JP2000298482A - 電子楽器およびこれに用いる音源装置 - Google Patents

電子楽器およびこれに用いる音源装置

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JP2000298482A
JP2000298482A JP11105464A JP10546499A JP2000298482A JP 2000298482 A JP2000298482 A JP 2000298482A JP 11105464 A JP11105464 A JP 11105464A JP 10546499 A JP10546499 A JP 10546499A JP 2000298482 A JP2000298482 A JP 2000298482A
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Masato Kanehara
正人 金原
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 EXPペダルの操作に基づいて音の抑揚を制
御するときに、減衰音の減衰特性に影響を及ぼすことな
く、常に自然な発音が得られるようにする。 【解決手段】 持続音の系列と減衰音の系列とを分離
し、減衰音についてはEXPペダル1の操作位置に応じ
て発音開始時のアタックレベルをエンベロープ回路9で
制御し、発音開始後のEXPペダル1に基づく音量制御
はボリューム13で持続音のみにかかるようにすること
により、減衰音の発音中はEXPデータによる音量変化
の影響が減衰音に及ばないようにして、持続音と減衰音
との音量バランスを維持しながら、EXPペダル1の操
作時における減衰音の不自然な変化を防止できるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子楽器およびこれ
に用いる音源装置に関し、特に、オルガン等のような持
続音系の音色と、ピアノ等のような減衰音系の音色とを
同時に発音可能なように構成された電子楽器のエクスプ
レッションペダル操作によるボリューム制御の技術に用
いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子楽器の多くは、複数の楽音発
生チャンネルを備え、同時に複数の楽音を発生可能なよ
うに構成されている。この場合、オルガン等のように鍵
盤のタッチ状態によって音量が変わらない持続音系の音
色の楽音と、ピアノ等のような減衰音系の音色の楽音と
を同時に発音することも可能となっている。
【0003】また、電子楽器においては、通常、全体の
音量をコントロールして抑揚をつけるためのエクスプレ
ッションペダル(以下、EXPペダル)が備えられてい
る。この電子楽器が備えるVCA(Voltage Controlled
Amplifier:電圧制御増幅器)は、EXPペダルの踏み
込み操作量に基づいて、全体の音量(抑揚)を制御す
る。EXPペダルを踏み込むほど音量は大きくなり、開
放するほど音量は小さくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電子楽器では、EXPペダルの操作によって楽音全
体の音量を制御していたため、オルガン音のような持続
音系の音色ばかりでなく、ピアノ音のような減衰音系の
音色にまで音量制御の効果がかかってしまっていた。そ
のため、減衰音の発音中にEXPペダルの操作をする
と、減衰のし方が途中で変化し、不自然に感じられるこ
とがあるという問題があった。
【0005】例えば、減衰音を発音している途中でEX
Pペダルを開放すると、EXPペダルを操作しない場合
と比べて減衰音が速く収束してしまう。また、減衰音を
発音している途中でEXPペダルを踏み込むと、踏み込
む前までは抑制されていた減衰音のボリュームが、踏み
込んだ後は抑制されなくなるので、音量がそれまでより
大きくなってしまうこともある。これらの音は、自然現
象ではあり得ない極めて不自然な音となってしまってい
る。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたものであり、EXPペダルの操作に基づいて
音の抑揚を制御するときに、発音中の減衰音の減衰特性
にEXPペダルによる音量変化の影響を及ぼすことな
く、常に自然な発音が得られるようにすることを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電子楽器は、持
続音系の音色と減衰音系の音色とを同時に発音可能に構
成された電子楽器において、上記持続音系と減衰音系と
で処理系列を分離し、発音開始後におけるエクスプレッ
ションデータに基づく音量制御を上記持続音系に対して
のみ行うようにしたことを特徴とする。ここで、上記減
衰音系については所定の音色パラメータを上記エクスプ
レッションデータに基づいて制御するようにしても良
い。また、上記音色パラメータは、エンベロープ情報、
音色生成用フィルタのカットオフ周波数およびQ値の少
なくとも何れかを含むものであっても良い。さらに、上
記エンベロープ情報は、アタック、ディケイもしくはサ
スティンに関する情報であっても良い。
【0008】本発明による電子楽器の他の態様では、持
続音系の音色と減衰音系の音色とを同時に発音可能に構
成された電子楽器において、上記減衰音系についてはエ
クスプレッションデータを加味してエンベロープを付与
し、上記持続音系については上記エクスプレッションデ
ータを加味せずにエンベロープを付与するエンベロープ
付与手段と、上記エンベロープ付与手段を通過した持続
音系のデータに対して上記エクスプレッションデータに
基づく音量制御を行うボリューム手段とを備えたことを
特徴とする。
【0009】また、本発明の音源装置は、持続音系の音
色と減衰音系の音色とを同時に発音可能に構成された電
子楽器に用いる音源装置において、上記持続音系と減衰
音系とで処理系列を分離し、発音開始後におけるエクス
プレッションデータに基づく音量制御を上記持続音系に
対してのみ行い、上記減衰音系については発音開始時の
アタックレベルを上記エクスプレッションデータに基づ
いて制御するようにしたことを特徴とする。
【0010】本発明は上記技術手段より成るので、発音
開始後にエクスプレッションペダルを操作しても、その
音量操作の影響は減衰音には及ばないようになる。ま
た、本発明の他の特徴によれば、持続音と減衰音とが同
時に発音される場合でも、同じエクスプレッションデー
タに基づいて両系統の音量が制御されることとなるの
で、両音の音量バランスを良好に保つことが可能とな
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。 (第1の実施形態)図1は、第1の実施形態に係る電子
楽器の構成を示すブロック図である。図1において、1
は楽音の音量をコントロールして抑揚をつけるためのE
XPペダル、2は上記EXPペダル1の操作量信号また
は操作位置信号をデジタルデータ(以下、EXPデータ
と称する)に変換するA/D変換器(ADC)である。
【0012】3はCPUであり、ROM6に格納された
プログラムに従って、キーボード4から供給される演奏
データ、ROM6から読み出されるデモデータ、あるい
はMIDI入出力部19から入力されるMIDIデータ
等を音源回路7に送り、発音させる。その際、上記AD
C2から供給されるEXPデータに基づいて楽音の音量
を制御する処理も行う。
【0013】上記ROM6には、上記CPU6の作業プ
ログラムやデモデータの他に、PCM波形データ等が格
納されている。また、RAM5は、CPU3の各種処理
の実行過程において各種の情報を一時的に記憶したり、
各種処理の結果得られた情報を記憶したりする記憶領域
を有しており、CPU3のワーク領域として利用され
る。
【0014】上記キーボード4は、鍵盤部と操作パネル
部とを備えている。鍵盤部は、複数の鍵とその鍵の各々
に対応して設けられた鍵スイッチとを含む1つまたは複
数の鍵盤から成っている。上記鍵スイッチは、押鍵、離
鍵を検出するとともに、鍵の動作スピードも検出するよ
うに構成されている。また、操作パネル部には、リズ
ム、音色、音量、効果等を設定するための操作子の他、
プリセットされているデモデータに基づく自動演奏を指
示するためのスイッチ等が配置されている。
【0015】上記CPU3は、例えば、上記キーボード
4における鍵盤部の各鍵スイッチのスキャン処理および
操作パネル部の各操作子のスキャン処理を行い、鍵盤部
の各鍵の操作状態(押鍵、離鍵、操作鍵のキーナンバ、
鍵の操作スピードに関するベロシティ等)および操作パ
ネル部の各操作子の操作状態を検出し、各鍵または操作
子の操作に応じて各種処理を実行する。
【0016】また、上記音源回路7は、複数の楽音発生
チャンネルを備え、同時に複数の楽音を発生可能なよう
に構成されている。この音源回路7は、CPU3から送
られてくる各鍵を表すキーナンバ情報や、各操作子の操
作等により設定された楽音パラメータ情報等に基づいて
ROM6からPCM波形データを読み出し、その振幅や
エンベロープを加工してD/A変換器(DAC)15に
出力する。この振幅やエンベロープの加工の際に、上述
のEXPデータを用いる。
【0017】DAC15から得られるアナログの楽音信
号は、トータルボリューム16で全体の音量が制御され
た後、増幅器(AMP)17で増幅されてスピーカ18
から放音される。なお、上記CPU3、RAM5、RO
M6、音源回路7およびMIDI入出力部19は、それ
ぞれデータバス、アドレスバス等のバスライン20に接
続されて、相互にデータの送受信が行われるように構成
されている。
【0018】上記音源回路7の内部構成において、8は
デジタル制御による発振器(DCO:Digital Controll
ed Oscillator )であり、ROM6等に記憶されている
波形データをキーナンバ情報に応じた周波数で読み出
す。9はエンベロープ(ADSR)回路であり、上記D
CO8により読み出された波形データに対して、アタッ
ク(A)、ディケイ(D)、サスティン(S)、リリー
ス(R)から成るエンベロープを付与する。
【0019】10は系列選択スイッチであり、発音する
楽音の音色が持続音系であるか減衰音系であるかに応じ
て、エンベロープ回路9でエンベロープの付加された楽
音データを持続音系の経路に通すか、それとも減衰音系
の経路に通すかを選択する。発音する楽音の音色が持続
音あるいは減衰音の何れの系統であるかは、例えば、キ
ーボード4上の操作パネル部において設定された音色名
(音色ナンバや音色ボタンの位置情報など)をもとに判
別することができる。
【0020】上記DCO8、エンベロープ回路9および
系列選択スイッチ10は、同時発音可能なチャンネル数
nだけ備えられており、それぞれが独立して動作する。
なお、ここではDCO8、エンベロープ回路9および系
列選択スイッチ10の組をハードウェアとして複数持つ
構成を示したが、この構成を1組だけ持ち、それを同時
発音可能数nだけ時分割的に用いるようにしても良い。
【0021】11は第1のミキサであり、上記系列選択
スイッチ10を通してエンベロープ回路9から送られて
きた持続音系の複数の楽音データを1つにまとめる処理
を行う。また、12は第2のミキサであり、上記系列選
択スイッチ10を通してエンベロープ回路9から送られ
てきた減衰音系の複数の楽音データを1つにまとめる処
理を行う。
【0022】13はボリュームであり、上記ミキサ11
より出力された持続音系の楽音データの音量を、上述の
EXPデータに基づいて制御する。また、14は第3の
ミキサであり、上記ボリューム13より出力された持続
音系の楽音データと、上記第2のミキサ12より出力さ
れた減衰音系の楽音データとを1つにまとめる処理を行
う。
【0023】このように、本実施形態では、持続音の系
列と減衰音の系列とを分離する。そして、持続音につい
ては従来通りボリューム13においてEXPデータに基
づく音量制御を行うが、減衰音については、その処理経
路中にボリューム13を設けず、発音中においてはEX
Pデータに基づく音量制御は行わないようにする。この
ようにすることで、減衰音がその発音中にEXPデータ
の影響を受けて不自然な変化をしてしまう不都合を防止
することができる。
【0024】ただし、持続音についてのみEXPデータ
に基づく音量制御を行い、減衰音については行わないよ
うにすると、持続音と減衰音とが同時に発音されるとき
に両者の音量にアンバランスが生じて、却って不自然な
感じがしてしまう。そこで本実施形態では、減衰音に関
しては、エンベロープ回路9内において、音量を決定す
る要因ともなる発音開始時のアタックレベルをEXPデ
ータに基づいて制御するようにする。
【0025】具体的には、エンベロープ回路9は、減衰
音に関しては、演奏者が鍵盤をタッチしたときの押鍵の
強さ情報(ベロシティ等)と、EXPペダル1の操作位
置に応じたEXPデータとの両方を加味してアタックレ
ベルを決定する。このようにアタックレベルをEXPデ
ータに基づいて決定することにより、減衰音については
発音開始時に音量制御を行うことができ、しかもその後
の発音中にはEXPデータによる影響を受けずに自然と
減衰していく楽音を得ることができる。
【0026】一方、持続音に関しては、エンベロープ回
路9は、ベロシティ等のタッチデータのみを考慮してア
タックレベルを決定する。つまり、DCO8から出力さ
れた波形データに対して、エンベロープ回路9で従来通
りのエンベロープを付加する。そして、EXPデータに
基づく音量制御は、通常通りボリューム13によって当
該楽音の発音中に行う。
【0027】このように構成することにより、持続音と
減衰音との音量のバランスを維持しながら、減衰音の発
音中における不自然な変化をなくすことができる。な
お、エンベロープ回路9においてEXPデータに基づく
アタックレベルの制御を行うか否かは、CPU3の処理
によって制御される。
【0028】図2〜図8は、上記のように構成した本実
施形態による電子楽器の動作を示すフローチャートであ
る。図2はメイン処理の動作を示すフローチャートであ
る。図2において、図1のCPU3は、まずステップS
1で初期設定を行う。ここでは、RAM5の記憶領域を
クリアしたり、音源回路7における各発音チャンネルの
割り当てをクリアしたりする処理等を行う。
【0029】初期設定が完了すると、CPU3は、ステ
ップS2のパネル処理、ステップS3のエクスプレッシ
ョン処理、ステップS4の鍵盤入力チェック、ステップ
S5のMIDI入力チェックの各処理を順次行った後、
ステップS6でその他の処理を行ってステップS2に戻
り、以降同様のループ処理を電子楽器の電源がOFFと
されるまで繰り返し実行する。
【0030】上記ステップS2のパネル処理では、キー
ボード4上における操作パネルの操作イベントを検出し
て対応する処理を行う。具体的には、図3のフローチャ
ートに示すような処理を行う。図3において、図1のC
PU3は、まずステップS21で、キーボード4の操作
パネル上に備えられている各種操作子(リズム、音色、
音量、効果等を設定するための操作子やスイッチ等)の
スキャン処理を行うことにより、各操作子により設定さ
れている情報を夫々検出する。
【0031】次に、ステップS22において、上記検出
した各種パネル情報が前回のループ処理時に検出したパ
ネル情報と同じか否かを判断する。全てのパネル情報が
前回のものと同じであれば、以下の処理は何も行わずに
本パネル処理を抜ける。一方、今回検出したパネル情報
中に前回検出されたパネル情報と異なるものが存在すれ
ば、ステップS23に進み、そのパネル情報の変化に応
じた処理を行う。
【0032】例えば、オルガン、ピアノ、ギター、バイ
オリン等の各種音色を設定するための操作子が操作され
ていた場合には、新たに設定された音色に対応するよう
に音色情報を変更する。本実施形態では、持続音と減衰
音とを判別する手段として、音色名ごとに持続音と減衰
音とを識別する情報(例えば、持続音なら“0”、減衰
音なら“1”)を持たせておく。よって、このステップ
S23では、音色名の他にこの識別情報もセットする。
次のステップS24では、今回更新されたパネル情報を
RAM5内の所定の記憶領域に保管する。
【0033】上記図2のステップS3におけるエクスプ
レッション処理では、EXPペダル1の操作イベントを
検出して対応する処理を行う。具体的には、図4のフロ
ーチャートに示すような処理を行う。図4において、図
1のCPU3は、まずステップS31でEXPペダル1
のスキャン処理を行うことにより、当該EXPペダル1
の操作位置に応じたEXPデータ値を検出する。
【0034】次に、ステップS32において、上記検出
したEXPデータ値が前回のループ処理時に検出したデ
ータ値と同じであるか否かを判断する。今回の検出値が
前回の検出値と同じであれば、以下の処理は何も行わず
に本エクプレッション処理を抜ける。一方、今回検出し
たEXPデータ値が前回検出されたものと異なる場合
は、ステップS33に進み、図1のボリューム13に対
して新たなEXPデータに基づくボリューム操作を実行
する。
【0035】図1に示したように、ボリューム13は、
持続音の処理系にのみ設けられ、減衰音の処理系には設
けられていない。したがって、このステップS33で新
たなEXPデータに基づきボリュームを変更しても、そ
の影響は減衰音には及ばず、発音中のEXPデータに基
づく音量操作は持続音にのみかかる。次のステップS3
4では、今回検出されたEXPデータを次回のループ処
理時において前回値として用いるために、前回値の更新
を行う。
【0036】上記図2のステップS4における鍵盤入力
チェック処理では、キーボード4上に備えられている鍵
盤部の各鍵スイッチのスキャン処理を行って、鍵盤部の
各鍵の操作状態(押鍵、離鍵、操作鍵のキーナンバ、鍵
の操作スピードに関するベロシティ等)に応じて各種処
理を実行する。具体的には、図5のフローチャートに示
すような処理を行う。
【0037】図5において、図1のCPU3は、まずス
テップS41で各鍵スイッチのスキャン処理を行うこと
により、キーイベントがあったかどうかを判断する。こ
こで、キーイベントが何も発生していなければ、以下の
処理は何も行わずに本鍵盤入力チェック処理を抜ける。
一方、何らかのキーイベントが発生していれば、ステッ
プS42に進み、それがONイベントであるか否かを判
断する。
【0038】ここで、発生したキーイベントがONイベ
ント(押鍵)であった場合は、ステップS43に進んで
発音処理を行い、OFFイベント(離鍵)であった場合
は、ステップS44に進んで消音処理を行う。そして、
これら何れかの処理を行った後、本鍵盤入力チェック処
理を抜ける。
【0039】上記図2のステップS5におけるMIDI
入力チェック処理では、MIDI入出力部19を介して
外部より入力されるMIDI情報を検出して対応する処
理を行う。具体的には、図6のフローチャートに示すよ
うな処理を行う。図6において、図1のCPU3は、ま
ずステップS51で、MIDI入出力部19を介して外
部よりMIDI情報が入力されてくることによってMI
DIイベントが発生したかどうかを判断する。
【0040】ここで、MIDIイベントが何も発生して
いなければ、以下の処理は何も行わずに本MIDI入力
チェック処理を抜ける。一方、何らかのMIDIイベン
トが発生していれば、ステップS52に進み、それがO
Nイベントであるか否かを判断する。ここで、発生した
MIDIイベントがONイベント(押鍵)であった場合
は、ステップS53に進んで発音処理を行い、OFFイ
ベント(離鍵)であった場合は、ステップS54に進ん
で消音処理を行う。そして、これら何れかの処理を行っ
た後、本MIDI入力チェック処理を抜ける。
【0041】図7は、上記図5のステップS43または
図6のステップS53における発音処理の内容を示すフ
ローチャートである。図7において、まずステップS6
1において、複数の発音チャンネルのうち、これから発
音する楽音を割り当てるべき発音チャンネルを決定す
る。ここでは、空きチャンネルがあればその中から選択
し、空きチャンネルがなければ、所定のルールに従って
使用中チャンネルの中から何れかを選択する。
【0042】次に、ステップS62で、上記決定した発
音チャンネルが発音中のものであるか否かを判断する。
発音中のものであれば、ステップS63に進み、その発
音チャンネルに割当済の楽音に対して消音処理を行う。
一方、決定された発音チャンネルが発音中のものでない
場合には、ステップS63の処理は行わずにステップS
64にジャンプする。ステップS64では、発音する楽
音の音色が減衰音であるか否かを判断する。
【0043】上述したように、発音する楽音の音色が減
衰音であるか持続音であるかは、音色名と共にセットさ
れた識別情報(持続音は“0”、減衰音は“1”)を参
照することによって判別することが可能である。また、
減衰音の場合はエンベロープのサスティンレベルが
“0”であるので、このサスティンレベルを参照して、
その値が“0”ならば減衰音、“1”ならば持続音と判
別することも可能である。
【0044】上記ステップS64で減衰音であると判断
された場合は、ステップS65に進み、エンベロープの
アタックレベルを決定するタッチデータにEXPペダル
1の操作位置に応じたEXPデータ値を乗算したものを
新たにタッチデータとする。一方、上記ステップS64
で減衰音ではない、つまり持続音であると判断された場
合は、ステップS65の処理は行わない。このように、
持続音については鍵盤を叩く強さ(ベロシティ等)に応
じてアタックレベルを決定し、減衰音についてはこれに
加えてEXPデータ値も加味してアタックレベルを決定
するようにしている。
【0045】次に、ステップS66において、上記決定
した発音チャンネルに対して各種の発音パラメータを設
定して、本発音処理を抜ける。このステップS66で
は、上述のタッチデータに対応してアタックレベルを設
定するとともに、エンベロープを構成するその他のディ
ケイ、サスティン、リリースなどの情報を設定する。ま
た、様々な音色を作り出すフィルタのカットオフ周波数
やQ値(共振の鋭さを表す値)、残響効果(ビブラー
ト)のスピードや深さに関する情報などもここで設定す
る。
【0046】また、図8は、上記図5のステップS44
または図6のステップS54における消音処理の内容を
示すフローチャートである。図8において、まずステッ
プS71において、複数の発音チャンネルのうち、これ
から消音する消音チャンネルを決定する。そして、次の
ステップS72において、上記決定した消音チャンネル
に対して各種の消音パラメータを設定して、本消音処理
を抜ける。
【0047】以上詳しく説明したように、本実施形態に
よれば、持続音の系列と減衰音の系列とを分離し、減衰
音についてはEXPペダル1の操作位置に応じて発音開
始時のアタックレベルを制御し、発音開始後のEXPペ
ダル1に基づく音量制御は持続音のみにかかるようにし
たので、持続音と減衰音との音量バランスを維持しなが
ら、EXPペダル1の操作時における減衰音の不自然な
変化を防止でき、違和感のない発音を得ることができ
る。
【0048】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を図面に基づいて説明する。図9は、第2の実
施形態による電子楽器の構成例を示すブロック図であ
る。なお、図9において、図1に示した符号と同一の符
号を付したものは、同一の機能を有するものであるの
で、これについての詳細な説明は省略する。
【0049】図9の例では、図1ではミキサ11の後段
に設けられていたボリューム13をエンベロープ回路9
とミキサ11との間に各発音チャンネル毎に持たせてい
る点および、図1に示されるミキサ12,14をなくし
て信号処理の経路を1系統としている点が、図1の実施
形態と異なっている。なお、複数の発音チャンネルを時
分割的に構成すれば、DCO8、エンベロープ回路9お
よびボリューム13のハードウェアは1組備えるだけで
良い。
【0050】本実施形態において、各発音チャンネル毎
に設けられたボリューム13は、その発音チャンネルに
割り当てられた楽音の音色が持続音系ならば、EXPデ
ータに基づく音量操作を実行する。一方、割り当てられ
た楽音の音色が減衰音系の場合は、EXPデータに基づ
く音量操作は実行せずに、スルー状態とする。このよう
なボリューム13の処理の切替えは、CPU3から与え
られる指令に基づいて行う。
【0051】以下に、このように構成した本実施形態に
よる音源回路7′の動作について説明する。持続音につ
いては、DCO8から出力された波形データに対して、
エンベロープ回路9で従来通りのエンベロープ(鍵盤を
タッチする強さからアタックレベルを決定したもの)を
付与する。そして、得られた楽音データに対し、ボリュ
ーム13でEXPペダル1の操作位置に応じた音量制御
を行って、ミキサ11に供給する。
【0052】一方、減衰音については、DCO8から出
力された波形データに対して、エンベロープ回路9でタ
ッチデータにEXPデータ値を加味したエンベロープを
付与する。そして、得られた楽音データをボリューム1
3をそのままスルーして(ボリュームは固定)ミキサ1
1に供給する。ミキサ11では、全ての発音チャンネル
から供給される持続音系および減衰音系の両方を含む楽
音データをミキシングして、その結果をDAC15に供
給する。
【0053】このように、第1の実施形態では持続音と
減衰音の系列をハードウェア構成によって分離していた
のに対し、第2の実施形態ではソフトウェア的に系列の
分離を行っている。そして、減衰音についてはEXPデ
ータに応じて発音開始時のアタックレベルを制御する。
また、発音開始後においては、音源回路7′の各発音チ
ャンネルごとに持続音か減衰音かを判別し、持続音に対
してのみボリューム13で音量操作を行うようにしてい
る。これにより、上述した第1の実施形態と同様に、持
続音と減衰音との音量バランスを維持しながら、EXP
ペダル1の操作時における減衰音の不自然な変化を防止
でき、違和感のない発音を得ることができる。
【0054】なお、以上の各実施形態では、減衰音系の
音の大きさを持続音系の音量に合わせるために、EXP
データに基づいてアタックのレベルを調整しているが、
アタックのスピード、ディケイのスピード、サスティン
のレベル、フィルタのカットオフ周波数およびQ値など
の音色を変化させる各種音色パラメータをEXPデータ
に基づいて制御するようにしても良い。
【0055】また、残響効果(ビブラート)を作り出す
ために人間の耳に聞こえる範囲より低い周波数の信号を
発生する発振器であるLFO(Low Frequency Oscillat
or)のスピードおよび深さ、音のピッチの時間変化(例
えば、高めまたは低めのピッチで発音を開始して次第に
正しいピッチに戻るような操作のスピードや深さ)をE
XPデータに基づいて制御するようにしても良い。
【0056】また、EXPデータは、EXPペダル1の
操作量データの他、外部より入力されるMIDI信号あ
るいはシーケンスパターン中に含まれるデータであって
も良い。また、上記実施形態では、音源回路7,7′は
電子楽器の一部を構成するものとして説明したが、別体
の音源装置として構成しても良い。
【0057】
【発明の効果】本発明は上述したように、持続音系と減
衰音系とで処理系列を分離し、発音開始後におけるエク
スプレッションデータに基づく音量制御を持続音系に対
してのみ行うようにしたので、発音開始後にエクスプレ
ッションペダルを操作しても、その音量操作の影響が減
衰音には及ばないようにすることができ、エクスプレッ
ションペダル操作時の減衰音の動きの不自然さを解消す
ることができる。
【0058】また、本発明の他の特徴によれば、減衰音
系については所定の音色パラメータ(例えば発音開始時
のアタックレベル)をエクスプレッションデータに基づ
いて制御するようにしたので、エクスプレッションペダ
ル操作時の減衰音の動きの不自然さを解消することがで
きるだけでなく、持続音と減衰音とが同時に発音される
場合における両音の音量バランスを良好に保つことがで
き、全体として自然な演奏音を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である電子楽器の構成
を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の電子楽器により行われるメイン処
理の流れを示すフローチャートである。
【図3】本実施形態の電子楽器により行われるパネル処
理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の電子楽器により行われるエクスプ
レッション処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の電子楽器により行われる鍵盤入力
チェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の電子楽器により行われるMIDI
入力チェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本実施形態の電子楽器により行われる発音処理
の流れを示すフローチャートである。
【図8】本実施形態の電子楽器により行われる消音処理
の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態である電子楽器の構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 エクスプレッションペダル 2 A/D変換器 3 CPU 4 キーボード 5 RAM 6 ROM 7,7′音源回路 8 デジタル制御発振器(DCO) 9 エンベロープ回路 10 系列選択スイッチ 11,12,14 ミキサ 13 ボリューム 15 D/A変換器 16 トータルボリューム 17 増幅器 18 スピーカ 19 MIDI入出力部 20 バスライン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 持続音系の音色と減衰音系の音色とを同
    時に発音可能に構成された電子楽器において、 上記持続音系と減衰音系とで処理系列を分離し、発音開
    始後におけるエクスプレッションデータに基づく音量制
    御を上記持続音系に対してのみ行うようにしたことを特
    徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 上記減衰音系については所定の音色パラ
    メータを上記エクスプレッションデータに基づいて制御
    するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電子
    楽器。
  3. 【請求項3】 上記音色パラメータは、エンベロープ情
    報、音色生成用フィルタのカットオフ周波数およびQ値
    の少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項2に
    記載の電子楽器。
  4. 【請求項4】 上記エンベロープ情報は、アタック、デ
    ィケイもしくはサスティンに関する情報であることを特
    徴とする請求項3に記載の電子楽器。
  5. 【請求項5】 持続音系の音色と減衰音系の音色とを同
    時に発音可能に構成された電子楽器において、 上記減衰音系についてはエクスプレッションデータを加
    味してエンベロープを付与し、上記持続音系については
    上記エクスプレッションデータを加味せずにエンベロー
    プを付与するエンベロープ付与手段と、 上記エンベロープ付与手段を通過した持続音系のデータ
    に対して上記エクスプレッションデータに基づく音量制
    御を行うボリューム手段とを備えたことを特徴とする電
    子楽器。
  6. 【請求項6】 持続音系の音色と減衰音系の音色とを同
    時に発音可能に構成された電子楽器に用いる音源装置に
    おいて、 上記持続音系と減衰音系とで処理系列を分離し、発音開
    始後におけるエクスプレッションデータに基づく音量制
    御を上記持続音系に対してのみ行い、上記減衰音系につ
    いては発音開始時のアタックレベルを上記エクスプレッ
    ションデータに基づいて制御するようにしたことを特徴
    とする音源装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002351468A (ja) * 2001-05-23 2002-12-06 Roland Corp 電子楽器

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