JP2000282446A - 水力発電用ダムならびにそれを用いた発電および揚水方法 - Google Patents

水力発電用ダムならびにそれを用いた発電および揚水方法

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JP2000282446A
JP2000282446A JP11089057A JP8905799A JP2000282446A JP 2000282446 A JP2000282446 A JP 2000282446A JP 11089057 A JP11089057 A JP 11089057A JP 8905799 A JP8905799 A JP 8905799A JP 2000282446 A JP2000282446 A JP 2000282446A
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water
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fish
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Norio Takei
典夫 竹井
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WAMONDO KK
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  • Control Of Non-Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 肥沃な農地、森林等を水没させることなく、
生態系および環境破壊を十分に防止し得る水力発電用ダ
ムを提供する。 【解決手段】 複数の貯水池を階段状に構築し、上下段
の貯水池4a, 4b, 4cの相互を、下流側から順次に設けた
階段魚道10、集魚プール11および潜孔式魚道12によって
連通させ、各貯水池の揚水時の最高水頭h1 を、集魚プ
ール端の天端15および潜孔式魚道12より高くするととも
に、集魚プール11の最低水頭高さh2 を、下段側貯水池
4cの水位低下によっても魚の生息に支障のない高さと
し、また、潜孔式魚道12の開閉水門14を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水力発電用ダム
ならびにそれを用いた発電および揚水方法に関するもの
であり、このダムは、利水、洪水調整用として利用でき
る他、揚水発電にも利用することができ、さらには、分
水嶺上まで揚水した多雨地帯の水を、水力発電をしなが
ら乾燥地帯まで流送するためにも用いることもできる。
【0002】
【従来の技術】再生可能なエネルギーである水力は、エ
ネルギー源としての石油、ガス等に比してコストが低
く、かつ供給量も多いので、近年は水力発電の開発促進
が各方面から強く要請されるに至っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の水力
発電は、大型ダムの建設によって所要の水力を確保する
ことが一般的であったため、下記の如くの生態系の破
壊、環境破壊等が大きな社会問題となっており、新たな
電源開発は極めて厳しい状況にある。 (1) 大型ダム建設には広大な肥沃な農地と森林と住居を
水没させる。その代替地として与えられた土地は痩せた
荒地であるため、立ち退かされた流域住民から強い不満
の声が上がっている。川沿いの土壌は一般に肥沃であ
る。それは、上流の森林から流下する落ち葉、動物、昆
虫の死骸などの有機物が栄養分が灌漑や洪水により大昔
から供給され続け肥沃な土壌を形成されているからであ
る。一方、川から離れた土地は水の供給もなく、森林か
ら栄養分の補給を受け難いので痩せた土壌の所が多い。 (2) 多くの犠牲を払って建設された大型ダムは、100
年で土砂で埋まり、水力発電、利水、洪水調整機能を失
ってしまう。 (3) ダムは上流から流下する有機物を塞き止めるため、
ダムの貯水池は富栄養化して、アオコなどの植物プラン
クトンを異常発生させ、その死骸が湖底に堆積し、その
分解には大量の酸素を消費し、低層水は酸欠水になる。
この酸欠水が風や水流の影響で上層部に上昇すると多く
の魚や水棲昆虫を死滅させる。また悪臭を放ち、上水道
としての水質を低下させる。一方、有機物の流下が無く
なったダム下流は、貧栄養化し、植物プランクトンを激
減させ、それを餌にする動物プランクトン、更にはそれ
を餌にする魚を激減させ、河川や河口沿海域の漁場を衰
退・消滅させている。即ちダムにより植物連鎖が切断さ
れ、生態系の破壊が起きている。 (4) ダムや砂防堰堤により魚の遡上が妨げられ、回遊魚
が激減している。日本の淡水魚の種類の半数以上は、一
生の問題に海と川を往復する習性をもつ通し回遊魚であ
る。その多くが堰やダムによって回遊経路を遮断され、
分布域が極端に狭めらている。 (5) 最近は堰に人工魚道を設置されることが多くなって
いるが、その設計に際しては総ての回遊魚を通過させる
ことは考慮されていない。また、設置後の維持管理も不
十分なために、長い期間にわたって本来の機能を維持す
ることは困難である。
【0004】そこでこの発明は、従来技術が抱えるこの
ような問題点を解決することを課題するものであり、そ
れの目的とするところは、ダムを建設してもなお、肥沃
な農地、森林等を水没させるおそれがなく、また、生態
系および環境の破壊を十分に防止し、好適には、ダムそ
れ自体の、土砂による埋立てをも有効に防止できる水力
発電用ダムならびにそれを用いた発電および揚水方法を
提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の水力発電用ダ
ムは、取水用導水管を接続した、1〜15m 程度の高さの
複数の貯水池を階段状に構築し、上下段の貯水池の相互
を、下流側から順次に設けた階段魚道、集魚プールおよ
び潜孔式魚道によって連通させ、また、各貯水池の最高
水頭を、集魚プール壁の天端および、上段側貯水池の堰
堤に設けた潜孔式魚道より高くするとともに、集魚プー
ルの最低水頭高さ、好ましくは潜孔式魚道の高さをもま
た下段側貯水池の水位低下によっても、魚の生息に支障
のない高さとし、潜孔式魚道の開閉水門を、たとえば潜
孔式魚道の上流側に配設したものである。
【0006】ここで好ましくは、集魚プールに隣接させ
て、魚類の産卵や稚魚の成長に適した浅場を設け、この
浅場に、産卵に適した小砂利を敷き詰めたり、岩影を造
るなどして産卵床を設ける。また好ましくは浅場の、た
とえば両岸の隣接する地山の湧水をその浅場に流入させ
る水路もしくは暗渠を設け、浅場に流入した湧水は、た
とえば、直接的に、または集魚プールおよび階段式魚道
を経て下段側貯水池へ流下させる。
【0007】そしてまた、この水力発電用ダムでは、貯
水池の池底を、水平面または、上段側に向けて高さが次
第に低下する傾斜面とし、その池底に取水用導水管およ
び枝管を敷設するとともに、それらの下流端をゲートバ
ルブを介して導水管本管に接続することおよび、貯水池
の土留壁に、土砂を止め、水の流入出を許容する通水管
を設けることが好適である。このダムは、小規模の貯水
池を、たとえば、水源近くから発電所の近傍まで階段式
に配設する方式のものであるので、水没するのは河川敷
と若干の川べりだけであり、肥沃な農地や森林、家屋等
を水没させることがない。仮に、そのようなおそれが予
想される場合には、その個所では貯水池の高さを5m 以
下に抑えることで対処することができる。またここで、
貯水池に流入する土砂等に対しては、地底に敷設した取
水用導水管および枝管をもってそれらを吸引除去するこ
とで貯水池底への土砂等の堆積、ひいては、それらによ
る貯水池の埋立てを常に十分に防止することができる。
【0008】ところで、魚の遡上に関し、魚の遡上力は
体長の大小によって、おおよそ決まるので、大型の回遊
魚であるサケ、マスは遡上力が大きく、この一方で、カ
ジカ、ハゼなどの小型の魚は遡上力が弱く、急勾配の階
段式(隔壁式)魚道は殆ど通過できない。そこでこのダ
ムでは、遡上力の弱い小型の魚でも遡上できるように配
慮している。すなわち、魚が遊泳する時の速度には突進
速度と巡航速度とがあり、魚道を遡上する時は突進速度
を出すが、その秒速は体長の10倍である。ただし、突進
速度の持続時間は数秒間だけである。従って魚道の流速
は、小型の回遊魚の突進速度より遅く、数秒以内に通過
できる魚道長さでなければならない。突進速度で魚が泳
ぐ時は、血合筋と普通筋の両立を使って懸命に泳ぐ。た
だし、普通筋を使うと体内に毒素が溜まり、数秒しか持
続できず、使った後は流れの緩やかな場所で休憩して体
力を回復させてやらなければならない。このダムでは、
この点を考慮して、魚道を遡上する前に集魚プールで体
力を養い、潜孔式魚道を通過後は貯水池の流れの緩やか
な休憩場所を設けている。なお魚は巡航速度では数時間
も遊泳可能である。その秒速は体長の2〜4倍であり、
そのときは血合筋のみで泳ぐ。
【0009】ここで、この発明の発電方法は、遡上力の
弱い魚でも潜孔式魚道を遡上できるように、取水用導水
管を接続した複数の貯水池を階段状に構築するととも
に、各取水用導水管をゲートバルブを介して導水管本管
に接続し、上下段の貯水池の相互を、下流側から順次に
設けた階段魚道、集魚プールおよび潜孔式魚道によって
連通させ、潜孔式魚道の開閉水門を設けてなる水力発電
用ダムからの流水によって発電を行うに際して、上段側
の貯水池のゲートバルブを開放して発電を行い、その貯
水池の水頭が、潜孔魚道への魚の遡上が可能になる程度
まで低下して、たとえば、下段側貯水池の水頭とほぼ等
しくなった時に、潜孔式魚道の開閉水門を開放するとと
もに、上記ゲートバルブを閉止し、併せて、下段側の貯
水池のゲートバルブを開放して発電を継続し、以後、上
段側貯水池から潜孔魚道を経て下段側貯水池の集魚プー
ルへ流入する水によって下段側貯水池から上段側貯水池
への魚の遡上を許容し、その上段側貯水池の水頭が集魚
プールの水頭と同レベルとなって潜孔式魚道の水流が止
まったときに上記開閉水門を閉止する。
【0010】このようにして潜孔式魚道を開閉する場合
には、それの開放時および閉止時ともに潜孔式魚道内の
流速は実質的に零であり、その間においては、下段側貯
水池の水を多量に発電に供することから、その下段側貯
水池の水頭低下は、潜孔式魚道を経て下段側の貯水池へ
水を流入させる上段側貯水池の水頭低下よりも遙かに速
く行われることになるも、上段側貯水池の水頭は既に大
きく低下されており、しかも、集魚プールは、下段側貯
水池の水頭低下に影響されない固有の水頭(たとえば深
さにして0.5m程度)を有することから、潜孔式魚道の流
速はそれほど速くならず、遡上力の弱い魚も十分に遡上
することができる。
【0011】ところで、このような発電に当っては、砂
礫による水車の磨耗を防止するために、ゲートバルブを
経て流下した水を、水車への流入前にサージタンクに導
き、そこで水を2cm/sec未満の流速の上昇流として砂礫
の沈降を促進させることが好ましい。
【0012】これは、水車を磨耗させる砂礫は粒径が0.
2mm 以上のものであることが経験的に確認されており、
それ以上の粒径の砂礫の水中沈降速度は約2cm/sec以
上、であることを見い出したことに基づくものであり、
砂礫の沈降速度より遅い流速で水を上昇させることで、
0.2mm 以上の粒径の砂礫を効果的に沈降分離させること
ができる。
【0013】また、この発明の揚水方法は、揚水バルブ
を介して揚水管に接続した複数の貯水池を階段状に構築
するとともに、上下段の貯水池の相互を、下流側から順
次に設けた階段魚道、集魚プールおよび潜孔式魚道によ
って連通させ、潜孔式魚道の開閉水門を設けてなる水力
発電用ダムに揚水するに当り、下段側の貯水池の揚水バ
ルブを開放してそこへの揚水を行い、その上段側の貯水
池との水頭差が、潜孔式魚道への魚の遡上が可能になる
程度まで低下した時に、潜孔式魚道の開閉水門を開放し
て、下段側貯水池の魚の、上段側貯水池への遡上を許容
し、その後、たとえば上下段の両貯水池の水頭差がなく
なった時、下段側貯水池の揚水バルブを閉止するととも
に、上段側貯水池の揚水バルブを開放してその上段側貯
水池への揚水を行い、上段側貯水池の水頭が、潜孔式魚
道を通る魚の遡上が困難になるほどに上記したときに上
記開放水門を閉止するものである。
【0014】この方法に従えば、魚を、最下段の貯水池
から最上段の貯水池へと順次に遡上させることができ
る。また、この方法においても潜孔式魚道開閉水門の作
動タイミングを上記のように選択することで、遡上力の
弱い魚をも十分に遡上させることができる。
【0015】そして他の揚水方法は、揚水バルブを介し
て揚水管に接続した複数の貯水池を階段状に構築すると
ともに、各揚水バルブの下流側で、揚水管にポンプを配
設し、上下段の貯水池の相互を、下流側から順次に設け
た階段魚道、集魚プールおよび潜孔式魚道によって連通
させ、潜孔式魚道の開閉水門を設けてなる水力発電用ダ
ムに揚水するに当り、下段側貯水池の揚水バルブを開放
するとともに、その揚水バルブより下方側の全てのポン
プを作動させて前期貯水池への揚水を行い、その貯水池
の水頭が揚水時の最高水頭に達したときに、全てのポン
プを停止するとともに、前期揚水バルブを閉止し、併せ
て、上段側貯水池の潜孔式魚道開閉水門を開放して、下
段側貯水池の魚の、上段側貯水池への遡上を許容し、そ
の後、上段側貯水池の揚水バルブを開放するとともに、
その揚水バルブより下方側の全てのポンプを作動させて
上段側貯水池への揚水を行い、この上段側貯水池の水頭
が、潜孔式魚道を通る魚の遡上が困難になるほどに上昇
した時に上記開閉水門を閉止するものである。
【0016】これによってもまた先の揚水方法と同様の
魚の遡上をもたらすことができる。なお、これらの揚水
方法の実施のための揚水エネルギーとしては、原子力発
電、風力発電、水力発電または地熱発電の余剰電力を利
用することができる。
【0017】さらにこの発明の揚水発電方法は、ゲート
バルブを介して導水管本管に接続するとともに、揚水バ
ルブを介して揚水管に接続した複数の貯水池を階段状に
構築し、上下段の貯水池の相互を、下流側から順次に設
けた階段魚道、集魚プールおよび潜孔式魚道によって連
通させ、潜孔式魚道の開閉水門を設けてなる水力発電用
ダムにおいて、下段側貯水池からの順次の揚水工程の途
中で水力発電を行ことが必要になった場合、揚水が完了
している最上段の貯水池のゲートバルブを開放して発電
を行うとともに、順次下段側のゲートバルブを開放して
発電を行う一方、揚水途中の貯水池およびそれより上段
側の貯水池に対しては、揚水を継続して最上段の貯水池
まで揚水し、遡上魚の、最上段の貯水池までの遡上を可
能とするものである。
【0018】これによれば、揚水工程と、揚水された水
を利用した揚水発電工程とを混在させることができ、そ
れによってなお、魚の遡上を十分に担保することができ
る。
【0019】ここで、揚水工程の途中で揚水エネルギー
が不足し、この一方で水力発電を行うことが必要になっ
た場合には、揚水を一旦中断して、揚水が完了している
最上段の貯水池のゲートバルブを開放して発電を行うと
ともに、順次下段側のゲートバルブを開放して発電を行
い、揚水を中断した貯水池およびそれより上段側の貯水
池に対しては、揚水エネルギーの発生時または、上記水
力発電の余剰電力を用いて揚水を再開する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に示すところに基いて説明する。図1はこの発明に係
る水力発電ダムの実施形態を示す略線縦断面図である。
図中1は分水嶺とすることもできる山の尾根を、2は水
力発電所をそれぞれ示し、そして3は、水分発電所2で
連動するエネルギーを利用した水を流下させる下地を示
す。ここでは、尾根1と水力発電所2との間に、複数の
貯水池4a,4b,4c,・・・を階段状に構築し、これらの
各段の貯水池4a,4b,4c,・・・を、図2および3のそ
れぞれに部分拡大縦断面図および部分拡大平面図で示す
ように、貯水池底に敷設した取水用導水管5および、こ
の導水管5の下流端に設けたゲートバルブ6を介して、
水力発電所2に連なる導水管本管7に接続する。
【0021】ここでより好ましくは、貯水池4a,4b,4
c,・・・の池底に、図3に示すように、取水用導水管
5に連続する枝管8をもまた広い範囲にわたって敷設し
て、貯水池内へ流入した土砂および有機物の、それらの
管5,8による吸引効率を高め、また好ましくは、貯水
池4a,4b,4c,・・・の池底を、図4に示すように、上
段側に向けて高さが次第に低下する傾斜面とし、土砂お
よび有機物の、取水用導水管5の先端からの吸引効率を
一層高める。
【0022】ところで、貯水池底をこのような傾斜面に
すると水平面にするとの別なく、各池底の少なくとも一
部に、図4に示すように滯水層9を露出させることが好
ましく、これによれば、滯水層9への浸透水の供給およ
び、そこからの湧水の、貯水池への受取りをより円滑に
行わせることができる。
【0023】またここでは、上下段の貯水池の相互を、
図3および5に示すように、下流側から順次に設けた階
段魚道10、集魚プール11および潜孔式魚道12によって連
通させるとともに、上段側の貯水池の堰堤13に設けた潜
孔式魚道12を所要に応じて開閉する水門14を、たとえ
ば、その魚道12の上流側に配設する。
【0024】ここにおいて、各貯水池4a,4b,4c,・・
・の最高水頭、より正確には揚水時の最高水頭h1 を、
集魚プール壁の天端15および潜孔式魚道12より高くする
とともに、集魚プール11の最低水頭高さh2 、好ましく
は、潜孔式魚道12の高さをもまた、下段側貯水池の水位
低下によっても魚の生息に支障のない高さとする。
【0025】このように構成してなる水力発電用ダムを
用い、遡上力の弱い小型の魚でも遡上できるように、潜
孔式魚道の流速を十分遅くして発電する場合には、最上
段の貯水池4aのゲートバルブを開いて、流水を導水本管
7を経て水車に送る。これによって、貯水池4aの水頭が
下がり、たとえば、その水頭が、下段側の貯水池4bの水
頭と等しくなった時、潜孔式魚道12の水門14を開き、貯
水池4bの魚を貯水池4aに遡上させる。
【0026】および、その後、下段側のゲートバルブ6
を開き、貯水池4bの流水による水力発電を開始すると同
時に、最上段のゲートバルブを閉じる。そうすると、貯
水池4aの水は潜孔式魚道12を通って貯水池4bに流れるの
で貯水池4aの水頭は除々に下がるが、貯水池4bの水頭
は、水力発電用に流下するので、貯水池4aより遙かに速
く水頭は下がって行く。その際に、貯水池4aの水深が、
魚が生息するに必要な水深(0.5mぐらい)が保証される
ように、集魚プール11の最低水頭が保証水深になるよう
にする。貯水池4aの水頭が集魚プールの最低水頭と等し
くなった時、潜孔式魚道内の流速はゼロになるので、水
門14を閉じる。これを順次繰り返し、上の貯水池から下
の貯水池へと水力発電の水を使っていく。
【0027】この一方で、ダムに揚水を行う場合には、
遡上魚を、最下段の貯水池から順次その上段側の貯水池
へと、揚水と同時に魚を遡上させる。図5に示すところ
を例にとると、はじめに下段側の貯水池4cに揚水して、
その水頭をh1 まで上昇させる。その時の上段側の貯水
池4bの予想水頭はh3 ぐらいである。その時に魚道水門
14を開き、貯水池4cの遡上魚を遡上させる。上下両段の
貯水池の水頭差がなくなった時、貯水池4cの揚水を止
め、同時に貯水池4bの揚水を開始する。上段側の貯水池
4bの水頭が高くなり、魚道12内に流速が速く、小型魚の
遡上が困難になれば、魚道水門14を閉ざす。これを繰り
返し、遡上魚を最上部の貯水池まで遡上可能にする。
【0028】なお、このような揚水のためのエネルギー
として利用可能な、原子力発電、地熱発電、風力発電等
の余剰電力は一般に夜間に発生し易いことに着目し、揚
水は、通常は夜間に行うことになるも、遡上魚は、夜間
は流れのないところで休憩して遡上しない習性があるの
で、揚水に当っては、階段魚道10その他の魚の遡上経路
の周辺を照明して、魚の遡上を誘導することが好まし
い。
【0029】このようにして魚の遡上を可能ならしめて
なお、一般的にはダム貯水池での単位面積当たりの漁獲
高は天然湖に比べてかなり劣るのが現実である。これ
は、魚類の産卵や稚魚の成長には安定的な浅場が欠かせ
ないのに対し、この種貯水池は水位変動が激しく、これ
が魚類の繁殖を妨げていることによるものである。浅場
は波打ち際であるから、陸上からの栄養分の流入が最も
多い所でもあり、酸素の供給も豊富で、底まで太陽光線
が差し込むというように湖の生命には大変貴重な場所で
ある。そこで好ましくは、在来のダム貯水池のかかる欠
点を除去するために、図3に斜線を施して示すように、
集魚プール11に隣接させて水深20〜50cmの浅場16を設置
し、貯水池の水深が低下しても、この水深が常に保てる
ように浅場16の底と側壁はコンクリート製にし、さら
に、その底には産卵に適した小砂利を敷き詰める等して
産卵床を構成する。また好ましくは、浅場16の、たとえ
ば両岸に隣接する地山17の湧水で、その標高が集魚プー
ル11より高い位置のものは、水路または暗渠で浅場16ま
で導水する。
【0030】また、在来の揚水発電の下池は、文字どう
りの池で閉鎖性水域であり、富栄養化して低層水域は酸
欠水になりやすく、生息する魚類に悪影響がある。そこ
でこの発明では、このような弊害を避けるため、河川敷
を深く長く掘削して、長い淵を造り、それに下池の機能
を持たせる。この下池は、発電所の放流水で撹拌され、
緩やかではあるが、下流に向かって流れるので、富栄養
化しない。
【0031】このような遡上に対する魚の降河、すなわ
ち川の上流で孵化したサケ、マスなど仔魚が流れに身を
任せて川を下って海に行く降河も潜孔式魚道を通って安
全に行わせることができる。かかる降河は、水力発電時
および揚水時の、ゲートバルブ6と魚道水門14の開閉と
を前述したところと同じに操作をするだけで可能であ
る。ただ、遡上魚と逆方向に進むだけである。
【0032】在来の水力発電方式のダムの場合、ダム貯
水池の流れは極めて緩く、流れの殆どは発電用取水口へ
と向い、降河魚も取水口に入ってしまう。これら魚が発
電機を回す水車を通過する時に、その前後で猛烈な圧力
変化を受ける。その結果、大怪我したり、内蔵が破裂す
るなどして死亡する魚も出てくるが、この発明ではかか
る問題は起こらない。
【0033】それは、取水用導水管5の吸込み速度は10
m/秒の洪水並の流速であり、魚は、洪水のような激流
に遭遇すると、突進速度で必死になって逃げ、流れの緩
やかな淵や岩影に避難する習性があることによる。この
習性があるからこそ、魚は大洪水に遭遇しても海まで流
されずに河川に踏み止どまれるのである。従って、導水
管取水口付近の魚は、激流に遭うと必死になって逃れ、
取水口より離れた流れの緩やかな方へ避難することがで
きる。
【0034】ところでこの一方で、この発明に係る多段
式のダムでは、各貯水池4a,4b,4c,・・・の貯水量を
十分に確保するため、図4に示すように、ダムの上流側
の河床を深く掘削することが必要になり、このような掘
削によって貯水池4a,4b,4c,・・・の池底は、膨大な
量の以下水を貯留する、地表から10〜20m の深さの滯水
層9に近接し、または達することになる。これがためこ
こでは、滯水層9への浸透水の供給(涵養)がより一層
容易になり、また滯水層からの湧水の供給も受けやすく
なっている。すなわち、森林は地下水の涵養に有効であ
ると言われているが、森林が涵養している時は、雨が降
っている時と、その後の暫くの間であるのに対し、この
階段式ダムの貯水池は、最上段の貯水池4aから最下段の
貯水池までの全てが常に水を張っていて、広範囲にわた
って涵養し続けているので涵養量は遙かに多くなる。滯
水層9は、間隙が地下水で満たされた飽和状態の所と、
未だ地下水を貯留し得る空隙を有する不飽和状態の所が
あるので、図4の矢印の方向に涵養された水は、滯水層
9の、地下水が不飽和状態の所に涵養し続け、そこを地
下水で飽和状態にする。貯留された地下水は貯水池の水
深が浅くなった時、湧水として供給されるので、貯水容
量を滯水層分だけ増加させる効果がある。
【0035】大型ダムも帯水層に涵養しているが、その
帯水層の範囲は、ダムのある麓だけである。これに対
し、階段式ダムは、尾根近くから麓までの広範囲の滯水
層9を涵養するので、滯水層9の貯留量は大型ダムの数
倍多くなり、また涵養し得る滯水層9の体積は、貯水池
の何倍も大きくなる。滯水層9の有効間隙率は25%前後
であり、その貯留量は貯水池の何倍にもなる。
【0036】これは洪水対策上も利水にも効果的であ
る。即ち、集中豪雨で山肌を地表水として谷川に流れ込
み、谷川を鉄砲水として駆下だり、一日で海に流れ込め
ば、平野部では大洪水になり、水は全く利用されずに海
に捨てられることになるのに対し、階段式ダムは、集中
豪雨の水を各階段の貯水池で受け止め、滯水層の不飽和
状態の所を涵養して、地下水で飽和させ、渇水期になっ
ても、滯水層から湧水として供給され、渇水期でもダム
貯水池が涸れることはない。
【0037】なおここで、貯水池4a,4b,4c,・・・に
土留壁18を設ける場合には、それに、土砂の流れは止め
るも、水の流入出は許容する通水管19を設けることで、
土留壁18を有効に保護しつつ、滯水層9と貯水池との間
での水の供給および受け取りに有効に機能させることが
できる。
【0038】図6は、上述したような発電および揚水の
ための配管系を示す図であり、ここでは、各段の貯水池
4a,4b,4c,・・・の取水用導水管5をゲートバルブ6
を介して導水管本管7に接続することに加え、各貯水池
4a,4b,4c,・・・を、揚水バルブ20を介して揚水管21
に接続し、また、各揚水バルブ20の下流側で、揚水管21
に、逆止弁およびポンプ22を配設し、たとえば、山の尾
根1に、図1に示すような貯水槽23を設ける場合には、
揚水管21をそこまで延在させるとともに、その貯水槽23
のための逆止弁およびポンプ22も配設する。
【0039】このような配管系の下での、下段側の貯水
池からの順次の揚水は、下段側の貯水池の揚水バルブ20
を開放するとともに、その揚水バルブ20より下方側の全
てのポンプを作動させてそこへの揚水を行い、その貯水
池を上段側貯水池との水頭差が、潜孔式魚道12への魚の
遡上が可能になる程度まで低下した時、たとえば、下段
側貯水池の水頭が揚水時の最高水頭h1 に達した時に、
潜孔式魚道12を開放して、集魚プール11からそこへの魚
の遡上を許容し、併せて、全てのポンプ22を停止すると
ともに、前記揚水バルブ20を閉止し、その後、上段側貯
水池の揚水バルブ20を開放するとともに、それより下方
側の全てのポンプ22を作動させて、その上段側貯水池へ
の揚水を行い、上段側貯水池の水頭が、潜孔式魚道12を
通る魚の遡上が困難になるほどに上昇した時にその魚道
12を水門14によって閉止する。
【0040】このようにして最下段の貯水池から最上段
の貯水池4aまでの全ての貯水池への揚水を終了した後、
必要がある場合には全てのポンプ22の作動下で、尾根上
の貯水槽23への揚水も行う。
【0041】なお、このような揚水を行うためのエネル
ギーとしては、たとえば、図1に示すように、尾根上に
設置した風車24による発電電力の他、各種発電の余剰電
力を利用することができる。
【0042】ここで、上述のような揚水工程において、
途中段の貯水池まで揚水した時点で発電を行うことが必
要になった場合には、揚水が完了している最上段の貯水
池のゲートバルブ6を開放して発電を行うとともに、順
次下段側のゲートバルブ6を開放して発電を行い、揚水
途中の貯水池およびそれより上段側の貯水池に対しては
揚水を継続して最上段の貯水池4aまで揚水し、遡上魚
の、その貯水池4aまでの遡上を可能ならしめる。
【0043】これに対し、発電を行う必要性を併せて、
揚水エネルギーの不足が生じた場合には、揚水の中断状
態で上述したような発電を行い、揚水エネルギーが新た
に発生した場合または、その発電による余剰電力が発生
した場合には、それを用いて揚水を再開する。
【0044】以上のようにして、発電、揚水または、揚
水途中での発電を行う場合の、各バルブ、ポンプ水門等
の作動制御は、たとえば、各貯水池の水頭をセンサーに
よって計測して記憶させるとともに、適切なタイミング
で、コンピュータからそれらへ作動および停止信号を出
力させることによって行うことができる。この場合、貯
水池の揚水下での水頭は、図5に示す最高水頭h1 と、
貯水池が満水になる満水時水頭h4 との間で変動するこ
とになり、また、潜孔式魚道の最大流速Vは、上下段貯
水池の水頭差Δhにより、 V=√2gΔh に従って変化することになるので、水門の開閉は、全て
の魚が遡上できる流速を考慮して制御することが肝要で
ある。
【0045】ところで、この発明に係る階段式ダムを風
力発電と組合わせた場合には、多雨地帯の水を、トンネ
ルの掘削等を必要とすることなく、かつ安い工費と短い
工期をもって乾燥地帯へ移送することも可能となり、し
かも、揚水発電をも含む水力発電もまた可能となる。
【0046】これがためには、分水嶺となる山の尾根
に、多数の風力発電装置と貯水槽とを建設するととも
に、多雨地帯の渓谷に階段式ダムを麓から分水嶺近くま
で建設する。分水嶺は平地より風が強いので風力発電に
適し、強風時には大量の余剰電力が発生するので、その
余剰電力を利用して、各段の貯水池の水を揚水して分水
嶺上の貯水槽まで揚水する。この際も、ある水量は、下
流に流し水力発電をする。それは各貯水池に流下する土
砂や有機物を導水管で優先的に吸引して、排出しなけれ
ばならないからである。また、風力発電の揚水電力が不
足した時、この水力発電で得られた電力を揚水に使うこ
ともあるからである。
【0047】この場合は、分水嶺上の貯水槽から乾燥地
帯の貯水槽の導水管で流送する。この両貯水槽間の標高
差は何千メートルから何百メートルもあり、導水管内を
流れ下ってくる流水は毎秒10m を越える流速で巨大なエ
ネルギーを持っている。そこで乾燥地帯の貯水槽に入る
前に水力発電して、その運動エネルギーを電気エネルギ
ーに変える。風力発電の欠点、発電が断続的でムラが多
く、強風時には大量の余剰電力が発生するが、無風時は
テレビの電源にもならず、電力の需要変動の対応性が悪
いという事である。電力の需要変動の対応性が最も良い
水力発電と組み合わせると風力発電の欠点が総て解消で
きる。
【0048】なお、多雨地帯から乾燥地帯に水移転をす
るのに、越えなければならない尾根が幾つもある場合が
ある。この場合は、第一、第二、第三、第四と各尾根上
に多数の貯水槽と風力発電装置を建設し、尾根間の渓谷
には階段式ダムを建設する。そして第一の尾根上の貯水
槽の水は第二の階段式ダムに水力発電をして流下し、そ
のダムの水を第二の尾根上の貯水槽に風力発電装置の電
力で揚水する。これを繰り返し、尾根を次々と越えてい
く。
【0049】階段式ダムの落差は、最高位のダムで何千
メートル、最下部のダムで3〜5mと変わり、これを一
種類の水車で発電するのは、水車効率、磨耗対策、メン
テナンスの上からも好ましくない。そこで、落差300m以
上の高落差はペルトン水車へ、300m〜20m の中落差はフ
ランシス水車へ、20m 以下の低落差はプロペラ水車また
はカプラン水車へと、それぞれ専用の導水管で発電所へ
送水する。電力需要がピークの時は三種類の水車を全開
で発電し、電力需要が減少した時は、高落差の水車を止
め、次いで中落差水車を止め、電力需要の少ない時は低
落差の水車で主として発電する。それは、揚水は最下部
の貯水池から始めるので、最低部の貯水池の水深を浅く
し、魚の遡上を容易にするためである。
【0050】図7は、各貯水池から導水管本管を経て流
下した水が水車に流入する前にそこから砂礫等を分離
し、排出する装置を示す縦断面図である。ここでは、水
車に流水を導びく水圧鉄管25の上流側の配設した主サー
ジタンク26の下部に、導電水管本管7を接続し、取水中
の、粒径が10mmを越える礫は、主サージタンク内のふる
い27によってふるい分けして、主サージタンク26に接続
した岩石排出管28へ移動させ、その先端のサージタンク
29に、仕切弁30の閉止下で溜めておく。
【0051】また、粒径が10mm以下の砂礫は、ふるい27
を通過させて主サージタンク26の底部に沈殿させるとと
もに、排砂管31を介して副サージタンク32へ移動させ、
仕切弁33の閉止下で、それらの両者にわたって溜める。
【0052】一方、砂礫等を分離された取水は、主サー
ジタンク内に上下二段に設けた整流板34を経て、乱れの
ない、2cm/sec未満の流速の上昇流とされ、水圧鉄管25
を経て水車に供給される。ここで、取水の上昇流速を2
cm/secとするのは、図8に、砂礫の粒径と、それの水中
沈降速度との関係をグラフで示すように、水車の磨耗に
大きく影響する粒径が0.2mm 以上の砂礫は、乱れのない
水中を約2cm/sec以上の速度で沈降することによるもの
であり、上昇流速を沈降速度より小さい値とすること
で、0.2mm 以上の粒径の砂礫を排砂管内に効果的に沈降
堆積させることができる。
【0053】ここで、排砂管31は、数キロメートル下流
の砂礫集積場までの長さにし、その先端の仕切弁33は、
常時は閉止キズ態にあり、排砂管内は滯水状態になって
いる。排砂管内は発電時の、水車の羽根に当たる水の反
力、負荷変動時のウォーターハンマーなどで常に圧力振
動を受け、排砂管33に堆積した砂礫は液状化しており、
ばねに支持されたふるい27は振動状態にある。従って、
排砂管に僅かの勾配を付けることによって、砂礫は下流
に向かって摺動しふるい上の岩石は、岩石排出管内へ円
滑に転がり込む。なお、排砂管内が砂礫で満杯になった
時は、仕切弁を開いて、砂礫集積場に放出する。このこ
とは岩石についても同様である。ふるいは最も磨耗しや
すいのでウレタンゴムでライニングし、取換えが簡単に
できるようにする。
【0054】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、この発明によれば、次のような顕著な効果を奏する
ことができる。 (1) 階段式ダムは小規模な貯水池の一群よりなるので、
ダムの建設によって水没するのは河川敷だけであり、大
規模ダムのように膨大な肥沃な農地や山林、住居を水没
させない。 (2) 大規模ダムと比べ、落差は何倍も大きくなり、貯水
量も滯水層の貯水量を加えると大きくなり、発電量は何
倍にもなる。従って発電コストは大規模ダムより安くな
る。 (3) 滯水層を地下貯水池として活用し、そこに大量の水
を貯留しているので、渇水期でもダムが干上がる事もな
く、集中豪雨にも、各段の貯水池と滯水層の未飽和状態
の部分に貯水し、またダムを越流して下流に流れないよ
う水力発電を全開して、その余剰電力で貯水容量に余裕
のある貯水池に揚水したり、分水嶺上の貯水槽に揚水
し、下流に流れる水を最小限に食い止め、平野部の洪水
を防止することができる。 (4) 遡上力の弱い小型の遡上魚を最上流の貯水池まで遡
上させることができる。また、降河魚も、取水口に向わ
せることなく、安全に降河させることができる。 (5) 多雨地帯の水を低廉な費用で乾燥地帯に流送でき
る。塩分を含んでいないので塩害を防止でき、節水灌漑
ができる。乾燥地帯は日照時間が長く、空気が乾燥して
いるので病害虫の被害が少なく、塩分を含まない良質の
水が供給されれば、最も生産性の高い農耕地と森林地帯
になると言われている。それは、砂漠の中のオアシスが
農林業で高い生産性を発揮していることで立証されてい
る。更に、水移転の過程で再生可能でクリーンなエネル
ギーである水力発電と風力発電のエネルギーが得られ、
この事業の収益性を一層高めることができる。 (6) 上流から流下する土砂は、優先的に導水管に吸収さ
れ、貯水池に堆積することがないので、貯水池の耐用年
数は永久的である。 (7) 上流から流化する有機物は優先的に導水管に吸引さ
れ、下流に流されるので生態系の破壊は起こらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】水力発電用ダムの実施形態を示す略線縦断面図
である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】図1の部分拡大平面図である。
【図4】貯水池の池底および滯水層を示す縦断面図であ
る。
【図5】上下段の貯水池の水頭および魚の遡上経路を示
す拡大図である。
【図6】発電および揚水のための配管系を示す図であ
る。
【図7】砂礫分離装置を示す縦断面図である。
【図8】砂礫粒径と水中沈降速度との関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 尾根 2 水力発電所 3 下地 4a, 4b, 4c 貯水池 5 取水用導水管 6 ゲートバルブ 7 導水管本管 8 枝管 9 滯水層 10 階段魚道 11 集魚プール 12 潜孔式魚道 13 堰堤 14 水門 15 天端 16 浅場 17 地山 18 土留壁 19 通水管 20 揚水バルブ 21 揚水管 22 ポンプ 23 貯水槽 24 風車 25 水圧鉄管 26 主サージタンク 27 ふるい 28 岩石排出管 29 サージタンク 30, 33 仕切弁 31 排砂管 32 副サージタンク

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取水用導水管を接続した複数の貯水池を
    階段状に構築し、上下段の貯水池の相互を、下流側から
    順次に設けた階段魚道、集魚プールおよび潜孔式魚道に
    よって連通させ、各貯水池の最高水頭を、集魚プール壁
    の天端および、上段側貯水池の堰堤に設けた潜孔式魚道
    より高くするとともに、集魚プールの最低水頭高さを、
    下段側貯水池の水位低下によっても、魚の生息に支障の
    ない高さとし、潜孔式魚道の開閉水門を設けてなる水力
    発電用ダム。
  2. 【請求項2】 集魚プールに隣接させて、魚類の産卵や
    稚魚の成長に適した浅場を設けるとともに、産卵床を設
    けてなる請求項1に記載の水力発電用ダム。
  3. 【請求項3】 浅場に隣接する地山の湧水をその浅場に
    流入させる水路もしくは暗渠を設けてなる請求項2に記
    載の水力発電用ダム。
  4. 【請求項4】 貯水池の池底を、水平面または、上段側
    に向けて高さが低下する傾斜面とし、その池底に取水用
    導水管および枝管を敷設するとともに、それらの下流端
    を、ゲートバルブを介して導水管本管に接続してなる請
    求項1〜3のいずれかに記載の水力発電用ダム。
  5. 【請求項5】 貯水池の土留壁に、土砂を止め、水の流
    入出を許容する通水管を設けてなる請求項1〜4のいず
    れかに記載の水力発電用ダム。
  6. 【請求項6】 取水用導水管を接続した複数の貯水池を
    階段状に構築するとともに、各取水用導水管をゲートバ
    ルブを介して導水管本管に接続し、上下段の貯水池の相
    互を、下流側から順次に設けた階段魚道、集魚プールお
    よび潜孔式魚道によって連通させ、潜孔式魚道の開閉水
    門を設けてなる水力発電用ダムからの流水によって発電
    を行うに際し、 上段側の貯水池のゲートバルブを開放して発電を行い、
    その貯水池の水頭が、潜孔式魚道への魚の遡上が可能に
    なる程度まで低下した時に、潜孔式魚道の開閉水門を開
    放するとともに、上記ゲートバルブを閉止し、併せて、
    下段側の貯水池のゲートバルブを開放して発電を継続
    し、以後、上段側貯水池から潜孔式魚道を経て下段側貯
    水池の集魚プールへ流入する水によって、上段側貯水池
    への魚の遡上を許容し、その上段側貯水池の水頭が集魚
    プールの水頭と同レベルとなって潜孔式魚道の水流が止
    まったときに上記開閉水門を閉止することを特徴とする
    発電方法。
  7. 【請求項7】 ゲートバルブを経て流下した水を、水車
    への流入前にサージタンクに導き、そこで水を2cm/sec
    未満の流速の上昇流として砂礫の沈降を促進する請求項
    6に記載の発電方法。
  8. 【請求項8】 揚水バルブを介して揚水管に接続した複
    数の貯水池を階段状に構築するとともに、上下段の貯水
    池の相互を、下流側から順次に設けた階段魚道、集魚プ
    ールおよび潜孔式魚道によって連通させ、潜孔式魚道の
    開閉水門を設けてなる水力発電用ダムに揚水するに当
    り、 下段側の貯水池の揚水バルブを開放してそこへの揚水を
    行い、上段側貯水池との水頭差が、潜孔式魚道への魚の
    遡上が可能になる程度まで低下した時に、潜孔式魚道の
    開閉水門を開放して、下段側貯水池の魚の、上側段貯水
    池への遡上を許容し、その後、下段側貯水池の揚水バル
    ブを閉止するととも、上段側貯水池の揚水バルブを開放
    してその上段側貯水池への揚水を行い、上段側貯水池の
    水頭が、潜孔式魚道を通る魚の遡上が困難になるほどに
    上昇した時に上記開閉水門を閉止することを特徴とする
    揚水方法。
  9. 【請求項9】 揚水バルブを介して揚水管に接続した複
    数の貯水池を階段状に構築するとともに、各揚水バルブ
    の下流側で、揚水管にポンプを配設し、上下段の貯水池
    の相互を、下流側から順次に設けた階段魚道、集魚プー
    ルおよび潜孔式魚道によって連通させ、潜孔式魚道の開
    閉水門を設けてなる水力発電用ダムに揚水するに当り、 下段側貯水池の揚水バルブを開放するとともに、その揚
    水バルブより下方側の全てのポンプを作動させて前期貯
    水池への揚水を行い、その貯水池の水頭が揚水時の最高
    水頭に達したときに、全てのポンプを停止するととも
    に、前期揚水バルブを閉止し、併せて、上段側貯水池の
    潜孔式魚道開閉水門を開放して、下段側貯水池の魚の、
    上段側貯水池への遡上を許容し、その後、上段側貯水池
    の揚水バルブを開放するとともに、その揚水バルブより
    下方側の全てのポンプを作動させて上段側貯水池への揚
    水を行い、この上段側貯水池の水頭が、潜孔式魚道を通
    る魚の遡上が困難になるほどに上昇した時に上記開閉水
    門を閉止することを特徴とする揚水方法。
  10. 【請求項10】 揚水エネルギーとして、原子力発電、
    風力発電、水力発電または地熱発電の余剰電力を使用す
    る請求項8もしくは9に記載の揚水方法。
  11. 【請求項11】 ゲートバルブを介して導水管本管に接
    続するとともに、揚水バルブを介して揚水管に接続した
    複数の貯水池を階段状に構築し、上下段の貯水池の相互
    を、下流側から順次に設けた階段魚道、集魚プールおよ
    び潜孔式魚道によって連通させ、潜孔式魚道の開閉水門
    を設けてなる水力発電用ダムにおいて、 下段側貯水池からの順次の揚水工程の途中で水力発電を
    行ことが必要になった場合、揚水が完了している最上段
    の貯水池のゲートバルブを開放して発電を行うととも
    に、順次下段側のゲートバルブを開放して発電を行う一
    方、揚水途中の貯水池およびそれより上段側の貯水池に
    対しては、揚水を継続して最上段の貯水池まで揚水し、
    遡上魚の、最上段の貯水池までの遡上を可能とすること
    を特徴とする揚水発電方法。
  12. 【請求項12】 下段側貯水池からの順次の揚水工程の
    途中で揚水エネルギーが不足し、この一方で水力発電を
    行うことが必要になった場合、揚水を一旦中断して、揚
    水が完了している最上段の貯水池のゲートバルブを開放
    して発電を行うとともに、順次下段側のゲートバルブを
    開放して発電を行い、揚水を中断した貯水池およびそれ
    より上段側の貯水池に対しては、揚水エネルギーの発生
    時または、上記水力発電の余剰電力を用いて揚水を再開
    することを特徴とする請求項11に記載の揚水発電方
    法。
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