JP2000289615A - 車上位置検知装置と地上位置検知装置の出力結果の位置誤差解消システム - Google Patents

車上位置検知装置と地上位置検知装置の出力結果の位置誤差解消システム

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JP2000289615A JP9567299A JP9567299A JP2000289615A JP 2000289615 A JP2000289615 A JP 2000289615A JP 9567299 A JP9567299 A JP 9567299A JP 9567299 A JP9567299 A JP 9567299A JP 2000289615 A JP2000289615 A JP 2000289615A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駅中間では車上位置検知だけを基に列車間隔制
御し、駅構内では地上位置検知方式に基づいて進路制御
し、列車の間隔制御は継続して車上位置検知方式に基づ
き制御するシステムで、各位置検知システムの出力に不
一致が発生すると、不一致に対する適切な処理を行わな
いと不要なブレーキ指令が列車に対して出力されること
になる。 【解決手段】車上位置情報と軌道回路位置情報を基にし
た進路状態が一致しなくとも、正常且つ安全に列車を制
御できるように、進路を構成する装置で、どの列車に対
して進路を引いたものであるかを関連付ける。当該進路
を要求していた追跡中の列車の進入により、進路が閉鎖
されたと判断できる場合は、該列車からの車上位置情報
が該信号の位置より手前であったとしても、地上位置検
知手段に従った制御情報の変化を有効にしない制御を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、列車の車上位置検
知装置と地上位置検知装置を組合せて列車の走行を制御
する鉄道信号制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道では列車の安全運行を確保す
るために、線路脇に設置した信号機を用いたり、レール
を信号伝送路として使用し、速度制御情報などを地上側
の装置から列車に設置された車上装置に伝送するシステ
ムが用いられている。これらの方式はいずれも、閉塞と
いう考えに基づいて安全確保がなされている。閉塞とは
路線をある一定の長さに分割し、閉塞区間として定義し
たものであり、1閉塞区間には、同時に2編成以上の進
入を禁ずることにより、列車間隔を保つことで安全を確
保している。
【0003】この閉塞は、軌道回路によって実現されて
いる。軌道回路とは、線路をある一定の長さで電気的に
切断し、両方のレールに電流を流す方式である。列車が
該当区間に進入していないときには、送信端よりレール
に流された電流は受信端において検知される。列車が該
当区間に進入した場合には、レールが車輪によって短絡
されるため、受信端に電流が流れなくなり、在線と認識
される。この列車検知用の電流に信号を重畳させると、
列車に対して地上から速度制御情報などを伝送すること
が可能となる。この方式はATC(Automatic Train Con
trol)と呼ばれ新幹線や山の手,京浜東北線等で実用化
されている。
【0004】この方式の基本となる位置検知は、軌道回
路即ち地上側に設置された装置で行い、該検知情報を基
に、地上側に設備された鉄道信号システムが列車を適切
に間隔制御する信号システムである。ATC以外、AT
S(Automatic Train Stop)と呼ばれるシステムでは、
軌道回路で検知した位置情報から、列車間隔を適切に保
ったり進路の開通状態を列車に通知するために道路の信
号と同じように、路側に設置した信号機の色で列車の走
行を制御するシステムもある。ところが、この軌道回路
はレールを電気的に切断し、各軌道回路の境界に設備を
設置するため、設備や保守の費用が高くなるという欠点
を持っている。
【0005】このような背景から、軌道回路によらずに
列車の位置を検知し、列車に対して安全確保のための制
御情報を伝送する方式として、無線列車信号方式が検討
されている。無線信号方式では列車の位置検知を、列車
自身で行うことを基本にしている。検知した位置情報を
無線によって地上側制御装置に伝送し、地上側では、そ
の列車が安全に進行できる目標地点を求め列車に伝送す
る。目標地点を受け取った列車は、その目標地点までに
安全に停止できるよう自列車の制御を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】軌道回路等の設置コス
トやメンテナンスコスト低減のためには、車上位置検知
装置を採用し、この情報を無線通信を通して地上側制御
装置に伝達し列車の走行を制御するシステムが有望であ
るが、車上位置検知方式では、車上の位置検知精度に大
きく安全が左右されてしまうため車上位置検知精度を如
何に確保するかが一つの大きな問題となる。
【0007】首都圏の通勤線や新幹線などは、高密度で
運転されており、列車の発/着の時間間隔を短く押さえ
たいために、できるだけ列車間隔を詰めたいが、軌道回
路による位置検知ではその分軌道回路を短く切らなけれ
ばならず、コストアップとなってしまう。一方、車上位
置検知方式では、列車間隔を詰めるためには、高精度な
車上位置検知システムが要求されることになる。車上位
置検知装置では、この必要な車上位置検知精度を確保す
るためのコストがかかってしまう。
【0008】現状一般的に使用可能な車上位置検知装置
と軌道回路位置検知方式を比較した場合、車上位置検知
装置は精度のばらつきが大きいが細かく位置検知するこ
とができ、一方、軌道回路位置検知装置は軌道回路の長
さの単位でしか位置を検知することはできないが、軌道
回路境界の切れ目は確かであり、ある区間内に列車が存
在することを間違いなく検知することができる。車上位
置検知システムを導入する場合、駅構内では、特に列車
がどの範囲に確実に存在するかということ、或いは存在
しないことを検知できることが最重要事項となる。例え
ば、列車が転轍機上を通過中に転轍機の転換を指示して
しまうと、列車の脱線事故につながるため、列車が転轍
の上に存在しないことを確実に知ることができれば良
い。即ち、列車位置検知単位は荒くても、転轍機とそれ
以外の線路部分の切れ目で列車の存在の有無が確実に分
かれば安全に転轍機の制御ができる。また、列車が何番
線に在線しているかも確実に知ることができないと、列
車衝突等の事故に繋がりかねない。自動車のナビゲーシ
ョン装置等で用いられているGPS(グローバルポジシ
ョニングシステム)では、精度が劣化させられている等
の要因もあり、立ち上げたときにその列車が何番線に在
線しているかを間違いなくGPS装置単独で特定するに
は精度が不足するし、物陰では使用できない等の問題が
ある。このため、自動車でもそうであるが、車上位置検
知装置としては、GPS等の衛星航法の他に、車輪の回
転数と車輪の径から走行距離を求めて積算するタイプ,
ミリ波等の電波の反射を利用するドップラーレーダ方式
の速度計,複数の無線通信装置の電波の到着時間差から
位置を確定する方式等の組合せが考えられている。但
し、どの方式を用いても一長一短があり、高い精度を得
るには、人的制御の介入が必要になる等のコスト増も含
めて、それ相応のコスト増加が見込まれる。
【0009】列車を安全に間隔制御して走行させること
を念頭に置くと、位置精度の点で鉄道の線形に依存する
部分がある。ここで、分岐のある駅と駅を結ぶ途中の区
間を駅中間区間といい、分岐のある駅構内を駅構内と呼
ぶことにする。駅構内では、駅中間に比較して、個別の
列車が存在する境界の検知に高精度が要求されるという
列車間隔を制御する上で、高精度が要求される個所に偏
りがあることが分かってきた。
【0010】本発明は、駅中間区間では、地上システム
の建設コストやメンテナンスコストの低減を目的に車上
位置検知装置だけとし、駅構内では正確に列車の通過状
況や番線等が異なる場合の位置情報を確実に知ることが
できる正確性が要求される地上位置検知方式にて進路制
御し、列車の間隔制御は継続して車上位置検知方式を用
いて間隔制御することが必要であろうと考えられる。本
発明はこのような信号システムの実現のために、独立し
た位置検知装置を複数用いても、適切且つ安全に列車走
行制御できるシステムを提供するものである。
【0011】2つの独立した位置検知システムを動作さ
せると、必ずその出力には不一致が発生する。例えば、
車上位置検知装置からの情報は列車がまだ駅中間に存在
する位置を示しているのに、地上位置検知装置からの情
報は駅構内に列車が存在することを示しているような場
合が発生することがある。この場合、地上位置検知装置
からの情報だけで列車の走行を制御すると、列車が既に
駅構内に進入したことを検知したので、後続の駅構内に
向かう列車に対して、駅構内進入を抑止する制御が必要
になるが、駅構内に進入しているにも係らず、車上の位
置検知情報では駅構内に進入を示す情報を示していない
ので、ここで前提としているシステムでは、駅構内の直
前で停止せよという指令を出力する矛盾が発生する可能
性がある。このような矛盾を回避しないと、車上位置検
知システムと地上位置検知システムの双方を混在させて
列車を制御するシステムを実現できない。本発明の目的
は、このような不一致が発生しても、列車を安全に且つ
前提とする制御システムの本来目指す制御を実現できる
位置誤差解消システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明が前提とするシス
テムとして、駅中間では車上位置検知システムを採用
し、この位置を無線通信を通して地上側の制御装置に送
信し、地上側から安全に走行できる限界位置情報を受信
して走行する方式、駅構内では、地上側制御装置は、軌
道回路等の地上側の位置情報検知装置の情報をもとにし
て列車の進路を制御し、進路状態と車上位置検知情報を
基に生成する制御情報から列車に送信する走行可能な限
界位置を生成し、無線通信を通して送信し、列車の間隔
を制御する方式である。
【0013】駅構内に列車が進入するときは、地上位置
検知装置の出力結果に基づいて進路を制御する装置が適
切に進路を確保し、進路の状態から走行可能な限界位置
を算出し制御情報を列車に送信するが、このとき、車上
位置情報と軌道回路位置情報を基にした進路状態が一致
しなくとも、正常且つ安全に列車を制御できるように、
進路を構成する装置で、どの列車に対して進路を引いた
ものであるかを関連付ける。当該進路を要求していた追
跡中の列車の進入により、進路が閉鎖されたと判断でき
る場合は、該列車からの車上位置情報が該信号の位置よ
り手前であったとしても、地上位置検知手段に従った進
路閉鎖情報の変化を有効にしない制御を行う。
【0014】一方、出発信号を受けて出発した列車に対
しても同様に、当該出発進路をどの列車に引いたのか関
係付け、地上位置検知システムでの信号の現示変化時
に、列車からの車上位置情報がまだ当該信号の境界位置
に達していなくても、安全と判断できる場合は、地上位
置検知手段に従った信号の制御変化を有効にしない制御
を行う。即ち、進路が分割される境界では、常に同様の
方式で列車の間隔制御を行う。
【0015】信号方式は、駅構内に進入しても、制御信
号の出力手段を統合し、駅中間と同じ車上位置検知方式
の場合に使用する通信手段を通して伝達し、列車の在線
位置に関わらず同一の方式で車上に伝達する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面を用い
て説明する。
【0017】図1は本発明の全体機能概要を示してい
る。前提とする鉄道信号システムは、車上に信号情報を
無線伝送する車内信号システムである。現状使用されて
いる鉄道信号システムは、列車の安全走行の基本を路側
に設置された信号と、進路の開通を検知して、列車の走
行を許可するのか停車させるのかを判断し、列車が不安
全側の走行をしようとした場合は、強制的に列車を停車
させる機構を持つ鉄道信号システムである。このシステ
ムは新幹線や首都圏の線区で採用されているレールを信
号情報の伝送路として使用するATC(自動列車制御)
システムに近いシステムを対象としている。一方、本発
明が対象とする信号システムは、速度信号方式ではなく
ルート信号方式、即ち、走行を許可する限界位置信号を
伝送する信号システムであり、現状の新幹線等のATC
システムとも異なっている。
【0018】そのため、図1に示すように、駅中間線路
20−a,b(機能が同じもので複数示したものは英文
字添え字を添付。以下同じ)や駅構内線路21−a,b
の路側には、主信号を設置せず、列車に走行を許可する
限界位置信号を無線伝送するための、通信基地局4−
a,bを使用する。駅構内では、列車位置検知装置とし
て、車上位置検知装置43による位置検知情報と、地上
位置検知装置8−a,bの二つの情報を組合せて用いる
ことにする。図に示すように、駅中間区間(B区間)の
列車位置検知装置は車上位置検知装置のみで、駅構内
(A区間)の進路境界では基本的に地上位置検知装置を
優先させて用いる。このように、車上位置検知装置と地
上位置検知装置を独立して用いると、車上位置検知情報
と地上位置検知情報の間に誤差が発生することは避けら
れない。誤差を考慮せずに信号システムを稼働させる
と、課題の項で記述したように走行を許可する限界位置
信号を伝送する際に矛盾した制御を行う可能性がある。
このため、図2以降で詳しく説明するように、進路構成
運転制御装置7−a,bに、位置検知誤差があっても、
安全を確保できていれば、列車走行に支障を発生させな
いという本発明の中心となる制御処理を組み込んだ。
【0019】まず、図1で列車の走行に従い本発明の機
能概要を説明する。列車30−a,cとして示すよう
に、列車がA区間、即ち、地上位置検知併用区間に在線
している場合は、車上位置検知装置43の車上位置検知
機能による位置情報よりも、地上位置検知装置8−a,
bの情報を優先させて、地上側保安制御装置6−a,b
内の進路構成運転制御装置7−a,bは、まず列車の走
行を制御する情報を作成する。しかし、該信号を基にし
た進路の閉鎖情報はそのまま列車に対して送信されず、
車上位置検知情報を基に生成された列車制御情報と比較
し、後述する処理を行った後間隔制御情報として列車に
送信される。
【0020】列車30−a,bは、通信基地局4−a,
b、アンテナ5−a,bを通して受信される該制御情報
を、車載装置40で、車上アンテナ44,車上通信装置
42を経由して受信する。該制御情報を受信した車上制
御装置41は、該制御情報を処理し、例えば、必要なら
ばブレーキを作動させる、警報音を鳴動させる等の適切
な処理を実行する。
【0021】列車がB区間、即ち、車上位置検知区間に
在線している場合は、車上位置検知装置43で検知した
位置情報を基に、地上側保安制御装置6−a,b内の進
路構成運転制御装置7−a,bは列車の走行を制御する
情報を作成する。該制御情報は車上へ送信され、車上制
御装置41での制御は、駅構内在線時と同様である。通
信基地局4−a,bは駅構内に限定したものではなく、
隣接する通信基地局間で本システムの制御下で走行する
列車に対してすき間なく、連続通信できるように設置さ
れることを基本とする。但し、本発明の対象システム
は、地上位置検知区間が存在するところで、車上位置検
知情報と不具合なく整合性をとる方式を提供するもので
あるので、通信の連続性を絶対的に必要とするものでは
ない。通信の不連続区間があったとしても、本発明の方
式は適用可能である。
【0022】図1では、通常の鉄道運行管理システムで
も使用する進路制御装置2−a,bを持つ形式を示して
いる。人の操作で進路の構成を要求する場合は、人が扱
うてこ装置等を具備した装置が接続される。例えば、列
車30−aが出発時期になれば、進路制御装置2−aは
出発用の進路を構成するように進路構成運転制御装置7
に対して要求する。進路構成運転制御装置7は、列車の
在線状況を検査して、進路構成が可能であれば転轍機5
0−a〜fを適切に転換鎖錠して進路を構成し、列車3
0−aに対して出発を許可すると同時に、当該列車に対
する経路上の支障位置等を通信基地局4−aを通して出
力する。列車30−bが次の駅に接近し、進路制御装置
2−bが場内の進路を構成する時期になったと判断する
と、進路構成運転制御装置7−bに対して進路構成の要
求を出力し、進路構成運転制御装置7−bは転轍機50
−g〜lを適切に転換鎖錠して進路を構成し、列車30
−bに対して駅構内への進入を許可すると同時に、当該
列車に対する経路上の支障位置等を通信基地局4−bを
通して出力する。隣接通信装置3−a,bは、通信線1
0を通して隣接する拠点列車制御装置1−a,bと必要
な列車制御情報を授受するための通信装置である。列車
情報としては、例えば、列車の間隔を正しく制御するた
めに、隣接する地上制御装置の制御下にある列車情報が
必要な場合があり、互いに隣接する地上側保安制御装置
8−a,bの制御下にある列車情報等を交換する。
【0023】列車30が制御情報を受信して走行する過
程で、地上位置検知装置が装備されているA区間とB区
間の境界で、車上位置検知装置43の位置検知結果と地
上位置検知装置8の検知結果が一致していれば問題ない
が、不一致が発生した場合に、正常な制御ができないこ
とが発生する可能性がある。図2は、本発明の基本であ
る車上位置誤差に伴う制御の不一致を安全に解消するた
めの機能ブロック構成である。内部の処理の流れに関し
ては、図4,図5を用いて詳しく説明する。まず、車上
位置検知結果と地上位置検知結果に誤差が発生した場合
どのような事態が発生するか、図3を用いて簡単に説明
する。(1)は、列車30がまだB区間に在線中にも関
わらず、A区間を示す車上位置検知情報を通信基地局4
を通して地上側の制御装置に向けて送信してきた場合を
示している。即ち、列車30の真の位置は位置100に
も係らず、例えば、駅構内位置を示す位置101の情報
を送信してきた状況を示している。この場合は、このま
ま列車が走行しても、駅構内と駅中間との進入境界10
2で、列車走行に関して特に大きな障害とはならない。
しかし、例えば、このまま走行して、駅のホ−ムに列車
が停車する場合に、車上位置検知誤差の結果、実際の列
車位置よりも前方の位置に在線しているとして認識して
いるので、走行が許可されている限界位置以上に列車が
進むことが許されなければ、列車は停車目標地点にまで
到達できずに、本来の停車位置よりも手前に停車しなけ
ればならない等の障害が発生する可能性がある。一方、
(2)に示す例では、(1)の場合とは逆に、列車30
が既にA区間に在線しているにも関わらず、B区間を示
す車上位置検知情報を通信基地局4を通して地上側の制
御装置に向けて送信してきた場合を示している。この場
合、従来から確立されている地上位置検知結果を基にし
た連動論理を用いると、地上側位置検知では位置111
に列車の在線を検知し、開通させた進路に列車の在線を
検知したので、後続の列車に対しては、進入境界102
で停車するように指示を出力することになる。この結果
をそのまま用いると、車上位置検知情報ではまだ位置1
10を示しているので、列車に走行を許可する限界位置
を求める処理では、進入境界102より手前、即ち外方
に在線している列車に対して、駅構内への進入を抑止す
るように制御しようとするので、自車で自車の駅構内へ
の進入を阻害する事態が発生する。ここでは、一例を示
したが、従来の軌道回路等を用いる地上側位置検知装置
を基にした進路制御と、車上側位置検知による列車制御
を混在させると、このような矛盾を発生する場合が、進
路の開通の開始、或いは終了地点を規定する境界点で起
こりえる。
【0024】本発明では、図2に示すように、位置検知
誤差回避制御/追跡処理部72を組み込み、列車を適切
に間隔制御できるようにした。基本は、進路制御装置2
の出力である進路要求に列車固有のIDを付加し、進路
構成運転制御装置7でも該IDと構成した進路を関連づ
けて記憶し、進路を支障した原因が該列車IDを持つ列
車と断的できれば、たとえ車上位置検知情報が、進路の
外方を示していても、走行を許可する列車前方の限界地
点を、開通させた進路の終点から引き戻さない処理とす
るところである。概要を、図2を用いて、列車の進行に
従い処理の流れを説明する。列車情報は、通信基地局4
を通して送信される。送信された情報は、通信電文処理
部70で一時的なバッファリングやヘッダ部の除去等必
要な処理が行われ、次の処理部に送られる。進路構成運
転制御装置7での最終的な処理出力は、列車から送信さ
れた情報と地上側に設置された軌道回路等の位置検知装
置の位置検知結果とから、列車に対して適切な信号情
報、即ち間隔制御部73で間隔制御情報を作成すること
である。
【0025】そのために、車上の通信電文から位置検知
情報を取り出す車上位置情報照査部71,地上位置検知
装置の典型である軌道回路等を総称する現場機器77の
出力を処理する地上位置検知出力処理部74の出力が、
今回の発明のポイントである位置検知誤差回避制御/追
跡処理部72に入力される。該機能部で、誤差を正しく
評価し、追跡の矛盾を解消した後、間隔制御部73で正
しく間隔制御情報が生成され、生成された結果は、通信
電文処理部70を通して列車に向けて出力される。
【0026】駅構内に向かう列車に対しては、列車が目
的とする番線に到着できるように、適切な時期に、適切
な向きに進路を転換する必要がある。進路の転換は、基
本的にダイヤ情報に基づいており、進路制御装置2にあ
るダイヤ管理部情報61と進路構成装置I/F62を通
して入力する位置情報から、進路制御部60で処理され
適切な時期に進路要求を出力する。進路要求は、進路制
御装置I/F75を通して進路構成処理部76に入力さ
れ、進路構成できる条件を満たしていれば、要求に従い
該処理部で進路の転換を鉄転轍機等の現場機器77に指
示し鎖錠する。この時、進路制御装置2からの出力は、
要求した進路と該進路を走行しようとしている列車が一
対一に対応できるように、列車固有のID番号とともに
進路構成要求を行う。列車固有のID番号は、列車から
無線通信を通して送ってもよいし、その他、地上側で進
路制御装置2と確実に関連づける手段があれば手法は問
わない。例えば、進路制御装置2と進路構成運転制御装
置7と列車30の間で追跡を始めた列車はこのIDで管
理することにし、連続性を常に監視し矛盾を発生させな
いように保証する。このように、構成した進路と列車I
Dを用いて、進路構成処理部76では、開通させた進路
にどの列車が進入するのかを関係づける。
【0027】即ち、進路制御装置2から進路構成運転制
御装置7に対して表1に示すように、進路構成要求する
進路情報と、要求する進路走行する予定の列車IDを出
力する。その他付加的な情報であるその他の制御情報が
必要であれば、その他制御情報として出力する。その他
の制御情報を必要とするかは、本発明の根本には何ら影
響はなく、システム運用時必要であれば、付加する。要
求する進路と要求する進路を走行する予定の列車ID情
報は、必須である。
【0028】
【表1】
【0029】次に図4を用いて、位置検知誤差回避制御
/追跡処理部72内部の処理の流れの一例を説明する。
当該処理例は、車上位置検知情報と地上位置検知情報の
許容できる誤差範囲を予め決めておき、進路閉鎖の原因
が当該列車であり規定した誤差範囲であれば、図3
(2)に示す状態が発生しても、当該進路を走行予定で
あった列車に対しては、間隔制御部73で生成する走行
を許可する限界位置信号を、開通していた進路の末端位
置から進入境界102に引き戻さない制御方式を示して
いる。本処理は、マイクロプロッセッサ等のソフトウェ
ア処理で行っても良いし、LSIハードウェアロジック
で処理しても構わない。
【0030】順を追って説明すると、まず、車上位置情
報処理部71と地上位置情報処理部74の出力,進路の
開通状況を処理200で入力する。次に、処理201
で、車上位置検知情報と地上位置検知情報の間に進路の
区切りで位置誤差の矛盾がないか検査する。即ち、一方
が進入する進路の外方(開通させていた進路の手前)に
存在しているという位置を示しているのに対し、他方が
進路の内方(開通させていた進路の内側)に存在すると
いう矛盾の有無を検査する。従来、列車の進入は、追跡
の結果内方軌道回路が確定落下したことで、検知してい
るだけであり、どの列車によって軌道回路が落下したの
か関知していない。そして、軌道回路の落下を検知すれ
ば、即、進路を閉鎖し、後続列車を当該進路の始端で停
車させるように信号現示を変化させている。このため従
来手法をそのまま適用してしまうと、車上位置検知情報
の誤差で、まだ信号の手前の位置を示していた場合は、
自車で自車の進路を阻害してしまうことになる。しか
し、本発明では、表1に示すように、開通させた進路と
該進路の開通を要求した列車とが紐付けされた情報とな
っている。このことを利用して、列車位置と進路開通状
態を常にペアで監視できる。列車位置と進路の関係を進
路構成運転制御装置7で常に把握しており、判定処理2
01が簡単確実に実行できるようになっている。もし、
紐付けがされていなければ、当該進路に進行の可能性の
ある列車を探索し、その中から候補を選びだし、進路状
態と列車位置関係の矛盾を検証することになり、進路の
開通状態と検査すべき列車が何時でも確実に選定できる
とは限らなくなる。例えば、進路にいちばん近い列車を
選択するような論理では、隣接番線に在線している列車
を位置関係の矛盾を検証する候補と選定する可能性があ
る。本発明では、常に正しい進路と列車の関係が保た
れ、位置関係を検証すべき進路或いは列車が検出される
と、紐付け情報から即座に他方が選定され、該選定され
た二つの位置関係に矛盾がなければ、処理202に示す
ように、本発明で前提としているそれまで通りの車上位
置情報に従った間隔制御を継続するように指示をセット
して処理を終了する。
【0031】処理201で矛盾が検知された場合は、判
定処理203以下の処理を実行する。ここでは、もちろ
ん車上位置検知装置,地上位置検知双方とも従来から取
り入れられているフェールセーフ思想を用いて作られて
いるいることを仮定しているし、軌道回路位置検知の不
正落下や不正扛上等の対策がされた後の、位置検知結果
を用いることを想定している。さらに、車上位置検知結
果の連続性も監視されており、個々には位置情報の正当
性を保証する対策が図られているものとしている。これ
ら位置検知装置内部の作りや列車を追跡する機能に、本
発明の主旨は基本的に依存はしない。機能的にどちらの
位置情報データに従っても安全が確保できていれば、処
理201で矛盾ありと判断しても、引いた進路の閉鎖は
絶対にその進路の走行を予定していた列車の進入による
ものであり、それ以外にはあり得ないことが保証できれ
ば、間隔制御処理で当該列車に対して開通した進路の引
き戻しはないものとして制御しても安全は確保できる。
しかし、矛盾は装置故障が原因とも考えられるし、他の
車両の逸走等も考えられるので、これらの障害と単なる
車上位置検知誤差に起因している矛盾なのかを区別し、
適切に処理する必要がある。単なる車上位置検知誤差に
伴う進路状態の矛盾であれば、図3(1)、或いは
(2)の状態の発生であり、該列車を該列車のために開
通させた進路に進入させる処理を実行するし、装置故障
や他の車両の逸走による矛盾と判断される場合は、適切
な安全側制御を実行する必要がある。
【0032】そのために、まず判定処理203を行う
が、ここでも進路と進路の開通を要求した列車とが紐付
けされていることを用いて、該紐付けされた列車の車上
位置検知情報と地上位置検知情報の差が許容範囲以内で
あるかどうか検証している。許容範囲に関しては、車上
位置検知装置の当該位置での精度、車上位置検知処理時
間と地上位置検知処理時間の差、通信障害等による通信
遅れ時間等を考慮して、通常の許容範囲が決定される。
許容範囲は、実際に使用する車上或いは地上の位置検知
装置、さらに使用する無線通信装置や処理サイクル等を
考慮して決定すればよい。許容範囲外であれば、装置故
障の可能性があるので、即、当該進路に接近してくる列
車に対して即時停止指示を処理209でセットする。許
容範囲内であれば、図3(1)、或いは(2)の状態の
発生の可能性が高いので、本当に位置検知誤差に伴う矛
盾の発生なのか検証する。判定処理210では、図3
(1)の場合の可能性が高いのか(2)の場合の可能性
が高いのかを判定している。判定処理210でNに分岐
する場合は、進路の閉鎖を伴わずに二つの位置検知結果
に矛盾が発生した場合、即ち、車上位置検知情報が実際
の列車位置よりも前にずれていて、図3(1)の状態で
ある可能性が高い。
【0033】図3(1)の場合は、列車が進行すれば、
地上位置検知結果もある時間経過後列車の進路内進入を
検知し矛盾が解消されることになる。そこで、進路の境
界で車上と地上の列車検知結果に矛盾の発生を検知して
も、即、システム故障とは判断せずに、位置情報の誤差
が許容範囲内であれば、列車に対してそれまで送信して
いた進路の開通端を列車の走行を許可する限界位置信号
として送信を続行する。そのための余裕時間をみる処理
が、処理204,205,207である。即ち、処理2
04で、システム故障と判断するまでの判定猶予時間を
設定し、判定処理205で時間の経過を監視し、超過し
ていなければ、矛盾がなかった時の出力と同じ結果、車
上位置情報に従った間隔制御を継続する指示を処理20
6でセットする。もし、監視時間以内に矛盾が解消され
なかった場合は、処理208でシステム異常を出力す
る。システム異常を出力した場合の処理としては、当該
列車を緊急停車させたり、当該列車に向かう他の列車に
対してもある範囲で進入を禁止する等の防護を図る。シ
ステム構築時に、導入した線区の特徴を考慮して、適切
な処置を実行すればよい。
【0034】判定処理210でYに分岐する場合、即
ち、図3(2)の状態の可能性が大きいと判断される場
合は、さらに判定処理211を実行する。車上位置検知
情報では、開通させた進路にまだ進入していない位置情
報を送信してきているのに、進路が閉鎖される事態とし
ては、図3(2)の場合のように自列車の位置検知誤差
に伴うものと、他の列車が誤って逸走してしまい、進路
を支障した場合が考えられる。判定処理211で考えて
いる列車の動作状況について、図5を用いて説明する。
列車が図面左側からA区間に進入した場合を示してい
る。この時の、車上位置検知情報が120の位置を示し
ていたとすると、図4の処理210でYに分岐する。従
来の位置検知のための軌道回路等の分割方式を基に、地
上位置検知装置が図示するように、各区間でAT,B
T,CT,DTと分割されているものとする。ここで、
列車進入前に、駅構内の進路がAT−BT−CTまで開
通していたとすると、このいずれか一つの区間でも列車
の在線が検知されれば、進路は進入境界102の位置で
閉鎖され、この駅に左から右に近づいてくる直近の列車
に対して、走行可能な限界位置は、進入境界102が設
定される。位置誤差を何も考慮しないと、図5の状態で
は自車の進入で自車を停止させてしまうことになる。こ
のため、判定処理211で、閉じた進路に付されていた
列車IDと該IDに対応する列車の位置と、進路を閉鎖
させた地上側位置検知装置の位置を検査する。進路を閉
鎖させた原因が、進路の始端だけの区間で列車を検知し
ていた場合、即ち、判定処理211の内容としては進路
の始端の列車検知装置、例えば図5でATの軌道回路だ
けが落下し列車を検知していた場合、該IDを持つ列車
の踏み込みによる進路の閉鎖と判断し、Yに分岐する。
そこで、該IDを持つ列車に対して、既に説明したよう
な処理204以下の処理を行い、即、引き戻し処理を実
施するのではなく、矛盾を解消させるために一定時間を
設け、この時間以内に矛盾が解消するかを監視する。A
T以外に列車検知した場合は、Nに分岐し、システム異
常か他の列車の逸走などが考えられるので、処理209
で即当該進路に向かって進行中の列車を停車させる制御
を実行する。
【0035】次に、図6は、進路と該進路を開通させた
列車との間で、地上位置検知結果と車上位置検知情報の
許容誤差範囲を条件とせずに、安全に矛盾の原因を判定
する手法を示している。地上位置検知装置は従来の保安
を確保するための設計思想は満たしているものを前提と
すると、列車が在線しているにも係らず在線を検知でき
ないという事態は排除できる。このため、安全を考慮す
べき事態は、地上位置検知情報にしたがって進路が閉鎖
しているにも係らず、列車が進路の外方つまり手前にい
るという在線情報を送信してきた場合に、図3(2)の
事態による不具合なのか、それとも装置故障や車両逸走
による進路閉鎖なのかを切り分ければ、安全は確保でき
る。この考え方に基づき、判定処理201で矛盾を検知
した場合の次の処理として、誤差の判定は行わず、進路
の閉鎖変化の判定処理210を実行する。図4で判定処
理203とそれに伴う処理を全て取り除いた処理フロー
である。但し、車上位置検知が大きく手前に狂った場合
や、大きく前方にずれた場合の検知は、処理204以下
のある一定時間経過してから検出できることになるの
で、検出が遅れる。この簡略化処理でも、安全確保の観
点では、問題はない。図7は、図4の判定処理フローを
簡略化した方式を示している。即ち、車上での位置検知
結果と地上での位置検知結果にある一定以内の誤差が発
生した場合は、即、各位置検知結果の一致を待つ処理を
動作させる。この考え方は、他の列車の逸走等は車両側
で抑止し考慮の必要がない場合に適用可能である。即
ち、進路構成運転制御装置7に入力される車上位置検知
情報と地上位置検知情報の差から障害を検知し、安全を
確保することに処理を集中させ安全を確保する簡単な方
式である。
【0036】図8は列車の出発進路境界でも同様の事態
が発生することを示している。DTに停車している列車
30が出発進路境界300を越えて進行する場合、やは
り図3(1)或いは(2)に示したことは発生し得る。
出発進路は、進路の始点である通常出発進路境界300
から出発進路が確保する進路の終点301に他の列車が
在線しないことや支障がないことをもって開通させる。
列車30で車上位置検知誤差が発生すると、列車が該進
路に進入した車上位置検知情報を送信してきているの
に、地上では列車の進入を検知できておらず進路の閉鎖
は発生していない図3(1)と同様の矛盾、逆に、地上
では列車の進路への進入を検知しているのに、車上位置
検知情報ではまだ進路の外方即ち手前の位置情報を送信
してきている矛盾、即ち図3(2)と同様の事態が発生
する。この場合も図4,図5,図6,図7で示した判定
手法と同様の手法が使用できる。
【0037】但し、図3(2)の場合と、他の列車等の
逸走による進路支障によって、進路が引き戻されたので
はないことを区別するには、注意が必要である。即ち、
図4,図6中の判定処理211の中の処理に工夫が必要
である。図8に示すように、地上位置検知装置を軌道回
路とすると、最初に列車の進入が予想される軌道回路E
Tが複数の軌道回路(図8ではDTとCTからのETへ
列車の進入が可能)に分岐している場合がある。この場
合は、図3(2)の様な単なる位置検知誤差によって、
進路が引き戻されたかのような事態になったのか、例え
ば図8でCT上に列車が在線していた場合は、CTで検
知していた列車が逸走しDTに在線している列車の進路
を支障して進路が引き戻されたのか区別しなければなら
ないが、進路の最初の軌道回路のETの落下、即ちET
での列車在線検知だけでは、進路要求したDT上の列車
30によるものと断定できない。このため、最初に踏み
込む軌道回路が枝分かれしている場合は、判定処理21
1が図9に示すような処理になる。即ち、最初に判定処
理350を実行し、進路の開通を要求した列車が最初に
踏み込むはずの軌道回路が落下し列車を検知したのかど
うか判断し、Yであれば、次に、この最初に踏み込むべ
き軌道回路の枝分かれの軌道回路上に列車の在線を検知
していた場合は、線路上の他の列車が移動して図8で考
えればETを落下させたのではないことを確認する判定
処理351を実行する。移動の検知は、枝分かれした先
の配線情報を予め進路ごとに進路構成運転制御装置7に
記憶させておき、枝分かれ先に在線する列車との通信で
列車の移動状態を検知する手法や、枝分かれ先の線路に
軌道回路とは別に列車の移動を検知する車軸検知装置等
の検問装置の検出結果を利用する等して実施可能であ
る。手法としては、幾つか考えられ、その手法に関して
はここではどれを用いるか特に断定するものではない。
後ほど、図10を用いて説明する。とにかく判定処理2
11に示すように、進路を閉鎖した列車が、進路を要求
した列車と断定するには確かな情報を持って行えれば、
本発明の目的は十分に達成できる。
【0038】図10はA区間を駅として、1番線41
0,2番線411として、図面左から右へ走る列車に対
して、A区間への進入可否を判断する境界として、境界
420,列車の出発の可否を判断する境界として、境界
421,422が考えられる。進路としては、境界42
0から境界421に向かうものと境界422に向かう進
入のための2進路、及び出発用として、境界421から
境界423に向かうものと境界422から境界423に
向かうものの4種類である。逆に列車が走る場合は、A
区間への進入として境界423か境界424,境界42
3から境界425に向かうもの、出発は境界424か境
界420、境界425から境界420に向かう4進路あ
る。この境界に、図中に示すような列車通過検知装置4
00−a,b,c,e,f,gを設置する。車軸検知装
置のようなものでもかまわないし、同じような機能を実
現し保安上問題なければ、使用する装置は問わない。例
えば、図中に示すように境界420に向かう列車があ
り、1番線410に進入しようとする場合は、正常にシ
ステムが稼働しており異常事態が発生しなければ、列車
通過検知装置400−aだけが列車の通過を検知し、境
界420から境界421即ち1番線410に向かう進路
が閉鎖される。即ち、進入すべき進路始端以外からの車
両などの進入がないことを保証する図9の判定処理35
1では、400−a,b,c,d,e,f,gの列車通
過検知装置の出力を検査して行えばよい。本発明では、
進路と当該進路の開通を要求した列車の紐付けを基本と
して、列車の進路状態変化時の矛盾を検証し安全を確保
している。紐付けすることで、進路と進路の開通を要求
した列車が確実に関係付けられ、位置検知誤差に伴う誤
制御を安全に防止する手法を説明した。また、例では、
位置検知装置として現在広く用いられている軌道回路と
現状に合わせた軌道回路の分割に基づいて説明してき
た。地上位置検知装置としては軌道回路だけでなく、列
車の車軸を検知する装置や光の遮断状況を利用するもの
や、超音波,スポット的に通信する無線通信を利用する
手法等もあるが、これらの方式も本発明に利用可能であ
る。
【0039】これまで、進路の閉鎖が発生した場合の矛
盾を安全に見極めて列車を制御する手法として、車上位
置検知情報に誤差が含まれる場合や、システム故障等を
想定していたが、人の扱いやシステムの異常検知等で、
故意に進路を引き戻した場合は即進路の引き戻しが行わ
れることは当然である。また、車上位置検知情報と地上
位置検知情報とが矛盾しても、その原因が図3(1)或
いは(2)の状態であると判断された場合は、その後処
理204,205,208で時間余裕を設定して、該二
つの位置検知情報の一致を見ていたが、本発明では必ず
しも必要ではなく、運用上から、列車の安全が確保でき
ているのだから、列車を止めることはしないが、警報等
の情報は即通知を必要とするかもしれない。この処理の
部分は、システム運用の必要性から適切に行えばよい。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、車上位置検知装置の出
力結果を基にする列車走行制御と地上位置検知結果に基
づく進路制御結果に矛盾を検知した場合でも、その矛盾
がシステムの異常による危険な事態なのか、単なる位置
検知誤差に起因する何ら障害とならない事態なのかを安
全かつ容易に判定できる。その結果、列車を走行させる
べき本来の制御を実現させることが可能となる。
【0041】不要なブレーキの作動を排除し、システム
が期待する本来の列車走行制御を安全且つ確実に実現す
ることを可能にしている。裏返せば、不要なブレーキ指
令が出力される可能性があるままでは、列車を予定通り
に走らせることはできないので、定時運行性を確保でき
なくなる。本発明は該課題の解を開示しており、サービ
ス運用面の向上にも大きな効果がある。
【0042】また、列車に対して不要なブレーキを作動
させることがなくなるので、列車の乗り心地を向上させ
る効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体概要を示す説明図である。
【図2】本発明による車上位置誤差に伴う制御の不一致
を解消する機能ブロック構成である。
【図3】車上位置検知と地上位置検知の誤差発生の場合
の説明図である。
【図4】位置検知誤差回避制御/追跡処理部72の内部
処理を示す。
【図5】判定処理211で考えられる列車の動作状況を
説明する図である。
【図6】安全に矛盾の原因を判定する手法を説明する図
である。
【図7】図4の判定処理フローを簡略化した方式を示
す。
【図8】列車の出発進路境界での事態発生を示す図であ
る。
【図9】進入すべき道路始端以外からの車両などの進入
がないことを保証する処理図である。
【図10】本発明の状況説明図である。
【符号の説明】
1…拠点列車制御装置、2…進路制御装置、3…隣接通
信装置、4…通信基地局、5…アンテナ、6…地上側保
安制御装置、7…進路構成運転制御装置、8…地上位置
検知装置、10…通信線、20…駅中間線路、21…駅
構内線路、30…列車、40…車載装置、41…車上制
御装置、42…車上通信装置、43…車上位置検知装
置、44…車上アンテナ、50…転轍機、61…ダイヤ
管理部情報、62…進路構成装置I/F、70…通信電
文処理部、71…車上位置情報照査部、72…位置検知
誤差回避制御/追跡処理部、73…間隔制御部、74…
地上位置検知出力処理部、75…進路制御装置I/F、
76…進路構成処理部、77…現場機器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 悟 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 戸次 圭介 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 庄司 雅幸 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 糟谷 直大 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 網谷 憲晴 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所システム事業部内 Fターム(参考) 5H115 PA08 PG01 QN02 QN12 SF18 SF25 SJ07 SJ09 SJ13 SL01 SL06 TZ02 TZ07 5H161 AA01 BB03 BB04 CC13 DD02 DD21 EE01 EE11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駅中間区間では、車上位置検知装置により
    出力情報を用い、該出力情報を列車IDと共に無線通信
    を通して地上側の制御装置に送信し、地上側から安全に
    走行できる限界位置情報を受信して走行する方式、駅構
    内では、軌道回路等の地上側の位置情報検知装置の情報
    をもとにして地上側列車制御装置は、列車の進路を制御
    し、進路状態と車上位置検知情報を基に生成する制御情
    報から列車に送信する走行限界位置情報を生成して、無
    線通信を通して列車を制御する無線列車制御システムに
    おいて、 列車のために進路の構成を要求する装置は、実際に進路
    を構成し確保する保安装置に対して、進路を要求した列
    車IDと共に進路の開通を要求し、該保安系装置で進路
    の開通状態と車上から送られる位置情報とを比較し、誤
    差の程度を検証することができることを特徴とする車上
    位置検知と地上位置検知結果の矛盾を安全に解消し、シ
    ステム本来の間隔制御を実現する安全な位置誤差解消シ
    ステム。
  2. 【請求項2】請求項1の位置誤差解消システムにおい
    て、要求した進路を走る列車と列車IDで関係づけられ
    た開通させた進路関の間で、進路の閉鎖が進路の入力側
    から列車が進入したために発生した場合は、該列車から
    送信される車上位置情報が、進路の始端の手前を示して
    いても、該列車に対しては、地上側列車制御装置は進路
    が開通してい時の走行限界値を送信することを特徴とす
    るシステム本来の間隔制御を実現する安全な位置誤差解
    消システム。
  3. 【請求項3】請求項2の位置誤差解消システムにおい
    て、開通させた進路に進入した列車は、関係づけた列車
    以外ではないことを検知するために、進路の切れ目に列
    車通過検知装置を利用し、その他の枝別れした線路の先
    からは列車が進入していないことを検知するか、或い
    は、駅に関係する列車を地上側列車制御装置を検索し、
    近傍に列車は在線していないことや該進路に進行してい
    る列車がいないことなどで、該進路の閉鎖は進路の開通
    を要求した列車IDを持つ列車以外にないことを保証し
    車上位置検知と地上位置検知結果の矛盾を安全に解消
    し、システム本来の間隔制御を実現する安全な位置誤差
    解消システム。
  4. 【請求項4】請求項2或いは3の位置誤差解消システム
    において、進路の境界で、進路に関係づけた列車と進路
    の間で誤差による矛盾を検知しても、車上位置検知誤差
    に起因する危険ではない単なる誤差と判断される場合に
    は、列車が進行すれば位置誤差が解消されるが、この解
    消を検知するまでに時間的余裕をみて、該時間以上経過
    しても矛盾が解消しない場合は異常認識することを特徴
    とするシステム本来の間隔制御を実現する安全な位置誤
    差解消システム。
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