JP2000298049A - 超音波センサの入射角の測定方法および測定装置 - Google Patents
超音波センサの入射角の測定方法および測定装置Info
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- JP2000298049A JP2000298049A JP11105608A JP10560899A JP2000298049A JP 2000298049 A JP2000298049 A JP 2000298049A JP 11105608 A JP11105608 A JP 11105608A JP 10560899 A JP10560899 A JP 10560899A JP 2000298049 A JP2000298049 A JP 2000298049A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 超音波センサによる流量などの計測精度を高
める上で必要な超音波の計測対象液体への入射角を簡易
にしかも正確に把握できるようにする。 【解決手段】 流速などの計測対象となる液体と同種の
液体Lを満たした液槽1の外面に超音波センサ5を所定
の条件で設置し、この超音波センサから超音波Uを放射
して液槽に入射させる。そしてこの超音波の液槽内での
強さ分布をマイクロフォン2などで測定すると共に、測
定された強さ分布から液槽内における超音波の主伝播方
向を求め、この主伝播方向に基づいて超音波センサにお
ける特性値としての入射角θを求める。
める上で必要な超音波の計測対象液体への入射角を簡易
にしかも正確に把握できるようにする。 【解決手段】 流速などの計測対象となる液体と同種の
液体Lを満たした液槽1の外面に超音波センサ5を所定
の条件で設置し、この超音波センサから超音波Uを放射
して液槽に入射させる。そしてこの超音波の液槽内での
強さ分布をマイクロフォン2などで測定すると共に、測
定された強さ分布から液槽内における超音波の主伝播方
向を求め、この主伝播方向に基づいて超音波センサにお
ける特性値としての入射角θを求める。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば揚水装置に
おける揚水管などの流路を流れる液体の流速や流量の計
測に用いられる超音波センサに関し、特に超音波センサ
からの超音波が計測対象の液体流に対し入射する角度
を、個々の超音波センサごとに異なる特性値として、予
め測定するための方法およびそれに用いる測定装置に関
する。
おける揚水管などの流路を流れる液体の流速や流量の計
測に用いられる超音波センサに関し、特に超音波センサ
からの超音波が計測対象の液体流に対し入射する角度
を、個々の超音波センサごとに異なる特性値として、予
め測定するための方法およびそれに用いる測定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】超音波センサを用いた流速・流量計測装
置は、例えば揚水管の外面に所定の条件で設置した超音
波センサから揚水管内に向けて超音波を放射し、この超
音波が揚水管における水流によりその周波数を変化させ
る程度を検出することで、水流の流速や流量を計測す
る。このため超音波センサ式流速・流量計測装置は、流
量などを計測すための手段が設けらていない既設の設
備、例えば既設の揚水設備における老朽化したポンプの
揚水能力を検査するなどの場合に適している。このよう
な超音波センサ式流速・流量計測装置については、例え
ば特開昭61−8622号、特開平3−188377
号、特開平4−249716号、特開平8−22012
4号、特開平10−38651号などの各公報に開示の
例が知られている。
置は、例えば揚水管の外面に所定の条件で設置した超音
波センサから揚水管内に向けて超音波を放射し、この超
音波が揚水管における水流によりその周波数を変化させ
る程度を検出することで、水流の流速や流量を計測す
る。このため超音波センサ式流速・流量計測装置は、流
量などを計測すための手段が設けらていない既設の設
備、例えば既設の揚水設備における老朽化したポンプの
揚水能力を検査するなどの場合に適している。このよう
な超音波センサ式流速・流量計測装置については、例え
ば特開昭61−8622号、特開平3−188377
号、特開平4−249716号、特開平8−22012
4号、特開平10−38651号などの各公報に開示の
例が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】超音波を用いて液体の
流量などを計測する方式の有力な一つとして、パルスド
ップラ方式がある(例えば特開平10−38651号公
報)。パルスドップラ方式では、図8に示すように、計
測対象である流路、例えば揚水管Pの外面に超音波セン
サSを所定の条件で設置し、この超音波センサSからパ
ルス化した超音波Uを揚水管Pに流れる水流の流れ方向
A(これは揚水管Pの軸方向に一致する)に対しある入
射角θで入射させて流速を計測する。この場合の流速V
は、下記の数式1で表される。式中のCは計測対象の液
体中における音速、Δfはドップラシフト周波数、f0
は超音波の周波数である。
流量などを計測する方式の有力な一つとして、パルスド
ップラ方式がある(例えば特開平10−38651号公
報)。パルスドップラ方式では、図8に示すように、計
測対象である流路、例えば揚水管Pの外面に超音波セン
サSを所定の条件で設置し、この超音波センサSからパ
ルス化した超音波Uを揚水管Pに流れる水流の流れ方向
A(これは揚水管Pの軸方向に一致する)に対しある入
射角θで入射させて流速を計測する。この場合の流速V
は、下記の数式1で表される。式中のCは計測対象の液
体中における音速、Δfはドップラシフト周波数、f0
は超音波の周波数である。
【数1】
【0004】上記式における音速Cは何れも正確に把握
することが可能な液体の種類と温度にて定まる定数であ
り、超音波の周波数f0 は予め設定される定数である。
またドップラシフト周波数Δfは計測により得られる変
数である。したがって入射角θを正確に定めることがで
きれば、精度の高い計測が可能である。つまりパルスド
ップラ方式による計測の精度は入射角θを如何に正確に
把握するかに係っているといえる。しかし入射角θは、
これを計測現場において実測することは一般に困難であ
る。
することが可能な液体の種類と温度にて定まる定数であ
り、超音波の周波数f0 は予め設定される定数である。
またドップラシフト周波数Δfは計測により得られる変
数である。したがって入射角θを正確に定めることがで
きれば、精度の高い計測が可能である。つまりパルスド
ップラ方式による計測の精度は入射角θを如何に正確に
把握するかに係っているといえる。しかし入射角θは、
これを計測現場において実測することは一般に困難であ
る。
【0005】そこで入射角θを理論的に求めることが考
えられる。図9に示すのは計測対象の液体が流れる流路
の管壁に超音波センサを所定の条件で設置した状態での
超音波の入射経路である。図に見られるように、超音波
センサSが内蔵する振動子Saから発射された超音波U
は、振動子Saを封止している例えば樹脂材Sbと流路
の管壁Wを通過した後に計測対象の液体Lに入射し、そ
の間にその入射経路における上記のような媒質による屈
折を受ける。したがって超音波Uの液体Lに対する入射
角θ(図9中のθ3 がこれに相当する)はその入射経路
に存在する上記のような媒質の屈折率により定まること
になり、理論的には下記の数式2から求めることができ
る。
えられる。図9に示すのは計測対象の液体が流れる流路
の管壁に超音波センサを所定の条件で設置した状態での
超音波の入射経路である。図に見られるように、超音波
センサSが内蔵する振動子Saから発射された超音波U
は、振動子Saを封止している例えば樹脂材Sbと流路
の管壁Wを通過した後に計測対象の液体Lに入射し、そ
の間にその入射経路における上記のような媒質による屈
折を受ける。したがって超音波Uの液体Lに対する入射
角θ(図9中のθ3 がこれに相当する)はその入射経路
に存在する上記のような媒質の屈折率により定まること
になり、理論的には下記の数式2から求めることができ
る。
【数2】
【0006】数式2において、C1 は樹脂材Sbにおけ
る音速、C2 は管壁Wにおける音速、そしてC3 は計測
対象の液体Lにおける音速であり、またθ1 は超音波セ
ンサSを所定の条件で管壁Wに設置した際に超音波セン
サSの設置面Sfに対し振動子Saからの超音波の発射
方向がとる角、θ2 は樹脂材Sbと管壁Wの屈折率差に
応じて生じる管壁Wへの入射角、そしてθ3 は入射角θ
である。これらの変数の内、音速値は便覧などの文献か
ら求めることができる場合もあるが、それが実際の材料
のそれに合致している保証はない。また角θ1 は超音波
センサの設計図があればそれから求めることも可能であ
るが、この場合にもやはり、実際の製品における角θ1
が設計図におけるそれと合致している保証は必ずしもな
い。このため文献や設計図に頼って理論的に求めた入射
角は実際の入射角とかなり異なってしまうのが実情であ
る。
る音速、C2 は管壁Wにおける音速、そしてC3 は計測
対象の液体Lにおける音速であり、またθ1 は超音波セ
ンサSを所定の条件で管壁Wに設置した際に超音波セン
サSの設置面Sfに対し振動子Saからの超音波の発射
方向がとる角、θ2 は樹脂材Sbと管壁Wの屈折率差に
応じて生じる管壁Wへの入射角、そしてθ3 は入射角θ
である。これらの変数の内、音速値は便覧などの文献か
ら求めることができる場合もあるが、それが実際の材料
のそれに合致している保証はない。また角θ1 は超音波
センサの設計図があればそれから求めることも可能であ
るが、この場合にもやはり、実際の製品における角θ1
が設計図におけるそれと合致している保証は必ずしもな
い。このため文献や設計図に頼って理論的に求めた入射
角は実際の入射角とかなり異なってしまうのが実情であ
る。
【0007】したがって、より高い精度で入射角θを理
論的に求めるには、例えば樹脂材Sbと同じ材料につい
て試験を行なって音速値を実測する必要があるし、また
実際の超音波センサについてX線撮影などにより角θ1
を実測する必要がある。しかしそれには多大な作業時間
と経費がかかってしまう。
論的に求めるには、例えば樹脂材Sbと同じ材料につい
て試験を行なって音速値を実測する必要があるし、また
実際の超音波センサについてX線撮影などにより角θ1
を実測する必要がある。しかしそれには多大な作業時間
と経費がかかってしまう。
【0008】本発明は上記のような事情を背景になされ
たものであり、超音波センサによる流量などの計測精度
を高める上で必要な超音波の入射角、つまり超音波セン
サからの超音波が計測対象の液体に対し入射する角度を
簡易にしかも正確に把握することを可能とする技術の提
供を目的としており、より具体的には、超音波の入射角
を個々の超音波センサごとに異なる特性値として予め把
握できるように測定するための方法およびそれに用いる
測定装置の提供を目的としている。
たものであり、超音波センサによる流量などの計測精度
を高める上で必要な超音波の入射角、つまり超音波セン
サからの超音波が計測対象の液体に対し入射する角度を
簡易にしかも正確に把握することを可能とする技術の提
供を目的としており、より具体的には、超音波の入射角
を個々の超音波センサごとに異なる特性値として予め把
握できるように測定するための方法およびそれに用いる
測定装置の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による方法は、流
路を流れる液体の流速や流量の計測に用いられる超音波
センサを前記流路の外面に所定の設置条件で設置した状
態で当該超音波センサから発射される超音波が前記流路
中の液体に対し入射する角度を、個々の超音波センサご
との特性値として、予め測定するための方法であって、
流速や流量の計測対象となる液体と同種の液体を満たし
た液槽の外面に前記流路の外面に設置する場合と同様の
設置条件で超音波センサを設置し、前記超音波センサか
ら超音波を放射して前記液槽に入射させ、この超音波の
前記液槽内での強さ分布を測定すると共に、測定された
強さ分布から前記液槽内における前記超音波の主伝播方
向を求め、そしてこの主伝播方向に基づいて前記超音波
センサにおける特性値としての前記入射角を求めること
を含んでなる。
路を流れる液体の流速や流量の計測に用いられる超音波
センサを前記流路の外面に所定の設置条件で設置した状
態で当該超音波センサから発射される超音波が前記流路
中の液体に対し入射する角度を、個々の超音波センサご
との特性値として、予め測定するための方法であって、
流速や流量の計測対象となる液体と同種の液体を満たし
た液槽の外面に前記流路の外面に設置する場合と同様の
設置条件で超音波センサを設置し、前記超音波センサか
ら超音波を放射して前記液槽に入射させ、この超音波の
前記液槽内での強さ分布を測定すると共に、測定された
強さ分布から前記液槽内における前記超音波の主伝播方
向を求め、そしてこの主伝播方向に基づいて前記超音波
センサにおける特性値としての前記入射角を求めること
を含んでなる。
【0010】また本発明による測定装置は、流路を流れ
る液体の流速や流量の計測に用いられる超音波センサを
前記流路の外面に所定の設置条件で設置した状態で当該
超音波センサから発射される超音波が前記流路中の液体
に対し入射する角度を、個々の超音波センサごとの特性
値として、予め測定するために用いる測定装置であっ
て、測定対象の超音波センサを設置することのできる側
壁を有し且つ、前記超音波センサで流速や流量を計測す
る対象となる液体と同種の液体を満たせるようにした液
槽と、前記超音波センサから放射された超音波の前記液
槽内における強さ分布を検出するための検出手段とを備
えてなる。
る液体の流速や流量の計測に用いられる超音波センサを
前記流路の外面に所定の設置条件で設置した状態で当該
超音波センサから発射される超音波が前記流路中の液体
に対し入射する角度を、個々の超音波センサごとの特性
値として、予め測定するために用いる測定装置であっ
て、測定対象の超音波センサを設置することのできる側
壁を有し且つ、前記超音波センサで流速や流量を計測す
る対象となる液体と同種の液体を満たせるようにした液
槽と、前記超音波センサから放射された超音波の前記液
槽内における強さ分布を検出するための検出手段とを備
えてなる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態で用いる
測定装置の模式化した構成を図1に示す。測定装置は、
液槽1と、その内部に検出手段として設けられたマイク
ロフォン2を主な要素としている。液槽1は、4面以
上、この例では5面の側壁3(3a、3b、3c、3
d、3e)を有しており、その一つの側壁3aに、例え
ばパルスドップラ式の超音波流速・流量計4における超
音波センサ5を設置するための設置壁部6が設けられて
いる。この設置壁部6は側壁3aに対し着脱可能とさ
れ、必要に応じて交換できるようにされている。つまり
超音波流速・流量計4で流速や流量を計測する対象の流
路を形成している材料、例えば雨水排水ポンプの揚水管
を計測対象とする場合であればその揚水管の管壁の材料
同じかまたはそれを近似する条件の材料で設置壁部6を
形成できるようにされてい。このようにすることで、図
9に関して上述した入射経路における媒質の条件を実際
の計測時の条件と同一化でき、したがって測定の実効性
を高めることができる。
測定装置の模式化した構成を図1に示す。測定装置は、
液槽1と、その内部に検出手段として設けられたマイク
ロフォン2を主な要素としている。液槽1は、4面以
上、この例では5面の側壁3(3a、3b、3c、3
d、3e)を有しており、その一つの側壁3aに、例え
ばパルスドップラ式の超音波流速・流量計4における超
音波センサ5を設置するための設置壁部6が設けられて
いる。この設置壁部6は側壁3aに対し着脱可能とさ
れ、必要に応じて交換できるようにされている。つまり
超音波流速・流量計4で流速や流量を計測する対象の流
路を形成している材料、例えば雨水排水ポンプの揚水管
を計測対象とする場合であればその揚水管の管壁の材料
同じかまたはそれを近似する条件の材料で設置壁部6を
形成できるようにされてい。このようにすることで、図
9に関して上述した入射経路における媒質の条件を実際
の計測時の条件と同一化でき、したがって測定の実効性
を高めることができる。
【0012】また液槽1の各側壁3は、互いに平行にな
ったり直角に交差することがないように、それぞれが異
なる交角を有するようにされている。このため、超音波
センサ5から放射された超音波は、対向面に達して反射
した後に直接的に超音波センサ5に向かうことなく各側
壁3での反射を繰り返しながら減衰することになるし、
また大きなノイズの原因となる定在波の発生も効果的に
避けることができ、測定精度を向上させることができ
る。
ったり直角に交差することがないように、それぞれが異
なる交角を有するようにされている。このため、超音波
センサ5から放射された超音波は、対向面に達して反射
した後に直接的に超音波センサ5に向かうことなく各側
壁3での反射を繰り返しながら減衰することになるし、
また大きなノイズの原因となる定在波の発生も効果的に
避けることができ、測定精度を向上させることができ
る。
【0013】マイクロフォン2は、例えばX・Yテーブ
ルのような適宜な移動手段(図示を省略)によりX方向
とY方向に移動可能とされ、液槽1の内部において走査
しながら超音波センサ5からの超音波を検出するように
されている。
ルのような適宜な移動手段(図示を省略)によりX方向
とY方向に移動可能とされ、液槽1の内部において走査
しながら超音波センサ5からの超音波を検出するように
されている。
【0014】以上のような測定装置を用いた入射角の測
定作業は次のようにして進められる。先ず準備作業とし
て、液槽1の側壁3aに目的に応じた設置壁部6を取り
付けると共に、液槽1に超音波流速・流量計4で流速や
流量を計測する対象の流路を流れる液体と同種の液体L
を満たす。また設置壁部6に流速などの計測対象とする
流路におけると同一の条件で超音波センサ5を設置す
る。つまり例えば計測対象とする流路が揚水管であり、
その管壁の外面に超音波センサ5の設置面5fを密着さ
せるようにする場合であれば、それと同様に超音波セン
サ5の設置面5fを設置壁部6に密着させるようにして
設置する。
定作業は次のようにして進められる。先ず準備作業とし
て、液槽1の側壁3aに目的に応じた設置壁部6を取り
付けると共に、液槽1に超音波流速・流量計4で流速や
流量を計測する対象の流路を流れる液体と同種の液体L
を満たす。また設置壁部6に流速などの計測対象とする
流路におけると同一の条件で超音波センサ5を設置す
る。つまり例えば計測対象とする流路が揚水管であり、
その管壁の外面に超音波センサ5の設置面5fを密着さ
せるようにする場合であれば、それと同様に超音波セン
サ5の設置面5fを設置壁部6に密着させるようにして
設置する。
【0015】このようにして準備が完了したら超音波セ
ンサ5を作動させて測定を開始する。超音波センサ5か
ら放射された超音波Uは超音波センサ5に固有な角度で
液槽1の内部に入射し、その主伝播方向に応じて液槽1
の内部に固有のパターンで強さ分布を形成する。この分
布パターンは、図1中に一例として点線で示す格子線に
沿ってX・Y動を行ないつつ超音波を検出するマイクロ
フォン2の出力から求めることができる。すなわちマイ
クロフォン2が格子線の各交点ごとに超音波の強さを測
定するのに応じて、その結果を例えば等高線形式で表示
するとすれば、図2に示すような分布図が得られる。そ
してこの分布図を解析することで超音波Uの主伝播方向
(超音波Uを示す矢印と同じ)を求めることができる。
図2の例の場合であれば、各等高線群の極大点をつなぐ
方向が主伝播方向つまり超音波の液槽1への入射角θで
ある。なお、本実施形態では幾つかの超音波パルスから
なるバースト波を超音波センサ5から放射する構成とし
ているが、バースト波の代りに超音波の波が連続する連
続波を放射する構成とすることも可能である。
ンサ5を作動させて測定を開始する。超音波センサ5か
ら放射された超音波Uは超音波センサ5に固有な角度で
液槽1の内部に入射し、その主伝播方向に応じて液槽1
の内部に固有のパターンで強さ分布を形成する。この分
布パターンは、図1中に一例として点線で示す格子線に
沿ってX・Y動を行ないつつ超音波を検出するマイクロ
フォン2の出力から求めることができる。すなわちマイ
クロフォン2が格子線の各交点ごとに超音波の強さを測
定するのに応じて、その結果を例えば等高線形式で表示
するとすれば、図2に示すような分布図が得られる。そ
してこの分布図を解析することで超音波Uの主伝播方向
(超音波Uを示す矢印と同じ)を求めることができる。
図2の例の場合であれば、各等高線群の極大点をつなぐ
方向が主伝播方向つまり超音波の液槽1への入射角θで
ある。なお、本実施形態では幾つかの超音波パルスから
なるバースト波を超音波センサ5から放射する構成とし
ているが、バースト波の代りに超音波の波が連続する連
続波を放射する構成とすることも可能である。
【0016】本発明の第2の実施形態では図3および図
4に示すような構成の測定装置を用いる。本実施形態に
おける測定装置では、ベース盤10の上でX・Y動する
台座11に支持棒12をZ動が可能となるように組み付
けた構造とされ、X、Y、Zの3方向の移動を可能とす
る移動手段13がその支持棒12の先端でマイクロフォ
ン2を支持している。このような測定装置によると、液
槽1の内部における超音波の強さの測定位置の定量化が
可能となり、入射角θの測定精度をさらに向上させるこ
とができる。その他の構成は第1の実施形態におけるそ
れと共通である。
4に示すような構成の測定装置を用いる。本実施形態に
おける測定装置では、ベース盤10の上でX・Y動する
台座11に支持棒12をZ動が可能となるように組み付
けた構造とされ、X、Y、Zの3方向の移動を可能とす
る移動手段13がその支持棒12の先端でマイクロフォ
ン2を支持している。このような測定装置によると、液
槽1の内部における超音波の強さの測定位置の定量化が
可能となり、入射角θの測定精度をさらに向上させるこ
とができる。その他の構成は第1の実施形態におけるそ
れと共通である。
【0017】本発明の第3の実施形態では図5に示すよ
うな構成の測定装置を用いる。本実施形態における測定
装置は、その液槽1の側壁3の内面に例えば多孔積層ゴ
ム板などを用いた吸音材14を張り付けてある点で上記
第1の実施形態における測定装置と相違する。このよう
な測定装置によると、超音波センサ5から液槽1内に放
射された超音波を吸音材14で吸収して減衰させること
ができる。つまりノイズの原因となる反射波を減少させ
ることができ、したがって測定精度をより一層向上させ
ることができる。
うな構成の測定装置を用いる。本実施形態における測定
装置は、その液槽1の側壁3の内面に例えば多孔積層ゴ
ム板などを用いた吸音材14を張り付けてある点で上記
第1の実施形態における測定装置と相違する。このよう
な測定装置によると、超音波センサ5から液槽1内に放
射された超音波を吸音材14で吸収して減衰させること
ができる。つまりノイズの原因となる反射波を減少させ
ることができ、したがって測定精度をより一層向上させ
ることができる。
【0018】本発明の第4の実施形態では図6に示すよ
うな構成の測定装置を用いる。本実施形態における測定
装置では、上記各実施形態において超音波の強さ分布を
検出するのに機能していたマイクロフォンに代えて、超
音波を反射する反射体15と超音波流速・流量計4から
なる検出手段を用いている。反射体15は、例えば円筒
状に形成され、第2の実施形態におけると同様な移動手
段13で支持されつつ超音波の進行方向に直交する方向
の軸の回りに回転するようにされている。したがって反
射体15の表面には液槽1内の液体がその粘性により連
れ回されることで液体の回転流が誘起される。そしてパ
ルスドップラ式の超音波流速・流量計4は、液体中の流
れを検出可能であることから、上記の回転流を介するこ
とで、それ自体が反射体15と協働して反射体15の位
置における超音波の強さを検出するのに機能する。この
ような構成によると、高価なマイクロフォンやその信号
処理装置を必要とせず、したがって測定の低コスト化が
可能となる。
うな構成の測定装置を用いる。本実施形態における測定
装置では、上記各実施形態において超音波の強さ分布を
検出するのに機能していたマイクロフォンに代えて、超
音波を反射する反射体15と超音波流速・流量計4から
なる検出手段を用いている。反射体15は、例えば円筒
状に形成され、第2の実施形態におけると同様な移動手
段13で支持されつつ超音波の進行方向に直交する方向
の軸の回りに回転するようにされている。したがって反
射体15の表面には液槽1内の液体がその粘性により連
れ回されることで液体の回転流が誘起される。そしてパ
ルスドップラ式の超音波流速・流量計4は、液体中の流
れを検出可能であることから、上記の回転流を介するこ
とで、それ自体が反射体15と協働して反射体15の位
置における超音波の強さを検出するのに機能する。この
ような構成によると、高価なマイクロフォンやその信号
処理装置を必要とせず、したがって測定の低コスト化が
可能となる。
【0019】本発明の第5の実施形態では図7に示すよ
うな構成の測定装置を用いる。本実施形態における測定
装置は、超音波流速・流量計4、マイクロフォン2から
の出力を処理して超音波の強さ分布データを形成する処
理装置16、および移動手段13の制御装置17をパ−
ソナルコンピュータ18に接続し、一連の測定処理を自
動的に行なえるようにした構成とされている。このよう
にすることで測定作業の省力化を図れる。
うな構成の測定装置を用いる。本実施形態における測定
装置は、超音波流速・流量計4、マイクロフォン2から
の出力を処理して超音波の強さ分布データを形成する処
理装置16、および移動手段13の制御装置17をパ−
ソナルコンピュータ18に接続し、一連の測定処理を自
動的に行なえるようにした構成とされている。このよう
にすることで測定作業の省力化を図れる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、超
音波センサから放射される超音波の計測対象液体への入
射角を簡単な試験で正確に把握することができ、流速や
流量の高精度な測定を低コストで行なうことが可能とな
る。
音波センサから放射される超音波の計測対象液体への入
射角を簡単な試験で正確に把握することができ、流速や
流量の高精度な測定を低コストで行なうことが可能とな
る。
【図1】第1の実施形態における測定装置の模式化した
平面図である。
平面図である。
【図2】液槽内での超音波の強さ分布についての説明図
である。
である。
【図3】第2の実施形態における測定装置の模式化した
平面図である。
平面図である。
【図4】第2の実施形態における測定装置の模式化した
側面図である。
側面図である。
【図5】第3の実施形態における測定装置の模式化した
平面図である。
平面図である。
【図6】第3の実施形態における測定装置の模式化した
側面図である。
側面図である。
【図7】第4の実施形態における測定装置の模式化した
平面図である。
平面図である。
【図8】超音波センサを用いた計測についての説明図で
ある。
ある。
【図9】超音波センサからの超音波が計測対象の流路に
おける液流に入射する経路についての説明図である。
おける液流に入射する経路についての説明図である。
1 液槽 2 マイクロフォン(検出手段) 3 側壁 4 超音波流速・流量計 5 超音波センサ 14 吸音材 15 反射体 L 液体 U 超音波 θ 入射角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F035 DA12 2G047 AA01 BA03 BB02 BC00 BC03 BC05 EA10 GB26 2G064 AB01 AB06 AB24 BD02 CC18 CC41 CC45
Claims (6)
- 【請求項1】 流路を流れる液体の流速や流量の計測に
用いられる超音波センサを前記流路の外面に所定の設置
条件で設置した状態で当該超音波センサから発射される
超音波が前記流路中の液体に対し入射する角度を、個々
の超音波センサごとの特性値として、予め測定するため
の方法であって、流速や流量の計測対象となる液体と同
種の液体を満たした液槽の外面に前記流路の外面に設置
する場合と同様の設置条件で超音波センサを設置し、前
記超音波センサから超音波を放射して前記液槽に入射さ
せ、この超音波の前記液槽内での強さ分布を測定すると
共に、測定された強さ分布から前記液槽内における前記
超音波の主伝播方向を求め、そしてこの主伝播方向に基
づいて前記超音波センサにおける特性値としての前記入
射角を求めることを含んでなる測定方法。 - 【請求項2】 超音波の強さ分布を、液槽内に移動可能
に設けたマイクロフォンの出力または液槽内に移動可能
に設けた反射体による超音波の反射波を測定対象の超音
波センサで受信して得られる出力から求めるようにした
請求項1に記載の測定方法。 - 【請求項3】 流路を流れる液体の流速や流量の計測に
用いられる超音波センサを前記流路の外面に所定の設置
条件で設置した状態で当該超音波センサから発射される
超音波が前記流路中の液体に対し入射する角度を、個々
の超音波センサごとの特性値として、予め測定するため
に用いる測定装置であって、測定対象の超音波センサを
設置することのできる側壁を有し且つ、前記超音波セン
サで流速や流量を計測する対象となる液体と同種の液体
を満たせるようにした液槽と、前記超音波センサから放
射された超音波の前記液槽内における強さ分布を検出す
るための検出手段とを備えてなる測定装置。 - 【請求項4】 超音波センサを設置する液槽の側壁に、
前記超音波センサによる流速や流量の計測対象となる液
体流の管路を形成する材料と同じかまたはそれを近似す
る条件の材料を用いることができるようにされている請
求項3に記載の測定装置。 - 【請求項5】 液槽が4面以上の側壁を有し且つこれら
各側壁がそれぞれ異なる交角を有するようにされた請求
項3または請求項4に記載の測定装置。 - 【請求項6】 液槽の壁の内面に、超音波センサからの
超音波の入射を阻害することのない範囲で、超音波に対
する吸音材が施されている請求項3〜請求項5の何れか
1項に記載の測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11105608A JP2000298049A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 超音波センサの入射角の測定方法および測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11105608A JP2000298049A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 超音波センサの入射角の測定方法および測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000298049A true JP2000298049A (ja) | 2000-10-24 |
Family
ID=14412228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11105608A Pending JP2000298049A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 超音波センサの入射角の測定方法および測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000298049A (ja) |
-
1999
- 1999-04-13 JP JP11105608A patent/JP2000298049A/ja active Pending
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