JP2000283228A - 制振部材 - Google Patents
制振部材Info
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- JP2000283228A JP2000283228A JP11084574A JP8457499A JP2000283228A JP 2000283228 A JP2000283228 A JP 2000283228A JP 11084574 A JP11084574 A JP 11084574A JP 8457499 A JP8457499 A JP 8457499A JP 2000283228 A JP2000283228 A JP 2000283228A
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- Japan
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- rubber
- cavity
- damping
- vibration damping
- cable
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- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高減衰ゴム製のものと同等またはそれ以上の
高い減衰性能を有する上、上記高減衰ゴム製のものに比
べて特性の温度依存性がさらに小さく、かつ荷重の増減
を繰り返した際の軟化の度合いも小さいために減衰性能
が安定化した、新規な制振部材を提供する。 【解決手段】 −20〜+40℃の温度範囲内での損失
係数tanδが0.15未満である低減衰ゴムにて一体
形成したゴム部材11の内部に空洞10を設け、この空
洞10中に、多数の硬質の粒状体B1を、25kg/c
m2以上の圧力が加わるように圧入、充てんした。
高い減衰性能を有する上、上記高減衰ゴム製のものに比
べて特性の温度依存性がさらに小さく、かつ荷重の増減
を繰り返した際の軟化の度合いも小さいために減衰性能
が安定化した、新規な制振部材を提供する。 【解決手段】 −20〜+40℃の温度範囲内での損失
係数tanδが0.15未満である低減衰ゴムにて一体
形成したゴム部材11の内部に空洞10を設け、この空
洞10中に、多数の硬質の粒状体B1を、25kg/c
m2以上の圧力が加わるように圧入、充てんした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、斜張橋や吊り橋
などの橋りょうにおいて、風や走行車両の振動などの影
響で発生するケーブルの振動を減衰するために用いられ
る制振部材に関するものである。
などの橋りょうにおいて、風や走行車両の振動などの影
響で発生するケーブルの振動を減衰するために用いられ
る制振部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】橋りょうのうち斜張橋やつり橋などは、
剛性の低い柔構造に設計された橋げたなどの構造物を複
数本のケーブルで支えた構造を有しており、振動に対す
るケーブルの安定性が、設計上の重要な要素となってい
る。ケーブルの振動の主たる原因としては、風と、橋上
を走行する車両の振動とがあげられる。
剛性の低い柔構造に設計された橋げたなどの構造物を複
数本のケーブルで支えた構造を有しており、振動に対す
るケーブルの安定性が、設計上の重要な要素となってい
る。ケーブルの振動の主たる原因としては、風と、橋上
を走行する車両の振動とがあげられる。
【0003】このうち前者の、風の影響を低減すべく、
とくに斜張橋においては、ケーブル自体の断面形状を空
気力学的に安定化する対策が施されている。また近時、
斜張橋や吊り橋などで、複数のケーブル同士をワイヤな
どで結合したり、あるいはケーブルに機械的な制振装置
を設けたりして、上記風や走行車両などの影響で発生す
るケーブルの振動を減衰する試みがなされている。
とくに斜張橋においては、ケーブル自体の断面形状を空
気力学的に安定化する対策が施されている。また近時、
斜張橋や吊り橋などで、複数のケーブル同士をワイヤな
どで結合したり、あるいはケーブルに機械的な制振装置
を設けたりして、上記風や走行車両などの影響で発生す
るケーブルの振動を減衰する試みがなされている。
【0004】制振装置の一般的な例としては、たとえば
オイルダンパや、あるいは液状の粘弾性物質を利用した
粘性せん断型のダンパなどがあげられる。しかし、上記
オイルダンパに使用するオイルや、あるいは粘性せん断
型のダンパに使用する液状の粘弾性物質などはいずれ
も、装置の減衰性能を決める主因子である流動性や粘弾
性などの特性の、とくに温度に対する依存性が大きいた
め、わずかな温度変化でも装置の減衰性能が大きく変動
するという問題があり、屋外の、しかも橋上という温度
変化の激しい場所では装置の減衰性能が不安定化するお
それがある。
オイルダンパや、あるいは液状の粘弾性物質を利用した
粘性せん断型のダンパなどがあげられる。しかし、上記
オイルダンパに使用するオイルや、あるいは粘性せん断
型のダンパに使用する液状の粘弾性物質などはいずれ
も、装置の減衰性能を決める主因子である流動性や粘弾
性などの特性の、とくに温度に対する依存性が大きいた
め、わずかな温度変化でも装置の減衰性能が大きく変動
するという問題があり、屋外の、しかも橋上という温度
変化の激しい場所では装置の減衰性能が不安定化するお
それがある。
【0005】また上記の装置は、十分な減衰性能を確保
するとともに、オイルなどの液漏れや雨水などの浸入を
防止する必要から、その構造が複雑で、かつ装置の全体
が大型にならざるを得ないという問題もある。さらに
は、減衰性能を一定のレベルに維持するためにオイル量
のチェックや補給などの保守作業を頻繁に行う必要があ
り、保守に手間がかかるという問題もある。
するとともに、オイルなどの液漏れや雨水などの浸入を
防止する必要から、その構造が複雑で、かつ装置の全体
が大型にならざるを得ないという問題もある。さらに
は、減衰性能を一定のレベルに維持するためにオイル量
のチェックや補給などの保守作業を頻繁に行う必要があ
り、保守に手間がかかるという問題もある。
【0006】そこで近時、それ自体が振動を減衰する機
能を有する高減衰ゴムの加硫成形体を、前記オイルダン
パなどに代わる制振部材として使用した制振装置が提案
された(たとえば特開平6−136718号公報、特開
平7−119115号公報など)。かかる制振部材は、
高減衰ゴムを所定の形状に加硫成形した一個の塊であっ
て液漏れ防止などが不要であり、構造が簡単でかつ装置
の全体を小型化できるため橋の美観の点ですぐれてお
り、しかも頻繁な保守作業を必要としないという利点が
ある。
能を有する高減衰ゴムの加硫成形体を、前記オイルダン
パなどに代わる制振部材として使用した制振装置が提案
された(たとえば特開平6−136718号公報、特開
平7−119115号公報など)。かかる制振部材は、
高減衰ゴムを所定の形状に加硫成形した一個の塊であっ
て液漏れ防止などが不要であり、構造が簡単でかつ装置
の全体を小型化できるため橋の美観の点ですぐれてお
り、しかも頻繁な保守作業を必要としないという利点が
ある。
【0007】また、上記の制振部材は固体であるため、
装置の減衰性能を決める主因子である弾性率、減衰率な
どの特性が、前述したオイルにおける流動性などの特性
に比べて温度条件の影響を受けにくい、すなわち特性の
温度依存性が小さく、したがってこれまでよりも装置の
減衰性能を安定化できることが期待された。
装置の減衰性能を決める主因子である弾性率、減衰率な
どの特性が、前述したオイルにおける流動性などの特性
に比べて温度条件の影響を受けにくい、すなわち特性の
温度依存性が小さく、したがってこれまでよりも装置の
減衰性能を安定化できることが期待された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが発明者らの検
討によると、上記高減衰ゴムの加硫成形体からなる制振
部材においても、橋りょう上という過酷な環境下での温
度変化の影響は大きく、依然として、装置の減衰性能が
不安定化しやすいことが判明した。また、上記高減衰ゴ
ムの加硫成形体は、荷重の増加、減少を繰り返すと、い
わゆるマリンズ効果として説明される軟化現象を生じて
減衰性能が大きく低下するという問題もあった。
討によると、上記高減衰ゴムの加硫成形体からなる制振
部材においても、橋りょう上という過酷な環境下での温
度変化の影響は大きく、依然として、装置の減衰性能が
不安定化しやすいことが判明した。また、上記高減衰ゴ
ムの加硫成形体は、荷重の増加、減少を繰り返すと、い
わゆるマリンズ効果として説明される軟化現象を生じて
減衰性能が大きく低下するという問題もあった。
【0009】すなわち、荷重の増減を繰り返すとゴムが
軟化して、前述した弾性率、減衰率などの特性が急激に
低下し、およそ10回程度の荷重の増減によって各特性
は一定の値で定量化するものの、かかる定量化した状態
では、軟化前の初期状態と比べると同じ荷重での歪み量
が大きく、かつ同じ歪み量での復元力が小さくなって、
減衰性能が著しく低下してしまうのである。
軟化して、前述した弾性率、減衰率などの特性が急激に
低下し、およそ10回程度の荷重の増減によって各特性
は一定の値で定量化するものの、かかる定量化した状態
では、軟化前の初期状態と比べると同じ荷重での歪み量
が大きく、かつ同じ歪み量での復元力が小さくなって、
減衰性能が著しく低下してしまうのである。
【0010】この発明の目的は、高減衰ゴム製のものと
同等の高い減衰性能を有する上、上記高減衰ゴム製のも
のに比べて特性の温度依存性がさらに小さく、かつ荷重
の増減を繰り返した際の軟化の度合いも小さいために減
衰性能が安定化した、新規な制振部材を提供することに
ある。
同等の高い減衰性能を有する上、上記高減衰ゴム製のも
のに比べて特性の温度依存性がさらに小さく、かつ荷重
の増減を繰り返した際の軟化の度合いも小さいために減
衰性能が安定化した、新規な制振部材を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、発明者らは、弾性率、減衰率などの特性の温度依存
性が高減衰ゴムよりもさらに小さい上、マリンズ効果に
よる軟化の度合いも小さい低減衰ゴムにて制振部材を形
成することを検討した。しかし低減衰ゴムは、その名の
とおり減衰率が小さいために、これを単独で使用した制
振部材は、減衰性能の安定性こそ向上するものの、絶対
的な減衰性能の高さの点では不十分であった。
に、発明者らは、弾性率、減衰率などの特性の温度依存
性が高減衰ゴムよりもさらに小さい上、マリンズ効果に
よる軟化の度合いも小さい低減衰ゴムにて制振部材を形
成することを検討した。しかし低減衰ゴムは、その名の
とおり減衰率が小さいために、これを単独で使用した制
振部材は、減衰性能の安定性こそ向上するものの、絶対
的な減衰性能の高さの点では不十分であった。
【0012】そこで、上記低減衰ゴムを他の部材と組み
合わせて減衰性能を向上することを検討した結果、特開
平9−177367号公報に開示された、陸上の建造物
の免震を目的とした免震構造体において採用されてい
る、多数の、硬質の粒状体の摩擦による振動の減衰機構
を応用して、低減衰ゴムの減衰性能を補強すればよいこ
とを見出し、この発明を完成するに至った。
合わせて減衰性能を向上することを検討した結果、特開
平9−177367号公報に開示された、陸上の建造物
の免震を目的とした免震構造体において採用されてい
る、多数の、硬質の粒状体の摩擦による振動の減衰機構
を応用して、低減衰ゴムの減衰性能を補強すればよいこ
とを見出し、この発明を完成するに至った。
【0013】すなわちこの発明の減衰部材は、構造物を
ケーブルで支持した橋りょうの、上記ケーブルに発生す
る振動を減衰するために用いられるものであって、−2
0〜+40℃の温度範囲内での損失正接tanδが0.
15未満である低減衰ゴムにて一体形成された、内部に
空洞を有するゴム部材の、上記空洞中に、多数の硬質の
粒状体を、25kg/cm2以上の圧力が加わるように
圧入、充てんしたことを特徴としている。
ケーブルで支持した橋りょうの、上記ケーブルに発生す
る振動を減衰するために用いられるものであって、−2
0〜+40℃の温度範囲内での損失正接tanδが0.
15未満である低減衰ゴムにて一体形成された、内部に
空洞を有するゴム部材の、上記空洞中に、多数の硬質の
粒状体を、25kg/cm2以上の圧力が加わるように
圧入、充てんしたことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の制振部材を、
その実施の形態の一例を示す図面を参照しつつ説明す
る。図1(a)(b)にみるようにこの例の制振部材1は、内
部に円柱状の空洞10を有する円筒状に形成された、ゴ
ム部材11と、このゴム部材11の上下に、それぞれ上
記空洞10を外部と遮蔽するように固定された一対の固
定金具12、13とを備えるとともに、当該固定金具1
2、13によって外部と遮蔽された空洞10内に、前記
のように多数の硬質の粒状体B1を圧入、充てんするこ
とで構成されている。
その実施の形態の一例を示す図面を参照しつつ説明す
る。図1(a)(b)にみるようにこの例の制振部材1は、内
部に円柱状の空洞10を有する円筒状に形成された、ゴ
ム部材11と、このゴム部材11の上下に、それぞれ上
記空洞10を外部と遮蔽するように固定された一対の固
定金具12、13とを備えるとともに、当該固定金具1
2、13によって外部と遮蔽された空洞10内に、前記
のように多数の硬質の粒状体B1を圧入、充てんするこ
とで構成されている。
【0015】このうちゴム部材11は、前記のように−
20〜+40℃の温度範囲内での損失正接tanδ(損
失係数)が0.15未満である低減衰ゴムにて一体形成
される。ゴム部材11の損失正接tanδが上記の範囲
に限定されるのは、この範囲より損失正接tanδの大
きいゴムは低減衰ゴムとは言いがたく、前述したように
弾性率、減衰率などの特性の温度依存性が大きくなり、
かつマリンズ効果による軟化の度合いも大きくなって、
制振部材1の減衰性能が不安定化してしまうからであ
る。
20〜+40℃の温度範囲内での損失正接tanδ(損
失係数)が0.15未満である低減衰ゴムにて一体形成
される。ゴム部材11の損失正接tanδが上記の範囲
に限定されるのは、この範囲より損失正接tanδの大
きいゴムは低減衰ゴムとは言いがたく、前述したように
弾性率、減衰率などの特性の温度依存性が大きくなり、
かつマリンズ効果による軟化の度合いも大きくなって、
制振部材1の減衰性能が不安定化してしまうからであ
る。
【0016】なお上記ゴム部材11の損失正接tanδ
は、制振部材1の減衰性能の安定化を考慮すると、上記
の範囲内でもとくに0.1以下であるのが好ましく、
0.02〜0.04程度であるのがさらに好ましい。か
かるゴム部材11は、加硫後の損失正接tanδが上記
の値を示す未加硫のゴム組成物を、たとえばローラーヘ
ッド押出機などを用いてシート状に成形し、このシート
を、ゴム部材11の断面形状に対応したリング状に打ち
抜いたのち、打ち抜いたシートを、所定の厚みを有する
ように複数枚、積層した状態で、所定の型内で加熱して
加硫成形するなどして製造される。
は、制振部材1の減衰性能の安定化を考慮すると、上記
の範囲内でもとくに0.1以下であるのが好ましく、
0.02〜0.04程度であるのがさらに好ましい。か
かるゴム部材11は、加硫後の損失正接tanδが上記
の値を示す未加硫のゴム組成物を、たとえばローラーヘ
ッド押出機などを用いてシート状に成形し、このシート
を、ゴム部材11の断面形状に対応したリング状に打ち
抜いたのち、打ち抜いたシートを、所定の厚みを有する
ように複数枚、積層した状態で、所定の型内で加熱して
加硫成形するなどして製造される。
【0017】またこの加硫成形と同時に加硫接着するな
どして、製造されたゴム部材11の上下に、それぞれ、
鋼板などで形成された上下の固定金具12、13が固定
される。上記の製造方法に使用される未加硫のゴム組成
物は、従来同様に基材ゴムに、加硫剤、加硫促進剤、加
硫促進助剤、加硫遅延剤、補強剤、充てん剤、軟化剤、
可塑剤、粘着性付与剤その他、各種の添加剤を添加する
ことで構成される。
どして、製造されたゴム部材11の上下に、それぞれ、
鋼板などで形成された上下の固定金具12、13が固定
される。上記の製造方法に使用される未加硫のゴム組成
物は、従来同様に基材ゴムに、加硫剤、加硫促進剤、加
硫促進助剤、加硫遅延剤、補強剤、充てん剤、軟化剤、
可塑剤、粘着性付与剤その他、各種の添加剤を添加する
ことで構成される。
【0018】このうち基材ゴムとしては、天然ゴム(N
R)の他、たとえばイソプレンゴム(IR)、ブタジエ
ンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(S
BR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、
ブチルゴム(IIR)などの合成ゴムがあげられる。こ
れらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用す
ることもできる。
R)の他、たとえばイソプレンゴム(IR)、ブタジエ
ンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(S
BR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、
ブチルゴム(IIR)などの合成ゴムがあげられる。こ
れらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用す
ることもできる。
【0019】加硫剤としては、たとえば硫黄、有機含硫
黄化合物、有機過酸化物などがあげられ、このうち有機
含硫黄化合物としては、たとえばN,N′−ジチオビス
モルホリンなどがあげられ、有機過酸化物としては、た
とえばベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド
などがあげられる。また加硫促進剤としては、たとえば
テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウ
ラムモノスルフィドなどのチウラム系加硫促進剤;ジブ
チルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミ
ン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム、ジ
エチルジチオカーバミン酸テルルなどのジチオカーバミ
ン酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロ
ヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなど
のチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジエ
チルチオ尿素などのチオウレア類などの有機促進剤や、
あるいは消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサ
ージ(PbO)などの無機促進剤があげられる。
黄化合物、有機過酸化物などがあげられ、このうち有機
含硫黄化合物としては、たとえばN,N′−ジチオビス
モルホリンなどがあげられ、有機過酸化物としては、た
とえばベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド
などがあげられる。また加硫促進剤としては、たとえば
テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウ
ラムモノスルフィドなどのチウラム系加硫促進剤;ジブ
チルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミ
ン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム、ジ
エチルジチオカーバミン酸テルルなどのジチオカーバミ
ン酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロ
ヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなど
のチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジエ
チルチオ尿素などのチオウレア類などの有機促進剤や、
あるいは消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサ
ージ(PbO)などの無機促進剤があげられる。
【0020】加硫促進助剤としては、たとえばステアリ
ン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸などの脂肪酸や、あるい
は亜鉛華などの金属酸化物などがあげられる。加硫遅延
剤としては、たとえばサリチル酸、無水フタル酸、安息
香酸などの芳香族有機酸;N−ニトロソジフェニルアミ
ン、N−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−
ジハイドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチ
ルアミンなどのニトロソ化合物などがあげられる。
ン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸などの脂肪酸や、あるい
は亜鉛華などの金属酸化物などがあげられる。加硫遅延
剤としては、たとえばサリチル酸、無水フタル酸、安息
香酸などの芳香族有機酸;N−ニトロソジフェニルアミ
ン、N−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−
ジハイドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチ
ルアミンなどのニトロソ化合物などがあげられる。
【0021】老化防止剤としては、たとえば2−メルカ
プトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類;フェニ
ル−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル
−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソ
プロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類;ジ
−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール
などのフェノール類などがあげられる。
プトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類;フェニ
ル−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル
−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソ
プロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類;ジ
−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール
などのフェノール類などがあげられる。
【0022】補強剤としては主にカーボンブラックが使
用される他、シリカ系、あるいはケイ酸塩系のホワイト
カーボン、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、タルク、クレーなどの無機補強剤や、
あるいはクマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、ハイ
スチレン樹脂(スチレン含有量の多いスチレン−ブタジ
エン共重合体)などの有機補強剤も使用できる。
用される他、シリカ系、あるいはケイ酸塩系のホワイト
カーボン、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、タルク、クレーなどの無機補強剤や、
あるいはクマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、ハイ
スチレン樹脂(スチレン含有量の多いスチレン−ブタジ
エン共重合体)などの有機補強剤も使用できる。
【0023】また充てん剤としては、たとえば炭酸カル
シウム、クレー、硫酸バリウム、珪藻土などがあげられ
る。軟化剤としては、たとえば脂肪酸(ステアリン酸、
ラウリン酸など)、綿実油、トール油、アスファルト物
質、パラフィンワックスなどの、植物油系、鉱物油系、
および合成系の各種軟化剤があげられる。
シウム、クレー、硫酸バリウム、珪藻土などがあげられ
る。軟化剤としては、たとえば脂肪酸(ステアリン酸、
ラウリン酸など)、綿実油、トール油、アスファルト物
質、パラフィンワックスなどの、植物油系、鉱物油系、
および合成系の各種軟化剤があげられる。
【0024】可塑剤としては、たとえばジブチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ートなどの各種可塑剤があげられる。さらに粘着性付与
剤としては、たとえばクマロン・インデン樹脂、芳香族
系樹脂、芳香族・脂肪族混合系樹脂、ロジン系樹脂、シ
クロペンタジエン系樹脂などがあげられる。
ート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ートなどの各種可塑剤があげられる。さらに粘着性付与
剤としては、たとえばクマロン・インデン樹脂、芳香族
系樹脂、芳香族・脂肪族混合系樹脂、ロジン系樹脂、シ
クロペンタジエン系樹脂などがあげられる。
【0025】上記以外にも、ゴム組成物にはたとえば分
散剤、溶剤などを適宜配合してもよい。ゴム組成物は、
上記の各成分を、たとえば密閉式混練機などを用いて混
練することで製造される。かかるゴム組成物を加硫成形
して製造されるゴム部材11の、−20〜+40℃の温
度範囲内での損失正接tanδを、前記のように0.1
5未満の範囲内に調整するには、基材ゴムの種類を選択
するとともに、当該基材ゴムに添加する前記補強剤、軟
化剤、加硫剤などの種類とその配合割合などを適宜、調
整すればよい。
散剤、溶剤などを適宜配合してもよい。ゴム組成物は、
上記の各成分を、たとえば密閉式混練機などを用いて混
練することで製造される。かかるゴム組成物を加硫成形
して製造されるゴム部材11の、−20〜+40℃の温
度範囲内での損失正接tanδを、前記のように0.1
5未満の範囲内に調整するには、基材ゴムの種類を選択
するとともに、当該基材ゴムに添加する前記補強剤、軟
化剤、加硫剤などの種類とその配合割合などを適宜、調
整すればよい。
【0026】たとえば基材ゴムとしてNRとIRとを重
量比で65:35の割合で使用する系においては、当該
基材ゴム100重量部に対して、補強剤としてのカーボ
ンブラックを10〜50重量部、軟化剤としてのオイル
を0〜20重量部、加硫剤としての硫黄を0.5〜3重
量部の範囲で添加するとともに、老化防止剤などのその
他の添加剤を少量、添加したゴム組成物を加硫成形する
ことにより、損失正接tanδが0.15未満であるゴ
ム部材11が製造される。
量比で65:35の割合で使用する系においては、当該
基材ゴム100重量部に対して、補強剤としてのカーボ
ンブラックを10〜50重量部、軟化剤としてのオイル
を0〜20重量部、加硫剤としての硫黄を0.5〜3重
量部の範囲で添加するとともに、老化防止剤などのその
他の添加剤を少量、添加したゴム組成物を加硫成形する
ことにより、損失正接tanδが0.15未満であるゴ
ム部材11が製造される。
【0027】上記ゴム部材11の上下に固定される固定
金具12、13は、制振部材1を、後述する斜張橋や吊
り橋などの制振装置に組み込んで固定する際に使用され
るもので、それぞれ鋼板を打ち抜くなどして形成され
る。なお図において符号12a、13aは、それぞれの
固定金具12、13を制振装置に組み込んで固定するた
めのボルト(図示せず)が挿通される通孔である。
金具12、13は、制振部材1を、後述する斜張橋や吊
り橋などの制振装置に組み込んで固定する際に使用され
るもので、それぞれ鋼板を打ち抜くなどして形成され
る。なお図において符号12a、13aは、それぞれの
固定金具12、13を制振装置に組み込んで固定するた
めのボルト(図示せず)が挿通される通孔である。
【0028】ゴム部材11の空洞10中に充てんされる
粒状体B1としては、ゴム部材11よりも硬質で、当該
ゴム部材11がケーブルの振動によって変形した際に一
緒になって変形せずに、粒状体B1同士の間で摩擦を生
じて上記ケーブルの振動を減衰しうる、種々の粒状体が
いずれも使用可能である。かかる硬質の粒状体B1とし
ては、これに限定されないがたとえばペレット状、ある
いはチップ状の硬質プラスチック粒子、砂粒、鉄粉、ガ
ラスビーズなどがあげられ、中でもとくに軽量で、制振
部材1の重量増を引き起こさない、あるいはあまり重量
増を引き起こさない硬質プラスチック粒子が好ましい。
粒状体B1としては、ゴム部材11よりも硬質で、当該
ゴム部材11がケーブルの振動によって変形した際に一
緒になって変形せずに、粒状体B1同士の間で摩擦を生
じて上記ケーブルの振動を減衰しうる、種々の粒状体が
いずれも使用可能である。かかる硬質の粒状体B1とし
ては、これに限定されないがたとえばペレット状、ある
いはチップ状の硬質プラスチック粒子、砂粒、鉄粉、ガ
ラスビーズなどがあげられ、中でもとくに軽量で、制振
部材1の重量増を引き起こさない、あるいはあまり重量
増を引き起こさない硬質プラスチック粒子が好ましい。
【0029】また、資源の節約および低コスト化の観点
からすると、上記硬質プラスチック粒子としては、たと
えば回収された使用済みのPETボトルをチップ状に粉
砕した粉砕物や、あるいは円柱状などの所定の形状に再
成形したペレットなどのリサイクル品を使用するのが好
ましく、とくに粒状体B1の均一性や、空洞10中への
充てんのしやすさなどを考慮すると、その直径と高さが
概ね2mm程度の円柱状に形成されたペレットがより一
層、好適に使用される。
からすると、上記硬質プラスチック粒子としては、たと
えば回収された使用済みのPETボトルをチップ状に粉
砕した粉砕物や、あるいは円柱状などの所定の形状に再
成形したペレットなどのリサイクル品を使用するのが好
ましく、とくに粒状体B1の均一性や、空洞10中への
充てんのしやすさなどを考慮すると、その直径と高さが
概ね2mm程度の円柱状に形成されたペレットがより一
層、好適に使用される。
【0030】ゴム部材11の空洞10中に、上記の粒状
体B1を圧入、充てんするには、たとえば前述したよう
にゴム部材11を加硫成形する際に同時に、上記空洞1
0を塞ぐように加硫接着された固定金具12、13のう
ちの一方に、あらかじめ空洞10に通じる、その内周面
に雌ねじを切った通孔を形成しておき、その全容積が、
空洞10の内容積より大きくなる量の粒状体B1を、こ
の通孔を通して空洞10内に充てんしたのち、外周面に
通孔の雌ねじと螺合する雄ねじを切った蓋体をねじ込ん
で、粒状体B1を加圧しつつ、空洞10を密閉すればよ
い。
体B1を圧入、充てんするには、たとえば前述したよう
にゴム部材11を加硫成形する際に同時に、上記空洞1
0を塞ぐように加硫接着された固定金具12、13のう
ちの一方に、あらかじめ空洞10に通じる、その内周面
に雌ねじを切った通孔を形成しておき、その全容積が、
空洞10の内容積より大きくなる量の粒状体B1を、こ
の通孔を通して空洞10内に充てんしたのち、外周面に
通孔の雌ねじと螺合する雄ねじを切った蓋体をねじ込ん
で、粒状体B1を加圧しつつ、空洞10を密閉すればよ
い。
【0031】かかる密閉状態(圧入、充てん状態)にお
いて、粒状体B1には、25kg/cm2以上の圧力が
加わるようにする必要がある。圧力がこの範囲未満で
は、空洞10中に、十分な量の粒状体B1が充てんされ
ないために、当該粒状体B1の摩擦による、制振部材1
の減衰性能を補助する効果が不十分となって、制振部材
の減衰性能が低下してしまう。
いて、粒状体B1には、25kg/cm2以上の圧力が
加わるようにする必要がある。圧力がこの範囲未満で
は、空洞10中に、十分な量の粒状体B1が充てんされ
ないために、当該粒状体B1の摩擦による、制振部材1
の減衰性能を補助する効果が不十分となって、制振部材
の減衰性能が低下してしまう。
【0032】なお圧力は、上記の範囲内でもとくに30
〜120kg/cm2程度であるのが好ましく、40〜
85kg/cm2程度であるのがさらに好ましい。粒状
体B1に加わる圧力を上記の範囲に設定するには、当該
粒状体B1の材質、硬さ、形状、粒径、ならびにゴム部
材11の、空洞10の内容積などを考慮して、当該空洞
10内に充てんする粒状体の全容積を求め、それに見合
う粒状体B1の充てん量を設定すればよい。
〜120kg/cm2程度であるのが好ましく、40〜
85kg/cm2程度であるのがさらに好ましい。粒状
体B1に加わる圧力を上記の範囲に設定するには、当該
粒状体B1の材質、硬さ、形状、粒径、ならびにゴム部
材11の、空洞10の内容積などを考慮して、当該空洞
10内に充てんする粒状体の全容積を求め、それに見合
う粒状体B1の充てん量を設定すればよい。
【0033】なお制振部材1は屋外で使用されるもので
あるため、その耐候性を向上すべく、とくにゴム部材1
1の外周面が、耐候性にすぐれた被覆層によって被覆さ
れていてもよい。上記被覆層を構成する、耐候性にすぐ
れた材料としては、これに限定されないがたとえば、パ
ラメチルスチレン−イソブチレン共重合体の臭素化物
や、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プ
ロピレン共重合ゴムなどがあげられる。
あるため、その耐候性を向上すべく、とくにゴム部材1
1の外周面が、耐候性にすぐれた被覆層によって被覆さ
れていてもよい。上記被覆層を構成する、耐候性にすぐ
れた材料としては、これに限定されないがたとえば、パ
ラメチルスチレン−イソブチレン共重合体の臭素化物
や、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プ
ロピレン共重合ゴムなどがあげられる。
【0034】被覆層を形成するには、たとえばゴム部材
11の元になる加硫前のシートの積層体の外周面に、上
記の材料からなる未加硫のシートを巻きつけておいて、
加硫成形と同時に、被覆層となるシート自体の加硫と積
層体への接着とを行えばよい。上記例の制振部材1は、
たとえば図4(a)に示す斜張橋B1や、あるいは同図(b)
に示す吊り橋B2などの橋りょうに設けられた制振装置
2に組み込んで使用される。
11の元になる加硫前のシートの積層体の外周面に、上
記の材料からなる未加硫のシートを巻きつけておいて、
加硫成形と同時に、被覆層となるシート自体の加硫と積
層体への接着とを行えばよい。上記例の制振部材1は、
たとえば図4(a)に示す斜張橋B1や、あるいは同図(b)
に示す吊り橋B2などの橋りょうに設けられた制振装置
2に組み込んで使用される。
【0035】このうち図(a)の斜張橋B1の制振装置2
は、当該図にみるように、剛性の低い柔構造に設計され
た橋げた3などの構造物を支えるべく、主塔4から斜め
に張設された複数本のケーブル5と、上記橋げた3など
との間に介設されるものであって、より詳しくは図2に
示す構造を有している。すなわち図の制振装置2は、た
とえば橋げた3などの、斜張橋B1の構造物上に設け
た、ケーブル5の基端部を固定するための固定部31
の、上記ケーブル5が突出した先端部に、複数個の制振
部材1を、上下、左右、斜めなど、ケーブル5の周囲の
全周方向に発生する振動を均等に減衰すべく、その周囲
を等距離、等間隔で囲むように配置するとともに、上記
ケーブル5の途中に固定した、制振部材1と同数の振動
伝達部材21によって、ケーブル5に発生する振動を各
制振部材1に伝えて、当該各制振部材1によって減衰す
るようにしたものである。
は、当該図にみるように、剛性の低い柔構造に設計され
た橋げた3などの構造物を支えるべく、主塔4から斜め
に張設された複数本のケーブル5と、上記橋げた3など
との間に介設されるものであって、より詳しくは図2に
示す構造を有している。すなわち図の制振装置2は、た
とえば橋げた3などの、斜張橋B1の構造物上に設け
た、ケーブル5の基端部を固定するための固定部31
の、上記ケーブル5が突出した先端部に、複数個の制振
部材1を、上下、左右、斜めなど、ケーブル5の周囲の
全周方向に発生する振動を均等に減衰すべく、その周囲
を等距離、等間隔で囲むように配置するとともに、上記
ケーブル5の途中に固定した、制振部材1と同数の振動
伝達部材21によって、ケーブル5に発生する振動を各
制振部材1に伝えて、当該各制振部材1によって減衰す
るようにしたものである。
【0036】各制振部材1は、下側の固定金具13を、
1枚のリング体22上に等距離、等間隔で固定し、この
リング体22を、固定部31の先端部に被せて固定した
有底円筒状のベース23に固定することで、上記のよう
にケーブル5の周囲を等距離、等間隔で囲むように配
置、固定されている。また振動伝達部材21は、略L字
状に形成したものの先端部に、上記制振部材1の上側の
固定金具12を固定するとともに、基端部を、ケーブル
5の周囲に、締めリング24によって締めつけること
で、当該ケーブル5の途中に固定されている。
1枚のリング体22上に等距離、等間隔で固定し、この
リング体22を、固定部31の先端部に被せて固定した
有底円筒状のベース23に固定することで、上記のよう
にケーブル5の周囲を等距離、等間隔で囲むように配
置、固定されている。また振動伝達部材21は、略L字
状に形成したものの先端部に、上記制振部材1の上側の
固定金具12を固定するとともに、基端部を、ケーブル
5の周囲に、締めリング24によって締めつけること
で、当該ケーブル5の途中に固定されている。
【0037】さらに図の例では、上記の各部が風雨に曝
されるのを防ぐとともに、斜張橋B1の外観を向上する
ために、ベース31とケーブル5との間にカバー25が
張設されている。つぎに、図4(b)に示した吊り橋B2
の制振装置2は、当該図にみるように、剛性の低い柔構
造に設計された橋げた6などの構造物を支えるべく、一
対の主塔7、7間などに張設されたメインケーブル8か
ら張設された複数本のケーブル9と、上記橋げた5など
との間に介設されたものであって、より詳しくは図3に
示す例のような構造を有している。
されるのを防ぐとともに、斜張橋B1の外観を向上する
ために、ベース31とケーブル5との間にカバー25が
張設されている。つぎに、図4(b)に示した吊り橋B2
の制振装置2は、当該図にみるように、剛性の低い柔構
造に設計された橋げた6などの構造物を支えるべく、一
対の主塔7、7間などに張設されたメインケーブル8か
ら張設された複数本のケーブル9と、上記橋げた5など
との間に介設されたものであって、より詳しくは図3に
示す例のような構造を有している。
【0038】すなわち図の例の制振装置2は、基本的に
先の図2のものと同様の構造であって、複数個の制振部
材1を、たとえば橋げた6などの、吊り橋B2の構造物
に設けた、ケーブル9の基端部を固定するための固定部
61の、上記ケーブル9が突出した先端部に、ケーブル
9の周囲を等距離、等間隔で囲むように配置するととも
に、上記ケーブル9の途中に固定した、制振部材1と同
数の振動伝達部材21によって、ケーブル9に発生する
振動を各制振部材1に伝えて、当該各制振部材1によっ
て減衰するようにしたものである。
先の図2のものと同様の構造であって、複数個の制振部
材1を、たとえば橋げた6などの、吊り橋B2の構造物
に設けた、ケーブル9の基端部を固定するための固定部
61の、上記ケーブル9が突出した先端部に、ケーブル
9の周囲を等距離、等間隔で囲むように配置するととも
に、上記ケーブル9の途中に固定した、制振部材1と同
数の振動伝達部材21によって、ケーブル9に発生する
振動を各制振部材1に伝えて、当該各制振部材1によっ
て減衰するようにしたものである。
【0039】制振部材1は、やはり先のものと同様に、
下側の固定金具13を、1枚のリング体22上に等距
離、等間隔で固定し、このリング体22を固定部61の
先端部に固定することで、当該固定部61の先端部に、
前記のようにケーブル9の周囲を等距離、等間隔で囲む
ように配置されている。また振動伝達部材21は、略L
字状に形成したものの先端部に、上記制振部材1の上側
の固定金具12を固定するとともに、基端部を、ケーブ
ル9の周囲に、締めリング24によって締めつけること
で、当該ケーブルの途中に固定されている。
下側の固定金具13を、1枚のリング体22上に等距
離、等間隔で固定し、このリング体22を固定部61の
先端部に固定することで、当該固定部61の先端部に、
前記のようにケーブル9の周囲を等距離、等間隔で囲む
ように配置されている。また振動伝達部材21は、略L
字状に形成したものの先端部に、上記制振部材1の上側
の固定金具12を固定するとともに、基端部を、ケーブ
ル9の周囲に、締めリング24によって締めつけること
で、当該ケーブルの途中に固定されている。
【0040】なお図示していないが、上記の各部が風雨
に曝されるのを防ぐとともに、吊り橋B2の外観を向上
するために、カバーを張設してもよい。なお、この発明
の制振部材は、以上で説明した図の例のものには限定さ
れない。たとえば制振部材のうちゴム部材は、図示の円
筒状には限定されず、たとえば角筒状や、あるいは中央
が膨らんだ樽状、逆に中央が締まった鼓状などの、種々
の形状とすることができる。また、ゴム部材に設ける空
洞の形状も、ゴム部材の形状にあわせて適宜、変更でき
る。また空洞の数は1個には限らず、2個以上の小さな
空洞を設けるようにしてもよい。
に曝されるのを防ぐとともに、吊り橋B2の外観を向上
するために、カバーを張設してもよい。なお、この発明
の制振部材は、以上で説明した図の例のものには限定さ
れない。たとえば制振部材のうちゴム部材は、図示の円
筒状には限定されず、たとえば角筒状や、あるいは中央
が膨らんだ樽状、逆に中央が締まった鼓状などの、種々
の形状とすることができる。また、ゴム部材に設ける空
洞の形状も、ゴム部材の形状にあわせて適宜、変更でき
る。また空洞の数は1個には限らず、2個以上の小さな
空洞を設けるようにしてもよい。
【0041】また、この発明の制振部材は、以上で説明
した図の制振装置以外の、たとえば特開平6−1367
18号公報に開示された制振装置などに組み込んで使用
してもよい。その場合には制振部材を、装置の形状に適
した形状とすればよい。その他、この発明の要旨を変更
しない範囲で、種々の変更を施すことができる。
した図の制振装置以外の、たとえば特開平6−1367
18号公報に開示された制振装置などに組み込んで使用
してもよい。その場合には制振部材を、装置の形状に適
した形状とすればよい。その他、この発明の要旨を変更
しない範囲で、種々の変更を施すことができる。
【0042】
【実施例】以下にこの発明の制振部材を、実施例、比較
例に基づいて説明する。 実施例1 《ゴム組成物の作製》 (成分) (重量部) ・基材ゴム: NR:IR=65:35(重量比) 100 ・補強剤: カーボンブラックGPF 25 ・軟化剤: アロマオイル 10 ・加硫剤: 粉末硫黄 1 ・加硫促進剤 2 ・加硫促進助剤 4 ・老化防止剤 4 《制振部材の製造》上記のゴム組成物を、ローラーヘッ
ド押出機を用いて、厚み6mmのシート状に押出成形し
た後、外径75mmでかつその中心に直径40mmの、
空洞の元になる穴を有するリング状に打ち抜いた。
例に基づいて説明する。 実施例1 《ゴム組成物の作製》 (成分) (重量部) ・基材ゴム: NR:IR=65:35(重量比) 100 ・補強剤: カーボンブラックGPF 25 ・軟化剤: アロマオイル 10 ・加硫剤: 粉末硫黄 1 ・加硫促進剤 2 ・加硫促進助剤 4 ・老化防止剤 4 《制振部材の製造》上記のゴム組成物を、ローラーヘッ
ド押出機を用いて、厚み6mmのシート状に押出成形し
た後、外径75mmでかつその中心に直径40mmの、
空洞の元になる穴を有するリング状に打ち抜いた。
【0043】つぎに上記リング状のシートを8枚、中心
の穴を利用して位置合わせしつつ重ね、さらにその上下
に、加硫接着剤を介して、一対の固定金具〔鋼板製、厚
み6mm、長径135mm、短径90mmで、かつ長径
側に形成したボルト挿通用の2個の通孔12a(13
a)の内径13.5mm、2個の通孔の中心間の間隔1
10mm〕を積層、圧着した状態で、外径80mm、高
さ40mmの円柱状のゴム部材を加硫成形するための型
内に仕込み、加圧下で加熱して、図1(a)(b)に示すよう
にその内部に内径40mm、高さ40mmの円柱状の空
洞10を有するとともに、その上下に、当該空洞10を
外部と遮断するように、固定金具12、13が加硫接着
されたゴム部材11を加硫成形した。
の穴を利用して位置合わせしつつ重ね、さらにその上下
に、加硫接着剤を介して、一対の固定金具〔鋼板製、厚
み6mm、長径135mm、短径90mmで、かつ長径
側に形成したボルト挿通用の2個の通孔12a(13
a)の内径13.5mm、2個の通孔の中心間の間隔1
10mm〕を積層、圧着した状態で、外径80mm、高
さ40mmの円柱状のゴム部材を加硫成形するための型
内に仕込み、加圧下で加熱して、図1(a)(b)に示すよう
にその内部に内径40mm、高さ40mmの円柱状の空
洞10を有するとともに、その上下に、当該空洞10を
外部と遮断するように、固定金具12、13が加硫接着
されたゴム部材11を加硫成形した。
【0044】つぎに、上記のようにして加硫成形された
ゴム部材11内の空洞10中に、片側の固定金具12の
中心にあらかじめ形成しておいた、内径3mmのネジ孔
を通して、粒状体B1としての再生PET製ペレット
〔直径約2mm、高さ約2mmの円柱状〕を充てんした
のち、上記ネジ孔に蓋体をねじ込んで粒状体B1を加圧
しつつ空洞10を密閉して、実施例1の制振部材を製造
した。
ゴム部材11内の空洞10中に、片側の固定金具12の
中心にあらかじめ形成しておいた、内径3mmのネジ孔
を通して、粒状体B1としての再生PET製ペレット
〔直径約2mm、高さ約2mmの円柱状〕を充てんした
のち、上記ネジ孔に蓋体をねじ込んで粒状体B1を加圧
しつつ空洞10を密閉して、実施例1の制振部材を製造
した。
【0045】再生PET製ペレットの充てん量は43
g、密閉状態において、充てんされた再生PET製ペレ
ットに加わる圧力は40kg/cm2であった。 比較例1 《ゴム組成物の作製》 (成分) (重量部) ・基材ゴム: NR:IR=65:35(重量比) 100 ・補強剤: カーボンブラックGPF 50 シリカ 70 ・シラン化合物 14 ・軟化剤: アロマオイル 10 ・加硫剤: 粉末硫黄 1 ・加硫促進剤 2 ・加硫促進助剤 4 ・老化防止剤 4 《制振部材の製造》上記のゴム組成物を、ローラーヘッ
ド押出機を用いて、厚み6mmのシート状に押出成形し
た後、外径75mmでかつその中心に直径1mmの、位
置合わせのための穴を有するリング状に打ち抜いた。
g、密閉状態において、充てんされた再生PET製ペレ
ットに加わる圧力は40kg/cm2であった。 比較例1 《ゴム組成物の作製》 (成分) (重量部) ・基材ゴム: NR:IR=65:35(重量比) 100 ・補強剤: カーボンブラックGPF 50 シリカ 70 ・シラン化合物 14 ・軟化剤: アロマオイル 10 ・加硫剤: 粉末硫黄 1 ・加硫促進剤 2 ・加硫促進助剤 4 ・老化防止剤 4 《制振部材の製造》上記のゴム組成物を、ローラーヘッ
ド押出機を用いて、厚み6mmのシート状に押出成形し
た後、外径75mmでかつその中心に直径1mmの、位
置合わせのための穴を有するリング状に打ち抜いた。
【0046】つぎに上記リング状のシートを8枚、中心
の穴を利用して位置合わせしつつ重ね、さらにその上下
に、加硫接着剤を介して、一対の固定金具〔鋼板製、厚
み6mm、長径135mm、短径90mmで、かつ長径
側に形成したボルト挿通用の2個の通孔の内径13.5
mm、2個の通孔の中心間の間隔110mm〕を積層、
圧着した状態で、外径80mm、高さ40mmの円柱状
のゴム部材を加硫成形するための型内に仕込み、加圧下
で加熱して、その内部に内径1mm、高さ40mmの円
柱状の空洞を有するとともに、その上下に固定金具が加
硫接着されたゴム部材を加硫成形した。
の穴を利用して位置合わせしつつ重ね、さらにその上下
に、加硫接着剤を介して、一対の固定金具〔鋼板製、厚
み6mm、長径135mm、短径90mmで、かつ長径
側に形成したボルト挿通用の2個の通孔の内径13.5
mm、2個の通孔の中心間の間隔110mm〕を積層、
圧着した状態で、外径80mm、高さ40mmの円柱状
のゴム部材を加硫成形するための型内に仕込み、加圧下
で加熱して、その内部に内径1mm、高さ40mmの円
柱状の空洞を有するとともに、その上下に固定金具が加
硫接着されたゴム部材を加硫成形した。
【0047】そして上記ゴム部材の空洞中に再生PET
製ペレットを圧入、充てんせずに、比較例1の制振部材
とした。上記実施例1、比較例1の制振部材について、
下記の試験を行って、その特性を評価した。 せん断動的粘弾性試験(I) 30ton/10ton二軸動的試験機〔東京衡機
(株)製〕を用いて、実施例1、比較例1で製造した制
振部材のせん断動的粘弾性特性を測定した。
製ペレットを圧入、充てんせずに、比較例1の制振部材
とした。上記実施例1、比較例1の制振部材について、
下記の試験を行って、その特性を評価した。 せん断動的粘弾性試験(I) 30ton/10ton二軸動的試験機〔東京衡機
(株)製〕を用いて、実施例1、比較例1で製造した制
振部材のせん断動的粘弾性特性を測定した。
【0048】すなわち、測定温度−10℃、20℃およ
び40℃の各条件下、制振部材1の下側の固定金具13
を固定した状態で、上側の固定金具12を、図5に白矢
印で示すように横方向に繰り返し変位させて、ゴム部材
11をせん断変形させた。せん断変形は、上側の固定金
具12の、上記横方向の変位(水平変位)の変位量d
(mm)と、ゴム部材11の高さt(=40mm)とか
ら、下記式(i):
び40℃の各条件下、制振部材1の下側の固定金具13
を固定した状態で、上側の固定金具12を、図5に白矢
印で示すように横方向に繰り返し変位させて、ゴム部材
11をせん断変形させた。せん断変形は、上側の固定金
具12の、上記横方向の変位(水平変位)の変位量d
(mm)と、ゴム部材11の高さt(=40mm)とか
ら、下記式(i):
【0049】
【数1】
【0050】によって求められるせん断ひずみD(%)
の最大値が5%となる水平変位を周波数2.0Hzで3
サイクル繰り返し行い、ついで上記せん断ひずみDの最
大値を12.5%、25%、50%、100%、150
%および200%に順次増加させた水平変位を、それぞ
れ周波数2.0Hzで3サイクル繰り返し行った。そし
て、上記一連の水平変位をせん断変形の1ルーチンとし
て、2ルーチン目の、せん断ひずみDの最大値が100
%である水平変位のうち3サイクル目の、水平変位の変
位量d(mm)と水平荷重との関係を測定した。
の最大値が5%となる水平変位を周波数2.0Hzで3
サイクル繰り返し行い、ついで上記せん断ひずみDの最
大値を12.5%、25%、50%、100%、150
%および200%に順次増加させた水平変位を、それぞ
れ周波数2.0Hzで3サイクル繰り返し行った。そし
て、上記一連の水平変位をせん断変形の1ルーチンとし
て、2ルーチン目の、せん断ひずみDの最大値が100
%である水平変位のうち3サイクル目の、水平変位の変
位量d(mm)と水平荷重との関係を測定した。
【0051】つぎに、上記のようにして測定した、図6
に示す水平変位と水平荷重との関係を示すヒステリシス
ループ曲線から、下記式(ii):
に示す水平変位と水平荷重との関係を示すヒステリシス
ループ曲線から、下記式(ii):
【0052】
【数2】
【0053】により、等価減衰定数heを求めた。結果
を図7(a)に示す。なお、上記式(ii)中のΔWは、変位
1サイクルあたりの損失エネルギー(図6においてヒス
テリシスループ曲線で囲まれた楕円の領域の面積)を示
し、Wは、最大振幅に至るまでに蓄積された弾性歪みエ
ネルギー(図6において斜線の領域の面積)を示す。ま
た図6中のFは、最大変位時(この場合はせん断ひずみ
D=100%)の水平荷重を示す。さらに図6中の曲線
Lは、所定の変位時におけるヒステリシスループ曲線上
のa点の水平荷重とc点の水平荷重との中間点(b点)
を、変位ゼロ時(D=0%)から最大変位時(D=10
0%)までの全範囲で求めてプロットした曲線である。
を図7(a)に示す。なお、上記式(ii)中のΔWは、変位
1サイクルあたりの損失エネルギー(図6においてヒス
テリシスループ曲線で囲まれた楕円の領域の面積)を示
し、Wは、最大振幅に至るまでに蓄積された弾性歪みエ
ネルギー(図6において斜線の領域の面積)を示す。ま
た図6中のFは、最大変位時(この場合はせん断ひずみ
D=100%)の水平荷重を示す。さらに図6中の曲線
Lは、所定の変位時におけるヒステリシスループ曲線上
のa点の水平荷重とc点の水平荷重との中間点(b点)
を、変位ゼロ時(D=0%)から最大変位時(D=10
0%)までの全範囲で求めてプロットした曲線である。
【0054】また、上記図6のヒステリシスループ曲線
のうち水平変位の変位量dの最大値(D=100%)
と、この最大水平変位時の水平荷重Fとから、下記式(i
ii):
のうち水平変位の変位量dの最大値(D=100%)
と、この最大水平変位時の水平荷重Fとから、下記式(i
ii):
【0055】
【数3】
【0056】により等価せん断ばね定数(水平ばね定
数)Khを求めた。結果を図7(b)に示す。 せん断動的粘弾性試験(II) 比較例1については、上記せん断動的粘弾性試験(I)で
求めた等価せん断ばね定数Khと、ゴム部材11の高さ
t(mm)と、ゴム部材11の水平方向の断面積A(m
m2)とから、下記式(iv):
数)Khを求めた。結果を図7(b)に示す。 せん断動的粘弾性試験(II) 比較例1については、上記せん断動的粘弾性試験(I)で
求めた等価せん断ばね定数Khと、ゴム部材11の高さ
t(mm)と、ゴム部材11の水平方向の断面積A(m
m2)とから、下記式(iv):
【0057】
【数4】
【0058】によりせん断弾性率Gを求めるとともに、
下記式(v):
下記式(v):
【0059】
【数5】
【0060】により損失正接tanδを求めた。また実
施例1については、空洞10内に、粒状体B1としての
再生PET製ペレットを充てんする前の空の状態で、前
記せん断動的粘弾性試験(I)を実施して求めた等価せん
断ばね定数Khを元に、上記と同様にしてせん断弾性率
Gと、損失正接tanδとを求めた。
施例1については、空洞10内に、粒状体B1としての
再生PET製ペレットを充てんする前の空の状態で、前
記せん断動的粘弾性試験(I)を実施して求めた等価せん
断ばね定数Khを元に、上記と同様にしてせん断弾性率
Gと、損失正接tanδとを求めた。
【0061】なおゴム部材11の断面積Aは、当該ゴム
部材11の外径D1と、中心の空洞の内径D2とから、下
記式(vi):
部材11の外径D1と、中心の空洞の内径D2とから、下
記式(vi):
【0062】
【数6】
【0063】により求めた。せん断弾性率Gの結果を図
8(a)に、また損失正接tanδの結果を図8(b)に、そ
れぞれ示す。図7(a)(b)および図8(a)(b)の結果より明
らかなように、実施例1の制振部材は、比較例1に比べ
て、各特性の温度依存性が小さく、このことから減衰性
能が安定化していることが確認された。
8(a)に、また損失正接tanδの結果を図8(b)に、そ
れぞれ示す。図7(a)(b)および図8(a)(b)の結果より明
らかなように、実施例1の制振部材は、比較例1に比べ
て、各特性の温度依存性が小さく、このことから減衰性
能が安定化していることが確認された。
【0064】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、高減衰ゴム製のものと同等の高い減衰性能を有する
上、上記高減衰ゴム製のものに比べて特性の温度依存性
がさらに小さく、かつ荷重の増減を繰り返した際の軟化
の度合いも小さいために減衰性能が安定化した、新規な
制振部材を提供できるという特有の作用効果を奏する。
ば、高減衰ゴム製のものと同等の高い減衰性能を有する
上、上記高減衰ゴム製のものに比べて特性の温度依存性
がさらに小さく、かつ荷重の増減を繰り返した際の軟化
の度合いも小さいために減衰性能が安定化した、新規な
制振部材を提供できるという特有の作用効果を奏する。
【図1】この発明の制振部材の、実施の形態の一例を示
す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は図(a)のB
−B線断面図である。
す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は図(a)のB
−B線断面図である。
【図2】上記制振部材を用いた、斜張橋の制振装置の例
を示す部分切り欠き正面図である。
を示す部分切り欠き正面図である。
【図3】上記制振部材を用いた、吊り橋の制振装置の例
を示す部分切り欠き正面図である。
を示す部分切り欠き正面図である。
【図4】同図(a)は、図2の制振装置を組み込んだ斜張
橋の正面図、同図(b)は、図3の制振装置を組み込んだ
吊り橋の正面図である。
橋の正面図、同図(b)は、図3の制振装置を組み込んだ
吊り橋の正面図である。
【図5】実施例、比較例で製造した制振部材の特性を評
価すべく、せん断動的粘弾性試験を行う際に、各制振部
材に加えた変位の方向を説明する正面図である。
価すべく、せん断動的粘弾性試験を行う際に、各制振部
材に加えた変位の方向を説明する正面図である。
【図6】上記せん断動的粘弾性試験によって得られた、
制振部材の水平変位と水平荷重との関係を示すヒステリ
シスループ曲線を示すグラフである。
制振部材の水平変位と水平荷重との関係を示すヒステリ
シスループ曲線を示すグラフである。
【図7】同図(a)は、上記せん断動的粘弾性試験によっ
て得られた、等価減衰定数heと温度との関係を示すグ
ラフ、同図(b)は、等価せん断ばね定数Khと温度との
関係を示すグラフである。
て得られた、等価減衰定数heと温度との関係を示すグ
ラフ、同図(b)は、等価せん断ばね定数Khと温度との
関係を示すグラフである。
【図8】同図(a)は、上記せん断動的粘弾性試験によっ
て得られた、せん断弾性率Gと温度との関係を示すグラ
フ、同図(b)は、損失正接tanδと温度との関係を示
すグラフである。
て得られた、せん断弾性率Gと温度との関係を示すグラ
フ、同図(b)は、損失正接tanδと温度との関係を示
すグラフである。
1 制振部材 10 空洞 11 ゴム部材 B1 粒状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D059 AA41 BB06 BB08 GG01 GG06 GG17 3J048 AA01 AC02 AD05 BA04 BA05 BD01 DA01 EA39
Claims (2)
- 【請求項1】構造物をケーブルで支持した橋りょうの、
上記ケーブルに発生する振動を減衰するために用いられ
る制振部材であって、−20〜+40℃の温度範囲内で
の損失正接tanδが0.15未満である低減衰ゴムに
て一体形成された、内部に空洞を有するゴム部材の、上
記空洞中に、多数の硬質の粒状体を、25kg/cm 2
以上の圧力が加わるように圧入、充てんしたことを特徴
とする制振部材。 - 【請求項2】粒状体が、硬質プラスチック粒子である請
求項1記載の制振部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11084574A JP2000283228A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 制振部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11084574A JP2000283228A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 制振部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000283228A true JP2000283228A (ja) | 2000-10-13 |
Family
ID=13834456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11084574A Pending JP2000283228A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 制振部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000283228A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003014045A (ja) * | 2001-06-28 | 2003-01-15 | Nitto Kako Kk | 防振ゴム |
JP2019113182A (ja) * | 2017-12-22 | 2019-07-11 | 株式会社タイカ | 制振ダンパ用の付加ばね構造体及び制振ダンパ |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP11084574A patent/JP2000283228A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003014045A (ja) * | 2001-06-28 | 2003-01-15 | Nitto Kako Kk | 防振ゴム |
JP2019113182A (ja) * | 2017-12-22 | 2019-07-11 | 株式会社タイカ | 制振ダンパ用の付加ばね構造体及び制振ダンパ |
JP7108305B2 (ja) | 2017-12-22 | 2022-07-28 | 株式会社タイカ | 制振ダンパ用の付加ばね構造体及び制振ダンパ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050928 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071211 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071214 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080415 |