JP2000278173A - 移動体の識別装置 - Google Patents

移動体の識別装置

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JP2000278173A
JP2000278173A JP11086498A JP8649899A JP2000278173A JP 2000278173 A JP2000278173 A JP 2000278173A JP 11086498 A JP11086498 A JP 11086498A JP 8649899 A JP8649899 A JP 8649899A JP 2000278173 A JP2000278173 A JP 2000278173A
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Takeshi Mochizuki
望月  健
Seiji Uchino
政治 内野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送信波の影響を受けることなく移動体の識別
を確実に行うことができるようにする。 【解決手段】 送信回路23とアンテナ28の間に結合
回路24を設けて、アンテナ方向へ向かう信号の一部を
第1の信号Xとし、アンテナ28から送信回路23へ向
かう信号を第2の信号Yとしてそれぞれ独立に抽出し、
第1の検出回路30によって第1の信号を直交検波して
互いに直交する第1の直交成分信号I、Qを検出し、第
2の検出回路40によって第2の信号を直交検波して互
いに直交する第2の直交成分信号I′、Q′を検出し、
信号処理回路50によって第1の直交成分信号と第2の
直交成分信号とに基づいて、移動体1からの応答信号の
変調成分を抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体の識別装置
において、移動体による応答を送信波の影響を受けない
ように抽出するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】商品に付加されているタグやカード等の
移動体が所定のエリアを通過したときに、その通過の検
知や通過した移動体の種類などを識別判定するために、
電波を用いた識別システムが用いられている。
【0003】このような識別システムでは、大量に用い
られる移動体側の構成を簡単にする必要がある。
【0004】このために、移動体は、識別装置側から発
射されたれた電波を受信し、その受信電力を用いて発生
した変調信号によって受信波を振幅変調して出力するよ
うにしている。
【0005】図8は、この移動体1に対する識別を行う
ための従来の識別装置10の構成を示している。
【0006】識別装置10は、送信回路11に入力され
る搬送信号Cを増幅器あるいは変調して第1のアンテナ
12に供給して送信信号を発射させる。また、第2のア
ンテナ13は、第1のアンテナ12から発射された信号
に対する移動体10の応答信号を受信して検出回路14
に入力する。検出回路14は、第2のアンテナ13の受
信信号を搬送信号Cによって直交検波して直交成分信号
I、Qを出力する。
【0007】この直交成分信号I、Qは、第2のアンテ
ナ13に移動体1からの応答信号だけが入力されている
場合には、この応答信号の変調成分を示しており、この
直交成分信号I、Qから移動体1の応答の有無や移動体
1の種別等を識別することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、識別装
置10の第2のアンテナ13が受信する信号は、移動体
1からの応答信号だけでなく、第1のアンテナ12から
発射された信号が第2のアンテナ13に直接入力された
り、第1のアンテナ12から発射された信号が外部の反
射体5に反射して第2のアンテナ13に入力される。
【0009】このように移動体1からの応答信号以外の
同一周波数の信号が第2のアンテナ13で受信された場
合、検出回路14が出力する直交成分信号I、Qから移
動体1の識別を確実に行うことができなくなる。
【0010】即ち、送信回路11が出力する送信信号に
は、電源のリプル等による振幅変調成分があり、この送
信信号の変調成分が、移動体からの応答信号の変調成分
に誤差として加えられてしまい、検出回路14からはこ
の送信信号の変調成分による誤差を含む信号I、Qが出
力される。
【0011】この誤差は、第2のアンテナ13に入力す
る送信信号のレベルが大きい程、大きくなる。
【0012】このために、第1のアンテナ12と第2の
アンテナ13の配置を工夫したり図8に示しているよう
に第1のアンテナ12と第2のアンテナ13に遮蔽体1
5を設けて、第1のアンテナ12からの直接波の入力を
防止することも考えられるが、直接波の侵入を完全に防
止することはできず、また、外部反射体5の反射波につ
いては効果がなかった。
【0013】また、図9に示す識別装置10′のよう
に、送信回路11の出力をサーキュレータ16の入力端
子16aに接続し、サーキュレータ16の中間端子16
bに送受兼用のアンテナ12を接続し、アンテナ12の
受信信号をサーキュレータ16の出力端子16cを介し
て検出回路14に入力することも考えられるが、アンテ
ナ12自身の反射波やサーキュレータ16の入力端子1
6aから出力端子16cへの漏れ、あるいは外部反射体
5からの反射波が検出回路14に入力されてしまい、前
記同様に、移動体1からの応答信号の変調成分を確実に
抽出できなかった。
【0014】本発明は、この問題を解決し、送信波の影
響を受けることなく移動体の応答を確実に抽出できる移
動体の識別装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の移動体の識別装置は、送信回路
から出力された信号をアンテナから発射し、該発射信号
を受信した移動体が該受信信号に変調を与えて出力した
応答信号を前記アンテナで受信して前記移動体の識別を
行う移動体の識別装置において、前記送信回路と前記ア
ンテナとの間に挿入され、前記送信回路から前記アンテ
ナ側へ向かう信号の一部を第1の信号として抽出し、前
記アンテナ側から前記送信回路側へ向かう信号を第2の
信号として抽出する結合回路と、前記第1の信号を直交
検波し互いに直交する第1の直交成分信号を出力する第
1の検出回路と、前記第2の信号を直交検波し互いに直
交する第2の直交成分信号を出力する第2の検出回路
と、前記第1の直交成分信号と第2の直交成分信号とに
基づいて、前記移動体からの応答信号の変調成分を抽出
する信号処理回路と備えている。
【0016】また、本発明の請求項2の移動体の識別装
置は、送信回路から出力された信号を第1のアンテナか
ら発射し、該発射信号を受信した移動体が該受信信号に
変調を与えて出力した応答信号を第2のアンテナで受信
して前記移動体の識別を行う移動体の識別装置におい
て、前記送信回路と前記第1のアンテナとの間に挿入さ
れ、前記送信回路から前記第1のアンテナ側へ向かう信
号の一部を第1の信号として抽出する結合回路と、前記
結合回路によって抽出された第1の信号を直交検波し互
いに直交する第1の直交成分信号を出力する第1の検出
回路と、前記第2のアンテナで受信された信号を直交検
波し互いに直交する第2の直交成分信号を出力する第2
の検出回路と、前記第1の直交成分信号と第2の直交成
分信号とに基づいて、前記移動体からの応答信号の変調
成分を抽出する信号処理回路とを備えている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態の識別装
置20の構成を示している。
【0018】この識別装置20は、搬送信号発生器21
から出力された搬送信号C0を分配回路22によって3
系統C1〜C3に分配し、その一つC1を送信回路23
に出力している。
【0019】送信回路23は、分配器22から分配され
た搬送信号C1を所定電力に増幅器し、あるいは必要な
変調(振幅変調等)をかけて結合回路24に出力する。
【0020】結合回路24は、送信回路23から出力さ
れた信号を送受兼用のアンテナ28に供給するととも
に、送信回路23からアンテナ28側へ向かう信号(進
行波)の一部を第1の信号Xとし、アンテナ28側から
送信回路23側へ向かう信号(アンテナ28で受信され
た信号および送信回路23から出力されアンテナ28自
身で反射された反射波とを含む信号)を第2の信号Yと
してそれぞれ独立に抽出して、後述の第1の検出回路3
0、第2の検出回路40に出力する。
【0021】なお、アンテナ28で受信された信号に
は、識別対象の移動体1が出力する応答信号の他に、ア
ンテナ28から出力されて移動体1以外の外部反射体5
から反射された反射波も含まれる。
【0022】ここで、結合回路24としては、図2に示
すようにCM型の方向性結合器25で構成したり、ある
いは図3に示すように、方向性結合器25とサーキュレ
ータ26とで構成することができる。
【0023】図2のように、送信回路23からの信号を
方向性結合器25の入力端子25aに入力し、出力端子
25bにアンテナ28を接続した場合、送信回路23側
からアンテナ28側へ向かう進行波の一部が第1の信号
XとしてFWD端子25cから出力され、アンテナ28
で受信される受信信号およびアンテナ28自身の反射波
が第2の信号YとしてREV端子25dから出力され
る。
【0024】このように、結合回路24を方向性結合器
25のみで構成した場合、回路が簡単にできる。ただ
し、方向性結合器25のFWD端子25cには、進行波
の電力より数10dB低い電力の信号が出力され、同様
に、REV端子25bには、アンテナ28側からの信号
の電力より数10dB低い電力の信号が出力されるの
で、送信回路23の送信電力が大きい場合に有効であ
る。
【0025】また、図3のように、サーキュレータ26
の入力端子26aを方向性結合器25の出力端子25b
に接続し、サーキュレータ26の中間端子26bをアン
テナ28に接続した場合には、送信回路23側からアン
テナ28側へ向かう進行波の一部が第1の信号Xとして
FWD端子25cから出力され、アンテナ28で受信さ
れる受信信号およびアンテナ28自身の反射波が第2の
信号Yとしてサーキュレータ26の出力端子26cから
出力される。
【0026】なお、方向性結合器25のREV端子25
dは抵抗27によって終端されており、サーキュレータ
26の端子間のアイソレーションは非常に高く、REV
端子25dには信号が発生しない。
【0027】図3のようにサーキュレータ26を方向性
結合器25とともに用いた結合回路24の場合には、ア
ンテナ28側からの信号に対する減衰がサーキュレータ
26の中間端子26bと出力端子26cの間の挿入損失
のみで済むので、送信回路23の送信電力が低い場合で
も受信信号に対するS/Nが高くなる。
【0028】第1の検出回路30は、結合回路24によ
って抽出された第1の信号Xを分配器22で分配された
搬送信号C2によって直交検波し、その直交成分信号
I、Qを出力する。また、第2の検出回路40は、結合
回路24によって抽出された第2の信号Yを分配器22
で分配された搬送信号C3によって直交検波し、その直
交成分信号I′、Q′を出力する。
【0029】図4は、第1の検出回路30および第2の
検出回路40の具体的な回路構成を示している。図4に
おいて、第1の検出回路30は、第1の信号Xを分配器
31によって同位相で2つのミキサ32、33に入力
し、搬送信号C2を移相器34によって90度位相が異
なる信号C2a、C2bに分け、その0°側の信号C2
aをミキサ32に入力し、90°側の信号C2bをミキ
サ33に入力する。そして、ミキサ32の出力からフィ
ルタ35および増幅器36によって第1の信号Xの変調
成分Xbの一方の直交成分Iを抽出し、ミキサ33の出
力からフィルタ37および増幅器38によって第1の信
号Xの変調成分Xbの他方の直交成分Qを抽出する。
【0030】同様に、第2の検出回路40は、第2の信
号Yを分配器41によって同位相で2つのミキサ42、
43に入力し、搬送信号C3を移相器44によって90
度位相が異なる信号C3a、C3bに分け、その0°側
の信号C3aをミキサ42に入力し、90°側の信号C
3bをミキサ43に入力する。そして、ミキサ42の出
力からフィルタ45および増幅器46によって第2の信
号Yの変調成分Ybの一方の直交成分I′を抽出し、ミ
キサ43の出力からフィルタ47および増幅器48によ
って第2の信号Yの変調成分Ybの他方の直交成分Q′
を抽出する。
【0031】なお、フィルタ35、37、45、47
は、帯域通過型(または低域通過型)のフィルタであ
り、移動体1の変調成分を選択的に通過させる帯域を有
している。
【0032】信号処理回路50は、第1の検出回路30
から出力される直交成分信号I、Qと、第2の検出回路
40から出力される直交成分信号I′、Q′とに基づい
て、移動機10からの応答信号の変調成分を抽出する。
【0033】信号処理回路50は、図5に示すように、
係数算出手段51と応答抽出手段52を有している。
【0034】係数算出手段51は、移動体1からの応答
信号がないときに第1の検出回路30から出力される直
交成分信号I、Qと、第2の検出回路40から出力され
る直交成分信号I′、Q′とに基づいて、外部反射体5
からの反射も含めたアンテナ28の反射係数を算出す
る。
【0035】次に、この係数算出手段51の演算処理に
ついて説明する。第1の信号Xの変調成分Xbおよび第
2の信号Yの変調成分Ybは、 Xb=I+jQ Yb=I′+jQ′ と表される。
【0036】また、移動体1からの応答信号の変調成分
をA(t)、外部反射体5による反射も含めたアンテナ
28の反射係数をΓ、熱雑音をnとすると、変調成分Y
bは、 Yb=A(t)+Γ・Xb+n ……(1) と表される。
【0037】ここで、移動体1の応答信号の変調成分A
(t)が0の場合、前記式(1)は、 Yb=Γ・Xb+n となる。
【0038】このとき、測定された変調成分Xb、Yb
の相関を求めると、 <Xb*Yb>=Γ<Xb*Xb>+<Xb*n> となるが、第1の信号Xの変調成分Xbと雑音成分nと
の間には相関がないから、<Xb*n>はゼロである。
ただし、ここで記号<x(t)>は、x(t)の平均値
を示すものとする。
【0039】よって、 <Xb*Yb>=Γ<Xb*Xb> となり、反射係数Γは、 Γ=<Xb*Yb>/<Xb*Xb> ……(2) と表される。
【0040】係数算出手段51は、移動体1による変調
がないときに得られる変調成分Xb、Ybに基づいて、
上記式(2)の演算を行って反射係数Γを算出し、算出
した反射係数をΓsとして記憶する。
【0041】一方、応答抽出手段52は、移動体1によ
る変調があるとき、即ち、変調成分A(t)が0でない
ときに得られる変調成分Xb、Ybおよび係数算出手段
51によって得られた反射係数Γsに基づいて、変調成
分A(t)を求める。
【0042】即ち、前記式(1)に反射係数Γsを代入
すると、 Yb=A(t)+Γs・Xb+n となるから、 Yb−Γs・Xb=A(t)+n となる。
【0043】ここで、雑音成分nが変調成分A(t)に
比べて充分小さいとすれば、変調成分A(t)は、 A(t)=Yb−Γs・Xb ……(3) とすることができる。
【0044】応答抽出手段52は、上記式(3)の演算
を行うことで、移動体1からの応答信号の変調成分A
(t)を抽出する。
【0045】移動体判定手段53は、応答抽出手段52
によって抽出された変調成分A(t)から移動体1の識
別判定を行い、報知手段54は移動体判定手段53の識
別判定結果を音、光等で報知する。
【0046】なお、移動体判定手段53による識別判定
結果を、図示していない外部のホストコンピュータから
なるデータ管理装置に送信するようにしてもよく、この
場合には、報知手段54をデータ管理装置側に設けるこ
ともできる。
【0047】このように、実施形態の移動体の識別装置
20は、送信回路23とアンテナ28の間に結合回路2
4を設け、アンテナ28方向へ信号の一部を第1の信号
Xとし、アンテナ28から送信回路23方向への信号を
第2の信号Yとしてそれぞれ独立に抽出し、第1の検出
回路30によって第1の信号を直交検波して互いに直交
する第1の直交成分信号を検出し、第2の検出回路40
によって第2の信号を直交検波して互いに直交する第2
の直交成分信号を検出し、第1の直交成分信号と第2の
直交成分信号とに基づいて、移動体1からの応答信号の
変調成分を抽出している。
【0048】このため、外部反射体5からの反射波やア
ンテナ28自身による反射波に影響されることなく移動
体の応答を抽出でき、移動体1の識別を確実に行うこと
ができる。また、送信波の影響を受けずに、移動体1の
応答を検出できるから、移動体1と識別装置20との間
での全二重通信も可能となる。
【0049】なお、前記説明では、信号処理回路50
は、第1の検出回路30および第2の検出回路40から
出力される直交成分信号そのものを用いて反射係数の算
出および変調成分の抽出を行っていたが、第1の検出回
路30および第2の検出回路40の直交性誤差、レベル
誤差や直流オフセット誤差が無視できない場合には、図
6に示す信号処理回路50のように、第1の検出回路3
0から出力される直交成分信号I、Qを第1の補正手段
55によって補正し、第2の検出回路40から出力され
る直交成分信号I′、Q′を第2の補正手段56によっ
て補正してから係数算出手段51および応答抽出手段5
2に入力する。
【0050】第1の補正手段55および第2の補正手段
56は、入力される直交成分信号に対して、直交誤差、
レベル誤差および直流オフセット誤差を補正する。ここ
で、2つの信号P、Qに直交性誤差がない場合には<P
・Q>=0となり、レベル誤差がない場合には、<P2
>=<Q2 >となり、直流オフセット誤差がない場合に
は、<P>=<Q>=0となる。
【0051】始めに、第1の検出回路30を、第1の信
号Xに対して理想的な直交検波処理を行う理想回路と、
この理想回路によって得られる真の直交成分信号Ir、
Qrに対して直交性誤差とレベル誤差とを与える誤差回
路Eと、誤差回路Eの出力u、vに直流オフセット誤差
を加算して、信号I、Qを出力する加算回路とで構成さ
れたものと見なす。
【0052】そして、第1の補正手段55は、始めにこ
の信号I、Qから直流オフセット誤差を減算し、その減
算結果u、vに対し補正回路Hによって誤差回路Eの誤
差を補正して真の直交成分信号Ir、Qrを出力するも
のとする。
【0053】ここで、第1の補正手段55は、信号I、
Qの平均値<I>、<Q>を求め、次の演算、 u=I−<I> v=Q−<Q> によって、信号u、vを得る。
【0054】ここで、信号u、vおよび信号Ir、Qr
は、次の数1のように行列式で表わされる。
【数1】
【0055】上記2つの行列式から以下の数2の関係式
が得られる。
【数2】
【0056】したがって、誤差回路Eと補正回路Hと
は、次の数3の関係を持つ。
【数3】
【0057】ここで、信号Ir、Qrのうちの一方、例
えばIrを基準とする、即ち、Ir=uとし、誤差回路
Eの誤差係数をα、βとすると、誤差回路Eおよび補正
回路Hは、次の数4のように表される。
【数4】
【0058】また、信号u、vは、 u=Ir v=α・Ir+β・Qr となる。
【0059】そして、信号uの二乗平均をU、信号vの
二乗平均をV、信号(u・v)の平均をRとすれば、 U=<u2 >=<Ir2 > V=<v2 >=<(α・Ir+β・Qr)2 > =(α2 +β2 )・<Ir2 > R=<u・v>=<Ir・(α・Ir+β・Qr)> =<α・Ir2 +β・Ir・Qr> =α・<Ir2 > と表される。
【0060】したがって、 α=R/U α2 +β2 =V/U β2 =(V/U)−(R2 /U2 )=(1/U2 )(UV−R2 ) となる。
【0061】また、βは、 β=(1/U)(UV−R21/2 となる。
【0062】よって、W=(UV−R21/2 とする
と、補正回路Hの行列は、次の数5のように表される。
【数5】
【0063】したがって、信号uの二乗平均U、信号v
の二乗平均Vおよび信号(u・v)の平均Rを予め求め
ておけば、次の数6の演算によって、真の直交成分信号
Ir、Qrが得られる。
【数6】
【0064】この演算は、第2の補正手段56において
も、第2の検出回路40の出力I′、Q′に対して行わ
れる。
【0065】即ち、第2の検出回路40は、第2の信号
Yに対して理想的な直交検波処理を行う理想回路と、こ
の理想回路によって得られる真の直交成分信号Ir′、
Qr′に対して直交性誤差とレベル誤差とを与える誤差
回路E′と、誤差回路E′の出力u′、v′に直流オフ
セット誤差を加算して、信号I′、Q′を出力する加算
回路とで構成されたものと見なす。
【0066】そして、第2の補正手段56は、第1の補
正手段55と同様に、次の演算によって、 u′=I′−<I′> v′=Q′−<Q′> 出力I′、Q′から直流オフセット誤差を次のように減
算し、信号u′、v′を得る。
【0067】ここで、信号u′、v′および信号I
r′、Qr′は次の数7の行列式で表わされる。
【数7】
【0068】したがって、誤差回路E′と補正回路H′
との関係は、次の数8のように表される。
【数8】
【0069】ここで、信号Ir′、Qr′のうちの一
方、例えばIr′を基準とする、即ち、Ir′=u′と
し、誤差回路E′の誤差係数をα′、β′とすると、誤
差回路E′および補正回路H′は、次の数9のように表
される。
【数9】
【0070】また、信号u′、v′は、 u′=Ir′ v′=α′・Ir′+β′・Qr′ となる。
【0071】そして、信号u′の二乗平均をU′、信号
v′の二乗平均をV′、信号(u′・v′)の平均を
R′とすれば、 U′=<u′2 >=<Ir′2 > V′=<v′2 >=<(α′・Ir′+β′・Qr′)2 > =(α′2 +β′2 )・<Ir′2 > R′=<u′・v′> =<Ir′・(α′・Ir′+β′・Qr′)> =<α′・Ir′2 +β′・Ir′・Qr′> =α′・<Ir′2 > と表される。
【0072】したがって、 α′=R′/U′ α′2 +β′2 =V′/U′ β2 =(V′/U′)−(R′2 /U′2 ) =(1/U′2 )(U′V′−R′2 ) となる。
【0073】また、β′は、 β′=(1/U′)(U′V′−R′21/2 となる。
【0074】よって、W′=(U′V′−R′21/2
とすると、補正回路H′の行列は、次の数10のように
表される。
【数10】
【0075】したがって、信号u′の二乗平均U′、信
号v′の二乗平均V′および信号(u′・v′)の平均
R′を予め求めておけば、次の数11の演算によって、
真の直交成分信号Ir′、Qr′が得られる。
【数11】
【0076】このように第1の補正手段55および第2
の補正手段56によって補正された直交成分信号(I
r、Qr)、(Ir′、Qr′)は、前記同様に、係数
算出手段51および応答抽出手段52に出力される。
【0077】そして、係数算出手段51は、移動体1か
らの応答信号の変調成分A(t)が0のときの直交成分
信号(Ir、Qr)、(Ir′、Qr′)によって表さ
れる変調成分Xb、Ybを、 Xb=Ir+jQr Yb=Ir′+jQr′ とし、この変調成分に基づいて、前記式(2)の演算を
行って反射係数Γを算出し、算出した反射係数をΓsと
して記憶する。
【0078】また、応答抽出手段52は、移動体1から
の応答信号の変調成分A(t)が0でないときにの変調
成分Xb、Ybと反射係数Γsとによって、前記式
(3)の演算を行って、変調成分A(t)を抽出する。
【0079】このように第1の検出回路30、第2の検
出回路40の直交性誤差、レベル誤差および直流オフセ
ット誤差を補正しているので、応答信号の変調成分を正
確に抽出することができ、移動体1に対する識別精度が
さらに高くなる。
【0080】なお、上記実施形態では、送受兼用のアン
テナ28を用いていたが、図7に示す識別装置20′の
ように、送信用の第1のアンテナ28aと受信用の第2
のアンテナ28bとをそれぞれ独立に設け、送信回路2
3からの信号を結合回路24を介して第1のアンテナ2
8から出力するとともに、送信回路23から第1のアン
テナ28a側へ向かう信号の一部を第1の信号Xとして
結合回路24から第1の検出回路30に入力し、第2の
アンテナ28bで受信した信号を第2の信号として第2
の検出回路40に入力するように構成してもよい。
【0081】この場合には、結合回路24を図2に示し
た方向性結合器25のみで構成すればよく、そのREV
端子25dを抵抗で終端すればよい。
【0082】このように、送受独立のアンテナ28a、
28bを用いた場合、アンテナ自身の反射波の代わりに
第1のアンテナ28aからの直接波が受信されるだけな
ので、前記実施形態の「反射係数」を「結合係数」と呼
び換えて前記実施形態と全く同じ処理を行うことがで
き、この処理によって、アンテナ28a、28b間に遮
蔽体を特に設けなくてもあるいは厳重に遮蔽しないで
も、直接波や外部反射体からの反射波の影響を受けるこ
となく、移動体1からの応答信号の変調成分A(t)を
確実に抽出することができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の移動体の識別装置は、送信回路とアンテナの間に結合
回路を設けて、アンテナ方向へ向かう信号の一部を第1
の信号とし、アンテナから送信回路へ向かう信号を第2
の信号としてそれぞれ独立に抽出し、第1の検出回路に
よって第1の信号を直交検波して互いに直交する第1の
直交成分信号を検出し、第2の検出回路によって第2の
信号を直交検波して互いに直交する第2の直交成分信号
を検出し、信号処理手段によって第1の直交成分信号と
第2の直交成分信号とに基づいて、移動体からの応答信
号の変調成分を抽出している。
【0084】このため、送信波の影響を受けることなく
移動体からの応答信号の変調成分を確実に抽出でき、移
動体の識別を確実に行うことができる。また、移動体と
識別装置との間での全二重通信も可能となる。
【0085】また、本発明の請求項2の移動体の識別装
置では、送信回路と第1のアンテナとの間に挿入した結
合回路によって、第1のアンテナへ向かう信号の一部を
第1の信号として抽出し、第1の検出回路によってこの
第1の信号を直交検波して互いに直交する第1の直交成
分信号を検出し、第2の検出回路によって第2のアンテ
ナで受信された信号を直交検波して互いに直交する第2
の直交成分信号を検出し、信号処理手段によって第1の
直交成分信号と第2の直交成分信号とに基づいて、移動
体からの応答信号の変調成分を抽出している。
【0086】このため、アンテナ間の遮蔽を厳重にしな
くても、送信波の影響を受けることなく移動体の応答を
確実に抽出でき、移動体の識別を確実に行うことができ
る。また、移動体と識別装置との間での全二重通信も可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図
【図2】実施形態の要部の構成例を示すブロック図
【図3】実施形態の要部の構成例を示すブロック図
【図4】実施形態の要部の構成例を示すブロック図
【図5】実施形態の要部の構成例を示すブロック図
【図6】補正手段を設けた構成例を示すブロック図
【図7】アンテナを送受独立にした場合の構成を示すブ
ロック図
【図8】2つのアンテナを有する従来装置の構成を示す
ブロック図
【図9】送受兼用のアンテナを有する従来装置の構成を
示すブロック図
【符号の説明】
1 移動体 5 外部反射体 20 識別装置 21 搬送信号発生器 22 分配器 23 送信回路 24 結合回路 25 方向性結合器 26 サーキュレータ 28 アンテナ 30 第1の検出回路 40 第2の検出回路 50 信号処理回路 51 係数算出手段 52 応答抽出手段 55 第1の補正手段 56 第2の補正手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K012 AB12 AD01 5K052 AA01 AA04 AA14 BB01 BB02 BB07 DD03 DD04 EE12 EE17 EE38 FF31 GG31

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送信回路から出力された信号をアンテナか
    ら発射し、該発射信号を受信した移動体が該受信信号に
    変調を与えて出力した応答信号を前記アンテナで受信し
    て前記移動体の識別を行う移動体の識別装置において、 前記送信回路と前記アンテナとの間に挿入され、前記送
    信回路から前記アンテナ側へ向かう信号の一部を第1の
    信号として抽出し、前記アンテナ側から前記送信回路側
    へ向かう信号を第2の信号として抽出する結合回路と、 前記第1の信号を直交検波し互いに直交する第1の直交
    成分信号を出力する第1の検出回路と、 前記第2の信号を直交検波し互いに直交する第2の直交
    成分信号を出力する第2の検出回路と、 前記第1の直交成分信号と第2の直交成分信号とに基づ
    いて、前記移動体からの応答信号の変調成分を抽出する
    信号処理回路とを備えたことを特徴とする移動体の識別
    装置。
  2. 【請求項2】送信回路から出力された信号を第1のアン
    テナから発射し、該発射信号を受信した移動体が該受信
    信号に変調を与えて出力した応答信号を第2のアンテナ
    で受信して前記移動体の識別を行う移動体の識別装置に
    おいて、 前記送信回路と前記第1のアンテナとの間に挿入され、
    前記送信回路から前記第1のアンテナ側へ向かう信号の
    一部を第1の信号として抽出する結合回路と、 前記結合回路によって抽出された第1の信号を直交検波
    し互いに直交する第1の直交成分信号を出力する第1の
    検出回路と、 前記第2のアンテナで受信された信号を直交検波し互い
    に直交する第2の直交成分信号を出力する第2の検出回
    路と、 前記第1の直交成分信号と第2の直交成分信号とに基づ
    いて、前記移動体からの応答信号の変調成分を抽出する
    信号処理回路とを備えたことを特徴とする移動体の識別
    装置。
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