作が継続せず、EUT1が正常な動作状態
に自動復旧しない場合の構成を示す。図8で、図1と同
じ部分には同じ記号を用いた(1〜16)。19および
19’は図1のEUT1およびAE2にそれぞれ設けた
通信動作を再起動するためのGP−IB制御の起動部、
20および20’はその中のそれぞれの起動手段であ
る。また図9は、起動手段20または20’部分の具体
的実施例であり、1BはEUT1やAE2に組み込まれ
た押ボタンやタッチパネル、電源スイッチ等の通信動作
の起動素子、20−1は起動素子1Bに対向して起動手
段20内に装着したマグネット等の駆動手段、20−2
は複数の駆動手段20−1を任意に選択作動させるGP
−IB制御可能な駆動回路である。
【0031】以下に本実施例の動作を説明する。すなわ
ち前述の図1の試験系で、EUT1への妨害波印加を例
えば図5(a)のfiについて妨害波発生部6’で出力
レベルeiまで出力した後妨害波を除去した時等に、E
UT1の通信動作が正常に復帰しないとその後の試験が
実施できなくなる。このような場合、妨害波除去時にも
発光素子1Aが発光したままになるので、障害度測定部
11およびGP−IB線15を介して制御部13に検出
信号が伝送されると、制御部13ではGP−IB線15
を介して図8の起動手段20または20’内の駆動回路
20−2を選択駆動して通信動作の再立ち上げに必要な
押しボタンや電源スイッチなどの起動素子1Bに対応し
た駆動手段20−1を作動させ、EUT1またはAE2
を再起動して通信動作状態を実現する。このようにして
EUT1を再起動した後に図5と同様の掃引制御を続け
ることによって図6のようなイミュニティ特性を容易に
得ることができる。このように本実施例では、イミュニ
ティ試験中に通信動作が停止し、復帰しないようなEU
T1に対しても、機能異常を検知してEUT11やAE
2を再起動する手段を設けたため、通信動作が自動的に
確保され、一連のイミュニティ試験を簡単かつ確実で短
時間に実行できる。
【0032】以上の2つの実施例では、EUTへの印加
妨害波の波形として図3(a)のようなAM変調波を対
象に、EUT1の機能異常発生と連動した印加周波数の
制御法について説明したが、図3(b)ないし図3
(d)のような連続パルス性の妨害波を印加する場合に
は、これらの波形の送出機能を有する妨害波発生部6’
と、各パルスの線路への結合・印加に適合した妨害波結
合部5’とを用いて、それぞれのパルス幅や周期または
バ−スト幅やバ−スト周期等の波形を制御部13で設定
してEUT1にパルスの波高値を可変しながら印加し、
AM変調波印加時と同様に機能異常発生時の印加レベル
(パルス波高値)を測定すれば、EUT1のパルスに対す
るイミュニティ特性や合否判定試験が容易に実行できる
ことは明らかである。
【0033】
【障害信号検出手段の実施例】以上、EUT1の誤動作
を対象としたイミュニティ試験方法を、警報ランプ等の
発光素子を有し機能異常時にはこの発光信号を検出して
妨害波印加系を制御するEUT1の事例について説明し
たが、通信機器のようなEUT1の場合、機能異常の発
生状況は警報ランプの誤点灯だけでなく様々であり、こ
れらに対応した障害信号の検出手段が必要となる。図1
0は、図1や図8の障害信号検出部10について、上述
の発光信号検出を含む具体的検出手段の実施例を示す説
明図であり、EUT1の種々の機能異常発生形態に対応
して、電気、磁気、光、音などを用いた検出手段を示
す。すなわち図10で、10AはEUT1の機能異常発
生の電気的検出手段であり、10A−0はEUT1内部
の機能異常発生要因と考えられるトランジスタやIC等
の論理素子もしくはスイッチング素子、10A−1は論
理素子等10A−0の端子間に接触させた電圧プロ−ブ
等の電圧検出手段、10A−2は論理素子等10A−0
のケ−ブルにクランプした電流プロ−ブ等の電流検出手
段である。EUT1への印加妨害波によりその内部の論
理素子等10A−0に誤動作等の機能異常が発生する
と、電圧検出手段10A−1や電流検出手段10A−2
によりその異常がそれそれ電圧vまたは電流iの電気的
出力信号として検出される。
【0034】次に、図10で、10BはEUT1の機能
異常発生の磁気的検出手段であり、10B−0はEUT
1内部の機能異常発生要因と考えられるコイル等の漏洩
磁界発生素子、10B−1は漏洩磁界発生素子10B−
0に接近して配置した磁界コイルなどの磁気検出手段で
あり、EUT1への印加妨害波によりその内部の漏洩磁
界発生素子10B−0から磁束Φが発生すると、磁気検
出手段10B−1によりEUT1の機能異常発生が磁気
出力信号として検出される。
【0035】また、図10で、10CはEUT1の機能
異常発生の前記図1の10−0と同様の発光検出手段で
あり、10C−0は、EUT1に配設された警報・同期
はずれ・誤動作等の発光表示用ランプや発光ダイオ−ド
などからなる単一または複数個の機能異常表示素子、1
0C−1は機能異常表示素子10C−0の個々または全
体を覆うように接近または接触して装着したLED等の
発光検出手段で、10C−0のいづれかの発光に対して
受光検出するようになっている。10C−0’はEUT
1に接続されたCRTや液晶等の表示画面を有する付属
EUT、10C−2は付属EUT10C−0’の表示画
面に接近または接触して装着した集合光ファイバ等から
なる画素拡大機能を有するマトリクス型等の画素検出手
段である。EUT1への印加妨害波によりEUT1内の
回路が誤動作して、これに配設された機能異常表示素子
10C−0や付属EUT10C−0’の表示画面に、ラ
ンプ点灯や画像劣化等の機能異常が発生すると、発光検
出手段10C−1や画素検出手段10C−2によりEU
T1や付属EUT10C−0’の機能異常発生が受光出
力信号として検出される。
【0036】さらに、図10で、10DはEUT1の機
能異常発生の音響検出手段であり、10D−0はEUT
1に組み込まれたスピ−カやブザ−などの音響発生器、
10D−1は音響発生器10D−0の近傍に設置したマ
イクロホンなどの音響検出手段、10D−1’はEUT
1に接続されたハンドセット1−1の受話器に勘合した
マイクロホンなどの音響検出手段である。EUT1への
印加妨害波によりEUT1に組み込まれた音響発生器1
0D−0やハンドセット1−1の受話器から異常音や雑
音などの可聴音が発生すると、音響検出手段10D−1
や10D−1’によりEUT1の機能異常発生が音響出
力信号として検出される。
【0037】また、図10で、10EはEUT1の機能
異常発生の電気的検出手段10Aとは異なる電気的検出
手段であり、10E−0はEUT1に組み込まれた音響
出力等、他の機器等とのインタフェ−ス用接続端子、1
0E−1はインタフェ−ス用接続端子10E−0からの
入力信号を他の機器等へ出力するインタフェ−ス回路で
ある。EUT1への印加妨害波によりEUT1のインタ
フェ−ス用接続端子10E−0に異常信号が出力する
と、インタフェ−ス回路10E−1を介してEUT1の
機能異常発生がインタフェ−ス出力信号として検出され
る。
【0038】以上、EUTの機能異常発生の状況に合わ
せて、図10の各種障害信号検出手段のいずれかまたは
複数を図1もしくは図8の障害信号検出部10に用い、
それぞれ所定の検出レベルを越えた時のEUT1への妨
害波印加レベルを求めれば、誤動作を対象としたイミュ
ニティ試験を簡単・確実に、かつ稼働をかけずに短時間
に実施できる。
【0039】
【アナログ的通信品質劣化に対する試験の実施例】次
に、上記図10の障害信号検出手段を用い、EUT1が
前述の誤動作や同期はずれなど、異常状態の出力がゼロ
か1かのようなデジタル的な発生とは異なり、符号誤り
やスル−プット、画像品質劣化、雑音可聴等、アナログ
的な品質劣化の生じる機能異常モ−ドを対象とした場合
のイミュニティ試験方法について説明する。
【0040】すなわち、EUT1がデ−タ通信機器でそ
の符号誤りを対象とする時、障害信号検出部10を図1
0の電圧検出手段10A−1や電流検出手段10A−
2、またはインタフェ−ス回路10E−1を用い、障害
度測定部11を符号誤り測定機能を有する測定部とし
て、EUT1の障害信号を検出する。これによる障害度
測定部11の符号誤り率が方式上から定められた所定の
値になった場合にGP−IBケ−ブル15を介して制御
部13に障害信号を伝達し、前と同様の制御を行うこと
によってEUT1の符号誤りに対するイミュニティ特性
が求まる。
【0041】また、図10で、EUT1が簡易携帯電話
機(PHS)等の基地局(CS)または携帯端末機(P
S)で、障害信号検出部10を図10のインタフェ−ス
回路10E−1、障害度測定部11をスル−プット測定
機能を有する測定部として、障害度測定部11で測定さ
れるスル−プット値が所定の値になった場合にGP−I
Bケ−ブル15を介して制御部13に障害信号を伝達
し、前と同様の制御を行うことによってEUT1のスル
−プットに対するイミュニティ特性が求まる。
【0042】次に、EUT1がCRTや液晶表示画面を
有する画像通信機器で、その画像品質の劣化を対象とす
るとき、障害信号検出部10を図10のマトリクス型画
素検出手段10C−2、障害度測定部11を画像品質劣
化測定機能を有する測定部として、障害度測定部11で
測定される画像劣化値が所定の値になった場合にGP−
IBケ−ブル15を介して制御部13に障害信号を伝達
し、前と同様の制御を行うことによってEUT1の画像
劣化に対するイミュニティ特性が求まる。
【0043】さらに、EUT1が受話器やスピ−カを有
する音響通信機器で、その雑音可聴等の音声の品質劣化
を対象とする時、障害信号検出部10を図10のマイク
ロホン等の音響検出手段10D−1または10D−
1’、障害度測定部11を可聴雑音測定機能を有する測
定部として、障害度測定部11で測定される雑音可聴値
や音声劣化値が所定の値になった場合にGP−IBケ−
ブル15を介して制御部13に障害信号を伝達し、前と
同様の制御を行うことによってEUT1の雑音可聴や音
声劣化に対するイミュニティ特性が求まる。
【0044】なお、これらの符号誤りやスル−プット、
画像品質劣化、雑音可聴等、アナログ的な品質劣化の生
じる機能異常モ−ドを対象とした場合のイミュニティ試
験・評価方法には、上述のように、I.所定の品質劣化
量が生じる時のEUT1への妨害波印加レベルを測定し
て評価する方法と、これ以外に、II.EUT1に所定の
妨害波印加レベルを印加した時に生じる品質劣化量を測
定して評価する方法もある。本発明の雑音可聴試験に関
する以降の実施例の説明では、上記 II.の方法を用い
て説明する。
【0045】
【実施例3】図11はEUT1が受話器やスピ−カを有
する電話機等の音響通信機器の場合に、AM変調波印加
時の雑音可聴特性を測定・評価する本発明の第3の実施
例を説明する図であり、21は可聴雑音の評価基準信号
を発生するGP−IB制御が可能な基準信号発生部、2
2はEUT1がアナログ通信機器の場合に、これを擬似
交換部3’を介してAE2と接続しなくても通話状態に
することが可能な基準信号重畳の直流供給回路(フィ−
ディングブリッジ)、23はEUT1の対向通信線側に
接続する擬似交換部3’または直流供給回路22等の通
話状態実現手段を選択する切り替えスイッチ、24はハ
ンドセット1−1の受話口と勘合させたマイクロホン1
0D−1’を組み込んだ擬似耳、25はハンドセットコ
−ドの接続された受話器端子に接触させ受話器端子間に
生じる微小検波電圧を検出する高周波コモンモ−ドイン
ピ−ダンスが大きく、接触による受話器音圧の変動を無
視し得る差動プロ−ブである。また図12は直流供給回
路22の具体的実施例であり、基準信号発生部21から
の基準信号fと直流電圧Eとを重畳させてEUT1の接
続される通信線4(負荷)側に供給し、EUT1がアナ
ログ通信機器の場合にはこれによって通話状態が確保で
きるようになっている。さらに図13は基準信号発生部
21が有する可聴帯域周期の信号波形例であり、(a)
は前述の図3(a)のAM変調波の変調波成分のような
可聴帯域周波数からなる連続性正弦波の波形、図13の
(b)ないし(d)は図3の(b)ないし(d)の波形
とそれぞれ同様な可聴帯域の周期を有する連続性のパル
ス波形である。
【0046】図11で、EUT1へのAM変調波印加時
の雑音可聴特性を測定・評価するには、スイッチ23を
切り替えて、基準信号発生部21から図13(a)のよ
うな可聴周波数fの基準正弦波信号を直流供給回路22
を介してEUT1の対向側通信線4間に印加し、障害度
測定部11で測定されるこの印加線間電圧が所定の基準
可聴レベル(例えば レベルa)となるよう、制御部1
3において基準信号発生部21の出力を設定する。ま
た、この設定状態において、ハンドセット1−1の受話
口に勘合させた擬似耳24内のマイクロホン10D−
1’、EUT1のスピ−カ近傍の任意位置に配設したマ
イクロホン10D−1、または差動プロ−ブ25のいず
れかで検出され障害度測定部11で測定される基準信号
発生部21の出力信号fによる基準信号レベル(=評価
基準値)VrefをGP−IB線15を介して制御部13
に伝達し記憶する。次に、上記基準信号fの印加を除去
し、EUT1へ所定の妨害波レベルV=V0が全試験帯
域にわたって印加されるよう、図5(b)の掃引方法に
よって制御部13を設定・制御し、妨害波発生部6’か
らAM変調妨害波を印加する。この結果ハンドセット1
−1の受話口に勘合させた擬似耳24内のマイクロホン
10D−1’、EUT1のスピ−カ近傍の任意位置に配
設したマイクロホン10D−1、または差動プロ−ブ2
5のいずれかで検出され障害度測定部11で測定される
AM変調波がEUT1内の回路で検波された可聴雑音信
号レベルVの曲線と、上記Vrefとを表示部14画面上
のグラフにプロットする。
【0047】図14(a)はこのようにして求められる
可聴雑音特性例の説明図であり、妨害波印加による可聴
雑音特性曲線が、図中に太線で示した評価基準値Vref
に対して例えば周波数fn以下の帯域では小さく満足し
ているが、周波数fn以上は評価基準値をオ−バしてお
り、その量が周波数によりどの程度か等の雑音可聴特性
の評価が容易にできる。また図14(b)は、(a)と異
なる評価基準値Vrefの与え方をした場合、すなわち評
価基準値をVref±ΔVとして、試験帯域(fl〜fh
内の周波数fk以下ではこの下限値、fk以上では上限値
とした場合である。同図より、このような評価基準値に
対しては、周波数fがfn1<f<fk およびfn2<f
において基準値をオ−バしていることなどがわかる。
なお、上記Vrefを図14(a)、(b)の右側縦軸の
換算雑音音圧Pとして音圧の絶対値で表示する場合に
は、マイクロホン10D−1’に標準周波数(1kHz
等)と標準出力音圧Ps(dBspl) とを有する標準音
源を勘合させ、障害度測定部11で測定される基準出力
信号レベルVsが音圧の校正基準値Psに等しいとして、
refを比例配分により音圧P0=Ps・Vref/Vsのよ
うに換算すればよい。
【0048】マイクロホンのかわりに差動プロ−ブ25
を使用する時には、まず、上記校正に使用したマイクロ
ホン10D−1’を障害度測定部11に接続して、基準
信号発生部21の印加信号によるマイクロホン10D−
1’の検出レベルが上記VSとなるよう、基準信号発生
部21の出力を設定する。この設定状態のまま障害度測
定部11で測定される差動プロ−ブ25の検出レベルV
spが音圧の校正基準値Psに等しいとみなして、Vref
比例配分により音圧P0=Ps・Vref/Vspとして換算
することにより、音圧の絶対値が得られる。なお、図1
1の実施例で、妨害波発生部6’からEUT1へ妨害波
印加の結果、EUT1の内部回路で変換・検波され対向
通信線側に伝送される通信線間の可聴雑音レベルを障害
度検出部11で測定し、図14(a)、(b)の左側縦
軸をこれで置き換えた同様のグラフを作成することによ
り、EUT1の対向通信機器であるAE2側の可聴雑音
特性も、同様に相対評価および絶対評価が可能である。
【0049】以上のように、本発明の実施例では、EU
T1の対向通信線間に所定レベルの上記基準信号を印加
した時に、EUT1側の各マイクロホンや受話器端子間
に生じる可聴信号レベルを相対評価の基準値として、こ
れに対する妨害波印加時の可聴雑音特性を相対的に比較
・評価する方法を用いているので、音量可変調整つまみ
の設定状態やマイクロホンの設置位置などで音響出力の
異なるEUT1に対しても可聴雑音の適正な評価ができ
る。また標準音源を用いて上記相対評価値を音圧の絶対
値に換算すれば、可聴雑音特性の絶対値評価も可能とな
る。さらにEUT1の対向通信線間に生じる可聴雑音レ
ベルも障害度検出部11で測定できる構成にしてあるた
め、対向通信線間の可聴雑音レベルも同様に相対および
絶対評価が可能となり、EUT1の雑音可聴のAE2側
への影響も明らかにできる。
【0050】また、本発明の実施例では、可聴雑音評価
のための基準信号やEUT1を通話状態にする給電回路
を組み込んであるため、AE2を接続しなくてもアナロ
グEUT1の通話状態が実現できる。なお、デジタルE
UT1を試験する場合には、選択スイッチ23を切り替
えてデジタル擬似交換部3’を接続し、これにデジタル
AE2を接続して発信接続し通話状態とした上で同様の
試験を実施すればよいことは明らかである。
【0051】次に図11の本発明による実施例を用い
て、図3の(b)ないし(d)のようなパルス性妨害波
に対する雑音可聴特性を試験・評価するには、これらの
妨害波と波形もしくは少なくとも周期が同等な図13の
(b)ないし(d)の基準信号を、基準信号発生部21
からEUT1の対向通信線間にそれぞれ所定の基準可聴
レベル(例えばそれぞれレベルb、c、d)となるよう
印加して、AM変調波印加の場合と同様にEUT1の各
マイクロホン10D−1や10D−1’、または差動プ
ロ−ブ25の検出信号を測定して、図14と同様のグラ
フを求めることにより可能となる。
【0052】なお、図13(a)ないし(d)の各基準
信号をEUT1の対向通信線間に印加時の上記基準レベ
ル(それぞれレベルa〜d)を設定するに当たっては、
予め各基準信号のレベルを可変した音声を多人数の被験
者に聞かせて図15のような音声劣化評価尺度による聴
感特性を求めておき、この中のいずれかのランク、例え
ばランク3(わずかにうるさい)の該当する印加レベル
V(または音圧P)の値、それぞれレベルa〜dをもっ
て評価基準とする方法等が考えられる。
【0053】図16ないし図19は、図11をより具体
化した本発明の実施例を説明する図であり、図16で妨
害波結合部5’を3つのCDNで構成し、本体内部構成
の簡易化のため、図11の妨害波発生部6’、増幅部
7’、制御部13および表示部14からなる妨害波印加
制御系と、擬似線路12とを本体外部に外付け配置構成
としたものである。図16で、5’−1および5’−2
は図4(a)および(b)とそれぞれ同様のCDN−2
WおよびCDN−4W、5’−3はCDN−2WをAC
線用にしたAC−CDN、11−1は障害度測定部11
の入力接続部端子、11−2および11−3は障害度測
定部11内に設けたそれぞれEUT側および対向通信線
側の可聴雑音電圧を測定するGP−IB制御可能な可聴
雑音測定計、26は高周波コモンモ−ドおよびディファ
レンシャルモ−ドのインピ−ダンスが大きく接続による
通信線の伝送信号への影響を無視し得る可聴帯域通過フ
ィルタ、3Aは擬似交換部3’内に配設したアナログ擬
似交換部、3Bは同デジタル擬似交換部、23’はこれ
らのアナログ・デジタル交換部それぞれ3Aおよび3B
とフィ−ディングブリッジ22のいずれかをEUT1の
対向通信線に選択接続する切り替えスイッチ、27は、
基準信号発生部21または終端抵抗や外部信号入力のい
ずれかをフィ−ディングブリッジ22の入力部に選択接
続する切り替えスイッチ、29は筐体内に配置した3つ
のCDN部分からの漏洩放射雑音が内部の他のブロック
構成部分に影響を与えないよう設けた遮蔽板、30は擬
似線路12をショ−トして対向通信線の挿入損失をゼロ
に設定するショ−トバ−、31は妨害波を印加しないC
DNの妨害波入力端子に接続したライン終端用の抵抗、
32は擬似大地板、33はEUT1を擬似大地板32上
に所定高hで設置する非金属製の絶縁支持台、34はハ
ンドセット1−1およびこの受話口と勘合さたマイクロ
ホン10D−1’を組み込んだ擬似耳24の周辺を囲っ
て外部騒音の影響を除去する遮音箱、35はハンドセッ
トを人が握った状態を模擬した擬似手回路である。
【0054】また、図17は、図16のデジタル擬似交
換部3B部分の詳細ブロック構成図であり、デジタル交
換部3Bは、4つのS/T点接続端子を有するISDN
擬似交換部3B−1の内2つのS/T点接続端子と、U
点およびS/T点各2接続端子を有するS/T点−U点
変換部3B−2の2つのS/T点接続端子とを接続し
て、全体としてS/T点およびU点接続端子各2端子、
それぞれ3B−1’および3B−2’を有するよう構成
してある。
【0055】さらに、図18は、図16のEUT1の配
置を含む試験系構成の概略外観図であり、図16の3つ
のCDNそれぞれ5’−1、5’−2、5’−3は実際
には図18に示すように擬似大地板32の上に並べて筐
体が擬似アース板と同電位になるよう配設され、絶縁支
持台33の上に設置されたEUT1の通信線4やAC線
とほぼ同一高さで接続し、CDN5’−1〜5’−3を
介してEUT1に結合・印加されるコモンモ−ドの試験
妨害波電圧がCDN5’−1〜5’−3からEUT1に
レベル変動が少なく安定して印加されるよう構成してあ
る。
【0056】図16ないし図18で、EUT1の雑音可
聴イミュニティ特性を試験・評価するには、試験に先だ
って印加出力測定部16を用いて妨害波結合に用いるC
DN(ここではCDN−2W(5’−1))を図7の箇
所で説明した方法で校正すると共に、妨害波を印加しな
いがEUT1に接続されるAC−CDN(5’−3)の
妨害波入力端子を終端抵抗31で終端する。次に図11
の動作説明の箇所で述べた方法と同様に、まず基準信号
発生部21からの基準正弦波信号fが直流供給回路22
を介してEUT1の対向側通信線4間に印加されるよ
う、スイッチ27および23’を切り替える。また、対
向通信線間に挿入接続する擬似線路12の損失を設定
し、損失ゼロとする場合には擬似線路12を損失ゼロに
設定するか、擬似線路12を除去してショ−トバ−30
を接続し、EUT1を通話状態にする。この後可聴帯域
通過フィルタ26を介して障害度測定部11内の可聴雑
音測定計11−3で測定される上記基準正弦波信号レベ
ルが所定の基準可聴レベル(例えば 前述のレベルa)
となるよう、基準信号発生部21の出力を制御部13で
設定する。
【0057】この設定状態において、ハンドセット1−
1の受話口に勘合させた擬似耳24内のマイクロホン1
0D−1’、EUT1のスピ−カ近傍の任意位置に配設
したマイクロホン10D−1、または差動プロ−ブ25
のいずれかで検出され可聴雑音測定計11−2で測定さ
れる基準信号発生部21の出力信号fによる基準信号レ
ベルVref(=評価基準値)を記憶する。次に上記基準
信号発生部21の出力を停止し、スイッチ27を切り替
えて直流供給回路22の入力端子を終端抵抗で終端した
後、EUT1へ所定の妨害波レベルV0が全試験帯域に
わたって印加されるよう、制御部13を図5(b)の掃
引方法によって設定・制御し、妨害波発生部6’からA
M変調妨害波を印加する。この結果生じるハンドセット
1−1の受話口に勘合させた擬似耳24内のマイクロホ
ン10D−1’、EUT1のスピ−カ近傍の任意位置に
配設したマイクロホン10D−1、または差動プロ−ブ
25のいずれかで検出され可聴雑音測定計11−2で測
定された可聴雑音信号レベル曲線と上記Vrefとを表示
部14画面上のグラフにプロットする。
【0058】図19は、このようにして求めたEUTが
アナログ電話機の場合で、試験周波数帯域が0.5〜8
0MHz、評価基準値Vref±ΔVはΔV=10dBで
0.5〜30MHzはこの下限値、30〜80MHzは
上限値として、Vrefを雑音音圧65dBsplとした
場合の可聴雑音特性例である。図より評価基準値をオ−
バする周波数帯域は、8〜50MHzであり、オ−バ量
の最大は周波数30MHzで約30dBとなっており、
このオ−バ帯域に対策を施す必要があることなどが容易
にわかる。
【0059】以上、図16では、EUT1への妨害波の
結合・印加を通信線から行う場合について説明したが、
AC線から行う場合には、AC−CDN(5’−3)の
妨害波入力端子に 妨害波発生部6’の出力部を増幅部
7’を介して接続すると共に、CDN−2W(5’−
1)の妨害波入力端子を抵抗31で終端した後に同様の
方法によって試験を行えば、EUT1のAC線伝導妨害
波に対する雑音可聴イミュニティ特性が求まり、AC線
伝導イミュニティを容易に評価できる。また、EUT1
が電話機の親機または主装置で、内線からEUT1側に
妨害波を印加したい場合には、ホ−ムバス等の内線は一
般に平衡4線であることから、CDN−4W(5’−
2)の妨害波入力端子に 妨害波発生部6’の出力部を
増幅部7’を介して接続すると共に、CDN−2W
(5’−1)およびAC−CDN(5’−3)の各妨害
波入力端子をそれぞれ抵抗31で終端した後に同様の方
法によって試験を行えば、EUT1の内線伝導妨害波に
対する雑音可聴イミュニティ特性が求まり、内線伝導イ
ミュニティを容易に評価できる。
【0060】なお、図16の上記説明では、試験器筐体
9に内蔵した基準信号発生部21から可聴周波数の正弦
波信号を印加して評価基準レベルを設定したが、スイッ
チ27を切り替えて外部からあらかじめ録音された標準
音声信号や、内蔵の基準信号発生部21の出力をいった
ん外部に引き出しこれと他の信号とを合成した信号等
を、直流供給回路22や対向AE2側に入力して評価基
準レベルを設定することもできる。またEUT1がデジ
タル電話機等のデジタル通信機器の場合には、スイッチ
23’を切り替えて対向通信線にデジタル擬似交換部3
Bを接続し、これにデジタルAE2を接続すると共に、
妨害波印加点がデジタル通信線のインタフェ−スU点で
あればCDN−2W(5’−1)を、S/T点であれば
CDN−4W(5’−2)をそれぞれ用いて妨害波を結
合・印加して試験を行えばよい。さらに、EUT1の可
聴雑音以外の機能異常を試験・評価する場合には、図1
6の可聴雑音測定計11−2への入力をマイクロホンな
どの可聴信号入力にかえて、EUT1の機能異常発生状
況に対応した図10の電気、磁気、光などの各種検出信
号を用い、可聴雑音測定計11−2にかえてそれぞれの
機能異常測定手段を用いると共に、基準信号発生部21
も画像品質評価やデ−タ伝送品質評価等の基準となる各
テストパタ−ン信号等の送出が可能な信号発生部に置き
換えて、同様の方法によって実行できる事は明らかであ
る。
【0061】
【妨害波結合手段の実施例】図20ないし図30は、本
発明の妨害波結合部5’の実施例を説明する図であり、
図4に示したコンデンサ結合型で平衡8線程度のものよ
りも線数の多い多線条通信線路への妨害波の結合に適し
た構成としたもので、図20は、図18の3つの妨害波
結合部5’−1〜5’−3の中のいずれか一つ例えば
5’−3に変えて、静電結合と電磁結合との複合化した
結合機能を有する妨害波結合部5’−4または5’−5
を用いた実施例であり、線路長方向に沿って半分に割っ
た2つの構成部分で多線条線路4−1を両側からはさみ
こむようにしてある。図21は図20の妨害波結合部
5’−4または5’−5の片側について、線路4−1を
はさみこむ内側を見た斜視図であり、(a)の5’A1
は多線条通信線4−1の半外周に沿って囲むように配置
した金属製の静電結合板、5’B1は静電結合板5’−
1の外側からこれを囲むように長さ方向に複数個配設
したフェライトなどの磁性コアであり、それぞれ巻線が
コイル状に施されている。(b)の妨害波結合部5’−
5は(a)の磁性コア5’B1の複数個をまとめて長さ
Dの1個のコア5’B2に置き換えたものである。また
図22は、図21(a)、(b)の長さ方向に垂直な面
の概略断面図である。図21の妨害波結合部5’−4ま
たは5’−5を線路4−1に装着するには、図20や図
22から明らかなように、それぞれ妨害波結合部5’−
4または5’−5同士を用いて線路4−1を両側からは
さみこみ、図示しない固定治具等を用いて図20のよう
に装着する。この時、図22に示した各磁性コア5’B
1または5’B2同士および各静電結合板5’A1同士の
対向間隔それぞれdcおよびdsを、dcはゼロで互いに
良好に接触させる一方、dsは所定の間隔を保つように
構成すると共に、装着後の2つの静電結合板5’A
1は、図示しない擬似ア−ス面に対して対称になるよう
配置する。
【0062】図23(a)はこのような妨害波結合部
5’−4の線路4−1への妨害波結合・印加原理を説明
する図であり、磁性コア5’B1が1組のみの場合を示
し、多線条通信線4−1は代表的に1本の線路4として
表してある。ZsおよびZrは線路4の両側に接続した機
器等のコモンモ−ドインピ−ダンスであり、並列接続し
た静電結合板5’A1と磁性コア5’B1に捲回したコイ
ルLとからなる回路に妨害波発生部6’から妨害波信号
を供給すると、線路4には静電結合板5’A1との間に
生じる浮遊容量Csによる静電誘導電圧Vsと、磁性コア
5’B1のコイルLによる電磁誘導電圧Vcとが同方向に
発生し、これらの合成された妨害波電圧が線路4の各心
線に結合・印加される。一方、コイルLを流れる妨害波
電流によって、間隔dsをおいて対向する2つの静電結
合板5’A1にも上記Vcと同方向の電磁誘導電圧それぞ
れVc1が発生するが、2つの静電結合板5’A1が擬似
ア−ス面に対して対称に配置され長さ方向の片端でのみ
接続されているため、Vc1は大きさが等しく方向が逆向
きとなって互いに打ち消し合い回路へ影響を与えない。
このような妨害波の結合・印加は多線条線路のすべての
心線に対してなされ、印加周波数が低い場合はコイルに
よる電磁誘導が、高い場合は静電結合板による静電誘導
がそれぞれ有効に作用して、広い帯域の妨害波結合が可
能となる。また、多線条線路の心線が撚り線で構成され
ていれば、上記2つの手段による各心線への結合がアン
バランスなく行われる。
【0063】図23(b)および(c)は、図21
(a)に示したn個の磁性コア5’B1を直列接続し、
これと静電結合板5’A1とをそれぞれ直列接続および
並列接続した場合の回路構成であり、複数個の磁性コア
による電磁結合と静電結合板による静電結合の作用で線
路4へ大きな結合電圧が生じる。
【0064】図24は妨害波の結合量をさらに増加させ
るため、図20の3つの妨害波結合部にいずれも妨害波
結合部5’−4または5’−5を用いて構成し、筐体9
の外部において多線条線路4−1を多線条線路接続用コ
ネクタ4−2を用いて接続したもので、多線条線路4−
1に対する長さDの静電結合部分と電磁結合部分からな
る結合部分を全体的に拡大して、妨害波発生部6’の出
力が小さい場合でも大きな妨害波結合出力が得られるよ
うにしたものである。
【0065】図25の妨害波結合部5’−6の5’A2
は、図21(a)の静電結合板5’A1について外周の
各磁性コアの配設された長さ方向の半円周部分を切断し
て除去すると共に、装着後それぞれ対向する2つの静電
結合板5’A2同士の間隔dsをゼロとして接触するよう
構成したものである。図26(a)はこのような妨害波
結合部5’−6の線路4への妨害波結合・印加原理を説
明する図であり、磁性コア5’B1は1個のみの場合を
示し、静電結合板5’A2を除去した長さ方向の間隔l
の部分に磁性コア5’B1に捲回したコイルLが配設さ
れている。並列接続した静電結合板5’A2とコイルL
とからなる回路に妨害波発生部6’からの妨害波信号を
供給すると、線路4には静電結合板5’A2との間に生
じる浮遊容量Csによる静電誘導電圧Vsと、コイルLに
よる電磁誘導電圧Vcとが同方向に発生し、これらの合
成された妨害波電圧が線路4の各心線に結合・印加され
る。この場合、同一長さ方向位置で対向する2つの静電
結合板5’A2が接触しリング状に構成されているが、
コイルLは静電結合板のない間隔lの長さ方向部分に配
置されているため、コイルを流れる妨害波電流は静電結
合板5’A2には何ら影響を与えない。図26(b)お
よび(c)は、図25に示したn個の磁性コア5’B1
を直列接続し、これと静電結合板5’2Aとをそれぞれ
直列接続および並列接続した場合の回路構成であり、複
数個の磁性コアによる電磁結合と静電結合板による静電
結合の作用で線路4へ大きな結合電圧が生じる。
【0066】図27は妨害波の結合量をさらに増加させ
るため、長さDの多線条線路の外周を円筒状の導体から
なる静電結合板5’A3で覆ったものを複数個並列に並
べて妨害波結合部5’−7を構成し、これらの入出力部
分を除く両端を筐体9の外部において多線条線路接続用
の非シ−ルドコネクタ4−2により接続し、このコネク
タ部分を磁性ル−プコアにコイルを施した磁性コア5’
3で結合したもので、円筒状導体5’A3とコイルとを
図23(b)、(c)と同様に接続することにより、多
線条線路4に対する長さDの静電結合部分および電磁結
合部分を等価的に拡大して、妨害波発生部6’の出力が
小さい場合でも大きな妨害波結合出力が得られる。
【0067】図28および図29は、静電結合型の妨害
波結合部の実施例を説明する図であり、シ−ルド付きの
多線条線路または非シ−ルド多線条線路の外周に円筒状
の導体を施した線路を用いて、それぞれ妨害波結合部
5’−8および5’−9を構成したものである。図28
で、5’A3は、長さDの多線条線路の外周に施したシ
−ルドまたは円筒状外部導体、5’Cは多線条線路の外
部導体のおのおのと接続したバ−、5’Dは妨害波発生
部からバ−5’Cを介してシ−ルド外部導体と擬似大地
板間に妨害波信号を印加するための接続コネクタ、4−
2は筐体9の外部において多線条線路の外部導体5’A
3同士を接続するコネクタである。また、図29は柔軟
性のあるシ−ルド付き多線条線路または非シ−ルド多線
条線路の外周を導体5’A4で覆った線路を複数回捲回
して、妨害波結合部5’−7を構成した実施例の説明図
である。コネクタ5’Dの中心導体が外部導体5’A4
の複数箇所で接続され、コネクタ5’Dの外部導体と擬
似大地板(底面)とが接続されており、コネクタ5’D
を介して外部導体5’A4と擬似大地板との間の妨害波
を印加する構成として、線路長を大きくして多線条線路
の心線と外部導体との間に存在する浮遊容量を増加し
て、静電結合効率の改善をはかったものである。
【0068】図30の妨害波結合部5’−8は、図29
の束に巻いた線路の一部の外周に図27の5’B3と同
様の磁性ル−プコア5’B4を装着したもので、多線条
線路の外周に施した外部導体5’A4は、長さ方向には
一様で半円筒状に割れたものを、間隙を有するように対
向させてあるか、もしくは磁性コア5’B4の貫通した
長さdの部分のみ除去した構成としてある。このような
外部導体5’A4と磁性コア5’B4のコイルとを図23
(b)、(c)または図26(b)、(c)のように直
・並列接続しこれに妨害波信号を供給することにより、
図29の静電結合に電磁結合の効果が加わって結合効率
の一層の増加が可能となる。
【0069】以上の図20ないし図30の妨害波結合部
の内、線路の途中にコネクタを用いていない構成のもの
は両側から多線条線路の外周を囲むように装着するだけ
で、線路を切断せずに多線条線路の各心線に静電結合と
電磁結合の両者または一方の手段により妨害波を有効に
結合できる利点がある。また高速度のパルス伝送等を行
う多線条線路を用いた通信装置の場合でも、途中に何ら
損失回路等が挿入されないため通信系へ影響を与えず、
妨害波が容易に結合できる利点もある。さらに、図28
および図29の静電結合型の妨害波結合部の構成では、
静電結合板の浮遊容量を通して妨害波を結合するので、
結合系の損失が小さくパルス性妨害波を有効に結合でき
る等の利点もある。なお図20ないし図30の妨害波結
合部を用いて、多線条線路のEUT1側にのみ妨害波を
結合する場合は、多線条線路のAE側に図示しない減結
合回路などの伝導妨害波阻止手段を接続して使用する。
【0070】
【被試験装置の接続・配置例】図31および図32は、
図16の本発明の実施例を用いて、EUT1がそれぞれ
アナログ通信機器およびデジタル通信機器について、誤
動作を対象とするイミュニティ試験系の接続・配置例を
示したもので、EUT1に接続する妨害波結合・印加部
分と非印加ラインの終端状況、および擬似交換部を含む
AE2との接続部分のみについて示してある。
【0071】図31はアナログボタン電話装置等のシス
テム(複合)EUTの例であり、これに接続するライン
に対応して妨害波を(a)は外線通信線、(b)は内線
通信線で、は主装置等のM(メイン)−EUT側に、
は子機などのS(サブ)−EUT側に、また(c)は
AC線に それぞれ結合・印加する場合の接続例であ
る。また、図32はデジタル電話機やISDNタ−ミナ
ルアダプタ(TA)等のデジタルEUTの例であり、妨
害波を(a)は通信線のインタフェ−スU点から回線終
端装置(DSU)内蔵型のEUTに、(b)は同じく通
信線のU点からPHS−CSなどのDSU内蔵型の無線
機器に、(c)はS/T点からDSU分離型のEUTに
それぞれ印加する場合の接続例である。このように本
発明の実施例は、平衡2線・4線の通信線に接続するア
ナログ機器や、ISDN回線のインタフェ−スU点およ
びS/T点に接続するデジタル機器等、多くの通信機器
の通信動作状態を実現できる。また、通信線やAC線等
複数のラインが接続した複合システム機器のようなEU
Tの場合にも、各種ラインから試験妨害波を結合・印加
できると共に、非印加ラインに対してはCDNの妨害波
入力端子を終端することにより、EUT配置系のコモン
モ−ドインピ−ダンスを安定化させ、試験の再現性を向
上できる。
【0072】なお、これらの試験系では妨害波結合部
5’に3種類のCDNを用いたもので説明したが、CD
N−4Wは筐体9から除去して外部に取り出す構成にす
れば、試験器が小型化すると共に、EUTが複数の線路
で接続された複合システムのような場合には、接続配置
系を簡易化できる。また、CDNに変えて図20ないし
図30のような結合手段を用いれば、図3(b)ないし
(d)のような連続性パルス波や、これらの単発パルス
波およびランダムパルス波等の妨害波も有効に結合・印
加され、これらによる伝導イミュニティ試験が実現でき
る。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による伝導
イミュニティ試験器は、妨害波印加時のEUTの誤動作
や通信品質劣化等の機能異常を、電磁気的、光学的、ま
たは音響的に検出する手段を設け、これらによる異常発
生検出後直ちに印加を停止し、EUTの通信動作の自動
復旧を待って周波数ステップさせた妨害波を再印加した
り、自動復旧しないEUTに対してはEUTに装着した
起動手段を用いて再起動させる等、異常発生と連動した
妨害波印加制御を行うようにしてあるため、稼働のかか
る一連のイミュニティ試験が自動化され、操作が容易で
試験時間の大幅な短縮がはかれる利点がある。
【0074】アナログおよびデジタル擬似交換機能を有
する通信交換接続系と、通信線のアナログ平衡2/4線
やデジタルインタフェ−スU点、S/T点等への印加が
可能な妨害波結合系とを同一試験器筐体内に一体的に組
み込んだ構成であるため、アナログ系またはデジタル系
通信機器等、各種EUTの伝導イミュニティ試験が実施
でき、試験系の配置構成も簡易化されて操作性が向上す
る利点がある。
【0075】多線条通信線用やAC線用のコンデンサ結
合型妨害波結合部を複数台組み込んだ試験器では、複合
システム機器の有する多くのラインのいずれかから妨害
波を結合・印加できると共に、妨害波を印加しない非印
加ラインに接続した妨害波結合部を終端用として用いる
ことにより、EUT配置系のコモンモ−ドインピ−ダン
スを安定化でき、試験の再現性向上がはかれる利点があ
る。
【0076】本発明の静電結合型、またはこれと電磁結
合型とを複合化した妨害波結合部を用いることにより、
通信伝送信号に影響を与えず、多くの心線を有する多線
条線路の外部から静電誘導および電磁誘導の一方または
両方の手段で妨害波を結合・印加できるため、多線条線
路に接続した通信システムや機器の伝導イミュニティを
試験・評価でき、かつパルス性妨害波のような高周波成
分を有する試験信号も有効に印加できる利点がある。
【0077】可聴雑音の評価基準信号源を筐体内に組み
込み、この基準信号印加によりEUT側に生じる可聴信
号レベルを評価基準値として、印加妨害波の検波出力特
性を相対的に評価する方法を用いたものは、音量調整つ
まみの設定やスピ−カに対するマイクロホンの設置位置
で受話音量が変わるEUTに対しても、適正な可聴雑音
の評価ができる利点がある。また、標準音源を用いて上
記可聴雑音の相対値評価の音響検出系を校正することに
より、音響圧力を絶対値として評価することも可能とな
る利点がある。
【0078】スピ−カや受話器などEUT側からの音響
出力信号と、対向通信線間信号の両者の検出手段を設け
た構成としているため、EUT側だけでなく対向通信機
器側の可聴雑音評価もできる利点がある。また、可聴雑
音の評価基準信号源として、連続性の正弦波信号だけで
なく、可聴帯域周期の連続性パルス信号波も内蔵してい
るため、同周期のパルス性妨害波を印加時の可聴雑音評
価も可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明する図である。
【図2】従来の伝導イミュニティ試験系の構成図であ
る。
【図3】妨害波発生器の出力波形例を示す図である。
【図4】妨害波結合器の構成例を示す図で、(a)は平
行2線通信線用結合・減結合回路(CDN−2W)、
(b)は平行4線通信線用結合・減結合回路(CDN−
4W)を示す図である。
【図5】制御部を用いて妨害波発生部のAM変調信号を
出力制御する方法の説明図であり、(a)は周波数ポイ
ントごとに妨害波発生部の出力を増減しながら周波数を
可変させる方法示す図、(b)はEUTへの印加レベル
を一定として周波数を可変させる方法を示す図である。
【図6】図5の制御方法によって得られるイミュニティ
特性の説明図である。
【図7】妨害波結合部の校正方法を説明する図であり、
(a)は接続方法の説明図、(b)は制御部における妨
害波発生部の出力制御を説明する図、(c−1)、(c
−2)は妨害波結合部の起電力と負荷の誘起電圧との関
係を求めるコモンモ−ド等価回路図である。
【図8】本発明の第2の実施例を説明する図である。
【図9】図8中の起動手段部分の実施例を説明する図で
ある。
【図10】図1や図8の障害信号検出部の実施例を説明
する図である。
【図11】本発明の第3の実施例を説明する図であり、
音響通信機器等のEUTを対象とした場合の可聴雑音特
性を測定・評価するブロック構成図である。
【図12】図11中の直流供給回路の具体的構成を説明
する図である。
【図13】図11の中の基準信号発生部の出力波形を説
明する図である。
【図14】図11を用いて測定される可聴雑音特性の説
明図であり、(a)は試験帯域内で評価基準値が一定の
場合、(b)は所定の帯域で異なる評価基準値とした場
合の評価方法の説明図である。
【図15】評価基準レベルを設定するための音声劣化評
価尺度による聴感特性を説明する図である。
【図16】本発明の図11をより具体化した実施例を説
明する図である。
【図17】図16の中のデジタル擬似交換部3Bの詳細
構成ブロック図である。
【図18】図16の試験系構成の概略外観図である。
【図19】EUTがアナログ電話機の場合の可聴雑音特
性例の図である。
【図20】図18の3つの妨害波結合部の1つを他の結
合部で置き換えた本発明による妨害波結合手段の実施例
の図である。
【図21】本発明の静電結合と電磁結合とを複合化した
妨害波結合部の実施例について線路をはさみこむ内側を
見た斜視図である。
【図22】本発明の静電結合と電磁結合とを複合化した
妨害波結合部の実施例について線路長方向に垂直な断面
図である。
【図23】図21の妨害波結合部の結合・印加原理を説
明する図である。
【図24】図21の妨害波結合部を直列接続した実施例
の図である。
【図25】本発明による妨害波結合部の他の実施例を説
明する図である。
【図26】図25の妨害波結合部の結合・印加原理を説
明する図である。
【図27】図25の妨害波結合部の磁性コア装着位置を
変えた実施例の構成を説明する図である。
【図28】本発明の静電結合型結合部のさらに他の実施
例の構成を説明する図である。
【図29】本発明の静電結合型結合部のさらに他の実施
例の構成を説明する図である。
【図30】図29の応用を示す妨害波結合部の構成図で
ある。
【図31】本発明試験器の使用例として、EUTがアナ
ログ通信機器の場合で、誤動作を対象としたイミュニテ
ィ試験系の接続・配置例を示す図である。
【図32】本発明試験器の使用例として、EUTがデジ
タル通信機器の場合で、誤動作を対象としたイミュニテ
ィ試験系の接続・配置例を示す図である。
【符号の説明】
1:被試験装置(EUT) 1A:発光素子、1B:通信動作の起動素子 2:補助装置(AE) 3:擬似交換機、3’:擬似交換部 3A:アナログ擬似交換部、3B:デジタル擬似交換部 4:被試験装置の通信線 4−1:多線条線路、4−2:多線条線路用コネクタ 5:妨害波結合器、5’:妨害波結合部 5’−1:CDN−2W、5’−2:CDN−4W、
5’−3:AC−CDN 5’−4、5’−5、5’−6、5’−10:静電・電
磁複合型妨害波結合部 5’−7、5’−8、5’−9:静電結合型妨害波結合
部 5’A1、5’A2 5’A3、5’A4:静電結合板 5’B1、5’B2、5’B3 5’B4:磁性コア 6:妨害波発生器、6’:妨害波発生部 7:増幅器、7’:増幅部 8:妨害波計測器、8’:妨害波計測部 9:筐体 10:障害信号検出部 10−0:受光素子、10A:電気的検出手段、10
B:磁気的検出手段 10C:発光検出手段、10D:音響検出手段、10
E:電気的検出手段 11:障害度測定部 11−2、11−3:可聴雑音測定計 12:擬似線路 13:制御部 14:表示部 15:GP−IBケーブル 16:印加出力測定部 17:接続線 18:校正用抵抗 19、19’:起動部 20、20’:起動手段 20−1:駆動手段、20−2:駆動回路 21:基準信号発生部 22:直流供給回路 23、23’:通話状態実現手段の選択切り替えスイッ
チ 24:擬似耳 25:差動プロ−ブ 26:可聴帯域通過フィルタ 27:基準信号・終端切り替えスイッチ 29:遮蔽板 30:擬似線路ショ−トバ− 31:終端抵抗 32:擬似大地板 33:絶縁支持台 34:遮音箱 35:擬似手回路

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被試験装置の対向通信線に接続され該被試
    験装置の通信動作状態を可能にする通信交換接続手段
    と、前記被試験装置の通信線に電磁妨害波をコモンモ−
    ドで結合する妨害波結合手段と、該妨害波結合手段を介
    して電磁妨害波を印加した時に生じる前記被試験装置の
    機能異常信号を検出し通信品質劣化度を測定する障害度
    測定手段と、前記被試験装置への電磁妨害波の印加条件
    を設定制御する妨害波制御手段とから構成され、該妨害
    波制御手段は、前記障害度測定手段で測定される通信品
    質劣化度が前記被試験装置の障害モ−ドによりあらかじ
    め定められた評価レベルとなった時の前記被試験装置へ
    の妨害波印加レベルを出力・表示することを特徴とする
    伝導イミュニティ試験器。
  2. 【請求項2】被試験装置の対向通信線に接続され該被試
    験装置の通信動作状態を可能にする通信交換接続手段
    と、前記被試験装置の通信線に電磁妨害波をコモンモ−
    ドで結合する妨害波結合手段と、該妨害波結合手段を介
    して電磁妨害波を印加した時に生じる前記被試験装置の
    機能異常信号を検出し通信品質劣化度を測定する障害度
    測定手段と、前記被試験装置への電磁妨害波の印加条件
    を設定制御する妨害波制御手段とから構成され、該妨害
    波制御手段は、あらかじめ定められたレベルの電磁妨害
    波を前記被試験装置へ印加した時の前記障害度測定手段
    で測定される通信品質劣化度を出力・表示することを特
    徴とする伝導イミュニティ試験器。
  3. 【請求項3】前記障害度測定手段で測定される通信品質
    劣化度が前記被試験装置の障害モ−ドによりあらかじめ
    定められた評価レベルとなった時の前記妨害波制御手段
    による前記被試験装置への電磁妨害波の印加レベルを記
    憶または出力・表示後、速やかに該印加レベルを停止
    し、前記被試験装置が正常な通信動作状態に復帰するま
    でに要する所定時間経過後に、印加電磁妨害波の周波数
    をステップする等の印加条件を変えた電磁妨害波を前記
    妨害波制御手段により前記被試験装置に再印加すること
    を特徴とする請求項1記載の伝導イミュニティ試験器。
  4. 【請求項4】前記障害度測定手段で測定される通信品質
    劣化度が前記被試験装置の障害モ−ドによりあらかじめ
    定められた評価レベルとなった時の前記妨害波制御手段
    による前記被試験装置への電磁妨害波の印加レベルを記
    憶または出力・表示後、速やかに該印加レベルを停止
    し、所定時間経過後も前記被試験装置が正常な通信動作
    状態に復帰しない場合に、前記被試験装置または前記被
    試験装置の対向通信線側に接続配置された補助装置に装
    着した 起動手段を選択駆動して前記被試験装置を再起
    動し、印加電磁妨害波の周波数をステップする等の印加
    条件を変えた電磁妨害波を前記妨害波制御手段により前
    記被試験装置に再印加することを特徴とする請求項1記
    載の伝導イミュニティ試験器。
  5. 【請求項5】前記障害度測定手段は、マイクロホンや差
    動プロ−ブ等の音響信号検出手段を用いて前記被試験装
    置の機能異常信号を検出する機能異常検出手段を有し、
    該機能異常検出手段による出力を可聴雑音信号レベルと
    して測定し、前記対向通信線側から所定レベルの可聴帯
    域周期の連続性正弦波を印加して音声劣化評価基準値を
    設定することを特徴とする請求項2記載の伝導イミュニ
    ティ試験器。
  6. 【請求項6】前記障害度測定手段は、マイクロホンや差
    動プロ−ブ等の音響信号検出手段を用いて前記被試験装
    置の機能異常信号を検出する機能異常検出手段を有し、
    該機能異常検出手段による出力を可聴雑音信号レベルと
    して測定し、前記対向通信線側から所定レベルの可聴帯
    域周期の連続性パルス波を印加して音声劣化評価基準値
    を設定することを特徴とする請求項2記載の伝導イミュ
    ニティ試験器。
  7. 【請求項7】前記妨害波制御手段は、前記妨害波発生手
    段の試験信号出力を、前記被試験装置の任意に定めた一
    定の試験レベル値に対してのみ各周波数ポイントごとに
    測定し、該測定値を比例配分して設定した前記妨害波発
    生手段の各周波数ポイントごとの試験信号出力値を、前
    記妨害波結合部を介して前記被試験装置に結合・印加す
    ることを特徴とする請求項1ないし5記載の伝導イミュ
    ニティ試験器。
  8. 【請求項8】前記妨害波制御手段は、電磁妨害波を発生
    する妨害波発生手段と、前記被試験装置への電磁妨害波
    の印加レベルを測定する印加出力測定手段と、前記障害
    度測定手段で測定した結果を表示する表示手段と、前記
    妨害波発生手段から発生され前記妨害波結合手段を介し
    て前記被試験装置に印加される電磁妨害波の印加条件を
    設定制御する妨害波制御部とを有することを特徴とする
    請求項1ないし7記載の伝導イミュニティ試験器。
  9. 【請求項9】前記通信交換接続手段がアナログ加入者線
    交換機能とデジタルインタフェ−スの少なくともU点接
    続が可能なデジタル交換機能とを有することを特徴とす
    る請求項1ないし8記載の伝導イミュニティ試験器。
  10. 【請求項10】前記通信交換接続手段が基準信号と直流
    電圧を重畳させて前記被試験装置の対向通信線に供給す
    る手段を有することを特徴とする請求項1ないし8記載
    の伝導イミュニティ試験器。
  11. 【請求項11】前記妨害波結合手段は、平衡2線通信線
    用の結合・減結合回路、平衡4線通信線用の結合・減結
    合回路、AC線用の結合・減結合回路のいずれかを選択
    使用できるように構成されていることを特徴とする請求
    項1ないし10記載の伝導イミュニティ試験器。
  12. 【請求項12】前記妨害波結合手段は、非シ−ルド多線
    条線路の所定長部分外周を覆い、長さ方向に一様な円筒
    状導体をア−ス面に対して対称な2つの対向する半円筒
    状導体となるよう、かつ長さ方向に沿って2つのスリッ
    トを有するように分割して配置した2つの半円筒状導体
    の一方の長さ方向端を互いに接続した静電結合板と、該
    静電結合板の外周にコイルを捲回した円形状の磁性コア
    からなる電磁結合手段を配置して、前記静電結合板と前
    記電磁結合手段のコイルとを接続し、この接続線に電磁
    妨害波を印加するように構成したことを特徴とする請求
    項1ないし11記載の伝導イミュニティ試験器。
  13. 【請求項13】前記妨害波結合手段は、非シ−ルド多線
    条線路の所定長部分外周を長さ方向に一様な円筒状導体
    で覆い、該円筒状導体の一定長部分を長さ方向に垂直な
    断面で切断・除去した如くに配置した複数の静電結合板
    と、該複数の静電結合板を除去した前記多線条線路の外
    周部分にコイルを捲回した円形状の磁性コアからなる電
    磁結合手段を配置して、前記静電結合板と前記電磁結合
    手段のコイルとを接続し、この接続線に電磁妨害波を印
    加するように構成したことを特徴とする請求項1ないし
    11記載の伝導イミュニティ試験器。
  14. 【請求項14】前記妨害波結合手段は、非シ−ルド多線
    条線路の所定長部分外周を長さ方向に一様な円筒状導体
    またはシ−ルド導体で覆った静電結合板とア−スとの間
    に、電磁妨害波を印加するように構成したことを特徴と
    する請求項1ないし11記載の伝導イミュニティ試験
    器。
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