JP2000302569A - セメント硬化体及びその製造方法 - Google Patents

セメント硬化体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000302569A
JP2000302569A JP11099899A JP11099899A JP2000302569A JP 2000302569 A JP2000302569 A JP 2000302569A JP 11099899 A JP11099899 A JP 11099899A JP 11099899 A JP11099899 A JP 11099899A JP 2000302569 A JP2000302569 A JP 2000302569A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
carbonation
hardened
water
strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11099899A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Osugi
高志 大杉
Takeshi Inoue
毅 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP11099899A priority Critical patent/JP2000302569A/ja
Publication of JP2000302569A publication Critical patent/JP2000302569A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充高強度、高耐久性を有するセメント硬化体
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 補強繊維により補強されたセメント成形
体であって、炭酸化処理されてなり、空隙率が0.3以
下であることを特徴とするセメント硬化体及び、セメン
ト、水及び補強繊維を用いて繊維補強積層成形法によっ
て成形したセメント成形体を、セメント水和反応の初期
段階において加温加圧下で炭酸化処理するセメント硬化
体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度、高耐久性
を有するセメント硬化体及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、炭酸化処理によるセメント硬化体
の強度を増進させる方法として、セメント硬化体を炭酸
ガスに曝すことでセメントの水和により生成した水酸化
カルシウムを炭酸カルシウムに変化させ、セメント硬化
体の細孔を埋め強度を増進させる方法が知られている。
しかし、この従来法では、セメント硬化体の内部まで炭
酸化させるのが困難であり、炭酸化処理による効果が十
分発現されない難点があった。
【0003】そこで、特開平6−263562号公報で
は、セメントの水和反応が活発化し始めた後に炭酸ガス
雰囲気中で養生を行い、より炭酸化を進行させ、緻密化
させる方法が提案されている。
【0004】しかし、上記提案の方法においても、得ら
れた硬化体の強度は更に改善を要するものであり、ま
た、炭酸ガス雰囲気中における養生に長時間を必要と
し、生産性の改善を要するという問題があった。一方、
建築部材等の用途に供するセメント系板状体の成形方法
として、抄造法に代表される繊維補強積層成形法が知ら
れている。繊維補強積層成形法とは、例えば丸網抄造法
の場合、セメント、水、必要により用いる骨材等のセメ
ント材料に補強材として有機系もしくは無機系の繊維を
混入してセメントスラリーとし、例えば、回転体上に配
置されたフエルト等に、丸網回転ドラムを用いてセメン
トスラリー中の含水固形分を薄く複数層積層させた後、
脱水プレスにより成形する方法であり、石綿セメント
板、パルプセメント板、珪酸カルシウム板等の製造に利
用されている。この様な繊維補強積層成形法によるセメ
ント成形体には、一般に層間の空隙が残存し、機械的物
性や耐久性の低下の原因となる場合があり、例えば、特
公昭61−4794号公報には、ガラス繊維のアルカリ
劣化を防止する目的で成形直後のセメント成形体に炭酸
化処理を施すことが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討によれば、上記特公昭61−4794号公報記
載の方法により得られたセメント成形体は、十分な強度
及び耐久性を示すに至らず、更に改善を要するものであ
った。本発明は、上記従来のセメント硬化体及びその製
造方法における問題を解決するためになされたものであ
り、高強度・高耐久性を有するセメント硬化体及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明は、補強繊維により補強され
たセメント成形体であって、炭酸化処理されてなり、空
隙率が0.3以下であることを特徴とするセメント硬化
体を提供する。請求項2記載の本発明は、セメント、水
及び補強繊維を用いて繊維補強積層成形法によって成形
したセメント成形体を、セメント水和反応の初期段階に
おいて加温加圧下で炭酸化処理することを特徴とする請
求項1記載のセメント硬化体の製造方法を提供する。以
下本発明を更に詳細に説明する。
【0007】本発明に用いられるセメントは、水和に伴
い水酸化カルシウムが生成するセメントであれば特に限
定されず、例えば、普通ポルトランドセメント、特殊ポ
ルトランドセメント,アルミナセメント等を使用するこ
とが出来るが、炭酸化時の緻密化効果が大きいという点
でポルトランド系セメントが好ましい。
【0008】ここに、ポルトランド系セメントとは一般
にエーライト( C3S:3CaO・SiO2)或いはビーライト
( C2S:2CaO・SiO2)と呼ばれる未水和珪酸カルシウム
化合物を主成分とするセメントであり、普通ポルトラン
ドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルト
ランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポ
ルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、
各種低アルカリ形ポルトランドセメント等のポルトラン
ドセメントや、高炉セメント、シリカセメント、フライ
アッシュセメント等の混合セメント、白色セメント等が
挙げられる。
【0009】本発明において必要に応じて用いられる骨
材としては、例えば、珪砂,川砂等のセメントモルタル
用骨材、炭酸カルシウム、珪藻土等の無機質充填材等が
挙げられる。本発明において用いられる補強繊維として
は、パルプ、微細木片、ポリプロピレン繊維、ナイロン
繊維、ガラス繊維等の有機系、無機系の各種繊維が挙げ
られる。上記セメントと補強繊維と骨材は所定の比率で
混合され、次いで必要な量の水が添加され、従来公知の
装置により混練され、例えば、圧縮成形法、押出成形
法、繊維補強積層成形法等により所定の形状に成形され
る。中でも、簡便に高強度のセメント硬化体が得られる
点で、請求項2記載の繊維補強積層成形法が好ましく採
用される。
【0010】本発明のセメント硬化体は空隙率が、0.
3以下であることを必要とし、空隙率とは、水中浸漬
法、水銀圧入法等の公知の方法によって測定されるセメ
ント硬化体中に含まれる空隙の割合をいう。空隙率が
0.3を越える場合は、炭酸化処理していても、強度の
向上効果が低いからである。
【0011】本発明における炭酸化処理とは、セメント
の硬化過程においてアルカリ成分、特にカルシウム成分
が炭酸化される処理をいう。この炭酸化処理としては、
例えば、液体や気体、 超臨界状態の二酸化炭素を利用す
る方法が挙げられ、この場合、セメント組成物中に二酸
化炭素や炭酸イオンを発生させる成分を予め添加してお
いて加温加圧することにより二酸化炭素や炭酸イオンを
発生させてさらに加温加圧下で処理する方法が含まれ
る。
【0012】請求項2記載の本発明に係るセメント硬化
体の製造方法において、セメント水和反応の初期段階と
は、セメントと水が混合された直後から、凝結現象を経
て硬化体として強度を発現する直前までの期間を指す。
この期間は、例えば、20℃で養生した場合、セメント
と水が混合された直後からおおよそ24時間以内であ
る。水和あるいは硬化が進行した段階で炭酸化処理を行
うと水和組織がある程度形成されているため、組織間の
充填による強度向上効果は得られるが、本発明のような
飛躍的な強度向上の効果は得られない。
【0013】セメントとしてポルトランドセメントを使
用した場合、上記セメント水和反応の進行程度は、セメ
ント中に含まれる珪酸カルシウム化合物の水和率で示す
ことができ、本発明における水和反応の初期段階とは、
水和率が30%以下、より好ましくは20%以下である。水
和率の下限としては特に限定されるものではないが、炭
酸化処理時に炭酸化反応に必要な水分が供給されるなら
ば水和率0%(未水和、実質的に成形直後)に極めて近
い状態から炭酸化処理されても構わないのである。
【0014】上記珪酸カルシウム化合物の水和率とは、
セメント原料中に含まれる未水和珪酸カルシウム化合物
量をA 、水和率測定時の残存未水和珪酸カルシウム化合
物量をB とすると、{(A-B )/A }×100 で示される
値をいう。セメント中の未水和珪酸カルシウム化合物
(エーライト及びビーライト)量の測定方法としては、
X線回折測定装置や各磁気共鳴装置(ケイ素、29SiNM
R)を利用する公知の方法を用いることができる(NM
Rを利用した方法の参考文献:G.Parry-Jones,Cement a
nd Concrete Research, Vol.19, p228-234, 1989、参
照) 。
【0015】未水和珪酸カルシウム化合物を含有するポ
ルトランド系セメントを炭酸化して硬化体を製造する場
合、未水和珪酸カルシウム化合物の炭酸化が強度発現に
大きく寄与しているため、水和が進んだ試料を炭酸化し
ても請求項2記載の本発明により得られる飛躍的な強度
向上効果は認められない。
【0016】請求項2記載の本発明においては、水/セ
メントの重量比で示した炭酸化処理時の成形体の含水
量、即ち炭酸化処理直前の成形体に含まれる水分の重量
を成形体の配合時のセメント重量で割った値は、0.0
75〜0.5の範囲であることが好ましい。この値が
0.075より小さいと、二酸化炭素との反応が充分に
起こらず炭酸化反応の効率が低下し、逆に0.5より大
きいとセメント粒子間に存在する余剰水が二酸化炭素の
拡散を妨げ、水和反応の初期段階における炭酸化反応が
充分に起こらないからである。
【0017】成形した炭酸化処理前の成形体の、水/セ
メントの重量比が、0.075より低い場合には新たに
水を添加して、また、逆に0.5より高い場合には吸引
等で余分な水を除去して、炭酸化処理時に0.075〜
0.5の範囲にしても良い。また、最適な水/セメント
比は、用いるセメント、骨材の添加量によって異なる
が、本発明のセメントとしてポルトランド系セメントを
用いた場合、水/ セメント比は0.1〜0.4が最も好
ましい。
【0018】請求項2記載の本発明における炭酸化処理
としては、セメント水和反応の初期段階において加温加
圧下で処理できる方法が採用され、例えば、気体、 超臨
界状態の二酸化炭素を利用する方法が挙げられ。この加
温温度としては、50℃以上であることが好ましく、より
好ましくは80℃〜200 ℃の範囲内である。加温温度が50
℃より低いと炭酸化反応を充分に起こすには長い時間を
要し、逆に加温温度が200 ℃より高いと炭酸化反応は迅
速になるものの多大のエネルギーが必要になると同時
に、用いられる骨材等の添加物に有機系の強化繊維等が
含まれる場合には、該繊維等が熱劣化を起こしやすくな
るという危険性があるからである。
【0019】また、上記加圧圧力としては、5kg/c
m2 以上であることが好ましく、より好ましくは50〜20
0kg/cm2 の範囲内である。加圧圧力が5kg/cm2 より低い
と二酸化炭素の成形体への浸透性、及び炭酸化反応量が
低下し、炭酸化反応が充分に起こらなくなるかもしくは
炭酸化反応を充分に起こすのに長時間を要する。一方、
加圧圧力を200kg/cm2 より高くしても炭酸化反応の進行
程度は大きく変わらず、逆に、多大のエネルギーを要す
るので、工業生産性や設備の大型化という観点から不適
当である。
【0020】上記炭酸化処理の時間としては、用いるセ
メントや骨材の種類、混合比率にもよるが、上記の好ま
しい温度、圧力範囲内で処理を行った場合、24時間以内
であることが好ましく、より好ましくは10〜60分の範囲
内である。処理時間が10分より短いと、炭酸化反応が充
分に起こらない。一方、処理時間を24時間より長くして
も、それ以上の効果は得られない。逆に、消費エネルギ
ー、設備の面からも工業的にみて合理的ではない。本発
明の製造方法において最も高強度なセメント硬化体を製
造する場合、上記炭酸化処理条件を含む種々のより好ま
しい範囲で製造することで目的を達成できる。具体的に
は、炭酸化処理前の成形体を得る際の水/セメント比を
0.1〜0.5として、炭酸化処理条件が、温度80〜
200℃、圧力50〜200kg/cm2 及び時間10
〜60分の範囲とすることにより、達成できる。また、
ある程度の強度を求める場合であれば、上記80〜20
0℃×50〜200kg/cm2 ×時間10〜60分の
範囲より低温、低圧又は長時間処理を行うことで目的を
達成することが可能である。
【0021】(作用)本発明に係るセメント硬化体は、
炭酸化処理されてなるので、単にセメント水和反応のみ
によって形成されたセメント硬化体の組織と比較すると
組織が炭酸化によってより緻密化されていると共に、空
隙率が0.3以下でありかつ補強繊維により補強されて
いることと相俟って、高い強度と耐久性を発現するので
ある。本発明に係るセメント硬化体の製造方法は、繊維
補強積層成形法によって成形したセメント成形体を、成
形体がセメント水和反応の初期段階において加温加圧下
で炭酸化処理するので、単にセメント水和反応のみによ
って形成されたセメント硬化体の組織と比較すると、組
織が更に緻密化されているため、高い強度と耐久性を発
現するセメント硬化体を、簡便な方法によって提供し得
るのである。
【0022】また、本発明に係るセメント硬化体の製造
方法は、セメント、水、補強繊維及び必要により骨材を
含む成形体を、セメント水和反応の初期段階において加
温加圧下で炭酸化処理するので、従来方法の長時間養生
する工程での炭酸化処理ではセメントの水和反応と炭酸
化とが同時に進行し始めるのに対して、本発明の方法で
はセメントの水和反応の初期段階において炭酸化反応が
短時間に進行する。
【0023】つまり、セメントの水和反応の初期、通常
セメント硬化体の強度に寄与する種々の珪酸カルシウム
水和物(C−S−Hゲル)が十分に形成される前に、炭
酸化処理によって炭酸カルシウムが生成し、短時間にセ
メントの硬化成分が緻密な組織を形成するので、従来方
法で得られるセメント硬化体に較べて飛躍的に高強度の
製品が得られるのである。
【0024】また、本発明に係るセメント硬化体の製造
方法によると、従来方法に較べて強度発現までの時間が
短縮され、高い生産性をもってセメント硬化体を製造す
ることが出来る。
【0025】
【実施例】(実施例1)普通ポルトランドセメント10
0重量部に、8号珪砂50重量部、フリーネス値100
ccのパルプ10重量部、水100重量部を添加して混
合してセメントスラリーを得た。このスラリーを図1に
示す繊維補強積層成形体の製造装置1に供給して、4層
の薄層体が軽く積層されてなる積層マットを得て、積層
マットに脱水プレスを施し、厚さ8mmの板状セメント
成形体を得た。
【0026】尚、図1において、2はセメントスラリー
槽、3は丸網回転ドラム、4はベルト上に配置されたフ
エルトであり、複数のセメントスラリー槽2中に配設さ
れた丸網回転ドラム3によって、セメントスラリー中の
含水固形分は薄くフエルト4に積層され、最終的に4層
の積層マット5を形成した後、巻き取りロール6に巻き
取られベルト7を経て脱水プレス8に供給され、板状セ
メント成形体を得たのである。
【0027】得られた成形体を20℃で、表1に示した
時間、養生した。その後、この成形体をオートクレーブ
に入れ、表1に示した条件(温度、圧力、処理時間)で
二酸化炭素処理を行い強度を増進したセメント硬化体を
得た。
【0028】(実施例2、3)実施例1と同様の原料を
用い、同様の工程を経て成形体を得た。得られた成形体
の養生時間、炭酸化処理条件を表1の如くした以外は、
実施例1と同様にしてセメント硬化体を得た。
【0029】〔セメント硬化体の曲げ強度の測定〕各実
施例及び後述する比較例1〜3において得られたセメン
ト硬化体を所定寸法に切断して試験片とし、JIS A
1408に準拠して曲げ強度を測定した。結果を表1に
示した。
【0030】〔水和率の測定〕各実施例、並びに、比較
例1及び2において二酸化炭素処理を行う直前の珪酸カ
ルシウム化合物の水和率を29SiNMRにより測定し、そ
の値を表1に示した。尚、測定方法は以下に依った。29
SiNMRの測定にはJOEL社製、JNL-LA500 を使用し、MA
SGHD法によって積算回数5000回の条件で測定を行っ
た。測定後、未水和珪酸カルシウム化合物に由来する-7
0ppm付近の鋭いピーク(-57 〜-75ppm)、水和珪酸カル
シウムゲルに由来する-82ppm付近の比較的ブロードなピ
ーク(-75 〜-88ppm)の積分値をそれぞれ測定し、それ
ぞれの数値をα、βとして{β/(α+ β}×100 を算
出し、珪酸カルシウム化合物の水和率とした。
【0031】〔空隙率の測定〕(水中浸漬法)製造した
セメント硬化体の一部を切り取り、乾燥重量(W1), 飽
水試料の水中重量 (W2), 飽水試料の表乾重量 (W3)を
測定し、以下の式により求めた。 P=1−(W1 −W2)/ (W3 −W2) 尚、上記乾燥重量(W1)は試験片を60℃で一週間乾燥
した重量、飽水試料の水中重量 (W2)は、前記乾燥試験
片を水中に浸漬し、真空状態で8時間脱気を行った後に
水中において測定した重量、飽水試料の表乾重量 (W3)
は、前記飽水試料の表面に付着している水を拭き取って
測定した重量である。
【0032】〔凍結融解性試験〕各実施例及び比較例に
おいて得られたセメント硬化体を用いて、ASTM C
666A法に準拠して凍結融解性試験を200サイクル
行った。試験後の試料の状態を目視にて以下の3段階に
評価した。 ○:表面又は側面に、剥がれもしくはクラックが認めら
れない。 △:表面又は側面の一部に、剥がれもしくはクラックが
認められる。 △:表面又は側面の大部分に、剥がれもしくはクラック
が認められる。 〔寸法変化促進試験〕各実施例及び比較例において得ら
れたセメント硬化体を炭酸ガス濃度20%、30℃、湿
度80%の雰囲気中に2週間静置して試験前後の寸法変
化率を測定した。
【0033】
【表1】
【0034】(比較例1)養生時間を1週間とした他
は、実施例1と同様にしてセメント硬化体を得た。実施
例と同様の評価を行い、結果を表1に示した。
【0035】(比較例2)実施例1と同様の原料を用
い、同様の工程を経て成形体を得た。原料が混合されて
から1日後、この成形体を常圧の二酸化炭素雰囲気下に
置いて20℃の室温で6日間養生を行いセメント硬化体
を得た。実施例と同様の評価を行い、結果を表1に示し
た。
【0036】(比較例3)実施例1と同様の原料を用
い、同様の工程を経て成形体を得た。得られた成形体を
20℃の室温で7日間養生を行い硬化させた(炭酸化処
理は行わなかった)。実施例と同様の評価を行い、結果
を表1に示した。
【0037】表1から、実施例1〜3では、水和反応の
初期、珪酸カルシウム化合物の水和率が30%以下の状
態で加温加圧下で炭酸化処理を行ったため、炭酸化処理
後の空隙率が0.3以下になっており、7日間通常の室
温養生で硬化させ炭酸化処理を行わなかった比較例3と
比較して、はるかに大きい曲げ強度を発現している他、
凍結融解性試験から判断される耐久性及び寸法安定性に
ついても優れていることが明らかである。
【0038】一方、比較例1は、水和反応が進行した7
日後に、即ち、セメント水和反応の初期段階の経過後
に、実施例1と同様の炭酸化処理を行った例であるが、
炭酸化による緻密化で比較例3よりも曲げ強度は向上し
ているものの、炭酸化処理後の空隙率が0.3を越えて
いるために実施例1〜3ほどの曲げ強度向上効果は得ら
れなかった。また、凍結融解性試験においても、一部試
料の破損が認められている。
【0039】さらに、比較例2では、常圧の二酸化炭素
雰囲気下に置き、加温加圧された二酸化炭素が用いられ
なかったので、長時間炭酸化処理を行ったにもかかわら
ず炭酸化処理後の硬化体の空隙率が0.3を越えてお
り、その効果は実施例1〜3より下回るものであった。
【0040】
【発明の効果】本発明のセメント硬化体は、上述の通り
構成され、炭酸化処理されてなるので、組織が緻密化さ
れていると共に、空隙率が0.3以下でありかつ補強繊
維により補強されているので、従来のセメント硬化体に
比較して高強度・高耐久性を発現し得るものである。
【0041】本発明のセメント硬化体の製造方法は、上
述の通り構成され、繊維補強積層成形法によって成形し
たセメント成形体を、セメント水和反応の初期段階にお
いて加温加圧下で炭酸化処理するので、従来方法に較べ
て強度発現までの時間が短縮され、工業的に生産性が高
い点に加えて、緻密化された組織が更に補強繊維により
補強された高強度・高耐久性のセメント硬化体が得られ
る点で、極めて優れた効果を奏するものである。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセメント硬化体の製造方法に好適
に使用される繊維補強積層成形体の製造装置の模式的側
面図。
【符号の説明】
1 繊維補強積層成形体の製造装置 2 セメントスラリー槽、 3 丸網回転ドラム 8 脱水プレス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 16:02) 111:20 Fターム(参考) 4G012 PA04 PA34 PC12 PC14 PE06 RA02 RC01 4G052 EA01 EB02 EB26 GA02 GA17 GB81 GC08 4G054 AA01 AA15 AB01 AC04 CA01 DA01 DA02 DA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補強繊維により補強されたセメント成形
    体であって、炭酸化処理されてなり、空隙率が0.3以
    下であることを特徴とするセメント硬化体。
  2. 【請求項2】 セメント、水及び補強繊維を用いて繊維
    補強積層成形法によって成形したセメント成形体を、セ
    メント水和反応の初期段階において加温加圧下で炭酸化
    処理することを特徴とする請求項1記載のセメント硬化
    体の製造方法。
JP11099899A 1999-04-19 1999-04-19 セメント硬化体及びその製造方法 Withdrawn JP2000302569A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11099899A JP2000302569A (ja) 1999-04-19 1999-04-19 セメント硬化体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11099899A JP2000302569A (ja) 1999-04-19 1999-04-19 セメント硬化体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000302569A true JP2000302569A (ja) 2000-10-31

Family

ID=14549821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11099899A Withdrawn JP2000302569A (ja) 1999-04-19 1999-04-19 セメント硬化体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000302569A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106795053A (zh) * 2014-08-29 2017-05-31 雷科维尔比利时公司 用于生产碳酸盐粘合的压模制品的方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106795053A (zh) * 2014-08-29 2017-05-31 雷科维尔比利时公司 用于生产碳酸盐粘合的压模制品的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3461830B2 (ja) 著しい圧縮抵抗性と破壊エネルギーとを有するコンクリート部材を製造する方法と組成物、およびそれにより得られる部材
HU178627B (en) Method for solidifying concrete
JP2753267B2 (ja) 成形体の炭酸化養生法
JP6898926B2 (ja) 繊維補強炭酸化セメント成形物およびその製造方法
JP4641117B2 (ja) 無機質セメント複合板の製造方法
JP3374515B2 (ja) 無機質板の製造方法
JP2023528030A (ja) 耐久性を高めた炭酸プレキャストコンクリート製品の製造方法
CN111548109A (zh) 一种天然水镁石纤维改性石灰-偏高岭土复合砂浆的制备方法
JP4462600B2 (ja) ケイ酸カルシウム材の製造方法
JP2000302569A (ja) セメント硬化体及びその製造方法
KR100547084B1 (ko) 마그네시아를 이용한 시멘트 테라죠 조성물
JP3618001B2 (ja) 多孔質連通気泡コンクリ−ト成形体及び同コンクリ−ト複合体の製造方法
CN111732378B (zh) 一种地质聚合物构件及其制备方法
JP5162067B2 (ja) ケイ酸カルシウム水和物スラリー
JP2000272981A (ja) セメント硬化体及びその製造方法
JP2002326882A (ja) 軽量気泡コンクリート
Patel et al. The microstructure of steam-cured precast concrete
JP2803561B2 (ja) 軽量コンクリート製品及びその製造方法
JPH08118330A (ja) 無機質板の製造方法
EP0578944A1 (en) Process for the production of concrete tiles
JP2001261467A (ja) セメント系硬化体の製造方法
JP4180870B2 (ja) 無機質板及びその製造方法
JP2001080977A (ja) セメント成形体及びその製造方法
JP2000044316A (ja) 無機質板の製造方法
JPH0348147B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060124

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20080117

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761