JP2000273120A - 芳香族系高分子スルホン化物の製造方法 - Google Patents

芳香族系高分子スルホン化物の製造方法

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JP2000273120A JP11082234A JP8223499A JP2000273120A JP 2000273120 A JP2000273120 A JP 2000273120A JP 11082234 A JP11082234 A JP 11082234A JP 8223499 A JP8223499 A JP 8223499A JP 2000273120 A JP2000273120 A JP 2000273120A
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Masanori Komatsu
正典 小松
Takeshi Yamada
剛 山田
So Shigematsu
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/34Introducing sulfur atoms or sulfur-containing groups
    • C08F8/36Sulfonation; Sulfation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱変性を生じることなく効率良く高品質のス
ルホン化物を得ることができる。 【解決手段】 平均分子量約5000のポリスチレンを
1,2−ジクロルエタンに11%(重量)の濃度で溶解
したものを原料とし、液体SO3をスルホン化剤とし
て、SO3モル比1.15、反応温度45℃でスルホン
化を行った。その後、溶媒を含む反応生成物を振動乾燥
機に15kgの量を導入した。原料は、乾燥機2の上部の
投入口5から導入されるようになっている。スルホン化
物と溶媒との混合物を上記乾燥機2内に導入し、90℃
に温度制御するとともに乾燥機空間内を真空引きして絶
対圧力をを約200Torrに制御した。溶媒は、揮発して
乾燥機の上方の出口10から留出し始めた。燥機2に振
動動作を付加した。ポリスチレンスルホン酸の粉体を乾
燥機2の底部に集め、2.84kgの粉体を得た。回収率
は、理論スルホン化物量に対して、99.5%(重量)
であった。固形物に対する溶媒残存量は、0.5%(重
量)であった。約5000以上の平均分子量を有する芳
香族高分子材料を好適に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族系スルホン化物
の製造に関し、特に、芳香族系高分子スルホン化物から
の溶媒除去に関する。
【0002】
【背景技術】ポリマーをスルホン化してスルホン化物を
製造することは知られている。この場合、原料ポリマー
を、溶媒に溶解しスルホン化し、生成したスルホン化物
を溶媒と分離してスルホン化物を得る方法は従来から知
られている。たとえば、特開昭63−189406号に
は、ポリスチレンスルホン酸とスルホン化反応溶媒との
混合物から溶媒をフラッシュ蒸発させるようにしてスル
ホン化物および溶媒を分離回収する技術が開示されてい
る。また、ポリエチレン等、高分子溶液から溶媒を除去
しポリマー固体を回収する手法として、以下の挙げるも
のが知られている。特開昭52−47082号には、重
合体溶液または懸濁液をドラム乾燥機で処理し、溶媒及
び/又は単量体を蒸発分離する工程を有する熱可塑性重
合体の製造方法が開示されている。
【0003】特開昭61−76508号公報には、ポリ
−1,2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸またはその塩の溶液から加熱押出機又はドラム乾燥
機により溶媒を蒸発させることによってスルホン化物を
回収する方法が開示されている。特開平4−29391
9号公報には、芳香族アミンの重合体溶液から噴霧乾燥
機またはドラム乾燥機により溶媒を蒸発させることが開
示されている。特開平7−247366号公報には、ポ
リカーボネート等のポリマーとポリマー用添加剤と溶媒
との混合物からさまざまな形態の乾燥機を用いて溶媒を
除去する方法が開示されている。スルホン化反応物を回
収するためには、溶媒を分離する必要があるが、従来で
は様々な乾燥機を用いて加熱乾燥することによって、溶
媒を蒸発させ、溶媒とスルホン化反応物を分離するよう
にしていた。
【0004】
【解決しようとする課題】しかし、従来の方法で溶媒を
除去する場合において、スルホン化反応物が乾燥機に付
着するという現象が生じるという問題があった。また、
生成したスルホン化物は、凝集を生じる傾向があり、特
に、溶媒を内部に捕獲した状態で凝集が生じた場合に
は、溶媒の回収率が低下するという問題があった。溶媒
の回収効率を高めるには、高温で処理するようにすれば
よいが、このようにすると強酸であるスルホン化物の熱
劣化を起こすという問題が生じる。したがって、本発明
は、上記のような問題を解決することができるスルホン
化物の製造を達成することを目的とする。すなわち、本
発明は熱劣化を起こしやすいスルホン化物であっても、
その乾燥機への付着を有効に防止しつつ効率的にスルホ
ン化物の乾燥を行うことができ、従って溶媒をスルホン
化物から効率よく分離することができ、高品質のスルホ
ン化物を得ることができるとともに、溶媒回収率も向上
させることができるスルホン化物の製造方法を提供する
ことを目的とする。さらに、本発明の目的は、スルホン
化物の凝集を有効に防止することによって、溶媒の回収
率を向上させるとともに、良好な品質のスルホン化物を
生成することができるスルホン化物の製造方法を提供す
ることにある。
【0005】また、別の観点では、スルホン化生成物の
熱劣化を防止して、良好な品質のスルホン化物を製造す
ることができるスルホン化物の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決する手段】図1を参照すると、本発明を適
用することができるスルホン化工程及びスルホン化物の
処理工程の概略のフローが示されている。一般的にスル
ホン化の原料となるポリマーたとえば、スチレンは、そ
のままではスルホン化剤との均一な反応を起こさせるの
が困難である。このためスルホン化に際し、原料を溶媒
に溶解する。この溶媒として一般には、ハロゲン系有機
溶媒が使用される(溶媒1)。そして、本発明ではスル
ホン化剤として液体SO3を用いてスルホン化する。こ
の場合スルホン化剤、原料ポリマーを有機溶媒に溶解し
た状態の液状原料、さらに反応速度を適正に維持するた
めの追加の溶媒とをスルホン化反応装置内に導入し(ス
テップS1)、連続反応方式によってスルホン化を行う
(ステップS2)。この工程で、ポリマー例えばスチレ
ンはスルホン化されて、スルホン化物すなわちポリマー
(ポリスチレン)スルホン酸を生成する。次に、この生
成したスルホン化物と溶媒からなる混合物を乾燥機に導
入して、スルホン化物を乾燥する。すなわち、スルホン
化物と有機溶媒とを分離する(ステップS3)。溶媒は
凝縮させて回収し、スルホン化溶媒として循環使用する
(ステップS4)。
【0007】スルホン化物が所定レベルまで乾燥した
後、該スルホン化物を中和する(ステップS5)。この
中和は、有機アミンによって行う。この場合、有機アミ
ンを溶解させるために別の低級アルコール系(ブタノー
ル等)の溶媒を用いる(溶媒2)(ステップS6)。ス
ルホン化物と有機アミンとの中和により、スルホン化有
機アミン塩が生成する。つぎに、このスルホン化有機ア
ミン塩と溶媒2とを乾燥、分離して(ステップS7)、
スルホン化有機アミン塩を純粋な形態で得ることができ
る。このスルホン化有機アミン塩は、帯電防止剤として
極めて有用性が高い。なお、溶媒2は、回収して循環使
用する(ステップS8)。
【0008】本発明の1つの特徴によれば、芳香族系高
分子原料を有機溶媒に溶融し、スルホン化剤を付加して
スルホン化して芳香族スルホン化物を生成して、スルホ
ン化物が前記有機溶媒中でほぼ均一に分散したスラリー
を形成し、該スルホン化物と有機溶媒からなるスラリー
を約100℃以下の温度に設定され、かつ所定の真空状
態に制御された乾燥機内に導入して、スルホン化物を乾
燥させることによって有機溶媒とスルホン化物とを分離
することを特徴とする。この場合、好ましくは、スルホ
ン化物は、乾燥機の乾燥表面上に薄膜状で供給し、前記
乾燥表面上でスルホン化物を乾燥させるとともに前記有
機溶媒とスルホン化物とを分離することを特徴とするス
ルホン化物の製造方法が提供される。生成したポリマー
スルホン酸と溶媒とを分離するために、スルホン化物と
溶媒との混合物が供給される乾燥機の乾燥表面は、好ま
しい態様では、移動するようになっている。さらに、混
合物が付着している乾燥表面を振動させるようにすると
溶媒の分離効率を高めることができる。上記の乾燥表面
を移動表面とする場合該乾燥表面を回転表面とすること
もできる。たとえば、乾燥表面を円周表面を有する回転
ドラムとすることもできるし、スクリューのような形態
とすることもできる。
【0009】本発明に使用できる乾燥機の1つの形態で
は、縦型円筒形状の内部空間を有しており、底部中央に
は、上方に突出する中央突起部を有している。原料は、
乾燥機の上部から導入される。また、乾燥機の底部に
は、スルホン化物を取り出す取りだし口が設けられると
ともにドレン抜きが設けられる。また、乾燥機の内部に
はスチーム配管が配設されており、スチームを介して熱
を供給することができるようになっており、乾燥機の内
部空間を所定の温度に制御できる。溶媒は、乾燥機内で
気化して上部から配管を通じてコンデンサで冷却されて
凝縮液受槽に回収されるようになっている。操作におい
てスルホン化物と溶媒との混合物を上記乾燥機内に導入
し、乾燥機のジャケットに低圧スチームあるいは温水を
入れて100℃以下たとえば、90℃に温度制御すると
ともに乾燥機空間内を真空引きして絶対圧力をを500
Torr以下例えば約200Torrに制御する。溶媒は、揮発
して乾燥機の上方から留出する。
【0010】この状態が所定時間たとえば、約40分継
続し、その後溶媒の留出速度が低下したとき乾燥機に振
動動作たとえば、1,500回/分×振動幅3mmを付加
すると、上記混合物は、攪拌され、凝集が有効に防止さ
れて溶媒とスルホン化物との分離が促進される。別の態
様では、真空式ダブルドラム乾燥機を使用することがで
きる。この形式の乾燥機は、2つの互いに反対向きに回
転するドラムを有しており、ドラムとドラムの間に薄膜
状でスルホン化物及び有機溶媒スラリーが薄膜状で回転
するドラムの間に巻き込まれるような状態で供給される
ようになっている。このとき乾燥機の内部は、好ましく
は所定の真空状態にされている。スラリーは、薄膜状で
ドラム表面に付着する。その後、溶媒は揮発してドラム
表面から分離される。この結果ドラム表面には、スルホ
ン化物の固形物が残留物として残る。このスルホン化物
をかきとることによって、スルホン化物を回収すること
ができる。
【0011】この乾燥処理は、たとえば、約400To
rr以下の圧力で、約120分以下の時間範囲内で行う
ことによって、スルホン化物と溶媒とを分離することが
できる。芳香族系高分子スルホン化物としてたとえば、
以下のものが挙げられる。スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−ヒドロキスチレン、ビニルトルエン、ビニルナ
フタレン等の芳香族炭化水素モノマーの重合体のスルホ
ン化物、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、シク
ロペンタジエン等の脂肪族ジエン類と上記芳香族炭化水
素モノマーとの共重合体のスルホン化物、エチレン、プ
ロピレン、ブテン、イソブチレン等のオレフィン類と上
記芳香族炭化水素モノマーとの共重合体のスルホン化
物、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和
カルボン酸と上記芳香族炭化水素モノマーとの共重合体
のスルホン化物、その他、アクリルニトリルやジビニル
ベンゼン等と上記芳香族炭化水素モノマーとの共重合体
のスルホン化物、芳香族炭化水素モノマーとの共重合体
として組み合わせることができるモノマー類は、2種以
上使用することができる。
【0012】一方、有機溶媒は、乾燥機から外部に導か
れ、所定の回収装置を介して回収しその後、再び、スル
ホン化を行うための芳香族系高分子材料を溶解するため
に使用される。また、上記スルホン化用原料及びスルホ
ン化物の溶媒として、スルホン化剤に不活性なハロゲン
化炭化水素を使用することが望ましい。特に、炭素数1
−2の脂肪族ハロゲン化炭化水素が好ましく、具体的に
は、メチレンジクロリド、1,2−ジクロロエタン、
1,1−ジクロロエタン、塩化エチル、四塩化炭素、
1,1,2,2−テトラクロロエタン,クロロホルム,
エチレンブロミド等を使用することができる。
【0013】
【実施例の説明】実施例1 平均分子量約5000のポリスチレンを1,2−ジクロ
ルエタンに11%(重量)の濃度で溶解したものを原料
とし、液体SO3をスルホン化剤として、SO3モル比
1.15、反応温度45℃、攪拌機付反応器中でスルホ
ン化を行った。スルホン化終了後、溶媒を含む反応生成
物を振動乾燥機(VU−45、全容量60L、乾燥機
(釜)の直径450mm、乾燥機(釜)の高さ250mm、
中央加工機(株)社製)に15kgの量を導入した。図2
には、実施例1で使用した乾燥システム1の概略系統図
が示されている。図2を参照すると、本例の乾燥機2は
縦型円筒形状の内部空間3を有しており、底部中央に
は、上方に突出する中央突起部4を有している。原料
は、乾燥機2の上部の投入口5から導入されるようにな
っている。また、乾燥機2の底部には、スルホン化物を
取り出す取りだし口6が設けられるとともにドレン抜き
7が設けられている。また、乾燥機の内部には、スチー
ム配管8が配設されており、スチームを介して熱を供給
することができるようになっており、乾燥機2の内部空
間3を所定の温度に制御できる。溶媒は、乾燥機内で気
化して上部の排出口のバグフィルター10を介して配管
9を通じてコンデンサ11で冷却されて凝縮液受槽12
に回収されるようになっている。
【0014】本例において、スルホン化物と溶媒との混
合物を上記乾燥機2内に導入し、乾燥機のジャケットに
低圧スチームあるいは温水を入れて90℃に温度制御す
るとともに乾燥機空間内を真空引きして絶対圧力をを約
200Torrに制御した。この結果、溶媒は、揮発して乾
燥機の上方の出口からバグフィルター10を介して留出
し始めた。この状態が約40分継続し、その後溶媒の留
出速度がやや低下した。このとき乾燥機2に振動動作
(1,500回/分×振動幅3mm)を付加した。これに
よって上記混合物は、乾燥機2内において、図3に矢印
で示すような態様で攪拌されスルホン化物の凝集傾向が
有効に抑制され溶媒とスルホン化物との分離を促進する
ことができた。
【0015】その後約20分程度経過後乾燥の仕上げと
して、絶対圧力を30Torrにして溶媒を完全に蒸発分離
させた。そして、乾燥機2を振動させることによって分
離されたポリスチレンスルホン酸の粉体を乾燥機2の底
部に集め、排出することによって、3.05kgの粉体を
得た。回収率は、理論スルホン化物量に対して、99.
5%(重量)であった。また乾燥機壁面への付着はほと
んど見られず、スルホン化物を含む得られた固形物に対
する溶媒残存量は、5%(重量)であった。本発明によ
って得られたは約5000以上の平均分子量を有する芳
香族高分子材料を好適に使用することができる。 実施例2 平均分子量約500,000のポリスチレンを1,2ジ
クロロエタンに1.5%(重量)の濃度で溶解した溶液
を原料として、液体SO3をスルホン化剤として、SO
3モル比1.15、反応温度45℃、攪拌機付反応器中
でスルホン化を行った。スルホン化終了後、溶媒を含む
反応生成物を実施例1と同様の装置及び操作によって、
溶媒の除去を行った。溶媒残存量が対固形成分に対して
15%(重量)の粉体0.48kgを得た。理論スルホン
化物量に対する収率は、99%(重量)であった。 実施例3 実施例1のポリスチレンの代わりに平均分子量約20
0,000のポリ−α−メチルスチレンを用い、他の条
件は、実施例1と同様にスルホン化しその後は、実施例
1と同じ操作によって溶媒の除去を行った。溶媒残存量
が対固形成分に対して8%(重量)の粉体2.99kgを
得た。理論スルホン化物量に対する収率は、99.5%
(重量)であった。生成物に熱変性の兆候は見られなか
った。 実施例4 平均分子量約5,000のポリスチレンを用い、1,2
−ジクロルエタンに11%(重量)の濃度で溶解したも
のを原料とし、液体SO3をスルホン化剤として、SO
3モル比1.15、反応温度45℃、攪拌機付反応器中
でスルホン化を行った。
【0016】次に、真空式ダブルドラム乾燥機(ドラム
表面積0.69m2 、ドラム直径300mm、ドラム長3
00mm、日本リファイン(株)社製)を用いてスルホン
化物と溶媒との分離操作すなわちスルホン化物の乾燥操
作を行った。図4を参照すると、本例に使用した真空式
ダブルドラム乾燥機21を含むスルホン化物乾燥システ
ム20が示されている。本例の真空式ダブルドラム乾燥
機21は、横置式円筒状タンク本体22を備えており、
その内部に一対のドラム23、24が水平方向に並んで
配置されている。ドラムの回転方向は、上から見た状態
で互いのドラムが内側に向かって回転するようになって
いる。原料は、上方の原料投入口25からノズル26を
介してタンク22内の上記2つのドラム23、24の中
間の接点付近に導入されるようになっている。ドラムに
は、スチーム配管27からの熱が供給されるようになっ
ており、ドラム表面を適当な温度に制御できるようにな
っている。また、タンク内部空間には真空ポンプが接続
されており所定の真空度を達成できるように減圧できる
ようになっている。スルホン化物はドラム表面に薄膜状
に付着し乾燥する。ドラム表面に付着したスルホン化物
は、ドラムスクレーパ28、29によってかきおとさ
れ、タンクの底部に溜まるようになっている。
【0017】タンクの底部にたまったスルホン化物は、
その後、底部の回収口30から回収される。一方、溶媒
は、乾燥機内で気化して上部の排出口31から配管を通
じて分離塔32で気液分離され、コンデンサ33で冷却
されて凝縮液受槽34に回収されるようになっている。
本例において、スルホン化物と溶媒との混合物を上記乾
燥機内に150kg/hの供給速度で2時間導入し、乾燥
機に低圧スチームを導入してドラム表面を約90℃に温
度制御するとともに乾燥機空間内を真空引きして絶対圧
力をを約300Torrに制御した。この結果、溶媒は、揮
発して乾燥機の上方の出口31から留出し始めた。
【0018】ポリスチレンスルホン酸を64.2kg得
た。理論スルホン化物量に対する収率は、99.0%
(重量)であった。溶媒残存量は対固形成分に対して1
0%(重量)であった。生成物に熱変性の兆候は見られ
なかった。 実施例5 平均分子量約500,000のポリスチレンを1,2ジ
クロロエタンに3.0%(重量)の濃度で溶解した溶液
を原料として、液体SO3をスルホン化剤として、SO
3モル比1.15、反応温度45℃、攪拌機付反応器中
でスルホン化を行った。スルホン化終了後、溶媒を含む
反応生成物を実施例4と同様の装置及び操作によって、
溶媒の除去を行った。溶媒残存量が対固形成分に対して
20%(重量)の粉体19.8kgを得た。理論スルホン
化物量に対する収率は、99.5%(重量)であった。 実施例6 実施例4のポリスチレンの代わりに平均分子量50,0
00のスチレン/無水マレイン酸共重合体(共重合モル
比9/1)を用いるとともに、他の条件は、実施例4と
同じ条件でスルホン化した。その後の乾燥、溶媒除去
は、実施例4と同じ条件で行った。この結果、溶媒残存
量が対固形成分に対して9%(重量)の粉体60.9kg
を得た。理論スルホン化物量に対する収率は、99.0
%(重量)であった。生成物に熱変性の兆候は見られな
かった。 実施例7 平均分子量約5000のポリスチレンを1,2−ジクロ
ルエタンに11%(重量)の濃度で溶解したものを原料
とし、液体SO3をスルホン化剤として、SO3モル比
1.15、反応温度45℃、攪拌機付反応器中でスルホ
ン化を行った。スルホン化終了後、溶媒を含む反応生成
物を乾燥機(セルフクリーニングプロセッサ)(SCP
−100、スクリュー直径100mm、スクリュー長さ9
00mm、(株)栗本鉄工所社製)を用いて、スルホン化
物と溶媒との分離操作を行った。
【0019】図5には、本例で使用した乾燥システムの
概略系統図が示されている。図5を参照すると、本例の
乾燥機41は、横型円筒形状のタンク42を備えてお
り、内部には、相互にかみあう2軸のスクリューが配置
されている。該スクリューは、1.5mmの隙間を形成す
るように配置されたパドルを備えている。また、本例の
乾燥機は内部を加熱する加熱装置47が付設されてい
る。原料は、横置きタンク状の乾燥機の一端の上部の投
入口43から導入されるようになっており、溶媒分離さ
れたスルホン化物は、他端側の下部の回収口44から取
り出されるようになっている。一方、溶媒は、乾燥機内
で気化して上部の排出口45から配管を通じてコンデン
サ46で冷却されて凝縮液受槽に回収されるようになっ
ている。
【0020】本例において、スルホン化物と溶媒との混
合物を上記乾燥機内に50kg/hの速度で導入し、2時
間供給した。この場合、混合物は、上記相互にかみあう
スクリューのパドル間のほぼ1.5mmの間に導入し、ス
クリューで巻き込むような態様で、両スクリューの間に
導入した。この時、乾燥機41内の温度は約70℃に制
御した。またタンク内の圧力は、約100Torrに維持し
た。一端側から、乾燥機41に導入された混合物は、ス
クリューの回転によって他端側に順次送り込まれ、回収
口側に導かれる。この間、溶媒は揮発してスルホン化物
から分離される。本例の操作では、混合物は薄膜状でス
クリューの表面に付着しているとともに、タンク内部が
減圧状態に維持されているので、溶媒分離が効率よく行
われることとなる。
【0021】この結果、溶媒残存量が対固形成分に対し
て5%(重量)の粉体20.3kgを得た。理論スルホン
化物量に対する収率は、99.0%(重量)であった。
生成物に熱変性の兆候は見られなかった。 実施例8 平均分子量約500,000のポリスチレンを1,2ジ
クロロエタンに2%(重量)の濃度で溶解した溶液を原
料として、液体SO3をスルホン化剤として、SO3モ
ル比1.15、反応温度45℃、攪拌機付反応器中でス
ルホン化を行った。スルホン化終了後、溶媒を含む反応
生成物を実施例7と同様の装置及び操作によって、溶媒
の除去を行った。溶媒残存量が対固形成分に対して7%
(重量)の粉体3.7kgを得た。理論スルホン化物量に
対する収率は、99%(重量)であった。 実施例9 実施例7のポリスチレンの代わりに平均分子量40,0
00のスチレン/メタクリル酸メチル重合体(共重合比
9/1)を用いるとともに、他の条件は、実施例7と同
じ条件でスルホン化した。その後の乾燥、溶媒除去は、
実施例4と同じ条件で行った。この結果、溶媒残存量が
対固形成分に対して6%(重量)の粉体19.7kgを得
た。理論スルホン化物量に対する収率は、99.5%
(重量)であった。生成物に熱変性の兆候は見られなか
った。 比較例1 実施例1と同じ原料を熱風温度を120℃にした有機溶
媒用スプレードライヤーを用いて乾燥した。乾燥物は、
全ての塔の内壁に付着し排出できなかった。また処理時
間と共に溶液を供給するアトマイザーで髭状のポリマー
が成長し、液の分散性が悪くなった。さらに、内壁に付
着した乾燥物は熱劣化により白色から黒色に変化した。 比較例2 実施例1と同じ原料を常圧で、160℃に制御されたダ
ブルドラム乾燥機に供給して乾燥を行った。原料はドラ
ム表面ですぐに黒色変化し、熱劣化を起こした。また、
乾燥物は掻き取り刃に絡みつき、ドラムからの剥離が良
好に行えなかった。
【0022】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、スル
ホン生成物と有機溶媒との混合物を乾燥機に対して、薄
膜状で供給したり、振動を付加しながら溶媒分離を行っ
たりして凝集が極力生じないように操作するので、スル
ホン化物と溶媒との分離を効率的に行うことができる。
また、本発明では、乾燥装置内を減圧するとともに、極
力高温にしないように制御するので、スルホン化物が熱
変性等を生じて、品質低下の問題も解消することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用することができるスルホン化及び
スルホン化物処理工程のフローチャート、
【図2】本発明の1実施例にかかるスルホン化物乾燥シ
ステムの概略系統図、
【図3】図2の乾燥機内のスルホン化物の動きを示す説
明図、
【図4】本発明の他の実施例にかかるスルホン化物乾燥
システムの概略系統図、
【図5】本発明のさらに他の実施例にかかるスルホン化
物乾燥システムの概略系統図である。
【符号の説明】
1 乾燥システム 2 乾燥機 3 乾燥空間 4 中央突起部 5 原料投入口 6 原料回収口 7 ドレン配管 8 スチーム配管 9 配管 10 バグフィルター 12 凝縮液受槽 21 ダブルドラム真空乾燥機 41 乾燥機(セルフクリーニングプロセッサ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重松 創 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4J100 AA02Q AA03Q AA04Q AA06Q AB00P AB02P AB03P AB04P AB07P AB16Q AJ02Q AJ08Q AJ09Q AM02Q AR17Q AS02Q AS03Q AS04Q BA03P CA01 CA04 CA31 HA01 HA61 HB54 HD01 HE05 HE14 HF00 HF05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族系高分子原料を有機溶媒に溶融
    し、スルホン化剤を付加してスルホン化して芳香族スル
    ホン化物を生成し、 該スルホン化物が前記有機溶媒中でほぼ均一に分散した
    スラリーを形成し、 該スルホン化物と有機溶媒からなるスラリーを約100
    ℃以下の温度に設定され、かつ所定の真空状態に制御さ
    れた乾燥機内に導入し、 スルホン化物を乾燥させることによって有機溶媒とスル
    ホン化物とを分離することを特徴とする芳香族系高分子
    スルホン化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 スルホン化物を乾燥機内に導入した後、 有機溶媒の量がスルホン化物のほぼ同量まで減少したと
    き、乾燥機に振動を付加して溶媒分離を継続することを
    特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2において、 前記スルホン化物を移動する乾燥表面に対して薄膜状で
    供給するようになっていることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3において一対の回転ド
    ラムの表面が乾燥表面とされ、前記スルホン化物が、該
    一対の回転ドラムの間に引き込まれるように薄膜状で供
    給されることを特徴とする方法。
JP11082234A 1999-03-25 1999-03-25 芳香族系高分子スルホン化物の製造方法 Pending JP2000273120A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007031398A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Toray Ind Inc スルホン酸基含有芳香族ジハライドの製造方法

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