JP2000272903A - 太陽熱改質器およびその温度制御装置 - Google Patents

太陽熱改質器およびその温度制御装置

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JP2000272903A
JP2000272903A JP11082436A JP8243699A JP2000272903A JP 2000272903 A JP2000272903 A JP 2000272903A JP 11082436 A JP11082436 A JP 11082436A JP 8243699 A JP8243699 A JP 8243699A JP 2000272903 A JP2000272903 A JP 2000272903A
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reformer
fluidized bed
reforming
temperature
steam
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Hakaru Ogawa
斗 小川
Takao Nakagaki
隆雄 中垣
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱伝達率が高く、大型化が容易な太陽熱改質器
を提供する。 【解決手段】天然ガスを水蒸気改質する微粒子改質触媒
11が収納された流動床改質部12と、この流動床改質
部上部12aから流動床改質部下部12bへ微粒子改質
触媒11を環流する環流管13と、流動床改質部上部1
2aから流出した改質ガスと微粒子改質触媒11とを分
離する分離器14と、この分離器14で回収された微粒
子改質触媒11を流動床改質部下部12bへ輸送する輸
送管15と、流動床改質部下部12bへ炭化水素と水蒸
気とを吹き込むための分配板16と、流動床改質部上部
12aに設けられた太陽光入射窓17とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽熱を熱源とす
る炭化水素の改質器に係り、特に大型化の可能な太陽熱
改質器およびその温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、メタノール合成は、天然ガスを水
素、一酸化炭素を主成分とする合成ガスに変換してから
行われている。この合成ガスの生成は、天然ガスの一部
を燃焼させて得られる燃焼熱により天然ガスを固定触媒
層中において水蒸気改質するか、または天然ガスを酸素
で部分酸化することにより行われている。これらは、い
ずれにしても天然ガスの有する化学エネルギーの一部が
熱として外部に放出される。
【0003】近年、天然ガスの有する化学エネルギーの
一部が熱として外部に放出することなく、合成ガスを生
成する手段としては、太陽熱を熱源として利用すること
が検討されている。
【0004】図7は太陽熱を熱源とする炭化水素の改質
器の従来例を示す。以下、図7に基づいて従来の太陽熱
を熱源とする炭化水素の改質器を説明する。
【0005】図7に示すように、太陽光入射窓1から改
質器2内に入射した太陽光は、多孔質体に改質触媒を担
持した改質反応部3を加熱する。この改質反応部3は、
改質器2内において改質反応部保持体4により保持され
ている。一方、改質器2に供給された天然ガスおよび水
蒸気は、改質反応部3の通過時に水蒸気改質反応により
一酸化炭素と水素とを主成分とする合成ガス(改質ガ
ス)に変化した後、この合成ガスが改質器出口2bから
流出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の炭化水素の改質器において、改質反応部3は熱
伝達率が低いため、その改質反応部3の厚さを厚くする
と、太陽光入射窓1から入射した太陽光のエネルギーが
改質器2内の全体に供給されず、改質器出口2b側まで
改質反応に必要な熱を供給することが困難である。その
結果、改質反応部3の単位面積当たりの天然ガス改質量
が少なく、大型化が困難であるという課題があった。
【0007】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、熱伝達率が高く、大型化が容易な太陽熱改質器およ
びその温度制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の太陽熱改質器は、天然ガス
を水蒸気改質する微粒子改質触媒が収納された流動床改
質部と、この流動床改質部上部から前記流動床改質部下
部へ前記微粒子改質触媒を環流する環流管と、前記流動
床改質部上部から流出した改質ガスと前記微粒子改質触
媒とを分離する分離器と、この分離器で回収された前記
微粒子改質触媒を前記流動床改質部下部へ輸送する輸送
管と、前記流動床改質部下部へ炭化水素と水蒸気とを吹
き込むための分配板と、前記流動床改質部上部に設けら
れた太陽光入射窓とを備えたことを特徴とする。
【0009】請求項1記載の太陽熱改質器において、太
陽光入射窓から入射した太陽光は流動床改質部上部の微
粒子改質触媒に吸収される。この太陽光を吸収して加熱
された微粒子改質触媒は環流管を通って流動床改質部下
部へ輸送される。この流動床改質部下部で微粒子改質触
媒は、分配板から吹き込まれた天然ガスと水蒸気ととも
に上昇する。このとき、微粒子改質触媒から改質反応に
必要な熱が供給される。この結果、太陽光入射窓から入
射した太陽光のエネルギーが流動床改質部全体に供給さ
れるので、大型化が容易になる。
【0010】請求項2記載の太陽熱改質器は、請求項1
記載の流動床改質部の上部空洞部に集熱器を配設したこ
とを特徴とする。
【0011】請求項2記載の太陽熱改質器においては、
集熱器が太陽エネルギーの一部を吸収することによって
微粒子改質触媒の一部に太陽光によるホットスポットが
生じるのを防止することができるとともに、太陽熱が微
粒子改質触媒と水蒸気の2種類の媒体により輸送される
ため、微粒子改質触媒で輸送される熱量を低減させるこ
とができる。その結果、微粒子改質触媒の移動速度を低
減させて微粒子改質触媒の粉化による劣化を防止するこ
とができる。
【0012】請求項3記載の太陽熱改質器は、請求項1
記載の流動床改質部上部における微粒子改質触媒と接触
する位置に熱交換器を配設したことを特徴とする。
【0013】請求項3記載の太陽熱改質器においては、
熱交換器が太陽エネルギーの一部を吸収することによっ
て微粒子改質触媒の一部に太陽光によるホットスポット
が生じるのを防止することができるとともに、太陽熱が
微粒子改質触媒と水蒸気の2種類の媒体により輸送され
るため、微粒子改質触媒で輸送される熱量を低減させる
ことができる。その結果、微粒子改質触媒の移動速度を
低減させて微粒子改質触媒の粉化による劣化を防止する
ことができる。
【0014】請求項4記載の太陽熱改質器は、請求項1
記載の微粒子改質触媒の平均粒径が40乃至100μm
で、粒径範囲が0乃至300μmであるとともに、粒子
密度が0.5g/cm乃至2g/cmであることを
特徴とする。
【0015】請求項4記載の太陽熱改質器においては、
微粒子改質触媒の平均粒径,粒径範囲および粒子密度が
上記の範囲内であれば、微粒子改質触媒と供給ガスとが
良好に接触し、吹き抜けなどが生じなくなる。
【0016】請求項5記載の太陽熱改質器は、請求項1
記載の流動床改質部内における炭化水素、水蒸気および
改質ガスの空塔速度が0.4m/s乃至1.0m/sで
あることを特徴とする。
【0017】請求項5記載の太陽熱改質器においては、
炭化水素、水蒸気および改質ガスの空塔速度が上記範囲
内であれば、請求項4と同様に微粒子改質触媒と供給ガ
スとが良好に接触し、吹き抜けなどが生じなくなる。
【0018】請求項6記載の太陽熱改質器は、請求項1
乃至5のいずれかに記載の第1の太陽熱改質器と、請求
項1乃至5のいずれかに記載の第2の太陽熱改質器と、
前記第1の太陽熱改質器で改質されたガスを前記第2の
太陽熱改質器へ供給する流路とを備えたことを特徴とす
る。
【0019】請求項7記載の太陽熱改質器は、請求項6
記載の第1の太陽熱改質器を500乃至800℃、第2
の太陽熱改質器を800乃至1000℃の運転温度とし
たことを特徴とする。
【0020】請求項8記載の太陽熱改質器は、請求項6
記載の第1の太陽熱改質器を600乃至700℃、第2
の太陽熱改質器を800乃至950℃の運転温度とした
ことを特徴とする。
【0021】請求項6乃至8記載の太陽熱改質器におい
ては、第1の太陽熱改質器は低温で運転されるので、比
較的安価な材料を用いることができる。さらに、高温で
の改質反応は割合が少ないので、第2の太陽熱改質器の
小型化を図ることができる。したがって、大部分の改質
反応が1台の改質器で行う場合に比べ、低温で行われる
ので、改質器全体としてのコストを低減させることがで
きる。
【0022】請求項9記載の太陽熱改質器の温度制御装
置は、流動床改質部下部の温度を測定する温度測定装置
と、前記流動床改質部下部の温度と予め設定した設定温
度とを比較し炭化水素および水蒸気の流量を算定する流
量算定装置と、前記炭化水素の流量を制御する炭化水素
流量制御装置と、前記水蒸気の流量を制御する水蒸気流
量制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0023】請求項10記載の太陽熱改質器の温度制御
装置は、請求項9記載の流動床改質部下部の温度が設定
温度より高い時、炭化水素供給量または水蒸気供給量の
少なくとも一方を増大し、前記流動床改質部下部の温度
が設定温度より低い時、炭化水素供給量または水蒸気供
給量の少なくとも一方を低減させるように制御したこと
を特徴とする。
【0024】請求項9および10記載の太陽熱改質器の
温度制御装置においては、流動床改質部下部の温度が設
定温度より高い時、炭化水素供給量または水蒸気供給量
の少なくとも一方を増大し、流動床改質部下部の温度が
設定温度より低い時、炭化水素供給量または水蒸気供給
量の少なくとも一方を低減させるように制御したことに
より、太陽熱の変動による太陽熱改質器の温度変化を、
炭化水素または水蒸気の少なくとも一方の流量を増減さ
せることによって防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0026】[第1実施形態]図1は本発明に係る太陽
熱改質器の第1実施形態を示す構成図である。
【0027】図1に示すように、本実施形態の太陽熱改
質器は、天然ガスを水蒸気改質する微粒子改質触媒11
が収納された流動床改質部12と、この流動床改質部上
部12aから流動床改質部下部12bへ前記微粒子改質
触媒11を環流する環流管13と、流動床改質部上部1
2aから流出した改質ガスと微粒子改質触媒11とを分
離する分離器14と、この分離器4で回収した微粒子改
質触媒11を流動床改質部下部12bへ輸送する輸送管
15と、流動床改質部下部12bへ天然ガスおよび水蒸
気を吹き込む整流板としての分配板16と、流動床改質
部上部2aに設けられた太陽光入射窓17とを備えてい
る。
【0028】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0029】このように構成された本実施形態におい
て、太陽光入射窓17から入射した太陽光は、流動床改
質部上部12aの微粒子改質触媒11に吸収される。す
ると、太陽光を吸収して加熱された微粒子改質触媒11
は、環流管13を通って流動床改質部下部12bへ環流
される。
【0030】この流動床改質部下部12bにおいて微粒
子改質触媒11は分配板16から吹き込まれた含炭素燃
料、例えば、天然ガスと水蒸気とともに上昇する。この
とき、微粒子改質触媒11から改質反応に必要な熱が供
給され、以下の反応により一酸化炭素と水素とを含む合
成ガス(改質ガス)に変換される。
【0031】
【化1】
【0032】上記反応1〜3で生成した合成ガスは、流
動床改質部上部12aから分離器14へ移動する。この
分離器14で合成ガスとともに移動してきた微粒子改質
触媒11は分離され、この微粒子改質触媒11が輸送管
15を通って流動床改質部下部12bへ戻される一方、
合成ガス(改質ガス)だけが他の使用設備へ供給され
る。
【0033】その結果、太陽光入射窓17から入射した
太陽光のエネルギーが流動床改質部12全体に供給さ
れ、かつ触媒微粒子の流動により流動床改質部12の温
度が均一化する。
【0034】このように本実施形態によれば、太陽光入
射窓17から入射した太陽光のエネルギーが流動床改質
部12全体に供給され、かつ触媒微粒子の流動により流
動床改質部12の温度が均一化するので、大型化が容易
になる。さらに、温度が均一化するので、ホットスポッ
トによる触媒の粒成長による劣化や低温部での炭素析出
による触媒劣化を防止することができる。
【0035】[第2実施形態]図2は本発明に係る太陽
熱改質器の第2実施形態を示す構成図である。なお、既
に説明した前記第1実施形態と同一の部分には同一の符
号を付して説明を省略する。以下の実施形態も同様であ
る。
【0036】本実施形態においては、前記第1実施形態
の構成に加え、流動床改質部2の上部空洞部に水蒸気を
加熱する集熱器18が配設されている。この集熱器18
には、水蒸気を供給する供給管18aが接続される一
方、集熱器18において加熱した水蒸気を分配板16に
排出する排出管18bが接続されている。
【0037】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0038】このように構成された本実施形態におい
て、太陽光入射窓17から入射した太陽光は、流動床改
質部上部12aの微粒子改質触媒11に吸収される。す
ると、太陽光を吸収して加熱された微粒子改質触媒11
は、環流管13を通って流動床改質部下部12bへ輸送
される。
【0039】また、集熱器18には供給管18aを通し
て水蒸気が供給され、この水蒸気は太陽光入射窓17か
ら入射した太陽光により加熱され、排出管18bを通し
て分配板16から流動床改質部下部12bに吹き込まれ
る。そして、流動床改質部下部12bで微粒子改質触媒
11は分配板16から吹き込まれた含炭素燃料、例え
ば、天然ガスと上記集熱器18で加熱された水蒸気とと
もに上昇する。このとき、微粒子改質触媒11および水
蒸気から改質反応に必要な熱が供給され、以下の反応に
より一酸化炭素と水素とを含む合成ガスに変換される。
【0040】
【化2】
【0041】上記反応1〜3で生成した合成ガスは、流
動床改質部上部12aから分離器14へ移動する。この
分離器14で合成ガスとともに移動してきた微粒子改質
触媒11は分離され、この微粒子改質触媒11が輸送管
15を通って流動床改質部下部12bへ戻される一方、
合成ガス(改質ガス)だけが他の使用設備へ供給され
る。
【0042】その結果、太陽光入射窓17から入射した
太陽光のエネルギーが流動床改質部12全体に供給さ
れ、かつ触媒微粒子の流動により流動床改質部12の温
度が均一化する。
【0043】このように本実施形態によれば、太陽光入
射窓17から入射した太陽光のエネルギーが流動床改質
部12全体に供給され、かつ触媒微粒子の流動により流
動床改質部12の温度が均一化するので、大型化が容易
になる。また、温度が均一化するので、ホットスポット
による触媒の粒成長による劣化や低温部での炭素析出に
よる触媒劣化を防止することができる。
【0044】さらに、集熱器18が太陽エネルギーの一
部を吸収することによって微粒子改質触媒11の一部に
太陽光によるホットスポットが生じるのを防止すること
ができるとともに、太陽熱が微粒子改質触媒11と水蒸
気の2種類の媒体により輸送されるので、微粒子改質触
媒11で輸送される熱量を低減させることができる。そ
の結果、微粒子改質触媒11の移動速度を低減させて微
粒子改質触媒11の粉化による劣化を防止することがで
きる。
【0045】なお、本実施形態では、集熱器18で加熱
された水蒸気が改質器の外側を経由して整流板である分
配板16に供給されているが、流動床改質部12内を貫
通する配管を通して供給するようにしてもよい。また、
水蒸気だけでなく天然ガスも同時に、または改質反応に
必要な水蒸気の一部だけを集熱器18に供給するように
してもよい。
【0046】[第3実施形態]図3は本発明に係る太陽
熱改質器の第3実施形態を示す構成図である。
【0047】本実施形態においては、前記第1実施形態
の構成に加え、流動床改質部上部12aの微粒子改質触
媒11に接触する位置に熱交換器19が配設されてい
る。この熱交換器19には、水蒸気を供給する供給管1
9aが接続される一方、熱交換器19において加熱した
水蒸気を分配板16に排出する排出管19bが接続され
ている。
【0048】このように構成された本実施形態におい
て、太陽光入射窓17から入射した太陽光は、流動床改
質部上部12aの微粒子改質触媒11に吸収される。す
ると、太陽光を吸収して加熱された微粒子改質触媒11
は、環流管13を通って流動床改質部下部12bへ輸送
される。
【0049】また、熱交換器19には供給管19aを通
して水蒸気が供給され、この水蒸気は熱交換器19にお
いて太陽光入射窓17を通して入射した太陽光から微粒
子改質触媒11が吸収した熱の一部により加熱され、排
出管19bを通して分配板16から流動床改質部下部1
2bに吹き込まれる。そして、流動床改質部下部12b
で微粒子改質触媒11は、分配板16から吹き込まれた
含炭素燃料、例えば、天然ガスと熱交換器19で加熱さ
れた水蒸気とともに上昇する。このとき、微粒子改質触
媒11および水蒸気から改質反応に必要な熱が供給さ
れ、以下の反応により一酸化炭素と水素とを含む合成ガ
スに変換される。
【0050】
【化3】
【0051】上記反応1〜3で生成した合成ガスは、流
動床改質部上部12aから分離器14へ移動する。この
分離器14で合成ガスとともに移動してきた微粒子改質
触媒11は分離され、この微粒子改質触媒11が輸送管
15を通って流動床改質部下部12bへ戻される一方、
合成ガス(改質ガス)だけが他の使用設備へ供給され
る。
【0052】この結果、太陽光入射窓17から入射した
太陽光のエネルギーが流動床改質部12全体に供給さ
れ、かつ触媒微粒子の流動により流動床改質部12の温
度が均一化する。
【0053】このように本実施形態によれば、太陽光入
射窓17から入射した太陽光のエネルギーが流動床改質
部12全体に供給され、かつ触媒微粒子の流動により流
動床改質部12の温度が均一化するので、大型化が容易
になる。また、温度が均一化するので、ホットスポット
による触媒の粒成長による劣化や低温部での炭素析出に
よる触媒劣化が防止できる。
【0054】さらに、熱交換器19は、微粒子改質触媒
11が吸収した太陽エネルギーの一部を吸収することに
よって微粒子改質触媒11の一部に太陽光によるホット
スポットが生じるのを防止することができるとともに、
太陽熱が微粒子改質触媒11と水蒸気の2種類の媒体に
より輸送されるので、微粒子改質触媒11で輸送される
熱量を低減させることができる。その結果、微粒子改質
触媒11の移動速度を低減させて微粒子改質触媒11の
粉化による劣化を防止することができる。
【0055】なお、本実施形態では、熱交換器19で加
熱された水蒸気が改質器の外側を経由して整流板である
分配板16に供給されているが、流動床改質部12内を
貫通する配管を通して供給するようにしてもよい。ま
た、水蒸気だけでなく天然ガスも同時に、または改質反
応に必要な水蒸気の一部だけを熱交換器19に供給する
ようにしてもよい。
【0056】さらに、本発明の前記第1乃至3実施形態
において、環流管13は1本だけ設けたが、複数本また
は流動床改質部12を完全に取り巻くように設置しても
よい。
【0057】そして、前記第1乃至3実施形態におい
て、微粒子改質触媒11と供給ガスとが良好に接触し、
吹き抜けなどが生じないためには、平均粒径が40乃至
100μm、粒径範囲が0乃至300μm、粒子密度が
0.5g/cm乃至2g/cmの微粒子改質触媒1
1を用い、流動床改質部12内で炭化水素、水蒸気およ
び改質ガスの空塔速度が0.4m/s乃至1.0m/s
となるように供給することが望ましい。
【0058】[第4実施形態]図4は本発明に係る太陽
熱改質器の第4実施形態を示す概略図である。
【0059】本実施形態においては、本発明の第1乃至
第3実施形態のいずれかに記載の第1の太陽熱改質器2
0と、本発明の第1乃至第3実施形態のいずれかに記載
の第2の太陽熱改質器21と、第1の太陽熱改質器20
で改質されたガスを第2の太陽熱改質器21へ供給する
流路22とを備えて構成されている。
【0060】このように構成された本実施形態におい
て、第1の太陽熱改質器20を650℃で運転して改質
された改質ガスは未反応成分とともに、流路22を通し
て第2の太陽熱改質器21へ供給され、この第2の太陽
熱改質器21において950℃で改質を行うことによ
り、ほぼ完全に改質される。
【0061】このように本実施形態によれば、第1の太
陽熱改質器20は650℃という低温で天然ガスを90
%程度改質した後、第2の太陽熱改質器21で未反応の
天然ガスを950℃で改質して改質率をほぼ100%に
する。これにより、第1の太陽熱改質器20は低温で運
転されるので、比較的安価な材料を用いることができ
る。さらに、高温での改質反応は割合が少ないので、第
2の太陽熱改質器21の小型化を図ることができる。し
たがって、大部分の改質反応を1台の改質器で行う場合
に比べ低温で行われるので、改質器全体としてのコスト
を低減させることができる。
【0062】なお、第1の太陽熱改質器20は、炭素析
出を避けるために、望ましくは500乃至800℃、さ
らに望ましくは600乃至700℃で運転するとよい。
また、第2の太陽熱改質器21は、改質率と材料強度か
ら望ましくは800乃至1000℃、さらに望ましくは
800乃至950℃で運転するとよい。
【0063】[太陽熱改質器の温度制御装置の一実施形
態]次に、本発明に係る太陽熱改質器の温度制御装置の
一実施形態を図5および図6を参照しながら説明する。
【0064】本実施形態は、図5に示すように流動床改
質部12の流動床改質部下部12bの温度を測定する温
度測定装置23と、この流動床改質部下部12bの温度
と予め設定した設定温度とを比較し炭化水素および水蒸
気の流量を算定する流量算定装置24と、炭化水素の流
量を制御する炭化水素流量制御装置25と、水蒸気の流
量を制御する水蒸気流量制御装置26とを備える。
【0065】図6に示すように温度測定装置23で測定
した太陽熱改質器2の流動床改質部下部12bの温度を
流量算定装置24で設定温度と比較する。流動床改質部
下部12bの温度が設定温度より高いときは炭化水素供
給量または水蒸気供給量の少なくとも一方を増大する信
号を、流量算定装置24から炭化水素流量制御装置25
および水蒸気流量制御装置26とへ送出する。
【0066】一方、流動床改質部下部12bの温度が設
定温度より低いときは、炭化水素供給量または水蒸気供
給量の少なくとも一方を低減する信号を、流量算定装置
24から炭化水素流量制御装置25および水蒸気流量制
御装置26とへ送出する。
【0067】この結果、太陽熱の変動による太陽熱改質
器の温度変化を、炭化水素または水蒸気の少なくとも一
方の流量の増減によって防止することができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の太陽熱改
質器によれば、太陽光入射窓から入射した太陽光のエネ
ルギーが流動床改質部全体に供給され、かつ触媒微粒子
の流動により流動床改質部の温度が均一化するので、大
型化が容易になる。また、温度が均一化するので、ホッ
トスポットによる触媒の粒成長による劣化や低温部での
炭素析出による触媒劣化を防止することができる。
【0069】本発明の太陽熱改質器の温度制御装置によ
れば、太陽熱の変動による太陽熱改質器の温度変化を、
炭化水素または水蒸気の少なくとも一方の流量を増減さ
せることによって防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽熱改質器の第1実施形態を示
す構成図。
【図2】本発明に係る太陽熱改質器の第2実施形態を示
す構成図。
【図3】本発明に係る太陽熱改質器の第3実施形態を示
す構成図。
【図4】本発明に係る太陽熱改質器の第4実施形態を示
す概略図。
【図5】本発明に係る太陽熱改質器の温度制御装置を示
すブロック図。
【図6】図5の太陽熱改質器の温度制御装置による温度
制御方法を示すフローチャート。
【図7】太陽熱を熱源とする炭化水素の改質器の従来例
を示す構成図。
【符号の説明】
11 微粒子改質触媒 12 流動床改質部 12a 流動床改質部上部 12b 流動床改質部下部 13 環流管 14 分離器 15 輸送管 16 分配板 17 太陽光入射窓 18 集熱器 19 熱交換器 20 第1の太陽熱改質器 21 第2の太陽熱改質器 22 流路 23 温度測定装置 24 流量算定装置 25 炭化水素流量制御装置 26 水蒸気流量制御装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ガスを水蒸気改質する微粒子改質触
    媒が収納された流動床改質部と、この流動床改質部上部
    から前記流動床改質部下部へ前記微粒子改質触媒を環流
    する環流管と、前記流動床改質部上部から流出した改質
    ガスと前記微粒子改質触媒とを分離する分離器と、この
    分離器で回収された前記微粒子改質触媒を前記流動床改
    質部下部へ輸送する輸送管と、前記流動床改質部下部へ
    炭化水素と水蒸気とを吹き込むための分配板と、前記流
    動床改質部上部に設けられた太陽光入射窓とを備えたこ
    とを特徴とする太陽熱改質器。
  2. 【請求項2】 前記流動床改質部の上部空洞部に集熱器
    を配設したことを特徴とする請求項1記載の太陽熱改質
    器。
  3. 【請求項3】 前記流動床改質部上部における前記微粒
    子改質触媒と接触する位置に熱交換器を配設したことを
    特徴とする請求項1記載の太陽熱改質器。
  4. 【請求項4】 前記微粒子改質触媒の平均粒径が40乃
    至100μmで、粒径範囲が0乃至300μmであると
    ともに、粒子密度が0.5g/cm乃至2g/cm
    であることを特徴とする請求項1記載の太陽熱改質器。
  5. 【請求項5】 前記流動床改質部内における炭化水素、
    水蒸気および改質ガスの空塔速度が0.4m/s乃至
    1.0m/sであることを特徴とする請求項1記載の太
    陽熱改質器。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の第1
    の太陽熱改質器と、請求項1乃至5のいずれかに記載の
    第2の太陽熱改質器と、前記第1の太陽熱改質器で改質
    されたガスを前記第2の太陽熱改質器へ供給する流路と
    を備えたことを特徴とする太陽熱改質器。
  7. 【請求項7】 前記第1の太陽熱改質器を500乃至8
    00℃、前記第2の太陽熱改質器を800乃至1000
    ℃の運転温度としたことを特徴とする請求項6記載の太
    陽熱改質器。
  8. 【請求項8】 前記第1の太陽熱改質器を600乃至7
    00℃、前記第2の太陽熱改質器を800乃至950℃
    の運転温度としたことを特徴とする請求項6記載の太陽
    熱改質器。
  9. 【請求項9】 流動床改質部下部の温度を測定する温度
    測定装置と、前記流動床改質部下部の温度と予め設定し
    た設定温度とを比較し炭化水素および水蒸気の流量を算
    定する流量算定装置と、前記炭化水素の流量を制御する
    炭化水素流量制御装置と、前記水蒸気の流量を制御する
    水蒸気流量制御装置とを備えたことを特徴とする太陽熱
    改質器の温度制御装置。
  10. 【請求項10】 前記流動床改質部下部の温度が設定温
    度より高い時、炭化水素供給量または水蒸気供給量の少
    なくとも一方を増大し、前記流動床改質部下部の温度が
    設定温度より低い時、炭化水素供給量または水蒸気供給
    量の少なくとも一方を低減させるように制御したことを
    特徴とする請求項9記載の太陽熱改質器の温度制御装
    置。
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KR101002641B1 (ko) 2008-07-17 2010-12-20 인하대학교 산학협력단 화학반응기

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