JP2000277754A - 半導体加速度センサ - Google Patents

半導体加速度センサ

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JP2000277754A
JP2000277754A JP11086558A JP8655899A JP2000277754A JP 2000277754 A JP2000277754 A JP 2000277754A JP 11086558 A JP11086558 A JP 11086558A JP 8655899 A JP8655899 A JP 8655899A JP 2000277754 A JP2000277754 A JP 2000277754A
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semiconductor
insb
thin film
silicon substrate
acceleration sensor
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Takeki Matsui
雄毅 松居
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Asahi Kasei Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性分布がシャープで新規な受感部構造を持
つ半導体加速度センサを提供すること。 【解決手段】 重り部11aと、重り部11aと一体と
なった梁部11bと、重り部11aの変位にしたがって
梁部11bに生ずる応力に基づいた加速度信号を出力す
るピエゾ抵抗12aを有する半導体受感部14とを備
え、半導体受感部14がInSb系化合物半導体薄膜よ
りなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体加速度センサ
に関し、従来の加工法を適用して簡便に形成され、特性
分布がよりシャープな半導体加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衝撃等による応力を検出するため
の加速度センサが、例えば自動車、産業用ロボット、精
密光学装置等に広く用いられてきている。これら加速度
センサには、小型軽量であることと、加えて正確かつ確
実に動作することが要望される。加速度センサの一つが
実開平4−136575号公報等に開示されており、当
該開示のセンサは加速度によって変位する導電性球体を
用い、この導電性球体の変位によって機械的に二つの接
点を接続するように構成されている。しかし、二つの接
点を導電性球体によって接続するいわゆる機械式のもの
は、構造上外形が大きくなるため応答速度が遅いという
欠点と、小型化するには極めて煩雑な工程を経なければ
ならないため高価になるという欠点があった。
【0003】そこで最近では、上記欠点を持たない半導
体加速度センサが次第に普及してきている。この半導体
加速度センサの多くは、ピエゾ抵抗効果(piezo resist
anceeffect )を利用して加速度の検知を行う。半導体
加速度センサは、一般的に基板上に台座を設け、この台
座上にセンサ・チップを接着した構成となっている。セ
ンサ・チップは、シリコン基板上に可撓性を持った梁部
(片持ち梁、または両持ち梁、またはダイアフラム等)
を形成し、片持ち梁の場合はその端部に、両持ち梁また
はダイアフラムの場合にはその中央部に重り部を形成
し、重り部に作用する加速度に応じて梁部が撓むように
構成される。
【0004】また、撓みによって高い応力が生じる梁部
にはピエゾ抵抗が一般には4個形成される。当該形成位
置は、加速度により梁部に生じる応力がそれぞれ異なる
位置とされる。これら4個のピエゾ抵抗を用いてホイー
トストン・ブリッジ回路を構成し、加速度の作用時にホ
イートストン・ブリッジのバランスが変化することによ
り生じる電流または電圧を測定することで、加速度を検
知することができる。
【0005】図2は上記構成の半導体加速度センサのセ
ンサ・チップの一例の模式図である。
【0006】シリコン基板21の上面にはエピタキシャ
ル層21aが配置される。エピタキシャル層21a内の
梁部に相当する部分にはシリコンの不純物拡散層21b
が配置され、これにより4個のピエゾ抵抗が構成され
る。以下、不純物拡散層21bをピエゾ抵抗21bと記
す。4個のピエゾ抵抗21bがホイートストン・ブリッ
ジ回路を構成するように配線されて、かつ、各ピエゾ抵
抗の接続部を外部に接続可能に電極パターン(図示せ
ず)が配置される。
【0007】次に、上記構成の半導体加速度センサのセ
ンサ・チップの製造工程の一例を図3の模式的工程図を
参照して説明する。
【0008】まず、シリコン基板21の表面に熱酸化に
よって酸化シリコン膜(図示せず)を形成する。酸化シ
リコン膜のピエゾ抵抗を形成する部分にのみ、所定のパ
ターンでエッチング処理を施した後、そのパターン部分
に不純物を添加して拡散することによりシリコン基板2
1の表面にピエゾ抵抗21bを形成する(図3
(a))。したがって、ピエゾ抵抗21bはシリコンの
不純物拡散層で構成される。またドーピングの際には、
センサ特性向上のためにピエゾ抵抗の抵抗率を最大にす
るためには、例えば特開平10−253653号公報に
記載されているようにシリコンの結晶方向の(111)
を選択する必要がある。
【0009】続いて、CVD(chemical vapor deposit
ion )等の化学蒸着法により、シリコン基板21の裏面
に窒化シリコン膜22を形成する(図3(b))。続い
て、窒化シリコン膜22のうち、梁部に相当する箇所を
エッチング処理により除去する(図3(c))。
【0010】続いて、シリコン基板21のピエゾ抵抗2
1bが形成された表面側を樹脂等で覆って保護した状態
で、水酸化カリウム水溶液のようなアルカリ異方性エッ
チング液を用いて、窒化シリコン膜22が除去された部
分をエッチング処理する。このエッチング処理の結果、
エッチング領域23が現れる。エッチング領域23の側
面部23aにはエッチング速度が遅い(111)面が露
出するため、傾斜面となる(図3(d))。そして、シ
リコン基板21の裏面の窒化シリコン膜22を剥離する
ことで、図2に示した半導体加速度センサのセンサ・チ
ップが完成する(図3(e))。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の半導体加速度センサでは、製造工程において受感部に
シリコンの不純物拡散層を使用してピエゾ抵抗を形成し
ているため、そのドーピングの程度を管理することが困
難であった。さらに、そのパターニング時にはシリコン
基板の結晶性の方向も考慮に入れなければならないが、
結晶方向の選択を随意に決めることは極めて困難であっ
た。したがって、ピエゾ抵抗の抵抗率を所望通りに形成
することが極めて困難であるため、上記のようにして得
られる従来の半導体加速度センサは、その特性分布が余
りシャープとはいえない課題があった。
【0012】本発明は上記の課題に鑑みて成されたもの
であって、本発明の目的は、熱酸化によって形成した酸
化シリコン膜の一部をドーピング処理することによって
ピエゾ抵抗部分を形成する上記困難さを伴うことなくピ
エゾ抵抗を形成し得、その特性分布がシャープで、かつ
簡略化した製造工程を経て得られる新規な受感部構造を
持つ半導体加速度センサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本出願人等は、製造工程をできるだけ従来のものと
変えずに、しかも特性のシャープな半導体加速度センサ
を形成するためには従来の不純物ドープされたシリコン
・エピタキシャル膜とは異なる物質を受感部に用いる以
外にないという結論に達した。
【0014】本発明は上記のような結論から出発し、化
合物半導体の中でも特にInSb系薄膜を受感部にする
という考え方からなされたものであって、請求項1の発
明は、重り部と、前記重り部と一体となった梁部と、前
記梁部に形成されており、前記重り部の変位にしたがっ
て前記梁部に生ずる応力に基づいた加速度信号を出力す
る抵抗体を有する半導体受感部とを備えた半導体加速度
センサにおいて、前記半導体受感部がInSb系化合物
半導体薄膜よりなることを特徴とする半導体加速度セン
サを提供するものである。
【0015】また、上述したようなシリコン基板に異方
性エッチングを施すことによってエッチングによる断面
形状を加速度センサにふさわしいものに細工することが
でき、このエッチング処理はその極めて詳細な記載が特
開平10−123167号公報にある通り公知であるこ
とから、請求項2の発明は、前記InSb系化合物半導
体薄膜はシリコン基板上に絶縁層を介して配置され、前
記重り部および梁部は前記シリコン基板よりなることを
特徴とする半導体加速度センサを提供するものである。
【0016】ここで請求項1においてシリコン以外の基
板を用いる場合は、上述した従来のシリコン基板の場合
とは全く別の方法で、例えばグラインダ等を用いた削り
出しにより重り部および梁部を形成する必要がある。ま
た、ウェット処理を用いる場合には、請求項2において
シリコン基板とした時には水酸化カリウム等を用いたエ
ッチングにより重り部と梁部を形成する必要がある。し
かし、他の基板に対しては別のエッチング液を必要とす
る。
【0017】
【作用】請求項1の発明によれば、半導体受感部にIn
Sb系化合物半導体薄膜を用いることで抵抗体(ピエゾ
抵抗)をフォト・レジスト工程で容易に形成することが
でき、従来手法のようにシリコン酸化膜表面のドーピン
グ処理をする必要がない。したがって、抵抗体の抵抗率
の管理が容易であり、ドーピングの程度を管理する困難
さからのがれることができる。このとき、基板としては
絶縁性基板であれば何でも良い。
【0018】また請求項2の発明によれば、重り部およ
び梁部がシリコン基板よりなり、その上に絶縁層を介し
てInSb系化合物半導体薄膜が配置されるので、重り
部と梁部の形成を従来のシリコン基板で用いられている
製造方法に準じて行うことができる。すなわち、シリコ
ン基板を用いてその上にInSb層を形成したウェハを
用いる簡便な方法により製造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。
【0020】図1は本発明に係る半導体加速度センサの
一実施の形態による要部(受感部)断面図である。
【0021】図1において、11は後述の通り形成され
るシリコン基板であり、その上面にはシリコン酸化によ
って形成される絶縁層13が全体に配置される。シリコ
ン基板11には後述の異方性エッチングにより重り部1
1aが下方に吐出して形成されている。梁部11bは当
該異方性エッチングにより同時にシリコン基板11より
形成されたもので、重り部11aと一体となった梁構造
に形成される。重り部11aは図中X方向に延伸してい
る(図示せず)。
【0022】絶縁層13の上面にはInSb系薄膜12
が配置され、その一部により4個のピエゾ抵抗12aが
フォト・エッチングにより形成されている。ピエゾ抵抗
12aは梁部11bの延伸方向に沿って配置され、1つ
が重り部11a寄りに配置されたものともう1つが逆寄
りに配置された対を2対配置される。このような配置に
より、梁部11bの別の位置における応力に応じた歪が
検出される。これらピエゾ抵抗12aを用いてホイート
ストン・ブリッジ回路を構成できるように各ピエゾ抵抗
が電極により相互接続され、接続部分が外部に引き出せ
るようになっている。
【0023】図1のセンサ・チップ10は、その下面を
シリコン等の台座(図示せず)に接着固定され、当該台
座がパッケージ(図示せず)と一体となった基板に接着
固定される。このセンサ・チップ10を用いた半導体加
速度センサが力を受けると、重り部11aに加速度が作
用してその変位により梁部11bに応力が発生し、ピエ
ゾ抵抗12aの抵抗率が応力歪にしたがって変化する。
これによりホイートストン・ブリッジ回路のバランスが
変化することにより生じる電流または電圧を測定するこ
とで、加速度を検知することができる。
【0024】以下、図1の通りシリコン基板に形成され
たInSb系化合物半導体を用いた半導体加速度センサ
の製造工程の一例について説明する。基板としてシリコ
ン基板を用いた場合には、前述したように従来の半導体
加速度センサの製造方法を適宜適用でき、簡略に製造で
きて都合が良い。
【0025】まず、表面酸化済みのシリコン基板11上
にInSb系薄膜12を蒸着により形成する。この時点
で、シリコン基板11上には絶縁膜13が形成されてお
り、絶縁膜13上にInSb系薄膜12を形成する。
【0026】ところで、本実施形態においてピエゾ抵抗
12aを形成するInSb系薄膜12は、InSbを主
体とする化合物半導体薄膜である。薄膜の組成はインジ
ウム・アンチモンあるいは(インジウム、ガリウム)−
(アンチモン、砒素)の三元系または四元系化合物半導
体から選択することができ、最終形態の半導体加速度セ
ンサとして要求される感度や感度の温度依存性等のスペ
ックによって選択すれば良い。
【0027】また、InSb系薄膜より4個のピエゾ抵
抗を形成し、当該各抵抗によってホイートストン・ブリ
ッジ回路を構成できるようにするためには、InSb系
薄膜の抵抗率が所定範囲内であることが必要である。抵
抗率を上記値に管理するためには、InSb系薄膜の厚
みを規定する必要がある。所望の抵抗率とするためには
大略0.1〜10μm程度の厚みが好ましく、さらに
0.5〜3μm程度の厚みがより好適な膜厚範囲として
規定される。本実施形態では、InSb系薄膜12の最
終の膜厚を後述の通り略1μmとした。
【0028】上記InSb系薄膜形成を成し得る手法に
は種々のものがあり、種々の基板上に例えば蒸着、エレ
クトロン・ビーム蒸着、スパッタリング、あるいは高精
度の膜厚制御性を有するモレキュラ・ビーム・エピタキ
シ(molecular beam epitaxy)等の方法を採用すること
ができる。また基板材料としては、シリコン、ガリウム
砒素等の半導体基板、石英等のガラス基板、サファイア
等の無機基板を使用することができる。本実施形態では
最も好適なシリコン基板を使用し、本出願人等が特開平
7−321387号公報により提案した、簡便でかつ移
動度の高い公知手法を適用してInSb系薄膜12を形
成した。
【0029】すなわち本実施形態では、シリコン基板1
1上の絶縁膜13上にInを過剰に蒸着し、InSb化
合物の結晶と単体In結晶からなるIn(インジウム)
過剰の薄膜を厚め(3μm程度)に形成しておき、過剰
なInを引き続いてInSb化して本質的にInSb単
独の半導体薄膜を形成し、続いて表面を研磨して所定の
厚み(1μm程度)にする薄膜形成手法を採用して半導
体加速度センサを形成した。この時、シリコン基板11
の表面は前述の通り酸化によって絶縁膜13が形成され
ている。絶縁膜13は、この薄膜形成手法とは別にエレ
クトロン・ビーム法やスパッタリング法によってある種
のガラス層を形成することによっても得ることができ、
ガラス層形成後のシリコン基板上にInSb系薄膜を形
成しても良い。
【0030】InSb系薄膜12が形成されると続いて
フォト・レジスト工程に進み、ここで4個のピエゾ抵抗
12aを含む半導体加速度センサの受感部がウェハ上に
同時に多数(図示せず)形成される。
【0031】InSb系化合物半導体を用いた本実施形
態の場合、この工程ではまず引き回し電極を形成するの
が好ましい。この場合、そのバンドギャップの狭さを利
用することで極めて簡便にオーミック電極を形成するこ
とが可能である。引き回し電極の材質としては、Al、
Cu、Pd等の金属を利用する。電極形成方法としては
メッキや蒸着を適用することができる。引き回し電極部
分以外は所定パターンのレジストで覆っておき、電極形
成後にレジスト除去を行う。
【0032】続いて引き回し電極中の所定部分に、同様
のフォト・レジスト工程を経て外部接続用の電極を形成
する。その際、形成済みの引き回し電極の上部にAu、
Ni等の金属を積層してゆくと外部接続用電極を簡便に
形成することができ。外部接続用電極の形成方法として
はメッキや蒸着を適用することができる。
【0033】電極形成に続いて、センサ・チップ10に
おいて梁部11bに相当する個所14に4個のピエゾ抵
抗12aを形成する部分を残すようにパターニングし、
前述した形状にエッチング処理を行う。なお、上記梁部
11bに相当する個所14に応力にしたがった歪が生
じ、この歪をピエゾ抵抗12aの抵抗値変化に基づき検
知するので、14で示す個所を請求項に記載の半導体受
感部とする。
【0034】上記エッチング処理によりInSb系薄膜
12は、図1においてピエゾ抵抗12aの側部をその延
伸方向に沿って除去される。このエッチング処理の際
に、先に形成した引き回し電極のかなりの部分が同時に
エッチングされる。エッチング処理はウエットあるいは
ドライで行うことができるが、半導体の性質上、ウエッ
トによる方法が酸性溶液を用いて簡便に適用することが
できる。
【0035】この時点で、センサ・チップ10の製造は
従来の図3(a)に相当する工程まで進んでいる。ただ
し、上記の様にフォト・エッチングによりInSb系薄
膜12よりピエゾ抵抗12aを形成したため、ピエゾ抵
抗12aの側部は薄膜を除去された形態となっており、
InSb系薄膜12とシリコン基板11との間には絶縁
膜13が介在している。またこのフォト・エッチングの
ため、従来手法のようにシリコン酸化膜表面のドーピン
グ処理をすることなしにピエゾ抵抗12aの寸法、形状
を任意に管理することが可能となる。したがって、前述
の通りにInSb系薄膜12の膜厚を規定したことと併
せて、ピエゾ抵抗12aの抵抗率の管理が容易になる。
【0036】以後は図3を引用して説明した従来手法に
したがって製造することができ、続いてピエゾ抵抗部1
2aおよび各電極部が形成された表面をレジストで覆っ
てから、シリコン基板11の裏面に感光性レジストを塗
布する。そして、センサ・チップ10の表面のピエゾ抵
抗12aに相当する部分のレジストを除去して水酸化カ
リウム水溶液等のアルカリ系のエッチング液を用いてシ
リコン基板11に異方性エッチングを施して従来と同様
に重り部11aおよび梁部11bを形成する。この際、
水酸化カリウムに代えてヒドラジンやエチレン・ジアミ
ン・ピロカテコール等を用いることもできる。
【0037】このようにして従来と同様の簡略化した方
法により図1のセンサ・チップ10が形成され、前述し
た台座、パッケージと組み付けられて半導体加速度セン
サが完成する。得られた半導体加速度センサの特性分布
は±15%程度となり、重り部11aの変位に対して極
めてシャープで好ましいものであった。
【0038】上記実施形態における薄膜形成手法に代わ
り、別の変形手法を適用することができる。
【0039】すなわち本出願人等の実験によれば、まず
劈開した雲母を蒸着基板にして、初めにIn(インジウ
ム)過剰のInSb薄膜を蒸着により形成し、続いて過
剰のInと化合物を形成するSb(アンチモン)を過剰
に蒸着する方法によって特性の良いInSb薄膜を形成
した。次に、上記InSb薄膜上にポリイミド樹脂を滴
下し、その上にシリコン基板を重ね、重石を置いて20
0℃に保持した。次に温度を室温に戻し、雲母を剥ぎ取
ってシリコン基板上にInSb薄膜が担持された構造体
を作成した。
【0040】この構造体はポリイミド樹脂がそのまま絶
縁性を保証できるため、基板が絶縁性である必要はな
い。樹脂の種類としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、イミド変性エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるい
はフェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン、ポ
リスルフォン、ポリウレタン樹脂、ポリビニル・アセテ
ート等の熱可塑性樹脂等から選択することができる。
【0041】この様に、適当な第1の基板にInSb系
の薄膜を形成してから、シリコン等の加速度サンサ用基
板に樹脂を介して接着してから第1の基板を剥ぎ取るよ
うな形態で作成した構造体を用いて上記と同じ従来プロ
セスを経ることにより、更に感度特性の良い半導体加速
度センサを得ることができた。
【0042】この変形例による手法は、樹脂が有する弾
性特性に鑑みると本発明に係る半導体加速度センサには
非常に好適な手法であり、その弾性により、無機質と違
って繰り返しの応力や張力に対して安定した特性を提供
することができる。
【0043】なお、上記の薄膜形成の際には過剰のIn
を化合物半導体にするためにSbを過剰に蒸着したが、
Sbに代えてAs、Ga等をSbと同時に、あるいは単
独で蒸着することにより、種々の特性の化合物半導体薄
膜を形成することができる。形成したこれら薄膜は、本
発明の半導体加速度センサに好適に適用することができ
る。その形成方法としては、本出願人等による特許公報
(特開平1−13211号公報、特開平1−15135
号公報、特開平2−47849号公報、特開平2−47
850号公報、特開平3−59571号公報)に記載さ
れた、インジウム・アンチモン系薄膜の高度化に対応す
る周知の種々蒸着方法を採用することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、受感部の抵抗体をフォト・レジスト工程で容易に
形成することができることによりその抵抗率の管理が容
易であり、これにより極めてシャープな特性の半導体加
速度センサを提供することができる効果がある。
【0045】また請求項2の発明によれば、重り部と梁
部を従来のシリコン基板で用いられている製造方法に準
じて形成することができ、簡単な手法によりシャープな
特性の半導体加速度センサを提供することができる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体加速度センサの一実施の形
態による受感部の断面図である。
【図2】従来の半導体加速度センサのセンサ・チップの
一例の模式図である。
【図3】従来の半導体加速度センサのセンサ・チップの
製造工程の一例を示す模式的製造工程図である。
【符号の説明】
10 センサ・チップ 11、21 シリコン基板 11a 重り部 11b 梁部 12 InSb系薄膜 12a,21b ピエゾ抵抗 13 絶縁層 14 受感部 21a エピタキシャル層 22 窒化シリコン等 23 エッチング領域 23a 側面部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重り部と、前記重り部と一体となった梁
    部と、前記梁部に形成されており、前記重り部の変位に
    したがって前記梁部に生ずる応力に基づいた加速度信号
    を出力する抵抗体を有する半導体受感部とを備えた半導
    体加速度センサにおいて、 前記半導体受感部がInSb系化合物半導体薄膜よりな
    ることを特徴とする半導体加速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記InSb系化合物半導体薄膜はシリ
    コン基板上に絶縁層を介して配置され、前記重り部およ
    び梁部は前記シリコン基板よりなることを特徴とする請
    求項1記載の半導体加速度センサ。
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