JP2000304154A - 電磁駆動弁の制御装置 - Google Patents

電磁駆動弁の制御装置

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JP2000304154A
JP2000304154A JP11114164A JP11416499A JP2000304154A JP 2000304154 A JP2000304154 A JP 2000304154A JP 11114164 A JP11114164 A JP 11114164A JP 11416499 A JP11416499 A JP 11416499A JP 2000304154 A JP2000304154 A JP 2000304154A
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電磁駆動弁の制御装置に関し、初
期駆動における通電の周期を可動部の振動特性に応じて
補正することで、初期駆動において弁体を効率的に駆動
することを目的とする。 【解決手段】 内燃機関の始動時に、所定周期T0 およ
び所定パルス幅τ0 の指令電流をアッパコイル38およ
びロアコイル42に供給することにより、可動部の振動
特性を利用して弁体14を全閉位置まで変位させる初期
駆動を行う。距離センサ64を用いて弁体14の位置を
検出する。初期駆動中に、弁体14が中立位置から可動
部の振動振幅の閉弁側のピークまで変位するのに要する
時間t1 を計時する。その計時時間t1 が所望の値でな
い場合、アッパコイル38およびロアコイル42への指
令電流の周期およびパルス幅を、その計時時間t1 に応
じて補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動弁の制御
装置に係り、特に、弁体を電磁力とバネ力とを用いて開
閉駆動する電磁駆動弁の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特公平4−67005
号に開示される如く、例えば内燃機関の吸気弁または排
気弁として機能する弁体を開閉駆動する電磁駆動弁が知
られている。この電磁駆動弁は、弁体と連動するアーマ
チャと、アーマチャを付勢する一対のバネと、アーマチ
ャに弁体の開弁方向および閉弁方向の電磁力をそれぞれ
付与する開弁用電磁石および閉弁用電磁石とを備えてい
る。従って、上記従来の電磁駆動弁によれば、各電磁石
を交互に通電することにより、弁体を全閉位置と全開位
置との間で往復運動させることができる。以下、弁体、
および、弁体と連動する部位を可動部と称す。
【0003】上記従来の電磁駆動弁において、中立位置
に停止している弁体を全閉位置または全開位置まで変位
させる手法として、開弁用電磁石および閉弁用電磁石の
両者を交互に適当な周期で通電することとしている。こ
のように電磁石への通電が行われると、可動部の質量と
バネのバネ定数とから定まる固有振動が励起され、弁体
は、その振動振幅が徐々に増加しながら全閉位置または
全開位置に達するまで変位することができる。従って、
上記従来の電磁駆動弁によれば、比較的少ない消費電力
で、中立位置に停止している弁体を全閉位置または全開
位置まで変位させることができる。以下、中立位置に停
止している弁体を全閉位置または全開位置まで変位させ
る制御を初期駆動と称す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電磁駆動弁の始動時に
は、バネの劣化や、弁体へのデポジットの付着等による
可動部の質量増加等により、バネ−質量系の固有振動特
性が変化している場合がある。また、弁軸とバルブガイ
ドとの間およびアーマチャ軸と軸受けとの間に供給され
る潤滑油の粘性抵抗等により可動部にフリクションが生
じ、可動部に作用する外力が変化している場合もある。
このような場合、それらの変化に応じて可動部の振動特
性は変化する。かかる状況下で予め設定されている周期
で電磁石への通電が行われると、実際の可動部の振動特
性に応じた周期に従って通電が行われないことで、弁体
の振動振幅が速やかに増幅されない事態が生ずる。この
場合、電磁駆動弁の初期駆動が効率的に行われなくな
り、電磁駆動弁の始動性が低下してしまう。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、初期駆動における通電の周期を可動部の振動特
性に応じて補正することで、初期駆動において弁体を効
率的に駆動することが可能な電磁駆動弁を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、弁体と連動するアーマチャと、通電さ
れることにより前記アーマチャに電磁力を付与する電磁
石とを備え、電磁力とバネ力とを協働させて前記弁体を
開閉駆動する電磁駆動弁の制御装置において、前記電磁
石に所定周期で通電し、バネ−質量系の固有振動を励起
することにより、前記弁体を変位端まで変位させる初期
駆動手段と、前記アーマチャの振動特性に応じたパラメ
ータを検出する振動特性検出手段と、前記パラメータに
応じて前記所定周期を補正する補正手段と、を備えるこ
とを特徴とする電磁駆動弁の制御装置により達成され
る。
【0007】本発明において、弁体は、電磁石が所定周
期で通電されることでバネ−質量系の固有振動が励起さ
れることにより、所定の変位端まで駆動される。また、
アーマチャの振動特性に応じたパラメータが検出され
る。電磁石への通電がアーマチャの実際の振動特性に応
じた周期に従って行われていない場合は、上記の固有振
動が効率よく励起されず、弁体の振動振幅を速やかに増
加させることができない。本発明において、かかる場合
に電磁石への通電の周期がアーマチャの実際の振動特性
に応じた周期に補正される。従って、本発明によれば、
初期駆動において弁体の振動振幅を速やかに増加させる
ことができる。
【0008】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
弁体と連動するアーマチャと、通電されることにより前
記アーマチャに開弁方向および閉弁方向の電磁力をそれ
ぞれ付与する第1および第2の電磁石とを備え、電磁力
とバネ力とを協働させて前記弁体を開閉駆動する電磁駆
動弁の制御装置において、前記第1および第2の電磁石
に交互に所定周期で通電し、バネ−質量系の固有振動を
励起することにより、前記弁体を変位端まで変位させる
初期駆動手段と、前記弁体が開弁方向に変位する場合の
前記アーマチャの振動特性に応じた第1のパラメータ、
および、前記弁体が閉弁方向に変位する場合の前記アー
マチャの振動特性に応じた第2のパラメータをそれぞれ
検出する振動特性検出手段と、前記第1のパラメータお
よび前記第2のパラメータに応じて、前記初期駆動手段
による前記第1および第2の電磁石への1周期当たりの
通電時間長をそれぞれ補正する補正手段と、を備えるこ
とを特徴とする電磁駆動弁の制御装置により達成され
る。
【0009】本発明において、弁体は、第1および第2
の電磁石が所定周期で交互に通電されることでバネ−質
量系の固有振動が励起されることにより、所定の変位端
まで駆動される。弁体の開弁時と閉弁時とではアーマチ
ャの振動特性が異なっている場合がある。本発明におい
て、弁体が開弁方向に変位する場合のアーマチャの振動
特性に応じた第1のパラメータ、および、弁体が閉弁方
向に変位する場合のアーマチャの振動特性に応じた第2
のパラメータが、それぞれ検出される。第1および第2
電磁石への通電が、弁体の開弁時の振動特性に応じた時
間、および、弁体の閉弁時の振動特性に応じた時間に従
って行われていない場合は、第1および第2電磁石への
1周期当たりの通電時間長がそれらの時間に応じて補正
される。従って、本発明によれば、初期駆動において弁
体の振動振幅を速やかに増加させることができる。
【0010】また、上記の目的は、請求項3に記載する
如く、請求項1または2記載の電磁駆動弁の制御装置に
おいて、前記振動特性に応じたパラメータは、前記アー
マチャの振動周期であることとしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例の電
磁駆動弁10の全体構成図を示す。電磁駆動弁10は、
内燃機関の各吸気弁および排気弁に対応して設けられて
いる。電磁駆動弁10は、電子制御ユニット(以下、E
CUと称す)12により制御される。図1に示す如く、
電磁駆動弁10は、吸気弁または排気弁として機能する
弁体14を備えている。弁体14は、先端が内燃機関の
燃焼室内に露出するようにシリンダヘッド16に配設さ
れている。シリンダヘッド16には、ポート18が形成
されている。ポート18の、燃焼室への開口部には、弁
座20が形成されている。ポート18は、弁体14が弁
座20に着座することにより遮断状態となり、また、弁
体14が弁座20から離座することにより導通状態とな
る。
【0012】弁体14には、上方に延在する弁軸22が
一体に設けられている。シリンダヘッド16の内部に
は、バルブガイド24が配設されている。バルブガイド
24は、弁軸22を軸方向に摺動可能に保持している。
弁軸22がバルブガイド24内を摺動する際、バルブガ
イド24と弁軸22との間には潤滑油が供給される。シ
リンダヘッド12の、弁軸22の略上半分を囲む部位に
は、円筒状に形成されたロアスプリング保持空間26が
形成されている。バルブガイド24の上部は、ロアスプ
リング保持空間26の内部に露出している。
【0013】弁軸22の上端部には、ロアリテーナ28
が固定されている。ロアリテーナ28とロアスプリング
保持空間26の底面との間には、両者を離間させる向き
の付勢力を発生するロアスプリング30が配設されてい
る。ロアスプリング30は、ロアリテーナ28を介して
弁軸22および弁体14を、図1において上方、すなわ
ち、弁体14が弁座20に向かう方向に付勢している。
以下、弁体14が弁座20に向かう方向を閉弁方向と、
弁体14が弁座20から離間する方向を開弁方向と、そ
れぞれ称す。
【0014】弁軸22の上端面には、アーマチャ軸32
の下端面が当接している。アーマチャ軸32は、弁軸2
2と同軸に配設されている。アーマチャ軸32の軸方向
中央部の外周には、アーマチャ34が接合されている。
アーマチャ34は、軟磁性材料で構成された環状の部材
である。アーマチャ34の上方には、アッパコア36お
よびアッパコイル38が配設されている。また、アーマ
チャ34の下方には、ロアコア40およびロアコイル4
2が配設されている。アッパコイル38およびロアコイ
ル42は、それぞれ、アッパコア36およびロアコア4
0に形成された環状溝36aおよび40aに収納されて
いる。アッパコイル38およびロアコイル42は、EC
U12に電気的に接続されている。ECU12は、弁体
14が適正に開閉駆動されるようにアッパコイル38お
よびロアコイル42に指令電流を供給する。
【0015】シリンダヘッド16には、円筒状のコア保
持空間44が形成されている。コア保持空間44は、ロ
アスプリング保持空間26の上部に連通すると共に、シ
リンダヘッド16の上方に開口している。アッパコア3
6およびロアコア40は、所定の間隔を隔ててコア保持
空間44内に固定されている。アッパコア36およびロ
アコア40は、それぞれ、その中央部を貫通する貫通穴
36bおよび40bを備えている。貫通穴36b,40
bには、軸受け46,48が配設されている。アーマチ
ャ軸32は、貫通穴36b,40bを貫通すると共に、
軸受け46,48により軸方向に摺動可能に保持されて
いる。アーマチャ軸32が軸受け46,48内を摺動す
る際、アーマチャ軸32と軸受け46,48との間には
潤滑油が供給される。
【0016】アーマチャ軸32の上端部には、アッパリ
テーナ50が固定されている。アッパリテーナ50の上
面には、アッパスプリング52の下端面が当接してい
る。アッパスプリング52の周囲には、円筒状のアッパ
キャップ54が配設されている。アッパキャップ54
は、図示しないボルトによりシリンダヘッド16の上面
に固定されている。
【0017】アッパキャップ54の上端部には、アジャ
スタボルト56が螺着されている。アッパスプリング5
2の上端面は、アジャスタボルト56に当接している。
アッパスプリング52は、アッパリテーナ50を介して
アーマチャ軸32を図1において下向きに付勢してい
る。アジャスタボルト56は、アーマチャ32の中立位
置がアッパコア36とロアコア40との中間点となるよ
うに調整されている。
【0018】アーマチャ軸32の上端面には、軸部材6
0がアーマチャ軸32と同軸に連結されている。アジャ
スタボルト56の中央には、貫通穴56aが設けられて
いる。軸部材60は、アッパスプリング52内の中空部
およびアジャスタボルト56の貫通穴56aを貫通して
上方に延在している。アッパキャップ54の上部には、
ハウジング62が固定されている。ハウジング62に
は、距離センサ64が配設されている。距離センサ64
は、半導体レーザが発したレーザ光を軸部材60の先端
面に照射し、その反射光を検出することにより軸部材6
0までの距離を検出する。そして、その距離に応じた信
号をECU12に向けて出力する。ECU12は、距離
センサ64の出力信号に基づいて、距離センサ64と軸
部材60との間の距離を検出し、その距離に基づいてア
ーマチャ34の位置Xを検出する。
【0019】ECU12には、車両のキースイッチ68
が接続されている。キースイッチ68には、アクセサリ
スイッチ、イグニションスイッチ、および、スタータス
イッチが内蔵されている。電磁駆動弁10は、スタータ
スイッチがオン状態になった時点で後述の初期駆動を開
始する。次に、電磁駆動弁10の動作について説明す
る。アッパコイル38およびロアコイル42に励磁電流
が供給されていない場合は、図1に示す如く、アーマチ
ャ34がその中立位置、すなわち、アッパコア36とロ
アコア40との中央に維持される。
【0020】かかる状態でアッパコイル38に励磁電流
が供給されると、アッパコイル38が発生する磁束によ
ってアーマチャ34には閉弁方向の電磁力が作用する。
このため、アーマチャ34は、アッパスプリング52の
付勢力に抗してアッパコア36に当接するまで変位す
る。アーマチャ34がアッパコア36に当接した状態で
は、弁体14は弁座20に着座することにより全閉状態
となる。以下、アーマチャ34がアッパコア36と当接
する位置を、アーマチャ34または弁体14の全閉位置
と称す。
【0021】弁体14が閉弁された状態でアッパコイル
38への励磁電流の供給が停止されると、アーマチャ3
4に作用していた閉弁方向への電磁力が消滅する。この
ため、上記の状態でアッパコイル38への励磁電流の供
給が停止されると、アーマチャ34は、弁体14と共
に、アッパスプリング52の発する付勢力により開弁方
向に向けて単振動の動作を開始する。
【0022】アーマチャ34が単振動の動作に従って変
位する過程では、弁軸22とバルブガイド24との間、
および、アーマチャ軸32と軸受け46,48との間に
摺動摩擦が生ずる。アーマチャ34の開弁方向への変位
量が所定値に達した時点でロアコイル42に励磁電流が
供給されると、アーマチャ34をロアコア40に向けて
付勢する電磁力が発生する。アーマチャ34にかかる電
磁力が作用すると、上記の摺動摩擦により失われたエネ
ルギを補って、アーマチャ34は、ロアスプリング30
の発する付勢力に抗してロアコア40に当接するまで変
位する。アーマチャ34がロアコア40に当接した状態
では、弁体14は全開状態となる。以下、アーマチャ3
4がロアコア40に当接する位置を、アーマチャ34ま
たは弁体14の全開位置と称す。
【0023】弁体14が開弁された状態でロアコイル4
2への励磁電流の供給が停止されると、アーマチャ34
に作用していた開弁方向への電磁力が消滅する。この場
合、アーマチャ34および弁体14は、ロアスプリング
30の発する付勢力により閉弁方向に向けて単振動の動
作を開始する。これらの変位量が所定値に達した時点で
アッパコイル38に励磁電流の供給が開始されると、ア
ッパコイル38の発する電磁力により、摺動摩擦により
失われたエネルギを補って、アーマチャ34は、アッパ
コア36に当接するまで変位する。アーマチャ34がア
ッパコア36に当接した状態では、弁体14は、再び全
閉状態となる。
【0024】このように、電磁駆動弁10によれば、ア
ッパコイル38に励磁電流を供給することにより弁体1
4を全閉位置まで変位させることができると共に、ロア
コイル42に励磁電流を供給することにより弁体14を
全開位置まで変位させることができる。従って、本実施
例の電磁駆動弁10によれば、アッパコイル38とロア
コイル42とに交互に適当なタイミングで励磁電流を供
給することにより弁体14を全開位置と全閉位置との間
で繰り返し往復運動させることができる。以下、電磁駆
動弁10において弁体14、および、弁体14と連動す
る部位を可動部と称す。
【0025】ところで、電磁駆動弁10において、内燃
機関の停止中、弁体14は、アッパスプリング52およ
びロアスプリング30により、全開位置と全閉位置との
中立位置に維持されている。このため、内燃機関の始動
が要求された後に電磁駆動弁10を定常の作動状態に移
行させるためには、中立位置に維持されている弁体14
を、全開位置または全閉位置まで変位させる必要があ
る。
【0026】図2(A)および(B)は、内燃機関の始
動時に弁体14を全閉位置まで変位させるべく、アッパ
コイル38およびロアコイル42にそれぞれ供給される
指令電流のタイムチャートを示す。また、図2(C)
は、各コイルに図2(A)および(B)に示す指令電流
が供給された場合の弁体14のリフト波形を示す。内燃
機関の始動が要求された後、図2(A)および(B)に
示す如く、アッパコイル38には、パルス幅τ0 を有す
る指令値IU が所定周期T0 で現われるように指令電流
U が供給される。また、ロアコイル42には、アッパ
コイル38に供給される電流に対して位相を180゜反
転させて、パルス幅τ0 を有する指令値IL が所定周期
T0 で現われるように指令電流IL が供給される。尚、
所定周期T0 は、アッパスプリング52およびロアスプ
リング30のバネ定数と可動部の質量とで定まるバネ−
質量系の固有振動の周期に等しい値として予めECU1
2に記憶されている周期である。
【0027】このようにアッパコイル38およびロアコ
イル42に電流が供給されると、アーマチャ34に閉弁
方向への電磁力と開弁方向への電磁力とが交互に周期T
0 で作用することで、可動部に固有振動が励起される。
その結果、図2(C)に示す如く、中立位置に維持され
ていた弁体14は、その振動振幅が徐々に増幅しながら
所定周期T0 で単振動を行い、最終的には、弁体14は
全閉位置に到達する。以下、内燃機関の始動が要求され
た後、可動部の固有振動を利用して、弁体14を中立位
置から全閉位置まで変位させるための処理を初期駆動と
称す。
【0028】ところで、電磁駆動弁10の可動部につい
ては、次式(1)に示す運動方程式が成立する。 m・(dx/dt)+k・x+c・(dx/dt)+f = fem ・・・(1) 但し、femはアーマチャ34に作用する電磁力、mは
可動部の質量、xはアーマチャ34の中立位置からの変
位量、kはアッパスプリング52およびロアスプリング
30のバネ定数、cは弁軸22とバルブガイド24との
間およびアーマチャ軸32と軸受け46,48との間に
供給される潤滑油による粘性係数、fはそれらの摺動部
における摺動抵抗、および、内燃機関の筒内圧による抵
抗を含む外力項である。
【0029】電磁駆動弁10において、アッパスプリン
グ52およびロアスプリング30の劣化や、弁体14へ
のデポジットの付着等による可動部の質量増加等が生じ
ると、バネ力k・xが変化することになる。また、上記
の摺動部における潤滑油の量が増減すると潤滑油による
粘性抵抗等が変化することになる。このような場合、可
動部の振動特性は変化することになる。
【0030】かかる状態で予めECU12に記憶されて
いる所定周期でアッパコイル38およびロアコイル42
に交互に励磁電流の供給が行われると、可動部の実際の
振動特性に応じた周期に従って通電が行われず、弁体1
4の振動振幅が速やかに増幅されない事態が生ずる。こ
の場合、電磁駆動弁10の初期駆動が効率的に行われな
くなり、電磁駆動弁10の始動性が低下してしまう。
【0031】そこで、本実施例の電磁駆動弁10では、
初期駆動時において可動部の実際の振動特性に応じた周
期でアッパコイル38およびロアコイル42への励磁電
流の供給が行われていない場合にその周期を適正な周期
に補正することとしている。以下、図3乃至図5を参照
して、本実施例の特徴部について説明する。図3(A)
は、初期駆動が要求された場合にアッパコイル38に供
給される指令電流のタイムチャートを示す。図3(B)
は、初期駆動が要求された場合にロアコイル42に供給
される指令電流のタイムチャートを示す。また、図3
(C)は、各コイルに図3(A)および(B)に示す指
令電流が供給された場合の弁体14のリフト波形を示
す。尚、図3において、可動部の振動特性が初期状態か
ら変化している場合を実線で、また、可動部の振動特性
が初期状態に維持されている場合を破線で、それぞれ示
している。
【0032】図3に示す如く、本実施例において、内燃
機関の始動が要求される(時刻t=0)と、まずアッパ
コイル38にパルス幅τ0 の指令電流IU が供給され
る。アッパコイル38に指令電流IU が供給されると、
中立位置に維持されていた弁体14は、可動部の振動特
性に応じた周期に従って運動を開始する。可動部が弁体
14の中立位置から最初に振動振幅のピークに達するま
での経過時間tが、始動要求後に最初にアッパコイル3
8に供給される指令電流IU のパルス幅τ0 に一致する
場合(図3において時刻t=t0 )は、図3に破線で示
す如く、その後も、パルス幅τ0 の指令電流がロアコイ
ル42およびアッパコイル38に交互に供給される。
尚、本実施例において、各コイルに供給する指令電流の
パルス幅は同一の値に設定されている。従って、本実施
例では、パルス幅の2倍が各コイルに供給する指令電流
の周期に一致している。
【0033】一方、可動部の振動特性の変化に起因し
て、上記の経過時間tがパルス幅τ0に一致しない場合
(図3において時刻t=t1 )は、図3に実線で示す如
く、その後に、アッパコイル38に供給される指令電流
U およびロアコイル42に供給される指令電流IL
パルス幅は共に、可動部における実際の振動特性に応じ
たパルス幅τ1 に変更される。この場合、可動部におけ
る実際の振動特性に応じた周期と、アッパコイル38お
よびロアコイル42への通電の周期とが一致すること
で、弁体14の振動振幅は速やかに増幅することとな
る。このため、本実施例の電磁駆動弁10によれば、初
期駆動を効率的に行うことができ、その結果、始動性の
向上を図ることができる。
【0034】図4は、上記の機能を実現すべく、本実施
例においてECU12が実行する制御ルーチンの一例の
フローチャートを示す。図4に示すルーチンは、その処
理が終了する毎に繰り返しに起動されるルーチンであ
る。図4に示すルーチンが起動されると、まずステップ
100の処理が実行される。ステップ100では、前回
の処理サイクルから今回の処理サイクルにかけて初期駆
動の要求が行われたか否かが判別される。具体的には、
キースイッチ68に内蔵されるスタータスイッチがオフ
状態からオン状態に切り替わったか否かが判別される。
その結果、上記の条件が成立しないと判別された場合、
すなわち、スタータスイッチがオフ状態のまま、或い
は、オン状態のままであると判別された場合は、以後、
何ら処理が進められることなく、今回のルーチンが終了
される。一方、上記の条件が成立すると判別された場合
は、次にステップ102の処理が実行される。
【0035】ステップ102では、所定パルス幅τ0 の
指令電流をアッパコイル38およびロアコイル42に交
互に供給する処理が実行される。本ステップ102の処
理が実行されると、中立位置に維持されていた弁体14
が、まず閉弁方向への変位を開始する。ステップ104
では、弁体14の変位がピークに達したか否か、具体的
には、アーマチャ34の位置Xの変化勾配がゼロである
か、或いは、前回の処理時から今回の処理時にかけて変
化勾配の符号が反転したか否かが判別される。本ステッ
プ104の処理は、上記の条件が成立すると判別される
まで繰り返し実行される。その結果、弁体14の変位が
ピークに到達したと判別された場合は、次にステップ1
06の処理が実行される。
【0036】ステップ106では、上記ステップ102
の処理が開始された後、本ステップ106の処理が開始
されるまでに要した時間t1 が算出される。ステップ1
08では、上記ステップ106で算出された変位時間t
1 と、所定値t0 との差が遅れ時間tx として算出され
る。尚、所定値t0 は、コイルに指令電流が供給された
後、弁体14が可動部の振動特性に従って振動振幅のピ
ークに達すると予想される時間であり、予めECU12
に記憶されている。
【0037】ステップ110では、上記ステップ108
で算出された遅れ時間tx に基づいて、アッパコイル3
8およびロアコイル42に供給する指令電流のパルス幅
補正量Δτx が決定される。図5は、遅れ時間tx とパ
ルス幅補正量Δτx との最適な関係を、予め実験的に求
めることにより得られたマップを示す。上記ステップ1
10では、図5に示すマップを参照することによりパル
ス幅補正量Δτx が決定される。
【0038】ステップ112では、パルス幅補正量Δτ
x に所定パルス幅τ0 を加算して得られた値を、アッパ
コイル38およびロアコイル42に供給する指令電流の
パルス幅τ1 にする処理が実行されると共に、そのパル
ス幅の2倍を指令電流の周期T1 にする処理が実行され
る。ステップ114では、上記ステップ112で演算さ
れたパルス幅τ1 および周期T1 に従って、アッパコイ
ル38およびロアコイル42に指令電流を供給する処理
が実行される。本ステップ114の処理が終了すると、
今回のルーチンは終了される。
【0039】上記の処理によれば、初期駆動が要求され
た後に最初に可動部が振動振幅のピークに達するのに要
した経過時間tが所望の時間t0 でない場合に、アッパ
コイル38およびロアコイル42への指令電流を、その
経過時間tに応じたパルス幅および周期に変更すること
ができる。このため、本実施例によれば、初期駆動時
に、可動部における実際の振動特性に応じた周期でアッ
パコイル38およびロアコイル42への通電を行うこと
ができ、弁体14の振動振幅を速やかに増幅させること
ができる。従って、本実施例の電磁駆動弁10によれ
ば、可動部の振動特性を有効に利用できるので初期駆動
を効率的に行うことができ、始動性の向上を図ることが
できる。これにより、内燃機関の始動性の向上を図るこ
とが可能となっている。
【0040】本実施例においては、初期駆動が要求され
た直後に弁体14が中立位置から閉弁側に向けて変位す
る過程において可動部の振動特性を検出し、その振動特
性に基づいて各コイルへの指令電流のパルス幅および周
期を補正することとしている。このため、本実施例によ
れば、初期駆動の早い段階から弁体14の振動振幅を速
やかに増幅させることができる。従って、本実施例の電
磁駆動弁10によれば、更に効率的な初期駆動を実現す
ることができる。
【0041】尚、上記の実施例においては、アッパコア
36およびアッパコイル38、および、ロアコア40お
よびロアコイル42が請求項1記載の「電磁石」に、可
動部が弁体14の中立位置から閉弁側のピークに到達す
るのに要した時間t1 が請求項1記載の「パラメータ」
に相当していると共に、ECU12が、上記ステップ1
02の処理を実行することにより請求項1記載の「初期
駆動手段」が、上記ステップ106の処理を実行するこ
とにより請求項1記載の「振動特性検出手段」が、上記
ステップ112の処理を実行することにより請求項1記
載の「補正手段」が、それぞれ実現されている。
【0042】次に、上記図1と共に図6および図7を参
照して、本発明の第2実施例について説明する。本実施
例のシステムは、上記図1に示す電磁駆動弁10におい
て、ECU12が図7に示すルーチンを実行することに
より実現される。弁体14が閉弁側から開弁側へ変位す
る場合と、開弁側から閉弁側へ変位する場合とでは、可
動部の振動特性が異なる場合がある。以下、弁体14が
閉弁側から開弁側へ変位する場合の可動部の振動特性を
開弁側振動特性と、弁体14が開弁側から閉弁側へ変位
する場合の可動部の振動特性を閉弁側振動特性と、それ
ぞれ称す。かかる状況下で弁体14の振動振幅を速やか
に増幅させるためには、開弁側振動特性に応じたパルス
幅の指令電流をロアコイル42に供給し、閉弁側振動特
性に応じたパルス幅の指令電流をアッパコアイル38に
供給すると共に、それらの振動特性から定まる周期で各
指令電流の供給を行うことが有効である。
【0043】そこで、本実施例においては、初期駆動が
要求された後に、可動部が閉弁側のピークに達した後開
弁側のピークまで変位するのに要した経過時間に基づい
てロアコイル42への指令電流のパルス幅を変更すると
共に、可動部が開弁側のピークに達した後閉弁側のピー
クまで変位するのに要した経過時間に基づいてアッパコ
イル38への指令電流のパルス幅を変更することとして
いる。
【0044】図6(A)は、本実施例において、初期駆
動が要求された場合にアッパコイル38に供給される指
令電流のタイムチャートを示す。図6(B)は、初期駆
動が要求された場合にロアコイル42に供給される指令
電流のタイムチャートを示す。また、図6(C)は、各
コイルに図6(A)および(B)に示す指令電流が供給
された場合の弁体14のリフト波形を示す。
【0045】図6に示す如く、本実施例において、内燃
機関の始動が要求される(時刻t=0)と、上記第1実
施例と同様に、まずアッパコイル38にパルス幅τ0 の
指令電流IU が供給される。アッパコイル38に指令電
流IU が供給されると、中立位置に維持されていた弁体
14は、可動部の閉弁側振動特性に応じた周期で運動を
開始する。また、弁体14が閉弁側のピークに達した後
に開弁方向に向けて変位する場合は、弁体14は、可動
部の開弁側振動特性に応じた周期で運動を開始する。
【0046】本実施例においては、弁体14が可動部の
振動振幅の閉弁側のピークに達した後開弁側のピークま
で変位するのに要する時間T2 (図6においてT2 =t
3 −t2 )、および、開弁側のピークに達した後閉弁側
のピークまで変位するのに要する時間T3 (図6におい
てT3 =t4 −t3 )が、それぞれ、ロアコイル42お
よびアッパコイル38への指令電流のパルス幅τL , τ
U として用いられると共に、それらの和(T2 +T3 )
がアッパコイル38およびロアコイル42への指令電流
の周期T1 として用いられる(T1 =T2 +T3 )。そ
して、時間T2と時間T3 とに基づいて、アッパコイル
38およびロアコイル42に供給する指令電流IU ,I
L のパルス幅が、それぞれ、可動部における実際の振動
特性に応じたパルス幅τU (=T3 ),τL (=T2 )
に変更されると共に、それらの周期が周期T1 (=τU
+τL )に変更される。
【0047】この場合、弁体14が可動部の閉弁側振動
特性に従って開弁側のピークから閉弁側のピークまで変
位するのに要する時間と、アッパコイル38への通電の
パルス幅とが一致し、弁体14が可動部の開弁側振動特
性に従って閉弁側のピークから開弁側のピークまで変位
するのに要する時間と、ロアコイル42への通電のパル
ス幅とが一致し、また、可動部がその振動振幅の一方の
ピークから再び一方のピークまで変位するのに要する周
期とアッパコイル38およびロアコイル42への通電の
周期とが一致することで、弁体14の振動振幅は速やか
に増幅することとなる。このため、本実施例の電磁駆動
弁10によれば、上記第1実施例の場合に比して更に効
率的に初期駆動を行うことができ、その結果、始動性の
向上を図ることができる。
【0048】図7は、上記の機能を実現すべく、本実施
例においてECU12が実行する制御ルーチンの一例の
フローチャートを示す。図7に示すルーチンは、その処
理が終了する毎に繰り返し起動されるルーチンである。
尚、図7において、上記図4に示すステップと同一の処
理を実行するステップについては、同一の符号を付して
その説明を省略する。すなわち、図7に示すルーチンに
おいては、上記ステップ104の処理が終了した後、ス
テップ120の処理が実行される。
【0049】ステップ120では、弁体14が可動部の
振動振幅の閉弁側のピークに達した後開弁側のピークま
で変位するのに要する時間T2 の計時が開始される(図
6において時刻t=t2 )。ステップ122では、上記
ステップ104と同様の手法により、弁体14の変位が
ピークに達したか否かが判別される。その結果、否定判
別がされた場合は、再び本ステップ122の処理が実行
される。一方、本ステップ122において肯定判別がさ
れた場合は、弁体14の変位が開弁側のピークに到達し
たと判断できる。かかる判別がなされた場合は、次にス
テップ124の処理が実行される。
【0050】ステップ124では、時間T2 の計時が終
了されると共に、弁体14が可動部の振動振幅の開弁側
のピークに達した後閉弁側のピークまで変位するのに要
する時間T3 の計時が開始される(図6において時刻t
=t3 )。ステップ126では、上記ステップ104お
よび122と同様の手法により、弁体14の変位がピー
クに達したか否かが判別される。その結果、否定判別が
された場合は、再び本ステップ126の処理が実行され
る。一方、本ステップ126において肯定判別がされた
場合は、弁体14の変位が閉弁側のピークに到達したと
判断できる。かかる判別がなされると、次にステップ1
28の処理が実行される。
【0051】ステップ128では、時間T3 の計時が終
了される(図6において時刻t=t4 )。ステップ13
0では、時間T2 をロアコイル42に供給する指令電流
L のパルス幅τL に、時間T3 をアッパコイル38に
供給する指令電流IU のパルス幅τU にする処理が実行
されると共に、時間T2 とT3 との和(T2 +T3 )
を、アッパコイル38およびロアコイル42に供給する
指令電流IU ,IL の周期T1 にする処理が実行され
る。
【0052】ステップ132では、上記ステップ130
で演算されたパルス幅τU ,τL および周期T1 に従っ
て、アッパコイル38およびロアコイル42に指令電流
を供給する処理が実行される。本ステップ114の処理
が終了すると、今回のルーチンは終了される。上記の処
理によれば、初期駆動が要求された後に、弁体14が可
動部の振動振幅の閉弁側のピークに達した後開弁側のピ
ークまで変位するのに要した時間T2、および、開弁側
のピークに達した後閉弁側のピークまで変位するのに要
した時間T3 に基づいて、アッパコイル38およびロア
コイル42に供給する指令電流のパルス幅および周期を
変更することができる。このため、本実施例によれば、
初期駆動時に、可動部の開弁側振動特性および閉弁側振
動特性に応じた周期でアッパコイル38およびロアコイ
ル42への通電を行うことができ、弁体14の振動振幅
を更に速やかに増幅させることができる。従って、本実
施例の電磁駆動弁10によれば、可動部の開弁側振動特
性および閉弁側振動特性に従って初期駆動を効率的に行
うことができ、その結果、始動性の更なる向上を図るこ
とができる。
【0053】尚、上記の第2実施例においては、アッパ
コア36およびアッパコイル38、および、ロアコア4
0およびロアコイル42が請求項2記載の「第1および
第2の電磁石」に、可動部が閉弁側のピークに達した後
開弁側のピークまで変位するのに要した時間T2 が請求
項2記載の「第1のパラメータ」に、可動部が開弁側の
ピークに達した後閉弁側のピークまで変位するのに要す
る時間T3 が請求項2記載の「第2のパラメータ」に、
それぞれ相当している。
【0054】また、上記の第2実施例においては、EC
U12が、上記ステップ102の処理を実行することに
より請求項2記載の「初期駆動手段」が、上記の時間T
2 およびT3 を検出することにより請求項2記載の「振
動特性検出手段」が、上記ステップ130においてアッ
パコイル38およびロアコイル42に供給する指令電流
のパルス幅を変更することにより請求項2記載の「補正
手段」が、上記ステップ130においてアッパコイル3
8およびロアコイル42に供給する指令電流の周期を変
更することにより請求項1記載の「補正手段」が、それ
ぞれ実現されている。
【0055】ところで、上記の第2実施例においては、
アッパコイル38およびロアコイル42への指令電流の
パルス幅を、それぞれ、可動部が振動振幅の開弁側のピ
ークから閉弁側のピークまで変位するのに要した時間T
2 、および、可動部が振動振幅の閉弁側のピークから開
弁側のピークまで変位するのに要した時間T3 に変更す
ることとしているが、それらの時間T2 とT3 との平均
値(T2 +T3 )/2を算出して、アッパコイル38へ
の指令電流およびロアコイル42への指令電流のパルス
幅を、その平均値に変更することとしてもよい。
【0056】また、上記の第1および2実施例において
は、可動部の振動周期を可動部の振動特性を表す値とし
て用いているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、可動部の振動振幅のピーク値の増加率を可動部の振
動特性を表す値として用いることとしてもよい。図8
は、可動部の振動特性を表す値として用いられる振動振
幅のピーク値Pの変化を説明するための図である。可動
部の振動振幅のピーク値Pの増加率(図8において(P
4 −P2 )/P2 および(P3 −P1 )/P1 )は、そ
の振動特性に応じて変動する。すなわち、可動部の振動
特性に応じた周期でアッパコイル38およびロアコイル
42に指令電流が供給されている場合(図8に実線で示
す)に比して、指令電流の供給が可動部の振動特性に応
じた周期で行われていない場合(図8に破線で示す)に
は、上記したピーク値の増加率は小さな値となる。従っ
て、可動部の振動振幅のピーク値の増加率を可動部の振
動特性を表す値として用い、この値に応じて指令電流の
周期を補正させることとすればよい。
【0057】
【発明の効果】上述の如く、請求項1乃至3記載の発明
によれば、初期駆動における通電の周期を可動部の振動
特性に応じて補正することで、初期駆動時において弁体
の振動振幅を速やかに増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である電磁駆動弁の全体構
成図である。
【図2】図2(A)は、本実施例の電磁駆動弁において
初期駆動が要求された場合にアッパコイルに供給される
指令電流のタイムチャートを示す図である。図2(B)
は、本実施例の電磁駆動弁において初期駆動が要求され
た場合にロアコイルに供給される指令電流のタイムチャ
ートを示す図である。図2(C)は、各コイルに図2
(A)および(B)に示す指令電流が供給された場合の
弁体のリフト波形を示す図である。
【図3】図3(A)は、初期駆動が要求された場合にア
ッパコイルに供給される指令電流のタイムチャートを、
可動部の振動特性が初期状態から変化している場合と初
期状態に維持されている場合とで比較した図である。図
3(B)は、初期駆動が要求された場合にロアコイルに
供給される指令電流のタイムチャートを、可動部の振動
特性が初期状態から変化している場合と初期状態に維持
されている場合とで比較した図である。図3(C)は、
各コイルに図3(A)および(B)に示す指令電流が供
給された場合の弁体のリフト波形を、可動部の振動特性
が初期状態から変化している場合と初期状態に維持され
ている場合とで比較した図である。
【図4】本実施例においてECUが実行する制御ルーチ
ンの一例のフローチャートである。
【図5】本実施例において遅れ時間tx とパルス幅補正
量Δτx との最適な関係を予め実験的に求めることによ
り得られたマップを示す図である。
【図6】図6(A)は、本発明の第2実施例において、
初期駆動が要求された場合にアッパコイルに供給される
指令電流のタイムチャートを示す図である。図6(B)
は、初期駆動が要求された場合にロアコイルに供給され
る指令電流のタイムチャートを示す図である。図6
(C)は、各コイルに図6(A)および(B)に示す指
令電流が供給された場合の弁体のリフト波形を示す図で
ある。
【図7】本実施例においてECUが実行する制御ルーチ
ンの一例のフローチャートである。
【図8】可動部の振動特性を表す値として用いられる振
動振幅のピーク値の変化を説明するための図である。
【符号の説明】
10 電磁駆動弁 12 電子制御ユニット(ECU) 14 弁体 30 ロアスプリング 34 アーマチャ 36 アッパコア 38 アッパコイル 40 ロアコア 42 ロアコイル 52 アッパスプリング 64 距離センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/22 320 F02D 41/22 320 370 370 H01F 7/18 H01F 7/18 F (72)発明者 田中 正明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 四重田 啓二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G301 KA01 LC02 LC10 PF16Z PG02Z 3H106 DA07 DA13 DA25 DB14 DB26 DB32 DC02 DC17 DD09 EE05 FB08 GA30 KK17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体と連動するアーマチャと、通電され
    ることにより前記アーマチャに電磁力を付与する電磁石
    とを備え、電磁力とバネ力とを協働させて前記弁体を開
    閉駆動する電磁駆動弁の制御装置において、 前記電磁石に所定周期で通電し、バネ−質量系の固有振
    動を励起することにより、前記弁体を変位端まで変位さ
    せる初期駆動手段と、 前記アーマチャの振動特性に応じたパラメータを検出す
    る振動特性検出手段と、 前記パラメータに応じて前記所定周期を補正する補正手
    段と、 を備えることを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。
  2. 【請求項2】 弁体と連動するアーマチャと、通電され
    ることにより前記アーマチャに開弁方向および閉弁方向
    の電磁力をそれぞれ付与する第1および第2の電磁石と
    を備え、電磁力とバネ力とを協働させて前記弁体を開閉
    駆動する電磁駆動弁の制御装置において、 前記第1および第2の電磁石に交互に所定周期で通電
    し、バネ−質量系の固有振動を励起することにより、前
    記弁体を変位端まで変位させる初期駆動手段と、 前記弁体が開弁方向に変位する場合の前記アーマチャの
    振動特性に応じた第1のパラメータ、および、前記弁体
    が閉弁方向に変位する場合の前記アーマチャの振動特性
    に応じた第2のパラメータをそれぞれ検出する振動特性
    検出手段と、 前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータに応
    じて、前記初期駆動手段による前記第1および第2の電
    磁石への1周期当たりの通電時間長をそれぞれ補正する
    補正手段と、 を備えることを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の電磁駆動弁の制
    御装置において、 前記振動特性に応じたパラメータは、前記アーマチャの
    振動周期であることを特徴とする電磁駆動弁の制御装
    置。
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