JP2000284051A - Pet装置 - Google Patents

Pet装置

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JP2000284051A
JP2000284051A JP8634899A JP8634899A JP2000284051A JP 2000284051 A JP2000284051 A JP 2000284051A JP 8634899 A JP8634899 A JP 8634899A JP 8634899 A JP8634899 A JP 8634899A JP 2000284051 A JP2000284051 A JP 2000284051A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2次元投影データおよび3次元投影データを
同時に獲得して高感度な光子対同時計数および有効な散
乱補正等を可能とすることができるPET装置を提供す
る。 【解決手段】 検出部10は、シールド11とシールド
12との間に積層された検出器リングR1〜R10を有す
る。検出器リングR1〜R10は、中心軸に垂直な面上に
リング状に配されたN個の光子検出器D1〜DNを有す
る。検出部10の内側すなわち測定空間1側に設けられ
たスライスセプタ20は、隣接する検出器リングの間の
位置に配された9枚のシールド板S1〜S9を含み、コリ
メート作用を奏する。スライスセプタ20を回転させな
がら測定を行うことにより、2次元投影データおよび3
次元投影データを同時に獲得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陽電子放出アイソ
トープ(RI線源)で標識された極微量物質の挙動を画
像化することができるPET装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PET(positron emission tomograph
y)装置は、RI線源が投入された生体(被検体)内に
おける電子・陽電子の対消滅に伴って発生し互い逆方向
に飛行する光子対を検出することにより、その被検体内
の極微量物質の挙動を画像化することができる装置であ
る。PET装置は、被検体が置かれる測定空間の周囲に
配列された多数の小型の光子検出器を有する検出部を備
えており、電子・陽電子の対消滅に伴って発生する光子
対を同時計数法で検出して蓄積し、この蓄積された多数
の同時計数情報すなわち投影データに基づいて、測定空
間における光子対の発生頻度の空間分布を表す画像を再
構成する。このPET装置は核医学分野等で重要な役割
を果たしており、これを用いて例えば生体機能や脳の高
次機能の研究を行うことができる。このようなPET装
置は、2次元PET装置、3次元PET装置およびスラ
イスセプタ撤去可能型3次元PET装置に大別される。
【0003】図13は、2次元PET装置の検出部の構
成を説明する図である。この図は、中心軸を含む面で検
出部を切断したときの断面を示している。2次元PET
装置の検出部10は、シールド11とシールド12との
間に積層された検出器リングR1〜R7を有している。検
出器リングR1〜R7それぞれは、中心軸に垂直な面上に
リング状に配された複数の光子検出器を有している。各
光子検出器は、例えばBGO(Bi4Ge312)等のシ
ンチレータと光電子増倍管とを組み合わせたシンチレー
ション検出器であり、中心軸を含む測定空間から飛来し
て到達した光子を検出する。また、この検出部10の内
側にはスライスセプタ20が備えられている。このスラ
イスセプタ20は、隣接する検出器リングの間の位置に
配された6枚のリング状のシールド板S1〜S6からな
る。このように構成される2次元PET装置の検出部1
0は、スライスセプタ20のコリメート作用により、中
心軸との角度が略90度の方向から飛来した光子対のみ
を同時計数することができる。すなわち、2次元PET
装置の検出部10により得られ蓄積された同時計数情報
すなわち2次元投影データは、同一の検出器リングまた
は隣接する(若しくは極めて近い)検出器リングに含ま
れる1対の光子検出器によるものに限られる。したがっ
て、2次元PET装置は、測定空間外の位置で発生した
光子対が散乱された散乱線を効率よく除外することがで
き、また、2次元投影データに対して吸収補正や感度補
正を容易に行うことができる。
【0004】図14は、3次元PET装置の検出部の構
成を説明する図である。この図も、中心軸を含む面で検
出部を切断したときの断面を示している。3次元PET
装置の検出部10の構成は、2次元PET装置の場合と
同様である。しかし、3次元PET装置ではスライスセ
プタが備えられていない。このように構成される3次元
PET装置の検出部10は、あらゆる方向から飛来した
光子対を同時計数することができる。すなわち、3次元
PET装置の検出部10により得られ蓄積される同時計
数情報すなわち3次元投影データは、任意の検出器リン
グに含まれる1対の光子検出器によるものが可能であ
る。したがって、3次元PET装置は、2次元PET装
置と比較して5倍〜10倍程度に高い感度で、光子対を
同時計数することができる。
【0005】図15は、スライスセプタ撤去可能型3次
元PET装置の検出部の構成を説明する図である。この
図も、中心軸を含む面で検出部を切断したときの断面を
示している。スライスセプタ撤去可能型3次元PET装
置の検出部10の構成は、2次元PET装置の場合と同
様である。しかし、スライスセプタ撤去可能型3次元P
ET装置では、スライスセプタ20は、シールド12の
側に設けられた待避空間に待避が可能である。すなわ
ち、スライスセプタ撤去可能型3次元PET装置は、ス
ライスセプタ20が検出器リングR1〜R5の内側の位置
にあるときには2次元PET装置と同等のものとなり
(図15(a))、スライスセプタ20が待避空間に待
避しているときには3次元PET装置と同等のものとな
る(図15(b))。したがって、スライスセプタ撤去
可能型3次元PET装置は、目的に応じて、2次元PE
T装置および3次元PET装置の何れか一方として用い
られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のPET装置は以下のような問題点を有している。す
なわち、2次元PET装置は、中心軸との角度が略90
度の方向から飛来した光子対のみを同時計数するもので
あることから、高感度に光子対を同時計数することがで
きない。一方、3次元PET装置は、測定空間以外の空
間で発生した光子対が散乱された散乱線を効率よく除外
することができず、また、散乱補正、吸収補正および感
度補正が困難または複雑であることから、良好な画像を
再構成することができない。
【0007】また、スライスセプタ撤去可能型3次元P
ET装置は、2次元投影データおよび3次元投影データ
それぞれを別の測定で獲得するものであることから、上
述した2次元PET装置および3次元PET装置それぞ
れが有する問題点を同時に解決することができない。ま
た、装置構成が複雑となり高価であるという問題点を有
する。
【0008】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、2次元投影データおよび3次元投影デ
ータを同時に獲得して高感度な光子対同時計数および有
効な散乱補正等を可能とすることができるPET装置を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るPET装置
は、(1) 中心軸を含む測定空間から飛来してきた光子を
各々検出する複数の光子検出器が中心軸に垂直な面上に
配された検出器リングを複数組含み、これら複数組の検
出器リングが中心軸に平行な方向に積層された検出部
と、(2) 複数組の検出器リングそれぞれを構成する複数
の光子検出器のうち一部のものの測定空間の側に、中心
軸を中心に回転自在に配され、飛来してきた光子のうち
中心軸に略垂直なもののみを通過させるスライスセプタ
と、(3) 検出部に含まれる光子検出器のうち1対の光子
検出器が光子対を同時計数したときに、その1対の光子
検出器のうち少なくとも一方の測定空間の側にスライス
セプタが存在しているか否かを判定するスライスセプタ
位置判定手段と、(4) 1対の光子検出器のうち少なくと
も一方の測定空間の側にスライスセプタが存在している
とスライスセプタ位置判定手段により判定されたとき
に、1対の光子検出器による光子対の同時計数情報を蓄
積する2次元投影データ蓄積手段と、(5) 1対の光子検
出器のうち何れの測定空間の側にもスライスセプタが存
在していないとスライスセプタ位置判定手段により判定
されたときに、1対の光子検出器による光子対の同時計
数情報を蓄積する3次元投影データ蓄積手段と、(6) 2
次元投影データ蓄積手段により同時計数情報が蓄積され
て生成された3次元投影データ、および、3次元投影デ
ータ蓄積手段により同時計数情報が蓄積されて生成され
た3次元投影データに基づいて、測定空間における光子
対の発生頻度の空間分布を表す画像を再構成する画像再
構成手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】このPET装置によれば、測定空間から飛
来した光子対が検出部の1対の光子検出器により同時計
数されると、その1対の光子検出器のうち少なくとも一
方の測定空間の側にスライスセプタが存在しているか否
かがスライスセプタ位置判定手段により判定される。こ
の判定は、例えば、回転位置検出センサにより検出され
たスライスセプタの回転位置に基づいて行われる。も
し、スライスセプタ位置判定手段により少なくとも一方
の測定空間の側にスライスセプタが存在していると判定
されたときには、その1対の光子検出器による光子対の
同時計数情報は、2次元投影データ蓄積手段により蓄積
される。逆に、スライスセプタ位置判定手段により何れ
も測定空間の側にスライスセプタが存在していないと判
定されたときには、1対の光子検出器による光子対の同
時計数情報は、3次元投影データ蓄積手段により蓄積さ
れる。そして、画像再構成手段により、2次元投影デー
タ蓄積手段により同時計数情報が蓄積されて生成された
3次元投影データ、および、3次元投影データ蓄積手段
により同時計数情報が蓄積されて生成された3次元投影
データに基づいて、測定空間における光子対の発生頻度
の空間分布を表す画像が再構成される。このように、2
次元投影データおよび3次元投影データは1回の測定で
同時に得られる。したがって、このように2次元投影デ
ータおよび3次元投影データを同時に獲得して画像再構
成を行うことにより、光子対を高感度に同時計数するこ
とができ、且つ、散乱補正等を行うことができる。
【0011】本発明に係るPET装置の画像再構成手段
は、2次元投影データのうち空間周波数が低い成分、お
よび、3次元投影データのうち空間周波数が高い成分に
基づいて、画像の再構成を行うことを特徴とする。この
場合には、光子対を高感度に同時計数して3次元投影デ
ータを得ることが好適にでき、且つ、2次元投影データ
に基づいて散乱補正を有効に行うことが好適にできる。
しかも、大きい傾斜角の投影データにおける散乱補正が
可能となる。
【0012】本発明に係るPET装置は、スライスセプ
タの測定空間の側に中心軸と平行な棒状の校正線源を設
けて、2次元投影データ蓄積手段に蓄積された2次元投
影データに基づいて、画像再構成手段により再構成され
る画像を補正する補正手段を更に備えることを特徴とす
る。この場合には、検出器感度補正および吸収補正が好
適に行われ、良好な再構成画像が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0014】図1は、本実施形態に係るPET装置の検
出部およびスライスセプタの構成を説明する図である。
図1(a)は、中心軸に平行な方向に検出部10を見た
ときの図を示しており、図1(b)は、中心軸を含む面
で検出部10を切断したときの断面を示している。
【0015】本実施形態に係るPET装置の検出部10
は、シールド11とシールド12との間に積層された検
出器リングR1〜R10を有している。検出器リングR1
10それぞれは、中心軸に垂直な面上にリング状に配さ
れたN個の光子検出器D1〜DNを有している。光子検出
器D1〜DNそれぞれは、例えばBGO(Bi4Ge
312)等のシンチレータと光電子増倍管とを組み合わ
せたシンチレーション検出器であり、中心軸を含む測定
空間1から飛来してきて到達した光子を検出する。
【0016】この検出部10の内側すなわち測定空間1
側にはスライスセプタ20が備えられている。スライス
セプタ20は、隣接する検出器リングの間の位置に配さ
れた9枚のシールド板S1〜S9を含む。シールド板S1
〜S9それぞれは、電子・陽電子の対消滅に伴って発生
し互い逆方向に飛行する光子対すなわちエネルギ511
keVのγ線を吸収する材料(例えば、タングステン、
鉛)からなる。スライスセプタ20は、コリメート作用
を奏し、中心軸との角度が略90度の方向から飛来した
光子対のみを、その後方にある光子検出器に入射させ
る。
【0017】シールド板S1〜S9それぞれは、リング状
ではなく、各検出器リングそれぞれを構成するN個の光
子検出器D1〜DNのうち一部のもの(図1では光子検出
器D 3〜D10)の測定空間1側に設けられている。な
お、スライスセプタ20の後方にある光子検出器の個数
をn(図1では8個)とすると、n/Nの値は、1/2
以下が好適であり、1/10〜1/6程度が特に好適で
ある。また、スライスセプタ20は、中心軸を中心に回
転自在であって、連続回転、ステップ回転または往復回
転を行う。スライスセプタ20の回転位置は、回転位置
検出センサにより検出され、或いは、その回転を制御す
るセプタ回転駆動部により把握される。
【0018】検出部10では、1対の光子検出器のうち
少なくとも一方がスライスセプタ20の後方にある場合
には、これら1対の光子検出器は、中心軸との角度が略
90度の方向から飛来した光子対のみを同時計数する。
また、これらの1対の光子検出器は、測定空間外の位置
で発生した光子対が散乱された散乱線を効率よく除外す
ることができる。すなわち、これら1対の光子検出器に
より得られる同時計数情報は、2次元PET装置におい
て得られるものと同等のものである。以下では、この同
時計数情報を2次元同時計数情報と呼ぶ。
【0019】一方、1対の光子検出器の何れもスライス
セプタ20の後方にない場合には、これら1対の光子検
出器は、あらゆる方向から飛来した光子対を同時計数す
ることができる。すなわち、これら1対の光子検出器に
より得られる同時計数情報は、3次元PET装置におい
て得られるものと同等のものである。以下では、この同
時計数情報を3次元同時計数情報と呼ぶ。
【0020】2次元同時計数情報の幾何学的検出効率
は、同一検出器リング面(ダイレクトプレーン)内で最
も高く、検出器リング番号(検出器リングの符号Rnに
おける値n)の差すなわちリング差δが大きいほど、ス
ライスセプタ20の遮蔽効果に因り減少する。その実効
的な軸方向視野角φ2Dは、
【0021】
【数1】 なる式で表される。ここで、Dは検出器リングの内径、
dは光子検出器の軸方向の幅、ε(δ)はダイレクトプレ
ーンに対して傾斜する投影の相対的な検出感度、δmax
は2次元同時計数情報の蓄積における最大リング差であ
る。
【0022】一方、3次元同時計数情報の蓄積における
軸方向視野角をφ3Dとし、全ての光子検出器の個数Nに
対するスライスセプタ20の後方に存在する光子検出器
の個数nの比をs(=n/N)とする。このとき、3次
元同時計数情報および2次元同時計数情報それぞれの検
出感度の比Rは、
【0023】
【数2】 なる近似式で表される。ここで、wはスライスセプタ2
0の径方向の幅である。なお、この式の導出に際して
は、光子の吸収および散乱の効果を無視した。例えば、
φ2D=1°、φ3D=10°、s=1/8、d=6mm、
w=1mmとすると、R=36となる。
【0024】図2は、本実施形態に係るPET装置の全
体構成を概念的に説明するブロック図である。セプタ回
転駆動部30は、中心軸を中心にしてスライスセプタ3
0を回転駆動させるものであり、回転位置検出センサ4
0は、スライスセプタ20の回転位置を検出するもので
ある。測定空間1に被検体2をおいて行う1回の測定の
期間中、スライスセプタ20はセプタ回転駆動部30に
より駆動されて回転しており、また、スライスセプタ2
0の回転位置は回転位置検出センサ40により常に把握
されている。そして、1対の光子検出器が光子対を同時
計数したときに、その1対の光子検出器のうち少なくと
も一方がスライスセプタ20の後方に位置するか否かが
判定される。この判定は、回転位置検出センサ40によ
り検出されたスライスセプタ20の回転位置に基づいて
なされる。
【0025】もし、一方の光子検出器がスライスセプタ
20の後方に位置すると判定されれば、その1対の光子
検出器が検出した同時計数情報は2次元同時計数情報で
あると判断され、その2次元同時計数情報は2次元投影
データ蓄積部51に蓄積される。一方、そうでなけれ
ば、その1対の光子検出器が検出した同時計数情報は3
次元同時計数情報であると判断され、その3次元同時計
数情報は3次元投影データ蓄積部52に蓄積される。こ
のようにして、2次元同時計数情報および3次元同時計
数情報それぞれは互いに個別に蓄積されてヒストグラム
が作成される。以下では、2次元同時計数情報のヒスト
グラムを2次元投影データと呼び、また、3次元同時計
数情報のヒストグラムを3次元投影データと呼ぶ。
【0026】データ処理部60は、2次元投影データお
よび3次元投影データに基づいて、被検体2内における
光子対の発生頻度の空間分布を示す画像を再構成する。
また、データ処理部60は、検出器感度補正、吸収補正
および散乱補正をも行う。画像表示部70は、データ処
理部60により再構成された画像を表示する。
【0027】次に、ブランク測定およびトランスミッシ
ョン測定について説明する。図3は、校正線源を用いた
ブランク測定およびトランスミッション測定の説明図で
ある。図4は、校正線源の説明図である。これらの図
は、図1(a)と同様に、中心軸に平行な方向に見たと
きの図を示している。
【0028】校正線源3は、例えば68Geの棒状のもの
であって、スライスセプタ20の測定空間1側の中央付
近に接して中心軸に平行に配置される。また、校正線源
3を挟んで2つのシールド3Aおよび3Bが設けられて
いる。スライスセプタ20ならびにシールド3Aおよび
3Bにより、検出部10により3次元同時計数情報が検
出されることなく、2次元同時計数情報のみが検出され
る。このようにすることにより、散乱線の寄与が減少さ
れ、校正線源3の近くの光子検出器の計数率の異常な上
昇が防止される。また、スライスセプタ撤去可能型3次
元PET装置のために開発された吸収補正法を適用する
ことができる。
【0029】測定空間1に被検体2を置くことなく、校
正線源3とともにスライスセプタ20を回転させてブラ
ンク測定を行う。そして、このようにして2次元投影デ
ータ蓄積部20に蓄積された2次元投影データがブラン
クデータであり、このブランクデータに基づいて検出器
感度補正が行われる。また、測定空間1に被検体2を置
いて、校正線源3とともにスライスセプタ20を回転さ
せてトランスミッション測定を行う。そして、このよう
にして2次元投影データ蓄積部20に蓄積された2次元
投影データがトランスミッションデータであり、このト
ランスミッションデータに基づいて吸収補正が行われ
る。なお、RI線源が投入された被検体2を測定空間1
に置き、校正線源3とともにスライスセプタ20を回転
させて、エミッション測定とトランスミッション測定と
を同時に行ってもよい。
【0030】また、検出器感度補正に際しては、「間接
的感度校正法」を用いるのが好適である。図5および図
6それぞれは、検出器感度補正の説明図である。校正線
源3から発生した光子対が飛行する直線すなわち同時計
数線Lに対する検出感度は、その光子対を同時計数する
1対の光子検出器DiおよびDjそれぞれの検出効率と種
々の幾何学的因子εijとの積として推定される(図5参
照)。ここで、幾何学的因子εijは、検出器リング差δ
や、測定空間の中心点から同時計数線Lまでの距離等が
考慮された因子である。これらの因子の中でも光子検出
器それぞれの検出効率は、時間的に安定しておらず変動
するので、定期的に校正を行う必要がある。
【0031】本実施形態に係るPET装置は、棒状の校
正線源3を用いた測定により、スライスセプタ20によ
りコリメートされた光子検出器Djおよびコリメートさ
れない光子検出器Diにより光子対を同時計数するの
で、各光子検出器がコリメートされたときの検出効率
と、各光子検出器がコリメートされないときの検出効率
とを、1回のブランク測定から「fun sum法」を用いて
同時に求めることができる(図6参照)。すなわち、コ
リメートされた光子検出器Diを通る多数の同時計数線
に関する同時計数情報の平均値に基づいて光子検出器D
iの検出効率を求める。同様にして、コリメートされた
光子検出器Djの検出効率を求める。2次元投影データ
の校正は、光子検出器がコリメートされたときの検出効
率に基づいて行われ、一方、3次元投影データの校正
は、光子検出器がコリメートされないときの検出効率に
基づいて行われる。
【0032】次に、散乱補正および画像再構成について
説明する。一般に、散乱線のレスポンス(点状線源また
は棒状線源に対する投影データにおける散乱同時計数の
分布)は、2次元投影データと3次元投影データとでは
大きく異なっている。すなわち、2次元投影データにお
ける散乱線は、主に検出部10の内側すなわち測定空間
1内または極近傍での散乱に起因し、中心軸に平行に置
かれた棒状線源3に対する散乱レスポンスは、指数関数
によってよく近似される。一方、3次元投影データにお
ける散乱線は、主に測定空間1から離れた場所での散乱
に起因する。3次元投影データにおける散乱線の散乱レ
スポンスは、高い空間周波数成分を殆ど含まず、極低い
空間周波数成分を主に含み、ガウス関数または放物線関
数によってよく近似される。そこで、本実施形態に係る
PET装置では、以下に説明するように、2次元投影デ
ータを利用することにより、3次元投影データにおける
散乱線の寄与を正確に補正(散乱補正)して画像再構成
する。
【0033】以下に説明する方法は、「差分法(differ
ence method)」呼ばれるものである。この方法では、
或るダイレクトプレーンに対して、2次元同時計数情報
の蓄積から3次元同時計数情報の蓄積に変更したときの
散乱成分の増加分が、3次元投影データと2次元投影デ
ータとの差から推定できると仮定する。すなわち、この
散乱成分の増加分S'(r,θ)は、
【0034】
【数3】 なる式で与えられると仮定する。ここで、rは投影の位
置座標であり、θは投影の方位角であり、p2D(r,θ)
は2次元投影データであり、p3D(r,θ)は3次元投影
データであり、ε(r,θ)は効率補正因子である。
【0035】さらに、2次元投影データに含まれる散乱
成分の影響を補正するために、3次元投影データの全散
乱成分S(r,θ)は上記(3)式の散乱分布S'(r,θ)に補
正因子k(θ)を乗じて、
【0036】
【数4】 なる式で表される。補正因子k(θ)は、線源が存在する
領域以外の領域における2次元投影データおよび3次元
投影データそれぞれの分布を比較することにより決定さ
れる。
【0037】各々の検出器リング番号がn,mである2
つの検出器リングRn,Rmの間で得られる傾斜した投影
における散乱分布pn,m(r,θ)は、検出器リング番号が
int((n+m)/2) であるダイレクトプレーンの散乱分布
と、検出器リング番号が int((n+m)/2)+1 であるダイレ
クトプレーンの散乱分布とから、直線補間により得られ
る。ここで、int は、整数化を行うことを表す演算記号
である。ここでは、小さい傾斜角の投影の散乱分布は、
その中央位置付近のダイレクトプレーンの散乱分布に略
等しいと仮定している。
【0038】このようにして推定された散乱分布を、例
えば半値幅25mmのガウス型フィルタにより充分に平
滑化して、3次元投影データから差し引く。この差し引
いた結果、散乱補正された3次元投影データが得られ
る。そして、この3次元投影データについて、吸収補正
を行い、適当な3次元再構成アルゴリズムにより画像が
再構成される。
【0039】以上に説明した「差分法」は、スライスセ
プタ撤去可能型PET装置の為に提案されたものであ
り、その妥当性が実際の装置で確認されている。しか
し、スライスセプタ撤去可能型PET装置における「差
分法」には、以下のような2つの大きな限界がある。第
1の限界は、2次元投影データと3次元投影データとは
互いに別の測定により蓄積されることから、線源の陽電
子放出能の分布が速く変化する場合や動態研究の場合に
は応用できないことである。第2の限界は、大きい傾斜
角の投影の散乱分布の推定精度が悪いことである。しか
し、本実施形態に係るPET装置では、2次元投影デー
タと3次元投影データとは1回の測定により同時に蓄積
されることから、第1の限界は問題にはならない。ま
た、本実施形態に係るPET装置は、以下の方法(「加
算法」と呼ぶ)により第2の限界を克服する。
【0040】図7は、散乱補正および画像再構成の手順
を説明するフローチャートである。このフローチャート
で説明する「加算法」は、2次元投影データに基づいて
低い空間周波数成分の画像を再構成するとともに、3次
元投影データに基づいて高い空間周波数成分の画像を再
構成し、これら2つの再構成画像を加算して、最終的な
再構成画像を得るものである。このようにすることによ
り、大きい傾斜角の投影データにおける散乱補正が可能
となる。また、低い空間周波数成分の画像は、2次元投
影データに基づいて得られるので、測定空間1以外の空
間からの散乱の寄与が小さい。
【0041】3次元投影データについては、初めに、上
記の「差分法」またはより簡便な方法(例えば「ガウス
関数フィッティング法」など)により、散乱補正が施さ
れる。この散乱補正は近似的なもので充分である。「ガ
ウス関数フィッティング法」は、被検体以外の領域(散
乱のみが計測される領域)の投影データをガウス関数で
フィッティングすることにより、被検体における散乱成
分を推定する方法である。なお、この散乱補正は、続く
吸収補正を適切に行う為に必要である。続いて、この散
乱補正された3次元投影データについて、通常の吸収補
正が施され、ハイパスフィルタh(r)により低周波数成
分が除去され、3次元再構成アルゴリズムにより高周波
画像が画像再構成される。ハイパスフィルタは、3次元
投影データに含まれる散乱成分の殆どを除去するように
設計される。
【0042】一方、2次元投影データについては、例え
ば「2エネルギーウィンドウ法」や「重畳積分差し引き
法」等により散乱補正が施され、続いて、吸収補正が施
され、ローパスフィルタg(r)により高周波数成分が除
去され、2次元再構成アルゴリズムにより低周波画像が
画像再構成される。このローパスフィルタg(r)の周波
数レスポンスF[g(r)]は、ハイパスフィルタh(r)の
周波数レスポンスF[h(r)]に対し相補的であるように
設計される。すなわち、F[g(r)]+F[h(r)]=1な
る関係式が成り立つ。なお、F[・]はフーリエ変換を表
す。
【0043】最終的な再構成画像は、3次元同時計数情
報および2次元同時計数情報それぞれの検出感度を考慮
した上で、3次元投影データに基づいて得られた高周波
画像と、2次元投影データに基づいて得られた低周波画
像とを、適当な荷重をかけて加算することにより得られ
る。
【0044】図8は、散乱補正および画像再構成の他の
手順を説明するフローチャートである。このフローチャ
ートで説明する方法は、上記「加算法」で3次元投影デ
ータについて「フーリエリビニング(Fourier rebinnin
g:FRB)法」を採用したものであり、計算効率が大幅
に改善される。
【0045】3次元投影データについては、初めに、上
記の「差分法」またはより簡便な方法(例えば「ガウス
関数フィッティング法」など)により散乱補正が施され
る。この散乱補正は近似的なもので充分である。なお、
この散乱補正は、続く吸収補正を適切に行う為に必要で
ある。続いて、この散乱補正された3次元投影データに
ついて、通常の吸収補正が施され、「FRB法」による
処理がなされる。
【0046】図9は、FRB法を説明する図である。F
RB法では、ダイレクトプレーンに対して傾斜した投影
(図9(a))について得られた3次元投影データ(図
9(b))は変数rおよびθに関して2次元フーリエ変
換されて、変数nおよびωに関する2次元フーリエ変換
マップ(図9(c))が得られる。この2次元フーリエ
変換マップは、「周波数の距離の関係(Frequency-dist
ance relation)」すなわち「γ=−n/ω」を用い
て、ダイレクトプレーンの2次元フーリエ変換マップ
(図9(d))に変換される。このようにして得られた
各ダイレクトプレーンの2次元フーリエ変換マップは2
次元逆フーリエ変換されて、ダイレクトプレーンの投影
データ(図9(e))が得られる。そして、この各ダイ
レクトプレーンの投影データは、2次元画像再構成され
て、再構成画像(図9(f))が得られる。
【0047】図8に示したフローチャートでは、近似的
な散乱補正および吸収補正が施された3次元投影データ
に基づいてFRB法により作成されたダイレクトプレー
ンの投影データ(図9(e))は、ハイパスフィルタh
(r)により低周波数成分が除去される。このハイパスフ
ィルタは、3次元投影データに含まれる散乱成分の殆ど
を除去するように設計される。
【0048】一方、2次元投影データについては、例え
ば「2エネルギーウィンドウ法」や「重畳積分差し引き
法」等により散乱補正が施され、続いて、吸収補正が施
され、ローパスフィルタg(r)により高周波数成分が除
去される。このローパスフィルタg(r)の周波数レスポ
ンスF[g(r)]は、ハイパスフィルタh(r)の周波数レ
スポンスF[h(r)]に対し相補的であるように設計され
る。すなわち、F[g(r)]+F[h(r)]=1なる関係式
が成り立つ。
【0049】そして、3次元投影データの低周波数成分
と2次元投影データの高周波数成分とは、各ダイレクト
プレーン毎に、3次元同時計数情報および2次元同時計
数情報それぞれの検出感度を考慮した上で、適当な加重
をかけて加算される。最終的な再構成画像は、この加算
された投影データに基づいて、2次元再構成アルゴリズ
ムにより得られる。
【0050】以上のように、この方法では3次元画像再
構成を行わないので計算時間が短い。また、FRB法
は、ダイレクトプレーンに対して傾斜した投影について
得られた3次元投影データに含まれる非常に低い周波数
成分について誤差を生ずることが知られているが、本実
施形態では低周波数成分が除去されるので、この欠点は
問題とはならない。
【0051】次に、同時計数情報の統計的変動に因る低
周波画像のrms(root mean square)誤差について述
べる。低周波画像のrms誤差の大きさは、高周波画像
のrms誤差の大きさと比較して充分に小さいことが望
ましい。「フィルタ逆投影(filtered backprojectio
n)法」による通常の2次元画像再構成では、解像力
(半値幅)をaとし、全計数値をTとすると、得られる
画像の相対的rms雑音は、(a3T)-1/2に略比例す
る。したがって、低周波画像および高周波画像それぞれ
のrms雑音の比ratiormsは、
【0052】
【数5】 なる式で与えられる。ここで、a3Dは、3次元投影デー
タに基づいて得られる画像の解像力であり、a2Dは、2
次元投影データに基づいて得られる画像の解像力であ
る。R'は、3次元同時計数情報および2次元同時計数
情報それぞれの全計数値の比である。それぞれの場合の
散乱比率が異なることから、R'は、3次元同時計数情
報および2次元同時計数情報それぞれの検出感度の比R
(上記(2)式)より幾らか大きい。
【0053】例えば、断面有効視野が直径256mmで
ある頭部(脳)用PET装置を考えると、3次元投影デ
ータに含まれる散乱成分のガウス関数成分の最も狭い半
値幅は約100mm以上であると想定される。そこで、
もし、a2D=50mmとし、a3D=3mmとし、R'=
50とすれば、ratiormsは0.104となる。この数値
例は、充分な計数値が得られる高解像度測定の場合のも
のである。計数値が少ない場合には、a3Dを大きくする
必要があり、その結果、ratiormsは増大する。例えば、
3D=10mmとすると、ratiormsは0.632とな
る。
【0054】以上のように、本実施形態に係るPET装
置は、2次元投影データおよび3次元投影データを1回
の測定で同時に得ることができるので、線源の陽電子放
出能の分布が速く変化する場合や動態研究を行う場合に
応用が可能である。また、本実施形態に係るPET装置
は、光子対を高感度に同時計数して3次元投影データを
得ることができ、且つ、2次元投影データに基づいて散
乱補正を有効に行うことができる。すなわち、本実施形
態に係るPET装置は、低い空間周波数成分の画像を2
次元投影データに基づいて再構成し、高い空間周波数成
分の画像を3次元投影データに基づいて再構成し、これ
ら2つの再構成画像を加算して、最終的な再構成画像を
得ることにより、大きい傾斜角の投影データにおける散
乱補正が可能となる。
【0055】なお、本実施形態に係るPET装置におい
ては、全て光子検出器の個数Nに対するスライスセプタ
20の後方に存在する光子検出器の個数nの比s(=n
/N)が重要な設計事項となる。(2)式から判るよう
に、sの値を大きくすると、(1−2s)に比例して3次
元同時計数情報の検出感度が低下し、2sに比例して2
次元同時計数情報の検出感度が増大する。したがって、
sの値は、3次元同時計数情報の検出感度と散乱補正の
正確度とのバランスを考慮して決定される必要がある。
sの好適な値は1/2以下であり、より好適な値は1/
10〜1/6程度である。
【0056】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。特に、検出部および
スライスセプタの構成は、以下のように種々の変形が可
能である。
【0057】図10は、検出部およびスライスセプタの
構成の第1の変形例を説明する図である。この図は、中
心軸に平行な方向に検出部を見たときの図を示してい
る。この変形例では、検出部10の内側に、スライスセ
プタ20A,20Bおよび20Cを備えている。スライ
スセプタ20A,20Bおよび20Cそれぞれは、図1
におけるスライスセプタ20と同様の構成のものであ
り、中心軸を中心とする円周上に略等間隔で配置されて
いる。この変形例では、スライスセプタ20A,20B
および20Cそれぞれの回転バランスが優れているので
好適である。
【0058】図11は、検出部およびスライスセプタの
構成の第2の変形例を説明する図である。図11(a)
は、中心軸に平行な方向に検出部を見たときの図を示し
ており、図11(b)は、中心軸を含む面で検出部を切
断したときの断面を示している。この変形例では、検出
部10Aおよび10Bそれぞれは、平面上に光子検出器
が2次元配列されたものである。また、スライスセプタ
20は、回転軸に垂直な複数のシールド板からなり、一
方の検出部10Aの一部の内側に固定して設けられてい
る。そして、検出部10Aおよび10Bそれぞれは、相
対的位置関係を保持したまま被検体2の周りを回転する
ことで、2次元同時計数情報および3次元同時計数情報
を検出する。
【0059】図12は、検出部およびスライスセプタの
構成の第3の変形例を説明する図である。この図は、中
心軸に平行な方向に検出部を見たときの図を示してい
る。この変形例では、検出部10A,10B,10Cお
よび10Dそれぞれは、平面上に光子検出器が2次元配
列されたものである。また、スライスセプタ20Aおよ
び20Dそれぞれは、回転軸に垂直な複数のシールド板
からなり、検出部10A,10Dの一部の内側に固定し
て設けられている。そして、検出部10A〜10Dそれ
ぞれは、相対的位置関係を保持したまま被検体2の周り
を回転することで、2次元同時計数情報および3次元同
時計数情報を検出する。
【0060】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、複数組の検出器リングそれぞれを構成する複数
の光子検出器のうち一部のものの測定空間の側に回転自
在のスライスセプタを設けたことにより、2次元投影デ
ータおよび3次元投影データが1回の測定で同時に得ら
れる。したがって、このように2次元投影データおよび
3次元投影データを同時に獲得して画像再構成を行うこ
とにより、光子対を高感度に同時計数することができ、
且つ、散乱補正等を行うことができる。また、線源の陽
電子放出能の分布が速く変化する場合や動態研究を行う
場合に応用が可能である。
【0061】特に、2次元投影データのうち空間周波数
が低い成分、および、3次元投影データのうち空間周波
数が高い成分に基づいて、画像の再構成を行うことによ
り、光子対を高感度に同時計数して3次元投影データを
得ることが好適にでき、且つ、2次元投影データに基づ
いて散乱補正を有効に行うことが好適にできる。しか
も、大きい傾斜角の投影データにおける散乱補正が可能
となる。
【0062】本発明に係るPET装置は、スライスセプ
タの測定空間の側に中心軸と平行な棒状の校正線源を設
けて2次元投影データを蓄積し、この2次元投影データ
に基づいて再構成画像を補正することにより、検出器感
度補正および吸収補正が好適に行われ、良好な再構成画
像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るPET装置の検出部およびス
ライスセプタの構成を説明する図である。
【図2】本実施形態に係るPET装置の全体構成を概念
的に説明するブロック図である。
【図3】回転校正線源を用いたブランク測定およびトラ
ンスミッション測定の説明図である。
【図4】校正線源の説明図である。
【図5】検出器感度補正の説明図である。
【図6】検出器感度補正の説明図である。
【図7】散乱補正および画像再構成の手順を説明するフ
ローチャートである。
【図8】散乱補正および画像再構成の手順を説明するフ
ローチャートである。
【図9】FRB法を説明する図である。
【図10】検出部およびスライスセプタの構成の第1の
変形例を説明する図である。
【図11】検出部およびスライスセプタの構成の第2の
変形例を説明する図である。
【図12】検出部およびスライスセプタの構成の第3の
変形例を説明する図である。
【図13】2次元PET装置の検出部の構成を説明する
図である。
【図14】3次元PET装置の検出部の構成を説明する
図である。
【図15】スライスセプタ撤去可能型3次元PET装置
の検出部の構成を説明する図である。
【符号の説明】
1…測定空間、2…被検体、3…校正線源、10…検出
部、11,12…シールド、20…スライスセプタ、3
0…セプタ回転駆動部、40…回転位置検出センサ、5
1…2次元投影データ蓄積部、52…3次元投影データ
蓄積部、60…データ処理部、70…画像表示部、D1
〜DN…検出器、R1〜R10…検出器リング、S1〜S9
シールド板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 裕之 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 2G088 EE02 FF04 GG09 JJ02 JJ15 JJ22 KK33 LL08 LL09 LL15 LL28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸を含む測定空間から飛来してきた
    光子を各々検出する複数の光子検出器が前記中心軸に垂
    直な面上に配された検出器リングを複数組含み、これら
    複数組の検出器リングが前記中心軸に平行な方向に積層
    された検出部と、 前記複数組の検出器リングそれぞれを構成する前記複数
    の光子検出器のうち一部のものの前記測定空間の側に、
    前記中心軸を中心に回転自在に配され、飛来してきた光
    子のうち前記中心軸に略垂直なもののみを通過させるス
    ライスセプタと、 前記検出部に含まれる光子検出器のうち1対の光子検出
    器が光子対を同時計数したときに、その1対の光子検出
    器のうち少なくとも一方の前記測定空間の側に前記スラ
    イスセプタが存在しているか否かを判定するスライスセ
    プタ位置判定手段と、 前記1対の光子検出器のうち少なくとも一方の前記測定
    空間の側に前記スライスセプタが存在していると前記ス
    ライスセプタ位置判定手段により判定されたときに、前
    記1対の光子検出器による光子対の同時計数情報を蓄積
    する2次元投影データ蓄積手段と、 前記1対の光子検出器のうち何れの前記測定空間の側に
    も前記スライスセプタが存在していないと前記スライス
    セプタ位置判定手段により判定されたときに、前記1対
    の光子検出器による光子対の同時計数情報を蓄積する3
    次元投影データ蓄積手段と、 前記2次元投影データ蓄積手段により同時計数情報が蓄
    積されて生成された3次元投影データ、および、前記3
    次元投影データ蓄積手段により同時計数情報が蓄積され
    て生成された3次元投影データに基づいて、前記測定空
    間における光子対の発生頻度の空間分布を表す画像を再
    構成する画像再構成手段と、 を備えることを特徴とするPET装置。
  2. 【請求項2】 前記画像再構成手段は、前記2次元投影
    データのうち空間周波数が低い成分、および、前記3次
    元投影データのうち空間周波数が高い成分に基づいて、
    前記画像の再構成を行うことを特徴とする請求項1記載
    のPET装置。
  3. 【請求項3】 前記スライスセプタの前記測定空間の側
    に前記中心軸と平行な棒状の校正線源を設けて、前記2
    次元投影データ蓄積手段に蓄積された前記2次元投影デ
    ータに基づいて、前記画像再構成手段により再構成され
    る前記画像を補正する補正手段を更に備えることを特徴
    とする請求項1記載のPET装置。
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