JP2000297039A - 夢見促進剤 - Google Patents
夢見促進剤Info
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Abstract
ことができる剤を得る。 【解決手段】大豆レシチン由来の転移型ホスファチジル
−L−セリンを有効成分とする夢見促進剤。
Description
ことにより夢を見る頻度を高め、覚醒時に睡眠中の夢の
認識を高めることができる夢見促進剤に関する。
いことであるが、ケクレによるベンゼン環の発見に代表
されるように、夢をヒントに発明や発見に結び付けた
り、芸術的な創造に夢を生かした例は多い。また、夢は
記憶の処理に関与するとされており、夢見の制御は気分
転換や創造性の刺激のみならず脳内の情報処理の面から
も意義のある技術と考えられる。
などの感覚上の刺激を与えることにより、刺激に応じた
夢を見させることができるという観点から、レム睡眠中
に刺激を与えて夢の内容を制御する装置(特開昭56−
13955号)や、そのためのコンピュータソフトなど
も考案されている。しかしながら、これは睡眠中に刺激
を与える装置を体に取り付ける必要があり、必ずしも満
足のゆく方法ではなかった。更に、夢を見る頻度を高め
るための方法は未だ提供されていない。また、夢により
創造性を刺激するには、覚醒時に夢を覚えている必要が
あるが、このような目的を達成するための手段も知られ
ていない。
を促進する手段については、要望が高いにもかかわらず
これまで満足できる手段は報告されておらず、夢見を促
進し、かつ覚醒時に夢を覚えているための手段が望まれ
ていた。本発明者らは、鋭意研究の結果、ホスファチジ
ル−L−セリンを、入眠前に予め投与することにより、
夢見を促進し、かつ覚醒時に夢を覚えていることができ
ることを見出し、本発明に至った。なお、ホスファチジ
ル−L−セリン自体は、アミノ酸を含有する燐脂質とし
て広く生物界に分布するものである(岩波生物学辞
典)。
夢見促進剤は、ホスファチジル−L−セリン又はその塩
を有効成分とするものである。本請求項2に係る発明の
夢見促進剤は、大豆レシチン由来の転移型ホスファチジ
ル−L−セリン又はその塩を有効成分とするものであ
る。本請求項3に係る発明の夢見促進食品は、ホスファ
チジル−L−セリン又はその塩を含有するものである。
入眠前に予めホスファチジル−L−セリン又はその塩を
投与することにより、夢見を促進し、かつ覚醒時に夢見
を認識することができるものである。
その塩は、いかなる方法により得られたものでも良く、
特に製造方法が限定されるものではないが、例えば、大
量にまた安価に提供可能な大豆レシチン、菜種レシチ
ン、卵黄レシチン等からホスファチジル−L−セリンを
抽出しても良く、或いはこれらを原料として、ホスホリ
パーゼDによるホスファチジル基転移反応によって得ら
れる転移型ホスファチジル−L−セリンを用いることも
できる。
来、あるいは酵母等の微生物由来のホスファチジル−L
−セリンを用いることができる。更には、それらより抽
出されたホスファチジル−L−セリンや転移型ホスファ
チジル−L−セリンに水素添加処理を行ったホスファチ
ジル−L−セリン、あるいは転移型ホスファチジル−L
−セリン又水素添加型ホスファチジル−L−セリンの1
又は2位の脂肪酸鎖が除かれているリゾ型のホスファチ
ジル−L−セリンを用いることもできる。
合わせたものであっても良い。前記のホスファチジル−
L−セリンは、適当な精製処理工程に付し、不純物を除
いて用いることが望ましいが、その効果を阻害するよう
な問題がない限り、原料由来や生成工程での不純物を含
んだまま用いても良い。本発明のホスファチジル−L−
セリンの塩としては、安全性を保てる塩の形であれば特
に制約はないものの、具体的には、ナトリウム塩、カリ
ウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等があり、と
りわけナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
投与は、経口投与でも静脈内投与でも有効であるが、入
眠1〜2時間前に投与されることが好適である。投与量
は、成人当たり1日100〜300mg程度で良いが、
個人差もありこの範囲に限定されるものではない。ま
た、経口投与は、そのまま、或いは他の脂質、糖、たん
ぱく質、ビタミン、食物エキス等の賦形剤を混ぜて、扱
いやすさや保存性、官能特性等を向上させたカプセル
剤、錠剤あるいは顆粒剤に加工したものを用いることが
できる。
の塩は、安全性の点でも問題がないので、日常摂取する
各種飲食品、例えば、飲料類(茶、珈琲、紅茶、ココ
ア、ハーブ茶、清涼飲料、果汁等)、菓子類(ビスケッ
ト、チョコレート、飴、ガム等)、乳製品(乳酸菌飲
料、発酵乳、チーズ、アイスクリーム等)あるいはその
他のパン、米飯、麺類等、種々の飲食品に配合して用い
ることができる。なお、ホスファチジル−L−セリン又
はその塩の投与後、入眠前に視覚的な刺激(例えば、映
像や絵画等)を与えたり、入眠後に聴覚的な刺激を与え
ることも本発明の効果を更に高めるのに有効である。
セリンの製造例を示す。先ず、大豆由来の転移型ホスフ
ァチジル−L−セリンの製造方法について説明する。大
豆レシチン(PC80,BOLEC,Croklaan b.c.,オラン
ダ)50gを300ccバイアル瓶に取り、60mlの酢酸エチル
を加えて溶解させた。ここに0.1Mリン酸ナトリウム緩
衝液(pH7.0)に溶解したL−セリン溶液(0.50g/m
l)50mlを加えて混合した後、放線菌由来のホスホリパ
ーゼD溶液(500u/ml,(株)ヤクルト本社製)15mlを
加え、スターラーで攪拌しながら50℃で5時間反応させ
た。
氷冷して2層に分離させ30分間放置後、上層を除去
し、残りの下層をクロロホルムで抽出してから減圧固化
した。この標品5gに対してクロロホルム15mlを加えて
溶解したものをシリカゲル(Silica gel 60,MERCK)を
充填したカラム(Φ32mm×300mm)にアプライし、室温
でクロロホルム−メタノール(4:1)を100ml/時間
の流速で流して転移型ホスファチジル−L−セリンを含
む画分を分取した。
−セリンの精製方法について説明する。動物組織(ブタ
脳、ヒツジ脳、鶏肉、鶏肝臓、イワシ魚体、サバ血合肉
等)を細かく切断し、200g当たり、60mlのアセトンを
加え、ワーリングブレンダーでホモジナイズした。これ
にアセトン200mlを加え、上清を吸引濾過して除いた
残渣を800mlのアセトン、400mlのエタノールで洗浄
後、800mlの石油エーテルで一晩攪拌しながら脂質を抽
出した。抽出物を減圧乾固し、そのうちの5gに対して
クロロホルムを加えて溶解したものをシリカゲル(Sili
ca gel 60,MERCK社製)を充填したカラム(Φ32mm×3
00mm)にアプライし、室温でクロロホルム−メタノー
ル(4:1)を100ml/時間の流速で流してホスファチ
ジル−L−セリンを含む画分を分取した。
リンの製造方法について説明する。大豆由来の転移型ホ
スファチジル−L−セリンをn−ヘキサン15gとエタ
ノール3gの混合液に溶解し、ここに0.15gの10%パラ
ジウムカーボンを加え、室温・常圧条件下で振盪しなが
ら約5時間水素添加を行い、水素添加型ホスファチジル
−L−セリンを得た。
の製造方法について説明する。大豆由来の転移型ホスフ
ァチジル−L−セリン300mgを6ccバイアル瓶に取り、
酢酸エチルを1.2ml、0.25Mリン酸ナトリウム緩衝液
(pH7.4)を0.20ml、蒸留水1.2ml、ブタ脾臓ホス
ホリパーゼA2(11,200IU/ml,ノボ・ノルディスク社
製)を0.02ml加えてよく混合し、50℃で16時間反応さ
せた。熱湯中に20分間浸漬して酵素を失活させた後、3.
0mlのアセトンで3回洗浄操作を行った後、沈殿部を回
収して風乾し、リゾホスファチジル−L−セリンを得
た。
原料にホスファチジル基転移反応により製造したホスフ
ァチジル−L−セリン(大豆転移PS)を食用油に溶解
し、1錠当たり50mgとなるようにゼラチンカプセル
に充填した。20名のボランティア(男女、24歳〜5
6歳)を対象に、入眠の1〜2時間前に上記ゼラチンカ
プセルを2錠摂取してもらい、翌朝、6項目(爽快感、
便通、食欲、体温、寝付き、夢を見たかどうか)につい
てアンケート方式により調査した。また、プラセボ(食
用油のみを充填したゼラチンカプセル)を2錠摂取した
場合にも同様のアンケート調査を行った。結果を表1に
示す。
セリンの投与群は、爽快感、便通、食欲、体温、寝付き
については、プラセボ投与群と変わらなかったが、夢見
については有意に向上したことが認識された。
あまり見ないと申告した20名のボランティア(男女、
24歳〜56歳)を対象に、入眠の1〜2時間前に試験
例1で用いたホスファチジル−L−セリン入りゼラチン
カプセル又はプラセボ(食用油のみを充填したゼラチン
カプセル)を投与し、翌朝、覚醒直後に夢を見たかどう
かを調査した。試験は2週間にわたって行い、入眠の1
〜2時間前に、最初の1週間はプラセボを2錠経口投与
し、翌週は、ホスファチジル−L−セリン入りゼラチン
カプセルを2錠経口投与した。結果を表2に示す
セリンの投与週は、プラセボ投与週と比べ有意に夢見が
向上することが確認された。
1,000gに中鎖脂肪酸トリグリセリド1,000gとビタミン
E550gを配合してホスファチジル−L−セリン含量が5
0mgになるようにゼラチンカプセルを充填した。
−L−セリン含量40%)250mgを分散させ、1本当たり
のホスファチジル−L−セリン含量が100mgの栄養ド
リンクを調製した。
リン含量40%)250mgを乳化分散させ、1本当たりのホ
スファチジル−L−セリン含量が100mgの発酵乳を調
製した。
化牛乳) 牛乳180mlに大豆転移PS(ホスファチジル−L−セリ
ン含量40%)250mgを乳化分散させ、1本当たりのホス
ファチジル−L−セリン含量が100mgのホスファチジル
−L−セリン強化牛乳を調製した。
チジル−L−セリン含量40%)10gを加え、よく混合し
てから冷却し、一粒(2.5g)中に100mgのホスファチジ
ル−L−セリンを含むキャラメルを調製した。
有効成分とする夢見促進剤によれば、入眠前に摂取する
ことにより夢見頻度を高めることができる。また、覚醒
時に睡眠中の夢の認識を高めることができる。本発明の
夢見促進剤は、安全性に問題もなく扱いやすいものであ
るから、各種食品に含有させて用いることができる。更
に、本発明の夢見促進剤及び夢見促進食品は、夢見の頻
度を向上させることが出来るため、精神科治療等の医学
・心理学分野における有効な利用が図れるとともに、娯
楽的利用からも極めて優れたものである。
Claims (3)
- 【請求項1】ホスファチジル−L−セリン又はその塩を
有効成分とする夢見促進剤。 - 【請求項2】ホスファチジル−L−セリンが、大豆レシ
チン由来の転移型ホスファチジル−L−セリンである請
求項1の夢見促進剤。 - 【請求項3】ホスファチジル−L−セリン又はその塩を
含有する夢見促進食品。
Priority Applications (1)
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JP10340499A JP4344039B2 (ja) | 1999-04-09 | 1999-04-09 | 夢見促進剤 |
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Citations (7)
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-
1999
- 1999-04-09 JP JP10340499A patent/JP4344039B2/ja not_active Expired - Fee Related
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