JP2000278539A - 画像処理装置および画像形成システム - Google Patents

画像処理装置および画像形成システム

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JP2000278539A
JP2000278539A JP11077153A JP7715399A JP2000278539A JP 2000278539 A JP2000278539 A JP 2000278539A JP 11077153 A JP11077153 A JP 11077153A JP 7715399 A JP7715399 A JP 7715399A JP 2000278539 A JP2000278539 A JP 2000278539A
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Japan
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color
toner image
black amount
processing apparatus
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JP11077153A
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English (en)
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Masahiko Kubo
昌彦 久保
Mitsuhiro Matsumoto
充博 松本
Koichiro Shinohara
浩一郎 篠原
Kazuhiro Iwaoka
一浩 岩岡
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写同時定着方式のカラー画像形成装置に対
して用いられる画像処理装置で、文字線画の周辺の色背
景部の濃度低下のない画像が得られるようにする。 【解決手段】 最大墨量決定手段221では、第1色変
換手段210から得られるL*a*b*データから、L
*a*b*データを再現するために必要な最大の墨量K
maxを決定する。墨量決定手段224では、第1色変
換手段210からの明度信号L*、彩度算出手段223
からの彩度信号C*、および最大墨量決定手段221で
決定された最大墨量Kmaxから、K=α・βKmax
によって、墨量Kを決定する。αは明度に関する墨入れ
率で、L*が15以下で100%、L*が50以上で0
%、L*が15〜50ではL*が小さいほど大きくす
る。βは彩度に関する墨入れ率で、C*が0で100
%、C*が40以上で0%、C*が0〜40ではC*が
小さいほど大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像処理装置か
ら入力された墨を含む4色の画像記録信号によって、4
色のトナー像をトナー像保持体上に形成し、その形成さ
れた4色のトナー像を、トナー像保持体上から記録媒体
上に、加熱しながら転写すると共に定着する電子写真方
式の画像形成装置に対して用いられる、入力された3色
の色信号を墨を含む4色の画像記録信号に変換する画像
処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの発達やネットワー
クの整備、大容量の記憶媒体の出現、スキャナやデジタ
ルカメラの普及などに伴って、フルカラー画像データが
急速に広まっており、カラー画像データを高速・高画質
でプリントアウトしたいという要求が高まっている。
【0003】一方、カラー画像形成装置のなかで電子写
真方式は、感光紙を必要とせず、普通紙にカラートナー
画像を転写することができるなど、利用範囲が広い。ま
た、最近は高速定着が行われるようになり、トナー像を
瞬間的に加熱、加圧することによって定着性の向上が図
られている。
【0004】しかし、複写機やプリンタとして一般的に
利用されている電子写真方式の画像形成装置は、トナー
像を一般的な記録媒体である紙に転写する場合に、転写
方式として、記録媒体の背面側からコロナ放電を施して
像担持体上のトナー画像を記録媒体上に静電的に転写
し、その転写後に熱と圧力を加えて定着する画像形成方
法(ここでは静電転写方式と呼ぶ)が広く用いられてい
る。しかし、この静電転写方式は、画像に濃度ムラを生
じたり、ラインやドット像においてエッジ部のトナーが
用紙上で散らばってしまい、解像力やドット再現性に劣
るという問題がある。
【0005】この原因は主として、感光体上のトナー像
を記録媒体上に静電的に移行させる転写プロセスに起因
するところが大きい。すなわち、静電転写方式では、感
光体上に形成されたトナー像を均一にかつ効率よく転写
することができない。トナー転写効率はトナー層に印加
される電界(以後、Etと表す)に比例して上昇する
が、ある程度の電界になると、いわゆるパッシェン放電
が生じ、Etが低下して転写効率が低下に転ずる。すな
わち、転写効率は、あるEt値でピークを持つ。この転
写効率のピーク値も100%ではなく、最大で95%程
度と言われている(トナー像の静電転写、電子写真学会
誌、第19号、第1巻、25〜32ページ(1981)
参照)。
【0006】トナー層の転写効率はEtに依存するの
で、トナー層厚や、紙で代表される記録媒体の凹凸,電
気物性ムラに依らずにEtを一定にしないと、転写効率
がトナー層厚や記録媒体上の各転写位置で異なることに
なる。感光体上に形成されたトナー像が単色で層厚が薄
い場合には、主として記録媒体の凹凸,電気物性ムラに
よって画像ムラが生じる。これは、感光体上にそれぞれ
独立に形成された単色のトナー像を記録媒体上に重ね転
写するときも同様であり、記録媒体の凹凸,電気物性ム
ラによって画像ムラが生じる。すなわち、重ね転写する
部分と重ね転写しないで単色の転写をする部分との差は
静電的に抑えることができるが、記録媒体の凹凸,電気
物性ムラを補償することは困難である。
【0007】一方、感光体上にそれぞれ独立に形成され
た単色のトナー像を、凹凸がなく物性の管理された中間
媒体上に重ね転写する、いわゆる中間体転写では、中間
媒体上にムラがないので、均一な画像が得られる。この
中間媒体上のトナー像は多色であって、多いところでは
各単色のトナーが3層以上重なり、少ないところでは1
層以下となる。これらトナー層を紙で代表される記録媒
体に静電的に一括して均一に転写しようとしても、トナ
ー像の全領域にわたって一定の電界を印加することは困
難であり、Etはトナー像の各部分ごとに不均一とな
る。
【0008】したがって、静電転写方式では、中間媒体
上で色を重ねたカラー画像の全ては記録媒体上に転写さ
れず、一部が中間媒体上に残留する。また、残留量は中
間媒体上に形成されたトナー層厚で異なる。このため、
記録媒体上に得られるカラー画像の色バランスがずれ、
所望のカラー画像が得られない。また、記録媒体である
紙表面の凹凸のために、紙と中間媒体が完全には密着し
ないで、不均一なギャップを生じ、転写電界が乱れた
り、粉体トナー同士のクーロン反発力を招いてトナーが
飛散するために、画像の品質が劣化する。
【0009】これに対して、例えば、特開平5−107
950や特開平9−305033には、感光体などの像
担持体上に形成した各色のトナー像を、トナー像を保持
して所定のトナー像形成位置から所定のトナー像転写位
置に搬送するトナー像保持体上に転写した後、トナー像
転写位置に搬送されてきた複数色のトナー像を記録媒体
上に、この記録媒体およびトナー像保持体の少なくとも
一方からなる被加熱体に接する加熱体によって加熱しな
がら、転写すると共に定着する画像形成装置が示されて
いる。
【0010】このようにトナー像を加熱しながら記録媒
体上に転写すると共に定着する転写同時定着方式では、
静電転写方式と比べて、温度や湿度などの環境によって
電気特性が変動しやすく、表面の凹凸により電気特性も
均一ではない用紙の影響を受けずに、ラインやドット像
においてトナー像を乱すことなく、転写することができ
るので、解像力やドット再現性に優れた高画質の画像を
得ることができる。
【0011】このように転写同時定着方式では静電転写
方式と比べて高画質の画像を得ることができるが、図8
に示すように低濃度の色背景21中に高濃度の文字や線
画23が存在する場合、文字や線画23の周辺の色背景
部21aが転写不良によって濃度低下する現象を生じ
る。以後、この濃度低下現象を文字回り抜けと呼ぶ。
【0012】この文字回り抜けは、周辺に低濃度部の背
景を持つ黒文字/黒線画部を、イエロー、マゼンタおよ
びシアン3色のプロセスブラック、またはブラックを含
めた4色のプロセスブラックによって表現した場合に顕
著になることが知られている。発生する原因としては、
プロセスブラックのように文字線画部のパイルハイトが
高く、周辺にパイルハイトの低い低濃度画像がある場合
には、図9に示すように、転写ニップ内で文字線画部の
周辺に空隙25が発生し、この部分の転写電界が低下す
ることによって、空隙部分の感光体27上の低濃度画像
のトナーが転写材29上に十分に転写されないことがあ
げられる。
【0013】転写同時定着方式においても、感光体など
の像担持体上に形成した各色のトナー像をトナー像保持
体上に転写する際には静電気力を利用しているため、記
録媒体の凹凸や電気特性の不均一性の影響を受ける静電
転写方式と比較すると発生しにくいものの、原理的には
文字回り抜けが発生する。
【0014】コンピュータプリンタやネットワークプリ
ンタの普及に伴って、PCなどのホストコンピュータ上
で作成した文字図形情報を印刷する機会が増加している
が、写真などの自然画像に比べて、この文字回り抜けは
目につきやすく、複写機の場合に比べて画質上の大きな
問題となっている。
【0015】そこで、特開平8−23455には、文字
回り抜けを防止するために、色背景中の文字部のトナー
画像のパイルハイトを低くするために、色背景中の文字
部を検出して、文字部のUCR(下色除去)処理のパラ
メータを制御することが示されている。
【0016】また、特開平10−65918には、文字
回り抜けを防止するために、画像処理装置において色背
景中の文字線画部と接するエッジ画素を検出して、エッ
ジ画素周辺の入力画像データに補正量を加算することが
示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−23455のように色背景中の文字部を検出する方
法では、文字部検出部で検出エラーが発生した場合に、
文字部と色背景部のUCR率の違いにより、検出エラー
が色の違いとして見えるという画像欠陥が発生する可能
性が高いという問題がある。また、色背景中の文字部を
検出するため、画像処理装置のコストアップにつながる
という問題もある。
【0018】また、特開平10−65918のようにエ
ッジ画素周辺の入力画像データに補正量を加算する方法
では、エッジ検出部で検出エラーが発生した場合に、不
必要な領域の入力画像データに補正量が加算されること
により、検出エラーが色の違いとして見えるという画像
欠陥が発生する可能性が高いという問題がある。また、
色背景中の文字線画部と接するエッジ画素を検出して、
エッジ画素周辺の画像データを補正するため、画像処理
装置のコストアップにつながるという問題もある。
【0019】そこで、この発明は、上述したような転写
同時定着方式のカラー画像形成装置に対して用いられる
画像処理装置において、検出エラーによる画像欠陥を生
じるようなことがなく、かつ装置のコストアップをきた
すことなく、文字回り抜けのない良好な画像を得ること
ができるようにしたものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明の画像処理装置
は、入力された3色の色信号を、墨を含む4色の画像記
録信号に変換する画像処理装置からの、前記4色の画像
記録信号によって、4色のトナー像を保持して所定のト
ナー像形成位置から所定のトナー像転写位置に搬送する
トナー像保持体上に、4色のトナー像を形成するトナー
像形成手段と、前記トナー像転写位置に搬送されてきた
4色のトナー像を記録媒体上に、この記録媒体および前
記トナー像保持体の少なくとも一方である被加熱体に接
する加熱体によって加熱しながら、転写すると共に定着
する転写定着手段と、を備える画像形成装置に対して用
いられる画像処理装置であって、入力された3色の色信
号の明るさを示す明度信号を求める明度決定手段と、こ
の明度決定手段によって求められた明度信号に応じて下
色除去量および墨量を決定する墨量決定手段と、を備え
るものである。
【0021】この場合、好ましくは、画像処理装置が、
さらに入力色信号の鮮やかさを示す彩度信号を求める彩
度決定手段を備え、前記墨量決定手段は、この彩度決定
手段によって求められた彩度信号と前記明度決定手段に
よって求められた明度信号とに応じて下色除去量および
墨量を決定するものとする。
【0022】さらに、好ましくは、前記墨量決定手段
は、前記明度信号が大きいほど下色除去量および墨量を
少なくするものとする。
【0023】また、好ましくは、前記墨量決定手段は、
前記彩度信号が大きいほど下色除去量および墨量を少な
くするものとする。
【0024】さらに、好ましくは、前記墨量決定手段
は、前記明度信号が所定値以上のときには墨量をゼロと
するものとする。この場合の所定値は、好ましくは、C
IE・L*a*b*のL*で40から70までの間とす
る。
【0025】また、好ましくは、前記墨量決定手段は、
前記明度信号が所定値以下のときには墨量を100%と
するものとする。この場合の所定値は、好ましくは、C
IE・L*a*b*のL*で10から30までの間とす
る。
【0026】さらに、この発明の画像処理装置は、入力
された3色の色信号を、墨を含む4色の画像記録信号に
変換する画像処理装置からの、前記4色の画像記録信号
によって、4色のトナー像を保持して所定のトナー像形
成位置から所定のトナー像転写位置に搬送するトナー像
保持体上に、4色のトナー像を形成するトナー像形成手
段と、前記トナー像転写位置に搬送されてきた4色のト
ナー像を記録媒体上に、この記録媒体および前記トナー
像保持体の少なくとも一方である被加熱体に接する加熱
体によって加熱しながら、転写すると共に定着する転写
定着手段と、を備える画像形成装置に対して用いられる
画像処理装置であって、入力された3色の色信号を再現
するために必要な最小の墨量を決定する最小墨量決定手
段と、入力された3色の色信号を再現するために必要な
最大の墨量を決定する最大墨量決定手段と、前記最小墨
量および前記最大墨量から最終的に墨量を決定する墨量
決定手段とを備え、この墨量決定手段は、前記最小墨量
がゼロでない領域では前記最小墨量と前記最大墨量の間
の値を墨量として決定し、他の領域では墨量をゼロと決
定するものである。
【0027】
【作用】上記のように構成した、この発明の画像処理装
置においては、入力された3色の色信号が墨を含む4色
の画像記録信号に変換される際に、3色の色信号の明る
さを示す明度信号に応じて下色除去量および墨量が決定
され、明度信号が大きいほど、すなわち入力画像の明度
が高いほど、下色除去量および墨量が少なくなり、逆に
明度信号が小さいほど、すなわち入力画像の明度が低い
ほど、下色除去量および墨量が多くなる。
【0028】したがって、明度の高い色背景部では下色
除去量および墨量が少なくなるので、色背景部のパイル
ハイトは高いままに保たれ、さらに明度の低い文字線画
部では下色除去量および墨量が多くなるので、文字線画
部のパイルハイトが低くなって、結果として色背景部と
文字線画部とのパイルハイト差が小さくなるので、文字
回り抜けのない良好な画像を得ることができる。
【0029】しかも、従来の文字部検出部やエッジ検出
部で文字部やエッジ画素を検出する場合のような検出エ
ラーによる画像欠陥を生じるようなことがないととも
に、装置のコストアップをきたすことがない。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の画像処理装置
を備えるカラー画像形成システムの一例を示し、そのカ
ラー画像形成システムは、全体として、画像入力装置1
00、画像処理装置200および画像形成装置300に
よって構成される。
【0031】画像入力装置100は、外部から各種フォ
ーマットのカラー画像を取り込んで、この例では、R
(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)または
C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)および
K(ブラック)の各色のデータにつき、それぞれ8ビッ
ト、256階調の、総計24ビットのRGBデータまた
は総計36ビットのCMYKデータからなるカラー画像
信号を出力するものである。
【0032】具体的に、画像入力装置100は、35m
mカラーネガフィルムやポジフィルム、またはAPSフ
イルムなどに代表される銀塩写真フィルムを、CCDセ
ンサによってRGBデータとして読み取り、またはKO
DAK・PhotoCDフォーマットのCD−ROMか
ら画像データを読み取ってRGBデータに変換し、また
はCanonDCS1cのようなデジタルカメラから撮
影データを取り込んでRGBデータに変換し、またはユ
ーザが他のコンピュータを用いて編集してMOやZip
に代表される記録メディアに保存したカラーイメージデ
ータを、その記録メディアから読み取ってRGBデータ
に変換し、またはネットワーク上に接続された機器から
送信されたイメージ情報をRGBデータに変換して、そ
れぞれ画像処理装置200に転送する機能を有するもの
である。
【0033】また、画像入力装置100は、ドラムスキ
ャナで印刷用に色分解されたCMYKデータや、印刷用
のCEPSやイメージセッタ−から出力された印刷用の
CMYKデータを受け取って、画像処理装置200に転
送するものである。
【0034】画像処理装置200は、全体として、第1
色変換手段210および第2色変換手段220によって
構成され、画像入力装置100から入力されたRGBデ
ータまたはCMYKデータは、第1色変換手段210に
よって、均等色空間の一つであるCIE・L*a*b*
色空間のデータに変換される。
【0035】第1色変換手段210からのL*a*b*
データは、第2色変換手段220によって、画像形成装
置300の色空間の画像記録信号、この例では、CMY
Kの4色のデータに変換されて、画像形成装置300に
転送される。そして、画像形成装置300において、そ
のCMYKデータによって、用紙上に画像が形成され
る。
【0036】画像入力装置100からの入力色信号は、
最も一般的にはRGBデータまたはCMYKデータで、
以下の例ではCMYKデータの場合を示すが、Phot
oCDで用いられるYCC色空間やカラーマネージメン
トシステムで用いられているL*a*b*色空間などの
他の色空間のデータでもよい。
【0037】また、第1色変換手段210としては、入
力色信号をL*a*b*色空間に変換するものを代表的
に用いることができ、以下の例でもL*a*b*色空間
に変換する場合を示すが、デバイスに依存しない色空間
であれば、XYZ色空間やL*u*v*色空間などの他
の色空間に変換するものでもよい。ただし、均等色空間
に変換するものであることが望ましい。
【0038】第1色変換手段210としては、色変換回
路として広く用いられているマトリックス演算型の色変
換回路やダイレクトルックアップテーブル型の色変換回
路やニューラルネットワーク型の色変換回路などを用い
ることができるが、この例はダイレクトルックアップテ
ーブル型の色変換回路を用いる場合である。
【0039】第1色変換手段210の色変換係数は、以
下に示す方法で決定した。まず、画像入力装置100に
入力するカラー画像の測色値(L*a*b*)を市販の
測色計で測定し、入力測色値(L*a*b*)に対応す
る入力CMYKデータを求めて、入力測色値(L*a*
b*)に対する出力データ(CMYK)の変換特性をモ
デル化した。このようなモデルには高次多項式やニュー
ラルネットワークが用いられているが、ここではニュー
ラルネットワークを用いて画像入力装置100の特性を
モデル化した。第1色変換手段210の色変換係数は、
入力CMYKデータのアドレスに対応する出力L*a*
b*色データをニューラルネットワークモデルを非線形
最適化手法を用いて逆に解くことにより決定した。
【0040】図2は、図1のカラー画像形成システムの
画像形成装置300の一例を示し、上述した転写同時定
着方式のものである。
【0041】画像処理装置200からのCMYKデータ
は、KYMCの順序で、それぞれ、スクリーンジェネレ
ータ390によって、データ値に応じてパルス幅が変調
された二値信号、すなわちスクリーン信号に変換され
る。
【0042】このスクリーンジェネレータ390からの
スクリーン信号によって、レーザ光スキャナ380のレ
ーザダイオード381が駆動されて、レーザダイオード
381からレーザ光1が得られる。
【0043】そして、KYMC各色のスクリーン信号に
よって変調されたレーザ光が、それぞれ感光体2K,2
Y,2M,2C上をラスタ照射する。感光体2K,2
Y,2M,2Cは、それぞれ静電潜像形成用の帯電器3
K,3Y,3M,3Cによって一様に帯電され、レーザ
光が照射されることによって、その表面にKYMC各色
のデータに対応した静電潜像が形成される。
【0044】感光体2K,2Y,2M,2C上に形成さ
れた静電潜像は、それぞれKYMC各色のトナーが装填
された現像器4K,4Y,4M,4Cによってトナー像
に現像され、このKYMC各色のトナー像は、転写器5
K,5Y,5M,5Cによって、感光体2K,2Y,2
M,2C上から、ベルト状の中間転写体6上に順次、静
電転写される。
【0045】中間転写体6は、ロール7a,7b,7
c,7dおよび加熱ロール8によって支持されて、矢印
6aの方向に移動しながら巡回する。加熱ロール8と対
向して加熱ロール9が配され、その加熱ロール9は、記
録媒体トレイ11から記録媒体供給装置12によって記
録媒体が供給されるのに伴って、加熱ロール8に圧接す
る。
【0046】そして、KYMC各色のトナー像を保持し
た中間転写体6と記録媒体とが、タイミングを合わせて
加熱ロール8と加熱ロール9との間に挟持されて、互い
に密着しながら、加熱ロール8,9間を移動し、加熱加
圧される。
【0047】その後、中間転写体6および記録媒体は、
密着したまま移動し、冷却器13によって冷却される。
これによって、トナー像が凝集固化して、記録媒体との
間に強い接着力を生じ、トナー像が記録媒体に定着され
る。
【0048】その後、トナー像が定着された記録媒体
は、曲率半径の小さいロール7bの位置において、記録
媒体自体の腰の強さによって中間転写体6から、トナー
像による画像と一体に剥離され、画像形成装置300の
外部に排出される。
【0049】感光体2K,2Y,2M,2Cとしては、
各種無機感光体(Se,a−Si,a−SiC,CdS
等)のほかに、各種有機感光体を用いることができる。
【0050】KYMC各色のトナーとしては、各色の色
素を含有した熱可塑性のバインダで構成された公知のも
のを用いることができるが、この例では、重量平均分子
量54000、軟化点113℃、平均粒径7μmのポリ
エステルトナーを用いる。また、記録媒体上の各色のト
ナー量は、その色素の含有量に応じて0.4〜0.7m
g/cm2程度の範囲内となるように、上記の露光また
は現像の条件を設定する。この例では、各色のトナー量
とも、0.65mg/cm2に設定する。
【0051】中間転写体6としては、ベース層と表面層
との2層構造のものを用いる。ベース層としては、例え
ば、カーボンブラックを添加した厚さ70μmのポリイ
ミドフィルムを用いる。この場合、カーボンブラックの
添加量を調整することによって、ベース層の体積抵抗率
を1010Ωcm程度に調整する。そのほか、ベース層と
しては、例えば、厚さ10〜300μmの耐熱性の高い
シートを使用することができ、ポリエステル、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエ
ーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミ
ドアミド、ポリアミドなどのポリマーシートなどを用い
ることができる。
【0052】表面層としては、シリコン共重合体を用い
るのが好ましい。シリコン共重合体は、その表面が常温
でトナーに対して粘着性を示し、さらに、記録媒体上に
トナーを効率的に移行させるために、溶融して流動化し
たトナーを離しやすくする特性を有しているため、表面
層に最適である。この場合、トナー像を感光体2K,2
Y,2M,2C上から中間転写体6上に画像の乱れを生
じることなく静電的に転写するために、その体積抵抗率
を1014Ωcm程度に調整し、また、中間転写体6上か
ら記録媒体上に転写定着する際に、トナー像を挟んで密
着する中間転写体6と記録媒体との密着性を良くするた
めに、ゴム硬度40度、厚さ50μm程度とする。
【0053】そのほか、表面層としては、例えば、厚さ
1〜100μmの離型性の高い樹脂層を使用することが
でき、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロ
エチレンなどを用いることができる。
【0054】加熱ロール8,9としては、金属ロール、
または金属ロールの表面にシリコンゴムなどの耐熱弾性
層を有したものを用いることができる。加熱ロール8,
9の内部には熱源を配置し、その設定温度はトナーおよ
び記録媒体表面の熱可塑性の樹脂層の熱溶融特性によっ
て決定するが、トナーの軟化点を樹脂層の軟化点より高
くするので、加熱ロール8の設定温度を加熱ロール9の
設定温度より高くする。例えば、加熱ロール8は150
℃、加熱ロール9は120℃にする。また、転写定着時
の加熱ロール8,9間の圧力は、1kgf/cm2〜1
0kgf/cm2程度の範囲、例えば5kgf/cm2
設定する。また、加熱ロール8,9の外径は、例えば5
0mmとし、回転速度は、例えば中間転写体6の搬送速
度が240mm/secになるように設定する。
【0055】また、この例では、冷却器13の風量を調
整することによって、中間転写体6からの記録媒体剥離
時の、中間転写体6と接する記録媒体表面の温度が70
℃となるように調整する。
【0056】この例は、画像形成装置300がタンデム
エンジン型の中間転写体を用いたカラープリンタの場合
であるが、画像形成装置300は、これに限らず、シン
グルエンジン方式のものや、中間転写体を用いずに、耐
熱性を有するベルト感光体を用いて、ベルト感光体上に
形成した4色のトナー像を直接、記録媒体上に転写定着
する方式のものでもよい。
【0057】〔実施例1〕図3に、図1に示した画像処
理装置200の第2色変換手段220の第1の例を示
す。
【0058】この例の第2色変換手段220において
は、第1色変換手段210から得られるL*a*b*デ
ータが最大墨量決定手段221に入力されて、後述する
方法によって、入力される測色値(L*a*b*)に対
する最大墨量Kmaxが決定され、墨量決定手段224
に送られる。
【0059】また、第1色変換手段210から得られる
a*およびb*が彩度算出手段223に入力されて、 C*=(a*2+b*21/2 …(1) で表される定義式変換によって彩度信号C*が得られ、
墨量決定手段224に入力される。
【0060】墨量決定手段224では、第1色変換手段
210から得られる明度信号L*、彩度算出手段223
から得られる彩度信号C*、および最大墨量決定手段2
21から得られる最大墨量Kmaxから、後述する方法
によって墨量Kを決定し、CMY決定手段226および
CMYK出力部227に送出する。パラメータ入力手段
225は、後述する墨量決定手段224の墨入れ関数を
設定するものである。
【0061】CMY決定手段226では、第1色変換手
段210から得られる3色色信号L*a*b*と墨量決
定手段224から得られる墨量Kとから、後述する方法
によって、それに対応する画像形成装置300の画像記
録信号CMYを決定して、CMYK出力部227に送出
する。CMYK出力部227は、CMY決定手段226
から得られる3色の画像記録信号CMYと墨量決定手段
224から得られる墨量Kを、画像形成装置300に出
力するものである。
【0062】最大墨量決定手段221は、L*a*b*
予測部、CCM(ComputerColor Mat
ching)部、および2分探索部を有する。L*a*
b*予測部は、ニューラルネットワークによって構成さ
れる。あらかじめ対象となるプリンタのCMYKとL*
a*b*の対を複数用意しておき、これらの対を教師デ
ータとして、L*a*b*予測部のニューラルネットワ
ークに学習させる。ここで、CMYKとL*a*b*と
の関係は、次の関数で表すことができる。
【0063】 (L*,a*,b*)=F(C,M,Y,K) …(2) 通常、関数Fの逆関数は求まらない。しかし、L*a*
b*を与えて、CMYKのうちの1変数を適切に決めれ
ば、(2)式から残りの3変数を求めることができる。
例えば、Kを与えると、CMYを決定することができ
る。CCM部は、次式に基づいて、CCMと呼ばれる手
法によってCMYを効率的に計算する。
【0064】 (C,M,Y)=G(L*,a*,b*,K) …(3) さらに、CCM部は、(3)式の右辺のKを振りなが
ら、CMYが次式を満たすか否かを判断する。
【0065】0≦C,M,Y≦100% …(4) この条件を満たす最も大きいKが、最大墨量Kmaxで
ある。2分探索部は、2分探索アリゴリズムによって、
(3)式のKを振って、(4)式を満たすKmaxを効
率的に求める。
【0066】CMY決定手段226も、CCM部を有
し、(3)式によって、L*a*b*とKからCMYを
計算する。
【0067】墨量決定手段224では、次式に基づいて
墨量Kを決定する。
【0068】K=α・βKmax …(5) ここで、変数αおよびβは、それぞれ明度L*および彩
度C*の関数であり、例えば、図4に示す特性に設定す
る。図4(A)に示す関数は、明度L*に関する墨入れ
率αを表しており、X軸の増加方向は、濃度が高くなる
(明度が低くなる)ようにL*値が小さくなる方向に表
記している。また、図4(B)に示す関数は、彩度C*
に関する墨入れ率βを表しており、X軸の増加方向は、
彩度C*が高くなる方向に表記している。
【0069】この例の効果を確認するために、図8に示
したような画像を画像入力装置100から画像処理装置
200に入力し、公知のUCR方法と比較した結果を、
図5に示す。ここで、入力画像の文字線画部は、線幅1
mm、長さ30mmの十字線で、CMYK各色の網点面
積率を100%とし、文字線画部のパイルハイトが最も
高くなるように設定した。背景部は、CMY各色の網点
面積率を30%という平均的な背景濃度に設定した。
【0070】図5(A)において、パイルハイトは入力
画像の網点面積率の総和で表し、文字部のパイルハイ
ト、背景部のパイルハイト、および両者の差を示してい
る。図5(B)は、文字回り抜けの発生度合いを人間が
視覚的に判断して、グレード付けを行ったものである。
グレードは、小さいほど文字回り抜けの発生が少なく、
1以下で気にならないレベルとなるように設定した。
【0071】比較対象としては、UCR処理を全く行わ
なかったもの(処理無し)、墨量を入力色信号の明度に
関係なく全て最大墨量Kmaxとしたもの(100%U
CR)、および墨量を入力色信号の明度に関係なく全て
最大墨量Kmaxの50%としたもの(50%UCR)
の各場合について、画像を出力してグレード付けを行っ
た。この例では、墨入れ関数として図4に示したものを
用いた。明度に関係なく最大墨量の定率で墨入れする方
法は、例えば、特開平7−87346に記載されてい
る。
【0072】図5の実験結果から、100%UCRおよ
び50%UCRのいずれの方法もパイルハイト差が処理
無しの場合に比べて減少しているのにもかかわらず、処
理無しの場合に比べて、100%UCRでは文字回り抜
けが減少したが、50%UCRでは逆に増加するといっ
た現象が見られた。図9に示したように、パイルハイト
差による転写材29と感光体27との間の空隙25によ
って転写不良が発生すると考えられたため、UCR処理
によってパイルハイト差を小さくすれば、文字回り抜け
が減少すると考えられていたが、単にUCR処理によっ
て文字部と背景部のパイルハイト差を小さくしても、5
0%UCRの場合のようにUCR処理しない場合よりも
文字回り抜けが増加してしまうことがあることが判明し
た。
【0073】そして、検討の結果、文字回り抜けの防止
のためには、単に文字部と背景部のパイルハイト差を小
さくするだけでは十分でなく、背景部のパイルハイトを
なるべく減らさずに文字部のパイルハイトを小さくする
ことによって、文字部と背景部のパイルハイト差を小さ
くすることが、最も効果的であることが判明した。
【0074】図5の実験結果を考察すると、100%U
CRの場合には、処理無しの場合に比べて文字部パイル
ハイトもパイルハイト差も大幅に減少したが、背景部の
パイルハイトが減少しているため、期待されたほどには
文字回り抜けが減少しなかった。また、50%UCRの
場合には、処理無しの場合に比べて文字部パイルハイト
もパイルハイト差も減少したが、背景部のパイルハイト
が減少しているため、かえって文字回り抜けが増加し
た。
【0075】この例では、背景部のパイルハイトをなる
べく減らさずに文字部のパイルハイトを小さくするため
に、図4(A)に示すように、明度が低くなるに従って
墨入れ率が大きくなるように設定した。背景部のパイル
ハイトを最も減少させない場合は、墨入れ率がゼロの場
合であるので、中濃度以下の明度が高く明るい部分で
は、墨入れ率をゼロにして墨を乗せないようにした。
【0076】実験の結果、L*値が40から70までの
間の所定値以上の明るい部分には全く墨を乗せないよう
にすれば、通常の背景部では十分であることが判明し
た。そこで、この例においては、L*値が50以上の明
るい部分の墨入れ率をゼロに設定する。
【0077】つぎに、文字部のパイルハイトを最も小さ
くするには、文字部の墨入れ率を100%とすればよい
ので、高濃度部の明度が低く暗い部分の墨入れ率が10
0%となるように設定した。実験の結果、L*値が10
から30までの間の所定値以下の暗い部分の墨入れ率を
100%とすれば、通常の文字部では十分であることが
判明した。そこで、この例においては、L*値が15以
下の暗い部分の墨入れ率を100%に設定する。
【0078】以上の結果、明度L*に関する墨入れ関数
は、図4(A)に示すように、L*=15,α=100
%の点とL*=50,α=0%の点とを直線で結んだよ
うな折れ線の関数とする。これによって、設定した中濃
度以下の明るい部分には墨が全く乗らないため、背景部
のパイルハイトが全く減少せず、また設定した高濃度以
上の暗い部分は最大限に墨に置き換えられるため、文字
部のパイルハイトも最小となり、結果的に文字部と背景
部のパイルハイト差も最小となる。
【0079】その結果、この例によれば、図5(B)に
示すように、処理無しおよび公知の定率UCRに比べ
て、文字回り抜けの発生グレードが大幅に向上し、視覚
的に全く問題にならないレベルにまで画質を向上させる
ことができる。
【0080】以上の例は、明度L*に関する墨入れ関数
を、2点の設定点間を1次関数とする折れ線関数とする
場合であるが、2次関数などの任意の関数を用いたもの
とすることができ、また、ルックアップテーブルによっ
て自由な関数関係を設定してもよい。
【0081】さらに、彩度が高い部分に墨が混入する
と、彩度が低下し、粒状性も悪化するので、この例で
は、C*値が40以上の鮮やかな部分には墨を全く乗せ
ないようにする。そのため、この例では、彩度C*に関
する墨入れ関数は、図4(B)に示すように、C*値が
0の部分の墨入れ率βを100%とし、C*値が40の
部分の墨入れ率βを0%として、両点を直線で結び、C
*40以上ではβ=0%とした折れ線関数とする。
【0082】これによって、設定した彩度以上の鮮やか
な部分には墨が全く乗らないため、高彩度部における彩
度低下を防止することができ、かつ粒状性に優れた色再
現をすることができる。
【0083】ただし、墨入れ率βを0%とするC*値
は、40以上に限らず、好ましい範囲として、20から
60までの間の所定値以上とすればよい。
【0084】また、この例は、基本的に明度L*に関す
る墨入れ関数によって墨入れ率を決定するため、グレー
部(C*値が0の部分)での墨入れ率を100%に設定
する場合であるが、グレー部での墨入れ率を100%で
はなく、それより低い率にしてもよい。
【0085】また、彩度C*に関する墨入れ関数も、2
点の設定点間を1次関数とする折れ線関数とする代わり
に、2次関数などの任意の関数を用いたものとすること
ができ、また、ルックアップテーブルによって自由な関
数関係を設定してもよい。
【0086】さらに、(5)式においてβを100%と
して、彩度C*を考慮しないで、明度*のみに従って墨
入れ量を制御するようにしてもよい。
【0087】以上のように、実施例1によれば、色空間
上で互いに直交する明度L*および彩度C*に関する墨
入れ率αおよびβを任意の関数関係として記述して、
(5)式によってゼロから最大墨量Kmaxまでの間の
量として墨量Kを決定し、明度L*が高く明るい色につ
いては墨入れ率を低くし、明度L*が低く暗い色につい
ては墨入れ率を高く設定することによって、背景部のパ
イルハイトを減少させずに文字線画部のパイルハイトを
減少させることができ、文字回り抜けを視覚的に問題に
ならないレベルにまで低減することができる。
【0088】さらに、彩度C*に応じて墨量Kを決定す
ることによって、画質上重要な粒状性を向上させること
ができるとともに、高彩度部の彩度低下を防止すること
ができ、図2に示して上述した画像形成装置300のよ
うにトナー像を記録媒体上に転写しながら同時に定着す
る転写同時定着方式の画像形成装置で画像を出力した場
合に、鮮鋭性が高くドット再現性に優れているという転
写同時定着方式の特長を維持しながら、従来、転写同時
定着方式で問題であった文字回り抜けを視覚的に問題に
ならないレベルにまで低減することができ、トータルと
して非常に高画質のプリントを得ることができる。
【0089】〔実施例2〕図6に、図1に示した画像処
理装置200の第2色変換手段220の第2の例を示
す。
【0090】この例の第2色変換手段220において
は、第1色変換手段210から得られるL*a*b*デ
ータが最大墨量決定手段221および最小墨量決定手段
222に入力されて、それぞれにおいて、後述する方法
によって、入力される測色値(L*a*b*)に対する
最大墨量Kmaxおよび最小墨量Kminが決定され、
墨量決定手段224に送られる。
【0091】墨量決定手段224では、最小墨量Kmi
nがゼロの場合には、墨量Kをゼロとし、それ以外の場
合には、最大墨量Kmaxおよび最小墨量Kminか
ら、次式に基づいて墨量Kを決定し、CMY決定手段2
26およびCMYK出力部227に送出する。
【0092】 K=(1−γ)Kmin+γ・Kmax …(6) ここで、変数γは墨入れ率を表し、0%から100%ま
での任意の値を取ることができる。γが0%のときには
墨量Kは最小墨量Kminとなり、γが100%のとき
には墨量Kは最大墨量Kmaxとなる。墨入れ率γは、
パラメータ入力手段225によって、ユーザが自由に設
定することができる。この例では、墨入れ率γを50%
に設定する。また、墨入れ率γを明度や彩度の関数とな
るように設定してもよい。
【0093】CMY決定手段226では、第1色変換手
段210から得られる3色色信号L*a*b*と墨量決
定手段224から得られる墨量Kとから、後述する方法
によって、それに対応する画像形成装置300の画像記
録信号CMYを決定して、CMYK出力部227に送出
する。CMYK出力部227は、CMY決定手段226
から得られた3色の画像記録信号CMYと墨量決定手段
224から得られる墨量Kを、画像形成装置300に出
力するものである。
【0094】最大墨量決定手段221および最小墨量決
定手段222は、それぞれ、L*a*b*予測部、CC
M(Computer Color Matchin
g)部、および2分探索部を有する。L*a*b*予測
部は、ニューラルネットワークによって構成される。あ
らかじめ対象となるプリンタのCMYKとL*a*b*
の対を複数用意しておき、これらの対を教師データとし
て、L*a*b*予測部のニューラルネットワークに学
習させる。CMYKとL*a*b*との関係は、(2)
式で表すことができる。
【0095】通常、関数Fの逆関数は求まらない。しか
し、L*a*b*を与えて、CMYKのうちの1変数を
適切に決めれば、(2)式から残りの3変数を求めるこ
とができる。例えば、Kを与えると、CMYを決定する
ことができる。CCM部は、(3)式に基づいて、CC
Mと呼ばれる手法によってCMYを効率的に計算する。
【0096】さらに、CCM部は、(3)式の右辺のK
を振りながら、CMYが(4)式を満たすか否かを判断
する。
【0097】この条件を満たす最も大きいKが最大墨量
Kmaxであり、最も小さいKが最小墨量Kminであ
る。2分探索部は、2分探索アリゴリズムによって、
(3)式のKを振って、(4)式を満たすKmaxおよ
びKminを効率的に求める。
【0098】CMY決定手段226も、CCM部を有
し、(3)式によって、L*a*b*とKからCMYを
計算する。
【0099】この例の効果を確認するために、実施例1
と同じ画像を画像入力装置100から画像処理装置20
0に入力し、実施例1と同様に公知のUCR方法と比較
した結果を、図7に示す。
【0100】この例のように墨量Kを決定すると、YM
C3色で表現できる色については全く墨入れされないた
め、比較的明度の高い背景部のパイルハイトを全く減少
させないことができ、YMC3色で表現できない色に対
してのみ墨入れされるため、比較的明度の低い文字線画
部が墨入れされることになって、高濃度の文字線画部の
パイルハイトを減少させることができる。
【0101】図7に示すように、この例では、背景部の
パイルハイトは実施例1と同じになるが、文字部のパイ
ルハイトが実施例1より大きくなってしまうため、文字
回り抜けは実施例1より若干増加するが、視覚的に問題
にならないレベルであり、他の公知のUCR方法より大
幅に文字回り抜けを低減することができる。
【0102】さらに、この例のように墨量Kを決定する
場合には、画像形成装置300の色再現範囲を最大限に
活用することができるため、濃度および彩度の高い、色
再現性の優れたプリントを得ることができる。
【0103】以上のように、実施例2によれば、入力さ
れる色を再現するのに最大の墨量である最大墨量Kma
xと、最小の墨量である最小墨量Kminとを求め、最
小墨量Kminがゼロでない領域では、墨量Kを最大墨
量Kmaxと最小墨量Kminとの間の量とし、最小墨
量Kminがゼロの領域では、墨量Kをゼロとすること
によって、YMC3色で表現できる背景部のパイルハイ
トを減少させずに高濃度の文字線画部のパイルハイトを
減少させることができ、文字回り抜けを視覚的に問題に
ならないレベルにまで低減することができる。
【0104】さらに、この例のように墨量Kを決定する
ことによって、画質上重要な濃度や彩度の向上を実現す
ることができ、図2に示して上述した画像形成装置30
0のようにトナー像を記録媒体上に転写しながら同時に
定着する転写同時定着方式の画像形成装置で画像を出力
した場合に、鮮鋭性が高くドット再現性に優れていると
いう転写同時定着方式の特長を維持しながら、従来、転
写同時定着方式で問題であった文字回り抜けを視覚的に
問題にならないレベルにまで低減することができ、トー
タルとして非常に高画質のプリントを得ることができ
る。
【0105】
【発明の効果】この発明によれば、転写同時定着方式の
カラー画像形成装置に対して用いられる画像処理装置に
おいて、色空間上で互いに直交する明度および彩度に関
する墨入れ率を任意の関数関係として記述して、ゼロか
ら最大墨量までの間の値として墨量を決定し、明度が高
く明るい色については墨入れ率を低くし、明度が低く暗
い色については墨入れ率を高く設定することによって、
背景部のパイルハイトを減少させずに文字線画部のパイ
ルハイトを減少させることができ、文字回り抜けを視覚
的に問題にならないレベルにまで低減することができ
る。
【0106】さらに、彩度に応じて墨量を決定すること
によって、画質上重要な粒状性を向上させることができ
るとともに、高彩度部の彩度低下を防止することがで
き、転写同時定着方式のカラー画像形成装置で画像を出
力した場合に、鮮鋭性が高くドット再現性に優れている
という転写同時定着方式の特長を維持しながら、従来、
転写同時定着方式で問題であった文字回り抜けを視覚的
に問題にならないレベルにまで低減することができ、ト
ータルとして非常に高画質のプリントを得ることができ
る。
【0107】また、この発明によれば、入力される色を
再現するのに最大の墨量である最大墨量と、最小の墨量
である最小墨量とを求め、最小墨量がゼロでない領域で
は墨量を最大墨量と最小墨量との間の値とし、最小墨量
がゼロの領域では墨量をゼロとすることによって、墨以
外の3色で表現できる背景部のパイルハイトを減少させ
ずに高濃度の文字線画部のパイルハイトを減少させるこ
とができ、文字回り抜けを視覚的に問題にならないレベ
ルにまで低減することができる。
【0108】さらに、このように墨量を決定することに
よって、画質上重要な濃度や彩度の向上を実現すること
ができ、転写同時定着方式の画像形成装置で画像を出力
した場合に、鮮鋭性が高くドット再現性に優れていると
いう転写同時定着方式の特長を維持しながら、従来、転
写同時定着方式で問題であった文字回り抜けを視覚的に
問題にならないレベルにまで低減することができ、トー
タルとして非常に高画質のプリントを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像処理装置を備えるカラー画像形
成システムの一例を示す図である。
【図2】図1のシステムの画像形成装置の一例を示す図
である。
【図3】この発明の画像処理装置の第1の例を示す図で
ある。
【図4】図3の画像処理装置の墨量決定手段における墨
入れ関数の一例を示す図である。
【図5】図3の画像処理装置の文字回り抜け低減効果を
示す図である。
【図6】この発明の画像処理装置の第2の例を示す図で
ある。
【図7】図6の画像処理装置の文字回り抜け低減効果を
示す図である。
【図8】文字回り抜けの一例を示す図である。
【図9】文字回り抜けの原因の説明に供する図である。
【符号の説明】
100…画像入力装置 200…画像処理装置 210…第1色変換手段 220…第2色変換手段 300…画像形成装置 2K,2Y,2M,2C…感光体 3K,3Y,3M,3C…帯電器 4K,4Y,4M,4C…現像器 5K,5Y,5M,5C…現像器 6…中間転写体 8,9…加熱ロール 221…最大墨量決定手段 222…最小墨量決定手段 223…彩度算出手段 224…墨量決定手段 225…パラメータ入力手段 226…CMY決定手段 227…CMYK出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 102 G03G 15/20 102 5C077 15/24 15/24 5C079 G06T 1/00 G06F 15/66 310 H04N 1/46 H04N 1/46 Z (72)発明者 篠原 浩一郎 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 岩岡 一浩 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 2H030 AB02 AD04 AD13 AD15 BB23 BB42 BB44 BB46 BB52 BB63 2H032 AA02 AA14 BA09 BA18 2H033 BB06 BE09 CA04 CA07 CA30 CA44 2H078 CC06 DD51 DD57 EE13 FF02 5B057 CA01 CA08 CA12 CB01 CB08 CB12 CC01 CE18 DA17 DB06 DB09 DC25 5C077 MP08 PP33 PP36 PP38 SS02 TT02 5C079 HB03 HB08 KA03 KA10 KA17 LA21 NA01 NA25 PA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力された3色の色信号を、墨を含む4色
    の画像記録信号に変換する画像処理装置からの、前記4
    色の画像記録信号によって、4色のトナー像を保持して
    所定のトナー像形成位置から所定のトナー像転写位置に
    搬送するトナー像保持体上に、4色のトナー像を形成す
    るトナー像形成手段と、 前記トナー像転写位置に搬送されてきた4色のトナー像
    を記録媒体上に、この記録媒体および前記トナー像保持
    体の少なくとも一方である被加熱体に接する加熱体によ
    って加熱しながら、転写すると共に定着する転写定着手
    段と、 を備える画像形成装置に対して用いられる画像処理装置
    であって、 入力された3色の色信号の明るさを示す明度信号を求め
    る明度決定手段と、 この明度決定手段によって求められた明度信号に応じて
    下色除去量および墨量を決定する墨量決定手段と、 を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1の画像処理装置において、 当該画像処理装置は、さらに入力色信号の鮮やかさを示
    す彩度信号を求める彩度決定手段を備え、 前記墨量決定手段は、この彩度決定手段によって求めら
    れた彩度信号と前記明度決定手段によって求められた明
    度信号とに応じて下色除去量および墨量を決定すること
    を特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2の画像処理装置におい
    て、 前記墨量決定手段は、前記明度信号が大きいほど下色除
    去量および墨量を少なくすることを特徴とする画像処理
    装置。
  4. 【請求項4】請求項2の画像処理装置において、 前記墨量決定手段は、前記彩度信号が大きいほど下色除
    去量および墨量を少なくすることを特徴とする画像処理
    装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの画像処理装置に
    おいて、 前記墨量決定手段は、前記明度信号が所定値以上のとき
    には墨量をゼロとすることを特徴とする画像処理装置。
  6. 【請求項6】請求項5の画像処理装置において、 前記所定値は、CIE・L*a*b*のL*で40から
    70までの間であることを特徴とする画像処理装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかの画像処理装置に
    おいて、 前記墨量決定手段は、前記明度信号が所定値以下のとき
    には墨量を100%とすることを特徴とする画像処理装
    置。
  8. 【請求項8】請求項7の画像処理装置において、 前記所定値は、CIE・L*a*b*のL*で10から
    30までの間であることを特徴とする画像処理装置。
  9. 【請求項9】入力された3色の色信号を、墨を含む4色
    の画像記録信号に変換する画像処理装置からの、前記4
    色の画像記録信号によって、4色のトナー像を保持して
    所定のトナー像形成位置から所定のトナー像転写位置に
    搬送するトナー像保持体上に、4色のトナー像を形成す
    るトナー像形成手段と、 前記トナー像転写位置に搬送されてきた4色のトナー像
    を記録媒体上に、この記録媒体および前記トナー像保持
    体の少なくとも一方である被加熱体に接する加熱体によ
    って加熱しながら、転写すると共に定着する転写定着手
    段と、 を備える画像形成装置に対して用いられる画像処理装置
    であって、 入力された3色の色信号を再現するために必要な最小の
    墨量を決定する最小墨量決定手段と、入力された3色の
    色信号を再現するために必要な最大の墨量を決定する最
    大墨量決定手段と、前記最小墨量および前記最大墨量か
    ら最終的に墨量を決定する墨量決定手段とを備え、 この墨量決定手段は、前記最小墨量がゼロでない領域で
    は前記最小墨量と前記最大墨量の間の値を墨量として決
    定し、他の領域では墨量をゼロと決定することを特徴と
    する画像処理装置。
  10. 【請求項10】入力された3色の色信号を、墨を含む4
    色の画像記録信号に変換する画像処理装置からの、前記
    4色の画像記録信号によって、4色のトナー像を保持し
    て所定のトナー像形成位置から所定のトナー像転写位置
    に搬送するトナー像保持体上に、4色のトナー像を形成
    するトナー像形成手段と、 前記トナー像転写位置に搬送されてきた4色のトナー像
    を記録媒体上に、この記録媒体および前記トナー像保持
    体の少なくとも一方である被加熱体に接する加熱体によ
    って加熱しながら、転写すると共に定着する転写定着手
    段とを備える画像形成装置と、 請求項1〜9のいずれかの画像処理装置とを含む画像形
    成システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004271910A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US7236263B2 (en) 2002-09-30 2007-06-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Image processing system and method for improved color conversion

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