JP2000288740A - 溶接トーチおよびそれを用いるスパイラル製管溶接方法 - Google Patents

溶接トーチおよびそれを用いるスパイラル製管溶接方法

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JP2000288740A
JP2000288740A JP11103217A JP10321799A JP2000288740A JP 2000288740 A JP2000288740 A JP 2000288740A JP 11103217 A JP11103217 A JP 11103217A JP 10321799 A JP10321799 A JP 10321799A JP 2000288740 A JP2000288740 A JP 2000288740A
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wire
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wire guide
torch
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Takayuki Hisayoshi
孝行 久芳
Nobuo Hatano
伸雄 波多野
Masashi Asano
昌志 浅野
Susumu Shintani
進 新谷
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Spiral Pipe Co Ltd
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Sumitomo Metal Industries Ltd
Sumikin Spiral Pipe Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アーク安定性の良好な長エクステンションが得
られる溶接トーチを提供する。 【解決手段】スパイラル鋼管をサブマージアーク溶接で
製造するとき使用する溶接トーチ1であって、外筒2が長
手方向に分割され、上部外筒2-1の内部にタングステン5
0〜70重量%、残部銀および不可避的不純物からなる給
電チップ3が配設され、ワイヤガイド4が上部外筒2-1の
内部と下部外筒2-2の内部に跨って挿入され、給電チッ
プ3およびワイヤガイド4の中央部に溶接ワイヤ6を送通
するための貫通孔3-1および4-1が設けられ、必要に応じ
ワイヤガイドの貫通孔4-1に気体を送入するための供給
口5が上部外筒2-1の側壁に設けられている溶接トーチ、
およびこれを用いて製管溶接する溶接ビード形状の良好
なスパイラル鋼管を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単電極または多電
極サブマージアーク溶接によるスパイラル鋼管の製管溶
接に用いる溶接トーチとそれを用いるスパイラル鋼管の
製管溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スパイラル鋼管は、熱間圧延鋼帯を螺旋
状に成形しながら中空円筒に加工し、その鋼帯端部の衝
合部を内面から溶接した後、更に外面から溶接すること
によって製造される。溶接は、大電流を供給して溶込み
深さを深くすることが可能なサブマージアーク溶接法が
採用されており、通常は2〜3電極で実施される。溶接速
度を向上させるためには、溶接電流を増大させ、深溶込
みと多くの溶融金属量を確保することが必要となる。し
かし、溶接部が中空円筒の6時(内面溶接)または12時
(外面溶接)の位置にあっても、中空円筒を回転させな
がら溶接するため、溶接線がスパイラル状となり、傾斜
溶接と同じ状態になって溶融金属には重力のほかに水平
分力が加わる。このため、内面溶接では中央部に凹みを
有する溶接ビード形状(コンケーブ)となり、外面溶接
では中央部が凸型に盛り上がった溶接ビード形状とな
る。
【0003】図3は、スパイラル鋼管の内面溶接部に発
生する凹ビード(コンケーブビード)を示す図である。
これらは、スパイラル鋼管特有の溶接欠陥であり、多電
極化または高速溶接を実施するほど溶融池が溶接方向の
後方に長くなり、その一部が下り溶接となるために発生
しやすくなる。
【0004】これを解決するため、鋼帯端部の衝合部を
中空円筒のたとえば5時の位置で溶接し、6時の位置で
凝固させることによってコンケーブビードを防止する方
法(たとえば、特開昭54-155166号公報、参照)が提案
されている。
【0005】溶接電流を変化させずに溶接速度を高める
方法として、給電部から被溶接材までのワイヤ突き出し
長さ(エクステンション)を通常より長くして、ワイヤ
を抵抗加熱(ジュール熱)によって加熱し、溶融金属量
を増大させる方法(KK-X溶接法、改訂3版、溶接便覧、
溶接学会編、丸善発行p.316、参照)が報告されてい
る。また、給電チップの前方に、耐熱性、耐摩耗性およ
び耐熱衝撃性を有する絶縁物からなるワイヤガイドを付
加し、ワイヤ突き出し長さを通常より長くして、溶融金
属量を増大させ、しかも蛇行ビードの発生を抑制するガ
スシールドメタルアーク用溶接トーチ(特開昭63-80978
号公報、参照)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ワイヤのエク
ステンションを長くするほどワイヤの巻き癖および電磁
力によるワイヤぶれが発生し、溶接狙い位置の変動およ
び蛇行ビードなどが発生するという問題がある。また、
銅製チップは、給電部で接触抵抗による発生熱とワイヤ
のジュール熱とが加算され温度が高くなり、ワイヤ送給
孔の摩耗によりワイヤヘの給電点が変動する。その結
果、エクステンション長さが変化し、アーク電圧変動に
よる溶接不良が発生する。
【0007】前記ワイヤガイドを付加する溶接トーチ
は、サブマージアーク溶接法に適用すると、給電チップ
の損耗が激しく、アーク安定性が確保できない。
【0008】本発明の第一の目的は、サブマージアーク
溶接法に適用しても給電チップの損耗がなく、優れたア
ーク安定性が得られ、長エクステンション溶接を可能に
するトーチを提供することにある。また、第二の目的
は、長エクステンション溶接トーチを用い、溶接ビード
形状の良好なスパイラル鋼管を得る製管溶接方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】溶接のアーク長さは、サ
ブマージアーク溶接の場合、電圧レベルに比例して変化
するが、溶接電流および溶接電圧を一定とした場合、ワ
イヤ突き出し長さ(エクステンション)を大きくする
と、短くなる。これは、小さいアークエネルギーでワイ
ヤを溶融していることを意味する。エクステンションの
長さが大きいほど、供給電力がワイヤのジュール熱に消
費される割合が増す。したがって、小エネルギーで溶融
量を増すことができる。また、エクステンションの長さ
が大きいほど溶融池の温度が低下するので、スパイラル
製管溶接におけるコンケープビードの発生が軽減され
る。しかし、この場合、給電位置が変動すればアーク電
圧が大きく変動し、不安定アークを誘発して溶接不良ビ
ードを発生させる。これを防止するには、給電チップを
電気伝導性と熱伝導性とに優れた材料とすればよい。
【0010】本発明は、この知見に基づいて完成され、
その要旨は、図1に例示するような下記の溶接トーチ
およびに示すのトーチを用いたスパイラル鋼管の製
管溶接方法にある。
【0011】スパイラル鋼管をサブマージアーク溶接
で製造するとき使用する溶接トーチ1であって、外筒2が
長手方向に分割され、上部外筒2-1の内部にタングステ
ン50〜70重量%、残部銀および不可避的不純物からなる
給電チップ3が配設され、ワイヤガイド4が上部外筒2-1
の内部と下部外筒2-2の内部に跨って挿入され、給電チ
ップ3およびワイヤガイド4の中央部に溶接ワイヤ6を送
通するための貫通孔3-1および4-1が設けられている溶接
トーチ。
【0012】上記上部外筒2-1は、ワイヤガイドの貫通
孔4-1に気体を送入するための供給口5がその側壁に設け
られているものであることが望ましい。
【0013】鋼帯を送りながら先端から螺旋状に巻い
て管状に成形し、螺旋状の継ぎ目を溶接して鋼管を製造
する製管溶接方法であって、前記請求項1に記載の溶接
トーチを用い、サブマージアーク溶接法によって溶接す
るスパイラル製管溶接方法。
【0014】本発明の溶接トーチは、給電チップがタン
グステンと銀との合金からなり、ワイヤガイドが設けら
れている。更に望ましくは、その貫通孔に気体を送入す
る供給口を備えている。このため、スパイラル鋼管を製
造するサブマージアーク溶接の際に、長エクステンショ
ンでも、溶接ビード形状の良好なスパイラル鋼管を得る
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】上記のとおり、本発明の溶接トー
チは、タングステンと銀との合金からなる給電チップと
ワイヤガイドとを備え、さらに必要によりワイヤガイド
の貫通孔に気体を送入する供給口を備えている。
【0016】給電チップは、サブマージアーク溶接用の
場合、安価で加工性が良く、電気伝導性および熱伝導性
の良好な銅から製作されている。これは、通常のワイヤ
エクステンション長さ(ワイヤ径の10倍前後)では、給
電チップ貫通孔径の拡大や変形によって給電位置が変動
したとしても、ジュール熱はほとんど発生せず、溶接部
への影響が少ないためである。しかし、溶融金属を多く
するためにワイヤのエクステンションを長く(たとえ
ば、ワイヤ径の15〜50倍)する場合には、給電位置の変
動を小さくする必要がある。このため、給電チップ材質
として電気伝導性、熱伝導性および耐摩耗性に優れた材
料を開発することとした。
【0017】耐摩耗性に優れる材料としてタングステン
を、熱伝導性および電気伝導性に優れる材料として銀を
選び、Ag:30重量%、W:70重量%の焼結合金およびA
g:50重量%、W:50重量%の焼結合金から給電チップを
製作した。また、比較のため、銅、銀およびタングステ
ンのそれぞれ純金属から給電チップを製作した。これら
の給電チップを第二電極に用い、4.0mmのワイヤでエク
ステンション長さを150mm、溶接電流800Aとして、溶接
試験を行った。第一電極は、銅製給電チップを用い、4.
8mmのワイヤでエクステンション長さ30mm、溶接電流150
0Aとした。
【0018】それらの結果をまとめると、Ag−Wの合金
から製作した給電チップは、累計8時間の溶接によって
も、溶接不良は認められなかった。これに対し、銀製給
電チップでは2時間、銅製給電チップでは約6時間で溶接
不良が認められ、溶接を停止した。タングステン製給電
チップでは焼き付きが発生して、溶接することができな
かった。これらの結果から、サブマージアーク溶接で
は、給電チップの材質としてAg−Wの合金を使用するこ
ととした。
【0019】次に、Ag:50重量%、W:50重量%の給電
チップと4.0mmのワイヤを用い、エクステンション長さ
を30mm、60mm、100mmおよび150mmに変化させ、傾斜角5
°の下り坂溶接試験を行った。その結果、エクステンシ
ョン長さが100mmおよび150mmの試験では、コンケープビ
ードが観察されなかった。これは、エクステンション長
さが長くなるほど、溶融池の温度が低くなり、溶融金属
の流動性が低下するためと考えられる。
【0020】次に、ワイヤのエクステンションを長くす
ることによって生じる溶接欠陥を抑制する方法について
述べる。
【0021】ワイヤのエクステンションを長くすると、
ワイヤの巻き癖および電磁力によるワイヤぶれなどでワ
イヤ先端の溶接狙い位置が変動し、製管溶接ではシーム
ずれなどの溶接欠陥を発生させる。したがって、常に溶
接狙い位置を正確に確保できるように溶接ワイヤの送給
を正確にガイドする必要がある。
【0022】この解決手段として、ワイヤガイドを付加
した溶接トーチを使用することとした。
【0023】図1は、本発明の溶接トーチの一例を示す
縦断面図である。本発明の溶接トーチ1は、外筒2が長手
方向に分割され、上部外筒2-1の内部上辺には給電チッ
プ3を、上部外筒2-1の下辺と下部外筒2-2との内部には
ワイヤガイド4が設けられ、この例では更に上部外筒2-1
の側壁に不活性ガス送給口5が設けられている。外筒2
は、銅で製作され、2分割するのはワイヤガイドを挿入
しやすくするためである。ワイヤガイド4は、窒化珪
素、アルミナなどの複合耐火物から製作されている。
【0024】給電チップ3およびワイヤガイド4の中心部
には、ワイヤを送通するための貫通孔3-1および4-1が設
けられている。給電チップの貫通孔3-1の直径は、ワイ
ヤ径よりも大きく、ワイヤ6の外周と接触しながら摺動
し、ワイヤに通電できる間隔があればよい。ワイヤガイ
ドの貫通孔4-1の直径は、電磁力によるワイヤぶれ(蛇
行)を防止するためにはワイヤ径との間隔を小さくする
のが望ましい。しかし、その間隔が小さすぎると、ワイ
ヤ送給時にワイヤ詰まりが発生する。このため、ワイヤ
ガイドの貫通孔4-1の直径は、ワイヤ径に対して0.2〜0.
4mm大きくするのが望ましい。
【0025】ワイヤガイドは、エクステンション長さを
大きくし、ワイヤ通電の抵抗熱による溶融金属量を増加
させ、安定な溶接ビードを得るために設けられる。その
ため、ワイヤガイドの長さは長いほど望ましい。しか
し、サブマージアーク溶接の場合、ワイヤ径を3.2〜4.8
mmとすると、60mmから210mmあればよい。
【0026】ワイヤガイドの長さを大きくすると、ワイ
ヤ詰まりが発生しやすくなる。これは、ワイヤの抵抗加
熱によって発生した酸化物などの異物がワイヤガイドの
貫通孔内で脱落するためである。これを排除するため、
本発明の溶接トーチには不活性ガスを供給するガス供給
口5を設るのが望ましい。
【0027】
【実施例】本発明の溶接トーチを大径スパイラル鋼管の
製管溶接における内面溶接に適用したときの効果につい
て説明する。
【0028】製造したスパイラル鋼管は、外径500mm、
肉厚19mmである。開先形状は、図2に示す形状とした。
【0029】溶接は、2電極サブマージアーク溶接で、
先行電極(第一電極)にワイヤ径4.8mm、後行電極(第
二電極)にワイヤ径4.0mmを使用し、内面溶接を行っ
た。溶接条件は、表1に示すように溶接速度および溶接
電流を同時に変化させた。また、ワイヤのエクステンシ
ョン長さは、先行電極を30mm(通常)の一定とし、後行
電極のワイヤガイドの長さを変えて30mmから150mmまで
に変化させた。なお、ワイヤエクステンション長さは、
ワイヤガイドの長さと30mmとの和であり、ワイヤ径の20
倍から45倍まで変化させた。給電チップの材質は、先行
電極(第一電極)には銅を、後行電極(第二電極)には
表1に示す3種類を用いた。
【0030】
【表1】
【0031】評価は、溶接ビードを観察し、図3に示す
ような溶接欠陥(コンケーブ:凹ビード)の有無、蛇行
ビードの有無、ワイヤー詰まりの発生およびこれらのい
ずれかが発生することにより溶接を中止するまでの時間
を求めた。それらの結果を表1に併せて示す。なお、溶
接速度が2.0m/min以上で、溶接を中止するまでの時間
が累計15時間以上を本発明で定める範囲とし、20時間で
試験を中止した。
【0032】試験番号No.1は、銅製給電チップを備える
溶接トーチを用い、ワイヤのエクステンション長さを30
mmとし、通常の溶接速度1.7m/minで溶接した場合であ
るが、累計12時間でアークの状態が不安定になり、溶接
を停止した。
【0033】試験番号No.2は、溶接速度を2.0m/minに
高めた他は試験番号No.1の場合と同様としたが、コンケ
ーブビードが発生したので数分で溶接を停止した。
【0034】試験番号No.3は、ワイヤのエクステンショ
ン長さを60mmとするほかの条件を試験番号No.1と同様に
して溶接した場合であるが、溶接ビードに蛇行が現れた
ので数分で溶接を停止した。
【0035】試験番号No.4は、銅製給電チップとワイヤ
ガイドを備える溶接トーチを用い、溶接速度を1.7m/m
inとして溶接した場合であるが、ワイヤ詰まりのため累
計6時間で溶接を停止した。
【0036】試験番号No.5は、溶接速度を2.6m/minに
高めるほかは試験番号No.4と同様にして溶接した場合で
あるが、コンケーブビードおよびワイヤ詰まりが発生
し、数分で溶接を停止した。
【0037】試験番号No.6〜9は、タングステンを70重
量%含有する銀合金製の給電チップと長さを変えたワイ
ヤガイドを備える本発明の溶接トーチを用い、ワイヤガ
イドの貫通孔に不活性ガスを供給せずに2.0m/minおよ
び2.6m/minの溶接速度で溶接した場合である。ワイヤ
ガイドの長さが50mmまたは90mmの試験番号No.6およびN
o.7の場合は、溶接欠陥の発生はなく、累計20時間(以
上)の溶接ができた。しかし、ワイヤガイドの長さを12
0mmとすると、溶接速度が2.0m/minの試験番号No.8の場
合、ワイヤ詰まりのため累計16時間で溶接を停止した。
また、溶接速度が2.6m/minの試験番号No.9の場合、ワ
イヤ詰まりのため累計15時間で溶接を停止した。
【0038】試験番号No.10〜13は、タングステンを50
重量%含有する銀合金製の給電チップを使用するほかは
試験番号No.6〜9の場合と同様にして溶接した場合であ
る。ワイヤガイドの長さが50mmまたは90mmの試験番号N
o.10およびNo.11の場合は、溶接欠陥の発生はなく、累
計20時間以上の溶接ができた。しかし、ワイヤガイドの
長さを120mmとすると、溶接速度が2.0m/minの試験番号
No.12の場合、ワイヤ詰まりのため累計15時間で溶接を
停止した。また、溶接速度が2.6m/minの試験番号No.13
の場合、ワイヤ詰まりのため累計16時間で溶接を停止し
た。
【0039】試験番号No.14〜16は、タングステンを70
重量%含有する銀合金製の給電チップと長さを変えたワ
イヤガイドを備える本発明の溶接トーチを用い、ワイヤ
ガイドの貫通孔に不活性ガス(Arガス)を0.5リットル/min
供給し、溶接速度を2.0m/min、2.3m/minおよび2.6m/
minで溶接した場合である。また、試験番号No.17〜19
は、タングステンを50重量%含有する銀合金製の給電チ
ップを使用するほかは試験番号No.14〜16の場合と同様
にして溶接した場合である。いずれも溶接欠陥の発生は
なく、累計20時間以上の溶接ができた。
【0040】これらの結果から明らかなように、給電チ
ップの材質として銀合金を用い、ワイヤガイドの長さを
50mm以上としてワイヤガイドの貫通孔に不活性ガスを供
給することによって、溶接速度を2.0m/min以上に高め
ても溶接欠陥を発生させることなく、累計20時間以上の
溶接ができる。
【0041】以上の説明では、本発明の溶接トーチを第
二電極に使用したが、単電極または多電極のいずれにも
使用することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明の溶接トーチは、給電チップの材
質として銀合金を用い、長エクステンションを可能とす
るワイヤガイドを備え、さらに望ましくは、そのワイヤ
ガイドの貫通孔に不活性ガスを供給するガス送給口を有
する。この溶接トーチを用いて、本発明方法の長エクス
テンション溶接を行えば、低電流であっても溶接速度を
高めることができ、しかも安定したアークが得られ、ワ
イヤー詰まりを起こすことなく溶接することができる。
これにより、サブマージアーク溶接によるスパイラル製
管溶接が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接トーチの一例を示す縦断面図であ
る。
【図2】実施例に使用した溶接開先の形状、寸法を示す
図である。
【図3】スパイラル鋼管の内面溶接部に発生する凹ビー
ド(コンケーブビード)を示す図である。
【符号の説明】
1.溶接トーチ 2.外筒 3.給電チップ 4.ワイヤガイド 5.ガス送給口 6.ワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波多野 伸雄 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 浅野 昌志 茨城県鹿島郡神栖町大字東深芝14番地住金 大径鋼管株式会社内 (72)発明者 新谷 進 茨城県鹿島郡神栖町大字東深芝14番地住金 大径鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB05 CC03 CC04 DA01 DB05 DC01 DD01 LB07 LD14 LH02 MB04 MC03 MC04 QA05 4E028 DA05 4E081 AA01 AA06 AA09 BA02 BA44 CA05 DA05 DA27 DA31 DA38 DA72 DA85 EA06 EA28 EA49 FA11 FA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スパイラル鋼管をサブマージアーク溶接で
    製造するとき使用する溶接トーチであって、外筒が長手
    方向に分割され、上部外筒の内部に銀30〜50重量%、残
    部タングステンおよび不可避的不純物からなる給電チッ
    プが配設され、ワイヤガイドが上部外筒の内部と下部外
    筒の内部に挿入され、給電チップおよびワイヤガイドの
    中央部に溶接ワイヤを送通するための貫通孔が設けられ
    ていることを特徴とする溶接トーチ。
  2. 【請求項2】上記上部外筒の側壁に、ワイヤガイドの貫
    通孔に気体を送入するための供給口が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の溶接トーチ。
  3. 【請求項3】鋼帯を送りながら先端から螺旋状に巻いて
    管状に成形し、螺旋状の継ぎ目を溶接して鋼管を製造す
    る製管溶接方法であって、前記請求項1または請求項2
    のいずれかに記載の溶接トーチを用い、ワイヤエクステ
    ンションの長さをワイヤ径の15〜50倍としてサブマージ
    アーク溶接することを特徴とするスパイラル製管溶接方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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