JP2000300264A - リンパ−造血細胞の増殖を抑制するタンパク質 - Google Patents

リンパ−造血細胞の増殖を抑制するタンパク質

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JP2000300264A JP11107246A JP10724699A JP2000300264A JP 2000300264 A JP2000300264 A JP 2000300264A JP 11107246 A JP11107246 A JP 11107246A JP 10724699 A JP10724699 A JP 10724699A JP 2000300264 A JP2000300264 A JP 2000300264A
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健司 織谷
Yoshiaki Tomiyama
佳昭 冨山
Yuji Matsuzawa
佑次 松澤
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SENTAN KAGAKU GIJUTSU INCUBATI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 BMS2.4細胞に由来し、リンパ-造血細胞の増
殖を抑制する活性を有する新規なタンパク質およびその
遺伝子、並びにそれらの製造方法および用途を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 ストローマ細胞株BMS2.4から、マウス骨
髄単球性白血病細胞株WEHI3をターゲットとして用いた
発現クローニングにより、血液細胞の増殖を抑制する活
性を有する新規なタンパク質を同定した。該タンパク質
やその遺伝子は、リンパ-造血系疾患の治療などに有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、BMS2.4細胞に由来
する新規なタンパク質およびその遺伝子、並びにこれら
の製造および用途に関する。
【0002】
【従来の技術】血液細胞の産生は、接着分子、細胞外マ
トリックス、およびサイトカインを含む種々のストロー
マ因子によって、厳密に調節が行われている(Kincade,
P.W.(1993) Cell adhesion mechanisms utilized for
lymphopoiesis. In Lymphocyte adhesion molecules.
Y. Shimizu, editor. Landes R.G., Austin, T.X., 24
9; Kincade, P.W. et al., Life/death decisions in B
lymphocyte precursors.A role for cytokines, cell
interaction molecules, and hormones. In: B and T l
ymphocyte development. Edited by Monroe, J.G. and
Rothenberg, E.V., in press)。ストローマ細胞と造血
細胞との間の複雑な相互作用は、骨髄中または骨髄から
の造血幹細胞や造血前駆細胞の移動、血液細胞の産生の
制御、ならびに欠陥のある細胞および有害な細胞を除去
するために重要な役割を果たしている。
【0003】長期骨髄培養は生体における作用のいくつ
かの面を反映する培養系であり、血液細胞の産生を調節
する分子間、細胞間の相互作用を明らかにする手段を提
供する。プレB細胞は、very-late-antigen-4(VLA-4)
または vascular cell adhesion molecule 1 に対する
抗体の添加により、長期骨髄培養の付着細胞層から遊離
させることができる。そして、これらの抗体はWhitlock
-Witte 培養におけるリンパ球の新生を完全に阻害し
た。CD44に対する抗体は、長期骨髄培養におけるリンパ
系細胞、および骨髄系細胞の産生を完全に阻害した。長
期骨髄培養にヘパリンを添加すると、リンパ系細胞の産
生は阻害されたが、骨髄系細胞の産生は阻害されなかっ
た。CD9に対する抗体を添加すると、Dexter培養では骨
髄系細胞とストローマ細胞との間に強い接着が誘導さ
れ、骨髄系細胞の産生が阻害された。これらの分子は、
骨髄において成熟に伴う造血細胞の接着および移動の調
節に重要な、細胞−細胞間の相互作用に関与していると
考えられる。
【0004】細胞外マトリックスは、細胞増殖因子を保
持するのと同様に、リンパ-造血細胞の生存および/ま
たは増加に関するシグナルを伝達する。インテグリンに
フィブロネクチンが結合すると、コロニー刺激因子への
造血幹細胞/造血前駆細胞の感受性が増加する。一方、
フィブロネクチンとVLA-5との相互作用は、骨髄系細胞
株においてアポトーシスを誘導する。CD44のリガンドで
あるヒアルロン酸(hyaluronan)は、粘着性の水和性ゲ
ルを形成し、細胞同士の接着、および細胞の移動に関与
する。トロンボスポンジン(thorombospondin)は造血
前駆細胞に、またヘモネクチン(hemonectin)は骨髄系
前駆細胞に結合する。マトリックスグリコプロテインSC
1/ECM2は、B細胞系統の細胞に結合し、その増殖を増大
させる。オステオネクチン(osteonectin)は、抗接着
分子として作用するだけでなく、血小板由来増殖因子を
固定化する作用も有する。
【0005】原始的な造血始原細胞の増殖は、それぞれ
が相互作用しあう一群のサイトカインにより調節され
る。インターロイキン3(IL-3)、IL-4、および顆粒球
/マクロファージ コロニー刺激因子(guranulocyte/ma
crophage-colony-stimulatingfactor: GM-CSF)は、造
血幹細胞が休止状態から脱し、増殖するのを助ける。IL
-6、IL-11、IL-12、顆粒球-CSF(G-CSF)および白血病
増殖阻止因子(LIF)は、IL-3、IL-4、およびGM-SCFと
相互作用的に働き、細胞周期が停止している始原細胞か
らの多能性始原細胞の増殖を促進する。幹細胞因子(St
em Cell Factor:SCF)およびflt-3リガンドは造血幹細
胞の自己増殖だけでなく、造血幹細胞の分化、および増
加を促進する他のサイトカインとのコファクターとして
も機能する。一方、transforming growth factor-β(T
GF‐β)、tumor necrosis factor-α(TNF-α)、イン
ターフェロン-α/β(interferon-α/β:IFN-α/β)、
およびIFN-γは、リンパ-造血を負に調節する。造血細
胞の増殖の停止および/またはアポトーシスは、これら
の因子により誘導される。これらの調節性サイトカイン
は概して、造血器官で非常に少量だけ作られる。それら
のうちのいくつかは、細胞外マトリックスへの接着能力
をもち、他のいくつかのサイトカインは膜貫通型や可溶
型として合成される。
【0006】リンパ-造血に関与する遺伝子の多くが、
クローン化されたストローマ細胞株を用いた実験により
同定されている。ストローマ細胞株はもともと、特定の
タイプの造血細胞の増殖および分化を促進する能力をも
とに選抜されたものである。長期骨髄培養の接着細胞か
ら樹立されたストローマ細胞株BMS2は、プレB細胞の増
殖を維持する能力を持つことが知られている(Pietrang
eli, C.E. et al., 1988, Eur. J. Immunol., 18: 863-
872)。これに対し、BMS2のサブクローンであるBMS2.4
細胞は、造血細胞の増加を妨げるという独特の特徴を示
す(Kincade, P.W. et al., 1991, Adv. Exp. Med. Bio
l., 292: 227-234)。しかし、その分子機構はわかって
いない。これらの分子を同定することは、過剰反応を避
け一定の血液状態を保持するのに重要な、負の調節機構
を解明するのに役立つであろう。また、一部のリンパ・
血液疾患の発症機序解明や治療にも応用可能であると思
われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、BMS2.4細胞
に由来し、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有
する新規なタンパク質およびその遺伝子、並びにそれら
の製造方法および用途を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マウスス
トローマ細胞株BMS2.4由来のcDNAライブラリーを、ヒト
腎細胞癌細胞株293Tに遺伝子導入し、その培養上清が、
骨髄単球性白血病細胞株WEHI3の増殖を抑制することを
指標にした発現クローニングを行った。その結果、BMS
2.4細胞の培養上清と同様のWEHI3細胞の増殖抑制活性を
有する新規なタンパク質「BGIF(Blood Cell Growth-In
hibiting Factor:血液細胞増殖抑制因子)をコードする
遺伝子を単離することに成功した。単離した遺伝子から
推定されたBGIFタンパク質は、IFN-αおよびIFN-βに相
同性を有し、骨髄および脾臓のストローマ細胞における
発現を示した。
【0009】本発明者らは、さらに、組換BGIFタンパク
質を調製し、該タンパク質の種々のリンパ-造血細胞の
増殖に対する影響の検討を行った。その結果、組換BGIF
タンパク質は、WEHI3細胞の他、種々のB系統細胞株(1A
9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI23
1、SP2/0)およびT細胞系リンパ腫細胞株(BW1597)の
増殖を抑制する活性を有していた。
【0010】従って、本発明のBGIFタンパク質やその遺
伝子は、リンパ-造血疾患の病原のメカニズムを解明す
るのに有用なツールとなり、また、本発明のタンパク質
が関与する種々の疾患の治療薬としての応用も可能であ
ると考えられる。
【0011】BGIFタンパク質またはその遺伝子を用いた
治療の対象となりうる疾患の具体例としては、急性リン
パ性または骨髄性白血病、慢性リンパ性または骨髄性白
血病、悪性リンパ腫などのリンパ・血液腫瘍、慢性関節
リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病、特発
性血小板減少性紫斑病などが挙げられるほか、免疫調節
因子として使用することも考えられる。また、BGIFタン
パク質の活性を阻害する化合物を用いた治療の対象とな
る疾患としては、再生不良性貧血など血球減少を伴う疾
患が挙げられるほか、免疫調節因子として使用すること
も考えられる。
【0012】本発明は、BMS2.4細胞に由来し、リンパ-
造血細胞の増殖を抑制する活性を有する新規なタンパク
質およびその遺伝子、並びにそれらの製造方法および用
途に関し、より具体的には、(1) リンパ−造血細胞
の増殖を抑制する活性を有するタンパク質であって、下
記(a)から(c)より選択されるタンパク質、 (a)配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタン
パク質。 (b)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1若
しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/ま
たは付加したアミノ酸配列からなるタンパク質。 (c)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAとハ
イブリダイズするDNAがコードするタンパク質。 (2) リンパ-造血細胞が、B系統細胞株1A9、BC7.1
2、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP2/0、
T細胞系リンパ腫細胞株BW1597、骨髄単球性白血病細胞
株WEHI3からなる群より選択される、(1)に記載のタ
ンパク質、(3) (1)または(2)に記載のタンパ
ク質をコードするDNA、(4) 配列番号:1に記載の
塩基配列のコード領域を含む、(3)に記載のDNA、
(5) (3)または(4)に記載のDNAが挿入された
ベクター、(6) (5)に記載のベクターを保持する
宿主細胞、(7) (6)に記載の宿主細胞を培養し、
該細胞内で発現した組み換えタンパク質を、該培養細胞
またはその培養上清から回収する工程を含む、(1)ま
たは(2)に記載のタンパク質の製造方法、(8)
(1)または(2)に記載のタンパク質に対する抗体、
(9) (1)または(2)に記載のタンパク質の部分
ペプチド、(10) 配列番号:1に記載の塩基配列か
らなるDNAと特異的にハイブリダイズし、少なくとも1
5塩基の鎖長を有するDNA、(11) (1)または
(2)に記載のタンパク質に結合する化合物のスクリー
ニング方法であって、(a)該タンパク質またはその部
分ペプチドに被検試料を接触させる工程、(b)該タン
パク質またはその部分ペプチドと被検試料との結合活性
を検出する工程、(c)該タンパク質またはその部分ペ
プチドに結合する活性を有する化合物を選択する工程、
を含む方法、(12) (11)に記載の方法により単
離されうる、(1)または(2)に記載のタンパク質に
結合する化合物、(13) (1)または(2)に記載
のタンパク質によるリンパ-造血細胞の増殖の抑制を減
少させる活性を有する化合物をスクリーニングする方法
であって、(a)被検試料の存在下で、(1)または
(2)に記載のタンパク質をリンパ−造血細胞に接触さ
せる工程、(b)該細胞の増殖を検出する工程、および
(c)被検化合物被存在下において検出した場合(対
照)比較して、(1)または(2)に記載のタンパク質
により引き起こされる該細胞の増殖の抑制を減少させる
活性を有する化合物を選択する工程、を含む方法、(1
4) リンパ-造血細胞が、B系統細胞株1A9、BC7.12、B
C7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP2/0、T細
胞系リンパ腫細胞株BW1597、骨髄単球性白血病細胞株WE
HI3からなる群より選択される、(13)に記載の方
法、(15) (13)または(14)に記載の方法に
より単離されうる、(1)または(2)に記載のタンパ
ク質によるリンパ−造血細胞の増殖の抑制を減少させる
活性を有する化合物、(16) (1)または(2)に
記載のタンパク質を有効成分とする、リンパ−造血疾患
の治療薬、(17) (12)または(15)に記載の
化合物を有効成分とする、リンパ−造血疾患の治療薬、
に関する。
【0013】なお、本発明において「リンパ-造血細
胞」とは、赤血球、白血球、または血小板における成熟
細胞およびそれらの前駆細胞をいう。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、BMS2.4細胞に由来し、
リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性を有する新規な
タンパク質「BGIF」に関する。本発明に含まれる、単離
された「BGIF」cDNAの塩基配列を配列番号:1に、該cD
NAによりコードされる「BGIF」タンパク質のアミノ酸配
列を配列番号:3に示す。
【0015】「BGIF」タンパク質をコードする遺伝子
は、マウス・ストローマ細胞株BMS2.4由来のcDNAライブ
ラリーを、ヒト腎細胞癌細胞株293Tに遺伝子導入し、そ
の培養上清が、骨髄単球性白血病細胞株WEHI3の増殖を
抑制することを指標にした発現クローニングにより単離
された。
【0016】本発明のマウス「BGIF」タンパク質は、18
2アミノ酸残基のタンパク質をコードするオープンリー
ディングフレームを含有する(図2)。また、N末端に
はシグナルペプチドと思われる疎水性に富む21残基のア
ミノ酸の領域があり、内部には膜貫通ドメインは見られ
ないことから、マウス「BGIF」タンパク質は分泌タンパ
ク質であると考えられる。マウス「BGIF」のアミノ酸配
列中には、アミノ酸68位にN結合グリコシレーション部
位と考えられるAsn-X-Ser/Thr配列を含むことから、グ
リコシル化されると予想される。FASTAおよびBLASTプロ
グラムを用いてBGIF配列のコンピューターで検索を行っ
た結果、アミノ酸レベルでは、BGIFはIFN-α(166アミ
ノ酸にわたって31.9%の同一性)、およびIFN-β(166ア
ミノ酸にわたって25.9%の同一性)と相同性を有してい
る(図4)。しかし、BGIFタンパク質における6つのシ
ステイン残基は、IFN-αまたはIFN-βのそれらと同一で
はない。
【0017】ノザン解析の結果、マウス「BGIF」 mRNA
のサイズは約1kbであり、BMS2.4では発現しているがWEH
I3では発現していないことが明らかとなった(図5
A)。また、RT-PCRにより、「BGIF」 mRNAの発現が、培
養骨髄および脾接着細胞や、生体から採取した骨髄およ
び脾細胞においても観察された(図5B)。即ち、「BGI
F」mRNAは骨髄および脾臓で発現しており、少なくとも
いくつかの骨髄および脾臓のストローマ細胞で発現して
いることが判明した。
【0018】また、「BGIF」融合タンパク質は、B系統
細胞株(1A9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/
3、WEHI231、SP2/0)、T細胞系リンパ腫細胞株(BW159
7)、および骨髄単球性白血病細胞株(WEHI3)の増殖を
抑制した。多くの細胞株は死ななかったが、長期骨髄培
養由来の3種類のプレB細胞クローン(1A9、BC7.12、2E
8)は、「BGIF」融合タンパク質の処理によりその生存
能力を失った。それに対し、リンパ腫細胞株(BCL1およ
びEL4)および骨髄系細胞株(M1)は「BGIF」融合タン
パク質の影響を受けなかった(表1)。これらの事実か
ら、「BGIF」は多様なリンパ-造血細胞株の増殖を抑制
すると考えられる。
【0019】さらに、半固体アガーを用いた造血前駆細
胞のコロニー形成能に対する影響を検討したところ、
「BGIF」融合タンパク質を添加すると、IL-7応答性の
プレB細胞(CFU-IL-7)のクローニングの効率は減少し
た(図6)。更に「BGIF」融合タンパク質は、コロニー
刺激因子に対する骨髄系前駆細胞(CFU-c)の応答性を
減少させた。従って、「BGIF」はトランスフォームした
リンパ-造血細胞および正常リンパ-造血細胞の増殖を抑
制することが判明した。
【0020】これらの事実は、「BGIF」タンパク質が、
リンパ-造血細胞の増殖を抑制する作用を有する新しい
液性因子であることを示している。従って、「BGIF」は
リンパ-造血疾患の病原のメカニズムを解明するための
研究対象として、また白血病や悪性のリンパ腫のような
リンパ-造血疾患、ならびに膠原病を抱える患者への薬
剤としての利用が考えられる。
【0021】膠原病は、自己を認識する自己抗体を産生
することにより、種々の臓器に障害を及ぼす疾患群であ
る。また、慢性関節リウマチ等においては、ポリクロー
ナルな Bリンパ球の活性化が認められる。「BGIF」は B
リンパ球産生を抑制する作用を有しており、自己抗体産
生を抑制あるいはポリクローナルな Bリンパ球の活性化
を抑制することにより、膠原病の1つの治療薬となりう
る可能性がある。また、負のリンパ球産生制御因子の欠
損が膠原病の発症に関わっていることも考えられ、「BG
IF」産生低下が、膠原病発症の一因である可能性もあ
る。
【0022】本発明においては、リンパ-造血細胞の増
殖を抑制する活性を有する限り、マウス「BGIF」タンパ
ク質と構造的に類似したタンパク質も含まれる。このよ
うな構造的に類似したタンパク質には、「BGIF」タンパ
ク質の変異体や他の生物由来の「BGIF」タンパク質が含
まれる。
【0023】このようなタンパク質は、当業者であれ
ば、例えば、公知の変異導入法を用いて調製することが
できる。当業者に公知のタンパク質中のアミノ酸を改変
する方法としては、例えば、deletion-mutant作製によ
る方法(Kowalski. D. et al.,1976, J. Biochem., 15,
4457; McCutchan, T.F. et al., 1984, Science, 225,
626-628)、Kunkel法(kunkel, T.A., 1985, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 82:488-492; Kunkel, T.A. et al.,
1987, Methods Enzymol. 154: 367-382)、Gapped-dup
lex法(Kramer, W. and Fritz, H.-J., 1987, Methods
Enzymol. 154:350-367; Zoller, M.J. and Smith, M.,
1983, Methods Enzymol. 100: 468-500; 広瀬進, 1991,
村松正実 & 岡山博人 編, 実験医学別冊 遺伝子工学ハ
ンドブック, 羊土社, pp246-252)、PCR法(村松正実
編, ラボマニュアル遺伝子工学第3版, 丸善株式会社,
1996年発行, pp.227-230)、カセット変異法(岸本利
光, 1991, 村松正実 & 岡山博人 編, 実験医学別冊 遺
伝子工学ハンドブック, 羊土社, pp253-260)などのsit
e-directed mutagenesis法などが挙げられる。例えば、
TransformerTM Site-Directed Mutagenesis Kit (CLONT
ECH #K1600-1)を用いることができる。
【0024】タンパク質におけるアミノ酸の改変は、人
為的に行うのであれば、通常、30アミノ酸以内、好まし
くは10アミノ酸以内、さらに好ましくは5アミノ酸以内
である。また、タンパク質のアミノ酸の変異は天然にお
いても生じうる。このようにリンパ-造血細胞の増殖を
抑制する活性を有する限り、人為的なまたは自然界にお
けるアミノ酸の置換、欠失、付加、および/または挿入
により天然型マウス「BGIF」タンパク質(配列番号:
3)に対してアミノ酸配列が異なるタンパク質も、本発
明に含まれる。
【0025】置換されるアミノ酸は、置換前のアミノ酸
と似た性質を有するアミノ酸であることが好ましいと考
えられる。例えば、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Met、Ph
e、Trpは、共に非極性アミノ酸に分類されるため、互い
に似た性質を有すると考えられる。また、非荷電性とし
ては、Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、Asn、Glnが挙げられ
る。また、酸性アミノ酸としては、AspおよびGluが挙げ
られる。また、塩基性アミノ酸としては、Lys、Arg、Hi
sが挙げられる。
【0026】本発明において、マウスBGIFタンパク質の
アミノ酸が欠失したタンパク質には、シグナル配列(配
列番号:4)が除去されたタンパク質が含まれる。ま
た、マウスBGIFタンパク質に対してアミノ酸が付加した
タンパク質には、マウスBGIFタンパク質と他のペプチド
との融合タンパク質が含まれる。
【0027】また、リンパ-造血細胞の増殖を抑制する
活性を有する、マウス「BGIF」タンパク質と構造的に類
似したタンパク質の調製は、公知のハイブリダイゼーシ
ョン技術(細胞工学別冊8, 新細胞工学実験プロトコー
ル, 1991, 秀潤社, pp. 188-193および79-87; Sambroo
k, J. et al., Molecular Cloning、Cold Spring Harbo
r Laboratory Press (1989), 8.46-8.52)やポリメラー
ゼ連鎖反応技術(細胞工学別冊8, 新細胞工学実験プロ
トコール, 1991, 秀潤社, pp. 171-186; Sambrook, J.
et al., Molecular Cloning、Cold Spring Harbor Labo
ratory Press (1989), 14.1-14.35)を利用して行うこ
とができる。即ち、当業者にとってはマウス「BGIF」cD
NA配列(配列番号:1)若しくはその一部をプローブと
して、また、マウス「BGIF」cDNA(配列番号:1)に特
異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライ
マーとして、種々の他の生物からマウス「BGIF」cDNAと
相同性の高いDNAを単離し、さらに単離したDNAからマウ
ス「BGIF」タンパク質と構造的に類似したタンパク質を
得ることが常套手段となっている。
【0028】本発明においては、リンパ-造血細胞の増
殖を抑制する活性を有する限り、マウス「BGIF」cDNAと
ハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質を包含
する。このようなタンパク質を単離する他の生物として
は、例えば、ヒト、サル、ラット、ウサギ、ヤギ、ウ
シ、ブタなどが挙げられるが、これらに制限されない。
このようなタンパク質をコードするDNAを単離するに
は、例えば、これら生物の骨髄や脾臓の細胞、造血−リ
ンパ系細胞、骨髄・脾臓の培養ストローマ細胞が材料と
して適していると考えられる。
【0029】マウス以外の生物に由来する「BGIF」タン
パク質をコードするDNAは、通常、マウス「BGIF」cDNA
の塩基配列(配列番号:1)と高い相同性を有する。高
い相同性とは、アミノ酸レベルで少なくとも60%以上、
好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の配列
の同一性を指す。配列の相同性は、DNA Data Bank ofJa
pan (National Institute of Genetics: Yata 1111, Mi
shima, Shizuoka 411, Japan)の相同性検索プログラム
により決定することができる。
【0030】マウス「BGIF」タンパク質と機能的に同等
なタンパク質をコードするDNAを単離するためのハイブ
リダイゼーションの条件としては、当業者であれば適宜
選択することができる。一例を示せば、25%ホルムアミ
ド(ストリンジジェントな条件では、50%ホルムアミ
ド)、4×SSC、50mM Hepes pH7.0、10×デンハルト溶
液、20μg/ml 変性サケ精子DNAを含むハイブリダイゼー
ション溶液中、42℃で一晩プレハイブリダイゼーション
を行った後、標識したプローブを添加し、42℃で一晩保
温することによりハイブリダイゼーションを行う。その
後の洗浄は、室温、2×SSC、0.1%SDS(ストリンジェン
トな条件では、50℃、0.5×SSC、0.1%SDS)で洗浄す
る。但し、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシ
ーに影響する要素としては温度やホルムアミドの濃度、
塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれ
ら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシー
を実現することが可能である(細胞工学別冊8, 新細胞
工学実験プロトコール, 1991, 秀潤社, pp. 79-87)。
【0031】本発明のタンパク質は、天然のタンパク質
の他、遺伝子組み換え技術を利用した組換えタンパク質
として調製することができる。天然のタンパク質は、例
えば、「BGIF」タンパク質が発現していると考えられる
組織(例えば骨髄細胞や脾臓細胞)の抽出液に対し、後
述する「BGIF」タンパク質に対する抗体を用いたアフィ
ニティークロマトグラフィーを行う方法により調製する
ことが可能である。一方、組換えタンパク質は、後述す
るように「BGIF」タンパク質をコードするDNAで形質転
換した細胞を培養し、これらタンパク質を発現させ回収
することにより調製することが可能である。
【0032】本発明は、また、本発明のタンパク質の部
分ペプチドを包含する。本発明のタンパク質の部分ペプ
チドとしては、例えば、本発明のタンパク質のうち、そ
の受容体との結合部位に相当するペプチドが挙げられ
る。このような部分ペプチドは、生体投与することで、
本発明のタンパク質の受容体のアゴニストやアンタゴニ
スト、本発明のタンパク質の拮抗剤等としての利用が考
えられる。これら部分ペプチドは、本発明のタンパク質
を介したシグナル伝達の活性化剤や阻害剤として有用で
ある。また、本発明の部分ペプチドとしては、例えば、
シグナル配列が除去されたタンパク質のN末端領域の部
分ペプチドや、C末端領域の部分ペプチドが挙げられ、
該ペプチドは抗体の調製に利用することができる。本発
明のタンパク質に特異的なアミノ酸配列を有する部分ポ
リペプチドは、少なくとも7アミノ酸、好ましくは少な
くとも8アミノ酸、さらに好ましくは少なくとも9アミノ
酸の鎖長を有する。本発明の部分ペプチドは、例えば、
遺伝子工学的手法、公知のペプチド合成法、あるいは本
発明のタンパク質を適当なペプチダーゼで切断すること
によって製造することがきでる。
【0033】また、本発明は、本発明のタンパク質をコ
ードするDNAに関する。本発明のタンパク質をコードす
るDNAとしては、これらタンパク質をコードしうるもの
であれば特に制限はなく、cDNA、ゲノムDNA、および合
成DNAが含まれる。また、本発明のタンパク質をコード
しうる限り、遺伝暗号の縮重に基づく任意の塩基配列を
有するDNAが含まれる。
【0034】本発明のタンパク質をコードするcDNAは、
例えば、配列番号:1に記載のcDNAあるいはその断片、
それらに相補的なRNA、または該cDNAの配列の一部を含
む合成オリゴヌクレオチドを32Pなどで標識し、本発
明のタンパク質が発現している組織(例えば骨髄や脾臓
など)由来のcDNAライブラリーにハイブリダイズさせる
ことによりスクリーニングすることができる。あるい
は、これらcDNAの塩基配列に対応するオリゴヌクレオチ
ドを合成し、適当な組織(例えば骨髄や脾臓など)由来
のcDNAを鋳型にポリメラーゼ連鎖反応により増幅し、ク
ローニングすることもできる。ゲノムDNAは、例えば、
配列番号:1に記載のcDNAあるいはその断片、それらに
相補的なRNA、または該cDNAの配列の一部を含む合成オ
リゴヌクレオチドを32Pなどで標識し、ゲノムDNAライ
ブラリーにハイブリダイズさせることによりスクリーニ
ングすることができる。あるいは、これらcDNAの塩基配
列に対応するオリゴヌクレオチドを合成し、ゲノムDNA
を鋳型にポリメラーゼ連鎖反応により増幅し、クローニ
ングすることもできる。一方、合成DNAは、例えば、配
列番号:1に記載のcDNAの部分配列を持つオリゴヌクレ
オチドを化学合成し、アニーリングさせて二本鎖にし、
DNAリガーゼで結合させることにより調製することがで
きる。
【0035】これらDNAは、組換えタンパク質の生産に
有用である。即ち、本発明のタンパク質をコードするDN
A(例えば、配列番号:1に記載のDNA)を適当な発現ベ
クターに挿入し、該ベクターを適当な細胞に導入して得
た形質転換体を培養し、発現させたタンパク質を精製す
ることにより本発明のタンパク質を組換えタンパク質と
して調製することが可能である。本発明のタンパク質は
分泌タンパク質であるため、例えば哺乳動物細胞で発現
させ、細胞外に分泌させて調製することが可能である。
【0036】具体的には、例えば大腸菌で発現させるた
めのベクターとしては、pKK223-3、pKK233-2、pJLA502
等が挙げられる。また、他のタンパク質との融合タンパ
ク質として発現させることもできる。そのためのベクタ
ーとしては、例えば、pRIT2T、pGEX-2T、pGEX-3Xなどが
挙げられる。これらの融合タンパク質は、アフィニティ
ーカラムを用いて容易に回収することができる。融合タ
ンパク質の境界部にトロンビン切断部位やファクターXa
切断部位を有するベクターを用いれば、目的のタンパク
質のみを切り出すことができる。また、タンパク質をペ
リプラズムや菌体外に分泌させるためのベクターとして
は、pKT280やpRIT5などが挙げられる(岡田雅人・宮崎
香 編, 無敵のバイオテクニカルシリーズ タンパク質実
験ノート上 抽出と分離精製, 羊土社, 1996年発行, pp.
139-149)。
【0037】また、バキュロウイルスを用いて、昆虫細
胞や哺乳動物細胞でタンパク質を発現させることも可能
である。哺乳動物細胞用のバキュロウイルスベクターと
しては、例えばpAcCAGMCS1が挙げられる(村松正実 編,
ラボマニュアル遺伝子工学第3版, 丸善株式会社, 199
6年発行, pp.242-246)。
【0038】宿主細胞において発現させた組換えタンパ
ク質は、公知の方法により精製することができる。ま
た、本発明のタンパク質を、例えば、N末端にヒスチジ
ン残基のタグ、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GS
T)などを結合した融合タンパク質の形で発現させた場
合には、ニッケルカラムやグルタチオンセファロースカ
ラム等により精製することができる。
【0039】本発明のタンパク質をコードするDNAは、
また、その変異に起因する疾患の遺伝子治療に応用する
ことも可能である。遺伝子治療に用いるためのベクター
としては、例えばレトロウイルスベクター、アデノウイ
ルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、ワクシニ
アウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ヘルペ
スウイルスベクター、アルファウイルスベクター、EBウ
イルスベクター、パピローマウイルスベクター、フォー
ミーウイルスベクターなどのウイルスベクターや、カチ
オニックリポソーム、リガンドDNA複合体、ジーンガン
などの非ウイルスベクターが挙げられる(Y. Niitsu,
M. Takahashi, Molecular Medicine, Vol35, No. 11, 1
385-1395, 1998)。遺伝子の導入は、in vivo や ex vi
vo などが考えられる。また、他のサイトカイン遺伝子
と共導入することも考えられる。
【0040】本発明はまた、配列番号:1に記載の塩基
配列からなるDNAと特異的にハイブリダイズし、少なく
とも15塩基の鎖長を有するDNAに関する。「特異的にハ
イブリダイズする」とは、上記した通常のハイブリダイ
ゼーション条件下、好ましくはストリンジェントなハイ
ブリダイゼーション条件下で、他のタンパク質をコード
するDNAとのクロスハイブリダイゼーションが有意に生
じないことを意味する。このようなDNAには、本発明の
タンパク質をコードするDNA又は該DNAと相補的なDNAと
特異的にハイブリダイズし得るプローブやプライマー、
ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体(例えばアンチセ
ンスオリゴヌクレオチドやリボザイム等)が含まれる。
【0041】本発明のタンパク質をコードするcDNAある
いはその配列の一部を含むオリゴヌクレオチドは、本発
明のタンパク質をコードする遺伝子やcDNAのクローニン
グ、あるいPCRによる増幅に利用できる。さらに、制限
断片長多型(RFLP)、1本鎖DNA高次構造多型(SSCP)
などの方法により、遺伝子あるいはcDNAの多型あるいは
異常の検出(遺伝子診断など)に利用できる。
【0042】また、本発明は、本発明のタンパク質に結
合する抗体に関する。本発明の抗体には、ポリクーナル
抗体およびモノクローナル抗体が含まれる。ポリクロー
ナル抗体は、例えば文献「東京大学医科学研究所 制癌
研究部 編, 細胞工学別冊8,新細胞工学実験プロトコー
ル, 1993年発行, 秀潤社, pp. 202-217」に記載された
方法に従って作製することができる。例えば、ウサギ、
モルモット、マウス、ニワトリなどの免疫動物に精製し
た本発明のタンパク質、その部分ペプチド、または本発
明のタンパク質のアミノ酸配列を基に合成したペプチド
を、耳の静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、そけい部、四
肢指の爪の裏などに注射する。抗原タンパク質の投与
は、フロイントの完全アジュバントや、フロイントの不
完全アジュバントと共に行ってもよい。投与は通常、数
週間ごとに行い、追加免疫により抗体価を上げることが
できる。定期的に採血を行い、ELISA等により抗体価の
上昇を確認し、最終免疫後、免疫動物から採血を行うこ
とにより抗血清が得られる。抗血清は、塩析、イオン交
換クロマトグラフィー、HPLC等により、IgG分画を精製
することができる。また、固定化抗原を用いて、アフィ
ニティークロマトグラフィーにより、さらに抗体を精製
することもできる。
【0043】一方、モノクローナル抗体は、例えば文献
「小池隆夫, 谷口克, 1991, 村松正実 & 岡山博人 編,
実験医学別冊 遺伝子工学ハンドブック, 羊土社, pp70-
74」に記載の方法に従って作製することができる。具体
的には、本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチド
を、上記と同様に免疫動物に免疫し、最終免疫後、この
免疫動物から脾臓またはリンパ節を採取する。この脾臓
またはリンパ節に含まれる抗体産生細胞とミエローマ細
胞とをポリエチレングリコールなどを用いて融合し、ハ
イブリドーマを調製する。目的のハイブリドーマをスク
リーニングし、これを培養し、その培養上清からモノク
ローナル抗体を調製することができる。モノクローナル
抗体の精製は、例えば、塩析、イオン交換クロマトグラ
フィー、HPLC等により、IgG分画を精製することができ
る。また、固定化抗原を用いて、アフィニティークロマ
トグラフィーにより、さらに抗体を精製することもでき
る。
【0044】これにより調製された抗体は、本発明のタ
ンパク質のアフィニティー精製のために用いられる他、
例えば、本発明のタンパク質の発現異常や構造異常起因
する疾患の検査や診断、本発明のタンパク質の発現量の
検出などに利用することが可能である。具体的には、例
えば組織、血液、または細胞などからタンパク質を抽出
し、ウェスタンブロッティング、免疫沈降、ELISA等の
方法による本発明のタンパク質の検出を通して、発現や
構造の異常の有無を検査・診断することができる。ま
た、本発明の抗体を抗体治療に用いることも考えられ
る。抗体治療に用いる場合、ヒト型抗体もしくはヒト抗
体であることが好ましい。
【0045】ヒト型モノクローナル抗体は、例えば、文
献「磯貝秀和, 1988, 実験医学 Vol.6, No.10, 55-60」
に従って行うことができる。また、文献「T. Tsunenari
etal., 1996, Anticancer Res., 16, 2537-2544」に記
載されたように、分子生物学的手法を用いて作製するこ
ともできる。また、ヒト抗体は、免疫系をヒトと入れ換
えたマウスに本発明のタンパク質を免疫することにより
調製することが可能である。
【0046】また、本発明は、本発明のタンパク質に結
合する化合物のスクリーニング方法に関する。本発明の
スクリーニング法は、(a)本発明のタンパク質または
その部分ペプチドに被検試料を接触させる工程、(b)
本発明のタンパク質またはその部分ペプチドと被検試料
との結合活性を検出する工程、および(c)本発明のタ
ンパク質またはその部分ペプチドに結合する活性を有す
る化合物を選択する工程、を含む。
【0047】本発明のタンパク質と結合するタンパク質
のスクリーニングは、例えば、本発明のタンパク質を固
定したアフィニティーカラムに本発明のタンパク質と結
合するタンパク質を発現していることが予想される細胞
の培養上清もしくは細胞抽出物をのせ、カラムに特異的
に結合するタンパク質を精製することにより、本発明の
タンパク質に結合するタンパク質のスクリーニングを実
施することも可能である。
【0048】さらに、本発明のタンパク質と結合するタ
ンパク質を発現していることが予想される組織若しくは
細胞(例えば、リンパ−造血系細胞など)よりファージ
ベクターを用いたcDNAライブラリーを作製し、これをア
ガロース上で発現させフィルターにタンパク質を固定
後、標識した本発明のタンパク質を反応させ、結合する
タンパク質を発現しているプラークを検出する「ウエス
トウエスタンブロッテイング法」や、GAL4 DNA結合領域
およびGAL4転写活性化領域を、本発明のタンパク質およ
び被検タンパク質との融合タンパク質として発現させ、
GAL4 DNA結合タンパク質の結合配列を有するプロモータ
ーの下流に連結させたレポーター遺伝子の発現を通して
本発明のタンパク質と被検タンパク質との結合を検出す
る「twoハイブリッドシステム」等に従い実施すること
も可能である。
【0049】また、固定化した本発明のタンパク質に、
合成化合物、天然物バンク、もしくはランダムファージ
ペプチドディスプレイライブラリーを作用させ、結合す
る分子をスクリーニングする方法や、コンビナトリアル
ケミストリー技術によるハイスループットを用いたスク
リーニングにより本発明のタンパク質に結合する化合物
を単離する方法も当業者に周知の技術である。
【0050】スクリーニングに用いる被検試料として
は、これらに制限されないが、例えば、細胞抽出液、遺
伝子ライブラリーの発現産物、合成低分子化合物、合成
ペプチド、天然化合物などが挙げられる。スクリーニン
グに用いる被検化合物は、必要に応じて適宜標識して用
いられる。標識としては、例えば、放射標識、蛍光標識
などが挙げられるが、これらに制限されない。
【0051】また、本発明は、本発明のタンパク質の受
容体のスクリーニング方法に関する。実施例に示された
ように、造血‐リンパ系細胞の多くが本発明のタンパク
質に対して応答性を有していたことから、これらの細胞
は、本発明のタンパク質に対する受容体を発現している
と考えられる。本発明のタンパク質を利用して、この受
容体を単離することが可能である。
【0052】例えば、本発明のタンパク質の受容体を発
現していることが予想される細胞からタンパク質を回収
し、上記のアフィニティーカラムにより本発明のタンパ
ク質の受容体を得ることができる。得られた本発明のタ
ンパク質の受容体に対して抗体を作製し、この抗体を用
いて、本発明のタンパク質の受容体を発現していること
が予想される細胞から調製したcDNAの発現ライブラリー
をスクリーニングすることにより、該受容体をコードす
るDNAを単離することができる。
【0053】また、本発明のタンパク質に応答性を有す
る細胞のmRNAからcDNAを調製し、本発明のタンパク質に
対する応答性を有さない細胞のmRNAとハイブリダイズさ
せて共通のものを除去して残ったcDNAをスクリーニング
するサブトラクションにより、本発明のタンパク質の受
容体をコードするDNAをスクリーニングすることもでき
る。また、本発明のタンパク質の受容体を発現している
ことが予想される細胞からcDNAを調製して細胞に安定導
入し、本発明のタンパク質をリガンドとして用いたスク
リーニングや、本発明のタンパク質の受容体に対する抗
体を用いたスクリーニングにより、受容体をコードする
DNAを単離することもできる。さらに、本発明のタンパ
ク質の受容体を発現していることが予想される細胞から
cDNAを調製して、COS細胞への導入による一過性の発現
を利用してスクリーニングすることも可能である。ま
た、本発明のタンパク質の受容体を発現していることが
予想される細胞からmRNAを調製して、アフリカツメガエ
ル卵に注入して受容体の機能的なスクリーニングを行っ
たり、本発明のタンパク質と相同性が認められる既知の
サイトカインに対する既知の受容体のホモロジーを基
に、ハイブリダイゼーションやPCRによりクローニング
することも考えられる(横田崇・新井賢一 編, 実験医
学別冊 バイオマニュアルシリーズ3 遺伝子クローニ
ング実験法, 1993年発行, pp.99-156)。
【0054】また、本発明は、本発明のタンパク質によ
るリンパ-造血細胞の増殖の抑制を減少させる活性を有
する化合物をスクリーニングする方法に関する。この方
法は、本発明のタンパク質によるリンパ-造血細胞の細
胞増殖の抑制活性を指標とする方法であり、具体的に
は、(a)被検試料の存在下で、本発明のタンパク質を
リンパ-造血細胞に接触させる工程、(b)該細胞の増
殖を検出する工程、および(c)被検化合物被存在下に
おいて検出した場合(対照)比較して、本発明のタンパ
ク質により引き起こされる該細胞の増殖の抑制を減少さ
せる活性を有する化合物を選択する工程、を含む方法で
ある。
【0055】スクリーニングに用いる被検試料として
は、例えば、細胞抽出液、遺伝子ライブラリーの発現産
物、合成低分子化合物、タンパク質、天然または合成ペ
プチド、天然化合物、血清などが挙げられるが、これら
に制限されない。また、本発明のタンパク質との結合活
性を指標とした上記のスクリーニングにより単離された
化合物を被検試料として用いることも可能である。スク
リーニングに用いる本発明のタンパク質としては、精製
したタンパク質であってもよく、また、本発明のタンパ
ク質を分泌する形質転換体の培養上清であってもよい。
【0056】また、スクリーニングに用いるリンパ-造
血細胞としては、本発明のタンパク質によりその増殖が
抑制されるものであれば特に制限はないが、好適な細胞
としては、例えば、B系統細胞株1A9、BC7.12、BC7.7、F
10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP2/0、T細胞系リン
パ腫細胞株BW1597、骨髄単球性白血病細胞株WEHI3が挙
げられる。
【0057】本発明のタンパク質は、リンパ-造血細胞
の増殖抑制活性を有するため、被検化合物非存在下の場
合、該細胞の増殖は抑制される。被検化合物存在下にお
いて、該細胞の増殖の抑制が減少すれば、その化合物
は、本発明のタンパク質によるリンパ-造血細胞の増殖
の抑制を減少させる活性を有する化合物と判定される。
本発明において「増殖の抑制の減少させる活性」とは、
増殖の抑制を完全に阻害する活性を含む。
【0058】このスクリーニングにより単離される化合
物としては、例えば、本発明のタンパク質に結合し、
その活性を阻害する化合物、本発明のタンパク質また
はその受容体に結合し、本発明のタンパク質とその受容
体との結合を阻害する化合物、本発明のタンパク質の
受容体に結合し、その活性化を阻害する化合物、本発
明のタンパク質の受容体から細胞増殖の表現系を発現す
るに至るシグナル伝達を阻害する化合物が含まれる。こ
れら化合物は、本発明のタンパク質を介したシグナル伝
達系の異常などに起因する疾患(例えば、造血‐リンパ
系の異常に起因する疾患)の予防薬や治療薬への応用が
考えられる。
【0059】本発明のタンパク質、または本発明のスク
リーニング方法により単離される化合物を薬剤として用
いる場合には、本発明のタンパク質やスクリーニングに
より単離された化合物自体を直接患者に投与する以外
に、公知の製剤学的方法により製剤化して投与を行うこ
とも可能である。例えば、薬理学上許容される担体もし
くは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、
乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤などと適宜組み合
わせて製剤化して投与することが考えられる。患者への
投与は、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射な
どのほか、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、または経口
的に当業者に公知の方法により行いうる。投与量は、患
者の体重や年齢、投与方法などにより変動するが、当業
者であれば適当な投与量を適宜選択することが可能であ
る。また、該化合物がDNAによりコードされうるもので
あれば、該DNAを遺伝子治療用ベクターに組込み、遺伝
子治療を行うことも考えられる。投与量、投与方法は、
患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者
であれば適宜選択することが可能である。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に制限されるものではな
い。
【0061】[実施例1] リンパ-造血を負に調節する
新規な因子BGIFの同定 (1−1)細胞培養 ヒトの腎細胞癌細胞株293T、マウス ストローマクロー
ン株BMS2(Pietrangeli, C.E. et al., 1988, Eur. J.
Immunol. 18: 863-872)およびそのサブクローン株BMS
2.4(Kincade, K.W. et al., 1991, Adv. Exp. Med. Bi
ol. 292: 227-234)、ならびにマウスの骨髄系白血病細
胞株WEHI3(ATCC No. TIB-68)は、10%のウシ胎児血清
(fetal calf serum:FCS; GIBCO, Grand Island, NY)
を添加したダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's m
odified Eagle's medium; Nakarai Tesque, Kyoto, Jap
an)を用いて維持を行った。
【0062】(1−2)BMS2.4 cDNAライブラリーのス
クリーニング 骨髄由来ストローマ細胞株のサブクローンであるBMS2.4
は、いくつかの型の造血細胞株の増殖を抑制する可溶性
因子を産生する(Kincade, K.W. et al., 1991, Adv. E
xp. Med. Biol. 292: 227-234; Oritani, K. et al., 1
999, Blood 93:1346-1354)。TNF-α、TGF-β、またはI
FN-βに対する中和抗体による効果を調べたところ、こ
れらの抗体はBMS2.4培養上清の効果を阻害しないことが
判明した。従って、BMS2.4培養上清が持つ増殖抑制効果
は、これらの因子のいずれかによるものではないと考え
られる。このBMS2.4産物を単離するため、増殖抑制を指
標とした発現クローニングを行った。
【0063】ポリアデニル化したRNAを、Fast Track mR
NA isolation kit (Invitrogen, San Diego, CA)を用い
てBMS2.4細胞から単離した。二重鎖 cDNAをTimeSaver c
DNAsynthesis kit(Pharmacia, Uppsala, Sweden)を用い
て合成し、BstXI アダプター(Invitrogen)をライゲーシ
ョンし、哺乳動物細胞発現ベクターpEF-BOS(S. Mizush
ima and S. Nagata, 1990, Nucl. Acids Res. 18: 532
2, 大阪大学医学部遺伝学教室 長田重一教授より供与)
中にクローン化した。プラスミドcDNAを数百のクローン
のプールから精製し、リン酸カルシウム共沈殿法により
293T細胞にトランスフェクトした。各トランスフェクタ
ントの培養上清を回収し、増殖抑制の効果を検定した。
【0064】スクリーニングのための標的細胞として
は、BMS2.4上清に対する感受性が特に強い骨髄単球性白
血病細胞株WEHI3を使用した。トランスフェクトした293
T細胞の培養上清をWEHI3細胞の培地に加え、細胞の増殖
を、3-(4,5-ジメチルチアゾル)-2,5-ジフェニルテトラ
ゾリウムブロマイドを用いた比色定量分析(MTT assa
y)により評価した。具体的には、平底の96ウェルマイ
クロタイタープレートを用いて、3連で細胞を培養し
た。MTT(PBS中の5mg/mL溶液のうち10μL )を培養の最
後の4時間の間添加し、酸-イソプロパノール(イソプロ
パノール中0.04N HCl)を添加し、混合した。吸光度を
試験波長540nmでMicroelisa plate reader(Corona Elec
tric,Ibaragi, Japan)を用いて計測した。
【0065】WEHI3細胞増殖の阻害を指標にライブラリ
ーのスクリーニングを行い、陽性プールを次第に小さな
プールへと分割していき、単一のクローンを単離するま
でスクリーニングを繰り返した。約1×105のクローンを
選抜した結果、1つのクローン(クローン159-3-3)を
単離することに成功した。そのクローンのインサートDN
Aは、WEHI3細胞の増殖抑制因子をコードしていた。図1
に示すように、クローン化した159-3-3プラスミドをト
ランスフェクトした293T細胞の上清は、BMS2.4の上清と
同様、WEHI3細胞の増殖を抑制する効果を示した。
【0066】[実施例2] BGIFタンパク質の同定 (2−1)1次構造 単離されたクローンの挿入をpBluescript(Stratagene,
La Jolla, CA)中にサブクローン化し、ヌクレオチド
配列を自動DNAシーケンサー(Applied Biosystems, Fos
ter City, CA)を用いて決定した。クローン化したプラ
スミド159-3-3は、997bpの cDNAインサートを含む(図
2/配列番号:1)。ヌクレオチドデータベースの検索
を、GCG コンピュータープログラム(Genetics Computer
Group,Madison, WI)のBLASTおよびFASTAを用いて行っ
た。その結果、この配列と同一のcDNAまたはゲノムDNA
は先に報告されていなかった。そこで、このクローン化
した分子を「血液細胞増殖抑制因子(Blood Cell Growt
h-Inhibiting Factor: BGIF)」と命名した。最初のATG
から翻訳されるタンパク質は、33のアミノ酸(配列番
号:2)から成ると予想される。それに対して、2番目
のATGから翻訳されるタンパク質は、182のアミノ酸(配
列番号:3)から成り、シグナルペプチドと思われる疎
水性の高い21のアミノ酸残基(配列番号:4)をアミノ
末端に持つ。
【0067】(2−2)機能的タンパク質の同定 次に、BGIF cDNA中にあるATGのどれが機能的であるのか
を解析した。まず、SV40初期エンハンサー/プロモータ
ーの制御下でBGIFの第1または第2ATGからウミシイタ
ケ(renilla)ルシフェラーゼが翻訳されるようなプラ
スミド、1st-ATG/pRL-SV40または2nd-ATG/pRL-SV40を構
築した。
【0068】BGIFの最初のATGを用いてウミシイタケ ル
シフェラーゼが産生されるようにするため、BGIF cDNA
を、5'-GGGCTGCAGTCAGCGAGCAAGAGCCCGAAG-3'(配列番
号:5)および5'-GGGGCTAGCCACAGGCAGCATGCTGAAGCTTGA
-3'(配列番号:6)を用いたポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)により増幅した。BGIFの2番目のATGを用いてウミ
シイタケ ルシフェラーゼタンパク質が産生されるよう
にするため、BGIF cDNAを5'-GGGCTGCAGTCAGCGAGCAAGAGC
CCGAAG-3'(配列番号:5)および5'-GGGGCTAGCACAGGCA
GCATGCTGAAGCTTGA-3'(配列番号:7)を用いたPCRによ
り増幅した。増幅した断片をPstIおよびNheIで消化し、
pRL-SV40プラスミド(Promega, Madison,WI, USA)の中
にクローン化した(それぞれ1st-ATG/pRL-SV40および2n
d-ATG/pRL-SV40と称する)。ウミシイタケ ルシフェラ
ーゼタンパク質を発現するためにpRL-SV40中にもともと
存在していたATG部位は、直接部位変異導入法により破
壊しておいた。従って、ウミシイタケ ルシフェラーゼ
タンパク質は、SV40初期エンハンサー/プロモーターの
制御下で、1st-ATG/pRL-SV40および2nd-ATG/pRL-SV40に
おいてBGIF cDNAのそれぞれのATGから翻訳されるように
なっている。すべてのプラスミドの構築物はシーケンシ
ングにより確認した。
【0069】これらのプラスミドをBMS2.4またはBMS2細
胞にトランスフェクションし、ルシフェラーゼ活性の検
出を行った。ルシフェラーゼ検定は、デュアル-ルシフ
ェラーゼレポーターシステム(Dual-Luciferase Report
er System; Promega, Madison, WI)を用いて行った。
トランスフェクション効率は、ホタル ルシフェラーゼ
の発現ベクターである、pGL-Control Vector (Promega)
をコトランスフェクトすることにより計測した。10μg
の1st-ATG/pRL-SV40または2nd-ATG/pRL-SV40を、5μgの
pGL-Control Vectorと共にリポフェクタミンを用いて培
養細胞へトランスフェクトした。トランスフェクトした
細胞をキットに添付されている溶解バッファー中で溶解
させ、ルミノメーターLB96P(Berthold Japan, Tokyo,
Japan)を用いてホタルおよびウミシイタケ ルシフェラ
ーゼの活性を測定した。ホタル ルシフェラーゼ活性に
従って求めたトランスフェクションの効率で標準化し
て、ウミシイタケ ルシフェラーゼ活性を算定した。そ
の結果、主にBGIFの2番目のATGから翻訳されたウミシイ
タケ ルシフェラーゼが産生されることが判明した(図
3A)。
【0070】次に、1番目または2番目のATGから翻訳さ
れたタンパク質を製造した。BGIFの第1、または第2の
ATGから翻訳されるタンパク質を産生するため、BGIFのc
DNAをPCRにより増幅した。この反応に用いられたオリゴ
ヌクレオチドプライマーは以下のものである:第1ATG
から翻訳が開始されるタンパク質には5'-GGGCTCGAGTCAG
CGAGCAAGAGCCCGAAG-3'(配列番号:8)および5'-GGGCT
CGAGCTGGGCTGCAGCTCAGCA-3'(配列番号:9);第2ATG
から翻訳が開始されるタンパク質は5'-GGGCTCGAGAATCGT
CAAGCTTCAGCA-3'(配列番号:10)および5'-GGGCTCGA
GCTTCTCCTCATCTTGGGC-3'(配列番号:11)。増幅され
た断片をXhoIを用いて消化し、pEF-BOSの3524位にあるX
hoIを部位特異的変異導入により除去して構築したpEFBO
SXプラスミドの中にクローン化を行った(それぞれ1st-
ATG/pEFBOSXおよび2nd-ATG/pEFBOSXと称する)。全ての
プラスミドの構築物はシーケンシングにより確認した。
【0071】これらのプラスミドを293T細胞にトランス
フェクションし、培養上清を回収して分泌されたタンパ
ク質を得た。このようにして製造された各培養上清をWE
HI3細胞の培地中に添加し、WEHI3細胞の増殖を測定し
た。その結果、2nd-ATG/pEFBOSXをトランスフェクトし
た293T細胞の上清はWEHI3細胞の増殖を抑制したが、1st
-ATG/pEFBOSXをトランスフェクトした293Tの上清は抑制
しなかった(図3B)。従ってBGIFの機能的産物は2番目
のATGから翻訳されたものであることが判明した。
【0072】図2に示すように、推定されるBGIFタンパ
ク質は、アミノ末端に疎水性の高い21アミノ酸残基を持
つが、内部に膜貫通ドメインを持たないため、BGIFは分
泌タンパク質であると考えられる。BGIFのアミノ酸配列
中には、アミノ酸68位にN結合グリコシレーション部位
と考えられるAsn-X-Ser/Thr配列を含むことから、BGIF
はグリコシル化されると予想される。FASTAおよびBLAST
プログラムを用いてBGIF配列のコンピューターで検索を
行った結果、アミノ酸レベルでみると、BGIFはIFN-α
(166アミノ酸にわたって31.9%の同一性)、およびIFN-
β(166アミノ酸にわたって25.9%の同一性)と相同性
を有している(図4)。しかし、BGIFタンパク質におけ
る6つのシステイン残基は、IFN-αまたはIFN-βのそれ
らと同一ではない。
【0073】[実施例3] 造血器官におけるBGIFの遺伝
子発現 BGIFの遺伝子発現を調べるため、ノザンブロット解析を
行った。ポリA+RNAをFast Track mRNA isoration kit
(Invitrogen)を用いてWEHI3細胞およびBMS2.4細胞から
単離し、ホルムアルデヒドアガロースゲルで電気泳動を
行い、ナイロン膜(Amersham)上に転写した。BGIFおよ
びβ-アクチン遺伝子のcDNA断片をrandomprimed DNA la
bering kit (Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)
を用いて3 2P-dCTPで標識し、膜にハイブリダイズさせ
た。その後、ブロットを洗浄し、オートラジオグラフを
行った。その結果、BGIF mRNAのサイズは約1kbであり、
BMS2.4では発現しているがWEHI3では発現していないこ
とが明らかとなった(図5A)。
【0074】さらに、逆転写(RT)-PCRでマウスの骨髄お
よび脾臓における発現を測定した。全RNA(2.5μg)
を、M-MLV逆転写酵素(GIBCO)、オリゴdT(1μg)、0.
1M DTT、10mM 各dNTP、および1×RTバッファーから成る
50μLの反応液中で逆転写反応(RT)を行った。PCRを行う
ために、上記RT混合物のうち10μLを、1.5mM MgCl2、1U
Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer, Branchburg, New Jer
sey)、2mM 各 dNTP、ならびに適切なセンスおよびアン
チセンスプライマーを含むPCRバッファーに添加した。
反応に使用したオリゴヌクレオチドプライマーは、BGIF
については5'-TCCAGCGTCCAGCGCAGC-3'(配列番号:1
2)および5'-AGCACTTGCAGCTCACGC-3'(配列番号:1
3)、β-アクチンについては5'-CCTAAGGCCAACCGTGAAAA
G-3'(配列番号:14)および5'-TCTTCATGGTGCTAGGAGC
CA-3'(配列番号:15)である。PCR反応混合物を、94
℃で1分間、55℃で2分間、72℃で3分間を28サイクル繰
り返す条件で増幅した。
【0075】図5Bに示すように、PCRで増幅した509bp
のバンドが、BMS2.4 mRNAを逆転写したサンプルから観
察された。同じサイズの産物が、培養骨髄または脾接着
細胞のRNAや、生体から採取した骨髄または脾細胞のRNA
を用いたRT-PCRによっても観察された。この増幅はBGIF
に特異的であることが、PCR産物をシーケンシングする
ことで確認された。
【0076】即ち、BGIF mRNAは骨髄および脾臓で発現
しており、少なくともいくつかの骨髄および脾臓のスト
ローマ細胞で発現していることが判明した。
【0077】[実施例4] リンパ-造血細胞株におけるB
GIFの効果 BGIFの機能をさらに解析するため、Ig/pEFBOSXベクター
(Oritani, K. and Kincade P.W., 1996, J. Cell Bio
l. 134: 771-782)を用いて、ヒトIgG1のCH2+CH3カセッ
トから成るイムノグロブリン(Ig)との融合タンパク質
を作製した。BGIF cDNAの全コード領域を、5'-GGGGCGGC
CGCCGCAATCGTCAAGCTTCA-3'(配列番号:16)および5'
-GGGCTCGAGCTTGGGCCTCTTCTCGCAGA-3'(配列番号:1
7)を用いてPCRにより増幅した。PCR増幅産物はNotIお
よびXhoIを用いて消化し、Ig/pEFBOSベクター中にライ
ゲーションした(BGIF-Ig/BOS)。プラスミドの構築物
はシーケンシングにより確認した。
【0078】BGIF-Ig/BOSプラスミドをトランスフェク
トした293T細胞の上清から調製したBGIFとIgの融合タン
パク質(BGIF-Ig)を、プロテインAカラム(Pierce, Ro
ckford, IL)を用いて精製した。CD44とヒトIgGの定常
領域から成るCD44-Ig(Oritani, K. and Kincade P.W.,
1996, J. Cell Biol. 134: 771-782)を同様に調製
し、陰性対照として用いた。
【0079】これらの精製タンパク質を、WEHI3細胞の
培地に添加し、WEHI3細胞の増殖に対する効果を測定し
たところ、BGIF-Igは、濃度依存にWEHI3細胞に対する増
殖抑制効果を示し、10ng/mLの濃度でその効果は最大と
なった。またCD44-Igにはそのような効果は観察されな
かった。
【0080】次に、100ng/mLのBGIF-IgまたはCD44-Igの
存在下、さまざまなリンパ-造血細胞株を48時間培養
し、その増殖および生存力を評価した(表1)。
【0081】マウスの骨髄系白血病細胞株M1は、10%の
ウシ胎児血清(fetal calf serum:FCS; GIBCO, Grand I
sland, NY)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(D
ulbecco's modified Eagle's medium; Nakarai Tesque,
Kyoto, Japan)を用いて維持を行った。マウス プレB
細胞のクローン1A9、BC7.12、BC7.7、2E8およびF10は1n
g/mLのIL-7(R&D Systems, Minneapolis, MN)の存在
下、5%のFCSおよび5×10M 2-メルカプトエタノール
を添加したマッコイの5A培地(McCoy's 5A medium; GIB
CO)を用いて維持を行った。マウス リンパ腫細胞株(7
OZ/3、WEHI231、BW5147、BCL1、SP2/0、およびEL4)お
よびウイルスでトランスフォームさせたプレB細胞株18.
81は、10%のFCSおよび5×10M 2-メルカプトエタノー
ルを添加したRPMI1640培地(Nakarai Tesque)を用いて
維持を行った。マウスの多能性細胞株EML-C1は、20%の
ウマ血清(ICN Biomedical Inc.,Costa Mesa, CA)およ
び10ng/mLのSCF(Kirin Brewery Co Ltd, Tokyo, Japan
より供与)を添加したイスコフの改変ダルベッコ培地
(Iscove's modified Dulbecco's medium:GIBCO)を用
いて維持を行った。
【0082】細胞の増殖は 3H-チミジンの取り込みアッ
セイで測定した。具体的には、平底の96ウェルマイクロ
タイタープレートを用いて、3連で細胞を培養した。各
ウェルは、0.5μCi 3H-チミジン(sp.act.:5 Ci/mM;Amer
sham International, Amersham, Bucks, UK) で4時間
パルスラベルした。その後、細胞をセミオートマチック
セルハーベスター(model 1295; Pharmacia LKB Biotec
hnology, Piscataway,NJ)で回収した。その後、H-チ
ミジンの取り込みを液体シンチレーションカウンターで
測定した。
【0083】BGIFタンパク質の効果は、刺激指数(stim
utlation index; S.I.)= (BGIF-Ig存在下におけるチ
ミジンの取り込み[cpm])/(CD44-Ig存在下におけるチミ
ジンの取り込み[cpm]) で表した。細胞の生存力はトリ
パンブルーの排除アッセイで評価した。数値は2つの独
立した実験の平均を表している。
【0084】
【表1】
【0085】表1にあるように、BGIF-IgはB系統細胞株
(1A9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI
231、SP2/0)、T細胞系リンパ腫細胞株(BW1597)、お
よび骨髄単球性白血病細胞株(WEHI3)の増殖を抑制し
た。多くの細胞株は死ななかったが、プレB細胞クロー
ン由来の5種類の長期骨髄培養のうち3つ(1A9、BC7.1
2、2E8)は、BGIF-Igの処理によりその生存力を失っ
た。それに対し、リンパ腫細胞株(BCL1およびEL4)お
よび骨髄系細胞株(M1)はBGIF-Igの影響を受けなかっ
た。これらの結果から、BGIFは多様なリンパ-造血細胞
株の増殖を抑制すると考えられる。
【0086】リンパ-造血始原細胞の増殖に対するBGIF
の直接的影響を評価するため、半固体アガークローニン
グ検定を行った。以前記載された方法に従い骨髄細胞を
調製し、検定用培地1mM中で懸濁した(Medina, K.L. et
al., 1993, J. Exp. Med. 178: 1507)。B-リンパ球前
駆細胞(CFU-IL-7)の半固体アガー中でのコロニー形成
検定は、1ng組換えマウスIL-7(R&D Systems, Minneapo
lis,MN)を用いて行った。骨髄系細胞(CFU-c)に対す
る始原細胞検定は、L細胞培養培地を10倍に希釈し、そ
の25μLを用いて行った。全コロニー検定は35-mmディッ
シュを使って行い、37℃で6日間インキュベートした。
【0087】図6に示すように、BGIF-Igを添加する
と、IL-7応答性のプレB細胞(CFU-IL-7)のクローニン
グの効率は減少した。更にBGIF-Igは、L細胞培養培地に
含まれるコロニー刺激因子に対する骨髄系始原細胞(CF
U-c)の応答性を減少させた。それに対して、CD44-Ig融
合タンパク質はいずれの培養においても明確な効果を示
さなかった。
【0088】従って、BGIFはトランスフォームしたリン
パ-造血細胞および正常リンパ-造血細胞の増殖を抑制す
ることが判明した。
【0089】
【発明の効果】本発明のBGIFタンパク質は、リンパ−造
血細胞の増殖を抑制する活性を有しており、リンパ-造
血系の疾患の診断や治療などへ応用しうる。また、BGIF
タンパク質は、リンパ-造血疾患の病原のメカニズムを
解明するのに有用なツールとなる他、該疾患の医薬品候
補化合物のスクリーニングに利用することも可能であ
る。また、BGIF遺伝子は、該疾患の遺伝子治療への応用
が考えられる。即ち、本発明により、リンパ-造血系の
疾患の診断や治療のための新たな途が開かれた。
【0090】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Center for Advanced Science and Technology Incubation, Ltd. <120> Proteins which suppress proliferation of lympho-hematopoietic cells <130> SEN-103 <140> <141> <160> 17 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 997 <212> DNA <213> Mus musculus <220> <221> CDS <222> (161)..(706) <400> 1 agaagtcgcg tccagcgtcc agcgcagcgc aggcagtcag cgagcaagag cccgaagctc 60 cgagtgaact attaaagcag caaactccag gctcaatggg aaggcggcct tgccctcgcg 120 ctccccctgc aggccagccc cgcaatcgtc aagcttcagc atg ctg cct gtg cat 175 Met Leu Pro Val His 1 5 cta ttc ctg gtg gga ggg gtg atg ctg agc tgc agc cca gcc agc tca 223 Leu Phe Leu Val Gly Gly Val Met Leu Ser Cys Ser Pro Ala Ser Ser 10 15 20 ctt gat tct ggt aaa tct ggg agc ctg cac ctg gag cgc agc gaa acc 271 Leu Asp Ser Gly Lys Ser Gly Ser Leu His Leu Glu Arg Ser Glu Thr 25 30 35 gcg cgc ttc cta gca gag ctc cga agc gtg ccg ggt cac cag tgc ctg 319 Ala Arg Phe Leu Ala Glu Leu Arg Ser Val Pro Gly His Gln Cys Leu 40 45 50 cgg gac agg acc gat ttc cca tgt ccc tgg aag gaa gga act aac atc 367 Arg Asp Arg Thr Asp Phe Pro Cys Pro Trp Lys Glu Gly Thr Asn Ile 55 60 65 aca cag atg act ctg gga gaa acc acc agt tgc tac tcc cag acc ctc 415 Thr Gln Met Thr Leu Gly Glu Thr Thr Ser Cys Tyr Ser Gln Thr Leu 70 75 80 85 agg cag gtc ctc cac ctc ttt gac aca gag gcc agc aga gct gcc tgg 463 Arg Gln Val Leu His Leu Phe Asp Thr Glu Ala Ser Arg Ala Ala Trp 90 95 100 cac gag agg gcg ctg gac cag cta cta tct agc ctg tgg cgt gag ctg 511 His Glu Arg Ala Leu Asp Gln Leu Leu Ser Ser Leu Trp Arg Glu Leu 105 110 115 caa gtg ctg aag agc cca aga gag cag ggc cag tcc tgt cca ctg cct 559 Gln Val Leu Lys Ser Pro Arg Glu Gln Gly Gln Ser Cys Pro Leu Pro 120 125 130 ttt gcc ctg gcc atc cgc acc tac ttc cga ggg ttc ttc cgc tat ctg 607 Phe Ala Leu Ala Ile Arg Thr Tyr Phe Arg Gly Phe Phe Arg Tyr Leu 135 140 145 aag gca aag gca cac agc gct tgc tcc tgg gag atc gtc aga gtc caa 655 Lys Ala Lys Ala His Ser Ala Cys Ser Trp Glu Ile Val Arg Val Gln 150 155 160 165 ttg caa gtg gac ctt cca gcg ttc cca ctg tct gcg aga aga ggc cca 703 Leu Gln Val Asp Leu Pro Ala Phe Pro Leu Ser Ala Arg Arg Gly Pro 170 175 180 aga tgaggagaag ccccgtgcag gaatctctct gctctcgtga caccacgctc 756 Arg cctctctcca ttcaaagcag acgcacggat tcggattcag caccaacagg cgaaatgggc 816 atgcatcgac caagaacatc gagttcttta tgtcttccct gccagaggcc ccgaagcatc 876 ctactgtaca tcatacactg cgaaagatgt ttgaaagaaa acctgtgctc ttgcatttga 936 ggtggcttct gaataaattg atgatctcgg ttaaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa 996 a 997 <210> 2 <211> 33 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 2 Met Gly Arg Arg Pro Cys Pro Arg Ala Pro Pro Ala Gly Gln Pro Arg 1 5 10 15 Asn Arg Gln Ala Ser Ala Cys Cys Leu Cys Ile Tyr Ser Trp Trp Glu 20 25 30 Gly <210> 3 <211> 182 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 3 Met Leu Pro Val His Leu Phe Leu Val Gly Gly Val Met Leu Ser Cys 1 5 10 15 Ser Pro Ala Ser Ser Leu Asp Ser Gly Lys Ser Gly Ser Leu His Leu 20 25 30 Glu Arg Ser Glu Thr Ala Arg Phe Leu Ala Glu Leu Arg Ser Val Pro 35 40 45 Gly His Gln Cys Leu Arg Asp Arg Thr Asp Phe Pro Cys Pro Trp Lys 50 55 60 Glu Gly Thr Asn Ile Thr Gln Met Thr Leu Gly Glu Thr Thr Ser Cys 65 70 75 80 Tyr Ser Gln Thr Leu Arg Gln Val Leu His Leu Phe Asp Thr Glu Ala 85 90 95 Ser Arg Ala Ala Trp His Glu Arg Ala Leu Asp Gln Leu Leu Ser Ser 100 105 110 Leu Trp Arg Glu Leu Gln Val Leu Lys Ser Pro Arg Glu Gln Gly Gln 115 120 125 Ser Cys Pro Leu Pro Phe Ala Leu Ala Ile Arg Thr Tyr Phe Arg Gly 130 135 140 Phe Phe Arg Tyr Leu Lys Ala Lys Ala His Ser Ala Cys Ser Trp Glu 145 150 155 160 Ile Val Arg Val Gln Leu Gln Val Asp Leu Pro Ala Phe Pro Leu Ser 165 170 175 Ala Arg Arg Gly Pro Arg 180 <210> 4 <211> 21 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 4 Met Leu Pro Val His Leu Phe Leu Val Gly Gly Val Met Leu Ser Cys 1 5 10 15 Ser Pro Ala Ser Ser 20 <210> 5 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 5 gggctgcagt cagcgagcaa gagcccgaag 30 <210> 6 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 6 ggggctagcc acaggcagca tgctgaagct tga 33 <210> 7 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 7 ggggctagca caggcagcat gctgaagctt ga 32 <210> 8 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 8 gggctcgagt cagcgagcaa gagcccgaag 30 <210> 9 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 9 gggctcgagc tgggctgcag ctcagca 27 <210> 10 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 10 gggctcgaga atcgtcaagc ttcagca 27 <210> 11 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 11 gggctcgagc ttctcctcat cttgggc 27 <210> 12 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 12 tccagcgtcc agcgcagc 18 <210> 13 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 13 agcacttgca gctcacgc 18 <210> 14 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 14 cctaaggcca accgtgaaaa g 21 <210> 15 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 15 tcttcatggt gctaggagcc a 21 <210> 16 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 16 ggggcggccg ccgcaatcgt caagcttca 29 <210> 17 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 17 gggctcgagc ttgggcctct tctcgcaga 29
【図面の簡単な説明】
【図1】クローン159-3-3は、WEHI3の増殖抑制因子をコ
ードするcDNAを有していることを示した図である。クロ
ーン化した159-3-3プラスミドまたは対照のプラスミドp
EF-BOSを、リン酸カルシウム沈殿法を用いて293T細胞に
トランスフェクトした。3日間培養した後で各トランス
フェクタントの上清を回収した。BMS2およびBMS2.4細胞
を、コンフルエントに達したあと3日間培養し、その上
清を回収した。図示した培養上清を10%添加し、WEHI3
細胞(5×103/ウェル)を2日間培養した。WEHI3細胞
の増殖はMTT分析で評価を行った。統計上、対照の値と
有意な差がみられたものにはアステリスクをつけた(p<
0.01)。
【図2】997塩基対のBGIF cDNAのヌクレオチド配列およ
び推定されるアミノ酸配列を示す図である。BGIFの一番
目のATGおよび2番目のATGを□で表示した。最初のATG
から翻訳された推定されるアミノ酸配列を上段に、2番
目のATGから翻訳されたものを下段に示した。ポリアデ
ニル化シグナルAATAAAには下線をつけた。
【図3】BGIFの2番目のATGから翻訳された産物は主な
機能的タンパク質であることを示す図である。 (A)1st-ATG/pRL-SV40(白カラム)または2nd-ATG/pRL-S
V40(黒カラム)をpGL-対照ベクターとともに、リポフ
ェクタミントランスフェクションによりBMS2.4およびBM
S2細胞へトランスフェクトした。2日間培養して、細胞
を回収し、ルシフェラーゼ検定を行った。ホタルのルシ
フェラーゼ活性により決定したトランスフェクション効
率で標準化して相対ウミシイタケ ルシフェラーゼ活性
を算定した。統計上対照の値と有意に差が見られたもの
には、アステリスクをつけた(p<0.01)。 (B)1st-ATG/pEFBOSXおよび2nd-ATG/pEFBOSXのプラス
ミドをそれぞれ、リン酸カルシウム沈殿法を用いて、29
3T細胞にトランスフェクトした。トランスフェクタント
を3日間培養し、その上清を回収した。図示した上清を
10%添加し、WEHI3細胞(5×103/ウェル)を2日間培養
した。WEHI3細胞の増殖をMTT検定により評価した。
【図4】BGIF、IFN-α、およびIFN-βのアミノ酸配列の
アラインメントを示す図である。アステリスクはBGIFと
アミノ酸が同一であることを示す。ダッシュ(−)は整
列時に挿入したギャップを示している。
【図5】リンパ-造血器官におけるBGIFの発現を示す図
である。 (A)ポリA+RNA(5μg/レーン)をWEHI3およびBMS2.4
細胞から単離し、ノザンブロット解析を行った。下のパ
ネルは同じブロットをβ-アクチンでプローブした対照
を示したものである。 (B)全RNA(2.5μg)を図示した細胞から単離し、RT-P
CRを行った。増幅した産物をエチジウムブロマイドを含
む1%アガロースゲル中で電気泳動を行った。
【図6】コロニー検定におけるBGIF-Igの効果を示す図
である。BGIF-IgおよびCD44-Igを、100ng/mLの濃度でマ
ウス骨髄細胞(A)CFU-IL-7および(B)CFU-cに加え、
コロニー検定を行った。結果は105 骨髄細胞当たりのコ
ロニーの平均数±SD(n=3)で示した。統計上対照(CD4
4-Ig)の値と有意な差が見られるものに、アステリスク
をつけた(p<0.01)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 C07K 14/52 4C084 C07K 14/52 16/24 4C085 16/24 C12N 1/15 4H045 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 A61K 37/02 33/53 C12N 5/00 A //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 松澤 佑次 兵庫県宝塚市雲雀丘山手2−21−23 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 CA17 CA18 CB01 DA13 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA21 CA04 CA06 CA07 CA09 CA20 DA02 DA03 EA04 GA11 GA13 GA25 GA27 HA03 HA13 HA14 4B063 QA05 QQ21 QQ41 QQ61 QQ89 QQ91 QR77 QS38 QX10 4B064 AG02 CA10 CA19 CC01 CC24 CE03 CE12 DA01 DA13 4B065 AA91Y AA93X AB01 AC14 AC15 BA02 BA24 BC01 BD14 BD50 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA17 BA01 BA02 BA22 BA23 CA56 NA14 ZB211 ZB212 ZB271 ZB272 4C085 AA13 BB11 CC02 4H045 AA10 AA20 AA30 CA40 DA01 EA20 EA50 FA74 GA26

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リンパ-造血細胞の増殖を抑制する活性
    を有するタンパク質であって、下記(a)から(c)よ
    り選択されるタンパク質。 (a)配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタン
    パク質。 (b)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1若
    しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/ま
    たは付加したアミノ酸配列からなるタンパク質。 (c)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAとハ
    イブリダイズするDNAがコードするタンパク質。
  2. 【請求項2】 リンパ−造血細胞が、B系統細胞株1A9、
    BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI231、SP
    2/0、T細胞系リンパ腫細胞株BW1597、骨髄単球性白血病
    細胞株WEHI3からなる群より選択される、請求項1に記
    載のタンパク質。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のタンパク質を
    コードするDNA。
  4. 【請求項4】 配列番号:1に記載の塩基配列のコード
    領域を含む、請求項3に記載のDNA。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載のDNAが挿入さ
    れたベクター。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のベクターを保持する宿
    主細胞。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の宿主細胞を培養し、該
    細胞内で発現した組み換えタンパク質を、該培養細胞ま
    たはその培養上清から回収する工程を含む、請求項1ま
    たは2に記載のタンパク質の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載のタンパク質に
    対する抗体。
  9. 【請求項9】 請求項1または2に記載のタンパク質の
    部分ペプチド。
  10. 【請求項10】 配列番号:1に記載の塩基配列からな
    るDNAと特異的にハイブリダイズし、少なくとも15塩
    基の鎖長を有するDNA。
  11. 【請求項11】 請求項1または2に記載のタンパク質
    に結合する化合物のスクリーニング方法であって、
    (a)該タンパク質またはその部分ペプチドに被検試料
    を接触させる工程、(b)該タンパク質またはその部分
    ペプチドと被検試料との結合活性を検出する工程、
    (c)該タンパク質またはその部分ペプチドに結合する
    活性を有する化合物を選択する工程、を含む方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の方法により単離さ
    れうる、請求項1または2に記載のタンパク質に結合す
    る化合物。
  13. 【請求項13】 請求項1または2に記載のタンパク質
    によるリンパ-造血細胞の増殖の抑制を減少させる活性
    を有する化合物をスクリーニングする方法であって、
    (a)被検試料の存在下で、請求項1または2に記載の
    タンパク質をリンパ−造血細胞に接触させる工程、
    (b)該細胞の増殖を検出する工程、および(c)被検
    化合物被存在下において検出した場合(対照)比較し
    て、請求項1または2に記載のタンパク質により引き起
    こされる該細胞の増殖の抑制を減少させる活性を有する
    化合物を選択する工程、を含む方法。
  14. 【請求項14】 リンパ-造血細胞が、B系統細胞株1A
    9、BC7.12、BC7.7、F10、2E8、18-81、7OZ/3、WEHI23
    1、SP2/0、T細胞系リンパ腫細胞株BW1597、骨髄単球性
    白血病細胞株WEHI3からなる群より選択される、請求項
    13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 請求項13または14に記載の方法に
    より単離されうる、請求項1または2に記載のタンパク
    質によるリンパ-造血細胞の増殖の抑制を減少させる活
    性を有する化合物。
  16. 【請求項16】 請求項1または2に記載のタンパク質
    を有効成分とする、リンパ−造血疾患の治療薬。
  17. 【請求項17】 請求項12または15に記載の化合物
    を有効成分とする、リンパ−造血疾患の治療薬。
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