JP2000294386A - 間接照明方法及び間接照明構造 - Google Patents

間接照明方法及び間接照明構造

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JP2000294386A
JP2000294386A JP10273799A JP10273799A JP2000294386A JP 2000294386 A JP2000294386 A JP 2000294386A JP 10273799 A JP10273799 A JP 10273799A JP 10273799 A JP10273799 A JP 10273799A JP 2000294386 A JP2000294386 A JP 2000294386A
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light
color temperature
indirect lighting
curtain plate
temperature light
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JP10273799A
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English (en)
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Takeshi Morita
健 森田
Motonori Yoshida
元紀 吉田
Keiko Akimoto
敬子 穐本
Koichi Goto
浩一 後藤
Masayuki Kondo
雅之 近藤
Nobuaki Hayashi
伸昭 林
Hisashi Yoshimura
寿 吉村
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Sekisui House Ltd
Kuroi Electric Co Ltd
Original Assignee
Sekisui House Ltd
Kuroi Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明の色及び照度を適宜調節して、ヒトの生
体リズムに合致した適正な光環境を得ることができると
共に、生活シーンの多様性に対応した光環境を得ること
ができる間接照明方法、及び該間接照明方法を実施する
ための間接照明構造を提供する。 【解決手段】 壁面2又は天井面6に沿って幕板3を設
け、該幕板3と前記壁面2又は天井面6との間に低色温
度光と高色温度光の2種類の光源4、5を設けるととも
に、該2種類の光源4、5の明るさを個別に調節可能と
し、ヒトの生体リズムが沈静化の方向にあるときには低
色温度光を低照度とする光環境となり、ヒトの生体リズ
ムが活動化の方向にあるときには高色温度光を高照度と
する光環境となるように制御するとともに、前記光源
4、5により生じた光を前記幕板3に反射させて室内を
照らす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、幕板を用いた室内
の間接照明方法及び間接照明構造に関し、特に、高色温
度光と低色温度光の2種類の光源を用いることにより、
ヒトの生体リズムに合致した適切な光環境を得ることが
できるとともに、生活シーンの多様性に対応した光環境
を得ることができる間接照明方法及び間接照明構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】室内照明のうち、間接照明は光のほとん
どを壁面や天井面に向け、壁面や天井面に反射させた光
で間接的に室内を照明する照明方法で、照度の分布が均
等になり易く、まぶしさや陰影が少ないため、室内を落
ち着いた雰囲気にすることができるなどの効果が得ら
れ、照明による光環境の快適性を高めたい場合などに使
用されることが多い。
【0003】このような間接照明の例として、従来、特
開平10−321019号公報に記載された間接照明構
造がある。この間接照明構造は、建物の内壁面に水平方
向に沿って蛍光灯を設けるとともに、内壁面と平行して
前記蛍光灯を覆う幕板を、該内壁面と幕板との間に取付
金具を介して設けたものである。これにより、前記蛍光
灯の光を幕板で反射して内壁面と、この内壁面に接する
天井隅部とを明るく照らすことができるので、室内の上
部周縁からの間接光によって照明することができ、室内
に広がり感を与えることができるなどの効果が得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の間接照明構造においては、ヒトの生理面、特にヒト
の生体リズムに対する光環境の影響については十分な配
慮がなされていない。ここで、生体リズムとは、生物が
持っている自律的なリズムのことであり、代表的なもの
としては約24時間周期のサーカディアンリズムがあ
る。例えば、ヒトの深部体温は、通常約1℃の振幅をも
って、深夜に最も低く、昼から夕方にかけて最も高くな
り、また、この体温の挙動と強く関連するメラトニンホ
ルモンの分泌は、深夜に最も著しく、昼間は非常に少な
いというサーカディアンリズムを示す。このサーカディ
アンリズムは、脳内(ヒトの場合、視交差上核)にある
とされる「時計」によって制御されながら、その本来の
周期である約25時間を昼夜の変動などの自然的因子や
社会的因子によって約24時間に調整している。
【0005】ヒトが健康で快適な生活を送る上では、ヒ
トの生体リズムの位相が、周囲の環境の時間的流れと一
致し、さらに振幅も大きく確保されることが重要である
といわれている。したがって、照明方法や照明構造にお
いても、ヒトの生体リズムの位相に合致し、さらに振幅
が大きく確保されるような光環境を得ることができるよ
うなものが望ましいと考えられ、そのような光環境を得
るためには、ヒトの生体リズムに合致するように照明の
色や照度を適宜調節することができるようなものである
ことが必要である。
【0006】上記従来の間接照明構造は、光源として1
種類の蛍光灯を使用するものであり、また、光源の明る
さを調節する機構も有しないため、照明の色や照度を調
節することができず、ヒトの生体リズムに合致しない方
法で使用せざるを得ない場合が生じていた。
【0007】更に、従来の間接照明構造は光源が1種類
であるため、限られた生活空間を様々な生活シーンで共
通して用いる場合に、これらの生活シーンの多様性に十
分対応した光環境を得ることができないという問題点も
あった。例えば、朝から昼における食事や子供達との団
らんには、高い照度で明るく白いすがすがしい光環境が
求められる一方、同じ空間において夜の団らんや休養に
は、低い照度で赤っぽい光の落ち着いた光環境が求めら
れる。前記のように1種類の光源で構成される証明構造
では、このような複数の生活シーンおいて求められる光
環境に対応することができない。
【0008】本発明は、上記の点に鑑み、照明の色及び
照度を適宜調節することにより、ヒトの生体リズムに合
致した適正な光環境を得ることができるとともに、生活
シーンの多様性に対応した光環境を得ることができる間
接照明方法、及び該間接照明方法を実施するための間接
照明構造を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記技術課題を解決する
ための具体的手段は、次のようなものである。すなわ
ち、請求項1に記載する間接照明方法は、低色温度光と
高色温度光の2種類の光源の明るさを個別に調節して、
ヒトの生体リズムが沈静化の方向にあるときには低色温
度光を低照度とする光環境となり、ヒトの生体リズムが
活動化の方向にあるときには高色温度光を高照度とする
光環境となるように制御するとともに、該光源により生
じた光を壁面及び/又は天井面、及び該壁面又は天井面
に沿って設けた幕板に反射させて室内を照らすことを特
徴とするものである。
【0010】請求項2に記載する間接照明構造は、壁面
又は天井面に沿って幕板を設け、該幕板と前記壁面又は
天井面との間に低色温度光と高色温度光の2種類の光源
を設けるとともに、該2種類の光源の明るさを個別に調
節可能としたことを特徴とするものである。
【0011】請求項3に記載する間接照明構造は、請求
項2に記載する構成において、前記低色温度光と高色温
度光の2種類の光源を前記幕板に取り付けたことを特徴
とするものである。
【0012】請求項4に記載する間接照明構造は、請求
項2又は3に記載する構成において、前記幕板を前記壁
面又は天井面に取り付けるための取付金具の下方にカー
テンレールを取り付けたことを特徴とするものである。
【0013】請求項5に記載する間接照明構造は、請求
項4に記載する構成において、前記低色温度光の光源を
前記高色温度光の光源より幕板側に設置したことを特徴
とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る間
接照明方法及び間接照明構造を図面に基づいて説明す
る。本発明に係る間接照明方法は、例えば、図1及び図
2に示すような間接照明構造1、すなわち、壁面2に沿
って幕板3を設け、該幕板3と前記壁面2との間に低色
温度光と高色温度光の2種類の光源4、5を設けるとと
もに、該2種類の光源4、5の明るさを個別に調節可能
とした間接照明構造1などを用いて行われるものであ
り、前記低色温度光と高色温度光の2種類の光源4、5
の明るさを個別に調節して、ヒトの生体リズムが沈静化
の方向にあるときには低色温度光を低照度とする光環境
となり、ヒトの生体リズムが活動化の方向にあるときに
は高色温度光を高照度とする光環境となるように制御す
るとともに、該光源4、5により生じた光を壁面2及び
/又は天井面6、及び該壁面2又は天井面6に沿って設
けた幕板3に反射させて室内を照らすものである。
【0015】ここで、本発明の実施形態に係る間接照明
方法について詳しく説明する前に、ヒトの生体リズムに
合致した適正な光環境がどのようなものであるかを知る
ため、光がヒトの生理面及ぼす影響について調べた実験
例を以下に示す。
【0016】[実験例1]照度1000luxの赤色光、
緑色光及び青色光と、コントロールとして照度50lux
の光とを、それぞれ夜間21:00〜2:00の5時間
浴び、それぞれの場合について、1時間毎に深部体温を
測定するとともに、21:00、23:30、2:0
0、8:00の各時刻にメラトニン分泌量を測定した。
【0017】上記実験により、図3に示す結果が得られ
た。同図に示すように、緑色光又は青色光を浴びた場合
には、体温の低下及びメラトニン分泌の増加が著しく抑
制され、この現象は、就寝中、すなわち消灯後(2:0
0以降)にも継続してみられた。一方、赤色光を浴びた
場合には、体温及びメラトニン分泌は、コントロールと
ほぼ同様の挙動を示した。
【0018】[実験例2]上記実験例1において、赤色
光、緑色光及び青色光に代えて高色温度光及び低色温度
光の2種類の光を用い、それ以外の条件は全て同様にし
て、深部体温及びメラトニン分泌量を測定した。なお、
高色温度光としては色温度6500Kの昼白色蛍光灯
を、低色温度光としては色温度3000Kの電球色蛍光
灯を使用した。
【0019】上記実験により、図4に示す結果が得られ
た。同図に示すように、高色温度光を浴びた場合には、
体温の低下及びメラトニン分泌の増加が著しく抑制さ
れ、この現象は消灯後にも継続してみられた。一方、低
色温度光を浴びた場合には、高色温度光を浴びた場合と
比較して、これらの抑制の程度は小さい。
【0020】[実験例3]赤色光、緑色光及び青色光
を、1000lux及び2500luxの2種類の照度でそれ
ぞれ朝の4:00〜9:00の5時間浴び、また、コン
トロールとして照度50luxの光を同時間浴び、それぞ
れの場合における深部体温及びメラトニン分泌の挙動を
調べた。
【0021】上記実験により、図5から図7に示す結果
が得られた。同図に示すように、照度1000luxで
は、赤色光、緑色光及び青色光のいずれもコントロール
とほぼ同様の挙動を示しており、体温上昇(図5)及び
メラトニン分泌の減少(図7)への影響は認められな
い。一方、照度2500luxでは、特に緑色光において
体温上昇(図6)及びメラトニン分泌の減少(図7)が
顕著にみられた。
【0022】上記実験例1から実験例3までの結果か
ら、視認性においては同一である同一の照度条件であっ
ても、光の波長成分として長波長成分を多く含む光、す
なわち低色温度光や赤色光はヒトの生体リズムに対する
影響は小さく、中〜短波長成分を多く含む光、すなわち
高色温度光や緑〜青色光は、ヒトの生体リズムに対する
影響が大きいことがわかる。
【0023】具体的には、高色温度光や緑〜青色光は、
体温のリズムに対して、夜間の下降期にはその下降を抑
制し、朝の上昇期にはその上昇を促進するように作用し
た。メラトニンリズムに対しても同様に、夜間の分泌増
加期にはその増加を抑制し、朝の分泌減少期にはその減
少を促進するように作用した。前記メラトニンリズム
は、ヒトの体温リズムと強い逆相関を有することが知ら
れているため、前述の内容は、換言すれば以下のように
なる。すなわち、高色温度光や緑〜青色光は夜間のメラ
トニン分泌の増加を抑制し、朝のメラトニン分泌の減少
を促進するように作用し、その結果として、夜間の深部
体温の下降が抑制され、朝の深部体温の上昇が促進され
るという挙動が現われたと考えられる。
【0024】また、前記実験例3の結果を、前記実験例
1の結果と比較しながら考察すると、朝の場合にも夜間
の場合と同様に、長波長成分を多く含む光(ここでは赤
色光)の生体リズムに対する影響は小さく、中〜短波長
成分を多く含む光(ここでは緑色光)の生体リズムに対
する影響は大きい。しかし、その影響が現われる光の照
度を比較すると、夜間の場合は1000luxの照度で影
響が現われているのに対し、朝の場合は1000luxの
照度では影響が現われておらず、2500luxの照度で
は影響が現われていることから、朝の場合は夜間の場合
よりも高い照度、すなわち強い光でなければ影響が現わ
れにくいということがわかる。
【0025】[実験例4]日中に室内の照度を5000
luxと60luxの2種類に設定し、それぞれの照度下で過
ごした場合における深部体温の挙動を調べた。この際、
いずれの場合も室温は同一とした。
【0026】その結果、照度を5000luxとした場合
には、夜間の深部体温が有意に低下することがわかっ
た。このことから、日中に高照度の光環境とすること
は、ヒトの生体リズムに対し、日中だけでなく夜間にま
で影響を及ぼすことがわかる。
【0027】以上の実験結果から、以下のような知見を
得ることができる。夜間の生体リズムは沈静化の方向に
あり、これを現わす深部体温の低下及びメラトニン分泌
の増加がヒトの生理的目的となる。したがって、この目
的を支援する、あるいは少なくとも妨害しない低色温度
光を多く含み、なおかつ低照度の光環境とすることが、
夜間においては望ましいと考えられる。一方、朝の生体
リズムは活動化の方向にあり、これを現わす深部体温の
上昇及びメラトニン分泌の速やかな減少がヒトの生理的
目的となる。したがって、この目的を支援する高色温度
光を多く含み、なおかつ高照度の光環境とすることが、
朝においては望ましいと考えられる。また、日中に高照
度の光環境下で過ごすことは、ヒトの生体リズムの振幅
を確保するという意味からも重要であると考えられる。
【0028】上記実験例1から4により得られた結果
は、ヒトの生体リズムに強い関係があると考えられる受
光器官の作用を考慮に入れて捉えることも可能である。
ヒトの生体リズムに係る受光器としては、網膜上にある
L、M、Sの3タイプの錐体(cone)のうち、M−錐体
が深く関与していると考えられる。以下、ヒトの生体リ
ズムに対するM−錐体の関与について調べた実験例を示
す。
【0029】[実験例5]前記実験例1において、先天
的にM−錐体に障害を有する第2色覚異常者を被験者と
する以外はすべて同様にして、体温及メラトニン分泌量
を測定した。その結果、赤色光、緑色光及び青色光のい
ずれの場合にも、体温リズム及びメラトニンリズムに影
響は認められなかった。
【0030】[実験例6]夜間に各実験光条件下でL−
錐体、M−錐体及びS−錐体が色順応したときの受けた
刺激量を、CIE(国際照明委員会)の色順応方程式に
より算出し、そのときの深部体温及びメラトニン分泌へ
の影響の程度と比較した。その結果、M−錐体が実験光
から受けた刺激量と、深部体温及びメラトニン分泌への
影響の程度との間に強い相関関係があることが認められ
た。
【0031】上記実験例5及び6から、ヒトの生体リズ
ムに関わる受光器としてM−錐体が関与していることが
強く示唆される。また、実験例3からは、特定の光を一
定量受けた場合に、深部体温及びメラトニン分泌への影
響の程度が朝と夜間とで差があることがわかるが、この
ことは、M−錐体の感度に日内変動があることによるも
のと考えられる。受光器感度に日内変動があることは、
視覚上の問題としてこれまでにも認識されている。M−
錐体は、視覚上も重要な役割を担うものであるが、前記
したようにヒトの生体リズムに関わる受光器としても機
能すると考えられることから、視覚上の日内変動と同様
の変動が、ヒトの生体リズムにおいても認められると考
えられる。
【0032】上記生体リズムに関わる受光器官について
の考察を踏まえると、以上の実験例より得られた結果
は、あらためて以下のように概括することができる。す
なわち、ヒトの生体リズムが沈静化の方向にある夜間に
は、M−錐体の分光感度分布に入る波長をあまり含まな
い光が好ましく、ヒトの生体リズムが活動化の方向にあ
る朝には、M−錐体の分光感度分布に入る波長を多く含
む光が好ましいと考えられる。なお、M−錐体は約54
0nmに感度ピークを有しており、これは緑色光の分光分
布にほぼ対応する。そして、高色温度光は低色温度光に
比較してM−錐体の分光感度分布に入る波長の光が多く
含まれている。
【0033】したがって、本発明に係る間接照明方法に
おいて、夜間等のヒトの生体リズムが沈静化の方向にあ
るときには、低色温度光を低照度とする光環境となり、
朝等のヒトの生体リズムが活動化の方向にあるときに
は、高色温度光を高照度とする光環境となるように照明
の状態を制御することにより、ヒトの生体リズムに合致
した適正な光環境を得ることができる。なお、ヒトの生
体リズムは、昼夜の変動などの自然的因子以外の社会的
因子によっても決定されるものである。例えば、人によ
っては夜間の暗い時間帯に活動し、昼間の明るい時間帯
に睡眠するような生活パターンを日常的に繰り返す場合
もある。このような場合には、一般的な、夜に沈静化の
方向にあり、朝に活動化の方向にあるという生体リズム
と異なる場合もある。したがって、このような場合に
も、その人の生体リズムに合致する光環境となるように
照明の状態を制御するものとする。
【0034】本発明に係る間接照明方法は、低色温度光
と高色温度光の2種類の光源の明るさを個別に調節する
ことにより、上述のように、ヒトの生体リズムが沈静化
の方向にあるときには低色温度光を低照度とする光環境
となり、ヒトの生体リズムが活動化の方向にあるときに
は高色温度光を高照度とする光環境となるように制御す
るものである。ここで、低色温度光の光源としては、例
えば、電球色蛍光灯(色温度3000K程度)、温白色
蛍光灯(色温度3500K程度)、ハロゲンランプ(色
温度3000K程度)、白熱電球(色温度2850K程
度)などが挙げられる。一方、高色温度光の光源として
は、例えば、昼光色蛍光灯(色温度6500K程度)、
昼白色蛍光灯(色温度5000K程度)などが挙げられ
る。また、例えば、高圧水銀ランプ(色温度5700K
〜5800K程度)による光は、M−錐体の分光感度分
布に入る波長を多く含んでいると考えられる。更に、上
記の光源以外にも、これらと同等の色温度を有する各種
の光源を使用することができる。また、所望の色温度を
有する光源を調製して使用しても良い。
【0035】また、照度については、上述のように、夜
間等のヒトの生体リズムが沈静化の方向にあるときには
低照度とするが、具体的には、例えば1000lux程度
以下に設定することが挙げられる。前記実験例から、夜
間においては、低色温度光の光環境であれば、1000
lux程度の照度条件であっても生体リズムの沈静化の傾
向は大きくは阻害されないことがわかっている。また、
更に低い照度条件、例えば500lux程度以下、好まし
くは100lux程度以下、更に好ましくは50lux程度以
下とすれば生体リズムの沈静化の傾向を阻害する割合が
更に小さくなり、また、心理的にもより落ち着いた暖か
みのある光環境とすることができる。
【0036】一方、朝等のヒトの生体リズムが活動化の
方向にあるときには、高照度とするが、具体的には、例
えば1000lux程度より以上、好ましくは2500lux
程度以上に設定することが挙げられる。前記実験例か
ら、朝においては、高色温度光の光環境であれば、25
00lux程度の照度条件で生体リズムの活動化の傾向が
促進されることがわかっている。更に、前記実験例4か
ら、例えば5000lux程度以上の照度条件で過ごす
と、生体リズムの振幅を確保する上で望ましいことがわ
かっている。
【0037】本発明においては、上記のような低色温度
光と高色温度光の2種類の光源を使用するが、光源の数
は2個に限定されず、1個又は3個以上であっても良
い。具体的には、低色温度光の光源と高色温度光の光源
をそれぞれ1個ずつ使用する場合のほか、低色温度光の
光源を1個、高色温度光の光源を2個使用する場合、逆
に低色温度光の光源を2個、高色温度光の光源を1個使
用する場合、またはそれ以上の数の光源を適宜組み合わ
せて使用する場合もある。これらの具体的な実施例につ
いては後述する。
【0038】低色温度光と高色温度光の2種類の光源の
明るさを個別に調節する方法には、様々な方法が考えら
れる。最も単純な方法としては、2種類の光源のいずれ
か一方を選択的に点灯させることにより、低色温度光又
は高色温度光のそれぞれの光環境となるように制御する
方法がある。この場合、例えば図8に示すようなスイッ
チ7を使用して点灯させる光源の切換えを行うことがで
きる。すなわち、該スイッチ7は、回転式のつまみ8を
有し、該つまみ8を「低」の位置に合わせると低色温度
光の光源が点灯し、「高」の位置に合わせると高色温度
光の光源が点灯し、「中」の位置に合わせると低色温度
光及び高色温度光の両方の光源が点灯し、「OFF」の位
置に合わせると両方の光源が消灯するようになってい
る。また、これ以外の方法によって光源の切換えを行う
こともできる。
【0039】あるいは、2種類の光源のいずれか一方を
選択的に点灯させる方法以外にも、該2種類の光源のそ
れぞれの明るさを連続的に変化させることにより光環境
を制御する方法もある。この場合、例えば図9に示すよ
うなコントローラ9を使用して行う。該コントローラ9
は、上下に移動可能な2個のつまみ10、11を有し、
「低」の表示が付されている方のつまみ10が低色温度
光の光源を制御し、「高」の表示が付されている方のつ
まみ11が高色温度光の光源を制御する。そして、それ
ぞれのつまみ10、11を上昇又は下降させることによ
り、光源の明るさを0%〜100%まで連続的に変化さ
せることができる。
【0040】また、例えば図10に示すようなコントロ
ーラ12を使用して、前記2種類の光源のそれぞれの明
るさが反比例するように連続的に変化させる方法もあ
る。該コントローラ12は、上下に移動可能なつまみ1
3を有し、該つまみ13を「低」の表示が付されている
下端から「高」の表示が付されている上端まで上昇させ
ることにより、低色温度光の光源の明るさを100%〜
0%まで連続的に変化させ、それに反比例して高色温度
光の光源の明るさを0%〜100%まで連続的に変化さ
せることができる。光源の点灯及び消灯は下部のオン/
オフ用スイッチ14により行う。このコントローラ12
によれば、前記2種類の光源のそれぞれの明るさの調節
を1個のつまみ13で行うことができ、簡便である。
【0041】このように光源の明るさを連続的に変化さ
せることにより、光環境を視覚の順応特性に合わせて穏
やかに調節することができるので、瞬時に明るさが変わ
る不快感をなくし、快適性を向上させることができる。
更に、低色温度光と高色温度光との割合も調節すること
ができるので、容易に最適な光環境を創り出すことがで
きる。このように明るさを連続的に変化させる光源とし
ては、インバータによる周波数制御を行うことで明るさ
を調節可能な蛍光灯や、白熱電球などを使用する。
【0042】また、前記スイッチ7や前記コントローラ
9、12に付す表示は、「高」、「低」などに限定され
るものではなく、「朝/昼」、「夜」とするなど、使用
目的に合わせたの表示とすると良い。このような使用目
的に合わせた表示を付することにより、照明の点灯・消
灯や調節の際の誤操作を少なくし、使用者の使い勝手を
向上させることができる。
【0043】更に、低色温度光と高色温度光の2種類の
光源の点灯・消灯や調節といった光環境の制御を行うた
めの操作の少なくとも一部を自動的に行うようにしても
良い。上記のように、スイッチ7やコントローラ9、1
2などにより人為的に操作することにより光環境を制御
することは、装置としては簡単なものとすることができ
るが、操作が面倒であり、また、操作自体を忘れてしま
う場合もある。特に、日没時などに高色温度光を高照度
とする光環境から低色温度光を低照度とする光環境へ切
り換える操作などは通常の照明においては不要の操作で
あり、また、明るさを得るという目的は既に達せられて
いることから、面倒であり、忘れられ易い。そこで、こ
のような操作を自動的に行う自動制御とすることで、適
切な光環境を手間なく確実に得ることができる。
【0044】上記自動制御の方法としては、様々な方法
が考えられる。例えば、所望の照明スケジュールに従っ
てタイマを設定しておき、設定時刻に自動的に照明の点
灯・消灯や調節が行われるようにする方法がある。この
ような方法によれば、時刻に応じて自動的に適切な光環
境を得ることができる。
【0045】また、例えば、屋外に光センサ等を配置
し、該光センサによって屋外の明るさの変動時期を検知
し、この変動時期に応じて自動的に照明の点灯・消灯や
調節が行われるようにする方法もある。このような方法
によれば、屋外の明るさの変動に応じて自動的に適切な
光環境を得ることができ、季節の移り変わりによる日照
時間の変化等にも自動的に対応することができる。
【0046】本発明に係る間接照明方法は、前述のよう
にしてヒトの生体リズムに合致する光環境となるように
制御された低色温度光と高色温度光の2種類からなる光
源により生じた光を、図1に示すような間接照明構造1
などを用いて、壁面2及び/又は天井面6、及び該壁面
2又は天井面6に沿って設けた幕板3に反射させて室内
を照らすものである。以下、このような間接照明方法を
実施することができる間接照明構造1の実施形態につい
て説明する。
【0047】前記間接照明構造1の第1の実施形態は、
図11に示すように、室内の壁面2の上部に、該壁面2
に沿って水平に幕板3を設置し、前記壁面2と幕板3と
の間に低色温度光と高色温度光の2種類の光源4、5を
設けたものである。以下、更にその細部について詳しく
説明する。
【0048】図1及び図2に示すように、前記幕板3は
長尺の帯状に形成され、取付金具15によって前記壁面
2に対して平行に、且つ、前記2種類の光源4、5を覆
うように固定される。前記幕板3としては、木材、合成
樹脂、アルミニウム板、鉄板その他様々な材質ものを、
使用目的やデザイン等に応じて、そのまま、あるいは塗
装等して使用する。その際、照明効率を高めるため、前
記幕板3の内面16、すなわち、前記2種類の光源4、
5側の面のみを鏡面状とし、あるいは白色、銀色等の反
射率の高い色に塗装しても良い。
【0049】前記取付金具15としては、例えば、図1
2に示すように、両端にビス等を挿通するための取付孔
17が設けられたフランジ18を有する棒状のものが使
用できる。あるいは、図13に示すように、2個のL字
形の板材19、20をボルト21とナット22で締結し
て構成したものであっても良い。この場合、前記ボルト
21及びナット22を挿通する孔を長孔23としておけ
ば、前記ボルト21及びナット22の締結を緩めること
で前記幕板3の取付位置を調節することができる。また
これら以外にも、この分野で既知の様々な取付金具を使
用することができる。
【0050】前記低色温度光と高色温度光の2種類の光
源4、5は、前記幕板3に取り付けるようにすると良
い。このようにすることにより、前記光源4、5を工場
等において予め幕板3に取り付けておくことができる
上、前記光源4、5を壁面2や天井面6に取り付けるた
めの孔などを設ける必要もないので、現場での取り付け
作業を簡略化することができる。なお、前記光源4、5
を壁面2に取り付ける構造とすることも当然に可能であ
る。
【0051】また、前記2種類の光源4、5の配置は、
図1及び図2に示すような前記幕板3及び前記壁面2に
対して直角に並ぶ配置に限られず、図14に示すよう
に、前記幕板3及び前記壁面2に対して平行に並ぶ配置
としても良い。
【0052】前記低色温度光と高色温度光の2種類の光
源4、5としては、前述のとおり様々な光源を使用する
ことができ、また、これらの光源4、5の数や配置につ
いても様々に組み合わせて使用することができる。その
第1の例として、図1及び図2に示すものは、前記2種
類の光源4、5として2本の直管形蛍光灯を使用するも
のである。すなわち、低色温度光の光源4として電球色
蛍光灯(色温度3000K程度)を使用し、高色温度光
の光源5として昼光色蛍光灯(色温度6500K程度)
を使用している。そして、これらは共に前記幕板3と平
行になるように配置されている。なお、ここでは、低色
温度光の光源4を前記幕板3側、すなわち室内側に配置
しているが、これに限定されるものではなく、高色温度
光の光源5を幕板3側に配置しても良い。
【0053】第2の例として、図15に示すように、前
記2種類の光源4、5として3本の直管形蛍光灯を使用
しても良い。この場合においても、これらの配置及び取
付けは上記2本の直管形蛍光灯を使用する場合と同様で
ある。なお、ここでは3本のうちの2本を高色温度光の
光源5として昼白色蛍光灯(色温度5000K程度)を
使用し、残りの1本を低色温度光の光源4として温白色
蛍光灯(色温度3500K程度)を使用している。本発
明に係る間接照明方法においては、高色温度光は高照度
で、低色温度光は低照度で使用するため、このように高
色温度光の光源5の数を低色温度光の光源4の数より多
くすると望み通りの照度を得やすくなる。また、必要に
応じて4本以上の蛍光灯を使用しても良い。
【0054】また、前記前記2種類の光源4、5は、蛍
光灯に限られるものではなく、少なくとも一方に白熱電
球やハロゲンランプなどの電球を使用しても良い。すな
わち、第3の例としては、図16に示すように、低色温
度光の光源4として2個の白熱電球(色温度2850K
程度)を使用し、高色温度光の光源5として1本の昼光
色蛍光灯(色温度6500K程度)を使用している。そ
して、低色温度光の光源4、すなわち2個の白熱電球を
前記幕板3に沿って配置し、その壁面2側に高色温度光
の光源5を前記幕板3に平行に配置している。なお、高
色温度光の光源5を前記幕板3側に配置する場合もあ
る。
【0055】また、図示しないが、例えば、単一の光源
と該光源を覆うことができる色温度変換フィルタとを組
合せ、該色温度変換フィルタを可動させ、色温度変換フ
ィルタを使用する場合と使用しない場合とで低色温度光
と高色温度光の両方の光を発するようにしても良い。
【0056】なお、前記低色温度光と高色温度光の2種
類の光源4、5の使用する光源の種類、数及び配置は、
上記の例に限定されるものではなく、これ以外にも様々
に組み合わせて使用することができる。
【0057】前記低色温度光と高色温度光の2種類の光
源4、5は、それぞれの明るさを個別に調節することが
可能となっている。これは、照明の状態を制御すること
により、ヒトの生体リズムに合致した適正な光環境を得
ることができるとともに、生活シーンの多様性に対応し
た光環境を得ることができるようにするためである。そ
のために、前記2種類の光源4、5はそれぞれに異なる
回路を有し、別個の、又は同一のスイッチ、コントロー
ラ等を用いて人為的に、あるいはタイマ、センサ等を用
いて自動的に制御される。これらの具体的手段について
は既に説明したので省略する。
【0058】前記幕板3が窓の上方に設けられる場合な
どには、図17に示すように、前記幕板3を取り付ける
ための前記取付金具15の下方にカーテン26のカーテ
ンレール27を取り付けることもできる。これにより前
記幕板3の一部をカーテンレールボックスとしても使用
することができる。前記カーテンレール27の取付け
は、該カーテンレール27の固定具28を前記取付金具
15、前記幕板3、又は前記壁面2などにビス等を用い
て取り付けることで行う。前述の図13に示すような2
個のL字形の板材19、20をボルト21とナット22
で締結して構成した調整式の取付金具15を使用する場
合には、前記ボルト21とナット22により共締めして
取り付けても良い。
【0059】このように前記取付金具15の下方にカー
テンレール27を取り付ける場合は、前記2種類の光源
4、5のうち、低色温度光の光源4を高色温度光の光源
5より幕板3側に設置するようにすると良い。すなわ
ち、カーテン26を使用する夕方から夜間においては、
前述のように低色温度光の光源4を主に使用するが、前
記低色温度光の光源4を壁面2側に設置した場合には、
前記幕板3の下方から放射される光が前記カーテン26
により遮られて室内に届く割合が少なくなるのに対し、
高色温度光の光源5を壁面2側に設置した場合であって
も、前記高色温度光の光源5を主に使用する朝から昼間
においては前記カーテン26を使用することは少ないの
でそのような問題は起こらない。したがって、前記低色
温度光の光源4を前記高色温度光の光源5より幕板3側
に設置すれば、前記2種類の光源4、5の光をそれぞれ
有効に用いることができる。なお、前記カーテン26及
びカーテンレール27を設けない場合には、前記低色温
度光の光源4と高色温度光の光源5のいずれを幕板3側
とするかによる照明効果の差はほとんどない。
【0060】前記間接照明構造1の第2の実施形態は、
図18及び図19に示すように、天井面6の端部付近に
おいて前記壁面2に対して平行に、該天井面6に沿って
前記幕板3を設置し、前記天井面6と幕板3との間に低
色温度光と高色温度光の2種類の光源4、5を設けたも
のである。前記幕板3、前記取付金具15、前記2種類
の光源4、5の種類、数及び配置といった構成は前記第
1の実施形態と同様である。そしてこの場合、前記2種
類の光源4、5の配置は、図19に示すような前記幕板
3及び前記天井面6に対して平行に並ぶ配置に限られ
ず、図20に示すように、前記幕板3及び前記天井面6
に対して直角に並ぶ配置としても良い。
【0061】前記間接照明構造1の第3の実施形態は、
図21及び図22に示すように、室内の壁面2の上部
に、該壁面2に沿って垂直に前記幕板3を設置し、前記
壁面2と幕板3との間に低色温度光と高色温度光の2種
類の光源4、5を設けたものである。この際、前記間接
照明構造1は、任意の位置及び長さで設けることがで
き、例えば、前記壁面2の上部のみに設けたり、前記天
井面6と床面とをつなぐように設けたり、あるいはその
中間までの長さに設けたりすることができる。前記幕板
3、前記取付金具15、前記2種類の光源4、5の種
類、数及び配置といった構成は前記第1の実施形態と同
様である。
【0062】前記間接照明構造1の第4の実施形態は、
図23に示すように、前記壁面2と前記天井面6とが交
わる隅角部29に、該隅角部29に沿って水平に、且つ
前記壁面2又は天井面6に対して30°から60°程度
傾斜させて前記幕板3を設置し、前記隅角部29と幕板
3との間に低色温度光と高色温度光の2種類の光源4、
5を設けたものである。前記幕板3、前記取付金具1
5、前記2種類の光源4、5の種類、数及び配置といっ
た構成は前記第1の実施形態と同様である。ただし、前
記取付金具15は、前記幕板3を前記壁面2又は天井面
6に対して傾斜させて取り付けることができるような取
付面を有している。そして、この場合においても、前記
2種類の光源4、5の配置は、図23に示すような前記
幕板3に対して直角に並ぶ配置に限られず、図24に示
すように、それぞれが前記幕板3に対して平行に並ぶ配
置としても良い。また、図示しないが、前記壁面2同士
が交わる隅角部に同様に前記間接照明構造1を設けても
良い。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る間接照明方法によれば、低色温度光と高色温度光
の2種類の光源の明るさを個別に調節して、ヒトの生体
リズムが沈静化の方向にあるときには低色温度光を低照
度とする光環境となり、ヒトの生体リズムが活動化の方
向にあるときには高色温度光を高照度とする光環境とな
るように制御することにより、ヒトの生体リズムに合致
した適正な光環境を得ることができる。このような間接
照明方法は、あらゆる人々に対し、生理学的に好適な光
環境を提供し得るものであるが、なかでも、例えば高齢
者や身障者のように行動に制約を受けている人々、ある
いは生活上の利便性を優先させている都市生活者などの
ように、従来は光環境への配慮がとりわけ不十分になり
がちであった人々に対して、特に有用なものである。
【0064】また、光源により生じた光を壁面及び/又
は天井面、及び該壁面又は天井面に沿って設けた幕板に
反射させて室内を照らすことにより、照度の分布が均等
になり易く、まぶしさや陰影が少ないため、室内を落ち
着いた雰囲気にすることができるとともに、室内の上部
周縁からの間接光によって照明することとなり、室内に
広がり感を与えることができる。
【0065】本発明の請求項2に係る間接照明構造によ
れば、壁面又は天井面に沿って幕板を設け、該幕板と前
記壁面又は天井面との間に低色温度光と高色温度光の2
種類の光源を設けるとともに、該2種類の光源の明るさ
を個別に調節可能としたことにより、請求項1に係る間
接照明方法を好適に実施することができるとともに、限
られた生活空間を様々な生活シーンで共通して用いる場
合に、これらの生活シーンの多様性に対応した光環境を
得ることができる。
【0066】本発明の請求項3に係る間接照明構造によ
れば、請求項2に記載する発明の効果に加えて、前記低
色温度光と高色温度光の2種類の光源を前記幕板に取り
付けたことにより、前記光源を工場等において予め幕板
に取り付けておくことができる上、前記光源を壁面又は
天井面に取り付けるための孔などを設ける必要もないの
で、現場での取り付け作業を簡略化することができる。
【0067】本発明の請求項4に係る間接照明構造によ
れば、請求項2又は3に記載する発明の効果に加えて、
前記幕板を前記壁面又は天井面に取り付けるための取付
金具の下方にカーテンレールを取り付けたことにより、
前記幕板の一部をカーテンレールボックスとしても使用
することができ、カーテンレールボックスを新たに設け
る必要がない。
【0068】本発明の請求項5に係る間接照明構造によ
れば、請求項4に記載する発明の効果に加えて、前記低
色温度光の光源を前記高色温度光の光源より幕板側に設
置したことにより、カーテンを使用する夕方から夜間に
おいても、それらの時間帯に主に使用する低色温度光の
光源の光が前記カーテンにより遮られることを防止する
ことができるので、低色温度光と高色温度光の2種類の
光源の光をそれぞれ有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る間接照明構造の第1の実施形態を
示す断面図である。
【図2】本発明に係る間接照明構造の2種類の光源とし
て2本の直管形蛍光灯を使用した場合を示す平面図であ
る。
【図3】実験例1による深部体温変動値と尿中メラトニ
ン値の推移を示すグラフである。
【図4】実験例2による深部体温変動値と尿中メラトニ
ン値の推移を示すグラフである。
【図5】実験例3において照度1000luxの場合の深
部体温変動値の推移を示すグラフである。
【図6】実験例3において照度2500luxの場合の深
部体温変動値の推移を示すグラフである。
【図7】実験例3における尿中メラトニン分泌の相対変
化を示すグラフである。
【図8】2種類の光源を選択的に点灯させるためのスイ
ッチの例を示す図である。
【図9】2種類の光源のそれぞれの明るさを連続的に変
化させるためのコントローラの第1の例を示す図であ
る。
【図10】2種類の光源のそれぞれの明るさを連続的に
変化させるためのコントローラの第2の例を示す図であ
る。
【図11】本発明に係る間接照明構造の第1の実施形態
の室内における配置を示す図である。
【図12】本発明に係る間接照明構造の取付金具の一の
例を示す図である。
【図13】本発明に係る間接照明構造の取付金具の他の
例を示す図である。
【図14】本発明に係る間接照明構造の第1の実施形態
に係る光源を幕板及び壁面に対して平行に配置した例を
示す図である。
【図15】本発明に係る間接照明構造の2種類の光源と
して3本の直管形蛍光灯を使用した場合を示す平面図で
ある。
【図16】本発明に係る間接照明構造の2種類の光源の
一方に電球を使用した場合を示す平面図である。
【図17】本発明に係る間接照明構造の第1の実施形態
において、取付金具の下方にカーテンレールを取り付け
た状態を示す断面図である。
【図18】本発明に係る間接照明構造の第2の実施形態
の室内における配置を示す図である。
【図19】本発明に係る間接照明構造の第2の実施形態
を示す断面図である。
【図20】本発明に係る間接照明構造の第2の実施形態
に係る光源を幕板及び天井面に対して直角に配置した例
を示す図である。
【図21】本発明に係る間接照明構造の第3の実施形態
の室内における配置を示す図である。
【図22】本発明に係る間接照明構造の第3の実施形態
を示す断面図である。
【図23】本発明に係る間接照明構造の第4の実施形態
を示す断面図である。
【図24】本発明に係る間接照明構造の第4の実施形態
に係る光源を幕板に対して平行に配置した例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 間接照明構造 2 壁面 3 幕板 4 低色温度光の光源 5 高色温度光の光源 6 天井面 7 スイッチ 9 2個のつまみを有するコントローラ 12 1個のつまみを有するコントローラ 15 取付金具 26 カーテン 27 カーテンレール 29 隅角部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 元紀 大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハ ウス株式会社内 (72)発明者 穐本 敬子 大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハ ウス株式会社内 (72)発明者 後藤 浩一 大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハ ウス株式会社内 (72)発明者 近藤 雅之 大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハ ウス株式会社内 (72)発明者 林 伸昭 京都市下京区西七条八幡町27番地 クロイ 電機株式会社内 (72)発明者 吉村 寿 京都市下京区西七条八幡町27番地 クロイ 電機株式会社内 Fターム(参考) 3K073 AA00 AA11 AA16 AA58 AA75 AB04 BA28 CF13 CG15 CG41 CG42 CJ00 CJ14 CJ16 CJ22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低色温度光と高色温度光の2種類の光源
    の明るさを個別に調節して、ヒトの生体リズムが沈静化
    の方向にあるときには低色温度光を低照度とする光環境
    となり、ヒトの生体リズムが活動化の方向にあるときに
    は高色温度光を高照度とする光環境となるように制御す
    るとともに、該光源により生じた光を壁面及び/又は天
    井面、及び該壁面又は天井面に沿って設けた幕板に反射
    させて室内を照らすことを特徴とする間接照明方法。
  2. 【請求項2】 壁面又は天井面に沿って幕板を設け、該
    幕板と前記壁面又は天井面との間に低色温度光と高色温
    度光の2種類の光源を設けるとともに、該2種類の光源
    の明るさを個別に調節可能としたことを特徴とする間接
    照明構造。
  3. 【請求項3】 前記低色温度光と高色温度光の2種類の
    光源を前記幕板に取り付けたことを特徴とする請求項2
    記載の間接照明構造。
  4. 【請求項4】 前記幕板を前記壁面又は天井面に取り付
    けるための取付金具の下方にカーテンレールを取り付け
    たことを特徴とする請求項2又は3記載の間接照明構
    造。
  5. 【請求項5】 前記低色温度光の光源を前記高色温度光
    の光源より幕板側に設置したことを特徴とする請求項4
    記載の間接照明構造。
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