JP2000284988A - オブジェクト指向システム解析装置及び方法並びにオブジェクト指向システム解析用ソフトウェアを記録した記録媒体 - Google Patents

オブジェクト指向システム解析装置及び方法並びにオブジェクト指向システム解析用ソフトウェアを記録した記録媒体

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JP2000284988A
JP2000284988A JP11091106A JP9110699A JP2000284988A JP 2000284988 A JP2000284988 A JP 2000284988A JP 11091106 A JP11091106 A JP 11091106A JP 9110699 A JP9110699 A JP 9110699A JP 2000284988 A JP2000284988 A JP 2000284988A
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processing unit
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Hisashi Miyata
尚志 宮田
Hideji Kawada
秀司 川田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オブジェクトと並行処理単位との関係をわか
りやすく表示することでオブジェクト指向システムの理
解を容易にする。 【解決手段】 静的情報解析部16が、ソースコード1
2を静的解析して静的解析情報を得る。実行時情報解析
部13が、オブジェクト指向システム11の実行によっ
て得られる情報を解析することで実行時情報を獲得す
る。表示情報作成部15は、これら静的解析情報及び実
行時情報に基づいて、表示の対象となる図表などを表す
表示情報を作成する。表示部10は、ユーザから与えら
れる表示切り替えなどの指示に基づいて、表示情報に基
づいた図表などの表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オブジェクト指向
システムを解析した情報を表示する技術の改良に関する
もので、より具体的には、オブジェクトと並行処理単位
との関係をわかりやすく表示するようにしたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、オブジェクトを単位として構
成されるコンピュータのソフトウェアとして、オブジェ
クト指向システムが知られている。ここで、オブジェク
トとは、現実の世界に存在する各種の実体に対応するソ
フトウェア上の単位であり、互いにメッセージを交換す
ることで情報処理の目的を達成するものである。そし
て、このようなオブジェクト指向システムについて、開
発や修正などの作業を支援する装置として、オブジェク
ト指向システム解析装置が従来から知られている。
【0003】このような従来のオブジェクト指向システ
ム解析装置は、オブジェクト指向システムの開発支援装
置や解析情報に関する表示装置などとも呼ばれ、その代
表的な機能は、与えられたソースコードを静的解析した
結果や、プログラム実行時に記録した情報を後で解析し
た結果として、オブジェクトやそのクラス間の関係や関
数呼び出し間の関係を、システム構成図上などで、関係
するクラス間を結ぶなどの形で表示したり、並行処理単
位間のやりとりなどを表示することであった。
【0004】また、従来のC言語のような手続き型言語
で記述されたシステムについても、解析した情報を表示
する装置は知られており、例えば、関数呼び出しを静的
に解析することで関数をノード、呼び出し関係を矢印で
示した図などで表示するものが知られていた。また、プ
ログラムを実行させた結果を記録し、その情報を元に並
行処理単位間のやり取りや並行処理単位へのCPU割り
当てをタイミングチャートを用いて表示するものも知ら
れていた。
【0005】そして、上記のような従来技術は、ソース
コードを静的に解析した情報や、プログラム実行時に記
録した情報を実行後に表示するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来技術は、オブジェクト指向システムについてはオ
ブジェクトを並行処理単位と考えて表示していたが、プ
ログラム実行時における実際の並行処理単位は、オブジ
ェクトであったりスレッドであったり、実装する環境に
応じて異なっている。
【0007】しかしながら、上記のような従来技術は、
このような相互に並行動作するタスクやスレッドのよう
な並行処理単位とオブジェクトとを区別し、両者間の関
係をわかりやすく表示したり、プログラムの実行と同時
に情報を表示するものではなかったため、オブジェクト
指向システムの構成や動作を理解することが困難であっ
た。
【0008】例えば、従来では、オブジェクトを並行処
理単位と見なし、解析結果に基づいて、オブジェクト間
のメッセージのやり取りをシーケンス図などで表示する
技術は知られていなかった。また、手続き型言語で記述
されたシステムを解析した情報を表示する装置として
も、どのデータにアクセスしているかを実行と同時に表
示したり、特に、オブジェクト指向システムにおけるオ
ブジェクトを単位として表示するものは知られていなか
った。
【0009】また、プログラムの実行途中で情報を得な
がら、そのような情報を実行と同時に表示する技術は知
られておらず、さらに、並行処理単位間で排他されるべ
きブロックを表示したり、オブジェクト指向システムに
おけるオブジェクト間の構造上の関係を考慮して並行処
理単位とオブジェクト間のやり取りを表示する技術も存
在しなかった。
【0010】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたもので、その目的は、オブ
ジェクトと並行処理単位との関係をわかりやすく表示す
ることでオブジェクト指向システムの理解を容易にする
技術、すなわちオブジェクト指向システム解析装置及び
方法並びにオブジェクト指向システム解析用ソフトウェ
アを記録した記録媒体を提供することである。また、本
発明の他の目的は、プログラムの実行と同時に情報を表
示する技術を提供することである。また、本発明の他の
目的は、並行処理単位間で排他すべきブロックを表示す
る技術を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、互いに並行動作する並行処理単
位と、オブジェクトと、を用いたオブジェクト指向シス
テムを解析するためのオブジェクト指向システム解析装
置において、前記オブジェクト指向システムについて、
前記オブジェクトに関するオブジェクト情報と、前記並
行処理単位に関する並行処理単位情報と、時間に関する
時間情報と、を得るための手段と、前記オブジェクト情
報、前記並行処理単位情報、前記時間情報のうち、少な
くとも2つ以上を組み合わせて表示するための表示手段
と、を備えたことを特徴とする。請求項21の発明は、
請求項1の発明を方法という見方からとらえたもので、
互いに並行動作する並行処理単位と、オブジェクトと、
を用いたオブジェクト指向システムを解析するためのオ
ブジェクト指向システム解析方法において、前記オブジ
ェクト指向システムについて、前記オブジェクトに関す
るオブジェクト情報と、前記並行処理単位に関する並行
処理単位情報と、時間に関する時間情報と、を得るため
のステップと、前記オブジェクト情報、前記並行処理単
位情報、前記時間情報のうち、少なくとも2つ以上を組
み合わせて表示するためのステップと、を含むことを特
徴とする。請求項22の発明は、請求項1,21の発明
を、コンピュータのソフトウェアを記録した記録媒体と
いう見方からとらえたもので、コンピュータを使って、
互いに並行動作する並行処理単位とオブジェクトとを用
いたオブジェクト指向システムを解析するためのオブジ
ェクト指向システム解析用ソフトウェアを記録した記録
媒体において、そのソフトウェアは前記コンピュータ
に、前記オブジェクト指向システムについて、前記オブ
ジェクトに関するオブジェクト情報と、前記並行処理単
位に関する並行処理単位情報と、時間に関する時間情報
と、を得させ、前記オブジェクト情報、前記並行処理単
位情報、前記時間情報のうち、少なくとも2つ以上を組
み合わせて表示させることを特徴とする。請求項1,2
1,22の発明によれば、オブジェクトと、相互に並行
動作するタスクやスレッドのようなプログラム中の並行
処理単位とを明確に区別し、それらに関する情報を視覚
的に区別できるように表示することで、オブジェクト指
向システムの複雑な構成や動作を容易に理解することが
できる。具体例としては、オブジェクト情報や並行処理
単位情報、両者間の関係を時間情報即ち時間の流れに沿
って図表などの形式で表示したり、これら3つの情報の
間の関係を同様に表示するなどが考えられる。より具体
的には、例えば、オブジェクトに関する情報としては、
どのようなオブジェクトが存在するかだけでなく、個々
のオブジェクトについて、それに関するクラス、インス
タンス、データメンバ、メソッド(または関数)などに
関する情報が考えられる。また、オブジェクトと並行処
理単位との関係としては、例えば、並行処理単位がどの
オブジェクトとを用いるかといった関係や、複数の並行
処理単位によってどのオブジェクトが用いられているか
といった関係が考えられる。また、時間情報としては、
例えば処理単位実行の前後関係や実時間のような時間に
関する情報が考えられ、そのような時間の流れを時間軸
とし、この時間軸に沿って他の情報や、情報の間の関係
を表示することが考えられる。さらに具体的には、二次
元平面上で縦軸、横軸の何れか一方を処理実行の前後関
係を表す時間軸とするなどが考えられる。このように、
時間という共通要素を持たせることにより、それぞれの
表示を切り替えて、異なる前記軸要素に関して情報を視
覚的に見せることが望ましい。以上により、従来技術で
は不明確であった並行処理単位とオブジェクトとの関係
が明確になり、それら情報を、図表を用いてグラフィカ
ルに表示することで視覚的に理解することが容易にな
る。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載のオブジ
ェクト指向システム解析装置において、前記表示手段
は、前記情報を図表の形式で表示するように構成された
ことを特徴とする。請求項2の発明では、情報を図表で
表示するので、情報の内容を視覚的に理解しやすくな
る。なお、図表とは、図や表だけでなく、二次元平面上
の位置に意味を持つ表現形式を広く含む。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
オブジェクト指向システム解析装置において、前記表示
手段は、前記オブジェクト情報と、前記時間情報と、を
表示するように構成されたことを特徴とする。請求項4
の発明は、請求項1から3のいずれか1つに記載のオブ
ジェクト指向システム解析装置において、前記表示手段
は、前記並行処理単位情報と、前記時間情報と、を表示
するように構成されたことを特徴とする。請求項3,4
の発明では、オブジェクト情報や並行処理単位情報を時
間情報との関係で表示することで、オブジェクトや並行
処理単位の振る舞いを時系列的に理解することが容易に
なる。
【0014】請求項5の発明は、請求項1から4のいず
れか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装置に
おいて、前記表示手段は、オブジェクトのクラスに関す
る情報と、前記時間情報と、を表示するように構成され
たことを特徴とする。請求項6の発明は、請求項1から
5のいずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解
析装置において、前記表示手段は、オブジェクトのイン
スタンスに関する情報と、前記時間情報と、を表示する
ように構成されたことを特徴とする。請求項7の発明
は、請求項1から6のいずれか1つに記載のオブジェク
ト指向システム解析装置において、前記表示手段は、オ
ブジェクトのクラスのデータメンバに関する情報と、前
記時間情報と、を表示するように構成されたことを特徴
とする。請求項8の発明は、請求項1から7のいずれか
1つに記載のオブジェクト指向システム解析装置におい
て、前記表示手段は、オブジェクトのクラスのメソッド
に関する情報と、前記時間情報と、を表示するように構
成されたことを特徴とする。請求項9の発明は、請求項
1から8のいずれか1つに記載のオブジェクト指向シス
テム解析装置において、前記表示手段は、オブジェクト
のインスタンスのデータメンバに関する情報と、前記時
間情報と、を表示するように構成されたことを特徴とす
る。請求項10の発明は、請求項1から9のいずれか1
つに記載のオブジェクト指向システム解析装置におい
て、前記表示手段は、オブジェクトのインスタンスのメ
ソッドに関する情報と、前記時間情報と、を表示するよ
うに構成されたことを特徴とする。請求項5から10の
発明では、オブジェクトのクラス、インスタンス、クラ
スのデータメンバ若しくはメソッド、インスタンスのデ
ータメンバ若しくはメソッドに関する詳細な情報が時間
情報との関係で表示できるので、オブジェクトの詳細な
構造や振る舞いを時系列的に容易に理解することができ
る。なお、これらの情報は、例えば、並行処理単位毎の
メソッド呼び出しに関する情報やクラスに関する情報を
解析することで得られ、解析結果を表示するときは、例
えば、二次元平面において、一方の軸に並行処理単位を
とり、他方の軸にオブジェクトのクラスをとって、並行
処理単位毎に用いているクラスを表示するなどの例が考
えられる。また、オブジェクトのクラス(インスタン
ス)のデータメンバとしては、オブジェクトの状態を表
す変数や条件分岐をおこす変数などが考えられる。
【0015】請求項11の発明は、請求項1から10の
いずれか1つに記載のオブジェクト指向システム分析装
置において、前記表示手段は、前記並行処理単位の状態
に関する情報と、前記時間情報と、に基づいて、前記図
表を表示するように構成されたことを特徴とする。請求
項11の発明では、個々の並行処理単位ごとに、例えば
実行可能状態(RUNNABLE)、実行状態(RU
N)、待ち状態(WAIT)などの状態を、時間軸に沿
って表示するので、並行処理単位ごとの状態把握が容易
になる。
【0016】請求項12の発明は、請求項1から11の
いずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装
置において、メソッド又は関数のうち少なくとも一方に
ついて、呼出し又は返りのうち少なくとも一方を、点又
は線のうち少なくとも一方によって表示するように構成
されたことを特徴とする。請求項12の発明では、オブ
ジェクトのメソッドや関数の呼び出しや帰りを点や線で
表示することで、各部分間での相互作用を視覚的に把握
することが容易になる。
【0017】請求項13の発明は、請求項1から12の
いずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装
置において、前記オブジェクト指向システムを静的解析
するための手段と、前記オブジェクト指向システムの実
行に基づいた実行時情報を得るための手段と、を備え、
前記表示手段は、前記静的解析によって得られた静的解
析情報と、前記実行時情報とに基づいて、前記各情報を
表示するように構成されたことを特徴とする。請求項1
3の発明では、静的解析の結果だけでなく、実行によっ
て得られる情報も利用して各種表示を行うので、オブジ
ェクト指向システムの構成や動作をより多次元的に正確
に把握することができる。なお、オブジェクトがどのよ
うなクラスからどのようにできているかはソースコード
から決まってくるため静的解析に適し、一方、スレッド
などの並行処理単位の生成や消滅の順序については、実
行時に情報を得ることで正確に把握することができる。
【0018】請求項14の発明は、請求項1から13の
いずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装
置において、前記表示手段は、前記オブジェクト指向シ
ステムの実行のとき、実行によって得られる情報に基づ
いて表示内容を更新していくように構成されたことを特
徴とする。請求項14の発明では、表示をリアルタイム
に更新することで、オブジェクト指向システムの動作を
正確に把握することが容易になる。
【0019】請求項15の発明は、請求項1から14の
いずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装
置において、前記表示手段は、前記情報の各項目を、内
容に応じて予め決められたグラフィックシンボルを用い
て表示するように構成されたことを特徴とする。請求項
15の発明では、図形などいろいろなグラフィックシン
ボルで情報を表示することで、情報を一見して視覚的に
把握することが容易になる。ここで、グラフィックシン
ボルの具体的な内容は自由に定めることができるが、例
えば線の種類は、色、太さの他、波線・破線・一点破線
といった形式やこれらの組み合わせによって互いに区別
することが考えられる。また、その他の図形の種類は、
色、大きさ、二重丸・三角・四角などの形式の他、絵
や、これらの組み合わせによって互いに区別することが
考えられる。
【0020】請求項16の発明は、請求項1から15の
いずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装
置において、前記表示手段は、複数の前記図表の全部又
は一部を切り替えて表示するように構成されたことを特
徴とする。請求項16の発明では、表示する図表の種類
や形式などを自由に切り替えることで、情報の把握が容
易になり、使い勝手が向上する。ここで、切り替えの例
としては、例えば、1つ又は複数表示している図表の種
類や形式などを全体として別のものに切り替えたり、複
数種類の情報を1つの図表に合成して表示する場合に、
合成する情報の種類を切り替える、などが考えられる。
【0021】請求項17の発明は、請求項1から16の
いずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装
置において、前記表示手段は、互いに関連する各情報を
それぞれ表す複数の図表のうち、全部または一部を切り
替えて表示するように構成されたことを特徴とする。請
求項17の発明では、ある図表に表示されている情報と
関連する他の情報を、別の図表の表示として呼び出すな
ど、情報の間の関係に基づいて図表を切り替え表示でき
るので、互いに関連する情報を順次効率よく確認するこ
とが容易になる。
【0022】請求項18の発明は、請求項1から17の
いずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装
置において、前記表示手段は、オブジェクトのうち、前
記各並行処理単位間で排他制御されるべきブロックを表
示するように構成されたことを特徴とする。請求項18
の発明では、オブジェクトのうち、排他制御されるべき
部分すなわちブロックを、表示の色を他の部分と異なら
せるなどによって表示する。具体的には、例えば、並行
処理単位間の依存関係をオブジェクトとの関係と結び付
け、オブジェクトの各部分のうち、例えば、並列処理単
位間で排他制御の対象となるべきブロックに対してアク
セスするメソッドを操作している部分を強調表示するな
どが考えられる。すなわち、並行処理単位間の依存関係
にかかわっているために排他制御を要するブロックをこ
のように把握できるようにすることで、排他制御に関す
る判断も容易になる。なお、ブロックとは、オブジェク
トの部分であり、データやメソッドや関数を含む一連の
手続きである。
【0023】請求項19の発明は、請求項1から18の
いずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装
置において、前記表示手段は、オブジェクトと並行処理
単位とを各軸に取った二次元平面において、前記排他制
御されるべきブロックを、他の部分とは異なった形式で
表示するように構成されたことを特徴とする。請求項1
9の発明では、オブジェクトと並行処理単位とをそれぞ
れの軸に取った二次元平面上で、排他制御されるべきブ
ロックを表示することで、そのようなブロックにかかわ
るオブジェクトと並行処理単位との関係を視覚的に把握
することが容易になる。
【0024】請求項20の発明は、請求項1から19の
いずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装
置において、前記オブジェクト指向システムについて、
少なくとも継承及び集約を含むクラス間の関係を表示す
るように構成されたことを特徴とする。請求項20の発
明では、オブジェクト指向特有の継承関係や集約関係の
ようなクラス間の構造関係についても表示したり、他の
情報の表示に反映させることで、オブジェクト指向シス
テムの構成と実際の振る舞いの詳細を視覚的に理解する
ことが容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
「実施形態」という)について図面を参照しながら説明
する。なお、本発明は、周辺機器を持つコンピュータ
を、ソフトウェアで制御することによって実現されるこ
とが一般的と考えられる。この場合、そのソフトウェア
は、この明細書の記載にしたがった命令を組み合わせる
ことで作られ、上に述べた従来技術と共通の部分には従
来技術で説明した手法も使われる。また、そのソフトウ
ェアは、プログラムコードだけでなく、プログラムコー
ドの実行のときに使うために予め用意されたデータも含
む。
【0026】そして、そのソフトウェアは、CPU、コ
プロセッサ、各種チップセットといった処理装置、キー
ボードやマウスといった入力装置、メモリやハードディ
スク装置といった記憶装置、ディスプレイやプリンタと
いった出力装置などの物理的な資源を活用することで本
発明の作用効果を実現する。
【0027】但し、本発明を実現する具体的なソフトウ
ェアやハードウェアの構成はいろいろ変更することがで
きる。例えば、ソフトウェアの形式には、コンパイラ、
インタプリタ、アセンブラなどいろいろあり、外部との
情報をやり取りするにも、フロッピーディスクなどの着
脱可能な記録媒体、ネットワーク接続装置などいろいろ
考えられる。また、本発明を実現するソフトウェアやプ
ログラムを記録したCD−ROMのような記録媒体は、
単独でも本発明の一態様である。さらに、本発明の機能
の一部をLSIなどの物理的な電子回路で実現すること
も可能である。
【0028】以上のように、コンピュータを使って本発
明を実現する態様はいろいろ考えられるので、以下で
は、本発明や実施形態に含まれる個々の機能を実現する
仮想的回路ブロックを使って、本発明と実施形態とを説
明する。
【0029】〔1.実施形態の概要〕本実施形態は、互
いに並行動作する並行処理単位と、オブジェクトと、を
用いたオブジェクト指向システムを解析するためのオブ
ジェクト指向システム解析装置である。すなわち、本実
施形態では、例えば図1に示すように、オブジェクト指
向システム11のソースコード12から得た静的解析情
報と、オブジェクト指向システム11から得た実行時情
報とに基づいて、表示情報作成部15が表示部10に表
示を行う。
【0030】例えば、図6の表示例では、上の方の太い
横線はスレッドで、これはいくつものオブジェクトやそ
のクラスを使って実現される一連の処理である。この例
では、個々のスレッドがオブジェクトのどのクラスを使
っているか、同じ模様で示している。また、表示を一部
隠したり(図7)、オブジェクトのメソッドを単位とし
て表示したり(図8)、スレッドの状態表示(図9)に
切り替えたりが可能である。また、別々のスレッドが同
じオブジェクトのデータにアクセスするような依存関係
を表示したり(図10)、表示内容をポップアップメニ
ュー(図11〜13)などで切り替えることもできる。
【0031】〔2.構成〕次に、図1は、本実施形態の
構成を示す機能ブロック図である。すなわち、本実施形
態は、実行時情報解析部13と、実行時情報格納部14
と、静的情報解析部16と、静的解析情報格納部17
と、表示情報作成部15と、表示情報格納部19と、表
示部10と、を備えている。
【0032】〔2−1.解析に関する構成〕このうち、
実行時情報解析部13は、オブジェクト指向システム1
1を実行させた時の情報(実行時情報と呼ぶ)を実行と
同時に解析する手段であり、解析した実行時情報を、実
行時情報格納部14と表示情報作成部15へ渡すように
構成されている。また、実行時情報格納部14は、実行
時情報解析部13によって解析された実行時情報を格納
するための手段である。
【0033】また、静的情報解析部16は、オブジェク
ト指向システム11のソースコード12を静的解析する
ための手段であり、この静的解析によってソースコード
から読み取られる情報を静的解析情報と呼ぶ。この静的
解析情報の具体的内容は自由に決めることができるが、
一例として、例えばオブジェクト間のメソッドの呼び出
し関係に関する情報や並行処理単位に関する情報などが
考えられる。
【0034】なお、オブジェクト指向システム11を構
成するオブジェクトの個数は有限個であるので、この静
的解析は、それらすべてに関して実施し、具体的には、
従来から公知の手法を利用することによって実現すれば
よい。また、この静的情報解析部16は、静的解析によ
って得た静的解析情報を、静的解析情報格納部17と表
示情報作成部15へ渡すように構成されている。すなわ
ち、静的解析情報格納部17は、静的情報解析部16に
よって解析された静的解析情報を格納するための手段で
ある。
【0035】また、実行時情報解析部13及び静的情報
解析部16は、オブジェクト指向システムについて、オ
ブジェクトに関するオブジェクト情報と、並行処理単位
に関する並行処理単位情報と、時間に関する時間情報
と、を得るための手段を構成している。
【0036】また、表示情報作成部15は、静的解析情
報と実行時情報及びその他実行中に得られる動的な情報
に基づいて、オブジェクトやその要素と、並行処理単位
との関係や状態などの表示内容を表す表示情報を作成す
る手段である。また、表示情報格納部19は、表示情報
作成部15によって作成された表示情報を格納する手段
であり、表示部10は、表示情報を表示するための手段
である。
【0037】すなわち、表示情報作成部15及び表示部
10は、前記オブジェクト情報、前記並行処理単位情
報、前記時間情報のうち、少なくとも2つ以上を組み合
わせて表示するための表示手段を構成している。つま
り、表示情報作成部15は、表示内容となる図表などの
表示情報を作成し、表示部10は、そのように作成され
た図表などの情報のうち、ユーザから与えられる操作に
対応したものを表示する役割を持つ。
【0038】〔2−2.表示情報作成に関する構成〕次
に、表示情報作成部15がどのように構成されているか
をより具体的に説明する。すなわち、表示情報作成部1
5は、静的情報解析部16によって静的に解析した情
報、実行時情報解析部13などによって実行時に記録さ
れた情報や実行中に実行システム側から獲得する情報の
全部又は一部を用いて、処理実行の前後関係を表す時間
情報と、オブジェクト情報や並行処理単位情報といった
情報を図表の形式で表示するように構成されている。
【0039】ここで、オブジェクト情報の例としては、
オブジェクトのクラス、インスタンス、クラスのデータ
メンバ若しくはメソッド(又は関数)、インスタンスの
データメンバ若しくはメソッド(又は関数)のそれぞれ
に関する情報を挙げることができ、表示情報作成部15
は、これらのうち、少なくともいずれかに関する詳細な
情報を、時間情報との関係で表示するように構成されて
いる。
【0040】なお、これらの情報は、例えば、並行処理
単位毎のメソッド呼び出しに関する情報やクラスに関す
る情報を解析することで得られ、解析結果を表示すると
きは、例えば、二次元平面において、一方の軸に並行処
理単位をとり、他方の軸にオブジェクトのクラスをとっ
て、並行処理単位毎に用いているクラスを表示するなど
の例が考えられる。また、オブジェクトのクラス(イン
スタンス)のデータメンバとしては、オブジェクトの状
態を表す変数や条件分岐をおこす変数などが考えられ
る。
【0041】また、表示情報作成部15は、並行処理単
位の状態と、オブジェクトのデータメンバとの関係を解
析し、また時間以外の前記要素間の関係を解析し、それ
らの情報を適宜表示情報格納部19に記録することで、
表示部10に提供するように構成されている。また、表
示情報作成部15は、少なくとも継承や集約を含むクラ
ス間の関係を表す情報を、表示情報格納部19へ送るよ
うに構成されている。
【0042】また、表示情報作成部15は、並行処理単
位−オブジェクト関係解析部51と、排他ブロックアク
セス解析部52と、を備え、このうち並行処理単位−オ
ブジェクト関係解析部51は、並行処理単位とオブジェ
クトとの関係を解析する部分であり、排他ブロックアク
セス解析部52は、各並行処理単位間で排他制御される
べきブロックを調べる部分である。
【0043】〔2−3.表示部の構成〕また、表示部1
0は、表示情報格納部19や表示情報作成部15から渡
される表示情報の各項目を、内容に応じて予め決められ
たグラフィックシンボルを用いて表示するように構成さ
れている。ここで、グラフィックシンボルの例として
は、 1.色 2.太さ 3.波線・破線・一点破線などの表示形式 4.前記1,2,3を組み合わせたもの のような線種や、 1.色 2.大きさ 3.二重丸・三角・四角などの表示形式 4.絵 5.前記1,2,3,4を組み合わせたもの のような点種などが挙げられる。
【0044】すなわち、表示部10は、このようなグラ
フィックシンボルを使って、並列処理単位毎やオブジェ
クト単位毎に互いに視覚的に区別できるような加工を行
い、情報を表示するように構成されている。また、表示
部10は、メソッド又は関数のうち少なくとも一方につ
いて、呼出し又は返りのうち少なくとも一方を、点又は
線のうち少なくとも一方によって表示するように構成さ
れている。
【0045】また、表示部10は、複数の図表の全部又
は一部を切り替えて表示したり、互いに関連する各情報
をそれぞれ表す複数の図表のうち、全部または一部を切
り替えて表示するように構成されている。
【0046】また、表示部10は、オブジェクトのう
ち、各並行処理単位間で排他制御されるべきブロックを
表示するように構成され、特に、前記排他制御されるべ
きブロックを、オブジェクトと並行処理単位とを各軸に
取った二次元平面において、他の部分とは異なった形式
で表示するように構成されている。
【0047】すなわち、並行処理単位間で排他すべきブ
ロックを表示するには、二次元平面において、前記シス
テム中のすべてのオブジェクトと並行処理単位とを軸と
して、両者間に存在する有限個の依存関係を表示する。
また、複数の並行処理単位が同じオブジェクトのクラス
のメソッドを用いている場合は、それら並行処理単位と
そのオブジェクトとを強調表示する。これにより、並行
処理単位とオブジェクトの間の依存関係を視覚的に理解
可能となり、また、排他制御すべきオブジェクトを視覚
的に理解することができる。
【0048】また、表示部10は、オブジェクト指向シ
ステムの実行のとき、実行によって得られる情報に基づ
いて表示内容をリアルタイムに更新していくように構成
されている。また、表示部10は、オブジェクト指向シ
ステムについて、少なくとも継承及び集約を含むクラス
間の関係を表示するように構成されている。
【0049】〔3.作用〕上記のように構成された本実
施形態は、次のように作用する。まず、図2は、本実施
形態の動作手順を示すフローチャートである。すなわ
ち、まず、解析の対象となるオブジェクト指向システム
11のソースコード12が与えられると、静的情報解析
部16が、ソースコード12を静的解析し(ステップ
1)、その結果である静的解析情報を内容に応じて静的
解析情報格納部17に格納し又は表示情報作成部15へ
渡す。
【0050】また、ソースコード12をコンパイルした
オブジェクト指向システム11の実行が開始されると
(ステップ2)、実行時情報解析部13が、実行によっ
て得られる情報を解析することで実行時情報を獲得し
(ステップ3)、この実行時情報を内容に応じて実行時
情報格納部14に格納し又は表示情報作成部15へ渡
す。
【0051】そして、表示情報作成部15は、これら静
的解析情報及び実行時情報に基づいて、表示の対象とな
る図表などを表す表示情報を作成し(ステップ4)、表
示部10は、ユーザから与えられる指示に基づいて表示
切り替えなどを行いながら(ステップ5)、表示情報に
基づいた図表などの表示を行う(ステップ6)。なお、
表示情報作成部15によって作成された表示情報は、内
容に応じて、表示情報格納部19を経て又は直接、表示
部10へ渡される。
【0052】また、この表示の内容は、オブジェクト指
向システム11の実行が続いている間は、表示情報作成
部15及び表示部10によって、ステップ3から6の手
順を繰り返すことでリアルタイムに更新されるが、オブ
ジェクト指向システムの実行が終了すると(ステップ
7)更新が終了する(ステップ8)。
【0053】〔4.実例〕次に、本実施形態における具
体的な表示例を示す。まず、オブジェクト指向システム
11のソースコード12すなわちプログラムの例を図3
から図5に示す。これら図3,4,5のプログラムは一
体のものであり、本実施形態により、このプログラムを
解析した情報に基づいた表示例を図6から図13に示
す。
【0054】まず、図6は、処理実行の前後関係を表す
時間tを横軸にとり、縦軸にオブジェクトの各クラスと
各並列処理単位を示す例である。なお、この図の縦軸に
おいて、一点鎖線より上方に各並行処理単位すなわちス
レッドを配置し、下方にオブジェクトの各クラスを配置
している。なお、スレッドは、複数のオブジェクトを使
って実行される一連の処理である。
【0055】そして、前記クラスから時間軸方向に直線
を引き、この線がボックス状に太くなっている部分は、
このクラスのライフサイクルを示している。なお、クラ
スや並行処理単位などについてライフサイクルというと
きは、そのクラスに基づくオブジェクトや並行処理単位
が生成後消滅までに活動する期間を意味する。
【0056】また、図6で、一点鎖線より下方の部分す
なわちクラス−時間平面上にある矢印は並行処理単位で
ある。そして、前記クラスからのびている直線上の星印
は並行処理単位の生成された時間を表している。それに
対応して、図6の一点鎖線より上方の部分すなわち並行
処理単位−時間平面上の太線は、下方での矢印や星印の
色や模様などに対応した並行処理単位それぞれのライフ
サイクルを示している。
【0057】また、上記のような表示では、画面選択な
ど予め決められた操作を行うことで、図7に示すよう
に、前記並行処理単位−時間平面を隠したりなど表示を
切り替えることができる。また、図6や図7のクラス−
時間平面を、例えば、オブジェクトのインスタンス−時
間平面などに切り替えられるようにしてもよい。また、
図8のように各クラスのメソッドを縦軸に取り、時間を
横軸にとった表示に切り替えることも考えられる。
【0058】また、図6や図7のクラス−時間平面にお
ける矢印は、より具体的には、前記並行処理単位が実行
する処理を表している。そして、それぞれの矢印にマウ
スのカーソルを合わせると、各矢印の付近に四角く囲ん
で示すように、どのメソッドを使っているかやどのデー
タメンバにアクセスしているかなどを表示することが望
ましい。また、この表示は、前記のようにマウスカーソ
ルを合わせたものだけ表示するだけでなく、図6や図7
のように常にすべてまたは一部を表示することもでき
る。また、このような表示は、前述のオブジェクトのイ
ンスタンス一時間平面に表示を切り替えた時でも、同様
に適用することが可能である。
【0059】また、図6または図7において、ある並行
処理単位を表す矢印を選択し、表示切り替えを行うと、
図9に示すように、並行処理単位の状態変化を、時間経
過にしたがって表示することも考えられる。さらに、状
態が変化している地点にマウスカーソルを合わせたり、
またはその状態でマウスのボタンをクリックすると、そ
の近傍に現われるポップアップウインドウなどに状態変
化の原因を表示するなども考えられる。
【0060】そして、このような状態変化やその原因と
いった情報は、実行ログなどの実行時情報から得ること
ができる。また、図9のような表示は、並行処理単位そ
れぞれに関して、与えることが望ましい。
【0061】また、図6では、時間軸をとっているため
に、どの並行処理単位が並列実行されているのかが直観
的にとらえにくい面があり、これは、ある実行順序を表
しているにすぎないためである。そこで、並列実行され
ている並行処理単位を直観的に捉えやすくするために、
時間軸を使わない表示に切り替えることも考えられる。
【0062】例えば、図10は、オブジェクトのインス
タンスと並行処理単位を軸とした二次元平面で、ある並
行処理単位があるオブジェクトのデータにアクセスして
いる場合に、その交点にアイコンをおく形で表示する例
で、そのアイコンを丸印で示すものある。また、例え
ば、その中で同じオブジェクトのインスタンスの同じ前
記排他すべきブロックにアクセスしているならば、図1
0において例えば黒い丸印で示すような強調表示を行
う。さらに、そのアイコンにマウスカーソルを合わせた
り、マウスのボタンをクリックすると、オブジェクトの
どのメソッドで衝突が起きているかを表示するなどが考
えられる(図10)。
【0063】また、例えば、図10において、黒く強調
表示されたアイコンをクリックすると、表示選択メニュ
ーが現れ(図11)、その中から「クラス階層表示」を
選択すると、図12のように表示内容が切り替わり、ま
た、図11の状態で「関数呼出リスト」を選択すると、
図13に示すように表示が切り替わり、呼び出している
関数のリストを表示するといった例も考えられる。
【0064】また、図12の表示は、前記オブジェクト
指向システムのクラス構造に関する情報を用いて、図中
BoundedCounterVSCが継承しているG
roundCounterを表示している。このような
表示により、従来技術では表現できなかった継承関係の
部分、例に則すると、実際はGroundCounte
rクラスのprotectedメンバのアクセスで衝突
していることを確認することができる。このようなクラ
ス階層を加えた表示では、各オブジェクトすべてまたは
一部を選択して見ることができる。
【0065】また、図13では、ダイアログウィンドウ
が開かれ、図10にて示されたinc()メソッドを展
開して、どのデータメンバにアクセスしているか、どの
ブロックにアクセスしているか、また、このメソッドが
原因でどの並行処理単位と衝突しているかを表示してい
る。
【0066】〔5.効果〕以上のように、本実施形態に
よれば、オブジェクトと、相互に並行動作するタスクや
スレッドのようなプログラム中の並行処理単位とを明確
に区別し、それらに関する情報を視覚的に区別できるよ
うに表示することで、オブジェクト指向システムの複雑
な構成や動作を容易に理解することができる。特に、い
ろいろな形で情報を表示するときに、時間という共通要
素を基準にすることで、それぞれの表示を切り替えて、
異なる軸の要素に関して情報を視覚的に見せることが望
ましい。以上により、従来技術では不明確であった並行
処理単位とオブジェクトとの関係が明確になり、それら
情報を、図表を用いてグラフィカルに表示することで視
覚的に理解することが容易になる。
【0067】また、本実施形態では、オブジェクトのク
ラス、インスタンス、クラスのデータメンバ若しくはメ
ソッド、インスタンスのデータメンバ若しくはメソッド
に関する詳細な情報が、時間情報との関係で表示される
ので、オブジェクトの詳細な構造や振る舞いを時系列的
に容易に理解することができる。
【0068】また、本実施形態では、情報を図表で表示
するので、情報の内容を視覚的に理解しやすくなる。ま
た、本実施形態では、オブジェクト情報や並行処理単位
情報を時間情報との関係で表示することで、オブジェク
トや並行処理単位の振る舞いを時系列的に理解すること
が容易になる。
【0069】また、本実施形態では、個々の並行処理単
位ごとに、例えば実行可能状態(RUNNABLE)、
実行状態(RUN)、待ち状態(WAIT)などの状態
を、時間軸に沿って表示するので、並行処理単位ごとの
状態把握が容易になる。また、本実施形態では、メソッ
ドや関数の呼び出しや帰りを点や線で表示することで、
各部分間での相互作用を視覚的に把握することが容易に
なる。
【0070】また、本実施形態では、静的解析の結果だ
けでなく、実行によって得られる情報も利用して各種表
示を行うので、オブジェクト指向システムの構成や動作
をより多次元的に正確に把握することができる。また、
本実施形態では、表示をリアルタイムに更新すること
で、オブジェクト指向システムの動作を正確に把握する
ことが容易になる。
【0071】また、本実施形態では、図形などいろいろ
なグラフィックシンボルで情報を表示することで、情報
を一見して視覚的に把握することが容易になる。また、
本実施形態では、表示する図表の種類や形式などを自由
に切り替えることで、情報の把握が容易になり、使い勝
手が向上する。
【0072】また、本実施形態では、ある図表に表示さ
れている情報と関連する他の情報を、別の図表の表示と
して呼び出すなど、情報の間の関係に基づいて図表を切
り替え表示できるので、互いに関連する情報を順次効率
よく確認することが容易になる。
【0073】また、本実施形態では、オブジェクトのう
ち、排他制御されるべき部分すなわちブロックを、表示
の色を他の部分と異ならせるなどによって表示するの
で、排他制御に関する判断も容易になる。
【0074】また、本実施形態では、オブジェクトと並
行処理単位とをそれぞれの軸に取った二次元平面上で、
排他制御されるべきブロックを表示することで、そのよ
うなブロックにかかわるオブジェクトと並行処理単位と
の関係を視覚的に把握することが容易になる。
【0075】また、本実施形態では、オブジェクト指向
特有の継承関係や集約関係のようなクラス間の構造関係
についても表示したり、他の情報の表示に反映させるこ
とで、オブジェクト指向システムの構成と実際の振る舞
いの詳細を視覚的に理解することが容易になる。
【0076】〔6.他の実施の形態〕なお、本発明は上
記実施形態に限定されるものではなく、次に例示するよ
うな他の実施形態も包含するである。例えば、並行処理
単位、オブジェクト、オブジェクト指向システム、オブ
ジェクト情報、並行処理単位情報、時間情報、図表とい
った個々の要素について、その具体的な形式は自由に決
めることができる。例えば、オブジェクト情報の具体的
な内容は、クラスやインスタンス等に関する情報には限
定されない。また、それら情報を図表ではなく文字で表
示することも可能であり、図表の切り替えや、排他制御
されるべきブロックの表示、継承や集約といったクラス
間関係の表示なども必須ではない。
【0077】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、オブジ
ェクトと並行処理単位との関係をわかりやすく表示する
ことでオブジェクト指向システムの理解を容易にするオ
ブジェクト指向システム解析装置及び方法並びにオブジ
ェクト指向システム解析用ソフトウェアを記録した記録
媒体を提供することができるので、オブジェクト指向シ
ステム開発の効率と精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック
図。
【図2】本発明の実施形態の動作手順を示すフローチャ
ート。
【図3】本発明の実施形態におけるオブジェクト指向シ
ステムのソースコードの一例を示す図(前半部)。
【図4】本発明の実施形態におけるオブジェクト指向シ
ステムのソースコードの一例を示す図(中間部)。
【図5】本発明の実施形態におけるオブジェクト指向シ
ステムのソースコードの一例を示す図(後半部)。
【図6】本発明の実施形態において、時間とオブジェク
ト、並行処理単位を軸に取った表示例を示す図。
【図7】本発明の実施形態において、時間とオブジェク
トのインスタンスを軸に取った表示例を示す図。
【図8】本発明の実施形態において、時間とオブジェク
トのメソッドを軸に取った並行処理単位動作表示例を示
す図。
【図9】本発明の実施形態において、全並行処理単位と
オブジェクト指向システムにおける全オブジェクトのイ
ンスタンスとの間の関係を表す表示例を示す図。
【図10】本発明の実施形態において、全並行処理単位
とオブジェクト指向システムにおける全オブジェクトの
インスタンスとの間の関係を表す表示において、表示切
り替え時の表示例を示す図。
【図11】本発明の実施形態において、全並行処理単位
とオブジェクト指向システムにおけるクラス間関係を含
んだ形式での全オブジェクトのクラスとの間の関係を表
す表示例を示す図。
【図12】本発明の実施形態において、全並行処理単位
とオブジェクト指向システムにおける全オブジェクトの
インスタンスとの間の関係を表す表示において、排他ブ
ロックに関する情報を表示がされている状態の表示例を
示す図。
【図13】本発明の実施形態において、並行処理単位と
オブジェクトとの間で送受信されるメソッド呼び出しを
表す表示例を示す図。
【符号の説明】
10…表示部 11…オブジェクト指向システム 12…ソースコード 13…実行時情報解析部 14…実行時情報格納部 15…表示情報作成部 16…静的情報解析部 17…静的解析情報格納部 19…表示情報格納部 51…並行処理単位−オブジェクト関係解析部 52…排他ブロックアクセス解析部

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに並行動作する並行処理単位と、オ
    ブジェクトと、を用いたオブジェクト指向システムを解
    析するためのオブジェクト指向システム解析装置におい
    て、 前記オブジェクト指向システムについて、前記オブジェ
    クトに関するオブジェクト情報と、前記並行処理単位に
    関する並行処理単位情報と、時間に関する時間情報と、
    を得るための手段と、 前記オブジェクト情報、前記並行処理単位情報、前記時
    間情報のうち、少なくとも2つ以上を組み合わせて表示
    するための表示手段と、 を備えたことを特徴とするオブジェクト指向システム解
    析装置。
  2. 【請求項2】 前記表示手段は、前記情報を図表の形式
    で表示するように構成されたことを特徴とする請求項1
    記載のオブジェクト指向システム解析装置。
  3. 【請求項3】 前記表示手段は、前記オブジェクト情報
    と、前記時間情報と、を表示するように構成されたこと
    を特徴とする請求項1又は2記載のオブジェクト指向シ
    ステム解析装置。
  4. 【請求項4】 前記表示手段は、前記並行処理単位情報
    と、前記時間情報と、を表示するように構成されたこと
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のオ
    ブジェクト指向システム解析装置。
  5. 【請求項5】 前記表示手段は、オブジェクトのクラス
    に関する情報と、前記時間情報と、を表示するように構
    成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1
    つに記載のオブジェクト指向システム解析装置。
  6. 【請求項6】 前記表示手段は、オブジェクトのインス
    タンスに関する情報と、前記時間情報と、を表示するよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項1から5のいず
    れか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装置。
  7. 【請求項7】 前記表示手段は、オブジェクトのクラス
    のデータメンバに関する情報と、前記時間情報と、を表
    示するように構成されたことを特徴とする請求項1から
    6のいずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解
    析装置。
  8. 【請求項8】 前記表示手段は、オブジェクトのクラス
    のメソッドに関する情報と、前記時間情報と、を表示す
    るように構成されたことを特徴とする請求項1から7の
    いずれか1つに記載のオブジェクト指向システム解析装
    置。
  9. 【請求項9】 前記表示手段は、オブジェクトのインス
    タンスのデータメンバに関する情報と、前記時間情報
    と、を表示するように構成されたことを特徴とする請求
    項1から8のいずれか1つに記載のオブジェクト指向シ
    ステム解析装置。
  10. 【請求項10】 前記表示手段は、オブジェクトのイン
    スタンスのメソッドに関する情報と、前記時間情報と、
    を表示するように構成されたことを特徴とする請求項1
    から9のいずれか1つに記載のオブジェクト指向システ
    ム解析装置。
  11. 【請求項11】 前記表示手段は、前記並行処理単位の
    状態に関する情報と、前記時間情報と、に基づいて、前
    記図表を表示するように構成されたことを特徴とする請
    求項1から10のいずれか1つに記載のオブジェクト指
    向システム解析装置。
  12. 【請求項12】 オブジェクトのメソッド又は関数のう
    ち少なくとも一方について、呼出し又は返りのうち少な
    くとも一方を、点又は線のうち少なくとも一方によって
    表示するように構成されたことを特徴とする請求項1か
    ら11のいずれか1つに記載のオブジェクト指向システ
    ム解析装置。
  13. 【請求項13】 前記オブジェクト指向システムを静的
    解析するための手段と、 前記オブジェクト指向システムの実行に基づいた実行時
    情報を得るための手段と、を備え、 前記表示手段は、前記静的解析によって得られた静的解
    析情報と、前記実行時情報とに基づいて、前記各情報を
    表示するように構成されたことを特徴とする請求項1か
    ら12のいずれか1つに記載のオブジェクト指向システ
    ム解析装置。
  14. 【請求項14】 前記表示手段は、前記オブジェクト指
    向システムの実行のとき、実行によって得られる情報に
    基づいて表示内容を更新していくように構成されたこと
    を特徴とする請求項1から13のいずれか1つに記載の
    オブジェクト指向システム解析装置。
  15. 【請求項15】 前記表示手段は、前記情報の各項目
    を、内容に応じて予め決められたグラフィックシンボル
    を用いて表示するように構成されたことを特徴とする請
    求項1から14のいずれか1つに記載のオブジェクト指
    向システム解析装置。
  16. 【請求項16】 前記表示手段は、複数の前記図表の全
    部又は一部を切り替えて表示するように構成されたこと
    を特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載の
    オブジェクト指向システム解析装置。
  17. 【請求項17】 前記表示手段は、互いに関連する各情
    報をそれぞれ表す複数の図表のうち、全部または一部を
    切り替えて表示するように構成されたことを特徴とする
    請求項1から16のいずれか1つに記載のオブジェクト
    指向システム解析装置。
  18. 【請求項18】 前記表示手段は、オブジェクトのう
    ち、前記各並行処理単位間で排他制御されるべきブロッ
    クを表示するように構成されたことを特徴とする請求項
    1から17のいずれか1つに記載のオブジェクト指向シ
    ステム解析装置。
  19. 【請求項19】 前記表示手段は、オブジェクトと並行
    処理単位とを各軸に取った二次元平面において、前記排
    他制御されるべきブロックを、他の部分とは異なった形
    式で表示するように構成されたことを特徴とする請求項
    1から18のいずれか1つに記載のオブジェクト指向シ
    ステム解析装置。
  20. 【請求項20】 前記オブジェクト指向システムについ
    て、少なくとも継承及び集約を含むクラス間の関係を表
    示するように構成されたことを特徴とする請求項1から
    19のいずれか1つに記載のオブジェクト指向システム
    解析装置。
  21. 【請求項21】 互いに並行動作する並行処理単位と、
    オブジェクトと、を用いたオブジェクト指向システムを
    解析するためのオブジェクト指向システム解析方法にお
    いて、 前記オブジェクト指向システムについて、前記オブジェ
    クトに関するオブジェクト情報と、前記並行処理単位に
    関する並行処理単位情報と、時間に関する時間情報と、
    を得るためのステップと、 前記オブジェクト情報、前記並行処理単位情報、前記時
    間情報のうち、少なくとも2つ以上を組み合わせて表示
    するためのステップと、 を含むことを特徴とするオブジェクト指向システム解析
    方法。
  22. 【請求項22】 コンピュータを使って、互いに並行動
    作する並行処理単位とオブジェクトとを用いたオブジェ
    クト指向システムを解析するためのオブジェクト指向シ
    ステム解析用ソフトウェアを記録した記録媒体におい
    て、 そのソフトウェアは前記コンピュータに、 前記オブジェクト指向システムについて、前記オブジェ
    クトに関するオブジェクト情報と、前記並行処理単位に
    関する並行処理単位情報と、時間に関する時間情報と、
    を得させ、 前記オブジェクト情報、前記並行処理単位情報、前記時
    間情報のうち、少なくとも2つ以上を組み合わせて表示
    させることを特徴とするオブジェクト指向システム解析
    用ソフトウェアを記録した記録媒体。
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