JP2000283988A - 衝突時間検出装置 - Google Patents

衝突時間検出装置

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JP2000283988A
JP2000283988A JP11087777A JP8777799A JP2000283988A JP 2000283988 A JP2000283988 A JP 2000283988A JP 11087777 A JP11087777 A JP 11087777A JP 8777799 A JP8777799 A JP 8777799A JP 2000283988 A JP2000283988 A JP 2000283988A
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Mineki Soga
峰樹 曽我
Keiichi Yamada
啓一 山田
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物の被観測面と結像手段の光軸が垂直で
ない場合でも対象物との衝突までの所要時間を正確に求
め得るようにする。 【解決手段】 像の速度の光軸と直交するY方向の成分
V1 とV2 、センサの光軸及びY方向に直交するX方向
の成分V3 とV3 を求め、これらに基づいてY方向の成
分の空間的変化率β=(V1 −V2 )/HとX方向の成
分の空間的変化率α=(V3 −V4 )/Wとを求め、X
方向の空間的変化率αのa倍とY方向の空間的変化率β
の(1−a)倍との和(aα+(1−a)β)の逆数を
対象物との衝突までの所要時間τとして求める衝突時間
検出装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物が観測者
(検出装置)に衝突するまでの所要時間を求め、求めた
所要時間から対象物と観測者の衝突の有無を判別する衝
突時間検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板上に集積化した光検出器に像
を結像させ、その出力を直接処理することで像の動きの
情報を求め、更に同基板上で像の動きの情報を統合する
ことで対象物との衝突までの所要時間を検出する方法と
して、 (1)『N.Ancona, G.Creanza, D.Fiore, and R.Tangor
ra "A Real-time, Miniaturized Optical Sensor for M
otion Estimation and Time-tocrash Detection", SPIE
Vol. 2950』『Jorg Kramer and Giacomo Indiveri, "A
nalog VLSI Motion Projectd at Caltech"』等が開示さ
れている。また、TVカメラで撮像した画像のデジタル
画像処理により対象物との衝突までの所要時間を検出す
る方法として、 (2)『USP5598488』『USP571779
2』『USP5559695』や、(3)『山田憲一、
伊東敏夫、“エッジ画像の濃度投影による車両の一捕捉
手法”電学論E 、Vol.118 、No.6、1998』等が開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】(1)N.Anconaらの方
法や、J.Kramerらの方法では、センサの光軸が対象物の
被観測面に対して垂直である場合にのみ、衝突までの所
要時間を正確に求めることができる。つまり、N.Ancona
らの方法や、J.Kramerらの方法は、像の速度のある方向
に関する成分が、その方向の位置に対して線形であるこ
とを前提とする計算原理に基づいている。このため、対
象物の被観測面がセンサの光軸に対して垂直でない場合
には衝突時間を正確に求めることができないという問題
がある。 (2)USP5598488、USP5717792、
USP5559695に記載の各装置の場合も、対象物
の被観測面がセンサの光軸に対して垂直であることを前
提としているため、同様の問題がある。 (3)山田らの装置は車両の左右両端のエッジ情報に基
づいて衝突までの所要時間を算出しているため、車両が
センサに近接していて左右の両端部を観測できない場合
には衝突時間を求めることができないという問題があ
る。
【0004】本発明は、対象物の被観測面が像検出手段
の光軸に対して垂直でない場合でも、対象物との衝突ま
での所要時間(衝突時間)を正確に求めることができる
衝突時間検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の衝突時間検出
装置は、対象物の像を光軸と垂直な検出面に結像させる
結像手段、検出面に結像される像を電気信号として検出
する像検出手段、像検出手段の出力に基づいて像の速度
の検出面の光軸と直交する方向に対応する方向であるX
方向の成分(VX )と像の速度の検出面のX方向と直交
する方向に対応する方向であるY方向の成分(VY )と
を求める速度演算手段、速度演算手段の出力に基づいて
像の速度のX方向の成分(VX )のX方向に関する空間
的変化率(α)と像の速度のY方向の成分(VY )のY
方向に関する空間的変化率(β)とを求める空間的変化
率演算手段、及び、空間的変化率演算手段の出力に基づ
いて像の速度のX方向の成分のX方向に関する空間的変
化率(α)のa倍と像の速度のY方向の成分のY方向に
関する空間的変化率(β)の(1−a)倍との和(aα
+(1−a)β)を対象物との衝突までの所要時間(τ
1 )の逆数として求める衝突時間演算手段、を有するこ
とを特徴とする。
【0006】検出面のX方向に直交する方向に対応する
方向としてY方向を定義し、検出面の光軸と直交する方
向に対応する方向としてX方向を定義した理由は、対象
物から発した光(光に限定されず、電磁波や、音波等で
もよい)が反射鏡等で方向を曲げられて像検出手段の検
出面に入射する場合を考慮したものである。即ち、対象
物から発した光等を反射鏡等を介して像検出手段の検出
面に結像させるように結像系を構成した場合、対象物が
検出面のX方向と直交する鉛直方向に運動するとき像は
検出面内の所定の方向(Y方向≠検出面のX方向と直交
する鉛直方向)に運動し、対象物が検出面の光軸と直交
する水平方向に運動するとき像は検出面内の上記所定の
方向と直交する方向(X方向≠検出面の光軸と直交する
水平方向)に運動するため、上記のように定義したもの
である。なお、以下の記述では、検出面のX方向と直交
する方向とY方向、検出面の光軸と直交する方向とX方
向を区別せず、それぞれ同じものとして説明する場合も
ある。
【0007】請求項2の衝突時間検出装置は、請求項1
に於いて、検出面上のY座標が同じでX座標が異なる2
位置の速度のX方向成分の差を距離で除算することによ
り像の速度のX方向の成分(VX )のX方向に関する空
間的変化率(α)を求め、検出面上のX座標が同じでY
座標が異なる2位置の速度のY方向成分の差を距離で除
算することにより像の速度のY方向の成分(VY )のY
方向に関する空間的変化率(β)を求めることを特徴と
する。つまり、像の速度のX方向の成分(VX )のX方
向に関する空間的変化率(α)としては、像の速度のX
方向に関する空間偏微分値を演算してもよいが、検出面
上のY座標が同じでX座標が異なる2位置の速度のX方
向成分の差と距離の比として求めてもよい。Y方向につ
いても同様に、像の速度のY方向の成分(VY)のY方
向に関する空間的変化率(β)としては、像の速度のY
方向に関する空間偏微分値を演算してもよいが、検出面
上のX座標が同じでY座標が異なる2位置の速度のY方
向成分の差と距離の比として求めてもよい。以下、検出
面上のY座標が同じでX座標が異なる2位置の一方を
『左位置』他方を『右位置』といい、検出面上のX座標
が同じでY座標が異なる2位置の一方を『上位置』他方
を『下位置』という場合もある。ここで、『左位置』と
『右位置』の中央位置と『上位置』と、『下位置』の中
央位置は、一致する必要がある。
【0008】請求項3の衝突時間検出装置は、請求項2
に於いて、X座標が異なる2位置(左位置と右位置)に
ついて各々Y座標が異なる複数の位置の速度のX方向成
分を求め、X座標が共通の一方の位置(左位置又は右位
置)での速度のX方向成分の平均値とX座標が共通の他
方の位置(右位置又は左位置)での速度のX方向成分の
平均値とを求めて両平均値の差をとり、その差と両位置
の距離(左位置と右位置の距離)の比を、検出面上のY
座標が同じでX座標が異なる2位置の速度のX方向成分
の差と距離の比として求め、Y座標が異なる2位置(上
位置と下位置)について各々X座標が異なる複数の位置
の速度のY方向成分を求め、Y座標が共通の一方の位置
(上位置又は下位置)での速度のY方向成分の平均値と
Y座標が共通の他方の位置(下位置又は上位置)での速
度のY方向成分の平均値とを求めて両平均値の差をと
り、その差と両位置の距離(上位置と下位置の距離)の
比を、検出面上のX座標が同じでY座標が異なる2位置
の速度のY方向成分の差と距離の比として求めることを
特徴とする。
【0009】請求項4の衝突時間検出装置は、請求項3
に於いて、X座標が共通の一方の位置(左位置又は右位
置)での速度のX方向成分の平均値を各位置(各左位置
又は各右位置)での速度のX方向成分の時間的平均値に
基づいて求め、X座標が共通の他方の位置(右位置又は
左位置)での速度のX方向成分の平均値を各位置(各右
位置又は各左位置)での速度のX方向成分の時間的平均
値に基づいて求め、Y座標が共通の一方の位置(上位置
又は下位置)での速度のY方向成分の平均値を各位置
(各上位置又は各下位置)での速度のY方向成分の時間
的平均値に基づいて求め、Y座標が共通の他方の位置
(下位置又は上位置)での速度のY方向成分の平均値を
各位置(各下位置又は各上位置)での速度のY方向成分
の時間的平均値に基づいて求めることを特徴とする。つ
まり、上位置及び下位置、及び、左位置及び右位置での
速度のX方向成分、及び、Y方向成分の平均値を求める
のに先立って、各上位置及び各下位置、及び、各左位置
及び各右位置毎に、各々速度のX方向成分、及び、Y方
向成分の時間的平均値を求めることを特徴とする。
【0010】請求項5の衝突時間検出装置は、請求項2
〜請求項4の何れかに於いて、対象物のY方向の動きを
ゼロと見做すことができ、且つ、対象物の被観測面の法
線ベクトルのY成分をゼロと見做すことができるとき、
検出面上のX座標が同じでY座標が異なる2位置のうち
の一方(上位置又は下位置)の速度のY方向成分(Y座
標が共通の速度群の平均速度や、Y座標が共通の時間的
平均速度群の平均速度を含む)として、他方(下位置又
は上位置)の速度のY方向成分(Y座標が共通の速度群
の平均速度や、Y座標が共通の時間的平均速度群の平均
速度を含む)と絶対値が同じで符号が反対の速度のY方
向成分を採用することを特徴とする。つまり、対象物の
Y方向の動きがゼロと見做すことができ、且つ、対象物
の被観測面の法線ベクトルのY方向成分をゼロと見做す
ことができる場合には、検出面上のX座標が同じでY座
標が異なる上下2位置のうちの一方(上位置又は下位
置)の速度のY方向成分として、他方(下位置又は上位
置)の速度のY方向成分と絶対値が同じで符号が反対の
速度のY方向成分を採用するようにしたものてある。こ
れにより、上位置又は下位置の何れか一方の速度検出用
の構成を省略することができる。
【0011】請求項6の衝突時間検出装置は、対象物の
像を光軸と垂直な検出面に結像させる結像手段、検出面
に結像される像を検出面上の仮想の閉曲線上の多数の位
置において電気信号として検出する像検出手段、像検出
手段の出力に基づいて各位置の仮想の閉曲線の単位法線
ベクトル(p)の検出面の光軸に直交する方向に対応す
る方向であるX方向の成分(px )のa倍と検出面のX
方向に直交する方向に対応する方向であるY方向の成分
(py )の(1−a)倍とを成分とするベクトル(q)
と当該位置の像の動きベクトル(v)との内積を各々出
力する速度演算手段、及び、仮想の閉曲線で囲まれる領
域の面積を各位置のベクトル(q)と動きベクトル
(v)の内積の総和で除算した値を対象物との衝突まで
の所要時間(τ1 )として求める衝突時間演算手段、を
有することを特徴とする。この構成は、後述の(14)
式に基づく構成である。
【0012】請求項7の衝突時間検出装置は、請求項1
〜請求項6の何れかに於いて、対象物が車両であり、前
記係数aが−1である、ことを特徴とする。この構成
は、後述の(9)式に基づく構成である。即ち、後述の
ように、自動車等の車両は立方体に近い形状をしている
ためボディーの前面/後面/側面等の被観測面の法線ベ
クトルは近似的に水平である(ny =0)と見做し得る
こと、及び、自動車の振動等による鉛直方向の速度成分
は水平方向の速度成分に比べて十分小さいので対象物の
動きの鉛直方向の成分を0と見做し(vy =0)得るこ
とを、後述の(8)式に採用することで決定されるもの
である。
【0013】ここで、本発明の原理を説明する。図1は
センサの検出面(受光面)と対象物の位置関係の座標系
を示す。センサの焦点位置を原点とし、センサの光軸を
Z軸、光軸と直交する方向をX軸、光軸及びX軸と直交
する方向をY軸とする。対象物の像が結像する検出面
は、焦点距離fを用いると、Z=−fと表すことができ
る。観測する対象物は平面であると仮定し、その被観測
面の単位法線ベクトルをn=(nx ,ny ,nz )、被
観測面がZ軸と交わる切片をz0 とすると、被観測面の
法定式は
【数1】 ・・・・・・・(1) と表すことができる。
【0014】原点(センサ)と被観測面の距離は−z0
nz である。対象物の動きベクトルをv=(vx ,vy
,vz )とすると、速度の被観測面の法線方向の成分
は、vとnの内積、即ち、nx vx +ny vy +nz v
z である。したがって、対象物が現在の速度を維持した
場合にセンサの焦点に衝突するまでに要する時間(衝突
時間)τは次のように表すことができる。
【数2】 ・・・・・・・(2) この(2)式で与えられる衝突時間τは、対象物がセン
サに衝突する場合は正の有限値、対象物がセンサから遠
ざかる場合は負の有限値、対象物がセンサの近くを通過
する場合は無限大となる。したがって、(2)式のτの
値に基づいて対象物がセンサに衝突するか否かを判別す
ることができる。
【0015】本発明では、センサ面上で観測される像の
動きベクトルのX方向(センサの光軸と直交する方向に
対応する方向)の空間偏微分値αと、Y方向(センサの
光軸及びX方向と直交する方向に対応する方向)の空間
偏微分値βを用いて、衝突時間を求める。センサ面上の
位置(xf ,yf )で観測される動きベクトルvf は、
次式で表される。
【数3】 ・・・・・・・(3)
【0016】この(3)式のvxf,vyfを各々xf ,y
f で偏微分すると次式となる。
【数4】 ・・・・・・・(4)
【0017】この(4)式で与えられる像の速度の空間
偏微分値を用いて、次式により衝突時間τ1 を求める。
【数5】 ・・・・・・・(5) ここで、a,bは定数である。
【0018】前記(2)式で与えられる真の衝突時間τ
と、上記(5)式で求められる衝突時間τ1 とが一致す
るように、aとbの値を決定する。τとτ1 とが一致す
るためには、以下に(6)式として示す条件1〜条件3
の全てを満たす必要がある。
【数6】 ・・・・・・・(6)
【0019】ところで、センサが監視する方向(Z軸方
向)と被観測面とは、一般には平行ではない(nz ≠
0)。この場合、(6)式内の条件1を満たすために
は、a+b=1であることが必要となる。この条件を前
記(5)式に適用すると、
【数7】 ・・・・・・・(7) となる。
【0020】また、(6)式内の条件1を満たすよう
に、 a+b=1 とすると、前記(6)式内の条件2と条件3は、
【数8】 ・・・・・・・(8) のように記述される。この(8)式内の条件2と条件3
を満たすように、対象物の動きベクトル及び被観測面の
法線ベクトルの条件に応じて、係数aを決定する。
【0021】自動車の衝突予測に応用する場合を考え
る。センサが監視する方向(Z軸方向)を水平にとり、
X軸方向を水平方向に、Y軸方向を鉛直方向に定める。
対象物である自動車は立方体に近い形状をしているた
め、ボディーの前面、後面、側面等の被観測面の法線ベ
クトルは、近似的に水平である(ny =0)と見做すこ
とができる。また、自動車の振動等による鉛直方向の速
度成分は、水平方向の速度成分に比べて十分小さいの
で、対象物の動きの鉛直方向の成分を0と見做す(vy
=0)ことができる。
【0022】したがって、a=−1とすれば、条件2と
3が満たされることになり、τ1 は真の衝突時間τと一
致する。これより、対象物が自動車であると仮定したと
きの衝突時間計算式は次式で与えられる。
【数9】 ・・・・・・・(9)
【0023】次に、従来の衝突時間検出方式の原理を述
べ、その計算方法と、その計算方法の本発明への適用に
ついて述べる。従来法では、衝突時間τ2 を、
【数10】 ・・・・・・・(10) によって求めている。
【0024】この(10)式のτ2 が(2)式のτと一
致するためには、
【数11】 ・・・・・・・(11) という2つの条件(条件1'),条件2'))の全てを満た
す必要がある。
【0025】センサ面上での動きベクトルの観測位置
(xf ,yf )に依存せずに、正しく衝突時間が検出さ
れるためには、被観測面がセンサの光軸に対して垂直
(nx =ny =0)であることが必要である。自動車の
衝突予測に応用する場合、先述のようにny =0、vy
=0と見做し得るため上記(11)式内の条件2')は満
たされるが、条件1')が満たされるためにはnx =0で
あることが必要である。つまり、対象物の被観測面とセ
ンサの光軸とが垂直であることが必要である。
【0026】前記(10)式を計算する方法として、グ
リーンの定理を利用する方法が提案されている。即ち、
ベクトル場vf がリニアフィールドであるとき、グリー
ンの定理より
【数12】 ・・・・・・・(12) の関係がある。但し、Cは領域Sの境界線、pは閉曲線
C上の単位法線ベクトルである。この(12)式を用い
ると、前記(10)式は、
【数13】 ・・・・・・・(13) と表すことができる。但し、Mは閉曲線Cで囲まれる領
域の面積である。このように、衝突時間τ2 は、ベクト
ルvf とpの内積を、センサの受光面上に設定した任意
の閉曲線C上で周回積分することにより求めることがで
きる。
【0027】したがって、本発明の衝突時間計算式であ
る(7)式も、
【数14】 ・・・・・・・(14) のように、周回積分で計算することができる。但し、p
=(px ,py )としたとき、q=(apx ,(1−
a)py )である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施の形態
を説明する。
【0029】〔1〕第1の実施の形態(図4):図4は
第1の実施の形態の構成を示す。第1の実施の形態の装
置は請求項2に対応する。図示の構成は半導体基板上に
集積されており、この半導体基板は図5に例示するよう
にレンズの後方の焦点位置に設けられている。この半導
体基板上に対象物の像が結像され、これに基づいて、対
象物が半導体基板に衝突するまでに要する時間が求めら
れる。
【0030】図4の衝突時間検出装置は、半導体基板に
結像される像を電気信号として検出する合計12個の光
検出器を有し、光検出器3個に対して速度検出器1個が
接続されて各々1個の動き検出器が構成されている。
【0031】つまり、各々3個づつの光検出器の出力に
基づいて像の速度の半導体基板のX方向に直交する方向
に対応する方向であるY方向の成分V1 ,V2 を速度検
出器から電圧値として出力する図内上下に配置された2
つの動き検出器と、各々3個づつの光検出器の出力に基
づいて像の速度の半導体基板の光軸に直交する方向に対
応する方向であるX方向の成分V3 ,V4 を速度検出器
から電圧値として出力する図内左右に配置された2つの
動き検出器とが設けられている。
【0032】動き検出器としては、図4の衝突時間検出
装置では、V1 を出力する第1の動き検出器と、V2 を
出力する第2の動き検出器と、V3 を出力する第3の動
き検出器と、V4 を出力する第4の動き検出器とが設け
られている。なお、『第1の動き検出器』は図中では
『動き検出器1』と表示され、『第2の動き検出器』は
図中では『動き検出器2』と表示され、『第3の動き検
出器』は図中では『動き検出器3』と表示され、『第4
の動き検出器』は図中では『動き検出器4』と表示され
ている。以下、図中で『〜1』等のように名称の後に数
字を付して表示されている素子については『第1』等を
用いて説明することとする。なお、速度検出器は3つの
光検出器上を通過する像の速度の絶対値を電圧値として
出力する回路であり、電圧値の符号は方向を表す。ま
た、速度検出器の出力が0である場合とは、像の通過が
検出されない場合である。
【0033】図4の衝突時間検出装置は、像の速度のY
方向の成分V1 ,V2 を出力する第1及び第2の動き検
出器の出力に基づいて像の速度のY方向の成分の空間的
変化率『β=(V1 −V2 )/H』を電圧値として出力
する第1の演算回路と、像の速度のX方向の成分V3 ,
V4 を出力する第3及び第4の動き検出器の出力に基づ
いて像の速度のX方向の成分の空間的変化率『α=(V
3 −V4 )/W』を電圧値として出力する第2の演算回
路とを有する。ここで、HはY方向の2位置(上位置と
下位置)の第1と第2の動き検出器の間の距離であり、
WはX方向の2位置(左位置と右位置)の第3と第4の
動き検出器の間の距離である。第1の演算回路と第2の
演算回路が請求項に記載の空間的変化率演算手段に該当
する。つまり、β=(V1 −V2 )/Hは像の速度のY
方向に関する空間偏微分値に対応する値、α=(V3 −
V4 )/Wは像の速度のX方向に関する空間偏微分値に
対応する値である。
【0034】さらに、図4の衝突時間検出装置は、第1
の演算回路の出力βと第2の演算回路の出力αに基づい
て、『1/τ1 =aα+(1−a)β』を出力する第3
の演算回路を有する。第3の演算回路が、請求項の衝突
時間演算手段に該当する。なお、衝突時間演算手段の出
力の逆数を求める回路、即ち、衝突時間τ1 を求める回
路は、公知であるため図示及び説明は省略する。
【0035】第3の演算回路の出力『1/τ1 』は、対
象物に動きが無い場合や、対象物が衝突時間検出装置に
衝突しないで近辺を通過するコースに在る場合には
『0』である。また、対象物が衝突コースで衝突時間検
出装置に近づいて来る場合は正の有限値、対象物が衝突
コースで衝突時間検出装置から遠ざかる場合は負の有限
値をとる。
【0036】第1の実施の形態の衝突時間検出装置で
は、少ない数(4個)の動き検出器と第1〜第3の3個
の演算回路によって衝突時間を検出できるので、小規模
なハードウェアで対象物の衝突時間を算出することがで
きる。また、その算出結果に基づいて、対象物が衝突す
るか否かを判別することができる。また、半導体基板上
に集積化した光検出器や演算回路等により構成されてい
るため、衝突時間の算出を高速に行うことが可能であ
る。
【0037】〔2〕第1の実施の形態の変形例(図
6):図6は、図4に示す第1の実施の形態の衝突時間
検出装置において、Y方向の2位置(X座標が同じ上位
置と下位置)に設けられた第1及び第2の動き検出器を
構成する各光検出器の開口幅をX方向に長く構成し、X
方向の2位置(Y座標が同じ左位置と右位置)に設けら
れた第3及び第4の動き検出器を構成する各光検出器の
開口幅をY方向に長く構成したものである。
【0038】Y方向の2位置に設けられた第1及び第2
の動き検出器は、像の速度のY方向の成分を検出するも
のであるため、X方向の解像度を低くすることで、窓枠
問題に起因する速度の誤検出を低減することができる。
同様に、X方向の2位置に設けられた第3及び第4の動
き検出器では、像の速度のX方向の成分を検出するもの
であるため、Y方向の解像度を低くすることで、窓枠問
題に起因する速度の誤検出を低減することができる。
【0039】〔3〕第2の実施の形態(図7):図7は
第2の実施の形態の構成を示す。第2の実施の形態の装
置は請求項3に対応する。第2の実施の形態では、Y方
向に距離Hだけ離れている上下2位置についてX座標が
異なる複数の位置の像の速度のY方向成分を求め、Y座
標が共通の第1の動き検出器群の速度の平均値を第1の
平均回路により求め、Y座標が共通の第2の動き検出器
群の速度の平均値を第2の平均回路により求め、第1の
平均回路の出力V1 と第2の平均回路の出力V2 の差と
距離Hとの比を第1の演算回路で求めている。
【0040】同様に、X方向に距離Wだけ離れている左
右2位置についてY座標が異なる複数の位置の像の速度
のX方向成分を求め、X座標が共通の第4の動き検出器
群の速度の平均値を第4の平均回路により求め、X座標
が共通の第3の動き検出器群の速度の平均値を第3の平
均回路により求め、第4の平均回路の出力V4 と第3の
平均回路の出力V3 の差と距離Wとの比を第2の演算回
路で求めている。
【0041】つまり、上下左右それぞれ複数の動き検出
器の出力を平均した値に基づいて平均速度V1 〜V4 を
求め、この平均速度V1 〜V4 を用いて所望の演算を行
っている。なお、図7に示す構成が半導体基板上に集積
されていることや、図5に例示するレンズの後方の焦点
位置に設けられていることについては、第1の実施の形
態の場合と同じである。
【0042】動き検出器の出力の平均値(平均速度)を
出力する平均回路は、動き検出器の出力の中でゼロでな
いものの平均値を出力する。半導体基板の検出面の中心
位置Aにおける像の速度の空間偏微分値は、Aから等距
離でAを中心として上下左右の位置である位置B,C,
E,Dでの像の速度より計算することができる。すべて
の動き検出器が像の動きを検出している場合には、位置
B,C,E,Dにおける像の速度は、上下左右それぞれ
の動き検出器群の平均値として求めることができる。像
の動きを検出していない動き検出器がある場合でも、十
分な数の動きが検出されている場合には平均値による近
似が可能である。像の動きを検出している動き検出器の
数が少ないために平均値による近似が成り立たない湯合
であっても、上下左右の各動き検出器群において2個以
上の動き検出器が像の動きを検出している場合には、最
小2乗法による位置B,C,E,Dでの動きの推定が可
能である。
【0043】第2の実施の形態では、上下左右それぞれ
多数の動き検出器の検出結果を平均化して速度の平均値
を求め、これを用いて速度差と上下(又は左右)の動き
検出器間の距離H(又はW)との比を求め、これに基づ
いて所望の演算を行っているため、動き検出器の出力の
精度が悪い場合や、動きを検出している動き検出器の数
が少ない場合でも、安定して衝突時間を検出することが
可能である。なお、第2の実施の形態の各光検出器を、
図6のように変形すること、即ち、速度を検出する方向
と直交する方向に長く構成することは当然に可能であ
る。
【0044】〔4〕第2の実施の形態の変形1(図
7):変形1は第2の実施の形態の装置と略同様である
が、上下左右の各平均回路と第1及び第2の演算回路の
動作が第2の実施の形態の装置と異なる。即ち、各平均
回路は、非0の出力を発生している動き検出器の数をカ
ウントし、その数が閾値以下の場合には0を出力する。
また、閾値以上の場合は出力が非0の動き検出器の出力
の平均値を出力する。また、第1及び第2の演算回路
は、各々2つの入力が共に0でない場合にのみ演算結果
を出力し、入力の一方でも0の場合は0を出力する。つ
まり、非0を出力している動き検出器の数が少ない場合
はその方向に関する空間偏微分値を0で近似して衝突時
間を算出する。その理由は、非0を出力している動き検
出器の数が少ない場合は、動きの速度が小さいかまたは
動きが無い可能性が大きく、検出結果の信頼度は低いた
めである。この場合には、動きが無いものとして衝突時
間を算出している。つまり、信頼度の低い動き検出結果
を用いないことで、衝突時間の誤検出の割合を低下させ
ているのである。
【0045】〔5〕第2の実施の形態の変形2(図
8):変形2は第2の実施の形態の装置と略同様である
が、上下左右の各動き検出器群が複数の列で構成されて
いる点が第2の実施の形態の装置と異なる。動き検出器
の列の間隔が小さいとき、第2の実施の形態の装置と同
様、平均演算により位置B,C,E,Dにおける像の速
度を近似的に求めることが可能である。変形2では、第
2の実施の形態の装置と同様な効果に加えて、さらに、
非0を出力している動き検出器の数が少ないときでも安
定して衝突時間を算出することが可能であるという効果
がある。
【0046】〔6〕第3の実施の形態(図9):図9は
第3の実施の形態の構成を示す。第3の実施の形態の装
置は請求項4に対応する。第3の実施の形態の装置は、
第2の実施の形態の装置に於いて、上下左右の各動き検
出器群に於いて速度の平均値を求めるのに先立ち、各動
き検出器の出力の時間的平均値を各動き検出器に設けた
時間平均回路で求めるようにしたものである。時間平均
回路は動き検出器の出力を一定時間時間平均して出力す
るため、時刻によって検出される動きの数にバラツキが
ある場合でも安定して衝突時間を算出することができ
る。
【0047】〔7〕第4の実施の形態(図10):図1
0は第4の実施の形態の構成を示す。第4の実施の形態
の装置は請求項5に対応する。第4の実施の形態の装置
は第2の実施の形態の装置と略同様であるが、上下左右
の動き検出器群のうちで、図内下方に位置する動き検出
器群が省略されている点、及び、これに伴い、第1の演
算回路が図内上方に位置する動き検出器群の出力V1 の
2倍の値2V1 を距離Hで除算している点が、第2の実
施の形態と異なる。
【0048】図10に於いて位置AのY座標は光軸のY
座標と一致するように設定されており、位置Aにおける
像の速度のX方向の空間偏微分値は、左右の動き検出器
群の平均速度V3 とV4 及び左右の動き検出器群間の距
離Wを用いて第2の実施の形態と同様に求め、Y方向の
空間偏微分値は上方位置の動き検出器群の平均速度V1
と距離Hとを用いて近似的に求める。対象物の被観測面
の法線ベクトルのY成分がゼロと見做すことができ、且
つ、対象物の動きのY方向の成分が0と見做すことがで
きる場合、位置Bと位置Cの像の動きのY方向の成分は
大きさが同じで方向が逆の関係となる。このことを利用
して、第2の実施の形態におけるv2 を−v1 で置換し
て演算することにより、像の速度のY方向の空間偏微分
値を算出しているのである。
【0049】換言すれば、第4の実施の形態は、対象物
のY方向の動きがゼロと見做すことができ、且つ、対象
物の被観測面の法線ベクトルのY成分がゼロと見做すこ
とができることを前提とする構成である。このような場
合には、半導体基板の検出面上のX座標が同じで光軸か
らの距離が等しい上下2位置の速度のうちの一方の速度
として、他方の速度と絶対値が同じで符号が反対の速度
を採用することができ、一方の速度を検出するための構
成を省略することができる。なお、上下2位置の距離と
しては、省略した構成が本来在るべき位置と上位置との
距離Hを用いる。
【0050】第4の実施の形態の装置では、下方の動き
検出器群を省略できるため、回路規模を小さくすること
ができる。また、下方位置C近辺で像の動きが求められ
ない場合でも衝突時間を求めることができる。なお、下
方位置の動き検出器群の省略に代えて、上方位置の動き
検出器群を省略してもよい。
【0051】〔8〕第4の実施の形態の変形(図1
1):第4の実施の形態の装置を変形した装置は、第2
の実施の形態の装置と略同様であるが、上方位置又は下
方位置の動き検出器群の出力のうち、信頼度の低い方の
出力を採用せず、信頼度の高い方の出力を採用して、そ
の2倍の値を第4の実施の形態の装置と同様に速度差と
して用いている点が、第2の実施の形態の装置と異な
る。信頼度pとしては、この例では、非0を出力してい
る動き検出器の数で判定している。
【0052】つまり、第4の実施の形態の装置を変形し
た装置では、上下の平均演算回路から信頼度P1 とP2
を取り出し、これらを比較回路で比較して信頼度の高低
を判定し、判定結果に基づいて、信頼度の低い方の平均
演算回路からの出力をスイッチ(第1又は第2のスイッ
チ)で遮断することで、上記の動作を実現している。な
お、位置Aにおける像の速度のX方向の空間偏微分値
は、左右の動き検出器群の平均回路の出力に基づいて第
4の実施の形態と同様に求めている。つまり、Y方向に
ついてのみ、信頼度を考慮して空間偏微分値を求めてい
る。
【0053】具体的には、上方位置の第1の平均演算回
略は、第1の動き検出器群の多数の出力中の非0の出力
の平均値V1 と信頼度P1 を出力する。信頼度P1 は、
例えば、非0を出力している動き検出器の数である。同
様に、下方位置の第2の平均演算回路は、第2の動き検
出器群の多数の出力中の非0の出力の平均値V2 と信頼
度P2 を出力する。信頼度P2 は、例えば、非0を出力
している動き検出器の数である。
【0054】比較回路は、第1の入力端子(図中で下位
置の入力端子)に入力する信頼度P1 と第2の入力端子
(図中で上位置の入力端子)に入力する信頼度P2 とを
比較する。その結果、第1の入力が大きい場合は第1の
出力端子(図中で下位置の出力端子)をハイレベルに
し、第2の出力端子(図中で上位置の出力端子)をロー
レベルにする。これにより、第1のスイッチがオンとな
り、第1の平均回路の出力V1 が第1の演算回路に入力
される。逆に、第2の入力が大きい場合は第2の出力端
子をハイレベルにし、第1の出力端子をローレベルにす
る。これにより、第2のスイッチがオンとなり、第2の
平均回路の出力V2 が第1の演算回路に入力される。
【0055】第4の実施の形態の装置を変形した装置で
は、より信頼度の高い動き情報を選択してY方向の空間
偏微分値を算出するため、求められる衝突時間の精度を
向上させることが可能となる。
【0056】
〔9〕第5の実施の形態(図12):図1
2は第5の実施の形態の構成を示す。第5の実施の形態
の装置は請求項6に対応する。即ち、前述の(14)式
の原理に基づく。第5の実施の形態の装置は、対象物の
像を検出面に結像させる結像手段(図5参照)と、半導
体基板の検出面に結像される像を、検出面上の仮想の閉
曲線(図12に点線で示す円周)上の多数の位置におい
て電気信号として検出する多数の光検出器と、各光検出
器の出力に基づいて各位置の仮想の閉曲線の単位法線ベ
クトルpの検出面のX方向に直交する方向に対応する方
向であるY方向の成分py の(1−a)倍と、検出面の
光軸に直交する方向に対応する方向であるX方向の成分
px のa倍とを成分とするベクトルqと当該位置の像の
動きベクトルvとの内積を各々出力する速度演算回路
と、仮想の閉曲線(図12に点線で示す円周)で囲まれ
る領域の面積を各位置のベクトルqと動きベクトルvの
内積の総和で除算した値を対象物との衝突までの所要時
間τ1 として求める衝突時間演算回路と、を有する装置
である。
【0057】具体的には、第5の実施の形態の装置で
は、対象物の像が結像される半導体基板の検出面の中央
を中心とした半径Rの円周上に動き検出器(3個の光検
出器と1個の速度演算回路から成る素子)が多数配置さ
れており、動き検出器が配置されている円周の中心のY
座標は半導体基板の検出面の光軸のY座標と一致するよ
うに設定されている。円周上の各動き検出器は、円周上
の各位置における円周の単位法線ベクトルpを(px ,
py )としたときのベクトルq(apx ,(1−a)p
y )の方向の成分の動きを検出するように配置されてお
り、その出力の大きさは、ベクトルq(apx ,(1−
a)py )の大きさに応じて重み付けされている。衝突
時間演算回路は、円周の半径Rと各動き検出器の出力の
平均の商を演算して出力する。
【0058】第5の実施の形態の装置では、第1〜第4
の各実施の形態の装置及び各変形例の装置の空間的変化
率演算手段(空間偏微分値検出手段)が不要である為、
回路規模を小さくすることが可能である。また、各動き
検出器において、半径Rと動き検出器の数Nの積である
RNを積算した値を電流値として出力するように構成す
ると、演算回路は加算のみとなるので、演算手段を配線
のみで実現することができ、回路規模を更に小さくする
ことが可能である。
【0059】〔10〕発明の応用例(図13):図13
は、本発明の衝突時間検出装置(具体的には第1〜第5
の実施の形態の装置と各変形例の装置の何れか)を、車
両衝突時被害軽減装置に応用した例を示し、衝突時間検
出装置と乗員保護手段と信号線とから構成される。
【0060】図示のように、複数の衝突時間検出装置
が、自車両の前方、側方などの車両周辺を監視するよう
に配置されており、障害物と自車両の衝突の有無の判断
及び衝突する場合は障害物に衝突するまでの時間を検出
する。衝突時間検出装置が検出した衝突時間が所定の時
間よりも小さい場合には、当該衝突時間検出装置は信号
線にパルスを出力する。乗員保護手段は、信号線からパ
ルスが入力されると乗員を保護する為の機構を作動させ
る。乗員保護手段としては、例えば前面や側面のエアバ
ッグが考えられる。
【0061】かかる構成の車両衝突時被害軽減装置で
は、車両が障害物に衝突する前に乗員保護手段を作動さ
せることができるため、乗員保護手段が機能するまでの
時間を短縮することができ、安全性を向上させることが
できる。
【0062】
【実施例】本発明の効果を示す為のシミュレーション結
果を以下に記述する。等速で動く自動車の模型をCCD
カメラで撮像し、撮像した時系列画像をコンピュータで
ソフトウェア処理することにより衝突時間を算出した。
自動車の模型の速度は約1.0〔cm/sec〕、撮像
した画像は、640×480ピクセル、モノクロ256
階調である。また、衝突/非衝突のコースとして、CC
Dカメラの光軸に対して約50度の角度で衝突する場合
と、CCDカメラの光軸に対して約45度の角度で横を
通過する場合を採用した。
【0063】図2と図3はシミュレーション結果を示
し、横軸は時間を表し、縦軸は衝突時間を表す。図2は
光軸と約50度の角度でCCDカメラに衝突する場合の
結果であり、理論値、従来手法、本発明の手法の衝突時
間の時間変化を示す。図2からわかるように、従来手法
は理論値と比べ大きな値を出力しているのに対し、本発
明の手法は理論値に近い値を出力している。図3は光軸
と約45度の角度でCCDカメラの横を通過する場合の
結果であり、従来手法、本発明の手法の衝突時間の時間
変化を示す。この場合、理論的には衝突時間は無限大と
なる。図3からわかるように、従来手法では衝突時間が
正の小さな値となる場合があり、衝突する場合と区別す
ることができないが、本発明の手法では衝突時間が正の
大きい値又は負の値となるため、衝突する場合と区別す
ることが可能である。
【0064】
【発明の効果】本発明の衝突時間検出装置では、像の速
度の鉛直方向の成分VY と検出面の光軸と直交する水平
方向の成分VX とを求め、これらに基づいて、鉛直方向
の成分VY の空間的変化率βと、検出面の光軸と直交す
る水平方向の成分VX の空間的変化率αとを求め、鉛直
方向の空間的変化率の(1−a)倍と、検出面の光軸と
直交する水平方向の空間的変化率のa倍との和『aα+
(1−a)β』を対象物との衝突までの所要時間τの逆
数として求めるため、対象物の被観測面が検出面の光軸
に対して垂直でない場合でも、対象物との衝突までの所
要時間を正確に求めることができる。検出される衝突時
間の逆数1/τ1 は、対象物が衝突する場合、正の値、
衝突しない場合、負又はゼロであるので、検出される衝
突時間から衝突の有無を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の座標系を示す説明図。
【図2】センサの光軸と約50度の角度で衝突する場合
のシミュレーション結果を示すグラフであり、理論値、
従来手法、本発明の手法を比較して示す。
【図3】センサの光軸と約45度の角度で近辺を通過す
る場合のシミュレーション結果を示すグラフであり、従
来手法と本発明の手法を比較して示す。
【図4】第1の実施の形態の衝突時間検出装置の主要部
の回路構成の構成説明図。
【図5】第1〜第5及び各変形例の衝突時間検出装置の
基板配置位置を示す説明図。
【図6】第1の実施の形態の衝突時間検出装置の変形例
の主要部の回路構成の構成説明図。
【図7】第2の実施の形態とその変形例1の衝突時間検
出装置の主要部の回路構成の構成説明図。
【図8】第2の実施の形態の衝突時間検出装置の変形例
2の主要部の回路構成の構成説明図。
【図9】第3の実施の形態の衝突時間検出装置の主要部
の回路構成の構成説明図。
【図10】第4の実施の形態の衝突時間検出装置の主要
部の回路構成の構成説明図。
【図11】第4の実施の形態の衝突時間検出装置の変形
例の主要部の回路構成の構成説明図。
【図12】第5の実施の形態の衝突時間検出装置の主要
部の回路構成の構成説明図。
【図13】本発明の衝突時間検出装置の応用例を示す説
明図。
【符号の説明】
V1 第1の動き検出器(群)の出力 V2 第2の動き検出器(群)の出力 V3 第3の動き検出器(群)の出力 V4 第4の動き検出器(群)の出力 β 第1の演算回路の出力 α 第2の演算回路の出力

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物の像を光軸と垂直な検出面に結像
    させる結像手段と、 検出面に結像される像を電気信号として検出する像検出
    手段と、 像検出手段の出力に基づいて、像の速度の検出面の光軸
    と直交する方向に対応する方向であるX方向の成分(V
    X )と、像の速度の検出面のX方向と直交する方向に対
    応する方向であるY方向の成分(VY )とを求める速度
    演算手段と、 速度演算手段の出力に基づいて、像の速度のX方向の成
    分(VX )のX方向に関する空間的変化率(α)と、像
    の速度のY方向の成分(VY )のY方向に関する空間的
    変化率(β)とを求める空間的変化率演算手段と、 空間的変化率演算手段の出力に基づいて、像の速度のX
    方向の成分のX方向に関する空間的変化率(α)のa倍
    と、像の速度のY方向の成分のY方向に関する空間的変
    化率(β)の(1−a)倍との和(aα+(1−a)
    β)を、対象物との衝突までの所要時間(τ1 )の逆数
    として求める衝突時間演算手段と、 を有することを特徴とする衝突時間検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に於いて、 像の速度のX方向の成分(VX )のX方向に関する空間
    的変化率(α)を、検出面上のY座標が同じでX座標が
    異なる2位置の速度のX方向成分の差と距離の比として
    求め、 像の速度のY方向の成分(VY )のY方向に関する空間
    的変化率(β)を、検出面上のX座標が同じでY座標が
    異なる2位置の速度のY方向成分の差と距離の比として
    求める、 ことを特徴とする衝突時間検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に於いて、 X座標が異なる2位置について各々Y座標が異なる複数
    の位置の速度を求め、X座標が共通の一方の位置での速
    度のX方向成分の平均値と他方の位置での速度のX方向
    成分の平均値とを求めて両平均値の差をとり、その差と
    両位置の距離の比を、検出面上のY座標が同じでX座標
    が異なる2位置の速度のX方向成分の差と距離の比とし
    て求め、 Y座標が異なる2位置について各々X座標が異なる複数
    の位置の速度を求め、Y座標が共通の一方の位置での速
    度のY方向成分の平均値と他方の位置での速度のY方向
    成分の平均値とを求めて両平均値の差をとり、その差と
    両位置の距離の比を、検出面上のX座標が同じでY座標
    が異なる2位置の速度のY方向成分の差と距離の比とし
    て求める、ことを特徴とする衝突時間検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に於いて、 X座標が共通の一方の位置での速度のX方向成分の平均
    値を各位置での速度のX方向成分の時間的平均値に基づ
    いて求め、X座標が共通の他方の位置での速度のX方向
    成分の平均値を各位置での速度のX方向成分の時間的平
    均値に基づいて求め、 Y座標が共通の一方の位置での速度のY方向成分の平均
    値を各位置での速度のY方向成分の時間的平均値に基づ
    いて求め、Y座標が共通の他方の位置での速度のY方向
    成分の平均値を各位置での速度のY方向成分の時間的平
    均値に基づいて求める、 ことを特徴とする衝突時間検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項2〜請求項4の何れかに於いて、 対象物のY方向の動きをゼロと見做すことができ、且
    つ、対象物の被観測面の法線ベクトルのY成分をゼロと
    見做すことができるとき、検出面上のX座標が同じ2位
    置の速度のうちの一方の速度として、他方の速度と絶対
    値が同じで符号が反対の速度を採用する、 ことを特徴とする衝突時間検出装置。
  6. 【請求項6】 対象物の像を光軸と垂直な検出面に結像
    させる結像手段と、 検出面に結像される像を、検出面上の仮想の閉曲線上の
    多数の位置において電気信号として検出する像検出手段
    と、 像検出手段の出力に基づいて、各位置の任意の閉曲線の
    単位法線ベクトル(p)の検出面の光軸と直交する方向
    に対応する方向であるX方向の成分(px )のa倍と検
    出面のX方向と直交する方向に対応する方向であるY方
    向の成分(py)の(1−a)倍とを成分とするベクト
    ル(q)と当該位置の像の動きベクトル(v)との内積
    を各々出力する速度演算手段と、 仮想の閉曲線で囲まれる領域の面積を各位置のベクトル
    (q)と動きベクトル(v)の内積の総和で除算した値
    を対象物との衝突までの所要時間(τ1 )として求める
    衝突時間演算手段と、 を有することを特徴とする衝突時間検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6の何れかに於いて、 対象物が車両であり、 係数aが−1である、 ことを特徴とする衝突時間検出装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014073080A1 (ja) * 2012-11-08 2016-09-08 トヨタ自動車株式会社 運転支援装置及び方法
JP2018536223A (ja) * 2015-10-15 2018-12-06 インタートラスト テクノロジーズ コーポレイション センサ情報管理システム及び方法

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