JP2000289582A - 自動車用窓ガラスの取り外し方法及びこの方法で使用する装置及び治具 - Google Patents

自動車用窓ガラスの取り外し方法及びこの方法で使用する装置及び治具

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JP2000289582A
JP2000289582A JP11104602A JP10460299A JP2000289582A JP 2000289582 A JP2000289582 A JP 2000289582A JP 11104602 A JP11104602 A JP 11104602A JP 10460299 A JP10460299 A JP 10460299A JP 2000289582 A JP2000289582 A JP 2000289582A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤーを使用したシーラントの切断作業を
シーラントの全長にわたって簡単且つスムースに行うこ
とができ、自動車の窓ガラスの取り外し作業を一人でも
極めて容易に行うことができる自動車用窓ガラスの取り
外し方法及びこの方法で使用する装置及び治具を提供す
ること。 【解決手段】 ガラスフレームとガラスとの間に介装さ
れたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワイヤーを牽引
移動させることによってシーラントを切断してガラスフ
レームに取り付けられたガラスを取り外す自動車用窓ガ
ラスの取り外し方法であって、シーラントの内周側及び
外周側の双方において切断対象となる部分のシーラント
に対してワイヤーを略平行に配置し、この状態でワイヤ
ーの少なくとも一端側を牽引移動することによりシーラ
ントを切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用窓ガラスの
取り外し方法及びこの方法で使用する装置及び治具に係
り、その目的はワイヤーを使用したシーラントの切断作
業をシーラントの全長にわたって簡単且つスムースに行
うことができ、自動車の窓ガラスの取り外し作業を一人
でも極めて容易に行うことができる自動車用窓ガラスの
取り外し方法及びこの方法で使用する装置及び治具を提
供することにある。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のフロントウインドウや
リヤウインドウとして装着されるガラスは、図21に示
すように、窓枠となるガラスフレーム(F)にシーラン
ト(S)を介してガラス(G)が装着されている。そし
て、ガラス(G)とガラスフレーム(F)との間に形成
される溝内にはファスナー(N)とモール(M)が設け
られている。このようなガラスの取付構造においては、
ファスナー(N)及びモール(M)を除去した後にシー
ラント(S)の全周を切断することによって、ガラス
(G)の取り外し作業が行われている。
【0003】このようなシーラントの切断に際しては、
ワイヤーをシーラントに挿通させて、車内側と車外側に
て2人の作業者がワイヤーの両端を交互に牽引すること
によって、シーラントを全周にわたって切断する作業が
行われている。しかしながら、この切断作業は車内側と
車外側の作業者がタイミングを合わせて行う必要がある
ため、シーラントを全周にわたって正確に切断するには
高度な熟練を必要とし、しかも作業が完了するまでに長
時間を要していた。
【0004】このような実情に鑑みて、特開平8−15
98号「ウインドーガラスの取り外し方法及び装置」に
おいて、治具を使用してシーラントをワイヤーで切断す
る方法が提案されている。この開示技術は、図22及び
図23に示すように、吸盤(K)と線材巻き取りローラ
(R)とを備えた2つの治具(J)を、ガラス(G)の
略中央位置に固定するとともに、シーラント(S)に挿
通されたワイヤー(W)の両端部を線材巻き取りローラ
(R)に固定し、ワイヤー(W)を線材巻き取りローラ
(R)にて巻き取っていくことによってシーラント
(S)をワイヤー(W)によって切断するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この方法は、一見、線
材巻き取りローラ(R)を回転させるのみでシーラント
(S)を全周にわたって切断することが可能であるか
ら、作業に熟練を必要とせず、作業時間を大幅に短縮す
ることができる優れた技術であるかの如くみえるが、実
際にはこの方法ではシーラント(S)を全周にわたって
切断することは不可能であった。すなわち、この方法で
は、図22及び図23に示すように、治具(J)をガラ
ス(G)の略中央位置に固定しているため、シーラント
(S)に対してワイヤー(W)が大きな角度をもってい
る。このような位置関係の状態にてワイヤー(W)を巻
き取っていくと、ワイヤー(W)のシーラント(S)に
対する角度は、図22に示したA→B→Cと順次変化し
ていく。ここで、Aの位置ではワイヤー(W)の引張り
力(巻き取りによって発生する力)の殆どがシーラント
(S)の切断力として作用するが、Bの位置ではワイヤ
ー(W)の引張り力の一部しか切断力として作用しなく
なり、Cの位置に至るとワイヤー(W)の引張り力はシ
ーラント(S)の切断力としては殆ど作用せずに大部分
がワイヤー自身を引っ張る力となってしまい、この状態
でワイヤー(W)の巻き取りを続けるとワイヤーが切断
してしまうのである。そのため、この方法ではシーラン
ト(S)の一部分のみしか切断されず、全周を切断する
ことはできなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであって、請求項1に係る発明
は、ガラスフレームとガラスとの間に介装されたシーラ
ントにワイヤーを挿通し、該ワイヤーを牽引移動させる
ことによってシーラントを切断してガラスフレームに取
り付けられたガラスを取り外す自動車用窓ガラスの取り
外し方法であって、シーラントの内周側及び外周側の双
方において切断対象となる部分のシーラントに対してワ
イヤーを略平行に配置し、この状態でワイヤーの少なく
とも一端側を牽引移動することによりシーラントを切断
することを特徴とする自動車用窓ガラスの取り外し方法
に関する。
【0007】請求項2に係る発明は、ガラスフレームと
ガラスとの間に介装されたシーラントにワイヤーを挿通
し、該ワイヤーを牽引移動させることによってシーラン
トを切断してガラスフレームに取り付けられたガラスを
取り外す自動車用窓ガラスの取り外し方法であって、シ
ーラントの内周側のガラス面にワイヤーの一端側を弾性
力によって往復運動可能に固定するとともに、シーラン
トの外周側においてワイヤーの他端側を往復運動させつ
つ牽引移動することによりシーラントを切断することを
特徴とする自動車用窓ガラスの取り外し方法に関する。
請求項3に係る発明は、シーラントの内角部分にワイヤ
ーの一端側を固定し、ワイヤーの他端側をシーラントの
外周側において牽引移動することによりシーラントを切
断することを特徴とする請求項1記載の自動車用窓ガラ
スの取り外し方法に関する。請求項4に係る発明は、シ
ーラントの一の角部においてシーラントの外周側から内
周側へとワイヤーを挿通させるとともに、挿通されたワ
イヤーを該一の角部と隣り合う他の角部においてシーラ
ントの内周側から外周側へと挿通させ、該挿通されたワ
イヤーの一端側を固定した状態にてワイヤーの他端部を
牽引移動させることを特徴とする請求項1記載の自動車
用窓ガラスの取り外し方法に関する。
【0008】請求項5に係る発明は、ワイヤーをシーラ
ントの外周に全周にわたって沿わせるとともに、該ワイ
ヤーの両端部を同位置からシーラントの内周側へと挿通
し、該内周側に挿通されたワイヤーの一端側を固定する
とともに、他端側を牽引移動することによりシーラント
を切断することを特徴とする請求項1記載の自動車用窓
ガラスの取り外し方法に関する。請求項6に係る発明
は、シーラントの内角部分のガラスにガイドローラを固
定し、ワイヤーの一端側を該ガイドローラに沿わせて巻
き取り装置にて巻き取ることによりシーラントを切断す
ることを特徴とする請求項5記載の自動車用窓ガラスの
取り外し方法に関する。請求項7に係る発明は、先端が
鋭角状に切断された中空パイプをシーラントに挿通し、
該挿通された中空パイプの中にワイヤーを通すことによ
り、ワイヤーをシーラントに挿通させることを特徴とす
る請求項1乃至6いずれかに記載の自動車用窓ガラスの
取り外し方法に関する。
【0009】請求項8に係る発明は、ガラスフレームと
ガラスとの間に介装されたシーラントにワイヤーを挿通
し、該ワイヤーを牽引移動させることによってシーラン
トを切断してガラスフレームに取り付けられたガラスを
取り外す自動車用窓ガラスの取り外し方法において使用
される装置であって、ワイヤーの一端部を固定するワイ
ヤー固定部を備えた基材と、該基材に取り付けられガラ
スに吸着される吸盤と、該基材に回動自在に取り付けら
れワイヤーが嵌入されるガイド溝を備えたガイドローラ
とからなることを特徴とする自動車用窓ガラスの取り外
し装置に関する。請求項9に係る発明は、前記ガイドロ
ーラが2つ備えられ、該2つのガイドローラが基材に対
して回動可能に取り付けられた2本の延出部材の各先端
に取り付けられてなることを特徴とする請求項8記載の
自動車用窓ガラスの取り外し装置に関する。請求項10
に係る発明は、前記ガイドローラが2つ備えられ、該2
つのガイドローラが基材に取り付けられた左右に伸縮自
在な取付部材の両端に取着されてなることを特徴とする
請求項8記載の自動車用窓ガラスの取り外し装置に関す
る。
【0010】請求項11に係る発明は、ガラスフレーム
とガラスとの間に介装されたシーラントにワイヤーを挿
通し、該ワイヤーを牽引移動させることによってシーラ
ントを切断してガラスフレームに取り付けられたガラス
を取り外す自動車用窓ガラスの取り外し方法において使
用される装置であって、基材と、該基材に取り付けられ
ガラスに吸着される吸盤と、該基材に取り付けられたス
ライド部材からなり、該スライド部材は基材に固定され
た固定部材と、基材に対して往復移動可能な移動部材
と、該固定部材と移動部材との間に介装されたバネとか
らなり、該移動部材にワイヤーの一端部を固定するワイ
ヤー固定部が備えられてなることを特徴とする自動車用
窓ガラスの取り外し装置に関する。請求項12に係る発
明は、ガラスフレームとガラスとの間に介装されたシー
ラントにワイヤーを挿通し、該ワイヤーを牽引移動させ
ることによってシーラントを切断してガラスフレームに
取り付けられたガラスを取り外す自動車用窓ガラスの取
り外し方法において使用される装置であって、両端部に
2つの吸盤を備えた基材と、該基材の中心に取り付けら
れたワイヤー巻き取り器とからなり、該巻き取り器はワ
イヤー巻き取り用ローラと、該ローラを回転させるため
のハンドルからなることを特徴とする自動車用窓ガラス
の取り外し装置に関する。
【0011】請求項13に係る発明は、ガラスフレーム
とガラスとの間に介装されたシーラントにワイヤーを挿
通し、該ワイヤーを牽引移動させることによってシーラ
ントを切断してガラスフレームに取り付けられたガラス
を取り外す自動車用窓ガラスの取り外し方法においてワ
イヤーをシーラントに挿通するために使用される治具で
あって、ワイヤーを挿通可能な内径を備えた硬質の中空
パイプからなり、該パイプは先端が鋭角状に切断されて
なるとともに終端にはフランジが形成されてなることを
特徴とする自動車用窓ガラスの取り外し治具に関する。
請求項14に係る発明は、ガラスフレームとガラスとの
間に介装されたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワイ
ヤーを牽引移動させることによってシーラントを切断し
てガラスフレームに取り付けられたガラスを取り外す自
動車用窓ガラスの取り外し方法においてワイヤーをシー
ラントに挿通するために使用される治具であって、把手
部と、該把手部に一端が固定された硬質の線材からな
り、該線材は前記請求項13記載のパイプと略同一長さ
であって且つ該パイプの内径と略同一外径とされてなる
ことを特徴とする自動車用窓ガラスの取り外し治具に関
する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る自動車用窓ガ
ラスの取り外し方法及びこの方法に使用する装置及び治
具の好適な実施形態について図面を参照しつつ説明す
る。先ず、本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法において使用される装置及び治具について説明する。
以下に示す装置及び治具は、ガラスフレームとガラスと
の間に介装されたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワ
イヤーを牽引移動させることによってシーラントを切断
してガラスフレームに取り付けられたガラスを取り外す
という一連の作業工程の中で使用されるものであり、そ
の機能と役割から3種類に大別することができる。第一
の種類はワイヤーの動きをガイドするためのガイド装置
であり、第二の種類はワイヤーを巻き取るための巻き取
り装置であり、第三の種類はシーラントにワイヤーを挿
通するための挿通治具である。以下、これらの装置及び
治具について順次説明する。
【0013】図1はガイド装置の第一実施形態を示す平
面図である。第一実施形態に係るガイド装置(1A)
は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2)
と、この基材(2)の裏面に固定された2つの吸盤
(3)と、基材(2)の先端部に回動可能に取着された
ガイドローラ(4)と、基材(2)の表面において2つ
の吸盤(3)の中間位置に設けられたワイヤー固定部
(5)とから構成される。ガイドローラ(4)はその外
周面にワイヤーが嵌まり込むガイド溝を備えた円板状部
材であり、ワイヤー固定部(5)はワイヤーの一端部を
固定することが可能なピンやフックなどから構成され
る。尚、このガイドローラ(4)及びワイヤー固定部
(5)の構成は他の全ての実施形態に共通した構成であ
る。
【0014】図2はガイド装置の第二実施形態を示す平
面図である。第二実施形態に係るガイド装置(1B)
は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2)
と、この基材(2)の両端部裏面に固定された2つの吸
盤(3)と、基材(2)に対して回動自在に取り付けら
れた2本の延出部材(6)と、これら2本の延出部材
(6)の先端にそれぞれ回動可能に取着されたガイドロ
ーラ(4)と、基材(2)表面において2つの吸盤
(3)の中間位置に設けられたワイヤー固定部(5)と
から構成される。
【0015】2本の延出部材(6)は、平面視長方形状
の長尺板材であってその基端部近傍には長穴(7)が形
成されており、この長穴(7)にはボルト(8)が挿通
されて基材(2)に対して螺着されている。延出部材
(6)は、ボルト(8)の螺着を緩めることによって長
穴(7)の範囲内にて基材(2)に対して移動可能とさ
れており、またボルト(8)の螺着を緩めることによっ
て基材(2)に対して回動可能とされている。
【0016】図3はガイド装置の第三実施形態を示す平
面図である。第三実施形態に係るガイド装置(1C)
は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2)
と、この基材(2)の両端部裏面に固定された2つの吸
盤(3)と、基材(2)表面において2つの吸盤(3)
の中間位置に設けられたワイヤー固定部(5)と、基材
(2)と接続片(9)を介して接続された取付部材(1
0)とから構成されている。取付部材(10)は、接続
片(9)に固定された連結板(11)と、この連結板
(11)の下部に連結された2本の互いに平行な長尺板
材(10a)とからなり、連結板(11)は長尺板材
(10a)の長さ方向に長く形成された4つの長穴(1
1a)を備えている。各長穴(11a)にはボルト(1
2)が挿通されており、ボルト(12)の頭部は長穴
(11a)の幅よりも大きく形成されて連結板(11)
の表面に位置し、ボルト(12)のネジ部は長尺板材
(10a)に対して螺着されている。そして、ボルト
(12)の螺着を緩めることにより、長尺板材(10
a)を長穴(11a)の範囲内にて移動させることがで
き、これによって取付部材(10)を伸縮させることが
可能とされている。また、取付部材(10)の両端部、
即ち2つの長尺板材(10a)の互いに反対側の一端部
には、ガイドローラ(4)が回動可能に取着されてい
る。
【0017】図4はガイド装置の第四実施形態を示す平
面図である。第四実施形態に係るガイド装置(1D)
は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2)
と、この基材(2)の両端部裏面に固定された2つの吸
盤(3)と、基材(2)表面において2つの吸盤(3)
の中間位置に設けられたワイヤー固定部(5)と、基材
(2)と2本の連結部材(13)を介して接続された取
付部材(10)とから構成されている。取付部材(1
0)は、連結部材(13)に固定された連結板(11)
と、この連結板(11)の下部に連結された2本の互い
に平行な長尺板材(10b)とからなり、連結板(1
1)は長尺板材(10b)の長さ方向に長く形成された
4つの長穴(11a)を備えている。各長穴(11a)
にはボルト(12)が挿通されており、ボルト(12)
の頭部は長穴(11a)の幅よりも大きく形成されて連
結板(11)の表面に位置し、ボルト(12)のネジ部
は長尺板材(10b)に対して螺着されている。そし
て、ボルト(12)の螺着を緩めることにより、長尺板
材(10b)を長穴(11a)の範囲内にて移動させる
ことができ、これによって取付部材(10)を伸縮させ
ることが可能とされている。また、取付部材(10)の
両端部、即ち2つの長尺板材(10b)の互いに反対側
の一端部には、ガイドローラ(4)が回動可能に取着さ
れている。
【0018】2本の連結部材(13)は互いに平行に配
置されて連結板(11)と基材(2)に対して直角な位
置関係で両者を連結しており、その一端部は連結板(1
1)に固定され、他端部はボルト(14)を介して基材
(2)と連結されている。基材(2)には連結部材(1
3)の長さ方向に長い2つの長穴(2a)が形成されて
おり、各長穴(2a)にボルト(14)が挿通され、ボ
ルト(14)の頭部は長穴(2a)の幅よりも大きく形
成されて基材(2)の表面に位置し、ボルト(14)の
ネジ部は連結部材(13)に対して螺着されている。そ
して、ボルト(14)の螺着を緩めることにより、連結
部材(13)を長穴(2a)の範囲内にて移動させるこ
とができ、これによって連結部材(13)を伸縮(前後
移動)させることが可能とされている。
【0019】図5はガイド装置の第五実施形態を示す平
面図である。第五実施形態に係るガイド装置(1E)
は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2)
と、この基材(2)の裏面に固定された2つの吸盤
(3)と、基材(2)の先端部に固定されたスライド部
材(15)とから構成される。スライド部材(15)
は、基材(2)に固定された固定部材(16)と、この
固定部材(16)とバネ(17)を介して連結された移
動部材(18)とからなり、移動部材(18)にはワイ
ヤーの一端部を固定するワイヤー固定部(5)が備えら
れている。
【0020】固定部材(16)と移動部材(18)とを
連結するバネ(17)は、互いに平行に配置された2つ
のバネからなる。このようにバネ(17)により固定部
材(16)と移動部材(18)とが連結されていること
によって、ワイヤーの牽引によりワイヤー固定部(5)
に引っ張り力が作用すると、バネ(17)が縮んで移動
部材(18)が固定部材(16)の方に向けて移動し、
ワイヤーの牽引が緩まるとバネ(17)の復元力により
移動部材(18)は固定部材(16)から離間すること
となる。また、互いに平行に配置された2つのバネを使
用していることによって、移動部材(18)は固定部材
(16)に対して左右に揺動することも可能となってい
る。
【0021】図6はガイド装置の第六実施形態を示す平
面図である。第六実施形態に係るガイド装置(1F)
は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2)
と、この基材(2)の裏面に固定された2つの吸盤
(3)と、基材(2)の先端部に回動自在に取着された
ガイドローラ(4)と、基材(2)の側部に設けられた
スライド部材(15)とから構成される。スライド部材
(15)は、基材(2)に固定された固定部材(16)
と、基材(2)に対して往復移動可能な移動部材(1
8)と、固定部材(16)と移動部材(18)との間に
介装されたバネ(17)とからなる。固定部材(16)
は、基材(2)の側部に設けられた先端面(ガイドロー
ラに向く面)が開放された中空筒体の開放面に固定され
ており、移動部材(18)は中空筒体の内部に挿入され
た移動軸(18a)と、移動軸(18a)の後端部に取
着された移動板(18b)とからなり、移動軸(18
a)は固定部材(16)から突出されその先端部にはワ
イヤーの一端部を固定するワイヤー固定部(5)が備え
られている。
【0022】バネ(17)は中空筒体の内部に、固定部
材(16)と移動部材(18)の移動板(18b)との
間に介装された状態で配設されており、固定部材(1
6)と移動板(18b)とを離間させる方向の付勢力を
与えている。このように、固定部材(16)と移動板
(18a)との間にバネ(17)が介装されていること
によって、ワイヤーの牽引によりワイヤー固定部(5)
に引っ張り力が作用すると、バネ(17)が縮んで移動
板(18a)が固定部材(16)の方に向けて移動し、
ワイヤーの牽引が緩まるとバネ(17)の復元力により
移動板(18a)は固定部材(16)から離間すること
となる。
【0023】図7は巻き取り装置の第一実施形態を示す
平面図である。第一実施形態に係る巻き取り装置(20
A)は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2
1)と、この基材(21)の両端部裏面に固定された2
つの吸盤(22)と、基材(21)の表面において2つ
の吸盤(22)の中間位置に取り付けられた巻き取り器
とからなり、巻き取り器は回動自在に基材(21)に取
着されたワイヤー巻き取り用ローラ(23)と、このワ
イヤー巻き取り用ローラ(23)を回転させるハンドル
(24)とから構成されている。
【0024】ワイヤー巻き取り用ローラ(23)は、外
周面にワイヤーが嵌まり込むガイド溝を備えた円板状部
材であり、ガイド溝にワイヤーの一端部を固定した状態
でハンドル(24)を回してワイヤー巻き取り用ローラ
(23)を回転させることによって、ワイヤーはワイヤ
ー巻き取り用ローラ(23)のガイド溝に巻き取られて
いくこととなる。
【0025】図8は巻き取り装置の第二実施形態を示す
平面図である。第二実施形態に係る巻き取り装置(20
B)は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2
1)と、この基材(21)の両端部裏面に固定された2
つの吸盤(22)と、基材(21)の表面において2つ
の吸盤(22)の中間位置に取り付けられた巻き取り器
と、基材(21)の2つの吸盤(22)の中間位置から
基材(21)に対して直角に延出された延出部材(2
5)と、この延出部材(25)の先端に回動自在に取着
されたガイドローラ(26)とから構成されている。
【0026】巻き取り器は回動自在に基材(21)に取
着されたワイヤー巻き取り用ローラ(23)と、このワ
イヤー巻き取り用ローラ(23)を回転させるハンドル
(24)とから構成されている。ワイヤー巻き取り用ロ
ーラ(23)は外周面にワイヤーが嵌まり込むガイド溝
を備えた円板状部材であり、ガイド溝にワイヤーの一端
部を固定した状態でハンドル(24)を回してワイヤー
巻き取り用ローラ(23)を回転させることによって、
ワイヤーはワイヤー巻き取り用ローラ(23)のガイド
溝に巻き取られていくこととなる。
【0027】図9はシーラントにワイヤーを挿通するた
めの挿通治具として使用される挿通パイプであり、図1
0は同じく挿通治具として使用されるパイプ挿入具であ
る。挿通パイプ(30)は先端が斜めに鋭角状(約25
度)に切断された小径の中空パイプであり、パイプの外
径は2〜2.5mm程度、内径は1.5〜2mm程度と
される。また、挿通パイプ(30)の終端はフレアー状
に拡径されてフランジ(31)が形成されている。挿通
パイプ(30)の材質は特に限定されないが、シーラン
トに対して貫通可能なだけの硬度が必要であり、ステン
レス鋼(例えばSUS304)等の硬質で耐食性に優れ
た金属材料が好適に使用される。
【0028】パイプ挿入具(32)は、作業者が握るた
めの把手部(33)と、該把手部(33)に一端が埋め
込まれた小径の線材(34)から構成される。線材(3
4)の長さは挿通パイプ(30)の長さと略同一とさ
れ、外径は挿通パイプ(30)の内径よりも僅かに小さ
い径(1.4〜1.8mm程度)とされる。また、線材
(34)の材質についても特に限定されないが、シーラ
ントに対して貫通可能なだけの硬度が必要であるため、
ステンレス鋼(例えばSUS304)等の硬質で耐食性
に優れた金属材料が好適に使用される。
【0029】以下、本発明に係る自動車用窓ガラスの取
り外し方法について説明する。本発明に係る自動車用窓
ガラスの取り外し方法を実施するにあたっては、その前
準備としてモールをファスナから上方に引き抜いて分離
させた後、ファスナを剥ぎ取り、図11に示す状態にし
た後に本発明に係る方法を実施する。尚、図中(G)は
ガラス、(F)はガラスフレーム、(S)はシーラント
である。
【0030】本発明に係る方法では、先ず図12に示す
ように、車内側から挿通パイプ(30)の先端の鋭角部
をシーラント(S)に当接させて押圧することによって
貫通させ、貫通された挿通パイプ(30)の中にワイヤ
ー(W)を挿通させる。挿通パイプ(30)をシーラン
ト(S)に貫通させる際には、パイプ挿入具(32)の
線材(34)を挿通パイプ(30)内に挿通させた状態
にて把手部(33)を持って挿通パイプ(30)を押し
込んでいき、挿通パイプ(30)がシーラント(S)を
貫通した後に、線材(34)を挿通パイプ(30)から
引き抜く。このように、挿通パイプ(30)と同一長さ
の線材(34)を挿通パイプ(30)内に挿通させてお
くことによって、シーラント(S)のカスが挿通パイプ
(30)内に侵入することが防がれる。挿通パイプ(3
0)をシーラント(S)に貫通させた後、ワイヤー
(W)を車外側から挿通パイプ(30)内に挿通する。
これによってワイヤー(W)がシーラント(S)に挿通
される。そして、ワイヤー(W)がシーラント(S)に
挿通された後は、終端部に形成されたフランジ(31)
にクリップ状の引き抜き治具を引っかけて引っ張ること
により挿通パイプ(30)を容易にシーラント(S)か
ら抜き取ることができる。
【0031】上記方法によってシーラント(S)にワイ
ヤー(W)を挿通させた後、シーラント(S)の切断作
業を行う。尚、本発明においては、ワイヤー(W)とし
て線径φ0.3〜0.6mmのピアノ線が使用される。
図13は本発明に係る方法によるシーラントの切断方法
を説明する図である。尚、以下の切断方法の説明図では
ワイヤー(W)を二点鎖線で示している。先ず、シーラ
ント(S)の一の角部(図示例では左上角部)において
シーラント(S)の外周側から内周側へとワイヤー
(W)を挿通させる。次いで、挿通されたワイヤー
(W)をシーラント(S)の内周に沿って略平行に延長
し、前記一の角部と隣り合う他の角部(図示例では右上
角部)においてシーラント(S)の内周側から外周側へ
と挿通させる。
【0032】そして、このシーラント(S)の外周側に
挿通されたワイヤー(W)の一端側を適当な手段で車体
に固定し、この状態にてワイヤー(W)の他端側をシー
ラント(S)の外周側と略平行になるように矢印で示す
ように引っ張ることによってシーラント(S)を切断し
ていく。このとき、ワイヤー(W)は切断部分によって
折り返された略U字状を呈するようになる。そして、ワ
イヤー(W)が、ワイヤー(W)の他端部が固定された
角部に達したら、順次、次の角部(図示例では右下角
部、左下角部、左上角部の順番)において同様に切断作
業を行うことにより、シーラント(S)を全周にわたっ
て切断することができる。
【0033】図14は第一実施形態に係るガイド装置
(1A)を使用した切断方法を説明する図である。先
ず、自動車の室内側のガラス(G)に吸盤(3)を吸着
することによってガイド装置(1A)を固定する。この
とき、ガイドローラ(4)がガラス(G)の角部(シー
ラント(S)の内角部分)に位置するようにする。尚、
ワイヤー(W)はシーラント(S)の一つの角部に挿通
されるが、ガイドローラ(4)はワイヤー(W)が挿通
された角部と対角線上に無い角部に配置される。そし
て、シーラント(S)に挿通されたワイヤー(W)をガ
イドローラ(4)に沿わせた後にその一端部をワイヤー
固定部(5)に固定する。
【0034】このとき、ガイドローラ(4)がシーラン
ト(S)の内角部分に位置していることによって、ワイ
ヤー(W)はシーラント(S)の内周側においてシーラ
ント(S)と略平行になる。この状態で、シーラント
(S)の外周側にあるワイヤー(W)をシーラント
(S)と略平行になるようにして、その他端部を矢印で
示すように引っ張ることによってシーラント(S)を切
断していく。このとき、ワイヤー(W)は切断部分によ
って折り返されたU字状を呈するようになる。そして、
ワイヤー(W)がガイドローラ(4)が配置された角部
に達したら、ガイドローラ(4)を順次、次の角部(図
示例では右下角部、左下角部、左上角部の順番)に移動
させて、同様に切断作業を行うことにより、シーラント
(S)を全周にわたって切断することができる。
【0035】図15は第二実施形態に係るガイド装置
(1B)を使用した切断方法を説明する図である。この
方法では、2つのガイド装置(1B)を使用して、ガイ
ドローラ(4)がガラス(G)の全ての角部に位置する
ようにする。このとき、延出部材(6)が基材(2)に
対して移動可能且つ回動可能とされていることにより、
ガイドローラ(4)を角部に容易且つ正確に位置させる
ことができる。
【0036】そして、シーラント(S)に挿通されたワ
イヤー(W)をシーラント(S)の内周側に沿って略平
行に引っ張って、4つの角部に配置されたガイドローラ
(4)に順次時計周り(反時計周りでもよい)に沿わし
ていき、最後にワイヤー(W)を沿わせたガイドローラ
(4)を備えたガイド装置(1B)のワイヤー固定部
(5)にその一端部を固定する。このとき、図示の如
く、ワイヤー(W)はシーラント(S)の内周側の四辺
に沿って平行な略四角形状となる。この状態で、シーラ
ント(S)の外周側にあるワイヤー(W)をシーラント
(S)と略平行になるようにして、その他端部を矢印で
示すように引っ張ることによって、シーラント(S)を
全周にわたって切断することができる。
【0037】図16は第五実施形態に係るガイド装置
(1E)を使用した切断方法を説明する図である。先
ず、自動車の室内側のガラス(G)に吸盤(3)を吸着
することによってガイド装置(1E)を固定する。この
とき、スライド部材(15)のバネ(17)がシーラン
ト(S)の内周側と略平行になるようにする。次いで、
シーラント(S)に挿通されたワイヤー(W)の一端部
をスライド部材(15)の移動部材(18)に設けられ
たワイヤー固定部(5)に固定する。
【0038】このとき、スライド部材(15)のバネ
(17)がシーラント(S)の内周側と略平行になって
いることによって、ワイヤー(W)はシーラント(S)
の内周側においてシーラント(S)と略平行になる。こ
の状態で、シーラント(S)の外周側にあるワイヤー
(W)をシーラント(S)と略平行になるようにして、
その他端部を矢印で示すように引っ張ることによってシ
ーラント(S)を切断していく。このとき、ワイヤー
(W)は切断部分によって折り返されたU字状を呈する
ようになる。そして、ワイヤー(W)がスライド部材
(15)が配置された部分まで達したら、ガイド装置
(1E)を移動させて同様に切断作業を行うことによ
り、シーラント(S)を全周にわたって切断することが
できる。
【0039】この第五実施形態に係るガイド装置(1
E)を使用した切断方法によれば、ワイヤー(W)の他
端部に加える力を適当に加減しながら引っ張っていく
と、2つのバネ(17)の弾性力によって移動部材(1
8)が前後左右に往復運動するので、これに伴いワイヤ
ー(W)の一端部も往復運動し、このワイヤー(W)の
往復運動によってシーラント(S)が切断されていくこ
ととなる。従って、この方法によれば、一人でも容易に
切断作業を行うことができる。尚、この方法によれば、
ワイヤー(W)を往復運動させながら切断作業を行うこ
とができるので、ワイヤー(W)をシーラント(S)に
対して略平行に配置せずともシーラント(S)を切断す
ることができる。実際にはシーラント(S)を挟んだワ
イヤー(W)の折り返し角度が90度以上でも切断可能
である。
【0040】尚、図示しないが、第六実施形態に係るガ
イド装置(1F)を使用しても同様の方法でシーラント
を切断することができる。この場合、ガイドローラ
(4)が図14に示すようにガラス(G)の角部(シー
ラント(S)の内角部分)に位置するようにする。尚、
ワイヤー(W)はシーラント(S)の一つの角部に挿通
されるが、ガイドローラ(4)はワイヤー(W)が挿通
された角部と対角線上に無い角部に配置される。そし
て、シーラント(S)に挿通されたワイヤー(W)をガ
イドローラ(4)に沿わせた後にその一端部をスライド
部材(15)の移動軸(18a)に設けられたワイヤー
固定部(5)に固定する。そして、シーラント(S)の
外周側にあるワイヤー(W)の他端部を往復運動させな
がら引っ張ることによってシーラント(S)を切断して
いく。ワイヤー(W)がガイドローラ(4)が配置され
た部分まで達したら、ガイド装置(1F)を移動させて
同様に切断作業を行うことにより、シーラント(S)を
全周にわたって切断することができる。
【0041】第六実施形態に係るガイド装置(1F)を
使用した切断方法によれば、ワイヤー(W)の他端部に
加える力を適当に加減しながら引っ張っていくと、バネ
(17)の弾性力によって移動部材(18)が前後に往
復運動するので、これに伴いワイヤー(W)の一端部も
往復運動し、このワイヤー(W)の往復運動によってシ
ーラント(S)が切断されていくこととなる。従って、
この方法によっても一人でも容易に切断作業を行うこと
ができる。尚、この方法でも、ワイヤー(W)を往復運
動させながら切断作業を行うことができるので、ワイヤ
ー(W)をシーラント(S)に対して略平行に配置せず
ともシーラント(S)を切断することができる。実際に
はシーラント(S)を挟んだワイヤー(W)の折り返し
角度が90度以上でも切断可能である。つまり、この切
断方法は、第一実施形態のガイド装置(1A)を使用し
た方法と、第五実施形態のガイド装置(1E)を使用し
た方法を組み合わせて、双方の利点を兼ね備えた方法と
言うことができる。
【0042】図17は第二実施形態に係る巻き取り装置
(20B)を使用した切断方法を説明する図である。こ
の方法では、ガイドローラ(26)がシーラント(S)
の内角部(ガラス(G)の角部)に位置するように巻き
取り装置(20B)を、吸盤(22)を利用してガラス
に固定する。そして、ワイヤー(W)をシーラント
(S)の外周に全周にわたって沿わせ、その両端部を同
位置(シーラントの角部)からシーラント(S)の内周
側へと挿通し、該内周側に挿通されたワイヤー(W)の
一端側をガラス(G)の表面等に固定し、他端側は巻き
取り装置(20B)の延出部材(25)先端のガイドロ
ーラ(26)に沿わせた後に、ワイヤー巻き取り用ロー
ラ(23)のガイド溝に固定する。
【0043】このとき、シーラント(S)の内周側にお
いて、切断される部分のシーラント(S)とワイヤー
(W)が略平行になるようにする。この状態で、巻き取
り装置(20B)のハンドル(24)を回してワイヤー
巻き取り用ローラ(23)を回転させ、ワイヤー(W)
をワイヤー巻き取り用ローラ(23)のガイド溝に巻き
取っていくと、ワイヤー(W)が巻き取られるのに伴っ
てシーラント(S)が切断されていくこととなる。そし
て、ワイヤー(W)がガイドローラ(26)が配置され
た角部に達したら、ガイドローラ(26)を順次次の角
部(図示例では右下角部、左下角部、左上角部の順番)
に移動させて、同様に切断作業を行うことにより、シー
ラント(S)を全周にわたって切断することができる。
【0044】図18は、第一実施形態に係る巻き取り装
置(20A)と、第四実施形態に係るガイド装置(1
D)を使用した切断方法を説明する図である。この方法
では、2つのガイド装置(1D)を使用して、ガイドロ
ーラ(4)がシーラント(S)の全ての内角部(ガラス
(G)の全ての角部)に位置するようにする。このと
き、取付部材(10)及び連結部材(13)を伸縮させ
ることが可能とされていることにより、ガイドローラ
(4)を角部に容易且つ正確に位置させることができ
る。また、巻き取り装置(20A)はガラス(G)の中
央部に固定する。
【0045】そして、シーラント(S)の角部に挿通さ
れたワイヤー(W)をシーラント(S)の内周側に沿っ
て略平行に引っ張って、4つの角部に配置されたガイド
ローラ(4)に順次時計周り(反時計周りでもよい)に
沿わしていき、最後に、巻き取り装置(20A)のワイ
ヤー巻き取り用ローラ(23)にその一端部を固定す
る。尚、ワイヤー(W)の他端側は、図示を省略してい
るが、ガイド装置(1D)もしくは巻き取り装置(20
A)のワイヤー固定部(5)に固定する。このとき、ワ
イヤー(W)はシーラント(S)の内周側及び外周側の
双方においてシーラント(S)の四辺に沿って平行な略
四角形状となる。
【0046】この状態で、ハンドル(24)を回してワ
イヤー巻き取り用ローラ(23)を回転させ、ワイヤー
をワイヤー巻き取り用ローラ(23)のガイド溝に巻き
取っていくことによって、ワイヤー(W)は矢印で示す
ように引っ張られ、シーラント(S)を全周にわたって
切断することができる。
【0047】図19は、第一実施形態に係る巻き取り装
置(20A)と、第二実施形態に係るガイド装置(1
B)を使用した切断方法を説明する図である。この方法
では、2つのガイド装置(1B)を使用して、ガイドロ
ーラ(4)がシーラント(S)の全ての内角部(ガラス
(G)の全ての角部)に位置するようにする。このと
き、延出部材(6)が基材(2)に対して移動可能且つ
回動可能とされていることにより、ガイドローラ(4)
を角部に容易且つ正確に位置させることができる。
【0048】そして、シーラント(S)の角部に挿通さ
れたワイヤー(W)をシーラント(S)の内周側に沿っ
て略平行に引っ張って、4つの角部に配置されたガイド
ローラ(4)に順次時計周り(反時計周りでもよい)に
沿わしていき、最後に、巻き取り装置(20A)のワイ
ヤー巻き取り用ローラ(23)にその一端部を固定す
る。尚、ワイヤー(W)の他端側は、図示を省略してい
るが、ガイド装置(1B)もしくは巻き取り装置(20
A)のワイヤー固定部(5)に固定する。このとき、ワ
イヤー(W)はシーラント(S)の内周側及び外周側の
双方においてシーラント(S)の四辺に沿って平行な略
四角形状となる。この状態で、ハンドル(24)を回し
てワイヤー巻き取り用ローラ(23)を回転させ、ワイ
ヤーをワイヤー巻き取り用ローラ(23)のガイド溝に
巻き取っていくことによって、ワイヤー(W)は矢印で
示すように引っ張られ、シーラント(S)を全周にわた
って切断することができる。
【0049】切断作業の際には、図20に示すような、
ガラス保持具(40)を使用してシーラント切断後のガ
ラスの落下を防止するようにすると好ましい。ガラス保
持具(40)は、略L字型に屈曲された基材(41)
と、この基材(41)の裏面両端部に固定された2つの
吸盤(42)とからなる。そして、シーラントの切断作
業を開始する前に、一方の吸盤(42)を車両の天井面
(T)に吸着し、他方の吸盤(42)を取り外されるガ
ラス(G)に吸着させておくと、シーラントが全周にわ
たって切断されてもガラス(G)は吸盤(42)によっ
て基材(41)にぶら下がった状態となり、落下するこ
とがない。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
車用窓ガラスの取り外し方法によれば、シーラントの内
周側及び外周側の双方において切断対象となる部分のシ
ーラントに対してワイヤーが略平行に配置された状態に
てワイヤーを牽引移動するので、ワイヤーが常に切断対
象のシーラントに対して鋭角状となり、ワイヤーに加え
た引っ張り力の大部分を確実にシーラントに対する切断
力として作用させることができる。従って、シーラント
の切断作業をシーラントの全長にわたって簡単且つスム
ースに行うことができ、自動車の窓ガラスの取り外し作
業を一人でも容易に行うことが可能となる。
【0051】また、シーラントの内周側のガラス面にワ
イヤーの一端側を弾性力によって往復運動可能に固定
し、シーラントの外周側においてワイヤーの他端側を往
復運動させつつ牽引移動することにより、一人でも極め
て容易にシーラントの切断作業を行うことができる。ま
た、先端が鋭角状に切断された中空パイプをシーラント
に挿通し、該挿通された中空パイプの中にワイヤーを通
すことにより、ワイヤーをシーラントに対して容易に挿
通させることができる。
【0052】また、本発明に係る自動車用窓ガラスの取
り外し装置によれば、シーラントの内周側及び外周側の
双方において切断対象となる部分のシーラントに対して
ワイヤーを略平行に配置してワイヤーを牽引移動するこ
とができるので、ワイヤーが常に切断対象のシーラント
に対して鋭角状となり、ワイヤーに加えた引っ張り力の
大部分を確実にシーラントに対する切断力として作用さ
せることができる。従って、シーラントの切断作業をシ
ーラントの全長にわたって簡単且つスムースに行うこと
ができ、自動車の窓ガラスの取り外し作業を一人でも極
めて容易に行うことが可能となる。
【0053】更に、本発明に係る自動車用窓ガラスの取
り外し治具によれば、シーラントに対してワイヤーを容
易に挿通することが可能となり、シーラントの切断作業
の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し装置
であるガイド装置の第一実施形態を示す平面図である。
【図2】ガイド装置の第二実施形態を示す平面図であ
る。
【図3】ガイド装置の第三実施形態を示す平面図であ
る。
【図4】ガイド装置の第四実施形態を示す平面図であ
る。
【図5】ガイド装置の第五実施形態を示す平面図であ
る。
【図6】ガイド装置の第六実施形態を示す平面図であ
る。
【図7】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し装置
である巻き取り装置の第一実施形態を示す平面図であ
る。
【図8】巻き取り装置の第二実施形態を示す平面図であ
る。
【図9】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し治具
であり、シーラントにワイヤーを挿通するための挿通治
具として使用される挿通パイプを示す図である。
【図10】挿通治具として使用されるパイプ挿入具を示
す図である。
【図11】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法を実施する前準備の状態を示す図である。
【図12】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図13】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図14】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図15】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図16】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図17】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図18】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図19】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図20】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図21】自動車用窓ガラスの取り付け構造を示す断面
図である。
【図22】従来の自動車用窓ガラスの取り外し方法の説
明図である。
【図23】従来の自動車用窓ガラスの取り外し方法の説
明図である。
【図24】従来の自動車用窓ガラスの取り外し方法の問
題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1A〜1E ガイド装置 2 ガイド装置の基材 3 吸盤 4 ガイドローラ 5 ワイヤー固定部 6 延出部材 10 取付部材 13 連結部材 15 スライド部材 16 固定部材 17 バネ 18 移動部材 20A,20B 巻き取り装置 21 基材 22 吸盤 23 ワイヤー巻き取り用ローラ 24 ハンドル 30 挿通パイプ 31 フランジ 32 パイプ挿入具 33 把手部 34 線材 F ガラスフレーム G ガラス S シーラント W ワイヤー
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月4日(1999.11.
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動車用窓ガラスの取り外し方法及び
この方法で使用する装置及び治具
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用窓ガラスの
取り外し方法及びこの方法で使用する装置及び治具に係
り、その目的はワイヤーを使用したシーラントの切断作
業をシーラントの全長にわたって簡単且つスムースに行
うことができ、自動車の窓ガラスの取り外し作業を一人
でも極めて容易に行うことができる自動車用窓ガラスの
取り外し方法及びこの方法で使用する装置及び治具を提
供することにある。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のフロントウインドウや
リヤウインドウとして装着されるガラスは、図17に示
すように、窓枠となるガラスフレーム(F)にシーラン
ト(S)を介してガラス(G)が装着されている。そし
て、ガラス(G)とガラスフレーム(F)との間に形成
される溝内にはファスナー(N)とモール(M)が設け
られている。このようなガラスの取付構造においては、
ファスナー(N)及びモール(M)を除去した後にシー
ラント(S)の全周を切断することによって、ガラス
(G)の取り外し作業が行われている。
【0003】このようなシーラントの切断に際しては、
ワイヤーをシーラントに挿通させて、車内側と車外側に
て2人の作業者がワイヤーの両端を交互に牽引すること
によって、シーラントを全周にわたって切断する作業が
行われている。しかしながら、この切断作業は車内側と
車外側の作業者がタイミングを合わせて行う必要がある
ため、シーラントを全周にわたって正確に切断するには
高度な熟練を必要とし、しかも作業が完了するまでに長
時間を要していた。
【0004】このような実情に鑑みて、特開平8−15
98号「ウインドーガラスの取り外し方法及び装置」に
おいて、治具を使用してシーラントをワイヤーで切断す
る方法が提案されている。この開示技術は、図18及び
図19に示すように、吸盤(K)と線材巻き取りローラ
(R)とを備えた2つの治具(J)を、ガラス(G)の
略中央位置に固定するとともに、シーラント(S)に挿
通されたワイヤー(W)の両端部を線材巻き取りローラ
(R)に固定し、ワイヤー(W)を線材巻き取りローラ
(R)にて巻き取っていくことによってシーラント
(S)をワイヤー(W)によって切断するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この方法は、一見、線
材巻き取りローラ(R)を回転させるのみでシーラント
(S)を全周にわたって切断することが可能であるか
ら、作業に熟練を必要とせず、作業時間を大幅に短縮す
ることができる優れた技術であるかの如くみえるが、実
際にはこの方法ではシーラント(S)を全周にわたって
切断することは不可能であった。すなわち、この方法で
は、図18及び図19に示すように、治具(J)をガラ
ス(G)の略中央位置に固定しているため、シーラント
(S)に対してワイヤー(W)が大きな角度をもってい
る。このような位置関係の状態にてワイヤー(W)を巻
き取っていくと、ワイヤー(W)のシーラント(S)に
対する角度は、図20に示したA→B→Cと順次変化し
ていく。ここで、Aの位置ではワイヤー(W)の引張り
力(巻き取りによって発生する力)の殆どがシーラント
(S)の切断力として作用するが、Bの位置ではワイヤ
ー(W)の引張り力の一部しか切断力として作用しなく
なり、Cの位置に至るとワイヤー(W)の引張り力はシ
ーラント(S)の切断力としては殆ど作用せずに大部分
がワイヤー自身を引っ張る力となってしまい、この状態
でワイヤー(W)の巻き取りを続けるとワイヤーが切断
してしまうのである。そのため、この方法ではシーラン
ト(S)の一部分のみしか切断されず、全周を切断する
ことはできなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであって、請求項1に係る発明
は、ガラスフレームとガラスとの間に介装されたシーラ
ントにワイヤーを挿通し、該ワイヤーを牽引移動させる
ことによってシーラントを切断してガラスフレームに取
り付けられたガラスを取り外す自動車用窓ガラスの取り
外し方法であって、シーラントの内角部分のガラスにガ
イドローラを固定し、固定されたガイドローラにワイヤ
ーを沿わせ、シーラントの内周側及び外周側の双方にお
いて切断対象となる部分のシーラントに対してワイヤー
を略平行に配置し、この状態でワイヤーの少なくとも一
端側を牽引移動することによりシーラントを切断するこ
とを特徴とする自動車用窓ガラスの取り外し方法に関す
る。
【0007】請求項2に係る発明は、シーラントの内角
部分にワイヤーの一端側を固定し、ワイヤーの他端側を
シーラントの外周側において牽引移動することによりシ
ーラントを切断することを特徴とする請求項1記載の自
動車用窓ガラスの取り外し方法に関する。請求項3に係
る発明は、ワイヤーをシーラントの外周に全周にわたっ
て沿わせるとともに、該ワイヤーの両端部を同位置から
シーラントの内周側へと挿通し、該内周側に挿通された
ワイヤーの一端側を固定するとともに、他端側を牽引移
することによりシーラントを切断することを特徴とす
る請求項1記載の自動車用窓ガラスの取り外し方法に関
する。
【0008】請求項4に係る発明は、ワイヤーの一端側
を前記ガイドローラに沿わせて巻き取り装置にて巻き取
ることによりシーラントを切断することを特徴とする請
求項1記載の自動車用窓ガラスの取り外し方法に関す
る。請求項5に係る発明は、先端が鋭角状に切断された
中空パイプをシーラントに挿通し、該挿通された中空パ
イプの中にワイヤーを通すことにより、ワイヤーをシー
ラントに挿通させることを特徴とする請求項1乃至4い
ずれかに記載の自動車用窓ガラスの取り外し方法に関す
る。
【0009】請求項6に係る発明は、ガラスフレームと
ガラスとの間に介装されたシーラントにワイヤーを挿通
し、該ワイヤーを牽引移動させることによってシーラン
トを切断してガラスフレームに取り付けられたガラスを
取り外す自動車用窓ガラスの取り外し方法において使用
される装置であって、ワイヤーの一端部を固定するワイ
ヤー固定部を備えた基材と、該基材に取り付けられガラ
スに吸着される2つの吸盤と、該基材の先端部に回動自
在に取り付けられるとともにワイヤーが嵌入されるガイ
ド溝を備えワイヤーをシーラントの内周側に対して略平
行に配置するためにガラスの角部に配置されるガイドロ
ーラとからなることを特徴とする自動車用窓ガラスの取
り外し装置に関する。請求項7に係る発明は、ガラスフ
レームとガラスとの間に介装されたシーラントにワイヤ
ーを挿通し、該ワイヤーを牽引移動させることによって
シーラントを切断してガラスフレームに取り付けられた
ガラスを取り外す自動車用窓ガラスの取り外し方法にお
いて使用される装置であって、ワイヤーの一端部を固定
するワイヤー固定部を備えた基材と、該基材に取り付け
られガラスに吸着される2つの吸盤と、該基材に対して
回動自在に取り付けられた2本の延出部材と、これら2
本の延出部材の先端にそれぞれ回動自在に取り付けられ
ワイヤーをシーラントの内周側に対して略平行に配置す
るためにガラスの角部に配置される2つのガイドローラ
とからなることを特徴とする自動車用窓ガラスの取り外
し装置に関する。
【0010】請求項8に係る発明は、ガラスフレームと
ガラスとの間に介装されたシーラントにワイヤーを挿通
し、該ワイヤーを牽引移動させることによってシーラン
トを切断してガラスフレームに取り付けられたガラスを
取り外す自動車用窓ガラスの取り外し方法において使用
される装置であって、ワイヤーの一端部を固定するワイ
ヤー固定部を備えた基材と、該基材に取り付けられガラ
スに吸着される2つの吸盤と、該基材に取り付けられ左
右に伸縮自在な取付部材と、該取付部材の両端部に取り
付けられワイヤーをシーラントの内周側に対して略平行
に配置するためにガラスの角部に配置される2つのガイ
ドローラとからなることを特徴とする自動車用窓ガラス
の取り外し装置に関する。請求項9に係る発明は、ガラ
スフレームとガラスとの間に介装されたシーラントにワ
イヤーを挿通し、該ワイヤーを牽引移動させることによ
ってシーラントを切断してガラスフレームに取り付けら
れたガラスを取り外す自動車用窓ガラスの取り外し方法
において使用される装置であって、両端部に2つの吸盤
を備えた基材と、該基材の中心に取り付けられシーラン
トの内周側及び外周側において切断対象となるシーラン
トに対して略平行に配置されたワイヤーを巻き取るため
のワイヤー巻き取り器とからなり、該巻き取り器はワイ
ヤー巻き取り用ローラと、該ローラを回転させるための
ハンドルからなることを特徴とする自動車用窓ガラスの
取り外し装置に関する。
【0011】請求項10に係る発明は、ガラスフレーム
とガラスとの間に介装されたシーラントにワイヤーを挿
通し、該ワイヤーを牽引移動させることによってシーラ
ントを切断してガラスフレームに取り付けられたガラス
を取り外す自動車用窓ガラスの取り外し方法においてワ
イヤーをシーラントに挿通するために使用される治具で
あって、ワイヤーを挿通可能な内径を備えた硬質の中空
パイプからなり、該パイプは先端が鋭角状に切断されて
なるとともに終端にはフランジが形成されてなることを
特徴とする自動車用窓ガラスの取り外し治具に関する。
請求項11に係る発明は、ガラスフレームとガラスとの
間に介装されたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワイ
ヤーを牽引移動させることによってシーラントを切断し
てガラスフレームに取り付けられたガラスを取り外す自
動車用窓ガラスの取り外し方法においてワイヤーをシー
ラントに挿通するために使用される治具であって、把手
部と、該把手部に一端が固定された硬質の線材からな
り、該線材は前記請求項10記載のパイプと略同一長さ
であって且つ該パイプの内径と略同一外径とされてなる
ことを特徴とする自動車用窓ガラスの取り外し治具に関
する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る自動車用窓ガ
ラスの取り外し方法及びこの方法に使用する装置及び治
具の好適な実施形態について図面を参照しつつ説明す
る。先ず、本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法において使用される装置及び治具について説明する。
以下に示す装置及び治具は、ガラスフレームとガラスと
の間に介装されたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワ
イヤーを牽引移動させることによってシーラントを切断
してガラスフレームに取り付けられたガラスを取り外す
という一連の作業工程の中で使用されるものであり、そ
の機能と役割から3種類に大別することができる。第一
の種類はワイヤーの動きをガイドするためのガイド装置
であり、第二の種類はワイヤーを巻き取るための巻き取
り装置であり、第三の種類はシーラントにワイヤーを挿
通するための挿通治具である。以下、これらの装置及び
治具について順次説明する。
【0013】図1はガイド装置の第一実施形態を示す平
面図である。第一実施形態に係るガイド装置(1A)
は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2)
と、この基材(2)の裏面に固定された2つの吸盤
(3)と、基材(2)の先端部に回動可能に取着された
ガイドローラ(4)と、基材(2)の表面において2つ
の吸盤(3)の中間位置に設けられたワイヤー固定部
(5)とから構成される。ガイドローラ(4)はその外
周面にワイヤーが嵌まり込むガイド溝を備えた円板状部
材であり、ワイヤー固定部(5)はワイヤーの一端部を
固定することが可能なピンやフックなどから構成され
る。尚、このガイドローラ(4)及びワイヤー固定部
(5)の構成は他の全ての実施形態に共通した構成であ
る。
【0014】図2はガイド装置の第二実施形態を示す平
面図である。第二実施形態に係るガイド装置(1B)
は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2)
と、この基材(2)の両端部裏面に固定された2つの吸
盤(3)と、基材(2)に対して回動自在に取り付けら
れた2本の延出部材(6)と、これら2本の延出部材
(6)の先端にそれぞれ回動可能に取着されたガイドロ
ーラ(4)と、基材(2)表面において2つの吸盤
(3)の中間位置に設けられたワイヤー固定部(5)と
から構成される。
【0015】2本の延出部材(6)は、平面視長方形状
の長尺板材であってその基端部近傍には長穴(7)が形
成されており、この長穴(7)にはボルト(8)が挿通
されて基材(2)に対して螺着されている。延出部材
(6)は、ボルト(8)の螺着を緩めることによって長
穴(7)の範囲内にて基材(2)に対して移動可能とさ
れており、またボルト(8)の螺着を緩めることによっ
て基材(2)に対して回動可能とされている。
【0016】図3はガイド装置の第三実施形態を示す平
面図である。第三実施形態に係るガイド装置(1C)
は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2)
と、この基材(2)の両端部裏面に固定された2つの吸
盤(3)と、基材(2)表面において2つの吸盤(3)
の中間位置に設けられたワイヤー固定部(5)と、基材
(2)と接続片(9)を介して接続された取付部材(1
0)とから構成されている。取付部材(10)は、接続
片(9)に固定された連結板(11)と、この連結板
(11)の下部に連結された2本の互いに平行な長尺板
材(10a)とからなり、連結板(11)は長尺板材
(10a)の長さ方向に長く形成された4つの長穴(1
1a)を備えている。各長穴(11a)にはボルト(1
2)が挿通されており、ボルト(12)の頭部は長穴
(11a)の幅よりも大きく形成されて連結板(11)
の表面に位置し、ボルト(12)のネジ部は長尺板材
(10a)に対して螺着されている。そして、ボルト
(12)の螺着を緩めることにより、長尺板材(10
a)を長穴(11a)の範囲内にて移動させることがで
き、これによって取付部材(10)を伸縮させることが
可能とされている。また、取付部材(10)の両端部、
即ち2つの長尺板材(10a)の互いに反対側の一端部
には、ガイドローラ(4)が回動可能に取着されてい
る。
【0017】図4はガイド装置の第四実施形態を示す平
面図である。第四実施形態に係るガイド装置(1D)
は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2)
と、この基材(2)の両端部裏面に固定された2つの吸
盤(3)と、基材(2)表面において2つの吸盤(3)
の中間位置に設けられたワイヤー固定部(5)と、基材
(2)と2本の連結部材(13)を介して接続された取
付部材(10)とから構成されている。取付部材(1
0)は、連結部材(13)に固定された連結板(11)
と、この連結板(11)の下部に連結された2本の互い
に平行な長尺板材(10b)とからなり、連結板(1
1)は長尺板材(10b)の長さ方向に長く形成された
4つの長穴(11a)を備えている。各長穴(11a)
にはボルト(12)が挿通されており、ボルト(12)
の頭部は長穴(11a)の幅よりも大きく形成されて連
結板(11)の表面に位置し、ボルト(12)のネジ部
は長尺板材(10b)に対して螺着されている。そし
て、ボルト(12)の螺着を緩めることにより、長尺板
材(10b)を長穴(11a)の範囲内にて移動させる
ことができ、これによって取付部材(10)を伸縮させ
ることが可能とされている。また、取付部材(10)の
両端部、即ち2つの長尺板材(10b)の互いに反対側
の一端部には、ガイドローラ(4)が回動可能に取着さ
れている。
【0018】2本の連結部材(13)は互いに平行に配
置されて連結板(11)と基材(2)に対して直角な位
置関係で両者を連結しており、その一端部は連結板(1
1)に固定され、他端部はボルト(14)を介して基材
(2)と連結されている。基材(2)には連結部材(1
3)の長さ方向に長い2つの長穴(2a)が形成されて
おり、各長穴(2a)にボルト(14)が挿通され、ボ
ルト(14)の頭部は長穴(2a)の幅よりも大きく形
成されて基材(2)の表面に位置し、ボルト(14)の
ネジ部は連結部材(13)に対して螺着されている。そ
して、ボルト(14)の螺着を緩めることにより、連結
部材(13)を長穴(2a)の範囲内にて移動させるこ
とができ、これによって連結部材(13)を伸縮(前後
移動)させることが可能とされている。
【0019】図5は巻き取り装置の第一実施形態を示す
平面図である。第一実施形態に係る巻き取り装置(20
A)は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2
1)と、この基材(21)の両端部裏面に固定された2
つの吸盤(22)と、基材(21)の表面において2つ
の吸盤(22)の中間位置に取り付けられた巻き取り器
とからなり、巻き取り器は回動自在に基材(21)に取
着されたワイヤー巻き取り用ローラ(23)と、このワ
イヤー巻き取り用ローラ(23)を回転させるハンドル
(24)とから構成されている。
【0020】ワイヤー巻き取り用ローラ(23)は、外
周面にワイヤーが嵌まり込むガイド溝を備えた円板状部
材であり、ガイド溝にワイヤーの一端部を固定した状態
でハンドル(24)を回してワイヤー巻き取り用ローラ
(23)を回転させることによって、ワイヤーはワイヤ
ー巻き取り用ローラ(23)のガイド溝に巻き取られて
いくこととなる。
【0021】図6は巻き取り装置の第二実施形態を示す
平面図である。第二実施形態に係る巻き取り装置(20
B)は、平面視略長方形状の長尺板材からなる基材(2
1)と、この基材(21)の両端部裏面に固定された2
つの吸盤(22)と、基材(21)の表面において2つ
の吸盤(22)の中間位置に取り付けられた巻き取り器
と、基材(21)の2つの吸盤(22)の中間位置から
基材(21)に対して直角に延出された延出部材(2
5)と、この延出部材(25)の先端に回動自在に取着
されたガイドローラ(26)とから構成されている。
【0022】巻き取り器は回動自在に基材(21)に取
着されたワイヤー巻き取り用ローラ(23)と、このワ
イヤー巻き取り用ローラ(23)を回転させるハンドル
(24)とから構成されている。ワイヤー巻き取り用ロ
ーラ(23)は外周面にワイヤーが嵌まり込むガイド溝
を備えた円板状部材であり、ガイド溝にワイヤーの一端
部を固定した状態でハンドル(24)を回してワイヤー
巻き取り用ローラ(23)を回転させることによって、
ワイヤーはワイヤー巻き取り用ローラ(23)のガイド
溝に巻き取られていくこととなる。
【0023】図7はシーラントにワイヤーを挿通するた
めの挿通治具として使用される挿通パイプであり、図8
は同じく挿通治具として使用されるパイプ挿入具であ
る。挿通パイプ(30)は先端が斜めに鋭角状(約25
度)に切断された小径の中空パイプであり、パイプの外
径は2〜2.5mm程度、内径は1.5〜2mm程度と
される。また、挿通パイプ(30)の終端はフレアー状
に拡径されてフランジ(31)が形成されている。挿通
パイプ(30)の材質は特に限定されないが、シーラン
トに対して貫通可能なだけの硬度が必要であり、ステン
レス鋼(例えばSUS304)等の硬質で耐食性に優れ
た金属材料が好適に使用される。
【0024】パイプ挿入具(32)は、作業者が握るた
めの把手部(33)と、該把手部(33)に一端が埋め
込まれた小径の線材(34)から構成される。線材(3
4)の長さは挿通パイプ(30)の長さと略同一とさ
れ、外径は挿通パイプ(30)の内径よりも僅かに小さ
い径(1.4〜1.8mm程度)とされる。また、線材
(34)の材質についても特に限定されないが、シーラ
ントに対して貫通可能なだけの硬度が必要であるため、
ステンレス鋼(例えばSUS304)等の硬質で耐食性
に優れた金属材料が好適に使用される。
【0025】以下、本発明に係る自動車用窓ガラスの取
り外し方法について説明する。本発明に係る自動車用窓
ガラスの取り外し方法を実施するにあたっては、その前
準備としてモールをファスナから上方に引き抜いて分離
させた後、ファスナを剥ぎ取り、図9に示す状態にした
後に本発明に係る方法を実施する。尚、図中(G)はガ
ラス、(F)はガラスフレーム、(S)はシーラントで
ある。
【0026】本発明に係る方法では、先ず図10に示す
ように、車内側から挿通パイプ(30)の先端の鋭角部
をシーラント(S)に当接させて押圧することによって
貫通させ、貫通された挿通パイプ(30)の中にワイヤ
ー(W)を挿通させる。挿通パイプ(30)をシーラン
ト(S)に貫通させる際には、パイプ挿入具(32)の
線材(34)を挿通パイプ(30)内に挿通させた状態
にて把手部(33)を持って挿通パイプ(30)を押し
込んでいき、挿通パイプ(30)がシーラント(S)を
貫通した後に、線材(34)を挿通パイプ(30)から
引き抜く。このように、挿通パイプ(30)と同一長さ
の線材(34)を挿通パイプ(30)内に挿通させてお
くことによって、シーラント(S)のカスが挿通パイプ
(30)内に侵入することが防がれる。挿通パイプ(3
0)をシーラント(S)に貫通させた後、ワイヤー
(W)を車外側から挿通パイプ(30)内に挿通する。
これによってワイヤー(W)がシーラント(S)に挿通
される。そして、ワイヤー(W)がシーラント(S)に
挿通された後は、終端部に形成されたフランジ(31)
にクリップ状の引き抜き治具を引っかけて引っ張ること
により挿通パイプ(30)を容易にシーラント(S)か
ら抜き取ることができる。
【0027】上記方法によってシーラント(S)にワイ
ヤー(W)を挿通させた後、シーラント(S)の切断作
業を行う。尚、本発明においては、ワイヤー(W)とし
て線径φ0.3〜0.6mmのピアノ線が使用される。
図11は本発明に係る方法によるシーラントの切断方法
のうち、第一実施形態に係るガイド装置(1A)を使用
した切断方法を説明する図である。尚、以下の切断方法
の説明図ではワイヤー(W)を二点鎖線で示している。
【0028】先ず、自動車の室内側のガラス(G)に吸
盤(3)を吸着することによってガイド装置(1A)を
固定する。このとき、ガイドローラ(4)がガラス
(G)の角部(シーラント(S)の内角部分)に位置す
るようにする。尚、ワイヤー(W)はシーラント(S)
の一つの角部に挿通されるが、ガイドローラ(4)はワ
イヤー(W)が挿通された角部と対角線上に無い角部に
配置される。そして、シーラント(S)に挿通されたワ
イヤー(W)をガイドローラ(4)に沿わせた後にその
一端部をワイヤー固定部(5)に固定する。
【0029】このとき、ガイドローラ(4)がシーラン
ト(S)の内角部分に位置していることによって、ワイ
ヤー(W)はシーラント(S)の内周側においてシーラ
ント(S)と略平行になる。この状態で、シーラント
(S)の外周側にあるワイヤー(W)をシーラント
(S)と略平行になるようにして、その他端部を矢印で
示すように引っ張ることによってシーラント(S)を切
断していく。このとき、ワイヤー(W)は切断部分によ
って折り返されたU字状を呈するようになる。そして、
ワイヤー(W)がガイドローラ(4)が配置された角部
に達したら、ガイドローラ(4)を順次、次の角部(図
示例では右下角部、左下角部、左上角部の順番)に移動
させて、同様に切断作業を行うことにより、シーラント
(S)を全周にわたって切断することができる。
【0030】図12は第二実施形態に係るガイド装置
(1B)を使用した切断方法を説明する図である。この
方法では、2つのガイド装置(1B)を使用して、ガイ
ドローラ(4)がガラス(G)の全ての角部に位置する
ようにする。このとき、延出部材(6)が基材(2)に
対して移動可能且つ回動可能とされていることにより、
ガイドローラ(4)を角部に容易且つ正確に位置させる
ことができる。
【0031】そして、シーラント(S)に挿通されたワ
イヤー(W)をシーラント(S)の内周側に沿って略平
行に引っ張って、4つの角部に配置されたガイドローラ
(4)に順次時計周り(反時計周りでもよい)に沿わし
ていき、最後にワイヤー(W)を沿わせたガイドローラ
(4)を備えたガイド装置(1B)のワイヤー固定部
(5)にその一端部を固定する。このとき、図示の如
く、ワイヤー(W)はシーラント(S)の内周側の四辺
に沿って平行な略四角形状となる。この状態で、シーラ
ント(S)の外周側にあるワイヤー(W)をシーラント
(S)と略平行になるようにして、その他端部を矢印で
示すように引っ張ることによって、シーラント(S)を
全周にわたって切断することができる。
【0032】図13は第二実施形態に係る巻き取り装置
(20B)を使用した切断方法を説明する図である。こ
の方法では、ガイドローラ(26)がシーラント(S)
の内角部(ガラス(G)の角部)に位置するように巻き
取り装置(20B)を、吸盤(22)を利用してガラス
に固定する。そして、ワイヤー(W)をシーラント
(S)の外周に全周にわたって沿わせ、その両端部を同
位置(シーラントの角部)からシーラント(S)の内周
側へと挿通し、該内周側に挿通されたワイヤー(W)の
一端側をガラス(G)の表面等に固定し、他端側は巻き
取り装置(20B)の延出部材(25)先端のガイドロ
ーラ(26)に沿わせた後に、ワイヤー巻き取り用ロー
ラ(23)のガイド溝に固定する。
【0033】このとき、シーラント(S)の内周側にお
いて、切断される部分のシーラント(S)とワイヤー
(W)が略平行になるようにする。この状態で、巻き取
り装置(20B)のハンドル(24)を回してワイヤー
巻き取り用ローラ(23)を回転させ、ワイヤー(W)
をワイヤー巻き取り用ローラ(23)のガイド溝に巻き
取っていくと、ワイヤー(W)が巻き取られるのに伴っ
てシーラント(S)が切断されていくこととなる。そし
て、ワイヤー(W)がガイドローラ(26)が配置され
た角部に達したら、ガイドローラ(26)を順次次の角
部(図示例では右下角部、左下角部、左上角部の順番)
に移動させて、同様に切断作業を行うことにより、シー
ラント(S)を全周にわたって切断することができる。
【0034】図14は、第一実施形態に係る巻き取り装
置(20A)と、第四実施形態に係るガイド装置(1
D)を使用した切断方法を説明する図である。この方法
では、2つのガイド装置(1D)を使用して、ガイドロ
ーラ(4)がシーラント(S)の全ての内角部(ガラス
(G)の全ての角部)に位置するようにする。このと
き、取付部材(10)及び連結部材(13)を伸縮させ
ることが可能とされていることにより、ガイドローラ
(4)を角部に容易且つ正確に位置させることができ
る。また、巻き取り装置(20A)はガラス(G)の中
央部に固定する。
【0035】そして、シーラント(S)の角部に挿通さ
れたワイヤー(W)をシーラント(S)の内周側に沿っ
て略平行に引っ張って、4つの角部に配置されたガイド
ローラ(4)に順次時計周り(反時計周りでもよい)に
沿わしていき、最後に、巻き取り装置(20A)のワイ
ヤー巻き取り用ローラ(23)にその一端部を固定す
る。尚、ワイヤー(W)の他端側は、図示を省略してい
るが、ガイド装置(1D)もしくは巻き取り装置(20
A)のワイヤー固定部(5)に固定する。このとき、ワ
イヤー(W)はシーラント(S)の内周側及び外周側の
双方においてシーラント(S)の四辺に沿って平行な略
四角形状となる。
【0036】この状態で、ハンドル(24)を回してワ
イヤー巻き取り用ローラ(23)を回転させ、ワイヤー
をワイヤー巻き取り用ローラ(23)のガイド溝に巻き
取っていくことによって、ワイヤー(W)は矢印で示す
ように引っ張られ、シーラント(S)を全周にわたって
切断することができる。
【0037】図15は、第一実施形態に係る巻き取り装
置(20A)と、第二実施形態に係るガイド装置(1
B)を使用した切断方法を説明する図である。この方法
では、2つのガイド装置(1B)を使用して、ガイドロ
ーラ(4)がシーラント(S)の全ての内角部(ガラス
(G)の全ての角部)に位置するようにする。このと
き、延出部材(6)が基材(2)に対して移動可能且つ
回動可能とされていることにより、ガイドローラ(4)
を角部に容易且つ正確に位置させることができる。
【0038】そして、シーラント(S)の角部に挿通さ
れたワイヤー(W)をシーラント(S)の内周側に沿っ
て略平行に引っ張って、4つの角部に配置されたガイド
ローラ(4)に順次時計周り(反時計周りでもよい)に
沿わしていき、最後に、巻き取り装置(20A)のワイ
ヤー巻き取り用ローラ(23)にその一端部を固定す
る。尚、ワイヤー(W)の他端側は、図示を省略してい
るが、ガイド装置(1B)もしくは巻き取り装置(20
A)のワイヤー固定部(5)に固定する。このとき、ワ
イヤー(W)はシーラント(S)の内周側及び外周側の
双方においてシーラント(S)の四辺に沿って平行な略
四角形状となる。この状態で、ハンドル(24)を回し
てワイヤー巻き取り用ローラ(23)を回転させ、ワイ
ヤーをワイヤー巻き取り用ローラ(23)のガイド溝に
巻き取っていくことによって、ワイヤー(W)は矢印で
示すように引っ張られ、シーラント(S)を全周にわた
って切断することができる。
【0039】切断作業の際には、図16に示すような、
ガラス保持具(40)を使用してシーラント切断後のガ
ラスの落下を防止するようにすると好ましい。ガラス保
持具(40)は、略L字型に屈曲された基材(41)
と、この基材(41)の裏面両端部に固定された2つの
吸盤(42)とからなる。そして、シーラントの切断作
業を開始する前に、一方の吸盤(42)を車両の天井面
(T)に吸着し、他方の吸盤(42)を取り外されるガ
ラス(G)に吸着させておくと、シーラントが全周にわ
たって切断されてもガラス(G)は吸盤(42)によっ
て基材(41)にぶら下がった状態となり、落下するこ
とがない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
車用窓ガラスの取り外し方法によれば、シーラントの内
周側及び外周側の双方において切断対象となる部分のシ
ーラントに対してワイヤーが略平行に配置された状態に
てワイヤーを牽引移動するので、ワイヤーが常に切断対
象のシーラントに対して鋭角状となり、ワイヤーに加え
た引っ張り力の大部分を確実にシーラントに対する切断
力として作用させることができる。従って、シーラント
の切断作業をシーラントの全長にわたって簡単且つスム
ースに行うことができ、自動車の窓ガラスの取り外し作
業を一人でも容易に行うことが可能となる。
【0041】た、先端が鋭角状に切断された中空パイ
プをシーラントに挿通し、該挿通された中空パイプの中
にワイヤーを通すことにより、ワイヤーをシーラントに
対して容易に挿通させることができる。
【0042】また、本発明に係る自動車用窓ガラスの取
り外し装置によれば、シーラントの内周側及び外周側の
双方において切断対象となる部分のシーラントに対して
ワイヤーを略平行に配置してワイヤーを牽引移動するこ
とができるので、ワイヤーが常に切断対象のシーラント
に対して鋭角状となり、ワイヤーに加えた引っ張り力の
大部分を確実にシーラントに対する切断力として作用さ
せることができる。従って、シーラントの切断作業をシ
ーラントの全長にわたって簡単且つスムースに行うこと
ができ、自動車の窓ガラスの取り外し作業を一人でも極
めて容易に行うことが可能となる。
【0043】更に、本発明に係る自動車用窓ガラスの取
り外し治具によれば、シーラントに対してワイヤーを容
易に挿通することが可能となり、シーラントの切断作業
の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し装置
であるガイド装置の第一実施形態を示す平面図である。
【図2】ガイド装置の第二実施形態を示す平面図であ
る。
【図3】ガイド装置の第三実施形態を示す平面図であ
る。
【図4】ガイド装置の第四実施形態を示す平面図であ
る。
【図5】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し装置
である巻き取り装置の第一実施形態を示す平面図であ
る。
【図6】巻き取り装置の第二実施形態を示す平面図であ
る。
【図7】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し治具
であり、シーラントにワイヤーを挿通するための挿通治
具として使用される挿通パイプを示す図である。
【図8】挿通治具として使用されるパイプ挿入具を示す
図である。
【図9】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方法
を実施する前準備の状態を示す図である。
【図10】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図11】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図12】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図13】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図14】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図15】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図16】本発明に係る自動車用窓ガラスの取り外し方
法の説明図である。
【図17】自動車用窓ガラスの取り付け構造を示す断面
図である。
【図18】従来の自動車用窓ガラスの取り外し方法の説
明図である。
【図19】従来の自動車用窓ガラスの取り外し方法の説
明図である。
【図20】従来の自動車用窓ガラスの取り外し方法の問
題点を説明するための説明図である。
【図21】自動車用窓ガラスの取り付け構造を示す断面
図である。
【図22】従来の自動車用窓ガラスの取り外し方法の説
明図である。
【図23】従来の自動車用窓ガラスの取り外し方法の説
明図である。
【図24】従来の自動車用窓ガラスの取り外し方法の問
題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】 1A〜1D ガイド装置 2 ガイド装置の基材 3 吸盤 4 ガイドローラ 5 ワイヤー固定部 6 延出部材 10 取付部材 13 連結部 0A,20B 巻き取り装置 21 基材 22 吸盤 23 ワイヤー巻き取り用ローラ 24 ハンドル 30 挿通パイプ 31 フランジ 32 パイプ挿入具 33 把手部 34 線材 F ガラスフレーム G ガラス S シーラント W ワイヤー
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正内容】
【図19】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図20
【補正方法】変更
【補正内容】
【図20】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスフレームとガラスとの間に介装さ
    れたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワイヤーを牽引
    移動させることによってシーラントを切断してガラスフ
    レームに取り付けられたガラスを取り外す自動車用窓ガ
    ラスの取り外し方法であって、シーラントの内周側及び
    外周側の双方において切断対象となる部分のシーラント
    に対してワイヤーを略平行に配置し、この状態でワイヤ
    ーの少なくとも一端側を牽引移動することによりシーラ
    ントを切断することを特徴とする自動車用窓ガラスの取
    り外し方法。
  2. 【請求項2】 ガラスフレームとガラスとの間に介装さ
    れたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワイヤーを牽引
    移動させることによってシーラントを切断してガラスフ
    レームに取り付けられたガラスを取り外す自動車用窓ガ
    ラスの取り外し方法であって、シーラントの内周側のガ
    ラス面にワイヤーの一端側を弾性力によって往復運動可
    能に固定するとともに、シーラントの外周側においてワ
    イヤーの他端側を往復運動させつつ牽引移動することに
    よりシーラントを切断することを特徴とする自動車用窓
    ガラスの取り外し方法。
  3. 【請求項3】 シーラントの内角部分にワイヤーの一端
    側を固定し、ワイヤーの他端側をシーラントの外周側に
    おいて牽引移動することによりシーラントを切断するこ
    とを特徴とする請求項1記載の自動車用窓ガラスの取り
    外し方法。
  4. 【請求項4】 シーラントの一の角部においてシーラン
    トの外周側から内周側へとワイヤーを挿通させるととも
    に、挿通されたワイヤーを該一の角部と隣り合う他の角
    部においてシーラントの内周側から外周側へと挿通さ
    せ、該挿通されたワイヤーの一端側を固定した状態にて
    ワイヤーの他端部を牽引移動させることを特徴とする請
    求項1記載の自動車用窓ガラスの取り外し方法。
  5. 【請求項5】 ワイヤーをシーラントの外周に全周にわ
    たって沿わせるとともに、該ワイヤーの両端部を同位置
    からシーラントの内周側へと挿通し、該内周側に挿通さ
    れたワイヤーの一端側を固定するとともに、他端側を牽
    引移動することによりシーラントを切断することを特徴
    とする請求項1記載の自動車用窓ガラスの取り外し方
    法。
  6. 【請求項6】 シーラントの内角部分のガラスにガイド
    ローラを固定し、ワイヤーの一端側を該ガイドローラに
    沿わせて巻き取り装置にて巻き取ることによりシーラン
    トを切断することを特徴とする請求項5記載の自動車用
    窓ガラスの取り外し方法。
  7. 【請求項7】 先端が鋭角状に切断された中空パイプを
    シーラントに挿通し、該挿通された中空パイプの中にワ
    イヤーを通すことにより、ワイヤーをシーラントに挿通
    させることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載
    の自動車用窓ガラスの取り外し方法。
  8. 【請求項8】 ガラスフレームとガラスとの間に介装さ
    れたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワイヤーを牽引
    移動させることによってシーラントを切断してガラスフ
    レームに取り付けられたガラスを取り外す自動車用窓ガ
    ラスの取り外し方法において使用される装置であって、
    ワイヤーの一端部を固定するワイヤー固定部を備えた基
    材と、該基材に取り付けられガラスに吸着される吸盤
    と、該基材に回動自在に取り付けられワイヤーが嵌入さ
    れるガイド溝を備えたガイドローラとからなることを特
    徴とする自動車用窓ガラスの取り外し装置。
  9. 【請求項9】 前記ガイドローラが2つ備えられ、該2
    つのガイドローラが基材に対して回動可能に取り付けら
    れた2本の延出部材の各先端に取り付けられてなること
    を特徴とする請求項8記載の自動車用窓ガラスの取り外
    し装置。
  10. 【請求項10】 前記ガイドローラが2つ備えられ、該
    2つのガイドローラが基材に取り付けられた左右に伸縮
    自在な取付部材の両端に取着されてなることを特徴とす
    る請求項8記載の自動車用窓ガラスの取り外し装置。
  11. 【請求項11】 ガラスフレームとガラスとの間に介装
    されたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワイヤーを牽
    引移動させることによってシーラントを切断してガラス
    フレームに取り付けられたガラスを取り外す自動車用窓
    ガラスの取り外し方法において使用される装置であっ
    て、基材と、該基材に取り付けられガラスに吸着される
    吸盤と、該基材に取り付けられたスライド部材からな
    り、該スライド部材は基材に固定された固定部材と、基
    材に対して往復移動可能な移動部材と、該固定部材と移
    動部材との間に介装されたバネとからなり、該移動部材
    にワイヤーの一端部を固定するワイヤー固定部が備えら
    れてなることを特徴とする自動車用窓ガラスの取り外し
    装置。
  12. 【請求項12】 ガラスフレームとガラスとの間に介装
    されたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワイヤーを牽
    引移動させることによってシーラントを切断してガラス
    フレームに取り付けられたガラスを取り外す自動車用窓
    ガラスの取り外し方法において使用される装置であっ
    て、両端部に2つの吸盤を備えた基材と、該基材の中心
    に取り付けられたワイヤー巻き取り器とからなり、該巻
    き取り器はワイヤー巻き取り用ローラと、該ローラを回
    転させるためのハンドルからなることを特徴とする自動
    車用窓ガラスの取り外し装置。
  13. 【請求項13】 ガラスフレームとガラスとの間に介装
    されたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワイヤーを牽
    引移動させることによってシーラントを切断してガラス
    フレームに取り付けられたガラスを取り外す自動車用窓
    ガラスの取り外し方法においてワイヤーをシーラントに
    挿通するために使用される治具であって、ワイヤーを挿
    通可能な内径を備えた硬質の中空パイプからなり、該パ
    イプは先端が鋭角状に切断されてなるとともに終端には
    フランジが形成されてなることを特徴とする自動車用窓
    ガラスの取り外し治具。
  14. 【請求項14】 ガラスフレームとガラスとの間に介装
    されたシーラントにワイヤーを挿通し、該ワイヤーを牽
    引移動させることによってシーラントを切断してガラス
    フレームに取り付けられたガラスを取り外す自動車用窓
    ガラスの取り外し方法においてワイヤーをシーラントに
    挿通するために使用される治具であって、把手部と、該
    把手部に一端が固定された硬質の線材からなり、該線材
    は前記請求項13記載のパイプと略同一長さであって且
    つ該パイプの内径と略同一外径とされてなることを特徴
    とする自動車用窓ガラスの取り外し治具。
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