JP2000288137A - ゴルフクラブヘッドとそのセット - Google Patents

ゴルフクラブヘッドとそのセット

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JP2000288137A
JP2000288137A JP11097990A JP9799099A JP2000288137A JP 2000288137 A JP2000288137 A JP 2000288137A JP 11097990 A JP11097990 A JP 11097990A JP 9799099 A JP9799099 A JP 9799099A JP 2000288137 A JP2000288137 A JP 2000288137A
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angle
golf club
club head
plane
aspect ratio
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JP11097990A
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English (en)
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Mototaka Iwata
元孝 岩田
Yasushi Nagao
裕史 長尾
Kanta Shimotaka
寛太 下高
Kei Tsuji
圭 辻
Koji Sakai
浩司 酒井
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Mizuno Corp
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Mizuno Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェース面に垂直な方向に対する慣性特性を
向上させ、左右方向の飛距離のばらつきと飛球線方向の
飛距離のばらつきを低減させ、スイートスポットと打点
中心を近づけつつボール初速の低減が少なくなるような
ゴルフクラブヘッドとそのセットを提供する。 【解決手段】 ゴルフクラブヘッド1の重心を中心とし
た慣性楕円体をクラブヘッドの重心を通り、ロフト角に
平行な平面で仮想的に切断したときに、その切断面に現
われる平面楕円の長軸方向の角度が前記切断面と地面と
の交線に対してトー上がりの角度を有し、それが0.5
°から9.5°の範囲内にあり、その平面楕円の長軸と
短軸の比率であるアスペクト比を1〜4となるように選
んだものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はゴルフクラブヘッ
ドと、そのセットに関し、特に、クラブヘッドの重心を
中心とした慣性楕円体をクラブヘッドの重心を通り、ロ
フト角に平行な平面で仮想的に切断したときの平面楕円
をほぼ一般のプレイヤーの打点のばらつき分布に一致さ
せることにより、インパクトの際にオフセット衝突時の
ヘッドの回転を抑え、打球時の方向性を改良しかつ飛距
離を増大できるようなゴルフクラブヘッドとそのセット
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゴルフクラブヘッドの第1の
従来例として、特開平7−67991号公報に記載され
たものがある。これは、トーおよびホーゼルのウェート
部材の中心を、ゴルフクラブがアドレスの位置に横たわ
っているときにクラブヘッドの重心を通って引いた水平
軸より上に質量中心を位置させることにより、重心を通
る水平軸と垂直軸のまわりの慣性モーメントを大きくす
るクラブヘッドが開示されている。
【0003】さらに、第2の従来例として、特開平9−
149954号公報には、ゴルフクラブヘッドを平面に
設置した場合に、フェース面の接線方向と平面に垂直な
方向で形成される平面に、ゴルフクラブヘッドの重心を
原点とした3つの慣性主軸のうちで、接線方向に投影し
た直線と接線方向のなす角度が10〜40°の範囲にあ
ることを特徴としたゴルフクラブヘッドが開示されてい
る。
【0004】さらに、第3の従来例として、ウッドクラ
ブとして、特開平1−300970号公報には、ホーゼ
ル部重量がヘッド本体重量の5%以下とし、その長さを
4cm以下とすることで、慣性主軸を水平とするウッド
クラブが開示されている。
【0005】さらに、ヘッドの方向性を改良する方法と
して、ヘッドの慣性モーメントを大きくする技術に至っ
ては、第4の従来例としてアイアンヘッド本体の内部に
空洞部を設け、周縁部を厚肉にする、いわゆるキャビテ
ィ構造や、第5の従来例としてアイアンヘッド内部を完
全に空洞にした中空構造が施されているということは周
知の事実である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ゴルフクラブに要求さ
れる項目として飛距離や方向性がある。特に、方向性は
フェアウェイキープやグリーンキープにかかわる大切な
要因でスコアにひびく。方向性は、プレイヤーのゴルフ
ヘッドの打点位置によるところが大きく、プロゴルファ
ーやトップアマは別として、一般プレイヤーの多くはゴ
ルフヘッドフェース部の上下,左右のいろいろな箇所で
ゴルフボールを打撃している。そのため、ゴルフボール
がゴルフヘッドの重心に衝突した場合には方向性はよい
が、重心を外れて衝突した場合は方向性が悪くなってし
まう。
【0007】そこで、クラブヘッドとボールが重心から
離れて衝突しても方向性が悪くならないように、ヘッド
の慣性モーメント、特に、クラブヘッドを平面に設置し
た際のトーヒール方向の慣性モーメントを大きくする方
法が提案されている。
【0008】しかしながら、ここでゴルフクラブヘッド
とゴルフボールの衝突の際の力の大きさと向きを考え
る。ゴルフクラブでボールを打撃する際、図1に示すよ
うにクラブヘッドはボールから打撃力を打撃方向に受け
る。ゴルフクラブには番手に応じてロフト角があるた
め、打撃時の打撃力Fは図1に示すようにフェース面に
対して水平な分力FHと垂直な分力FPに分解できる。
水平な分力FHはフェース面の摩擦力とともにボールを
回転させる力(バックスピンやサイドスピンを生み出
す)となる。垂直な分力FPは、クラブフェースを回転
させる力となり、打撃点が重心位置を離れるとフェース
を回転させることになり、打球の方向性が悪くなってし
まう。
【0009】前述の第1の従来例として引用した特開平
7−67991号公報には、慣性モーメントを高める方
法について開示されているが、トーおよびホーゼルのウ
ェート部材の中心を、クラブヘッドがアドレスの位置に
横たわっているときにゴルフクラブヘッドの重心を通っ
て引いた水平軸より上に質量中心を位置させることによ
り、重心を通る水平軸と垂直軸のまわりの慣性モーメン
トを大きくするクラブヘッドであるため、フェース面に
垂直な方向の慣性モーメントを高めていないという欠点
がある。
【0010】また、第2の従来例として引用した特開平
9−149954号公報には、このクラブヘッドを平面
に設置した場合に、フェース面の接線方向と平面に垂直
な方向で形成される平面に、ゴルフクラブヘッドの重心
を原点とした3つの慣性主軸のうちで、接線方向の投影
した直線と接線方向のなす角度が10〜40°の範囲に
あることを特徴としたゴルフクラブヘッドが開示されて
いる。
【0011】しかしながら、この第2の従来例では、慣
性主軸の向きのみを打点分布に合わせていることだけに
すぎず、打撃時のヘッドの回転を抑制するためのフェー
ス面に垂直な慣性モーメントを高めているわけではな
い。
【0012】さらに、そのばらつきの分布形状が上下方
向にもばらつき、番手によって形状も変わることから、
そのばらつき方向の慣性モーメントだけをむやみに上げ
るだけでは上下方向のばらつきに対して飛球線方向の飛
距離のばらつきが残るという欠点がある。
【0013】また、クラブヘッドの重心位置を通ってフ
ェース面に垂直に交わる点をスイートスポットと称する
が、このスイートスポットと打点との距離が大きくなる
とヘッドが回転しやすくなる。この方法では、重心を中
心とした慣性主軸を考慮しただけであり、特にロフト角
が大きくなると、このスイートスポットは重心に比べて
かなり高い位置に存在するため、重心と打点との距離を
合わせたところでは方向性のばらつきが大きくなってし
まうという欠点がある。
【0014】さらに、第3の従来例として引用した特開
平1−300970号公報では、ウッドクラブのホーゼ
ル部重量がヘッド本体の重量の5%以下とし、その長さ
を4cm以下とすることで、慣性主軸を水平とし、スイ
ートスポットを外してもボール弾道の対称性が確保さ
れ、方向性が上がるウッドクラブが開示されている。し
かしながら、これもヘッドの左右方向のぶれに関して方
向性はよいが、打球分布と主軸の向きが一致せず、また
上下方向のばらつきに対して飛球線方向の飛距離のばら
つきはあまり減少しないという欠点がある。
【0015】さらには、ヘッドの慣性モーメントを大き
くする技術に至っては、従来よりアイアンヘッド本体の
内部に空洞部を設け、周縁部を厚肉にするいわゆるキャ
ビティ構造が施されているが、この構造は慣性モーメン
トを高める効果はあるものの、むやみに周縁部を厚肉に
しているだけで、フェース面に垂直な方向の慣性モーメ
ントを大きくする効果が少ないという欠点がある。同様
にして、第5の従来例として述べた中空構造も慣性モー
メントを高める効果があるが、これもむやみに中空部を
設けているだけであり、フェース面に垂直な方向の慣性
モーメントを大きくする効果が少ないという欠点があ
る。
【0016】それゆえに、この発明の主たる目的は、水
平方向や垂直方向の慣性モーメントを高めることなく、
フェース面に垂直な方向に対する慣性特性を向上させ、
左右方向の飛距離のばらつきと飛球線方向の飛距離のば
らつきを低減させ、スイートスポットと打点中心を近づ
けつつ、ボール初速の低減が少なくなるようなゴルフク
ラブヘッドとそのセットを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ゴルフクラブヘッドの重心を中心とした慣性楕円体をク
ラブヘッドの重心を通り、ロフト角に平行な平面で仮想
的に切断したときに、その切断面に現われる平面楕円の
長軸方向の角度が切断面と地面との交線に対してトー上
がりの角度を有し、その角度が0.5°から9.5°の
範囲に選ばれておりかつその平面楕円の長軸と短軸の比
率であるアスペクト比が1〜4となるように選ばれる。
【0018】請求項2に係る発明では、請求項1のゴル
フクラブヘッドは、番手が異なる複数のゴルフクラブの
セットに用いられ、番手が大きくなるに従って、その平
面楕円の長軸方向の角度が切断面と地面との交線に対し
てほぼ同じか順次大きく選ばれ、かつ番手が大きくなる
に従い、そのアスペクト比がほぼ同じかまたは順次小さ
くなるように選ばれる。
【0019】請求項3に係る発明では、請求項2の角度
の変化の割合が番手に従って番手間でほぼ一定の角度を
刻んで選ばれる。
【0020】請求項4に係る発明では、請求項2のゴル
フヘッドは、番手が大きくなるに従って、そのアスペク
ト比が小さくなっていく割合がほぼ一定である。
【0021】請求項5に係る発明では、ゴルフクラブヘ
ッドの重心を中心とした慣性楕円体をクラブヘッドの重
心を通り、ロフト角に平行な平面で仮想的に切断したと
きに、その切断面に現われる平面楕円の長軸方向の角度
が切断面と地面との交線に対してトー上がりの角度を有
し、その角度が0.5°から9.5°の範囲に選ばれて
おりかつそのスイートスポットの高さが10〜30mm
の範囲に選ばれる。
【0022】請求項6に係る発明では、請求項5のゴル
フクラブヘッドは、番手が異なる複数のゴルフクラブの
セットに用いられ、番手が大きくなるに従って、その平
面楕円の長軸方向の角度が切断面と地面との交線に対し
てほぼ同じか順次大きくかつ番手が大きくなるに従っ
て、そのスイートスポットの高さがほぼ同じか順次低く
なっていくように選ばれる。
【0023】請求項7に係る発明では、請求項6におい
て、角度の変化の割合が番手に従って番手間でほぼ一定
の角度刻みで選ばれる。
【0024】請求項8に係る発明では、請求項6のゴル
フヘッドは、番手が大きくなるに従ってスイートスポッ
ト高さが小さくなっていく割合がほぼ一定である。
【0025】請求項9に係る発明では、ゴルフクラブヘ
ッドの重心を中心とした慣性楕円体をクラブヘッドの重
心を通り、ロフト角に平行な平面で仮想的に切断したと
きに、その平面楕円の長軸と短軸の比率であるアスペク
ト比が1〜4に選ばれ、かつそのスイートスポットの高
さが10〜30mmの範囲に選ばれる。
【0026】請求項10に係る発明では、請求項7にお
いてさらに切断面に現われる平面楕円の長軸方向の角度
が切断面と地面との交線に対してトー上がりの角度を有
し、その角度が0.5°から9.5°の範囲に選ばれ
る。
【0027】請求項11に係る発明では、請求項9また
は10のゴルフクラブヘッドは、番手が異なる複数のク
ラブのセットに用いられ、番手が大きくなるに従って、
そのアスペクト比がほぼ同じかまたは順次小さくなって
いき、かつ番手が大きくなるに従ってそのスイートスポ
ットの高さがほぼ同じか順次低くなるように選ばれる。
【0028】請求項12に係る発明では、請求項11に
おいて番手が大きくなるに従って、そのアスペクト比が
小さくなっていく割合がほぼ一定に選ばれる。
【0029】請求項13に係る発明では、請求項11に
おいて、番手が大きくなるに従ってスイートスポット高
さが小さくなっていく割合がほぼ一定する。
【0030】請求項14に係る発明では、請求項9にお
いて番手が大きくなるに従ってその平面楕円の長軸方向
の角度が切断面と地面との交線に対して順次大きくなる
ように選ばれる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の原理を説明する
ための図であって、(a)はゴルフボールがクラブヘッ
ドで打球したときにフェース面に生じる打撃力を説明す
るための図であり、(b)は打撃時にフェースが回転し
てボールが飛び出す状態を示す図である。
【0032】図1(a)において、ゴルフクラブでボー
ルを打撃する際、クラブヘッド1はボールの打点位置に
おいてスイングの進行方向に対してボール2から打撃力
Fを受ける。ゴルフクラブには番手に応じて、ボール2
の飛び出し角度を変え、各番手別の飛距離を得るために
ソールとフェース面に角度が付けられており、この角度
はロフト角と呼ばれている。通常、ドライバーで10°
前後,3番アイアンで20°前後,9番アイアンで40
°前後に設定されており、番手が大きくなるにつれてロ
フト角は大きくなる。
【0033】打撃時の打撃力Fは、ロフト角があるため
に、フェース面に対して水平な分力FHと、垂直な分力
FPに分解することができる。この水平な分力FHはフ
ェース面の摩擦力とともにボール2を回転させる力、す
なわちバックスピンやサイドスピンを生み出すことにな
る。スイングスピードが速く、ヘッドの衝突速度が速い
と打撃力Fが大きくなることから、水平な分力FHも大
きくなり、バックスピンやサイドスピンが掛かりやすく
なる。これはプロゴルファーなどのアイアンの球筋がシ
ョット後上方に高く舞い上がった後、上の方から垂直に
落下しているようであるが、これはヘッドスピードが高
いために、バックスピンが掛かり、上方にボールが浮き
上がって落下するためである。
【0034】また、この垂直な分力FPは、図1(b)
に示すようにフェース面に垂直に働く力であり、この力
がフェースを回転させる。この回転によりショット後の
ボールは左右,上下方向に飛び出すことになる。一方、
ここでヘッドの重心Gからフェース面に垂直に引いた線
がフェース面に交わる点をスイートスポットSSと呼ば
れる。このスイートスポットSSは最もボールが飛ぶポ
イントであり、ここで打撃すればヘッドがほとんど回転
しない点である。しかしながら、一般のプレイヤーがシ
ョットしたときは、なかなかこのスイートスポットSS
に当たることはなく、スイートスポットSSの周辺でシ
ョットしている。
【0035】図2〜図4は一般のプレイヤーの打点分布
を示す図であり、特に、図2は3番アイアン,図3は6
番アイアン,図4は9番アイアンにおける打点分布を示
している。この図2〜図4から明らかなように、一般の
プレイヤーは、スイートスポットSS付近の上方下方お
よび左右のいろいろな位置で打撃していることがわか
る。このデータを取得したプレイヤーはゴルフのスコア
でいうと100前後であり、図中○印はクラブヘッドの
フェース面上での打痕を示しており、打点中心を・点で
示し、95%信頼区間を求めることによって打点分布の
大きさと形状を近似した楕円を実線で示している。
【0036】さらに、フェース面の打点中心を通り、フ
ェース面と地面との交線と平行なA軸と、打点のばらつ
きを近似した楕円の長軸を実線で表わしている。
【0037】この結果から、ゴルフヘッドフェース部の
上下,左右のいろいろな箇所でゴルフボールを打撃して
おり、トー側やヒール側の左右方向にも、リーディング
エッジ側やトップエッジ側の上下方向にもばらついてい
ることがわかる。このばらつきによって、打球後のボー
ルの方向性が悪くなるので、ばらついてもある程度方向
性を保つゴルフクラブヘッドである必要がある。
【0038】一方、この打点分布の結果を見るとわかる
ように、打点分布の形状は長軸,短軸を有する楕円形状
となっている。また、その長軸方向の角度が切断面と地
面との交線に対してなす角度はトー上向きである。ま
た、番手が大きくなるに従って、長軸方向の角度が切断
面と地面との交線に対してなす角度が順次大きくなって
おり、その形状は順次円形に近づき、さらにその打点中
心の地面からの高さは、図2〜図4に示すように低下し
ていることがわかる。このように、一般のプレイヤーの
打点分布形状には特有の傾向があることがわかる。
【0039】ここで、ゴルフクラブのフェース面に垂直
方向の慣性抵抗を求めた。図5〜図7はゴルフクラブを
ライ角とロフト角を所定の角度で平面に設置した図であ
る。
【0040】図5において、地面に垂直な重心Gを通る
軸をZ軸とし、フェース面の図心における接面と地面と
の交線に平行でかつZ軸と垂直で重心Gを通る軸をX軸
とする。また、X軸とZ軸の両方に垂直で重心Gを通る
軸をY軸とする。
【0041】まず、図7に示すように、フェース面の図
心における接面と地面との交線に平行でかつ重心を通る
面の方向ベクトルをf(l,m,n)Tとし、次式の各
ベクトルを計算する。
【0042】 f1(l1,m1,n1T=f×Z(0,0,1)T2(l2,m2,n2T=f1×f …(1) f3(l3,m3,n3T=f1×f2 ただし、×は外積を表わす。
【0043】次に、図6に示すように、フェース面の図
心における接面と地面との交線に平行でかつ重心を通る
軸をα軸,該面と平行でα軸と垂直な軸をβ軸,α軸と
β軸に垂直な軸をγ軸とすると、α,β,γ座標系から
X,Y,Z座標系への変換は次式で表わされる。
【0044】 X=l1・α+l2・β+l3・γ Y=m1・α+m2・β+m3・γ …(2) Z=n1・α+n2・β+n3・γ ここで、l1,l2,l3,l12,l13,l23はX,Y,
Z軸に関する慣性モーメントと慣性乗積とすると、 l1・X2+l2・Y2+l3・Z2+2・l12・X・Y+2・l13・X・Z+2・ l23・Y・Z=1 …(3) と式(3)で表わせる楕円体は慣性楕円体と呼ばれてい
る。これは各方向の慣性抵抗の大きさを示すものであ
る。式(2)を式(3)に代入し、γの項を0にする
と、切断楕円面の式(4)が求められる。
【0045】 (I11 2+I21 2+I31 2+I1211+I1311+I2311)α2 +(I12 2+I32 2+I32 2+I1222+I1322+I2322)β2 +(I112+I212+I312+I1212+I1221+I131 2 ) +I1321+I2312+I2321)αβ=1 …(4) この切断面の大きさは、この面での回転のしやすさを示
す慣性抵抗の大きさを表わしていることになり、またそ
の切断面はその面の垂直方向の慣性抵抗を表わしてい
る。さらに、図6(a),(b),(c)に示すよう
に、この切断面の形状は立体の慣性楕円体と面の切断面
であるため、平面楕円となるのは明白である。
【0046】したがって、ゴルフクラブヘッドを考える
と、このゴルフヘッドの慣性楕円体をフェース面で切断
した平面楕円がフェース面に対する垂直方向の回転性能
を表わすことになる。また、図中aは平面楕円の長軸長
さ、bは短軸長さ、θはα軸と長軸のなす角度を示し、
a/bをアスペクト比と呼んでいる。
【0047】ここで、前述の図2〜図4に示した一般の
プレイヤーの打点分布は、打点中心を中心とした楕円形
状をしており、さらに、その長軸の向きはトー上向きで
ある。すなわち、図2に示すように3番アイアンでは、
フェース面上でのA軸に対して、打点のばらつきを近似
した楕円の長軸のトー上向き角度は5°である。また、
図3に示すように6番アイアンでは、フェース面上での
A軸に対して、打点のばらつきを近似した楕円の長軸の
トー上向き角度は7°である。さらに、図4に示すよう
に9番アイアンでは、フェース面上でのA軸に対して、
打点のばらつきを近似した楕円の長軸のトー上向き角度
は9°となる。
【0048】そこで、この慣性楕円体を仮想的にフェー
ス面で切断した平面楕円の楕円中心をスイートスポット
にほぼ一致させることによって、打点のばらつきによる
打点とスイートスポットの距離をできるだけ小さくする
ことができ、ヘッドの回転を抑えることができ、さらに
スイートスポット近傍でショットすることになるため、
ボール速度は向上することによって飛距離が増大する。
【0049】さらに、この平面楕円の長軸方向の角度が
切断面と地面との交線に対してなす角度をプレイヤーの
打点分布トー上向き角度に合わすことにより、左右方向
の横ぶれを抑えることができる。そして、さらに平面楕
円の長軸と短軸の比であるアスペクト比を、一般のプレ
イヤーの打点分布の楕円形状アスペクト比に合わせ、上
下方向の慣性抵抗とほぼ一致させることにより、左右方
向の横ぶれのばらつきを抑えるのみならず、飛球線方向
の飛距離のばらつきをも抑えることができる。
【0050】それゆえに、番手が大きくなるに従って、
平面楕円の長軸方向の角度が切断面と地面との交線に対
してなす角度が順次大きくなっていき、その平面楕円の
形状、すなわち長軸と短軸の比であるアスペクト比を順
次小さくしていき、スイートスポットを順次低くしてい
くゴルフクラブセットとすることにより、どの番手も左
右方向や飛球線方向の飛距離のばらつきを抑え、ボール
の速度が向上することによって飛距離が増大する。
【0051】次に、この発明の具体的な実施形態につい
て説明する。この発明の実施形態のゴルフクラブヘッド
およびセットは以下の要素を構成要件とする。
【0052】1) ゴルフヘッドの重心位置を中心とし
た慣性楕円体をクラブヘッドの重心を通り、ロフト角に
平行な平面で仮想的に切断したときに、その切断面に現
われる平面楕円の長軸方向の角度が切断面と地面との交
線に対する角度がトー上がりの角度を有し、それが0.
5°から9.5°の範囲内にあり、 2) その平面楕円の長軸と短軸の比率であるアスペク
ト比が1〜4となるゴフルヘッドであり、 3) 番手が大きくなるに従い、その長軸方向の角度が
前記切断面と地面との交線に対してなす角度がほぼ同じ
かまたは順次大きくなっていき、 4) アスペクト比がほぼ同じかまたは順次小さくな
り、 5) スイートスポットの高さがほぼ同じか、順次低く
なる、 というゴルフクラブセットである。
【0053】また、これらについては、一般にクラブヘ
ッドを作る際によく用いられる素材である鉄,ステンレ
ス,アルミニウム,チタン,マグネシウム,タングステ
ン,銅,ニッケル,ジルコニウム,コバルト,マンガ
ン,亜鉛,シリコン,錫,クロム,FRP,合成樹脂,
セラミックス,ゴムなどが挙げられ、これらの単一素材
で製造することでもよく、さらにこれらの材料2種類以
上の組合せによって製作することも構わない。また、製
造方法としては、精密鋳造方法がコストも安くつき、寸
法精度も高いので利用可能である。その他、ヘッド本体
はダイキャストやプレスや鍛造でも製造できる。一方、
プレスや鍛造や精密鋳造やメタルインジェクション,ダ
イキャスト,切断加工,粉末治金などによって各パーツ
を製造し、それらを溶接や接着や圧入,嵌合,圧接,ビ
ス止め,ろう付けなどによって接着させてクラブヘッド
を作製する方法も可能である。
【0054】図8および図9はこの発明の実施形態によ
るクラブヘッドと、従来のクラブヘッドとによる飛距離
のばらつきを対比するための図である。特に、図8はこ
の発明の実施形態によるものであり、ロフト角21°の
3番アイアンで一般のプレイヤーの打点分布に平面楕円
をほぼ一致させたものであり、図9は従来例のクラブヘ
ッドの場合である。
【0055】試験条件は、ゴルフロボットにより、ゴル
フクラブヘッドのスピードを37m/secに設定し、
打点位置を一般プレイヤーの打点のばらつきを考慮し
て、スイートスポットからトー上,トー下,ヒール上,
ヒール下にヒール等方向12mm,上下方向6mmそれ
ぞれ離れた位置で打撃した結果である。
【0056】
【表1】
【0057】表1より一般プレイヤーの打点分布を見る
と、そのアスペクト比は2.1,長軸方向の角度が前記
切断面と地面との交線に対してなす角度は5°,打点中
心はソールより21mmの高さである。これにより、図
8に示したクラブヘッドの慣性楕円体を仮想的にフェー
ス面で切断したときの平面楕円の長軸と短軸との比を
2.1,長軸方向の角度が前記切断面と地面との交線に
対してなす角度を5°,打点中心をソールより21mm
に設定した。
【0058】一方、図9に示したクラブヘッドは図8の
クラブヘッドと同一重量(248g)であるが、その平
面楕円のアスペクト比は2.3,長軸方向の角度が前記
切断面と地面との交線に対してなす角度がトー下向きに
2°,打点中心は20mmである。図9のロボットによ
る飛距離測定試験結果より、一般のプレイヤーの打点分
布に合わせていない図9のクラブヘッドの左右のばらつ
きは約6mあるのに対して、一般のプレイヤーの打点分
布に平面楕円を合わせた図8のクラブヘッドの左右のば
らつきは約4mとなり、33%のばらつきを低減でき
る。
【0059】一方、飛球線方向のばらつきは図9のクラ
ブヘッドは約23mに対して、図9のクラブヘッドは約
9mであり、61%のばらつきの低減が見られる。さら
に、平均飛距離を比較してみると、図9のクラブヘッド
は149.6mに対し、図9のクラブヘッドは151.
2mとなり、約2mの飛距離増大が見られた。
【0060】なお、図8および図9はそれぞれ6回ずつ
打球したときの平均値を示している。
【0061】また、トー上の打撃結果を見ると、回転性
能の差異のあることがよくわかる。すなわち、図9のク
ラブヘッドの場合、トー上の打撃による飛球線方向の飛
距離の低下が顕著であり、かつ平均横ぶれに比べて右方
向にボールが落下しているが、図8のクラブヘッドの場
合はトー上の打撃による飛距離低下が少なく、横ぶれも
少なくなっている。これは、ヘッドの回転が図9のクラ
ブヘッドよりも図8のクラブヘッドが抑えられているこ
とを意味し、ヘッドの回転性能の優れていることがわか
る。
【0062】一方、ウッドクラブについても同様にして
表2に示すようなデータを抽出した。
【0063】
【表2】
【0064】以下、この発明を適用した具体的な実施形
態について説明する。図10はこの発明をウッドクラブ
に適用したものであり、(a)は底面図であり(b)は
側面図である。図10において、トー先にウェート部材
3が埋め込まれるとともに、ソールバックセンターにも
ウェート部材4が埋め込まれる。
【0065】このような図10に示す形態でフェアウェ
イウッド♯3とフェアウェイウッド♯7とを構成した場
合の寸法および重量などを表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】さらに、この発明のより好ましい実施形態
では、上述の各々の構成要件のうち、トー上がり角度
は、1〜9°、アスペクト比は1.5〜2.5、スイー
トスポット高さは15〜27mmの範囲で適宜組合せて
設計するのが望ましい。
【0068】図11はアスペクト比をヘッド形状によっ
て変えた例を示し、(a)はロングアイアンを示し、
(b)はショートアイアンを示す。
【0069】図11において、Aは地面からフェース面
のトー側最高部を示し、Bは地面からフェース面のトッ
プエッジ最低部を示す。そして、ロングアイアンのトー
側最高部A、トップエッジ最低部Bとの間の長さXL
地面からトー側最高部までの長さYLとの比とショート
アイアントー側最高部Aからトップエッジ最低部Bまで
の長さXSと地面からトー側最高部Aまでの長さYSとの
比は次のように選ばれる。
【0070】XL/YL>XS/YS この図11に示した例では、ショートアイアンになるほ
どトー側の高さを高くすることにより、軸の向きが変え
られる。
【0071】図12は図11と同様にして、ウッドクラ
ブでアスペクト比をヘッド形状によって変えるものであ
る。図12において(a)はドライバーを示し、(b)
はたとえば9番ウッドのようなショートウッドを示して
いる。また、図12において、Cはクラウン部頂点を示
し、Dはヘッドトー側最突出部を示し、Eはソールのヒ
ール端部を示している。そして、ドライバーのヘッドト
ー側最突出部Dからソールのヒール端部Eまでの長さX
Lと地面からクラウン部頂点Cまでの長さYLと、ショー
トウッドのヘッドトー側最突出部Dからソールのヒール
端部Eまでの長さXSと地面からクラウン部頂点Cまで
の長さYSとの関係は次式で選ばれる。
【0072】XL/YL>XS/YS この図12に示した例でも、ショートウッドになるほど
トー側の高さを高くすることにより軸の向きを変えるこ
とができる。
【0073】図13はフェース形状でアスペクト比を変
化させた例を示し、(a)はロングアイアンを示し、
(b)はショートアイアンを示す。そして、図13にお
けるFはソールトー端部を示している。この図13に示
した例においては、ヘッドトー側最突出部Dからソール
のヒール端部Eまでの長さXLと地面からトー側最突出
部Aまでの長さYLと、ショートアイアンのヘッドトー
側最突出部Dからソールのヒール端部Eまでの長さXS
と地面からトー側最高部Aまでの長さYSの比は同様に
して、次式で設定される。
【0074】YL/XL>YS/XS また、ロングアイアンの地面からソールトー端部Fまで
の長さTLと、ショートアイアンの地面からソールのト
ー端部までの長さTSの関係は次式で選ばれる。
【0075】TL>TS この例では、TL>TSとして軸の向きを変えることがで
きる。
【0076】図14はフェース形状でアスペクト比を変
化させ、軸の向きをネック長で変えるものである。図1
4において、Gはネック先端部を示している。そして、
ネック先端部Gとソールのヒール端部Eまでの長さをそ
れぞれNLとNSで示す。この例においても、XLとYL
の比およびXSとYSの比とNLとNSの関係は次式で設定
される。
【0077】YL/XL>YS/XSL>NS 図15はトー上側とヒールソール側に重量を配置してア
スペクト比と軸の向きを変える例を示し、(a)はロン
グアイアンを示し、(b)はショートアイアンを示す。
【0078】各アイアンのトー上側とヒールソール側に
はそれぞれ重みが配置され、それぞれの重さWLとWS
L<WSに設定することによって、アスペクト比と軸の
向きを変えることができる。
【0079】図16はトー側トップエッジの厚みを変化
させ、ヒール側ソール幅を変化させることによってアス
ペクト比と軸の向きを変えるものである。
【0080】図16(a)はロングアイアンのトップエ
ッジ側から見た図であり、(b)はソール側から見た図
であり、(c)はショートアイアンのトップエッジ側か
ら見た図であり、(d)はソール側から見た図である。
この例では、図16(a)に示すロングアイアンのトッ
プエッジの厚みTLに比べて図16(c)に示すショー
トアイアンのトップエッジの厚みTSがTS>TLの関係
になるように選ばれる。また、図16(b)に示すロン
グアイアンヒール側のソール幅SLは図16(d)に示
すショートアイアンのヒール側のソール幅SSに比べて
L>SSの関係となるように選ばれる。
【0081】図17はトップエッジが切断面と地面との
交線に対してなす角度θLを変化させてアスペクト比と
軸の向きを変えるものであり、(a)はロングアイアン
を示し、(b)はショートアイアンを示す。
【0082】この例では、ショートアイアンのトップエ
ッジが切断面と地面との交線に対してなす角度θSをロ
ングアイアンの角度θLに比べてθL<θSとなるように
選ぶことによって、アスペクト比と軸の向きを変えるこ
とができる。
【0083】図18はトー側高さとヒール側高さの比を
変えてアスペクト比と軸の向きを変える例であり、
(a)はロングアイアンを示し、(b)はショートアイ
アンを示す。
【0084】この例では、地面からトー側最高部Aまで
の長さYL,YSと、トップエッジ最低部Bまでの長さ
Y′L,Y′Sとの比率をY′L/YL>Y′S/YSに選ん
だものである。
【0085】図19はヘッド形状を球に近づけてアスペ
クト比を変化させ、トー上肉厚とヒール下肉厚を変えて
軸を傾ける例を示す。そして(a),(b)はそれぞれ
ドライバーとショートウッドの平面図を示し、(c),
(d)はそれぞれドライバーとショートウッドの正面図
を示す。
【0086】この例では、フェース面の図心Hからバッ
ク最突出部Iまでの長さをZL,ZSとして表わし、ヘッ
ドトー側最突出部Dからソールのヒール端部Eまでの長
さX L,XS,地面からクラウン部頂点Cまでの長さ
L,YSの関係はXL:YL:ZLよりもXS:YS:ZS
1:1:1となるように選ぶことによってヘッド形状を
球に近づけることができる。しかも、トー側肉厚DL
Sとヒール側肉厚EL,ESを変えて軸を傾ける。
【0087】図20はショートアイアンになるほどネッ
ク長を短くするとともにネック径を太くして軸を傾ける
ようにした例であり、(a)はロングアイアンを示し、
(b)はショートアイアンの例である。
【0088】この例では、図20(a)に示すロングア
イアンのネック長NLと図20(b)に示すショートア
イアンのネック長NSとの関係はNL>NSに選ばれ、か
つロングアイアンのネック径φLとショートアイアンの
ネック径φSとの関係はφL<φSに選ばれている。
【0089】図21はヒール下の重量を増やして軸を傾
けかつスイートスポットを下げた例を示し、(a)はロ
ングアイアンを示し、(b)はショートアイアンを示
す。この例はロングアイアンとショートアイアンのヒー
ル下に重みを付加し、それぞれの重量をWL,WSとした
ときWL<WSのとなるように重量を選ぶ。
【0090】図22はネックを短くし、ヒール側ソール
の肉厚を増やし、軸を傾けかつスイートスポットを下げ
た例を示し、(a)はドライバーを示し、(b)はショ
ートウッドを示す。この例では、ショートウッドになる
ほどネック長を短くしかつヒール側のその肉厚を増やし
ている。
【0091】図23はソールの厚みを順次増やした例を
示し、(a)はドライバーを示し、(b)はショートウ
ッドを示す。この例では、ドライバーに比べてショート
ウッドのソールの厚みを順次増やしかつその厚い部分を
ヒール側へ移動させることによって軸を傾けスイートス
ポットを低くする。
【0092】図24は(a)に示すドライバーに比べ
て、(b)に示すショートウッドのヒールがヘッド内部
のソール上側に重みを設け、それによって軸の向きを変
え、スイートスポットを下げるものである。
【0093】図25は(a)に示すロングアイアンのバ
ック側のヒール下部厚みtLに比べて、(b)に示すシ
ョートアイアンのバック側ヒール下部厚みtSを厚くし
て軸の傾きを傾け、スイートスポットを下げるものであ
る。
【0094】図26は(a)に示すドライバーのフェー
ス面ヒール高さYLおよびヒール部クラウン高さHLと、
(b)に示すショートウッドのフェース面高さYSおよ
びヒール部クラウン高さHSとがそれぞれYL>YS,JL
>JSとなるように選ぶことによって、軸を傾けスイー
トスポットを下げる。
【0095】図27は(a)に示すドライバーおよび
(b)に示すショートウッドのバック部ヒール高さY′
L,Y′Sを低くし、地面からのヒール部クラウン高さJ
L,JSを変えることによって軸を傾け、スイートスポッ
トを下げる。ただし、この場合にはY′L>Y′S,JL
>JSに選ばれる。
【0096】図28は(a)に示すロングアイアンおよ
び(b)に示すショートアイアンのソール下部にWL
Sの重量の重みを取付けてアスペクト比を順次小さく
し、スイートスポットを低くするものである。
【0097】図29は(a)に示すロングアイアンおよ
び(b)に示すショートアイアンのバック側のキャビテ
ィの厚さtL,tSを厚くし、ヘッド長を短くしてアスペ
クト比を順次小さくし、スイートスポットを下げるもの
であり、tL<tS,XL>XSに選ばれる。
【0098】図30は(a)に示すロングアイアンおよ
び(B)に示すショートアイアンのバック側のキャビテ
ィソール上のパワーブレードの高さをTL<TSにに変え
てアスペクト比を順次小さくし、スイートスポットを下
げる例である。
【0099】図31は(a)に示すロングアイアンおよ
び(B)に示すショートアイアンのヘッドトー側最突出
部Dからソールのヒール端部Eまでの長さXL,XSとネ
ック長NL,NSを短くすることでアスペクト比を小さく
し、スイートスポットを低くする。
【0100】図32は(a)に示すロングアイアンおよ
び(B)に示すショートアイアンのブレード厚BL,BS
を大きくしてアスペクト比を順次小さくし、スイートス
ポットを下げるものであり、BL>BSの関係となるよう
に選ばれる。
【0101】このように図10〜図32に示した実施形
態をゴルフクラブおよびそのセットに適用することによ
って、左右方向や飛打球方向の飛距離のばらつきを抑
え、ボールの初速が向上することによって飛距離が増大
する。
【0102】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0103】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、フェ
ース面に垂直な方向の慣性特性の向上を図りつつ、一般
プレイヤーの打点のばらつきを考慮して、左右方向の飛
距離のばらつきはもとより飛球線方向の飛距離のばらつ
きを抑えながら、ゴルフヘッドのスイートスポットと打
点中心を近づけることにより、打点のばらつきによるオ
フセットの距離をできるだけ減らすことができ、ボール
初速を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の原理を説明するための図である。
【図2】一般のプレイヤーが3番アイアンで打球したと
きの打点分布を示す図である。
【図3】一般のプレイヤーが6番アイアンで打球したと
きの打点分布を示す図である。
【図4】一般のプレイヤーが9番アイアンで打球したと
きの打点分布を示す図である。
【図5】慣性楕円体とXYZ軸との関係を示す図であ
る。
【図6】慣性楕円体をクラブヘッドの重心を通り、ロフ
ト角に平行な平面で切断したときの切断楕円面を示す図
である。
【図7】切断楕円面における方向ベクトルを示す図であ
る。
【図8】この発明の実施形態によるクラブヘッドによる
飛距離のばらつきを示す図である。
【図9】従来のクラブヘッドによる飛距離のばらつきを
示す図である。
【図10】この発明の実施形態を示す図である
【図11】ヘッド形状でアスペクト比と軸の向きを変え
た例を示す図である。
【図12】ヘッド形状でアスペクト比と軸の向きを変化
させた例を示す図である。
【図13】フェース形状でアスペクト比と軸の向きを変
化させた例を示す図である。
【図14】フェース形状でアスペクト比を変化させ、軸
の向きをネック長で変えた例を示す図である。
【図15】トー上側とヒールソール側に重量を配置して
アスペクト比と軸の向きを変えた例を示す図である。
【図16】トー側トップエッジの厚みを変化させ、ヒー
ル側ソール幅を変化させてアスペクト比と軸の向きを変
化させた例を示す図である。
【図17】トップエッジが切断面と地面との交線に対し
た角度を変化させてアスペクト比と軸の向きを変えた例
を示す図である。
【図18】トー側高さとヒール側高さの比を変えてアス
ペクト比と軸の向きを変える例を示す図である。
【図19】ヘッド形状を球に近づけ、アスペクト比を変
化させてトー上肉厚とヒール下肉厚を変えて軸を傾ける
例を示す図である。
【図20】ショートアイアンになるほどネック長を短く
するとともに、ネック径を太くして軸を傾けスイートス
ポットを下げた例を示す図である。
【図21】ヒール下の重量を増やして軸を傾けかつスイ
ートスポットを下げた例を示す図である。
【図22】ネックを短くし、ヒール側ソールの肉厚を増
やし、軸を傾けかつスイートスポットを下げた例を示す
図である。
【図23】ドライバーに比べてショートウッドのソール
の厚みを増やし、軸を傾けてスイートスポットを下げた
例を示す図である。
【図24】ヒール側ヘッド内部のソール上側に重みを設
け、それによって軸の向きを変えてスイートスポットを
下げた例を示す図である。
【図25】ショートアイアンのバック側ヒール下部厚み
を厚くして軸の向きを傾け、スイートスポットを下げた
例を示す図である。
【図26】ドライバーとショートウッドのフェース面ヒ
ール高さおよびヒール部クラウン高さを変えることによ
ってアスペクト比を変え、スイートスポットを下げた例
を示す図である。
【図27】バック部ヒール高さを低くし、ヒール部クラ
ウン高さを変えることによってアスペクト比を変え、ス
イートスポットを下げた例を示す図である。
【図28】ソール下部に所定の重量の重みを取付けてア
スペクト比を変化させて、スイートスポットを下げた例
を示す図である。
【図29】バック側のキャビティの厚さを変えることに
よってアスペクト比を変化させて、スイートスポットを
下げた例を示す図である。
【図30】バック側のキャビティソール上のパワーブレ
ードの高さを変えて、アスペクト比を変えてスイートス
ポットを下げた例を示す図である。
【図31】ヘッドトー側最突出部とソールのヒール端部
の長さを変え、かつネック長を変えて、アスペクト比を
変化させてスイートスポットを下げた例を示す図であ
る。
【図32】ブレード厚を大きくしかつロングアイアンと
ショートアイアンのブレード厚を所定の関係となるよう
にして、アスペクト比を変化させて、スイートスポット
を下げた例を示す図である。
【符号の説明】
1 クラブヘッド 2 ボール 3,4 ウェート部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下高 寛太 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35 号 美津濃株式会社内 (72)発明者 辻 圭 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35 号 美津濃株式会社内 (72)発明者 酒井 浩司 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35 号 美津濃株式会社内 Fターム(参考) 2C002 AA03 SS05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴルフクラブヘッドの重心を中心とした
    慣性楕円体をクラブヘッドの重心を通り、ロフト角に平
    行な平面で仮想的に切断したときに、その切断面に現わ
    れる平面楕円の長軸方向の角度が前記切断面と地面との
    交線に対してトー上がりの角度を有し、その角度が0.
    5°から9.5°の範囲に選ばれておりかつその平面楕
    円の長軸と短軸の比率であるアスペクト比が1〜4とな
    るように選ばれた、ゴルフクラブヘッド。
  2. 【請求項2】 前記ゴルフクラブヘッドは、番手が異な
    る複数のゴルフクラブのセットに用いられ、 前記番手が大きくなるに従って、その平面楕円の長軸方
    向の角度が前記切断面と地面との交線に対してほぼ同じ
    か順次大きく、かつ番手が大きくなるに従って、そのア
    スペクト比がほぼ同じかまたは順次小さくなるように選
    ばれている、請求項1に記載のゴルフクラブセット。
  3. 【請求項3】 前記角度の変化の割合が前記番手に従っ
    て番手間でほぼ一定の角度を刻んで選ばれる、請求項2
    に記載のゴルフクラブセット。
  4. 【請求項4】 前記番手が大きくなるに従って、そのア
    スペクト比が小さくなっていく割合がほぼ一定である、
    請求項2に記載のゴルフクラブセット。
  5. 【請求項5】 ゴルフクラブヘッドの重心を中心とした
    慣性楕円体をクラブヘッドの重心を通り、ロフト角に平
    行な平面で仮想的に切断したときに、その切断面に現わ
    れる平面楕円の長軸方向の角度が前記切断面と地面との
    交線に対してトー上がりの角度を有し、その角度が0.
    5°から9.5°の範囲に選ばれておりかつそのスイー
    トスポットの高さが10〜30mmの範囲に選ばれた、
    ゴルフクラブヘッド。
  6. 【請求項6】 前記ゴルフクラブヘッドは、番手が異な
    る複数のゴルフクラブのセットに用いられ、 前記番手が大きくなるに従って、その平面楕円の長軸方
    向の角度が切断面と地面との交線に対してほぼ同じか順
    次大きくかつ前記番手が大きくなるに従って、そのスイ
    ートスポットの高さがほぼ同じか順次低くなっていくよ
    うに選ばれた、請求項5に記載のゴルフクラブセット。
  7. 【請求項7】 前記角度の変化の割合が、番手に従って
    番手間でほぼ一定の角度を刻んで選ばれる、請求項6に
    記載のゴルフクラブセット。
  8. 【請求項8】 前記番手が大きくなるに従ってスイート
    スポット高さが小さくなっていく割合がほぼ一定であ
    る、請求項6に記載のゴルフクラブセット。
  9. 【請求項9】 ゴルフクラブヘッドの重心を中心とした
    慣性楕円体をクラブヘッドの重心を通り、ロフト角に平
    行な平面で仮想的に切断したときに、その平面楕円の長
    軸と短軸の比率であるアスペクト比が1〜4に選ばれか
    つそのスイートスポットの高さが10〜30mmの範囲
    に選ばれた、ゴルフクラブヘッド。
  10. 【請求項10】 さらに、前記切断面に現われる平面楕
    円の長軸方向の角度が切断面と地面との交線に対してト
    ー上がりの角度を有し、その角度が0.5°から9.5
    °の範囲に選ばれている、請求項9に記載のゴルフクラ
    ブヘッド。
  11. 【請求項11】 前記ゴルフクラブヘッドは、番手が異
    なる複数のクラブのセットに用いられ、 前記番手が大きくなるに従い、そのアスペクト比がほぼ
    同じかまたは順次小さくなっていき、かつ番手が大きく
    なるに従ってそのスイートスポットの高さがほぼ同じか
    順次低くなるように選ばれた、請求項9または10に記
    載のゴルフクラブセット。
  12. 【請求項12】 前記番手が大きくなるに従って、その
    アスペクト比が小さくなっていく割合がほぼ一定であ
    る、請求項11に記載のゴルフクラブセット。
  13. 【請求項13】 前記番手が大きくなるに従ってスイー
    トスポット高さが小さくなっていく割合がほぼ一定であ
    る、請求項11に記載のゴルフクラブセット。
  14. 【請求項14】 前記番手が大きくなるに従ってその平
    面楕円の長軸方向の角度が前記切断面と地面との交線に
    対して順次大きくなるように選ばれる、請求項9に記載
    のゴルフクラブセット。
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