JP2000297329A - 粒界析出物による耐食性劣化を防止したステンレス鋼帯の製造法 - Google Patents
粒界析出物による耐食性劣化を防止したステンレス鋼帯の製造法Info
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Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 オーステナイト系,マルテンサイト系または
2相系ステンレス鋼の鋼帯製造において、簡便な方法で
粒界析出物に起因した耐食性の劣化を防止する。 【解決手段】 オーステナイト系ステンレス鋼,マルテ
ンサイト系ステンレス鋼またはフェライト+オーステナ
イト2相ステンレス鋼のスラブに熱延,焼鈍を順次施し
て鋼帯を製造するにおいて、熱延工程では巻取り温度を
600℃未満とし、焼鈍工程では最高到達材温Tmを好まし
くは800〜1000℃とし、600℃からTmまでの平均昇温速
度を10℃/s以上とし、Tmでの均熱時間を好ましくは0〜
1分とし、Tmから600℃までの平均冷却速度を10℃/s以
上にコントロールして、焼鈍済み熱延鋼帯の粒界での析
出物占有率を10%以下にすることを特徴とする粒界析出
物による耐食性劣化を防止したステンレス鋼帯の製造
法。
2相系ステンレス鋼の鋼帯製造において、簡便な方法で
粒界析出物に起因した耐食性の劣化を防止する。 【解決手段】 オーステナイト系ステンレス鋼,マルテ
ンサイト系ステンレス鋼またはフェライト+オーステナ
イト2相ステンレス鋼のスラブに熱延,焼鈍を順次施し
て鋼帯を製造するにおいて、熱延工程では巻取り温度を
600℃未満とし、焼鈍工程では最高到達材温Tmを好まし
くは800〜1000℃とし、600℃からTmまでの平均昇温速
度を10℃/s以上とし、Tmでの均熱時間を好ましくは0〜
1分とし、Tmから600℃までの平均冷却速度を10℃/s以
上にコントロールして、焼鈍済み熱延鋼帯の粒界での析
出物占有率を10%以下にすることを特徴とする粒界析出
物による耐食性劣化を防止したステンレス鋼帯の製造
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーステナイト系
ステンレス鋼,マルテンサイト系ステンレス鋼またはフ
ェライト+オーステナイト2相ステンレス鋼の鋼帯製造
において、粒界析出物による耐食性劣化を防止したステ
ンレス鋼帯を製造する方法に関するものである。
ステンレス鋼,マルテンサイト系ステンレス鋼またはフ
ェライト+オーステナイト2相ステンレス鋼の鋼帯製造
において、粒界析出物による耐食性劣化を防止したステ
ンレス鋼帯を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼,マルテ
ンサイト系ステンレス鋼またはフェライト+オーステナ
イト2相ステンレス鋼の鋼帯を製造する際、通常、熱間
圧延工程では最終パスでの圧下終了後に750〜850℃の温
度で鋼帯の巻取りが行われ、次いで焼鈍が行われる。こ
の焼鈍の主たる目的は、材料の再結晶化を図ること、お
よび耐食性劣化の原因になるCr系炭化物を固溶させるこ
とである。
ンサイト系ステンレス鋼またはフェライト+オーステナ
イト2相ステンレス鋼の鋼帯を製造する際、通常、熱間
圧延工程では最終パスでの圧下終了後に750〜850℃の温
度で鋼帯の巻取りが行われ、次いで焼鈍が行われる。こ
の焼鈍の主たる目的は、材料の再結晶化を図ること、お
よび耐食性劣化の原因になるCr系炭化物を固溶させるこ
とである。
【0003】ステンレス鋼帯の製造において粒界にCr系
炭化物が析出すると、その近傍には周囲よりCr濃度の薄
い、いわゆるCr欠乏層が生じる。Cr欠乏層が生じるとそ
の部分が局部的に腐食されやすくなるため、その鋼材の
耐食性は本来その鋼が有している耐食性より著しく劣化
することはよく知られている。また、オーステナイト
系,マルテンサイト系,またはフェライト+マルテンサ
イト2相系のステンレス鋼では、概ね500〜800℃の温度
域に長時間曝された場合に粒界へのCr炭化物析出が促進
されることが知られており、通常の鋼帯製造では熱延工
程における巻取り後の冷却過程で上記温度域に比較的長
時間曝され、この過程で粒界へのCr系炭化物析出が生じ
やすいことも確認されている。
炭化物が析出すると、その近傍には周囲よりCr濃度の薄
い、いわゆるCr欠乏層が生じる。Cr欠乏層が生じるとそ
の部分が局部的に腐食されやすくなるため、その鋼材の
耐食性は本来その鋼が有している耐食性より著しく劣化
することはよく知られている。また、オーステナイト
系,マルテンサイト系,またはフェライト+マルテンサ
イト2相系のステンレス鋼では、概ね500〜800℃の温度
域に長時間曝された場合に粒界へのCr炭化物析出が促進
されることが知られており、通常の鋼帯製造では熱延工
程における巻取り後の冷却過程で上記温度域に比較的長
時間曝され、この過程で粒界へのCr系炭化物析出が生じ
やすいことも確認されている。
【0004】従来、オーステナイト系,マルテンサイト
系,またはフェライト+マルテンサイト2相系のステン
レス鋼の製造において粒界のCr系炭化物析出に起因した
耐食性劣化を回避することを意図した場合、通常、析出
したCr系炭化物をほぼ完全に固溶させるという思想のも
とで、熱延巻取り後の鋼帯に対してCr系炭化物の固溶促
進を重視した条件で焼鈍を施す手法が採用されてきた。
そのような焼鈍方法として、均熱時間を長時間化する方
法、あるいは均熱時間を1分程度と短くするなら例えば1
100℃以上といった高温で加熱する方法がとられてい
る。
系,またはフェライト+マルテンサイト2相系のステン
レス鋼の製造において粒界のCr系炭化物析出に起因した
耐食性劣化を回避することを意図した場合、通常、析出
したCr系炭化物をほぼ完全に固溶させるという思想のも
とで、熱延巻取り後の鋼帯に対してCr系炭化物の固溶促
進を重視した条件で焼鈍を施す手法が採用されてきた。
そのような焼鈍方法として、均熱時間を長時間化する方
法、あるいは均熱時間を1分程度と短くするなら例えば1
100℃以上といった高温で加熱する方法がとられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、熱延後の焼鈍
において、均熱時間を長時間化することはライン速度の
低下をもたらし、生産効率を低下させるので好ましくな
い。また、均熱温度を高温度化することは材料表面の酸
化スケール生成量を増大させ、後工程の負担増や材料品
質の低下を招く他、設備の維持管理やエネルギーコスト
の観点からも好ましくない。したがって、できるだけ低
温・短時間の焼鈍でCr系炭化物を十分に固溶させること
のできる技術の確立が望まれている。
において、均熱時間を長時間化することはライン速度の
低下をもたらし、生産効率を低下させるので好ましくな
い。また、均熱温度を高温度化することは材料表面の酸
化スケール生成量を増大させ、後工程の負担増や材料品
質の低下を招く他、設備の維持管理やエネルギーコスト
の観点からも好ましくない。したがって、できるだけ低
温・短時間の焼鈍でCr系炭化物を十分に固溶させること
のできる技術の確立が望まれている。
【0006】一方、Cr系炭化物の粒界析出をどの程度に
まで抑制すれば鋼が本来有している耐食性レベルを確保
することができるのかについて、製造条件と関連した定
量的な検討は未だ十分になされていないのも事実であ
る。このため、Cr系炭化物をほぼ完全に固溶させようと
いう思想に基づいた従来の焼鈍条件は、耐食性劣化を抑
えるうえで結果的にしばしば過剰な条件となっていたこ
とも否めない。
まで抑制すれば鋼が本来有している耐食性レベルを確保
することができるのかについて、製造条件と関連した定
量的な検討は未だ十分になされていないのも事実であ
る。このため、Cr系炭化物をほぼ完全に固溶させようと
いう思想に基づいた従来の焼鈍条件は、耐食性劣化を抑
えるうえで結果的にしばしば過剰な条件となっていたこ
とも否めない。
【0007】本発明は、このような従来の製造法におけ
るCr系炭化物固溶促進方法の問題を解消するために案出
されたものであり、耐食性劣化を防止するのに十分な粒
界析出物の析出量を把握することによって、できるだけ
低温・短時間の焼鈍で粒界析出物に起因した耐食性劣化
を防止し得るオーステナイト系ステンレス鋼,マルテン
サイト系ステンレス鋼またはフェライト+オーステナイ
ト2相ステンレス鋼の鋼帯製造法を提供することを目的
とする。
るCr系炭化物固溶促進方法の問題を解消するために案出
されたものであり、耐食性劣化を防止するのに十分な粒
界析出物の析出量を把握することによって、できるだけ
低温・短時間の焼鈍で粒界析出物に起因した耐食性劣化
を防止し得るオーステナイト系ステンレス鋼,マルテン
サイト系ステンレス鋼またはフェライト+オーステナイ
ト2相ステンレス鋼の鋼帯製造法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、オーステナイト系ステンレス
鋼,マルテンサイト系ステンレス鋼またはフェライト+
オーステナイト2相ステンレス鋼のスラブに熱延,焼鈍
を順次施して鋼帯を製造するにおいて、熱延工程では巻
取り温度を600℃未満とし、焼鈍工程では600℃から最高
到達材温Tmまでの平均昇温速度を10℃/s以上、かつTm
から600℃までの平均冷却速度を10℃/s以上にコントロ
ールして、焼鈍済み熱延鋼帯の粒界での析出物占有率を
10%以下にすることを特徴とする粒界析出物による耐食
性劣化を防止したステンレス鋼帯の製造法である。
に、請求項1の発明は、オーステナイト系ステンレス
鋼,マルテンサイト系ステンレス鋼またはフェライト+
オーステナイト2相ステンレス鋼のスラブに熱延,焼鈍
を順次施して鋼帯を製造するにおいて、熱延工程では巻
取り温度を600℃未満とし、焼鈍工程では600℃から最高
到達材温Tmまでの平均昇温速度を10℃/s以上、かつTm
から600℃までの平均冷却速度を10℃/s以上にコントロ
ールして、焼鈍済み熱延鋼帯の粒界での析出物占有率を
10%以下にすることを特徴とする粒界析出物による耐食
性劣化を防止したステンレス鋼帯の製造法である。
【0009】ここで、焼鈍済み熱延鋼帯とは熱延,焼鈍
を順次施して得られた段階の鋼帯をいう。
を順次施して得られた段階の鋼帯をいう。
【0010】「粒界での析出物占有率」は、以下の手順
で鋼帯の断面の金属組織観察を行うことによって求まる
値と定義する。すなわち、鋼帯の断面を10%蓚酸水溶液
(25℃)を用い電流密度1A/cm2で10秒間電解した試料に
ついて光学顕微鏡で金属組織観察を行い、観察視野内に
おいてエッチングされている結晶粒界のトータル長さを
測定し、この値をa(μm)とする。次に、この試料をさら
にフッ硝酸水溶液(フッ酸:20%,硝酸:10%,温度:
25℃)に10秒間浸漬したのち、前記と同一の観察視野内
においてエッチングされている結晶粒界の総延長を測定
し、これをb(μm)とする。このとき、(a/b)×100で表さ
れる値を粒界での析出物占有率(%)と定義する。
で鋼帯の断面の金属組織観察を行うことによって求まる
値と定義する。すなわち、鋼帯の断面を10%蓚酸水溶液
(25℃)を用い電流密度1A/cm2で10秒間電解した試料に
ついて光学顕微鏡で金属組織観察を行い、観察視野内に
おいてエッチングされている結晶粒界のトータル長さを
測定し、この値をa(μm)とする。次に、この試料をさら
にフッ硝酸水溶液(フッ酸:20%,硝酸:10%,温度:
25℃)に10秒間浸漬したのち、前記と同一の観察視野内
においてエッチングされている結晶粒界の総延長を測定
し、これをb(μm)とする。このとき、(a/b)×100で表さ
れる値を粒界での析出物占有率(%)と定義する。
【0011】請求項2の発明は、請求項1に記載の製造
法において、焼鈍工程において最高到達材温Tmを800〜
1000℃、Tmでの均熱時間を0〜1分とする点を規定した
ものである。ここで、均熱時間とは材料が温度Tmに保
持されている時間であり、均熱0分とは材料温度がTmに
達したと同時に降温を開始する場合をいう。
法において、焼鈍工程において最高到達材温Tmを800〜
1000℃、Tmでの均熱時間を0〜1分とする点を規定した
ものである。ここで、均熱時間とは材料が温度Tmに保
持されている時間であり、均熱0分とは材料温度がTmに
達したと同時に降温を開始する場合をいう。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2の製
造法において、鋼がCr:12〜30質量%,Ni:5〜30質量
%を含有するオーステナイト系ステンレス鋼である点を
規定したものである。
造法において、鋼がCr:12〜30質量%,Ni:5〜30質量
%を含有するオーステナイト系ステンレス鋼である点を
規定したものである。
【0013】請求項4の発明は、請求項1または2の製
造法において、鋼がCr:12〜20質量%,Ni:10質量%以
下を含有するマルテンサイト系ステンレス鋼である点を
規定したものである。
造法において、鋼がCr:12〜20質量%,Ni:10質量%以
下を含有するマルテンサイト系ステンレス鋼である点を
規定したものである。
【0014】請求項5の発明は、請求項1または2の製
造法において、鋼がCr:20〜30質量%,Ni:2〜15質量
%を含有するフェライト+オーステナイト2相ステンレ
ス鋼である点を規定したものである。
造法において、鋼がCr:20〜30質量%,Ni:2〜15質量
%を含有するフェライト+オーステナイト2相ステンレ
ス鋼である点を規定したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】発明者らは、オーステナイト系,
マルテンサイト系またはフェライト+オーステナイト2
相系ステンレス鋼の鋼帯製造過程で生成する粒界析出物
の析出量とその粒界析出物の生成に起因した耐食性劣化
の関係について詳細に調査を行ってきた。その結果、上
記のように定義した「粒界での析出物占有率」によって
耐食性劣化を防止するに足る粒界析出物の量を定量的に
把握することができることを見出した。以下、本発明を
特定するための事項について説明する。
マルテンサイト系またはフェライト+オーステナイト2
相系ステンレス鋼の鋼帯製造過程で生成する粒界析出物
の析出量とその粒界析出物の生成に起因した耐食性劣化
の関係について詳細に調査を行ってきた。その結果、上
記のように定義した「粒界での析出物占有率」によって
耐食性劣化を防止するに足る粒界析出物の量を定量的に
把握することができることを見出した。以下、本発明を
特定するための事項について説明する。
【0016】〔粒界での析出物占有率〕ステンレス鋼帯
は、熱延・焼鈍が施されたのち、そのまま焼鈍済み熱延
鋼板として使用される用途もあるが、多くの場合さらに
冷延・焼鈍が施されて冷延鋼板として使用される。発明
者らの検討の結果、オーステナイト系,マルテンサイト
系または2相系ステンレス鋼の鋼帯製造において、焼鈍
済み熱延鋼帯の段階での粒界析出物の析出量を一定以下
に低減しておくことによって、その後に通常の手法で冷
延・焼鈍を施した冷延鋼板においても粒界析出物に起因
した鋼板の耐食性劣化は防止されることが確かめられ
た。本発明ではこの知見に基づき、焼鈍済み熱延鋼帯に
おける「粒界での析出物占有率」を規定しているのであ
る。
は、熱延・焼鈍が施されたのち、そのまま焼鈍済み熱延
鋼板として使用される用途もあるが、多くの場合さらに
冷延・焼鈍が施されて冷延鋼板として使用される。発明
者らの検討の結果、オーステナイト系,マルテンサイト
系または2相系ステンレス鋼の鋼帯製造において、焼鈍
済み熱延鋼帯の段階での粒界析出物の析出量を一定以下
に低減しておくことによって、その後に通常の手法で冷
延・焼鈍を施した冷延鋼板においても粒界析出物に起因
した鋼板の耐食性劣化は防止されることが確かめられ
た。本発明ではこの知見に基づき、焼鈍済み熱延鋼帯に
おける「粒界での析出物占有率」を規定しているのであ
る。
【0017】本発明でいう「粒界での析出物占有率」は
先に定義したとおりである。その定義において規定した
蓚酸電解条件は、粒界析出物はエッチングされるが析出
物の生じていない結晶粒界の部分はエッチングされない
条件である。したがって、この蓚酸電解条件でエッチン
グされた結晶粒界の長さを測定して求まる前記a(μm)の
値は、金属組織観察視野内において粒界析出物が存在す
る結晶粒界の部分の総延長を表していることになる。ま
た、上記定義において規定したフッ硝酸水溶液に浸漬す
るエッチング条件は、焼鈍されたオーステナイト系,マ
ルテンサイト系,または2相系のステンレス鋼の結晶粒
界全体がエッチングされる条件である。したがって、上
記蓚酸電解の後にさらにこのフッ硝酸浸漬を行ってエッ
チングされた結晶粒界の長さを測定して求まる前記b(μ
m)の値は、金属組織観察視野内の結晶粒界の総延長を表
していることになる。
先に定義したとおりである。その定義において規定した
蓚酸電解条件は、粒界析出物はエッチングされるが析出
物の生じていない結晶粒界の部分はエッチングされない
条件である。したがって、この蓚酸電解条件でエッチン
グされた結晶粒界の長さを測定して求まる前記a(μm)の
値は、金属組織観察視野内において粒界析出物が存在す
る結晶粒界の部分の総延長を表していることになる。ま
た、上記定義において規定したフッ硝酸水溶液に浸漬す
るエッチング条件は、焼鈍されたオーステナイト系,マ
ルテンサイト系,または2相系のステンレス鋼の結晶粒
界全体がエッチングされる条件である。したがって、上
記蓚酸電解の後にさらにこのフッ硝酸浸漬を行ってエッ
チングされた結晶粒界の長さを測定して求まる前記b(μ
m)の値は、金属組織観察視野内の結晶粒界の総延長を表
していることになる。
【0018】本発明ではこれらa,bの値を用いて算出さ
れる(a/b)×100の値を「粒界での析出物占有率(%)」と
定義しているが、この指標の意味は概念的には鋼帯断面
の金属組織観察視野内に存在する結晶粒界の総延長に占
める、粒界析出物の存在する結晶粒界の部分のトータル
長さの割合を表すものということができる。なお、エッ
チングされた結晶粒界の長さを測定する方法として、光
学顕微鏡観察像をコンピューターにより画像処理して求
める方法が採用できる。
れる(a/b)×100の値を「粒界での析出物占有率(%)」と
定義しているが、この指標の意味は概念的には鋼帯断面
の金属組織観察視野内に存在する結晶粒界の総延長に占
める、粒界析出物の存在する結晶粒界の部分のトータル
長さの割合を表すものということができる。なお、エッ
チングされた結晶粒界の長さを測定する方法として、光
学顕微鏡観察像をコンピューターにより画像処理して求
める方法が採用できる。
【0019】発明者らの詳細な検討の結果、オーステナ
イト系,マルテンサイト系,または2相系のステンレス
鋼においては、焼鈍済み熱延鋼帯の粒界での析出物占有
率を10%以下にするよう製造条件をコントロールするこ
とによって、粒界析出物(Cr系炭化物)に起因した耐食
性の劣化が防止できることがわかった。つまり、上記各
種ステンレス鋼本来の耐食性を発揮させるうえで、粒界
析出物をほぼ完全に固溶させるという必要はないのであ
って、焼鈍済み熱延鋼帯の段階において先に定義した
「粒界での析出物占有率」が10%以下になっていれば、
焼鈍済み熱延鋼帯として使用する場合も、さらに通常の
方法で冷延・焼鈍を施して使用する場合も、鋼本来の耐
食性を十分に発揮させることができるのである。この点
については後述の実施例で実証する。
イト系,マルテンサイト系,または2相系のステンレス
鋼においては、焼鈍済み熱延鋼帯の粒界での析出物占有
率を10%以下にするよう製造条件をコントロールするこ
とによって、粒界析出物(Cr系炭化物)に起因した耐食
性の劣化が防止できることがわかった。つまり、上記各
種ステンレス鋼本来の耐食性を発揮させるうえで、粒界
析出物をほぼ完全に固溶させるという必要はないのであ
って、焼鈍済み熱延鋼帯の段階において先に定義した
「粒界での析出物占有率」が10%以下になっていれば、
焼鈍済み熱延鋼帯として使用する場合も、さらに通常の
方法で冷延・焼鈍を施して使用する場合も、鋼本来の耐
食性を十分に発揮させることができるのである。この点
については後述の実施例で実証する。
【0020】〔熱延巻取り温度〕熱延工程では、熱延仕
上げパス終了後に巻取られた鋼帯(コイル)がまだ高温
に曝されている間に生成する粒界析出物をできるだけ低
減することが、後工程への影響を考慮したとき最も有効
な手段となる。オーステナイト系,マルテンサイト系,
2相系のステンレス鋼の一般的な熱延条件では、巻取ら
れた鋼帯は500〜800℃の温度領域に長時間曝されながら
冷却される。この温度領域はCr系炭化物が析出して粒界
近傍にCr欠乏層を生成する温度領域である。このため、
熱延巻取り温度はできるだけ低くすることが望ましい。
もし巻取り温度を500℃以下とする操業を行うことがで
きれば熱延工程での粒界析出物生成の問題は解消され
る。しかし、そのような操業は他に多くの制約を伴い、
必ずしも容易に実施できるとは限らない。発明者らは詳
細な検討の結果、後工程を後述の焼鈍条件に従って実施
するのであれば、熱延巻取り温度を600℃未満とするこ
とによって、焼鈍済み熱延鋼帯の前記「粒界での析出物
占有率」を10%以下にすることが可能であることを確認
した。600℃未満でも炭化物は生成するが、その温度域
で生成する析出物はサイズも小さく耐食性に悪影響を及
ぼさない。したがって、本発明では熱延巻取り温度を60
0℃未満とすることを要件とした。
上げパス終了後に巻取られた鋼帯(コイル)がまだ高温
に曝されている間に生成する粒界析出物をできるだけ低
減することが、後工程への影響を考慮したとき最も有効
な手段となる。オーステナイト系,マルテンサイト系,
2相系のステンレス鋼の一般的な熱延条件では、巻取ら
れた鋼帯は500〜800℃の温度領域に長時間曝されながら
冷却される。この温度領域はCr系炭化物が析出して粒界
近傍にCr欠乏層を生成する温度領域である。このため、
熱延巻取り温度はできるだけ低くすることが望ましい。
もし巻取り温度を500℃以下とする操業を行うことがで
きれば熱延工程での粒界析出物生成の問題は解消され
る。しかし、そのような操業は他に多くの制約を伴い、
必ずしも容易に実施できるとは限らない。発明者らは詳
細な検討の結果、後工程を後述の焼鈍条件に従って実施
するのであれば、熱延巻取り温度を600℃未満とするこ
とによって、焼鈍済み熱延鋼帯の前記「粒界での析出物
占有率」を10%以下にすることが可能であることを確認
した。600℃未満でも炭化物は生成するが、その温度域
で生成する析出物はサイズも小さく耐食性に悪影響を及
ぼさない。したがって、本発明では熱延巻取り温度を60
0℃未満とすることを要件とした。
【0021】〔焼鈍工程でのヒートパターン〕熱延後の
鋼帯に施す焼鈍工程では、上記と同様の理由からCr系炭
化物の生成温度領域をできるだけ短時間で通過させるこ
とが重要である。種々検討の結果、熱延巻取り温度を60
0℃未満としたオーステナイト系,マルテンサイト系ま
たは2相系ステンレス鋼の熱延鋼帯に対しては、600℃
から最高到達材温Tmまでの平均昇温速度を10℃/s以
上、かつTmから600℃までの平均冷却速度を10℃/s以上
にコントロールするヒートパターンの焼鈍を施すことに
よって粒界での析出物占有率を10%以下にすることが可
能となる。
鋼帯に施す焼鈍工程では、上記と同様の理由からCr系炭
化物の生成温度領域をできるだけ短時間で通過させるこ
とが重要である。種々検討の結果、熱延巻取り温度を60
0℃未満としたオーステナイト系,マルテンサイト系ま
たは2相系ステンレス鋼の熱延鋼帯に対しては、600℃
から最高到達材温Tmまでの平均昇温速度を10℃/s以
上、かつTmから600℃までの平均冷却速度を10℃/s以上
にコントロールするヒートパターンの焼鈍を施すことに
よって粒界での析出物占有率を10%以下にすることが可
能となる。
【0022】オーステナイト系,マルテンサイト系また
は2相系ステンレス鋼の熱延後に行う焼鈍では、通常、
Cr系炭化物の固溶化を短時間で達成するために1100℃を
超える高温まで加熱される場合が多い。しかし本発明で
は熱延巻取り温度を炭化物析出が起こりにくい温度に規
定しているため、そのような高温に加熱する必要はな
い。焼鈍の最高到達材温Tmを1000℃以下としても、粒
界での析出物占有率を10%以下にすることが可能であ
り、耐食性の劣化は防止できる。ただし、最高到達材温
Tmは800℃以上にすることが望ましい。
は2相系ステンレス鋼の熱延後に行う焼鈍では、通常、
Cr系炭化物の固溶化を短時間で達成するために1100℃を
超える高温まで加熱される場合が多い。しかし本発明で
は熱延巻取り温度を炭化物析出が起こりにくい温度に規
定しているため、そのような高温に加熱する必要はな
い。焼鈍の最高到達材温Tmを1000℃以下としても、粒
界での析出物占有率を10%以下にすることが可能であ
り、耐食性の劣化は防止できる。ただし、最高到達材温
Tmは800℃以上にすることが望ましい。
【0023】また、Tmを1000℃以下とした場合であっ
ても、Tmでの均熱時間は0〜1分と短時間にすることが
可能である。このように昇温・冷却速度を大きくし、最
高到達材温Tmを通常より低くし、かつTmでの均熱時間
を短くするヒートパターンを採用することによって連続
焼鈍ラインの通板速度を大きくすることができるので生
産性が向上する。しかもこのようなヒートパターンによ
っても粒界析出物に起因した耐食性劣化も防止できる。
したがって、熱延後の鋼帯に施す焼鈍工程では、最高到
達材温Tmを800〜1000℃とし、600℃からTmまでの平均
昇温速度を10℃/s以上、Tmでの均熱時間を0〜1分、か
つTmから600℃までの平均冷却速度を10℃/s以上にコン
トロールするヒートパターンを採用することが望まし
い。
ても、Tmでの均熱時間は0〜1分と短時間にすることが
可能である。このように昇温・冷却速度を大きくし、最
高到達材温Tmを通常より低くし、かつTmでの均熱時間
を短くするヒートパターンを採用することによって連続
焼鈍ラインの通板速度を大きくすることができるので生
産性が向上する。しかもこのようなヒートパターンによ
っても粒界析出物に起因した耐食性劣化も防止できる。
したがって、熱延後の鋼帯に施す焼鈍工程では、最高到
達材温Tmを800〜1000℃とし、600℃からTmまでの平均
昇温速度を10℃/s以上、Tmでの均熱時間を0〜1分、か
つTmから600℃までの平均冷却速度を10℃/s以上にコン
トロールするヒートパターンを採用することが望まし
い。
【0024】〔対象とする鋼〕本発明で対象とするオー
ステナイト系ステンレス鋼は、例えばCr:12〜30質量
%,Ni:5〜30質量%を含有する鋼であり、これに該当
する代表的な鋼種として、SUS304,SUS316等が挙げられ
る。
ステナイト系ステンレス鋼は、例えばCr:12〜30質量
%,Ni:5〜30質量%を含有する鋼であり、これに該当
する代表的な鋼種として、SUS304,SUS316等が挙げられ
る。
【0025】本発明で対象とするマルテンサイト系ステ
ンレス鋼は、例えばCr:12〜20質量%,Ni:10質量%以
下%を含有する鋼であり、これに該当する代表的な鋼種
として、SUS410,SUS420J2等が挙げられる。
ンレス鋼は、例えばCr:12〜20質量%,Ni:10質量%以
下%を含有する鋼であり、これに該当する代表的な鋼種
として、SUS410,SUS420J2等が挙げられる。
【0026】本発明で対象とするフェライト+オーステ
ナイト2相ステンレス鋼は、例えばCr:20〜30質量%,
Ni:2〜15質量%を含有する鋼であり、これに該当する
代表的な鋼種として、SUS329J1,SUS329J3L等が挙げら
れる。
ナイト2相ステンレス鋼は、例えばCr:20〜30質量%,
Ni:2〜15質量%を含有する鋼であり、これに該当する
代表的な鋼種として、SUS329J1,SUS329J3L等が挙げら
れる。
【0027】
【実施例】表1に示した3種類のオーステナイト系ステ
ンレス鋼(鋼種A,B,C)、2種類のマルテンサイト
系ステンレス鋼(鋼種D,E)、および1種類のフェラ
イト+オーステナイト2相ステンレス鋼(鋼種F)を電
気炉→転炉→脱ガス処理→連続鋳造の工程で溶製してス
ラブを得た。各スラブを板厚3.8mmまで熱間圧延して巻
取り、引き続き連続ラインにて焼鈍および酸洗を行って
焼鈍済み熱延鋼帯を得た。一部はさらに板厚1.0mmまで
冷間圧延したのち仕上焼鈍および酸洗を施して冷延焼鈍
鋼帯とした。
ンレス鋼(鋼種A,B,C)、2種類のマルテンサイト
系ステンレス鋼(鋼種D,E)、および1種類のフェラ
イト+オーステナイト2相ステンレス鋼(鋼種F)を電
気炉→転炉→脱ガス処理→連続鋳造の工程で溶製してス
ラブを得た。各スラブを板厚3.8mmまで熱間圧延して巻
取り、引き続き連続ラインにて焼鈍および酸洗を行って
焼鈍済み熱延鋼帯を得た。一部はさらに板厚1.0mmまで
冷間圧延したのち仕上焼鈍および酸洗を施して冷延焼鈍
鋼帯とした。
【0028】
【表1】
【0029】熱延巻取り温度、熱延鋼帯の焼鈍条件を表
2に示すように種々変化させ、各焼鈍済み熱延鋼帯につ
いて、粒界での析出物占有率(%)を求めた。また冷延焼
鈍鋼帯について耐食性試験を実施した。
2に示すように種々変化させ、各焼鈍済み熱延鋼帯につ
いて、粒界での析出物占有率(%)を求めた。また冷延焼
鈍鋼帯について耐食性試験を実施した。
【0030】粒界での析出物占有率(%)は先に定義した
方法に従って求めた。ここで、金属組織の観察には光学
顕微鏡を用い、エッチングされた結晶粒界の長さの測定
は当該顕微鏡像を画像処理装置(インタークエスト社製
LA1125型)を用いて画像処理することによって行った。
方法に従って求めた。ここで、金属組織の観察には光学
顕微鏡を用い、エッチングされた結晶粒界の長さの測定
は当該顕微鏡像を画像処理装置(インタークエスト社製
LA1125型)を用いて画像処理することによって行った。
【0031】耐食性試験はJIS G 0577に準拠した孔食電
位測定法により行った。すなわち、350ppmCl-,40℃の
試験液を用いて、孔食電位密度100μA/cm2に対応する最
も貴な電位Vc'100(V)を測定した。
位測定法により行った。すなわち、350ppmCl-,40℃の
試験液を用いて、孔食電位密度100μA/cm2に対応する最
も貴な電位Vc'100(V)を測定した。
【0032】
【表2】
【0033】表2からわかるように、いずれの鋼種にお
いても焼鈍済み熱延鋼帯の粒界での析出物占有率が10%
以下の発明例では同一鋼種の中で耐食性の差がほとんど
認められないことから、これらはいずれも鋼本来の耐食
性を呈すると考えることができる。これに対し粒界での
析出物占有率が10%を超えるものは、各鋼種とも発明例
のものに比べ耐食性は著しく劣化している。このよう
に、オーステナイト系,マルテンサイト系,またはフェ
ライト+オーステナイト2相系のステンレス鋼種におい
ては、焼鈍済み熱延鋼帯の粒界での析出物占有率を10%
以下とすることによって、粒界析出物に起因した耐食性
劣化を安定的に防止できることが確認された。
いても焼鈍済み熱延鋼帯の粒界での析出物占有率が10%
以下の発明例では同一鋼種の中で耐食性の差がほとんど
認められないことから、これらはいずれも鋼本来の耐食
性を呈すると考えることができる。これに対し粒界での
析出物占有率が10%を超えるものは、各鋼種とも発明例
のものに比べ耐食性は著しく劣化している。このよう
に、オーステナイト系,マルテンサイト系,またはフェ
ライト+オーステナイト2相系のステンレス鋼種におい
ては、焼鈍済み熱延鋼帯の粒界での析出物占有率を10%
以下とすることによって、粒界析出物に起因した耐食性
劣化を安定的に防止できることが確認された。
【0034】参考のため、図1,図2および図3には、
それぞれ表2の試験番号A2(発明例),B3(比較例)お
よびD4(比較例)の焼鈍済み熱延鋼帯断面(板中央部)
について10%蓚酸水溶液(25℃)を用い電流密度1A/cm2で
10秒間電解した場合の光学顕微鏡観察写真を示す。また
図4には表2のD3(比較例)の結晶粒界部分の透過型電
子顕微鏡写真を示す。図4によると、結晶粒界は完全に
溝状組織を呈している。
それぞれ表2の試験番号A2(発明例),B3(比較例)お
よびD4(比較例)の焼鈍済み熱延鋼帯断面(板中央部)
について10%蓚酸水溶液(25℃)を用い電流密度1A/cm2で
10秒間電解した場合の光学顕微鏡観察写真を示す。また
図4には表2のD3(比較例)の結晶粒界部分の透過型電
子顕微鏡写真を示す。図4によると、結晶粒界は完全に
溝状組織を呈している。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、オーステナイト系,マ
ルテンサイト系または2相系ステンレス鋼の鋼帯製造に
おいて、粒界析出物に起因した耐食性劣化が生じるよう
になる金属組織を定量的に把握することによって、鋼本
来の耐食性を付与し得る熱延−焼鈍の条件を適正化する
ことができた。本発明の製造法を実施すれば、熱延後の
焼鈍条件を従来から通常行われているよりも低温・短時
間とすることができ、品質・コストの両面において非常
に有利である。
ルテンサイト系または2相系ステンレス鋼の鋼帯製造に
おいて、粒界析出物に起因した耐食性劣化が生じるよう
になる金属組織を定量的に把握することによって、鋼本
来の耐食性を付与し得る熱延−焼鈍の条件を適正化する
ことができた。本発明の製造法を実施すれば、熱延後の
焼鈍条件を従来から通常行われているよりも低温・短時
間とすることができ、品質・コストの両面において非常
に有利である。
【図1】表2の試験番号A2(発明例)の焼鈍済み熱延鋼
帯断面(板中央部)について10%蓚酸水溶液(25℃)を用
い電流密度1A/cm2で10秒間電解した場合の光学顕微鏡観
察写真である。
帯断面(板中央部)について10%蓚酸水溶液(25℃)を用
い電流密度1A/cm2で10秒間電解した場合の光学顕微鏡観
察写真である。
【図2】表2の試験番号B3(比較例)の焼鈍済み熱延鋼
帯断面(板中央部)について10%蓚酸水溶液(25℃)を用
い電流密度1A/cm2で10秒間電解した場合の光学顕微鏡観
察写真である。
帯断面(板中央部)について10%蓚酸水溶液(25℃)を用
い電流密度1A/cm2で10秒間電解した場合の光学顕微鏡観
察写真である。
【図3】表2の試験番号D4(比較例)の焼鈍済み熱延鋼
帯断面(板中央部)について10%蓚酸水溶液(25℃)を用
い電流密度1A/cm2で10秒間電解した場合の光学顕微鏡観
察写真である。
帯断面(板中央部)について10%蓚酸水溶液(25℃)を用
い電流密度1A/cm2で10秒間電解した場合の光学顕微鏡観
察写真である。
【図4】表2のD3(比較例)の結晶粒界部分の透過型電
子顕微鏡写真である。
子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21D 9/52 101 C21D 9/52 101 C22C 38/00 302 C22C 38/00 302Z 302H 38/40 38/40 (72)発明者 森本 憲一 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K037 EA05 EA12 EA15 EA17 EA18 EA20 EA21 EA27 EB13 EB14 FE01 FE02 FE06 FF03 JA06 4K043 AA01 AB03 AB12 AB15 AB18 AB20 AB23 AB24 AB25 AB26 AB27 BA05 BA06 DA05 EA01 FA03 FA12 FA13
Claims (5)
- 【請求項1】 オーステナイト系ステンレス鋼,マルテ
ンサイト系ステンレス鋼またはフェライト+オーステナ
イト2相ステンレス鋼のスラブに熱延,焼鈍を順次施し
て鋼帯を製造するにおいて、熱延工程では巻取り温度を
600℃未満とし、焼鈍工程では600℃から最高到達材温T
mまでの平均昇温速度を10℃/s以上、かつTmから600℃
までの平均冷却速度を10℃/s以上にコントロールして、
焼鈍済み熱延鋼帯の粒界での析出物占有率を10%以下に
することを特徴とする粒界析出物による耐食性劣化を防
止したステンレス鋼帯の製造法。 - 【請求項2】 焼鈍工程において最高到達材温Tmを800
〜1000℃、Tmでの均熱時間を0〜1分とする請求項1に
記載の製造法。 - 【請求項3】 鋼がCr:12〜30質量%,Ni:5〜30質量
%を含有するオーステナイト系ステンレス鋼である、請
求項1または2に記載の製造法。 - 【請求項4】 鋼がCr:12〜20質量%,Ni:10質量%以
下を含有するマルテンサイト系ステンレス鋼である、請
求項1または2に記載の製造法。 - 【請求項5】 鋼がCr:20〜30質量%,Ni:2〜15質量
%を含有するフェライト+オーステナイト2相ステンレ
ス鋼である、請求項1または2に記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11104898A JP2000297329A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 粒界析出物による耐食性劣化を防止したステンレス鋼帯の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11104898A JP2000297329A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 粒界析出物による耐食性劣化を防止したステンレス鋼帯の製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000297329A true JP2000297329A (ja) | 2000-10-24 |
Family
ID=14392975
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11104898A Withdrawn JP2000297329A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 粒界析出物による耐食性劣化を防止したステンレス鋼帯の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000297329A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009102728A (ja) * | 2007-10-02 | 2009-05-14 | Jfe Steel Corp | 靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼およびその製造方法 |
| JP2009263714A (ja) * | 2008-04-24 | 2009-11-12 | Jfe Steel Corp | 靱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 |
| WO2010074710A3 (en) * | 2008-12-16 | 2010-09-23 | L. E. Jones Company | Superaustenitic stainless steel and method of making and use thereof |
| CN118518551A (zh) * | 2024-05-31 | 2024-08-20 | 宝钢德盛不锈钢有限公司 | 一种马氏体不锈钢晶粒度的评级方法 |
-
1999
- 1999-04-13 JP JP11104898A patent/JP2000297329A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009102728A (ja) * | 2007-10-02 | 2009-05-14 | Jfe Steel Corp | 靭性に優れたフェライト系ステンレス鋼およびその製造方法 |
| JP2009263714A (ja) * | 2008-04-24 | 2009-11-12 | Jfe Steel Corp | 靱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 |
| WO2010074710A3 (en) * | 2008-12-16 | 2010-09-23 | L. E. Jones Company | Superaustenitic stainless steel and method of making and use thereof |
| US8430075B2 (en) | 2008-12-16 | 2013-04-30 | L.E. Jones Company | Superaustenitic stainless steel and method of making and use thereof |
| CN118518551A (zh) * | 2024-05-31 | 2024-08-20 | 宝钢德盛不锈钢有限公司 | 一种马氏体不锈钢晶粒度的评级方法 |
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|---|---|---|---|
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