JP2000281162A - コンタクトレンズ用の収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】容器本体内へのコンタクトレンズの収納を確実
に行うことができてレンズの保護を十分行うことがで
き、全体の形状を非常に小さくすること。 【構成】コンタクトレンズ２０が収納される収納部を備
えた容器本体１１と、この容器本体１１の口金部１３の
外周に螺着されるキャップ１２とを備えたコンタクトレ
ンズ用の収納ケース１０であって、口金部１３の内周
に、外方から内方に落ち込む第１レンズ案内面１４ａを
形成したこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンタクトレンズの収
納ケースに関し、特に、コンタクトレンズの収納を安全
に行えるようにした収納ケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】コンタクトレンズは小さくて高価なもの
であることから、専用の収納ケース内に入れて持ち運び
や保管がなされる。この種の収納ケース内には、洗浄の
ため、あるいはソフトコンタクトレンズと呼ばれる「軟
質」なコンタクトレンズにあっては、乾燥を防止するた
めに種々な液体を入れられることもある。

【０００３】従来より知られているこの種の収納ケース
としては、図８にも示すように、左右の両コンタクトレ
ンズを互いに対向させた状態で収納する「縦タイプ」の
ものと、図１０に示すように、両コンタクトレンズを同
一方向から水平に収納できるようにした「水平タイプ」
のものとに、大別して２種類のものがある。

【０００４】図８に示した縦タイプの収納ケースは、図
９及び実公昭５２−４４６６号公報にても示されている
ように、キャップの内側に１枚のコンタクトレンズを保
持させておき、図８に示すように、このキャップを本体
に取付けることにより、各レンズを収納・保管できるよ
うにしたものである。このような縦タイプの収納ケース
であれば、各コンタクトレンズの保護を確実に行うこと
ができるものと考えられるが、図９に示したような収納
操作や、コンタクトレンズの取出し操作が、各レンズが
小さいものであることから、非常に大変であり、レンズ
を落として紛失してしまう原因となっている。

【０００５】このため、図１０に示したような水平タイ
プのものが提案されているのであるが、この図１０に示
した収納ケースは、実開平３−８４７８９号公報にも示
されているように、容器内にレンズ出入用のホルダーを
出入自在としなければならないこともあって構成が複雑
なものとならざるを得ない。

【０００６】それなら、図１０に示したホルダーは、こ
れを省略すればよさそうであるが、小さな透明のコンタ
クトレンズを収納するものとしては、なかなかそうはい
かない。何故なら、もし、ホルダーがないとすると、容
器の口金部分の上にコンタクトレンズの一部を載せたま
まキャップを閉じてしまい、レンズの破損を招いてしま
うことになる。このレンズの挟み込みを防止しようとす
ると、容器やキャップを大きくしなければならず、ホル
ダーを使用しない以上の不便さが、製造上は勿論、使用
上においても生ずることになるのである。

【０００７】そこで、本発明者は、この種の収納ケース
について、コンタクトレンズの収納操作を、レンズの挟
み込みを生じさせないで行え、しかも全体を小さくする
ようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を
重ねてきた結果、本発明を完成したのである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、この種のコ
ンタクトレンズ用の収納ケースにおける上記経緯に基づ
いてなされたもので、その解決しようとする課題は、小
型のケースにおいてレンズの挟み込みを防止することで
ある。

【０００９】すなわち、まず請求項１に係る発明の目的
とするところは、容器本体内へのコンタクトレンズの収
納を確実に行うことができてレンズの保護を十分行うこ
とができ、しかも全体の形状を非常に小さくすることの
できるコンタクトレンズ用の収納ケースを、簡単な構成
によって提供することにある。

【００１０】また、請求項２に係る発明の目的とすると
ころは、上記請求項１と同様な目的を達成することがで
きる他、レンズの取出しをより容易に行うことのできる
収納ケースを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、まず請求項１に係る発明の採った手段は、後述す
る実施の形態の説明中において使用する符号を付して説
明すると、「コンタクトレンズ２０が収納される収納部
１１ａを備えた容器本体１１と、この容器本体１１の口
金部１３の外周に螺着されるキャップ１２とを備えたコ
ンタクトレンズ用の収納ケース１０であって、口金部１
３の内周に、外方から内方に落ち込む第１レンズ案内面
１４ａを形成したことを特徴とするコンタクトレンズ用
の収納ケース１０」である。

【００１２】すなわち、この請求項１に係る収納ケース
１０は、図１〜図５に示すように、各コンタクトレンズ
２０が収納される収納部１１ａを備えた左右一対の容器
本体１１と、これら各容器本体１１の口金部１３の外周
にそれぞれ螺着されるキャップ１２とからなるものであ
るが、各容器本体１１の口金部１３の内側に、特に図２
〜図５に示したような第１案内面１４ａを備えたもので
ある。

【００１３】この第１案内面１４ａは、図４及び図５に
示すように、各収納部１１ａ内にコンタクトレンズ２０
を収納するに際して、コンタクトレンズ２０の端部が収
納部１１ａ上に載せられたままとならないように、外方
から内方へ傾斜する、つまり落ち込むものであり、この
落ち込み角度を３０度から６０度程度のものとしたもの
である。この第１案内面１４ａは、この種の容器本体１
１が合成樹脂を材料として形成されることが多いため、
その成形型に予め形成しておいてもよいが、容器本体１
１を形成後に、いわゆる「面取り」を行う要領で形成す
るようにしてもよい。

【００１４】この第１案内面１４ａが存在していると、
コンタクトレンズ２０はこの第１案内面１４ａに案内さ
れて容器本体１１の収納部１１ａ内に簡単に落ち込むこ
とになって、コンタクトレンズ２０の端部が口金部１３
上に載ったままとなることはない。従って、各容器本体
１１をキャップ１２によって閉じたとしても、このキャ
ップ１２と収納部１１ａとの間にコンタクトレンズ２０
が存在することはないから、コンタクトレンズ２０を破
損させてしまうことがないのである。

【００１５】また、この種の収納ケース１０において
は、容器本体１１の収納部１１ａ内に洗浄液等を入れる
ことがあって、この洗浄液の表面張力によりコンタクト
レンズ２０の端部が口金部１３上にくっついたままとな
ることはあり得る。しかしながら、この第１案内面１４
ａは、図１にも示すように、口金部１３の直ぐ内側に形
成してあるから、もし、コンタクトレンズ２０の端部が
載ったままとなっていたとしても、キャップ１２を閉じ
ようとするときには、このコンタクトレンズ２０が必ず
目に入ることになる。そこで、このコンタクトレンズ２
０を、図５あるいは図６に示すように、指で収納部１１
ａ内へ落とし込むようにすればよいのである。この落し
込みは、第１案内面１４ａが上記のような構成のもので
あるため、コンタクトレンズ２０の端部に指を触れる程
度の力で十分行えるものである。

【００１６】このような第１案内面１４ａを形成するこ
とによって、容器本体１１の収納部１１ａは、図３にも
示すように、コンタクトレンズ２０の直径より僅かに大
きい程度のものとすれば十分となる。換言すれば、容器
本体１１やキャップ１２はこれを図１０に示した従来品
よりも半分以下の大きさのものとすることができるので
ある。

【００１７】従って、この請求項１の収納ケース１０
は、容器本体１１内へのコンタクトレンズ２０の収納を
確実に行うことができてレンズ２０の保護を十分行うこ
とができ、しかも全体の形状を非常に小さくすることが
できるのである。

【００１８】一方、上記課題を解決するために、請求項
２に係る発明の採った手段は、上記請求項１の収納ケー
ス１０について、「第１レンズ案内面１４ａの下側に、
収納部１１ａ内に入っていたコンタクトレンズ２０の端
部を案内する第２レンズ案内面１４ｂを形成したこと」
である。

【００１９】すなわち、この請求項２の収納ケース１０
では、図６及び図７に示すように、前述した第１案内面
１４ａの下側に、この第１案内面１４ａとは反対の傾斜
を有する第２案内面１４ｂを形成したものである。

【００２０】従って、この請求項２の収納ケース１０に
おいては、図６に示すように、第１案内面１４ａによっ
てコンタクトレンズ２０の落し込みを容易に行えること
は勿論、図７に示すように、容器本体１１の収納部１１
ａ内に入っているコンタクトレンズ２０の取り出しを、
この第２案内面１４ｂを利用することにより、指先で簡
単に行えることになるのである。つまり、コンタクトレ
ンズ２０の端部をこの第２案内面１４ｂに当接させて、
コンタクトレンズ２０を押さえた指を上方に上げれば、
コンタクトレンズ２０はこの第２案内面１４ｂに沿って
持ち上がり、簡単に取り出せることになるのである。

【００２１】

【発明の実施の形態】次に、上記のように構成した各請
求項の発明を、図面に示した実施の形態である収納ケー
ス１０について説明すると、この実施形態の収納ケース
１０は、前述した水平タイプのものであり、図１及び図
２に示したように、左右に並列されて一体化された２つ
の容器本体１１と、これら各容器本体１１のためのキャ
ップ１２を備えたものである。勿論、本発明は、図８及
び図９に示した縦タイプのものにも適用できるものであ
ることは言うまでもない。

【００２２】容器本体１１は、合成樹脂等を材料として
一体成形されるものであるが、図２及び図３に示したよ
うに、コンタクトレンズ２０やこれに必要な液体を入れ
るための収納部１１ａを有しているものである。そし
て、この容器本体１１の口金部１３の内側上端部には、
図３及び図４に示したように、外方から内方に向けて落
ち込む第１案内面１４ａが形成してある。

【００２３】また、この実施形態の収納ケース１０にお
いては、図４中の点線、図６及び図７に示したように、
内端が上記第１案内面１４ａの内端と一致する第２案内
面１４ｂが形成してあり、この第２案内面１４ｂは上記
第１案内面１４ａとは反対の傾斜面となっているもので
ある。これらの第１案内面１４ａ及び第２案内面１４ｂ
の傾斜角度は種々考え得るが、製造上及び使用上、水平
線に対して４５°±１０°程度にするのが好ましい。

【００２４】実施形態の収納ケース１０では、各第１案
内面１４ａ及び第２案内面１４ｂを口金部１３と一体的
なものとして形成したものであるが、図６中の点線で示
したように、断面が三角形状になるリングを別のものと
して形成しておき、このリングを口金部１３の内側に接
着剤等によって一体化するように実施してもよい。この
場合には、各容器本体１１をより簡単に製造することが
できるため、有利となる。

【００２５】

【発明の効果】以上、詳述した通り、まず請求項１に係
る発明においては、上記実施形態にて例示した如く、
「コンタクトレンズ２０が収納される収納部１１ａを備
えた容器本体１１と、この容器本体１１の口金部１３の
外周に螺着されるキャップ１２とを備えたコンタクトレ
ンズ用の収納ケース１０であって、口金部１３の内周
に、外方から内方に落ち込む第１レンズ案内面１４ａを
形成したこと」にその構成上の特徴があり、これによ
り、容器本体内へのコンタクトレンズの収納を確実に行
うことができてレンズの保護を十分行うことができ、し
かも全体の形状を非常に小さくすることのできるコンタ
クトレンズ用の収納ケースを、簡単な構成によって提供
することができるのである。

【００２６】また、請求項２の発明においては、上記請
求項１の収納ケース１０について、「第１レンズ案内面
１４ａの下側に、収納部１１ａ内に入っていたコンタク
トレンズ２０の端部を案内する第２レンズ案内面１４ｂ
を形成したこと」にその構成上の特徴があり、これによ
り、上記請求項１と同様な目的を達成することができる
他、レンズの取出しをより容易に行うことのできる収納
ケースを提供することができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る収納ケースの斜視図である。

【図２】 同収納ケースの１つのキャップを外した状態
の斜視図である。

【図３】 図１の１−１線に沿ってみた部分拡大縦断面
図である。

【図４】 図３の部分拡大断面図である。

【図５】 請求項１に係る収納ケースの作用を説明する
ための部分拡大断面図である。

【図６】 請求項２に係る収納ケースの作用を説明する
ためのもので、コンタクトレンズを落し込む場合の部分
拡大断面図である。

【図７】 請求項２の収納ケースの作用を説明するため
のもので、コンタクトレンズを収納部内から引き上げる
ときの状態を示した部分拡大断面図である。

【図８】 従来の縦タイプの収納ケースを示す断面図で
ある。

【図９】 図８に示した収納ケースのキャップ内にコン
タクトレンズを装填する状態を示す断面図である。

【図１０】 従来の並列タイプの収納ケースを示す断面
図である。

【符号の説明】

１０ 収納ケース １１ 容器本体 １１ａ 収納部 １２ キャップ １３ 口金部 １４ 第１案内面 １４ａ 第２案内面 ２０ コンタクトレンズ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンタクトレンズが収納される収納部を
   備えた容器本体と、この容器本体の口金部の外周に螺着
   されるキャップとを備えたコンタクトレンズ用の収納ケ
   ースであって、 前記口金部の内周に、外方から内方に落ち込む第１レン
   ズ案内面を形成したことを特徴とするコンタクトレンズ
   用の収納ケース。
2. 【請求項２】 前記第１レンズ案内面の下側に、前記収
   納部内に入っていたコンタクトレンズの端部を案内する
   第２レンズ案内面を形成したことを特徴とする請求項１
   に記載のコンタクトレンズ用の収納ケース。