JP2000266914A - 光拡散体およびそれを用いた表示装置 - Google Patents
光拡散体およびそれを用いた表示装置Info
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Abstract
性)を持ち、観察者の位置・方向に応じて表示光の色が
変化して視覚されることのない光拡散体とそれを用いた
表示装置を提供する。 【解決手段】垂直方向の空間周波数成分と水平方向の空
間周波数成分が、拡散光を分布させる空間的領域に対応
する範囲内にある回折格子により構成される複数種類の
セルを基板表面に配置してなる光拡散体を採用する。
Description
ラズマディスプレイ・CRTディスプレイなどに代表さ
れる各種の画像表示装置に適用した場合に、明るさ・コ
ントラスト・視域の拡大などで、画質を向上させる上で
好適な光学シート(光拡散体)に関する。上記の液晶表
示装置としては、バックライトやエッジライトなどの特
殊光源を必要とせず、周辺光(日光や室内照明光など)
からの反射光を表示光とするタイプの「反射型液晶表示
装置」や、前記の特殊光源を擁するタイプの「透過型液
晶表示装置」が含まれる。
するものが公知である。
晶パネルの背面側からの照明光を、液晶パネルの全面に
均一に照射したり、その方向を制御するために、光拡散
シートやプリズムシートなどが用いられている。
である反射光を散乱させる必要があり、液晶パネルの前
面(観察者側)に光拡散シートが配置される。
保する(すなわち、表示装置の前面=観察者側には明る
く表示画像を見せる)ことや、表示画面の全面に渡って
均一な明るさで表示画像を見えるようにする目的で、装
置の前面に光拡散フィルムを配置することが行なわれて
いる。(以下、同義語である「光拡散」と「光散乱」
は、本明細書では混合して用いることとする。) 従来の光拡散フィルムとしては、表面をマット状に加工
した樹脂フィルムや、内部に拡散材を包含した樹脂フィ
ルムなどが用いられている。
拡散材を含有する光拡散フィルムの場合、入射光の入射
角度に依存した散乱性の変化といった機能を持たせるこ
とは原理上困難であり、現実的にそのような機能は持ち
合わせていない。
の場合、フィルム表面をサンドブラスター処理のように
物理的に加工してマット面を形成したり、あるいは、酸
性またはアルカリ性の溶液による溶解処理により化学的
にマット面を形成する。従って、光の拡散性を制御する
ことが難しく、また縦と横の拡散性を変えるといったこ
とも出来ないため、光拡散に異方性を持たせることもで
きない。
の選択性を含む光学特性である。ディスプレイ(画像表
示装置)の大画面化に伴って、画面の位置に応じた光学
機能の特性変化が要求される場合も生じる。例えば、光
拡散の場合、画面の中心では、画面に垂直な軸を中心と
して対称に拡がる拡散性が必要であり、画面の右(左)
端では、左(右)に傾いた軸を中心とする拡散性が、デ
ィスプレイの正面に位置する観察者にとっては望まし
い。
ルムにおいても、拡散性を制御するために、拡散材の屈
折率,大きさ,形状などを制御する試みも為されている
が、技術的に難易度が高く、実用上十分であるとは言え
ないのが現状である。
散の入射角度依存性がなく、光拡散の異方性も無いかも
しくは少ないため、表示装置に使用した際に、不必要な
拡散光が生じ、結果として表示の明るさやコントラスト
の低下或いは表示画像のぼけを招くという問題点があ
る。
た反射型液晶表示装置に係る提案として、特開平8−2
01802号公報が公知である。上記公報に開示された
散乱板は、後方散乱特性がほとんどなく前方散乱特性が
強い散乱板であり、液晶表示装置への入射光あるいは液
晶表示装置からの出射表示光のどちらか一方を選択的に
散乱させる特性を有する。
明されておらず、「透明微細粒子を透明な重合性高分子
で固めたもの」とだけ記載されている。このような散乱
板では、上述した「内部に拡散材を包含した光散乱フィ
ルム」と同様に、散乱特性に異方性(前方か後方か)を
持たせられたとしても、縦と横の散乱特性までも制御す
るのは難しい。
過型液晶表示装置に係る提案として、特開平9−152
602号公報が公知である。上記提案は、バックライト
を有する液晶表示装置からの出射表示光を散乱させるも
のであり、散乱板としてホログラムを採用しているた
め、散乱特性に異方性を持たせることも容易であり、縦
と横の散乱特性も制御することも容易ではあるが、ホロ
グラムであることに起因して、必然的に分光(波長分
散)を伴ってしまうため、観察する視点を移動するに応
じて、表示光の色が変化して視覚されることになる。
散特性に異方性(方向や範囲の選択性)を持ち、観察者
の位置・方向に応じて表示光の色が変化して視覚される
ことのない光拡散体とそれを用いた表示装置を提供する
ことを目的とする。
射光を拡げて反射または透過させる機能を持つ光拡散体
において、複数種類の回折格子からなるセルを基板表面
に配置してなり、前記セルとして、垂直方向の空間周波
数成分と水平方向の空間周波数成分が、拡散光を分布さ
せる空間的領域に対応する範囲内にある回折格子からな
るセルを用いることを特徴とする光拡散体である。
成分,水平方向の空間周波数成分の少なくとも何れかが
異なる複数種類の回折格子からなるセルを並べて回折格
子セル群とし、前記回折格子セル群を基板表面に並べて
配置してなることを特徴とする請求項1記載の光拡散体
である。
成分が一定であり、水平方向の空間周波数成分がそれぞ
れ少しずつ異なる複数種類の回折格子からなるセルによ
り構成される回折格子セル群を用いることを特徴とする
請求項1または2に記載の光拡散体である。
成分が一定であり、垂直方向の空間周波数成分がそれぞ
れ少しずつ異なる複数種類の回折格子からなるセルによ
り構成される回折格子セル群を用いることを特徴とする
請求項1または2に記載の光拡散体である。
向の空間周波数成分が、それぞれ少しずつ異なる複数種
類の回折格子からなるセルの組み合わせにより構成され
る回折格子セル群を用いることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の光拡散体である。
水平方向・垂直方向の空間周波数成分として、下記式に
おいて回折角βが一定間隔ずつ異なることを特徴とする
請求項1〜5の何れかに記載の光拡散体である。 f=(sin α−sin β)/λ ただし、fは水平方向または垂直方向の空間周波数成
分、λは考慮する光の波長、αは当該方向における0次
回折光(透過光や正反射光)の出射角度、βは当該方向
における1次回折光の出射角度。
水平方向・垂直方向の空間周波数成分として、下記式に
おける回折角βの正接が一定間隔ずつ異なることを特徴
とする請求項1〜5の何れかに記載の光拡散体である。 f=(sin α−sin β)/λ ただし、fは水平方向または垂直方向の空間周波数成
分、λは考慮する光の波長、αは当該方向における0次
回折光(透過光や正反射光)の出射角度、βは当該方向
における1次回折光の出射角度。
として、前記セル自身による回折光の拡がり幅に相当す
る値以下とすることを特徴とする請求項3〜7の何れか
に記載の光拡散体である。
として、前記セル自身による回折光の半値全幅に相当す
る値以下とすることを特徴とする請求項3〜7の何れか
に記載の光拡散体である。
回折格子がブレーズド型回折格子であることを特徴とす
る請求項1〜9の何れかに記載の光拡散体である。
の大きさが300μm以下であることを特徴とする請求
項2〜10の何れかに記載の光拡散体である。
れかに記載の光拡散体を、光拡散体が反射機能を持つ場
合は、透光性の表示素子の背面(観察者の反対側)に、
光拡散体が透過機能を持つ場合は、透光性の表示素子の
前面(観察者側)または背面(観察者の反対側)に、そ
れぞれ配置してなることを特徴とする表示装置である。
用いた表示体)に、特定範囲の角度で光を入射すると、
回折光(主として1次回折光)が特定領域に広がって出
射する。これにより、指向性のある(入射角度および出
射角度に対して選択性のある)光拡散(光散乱)を実現
でき、表示光としての利用効率が高くなる。
(以下、「回折格子からなるセル」を「回折格子セル」
と称する)の大きさや回折格子の種類を適切に設定する
ことにより、出射光の特定領域内における分布(強度お
よび色)を均一にすることもできる。(請求項1)
領域に光を分布させるために必要な種類の回折格子セル
を空間的に並べたものを回折格子セル群とし、回折格子
セル群を空間的に並べることによる。回折格子セル群を
1つ得たら、前記セル群を繰り返して配置すれば、光拡
散体が得られることになり、光拡散体の設計が容易とな
り、作製工程についても簡便な方法を採用できる。(請
求項2)
分が一定であり、回折格子の水平方向の空間周波数成分
がそれぞれ少しずつ異なる複数種の回折格子セルから成
る回折格子セル群を用いることにより、ある波長の光に
関して、垂直方向には一定の高さで、水平方向にのみ空
間的に分布した回折光を出射することができる。すなわ
ち、容易に水平方向に伸びた線状の光を出射することが
可能である。この場合、白色光を本発明の光拡散体に入
射すると、観察者にはある波長の光のみが観察され、更
に観察者の視点移動に伴い、水平方向には特定領域で均
一に光って見え、垂直方向には虹色の観察色の変化が認
識される。(請求項3)
分が一定であり、回折格子の垂直方向の空間周波数成分
がそれぞれ少しずつ異なる複数種の回折格子セルから成
る回折格子セル群を用いることにより、ある波長の光に
関して、水平方向には一定の位置で、垂直方向にのみ空
間的に分布した回折光を出射することができる。すなわ
ち、容易に垂直方向に伸びた線状の光を出射することが
可能である。この場合、白色光を本発明の光拡散体に入
射すると、観察者には白色に光って観察され、観察者の
視点移動に伴い、水平方向には特定位置でのみ光って見
え、垂直方向には広い範囲で光って認識される。(請求
項4)
しずつ異なり、垂直方向の空間周波数成分が少しずつ異
なる、それぞれの組み合わせの回折格子のセルから成る
回折格子セル群を用いることにより、ある波長の光に関
して、水平方向・垂直方向にそれぞれ空間的に分布した
回折光を出射することができる。すなわち、容易に水平
・垂直共に分布した光を出射することが可能である。こ
の場合、白色光を本発明の光拡散体に入射すると、観察
者には白色に光って観察され、観察者の視点移動に伴
い、水平方向・垂直方向共にそれぞれ特定範囲で光って
認識される。(請求項5)
垂直方向の空間周波数成分として、下記式において回折
角βが一定間隔ずつ異なるようにすることにより、本発
明の光拡散体を観察者が手に持ち、当該方向に回転させ
る(傾ける)ような場合に、当該方向における特定領域
(特定の回転角度範囲に相当)において等しい光強度で
光って観察される。(請求項6) f=(sin α−sin β)/λ ただし、fは水平方向または垂直方向の空間周波数成
分、λは考慮する光の波長、αは当該方向における0次
回折光(透過光や正反射光)の出射角度、βは当該方向
における1次回折光の出射角度。
垂直方向の空間周波数成分として、上記式における回折
角βの正接が一定間隔ずつ異なるようにすることによ
り、本発明の光拡散体に対して観察者が視点を直線的に
移動(本発明の光拡散体の法線に垂直な面内で)するよ
うな場合に、当該移動方向における特定領域において等
しい光強度で光って観察される。(請求項7)
として、セル自身による回折光の拡がり幅に相当する値
以下とすることにより、回折格子セルを構成する回折格
子による回折光の分布の間を、セル自身の回折光の広が
りが埋めることにより、回折格子セル群からは特定領域
内でほぼ均一な光の分布(強度および色)が得られる。
この場合、比較的広い領域を特定領域とする場合でも、
回折格子セル群を構成する回折格子セルの種類が少なく
てすむ。(請求項8)
セル自身による回折光の半値全幅に相当する値以下とす
ることにより、回折格子セルを構成する回折格子による
回折光の分布の間を、セル自身の回折光の広がりが重な
り合って埋めることにより、回折格子セル群からは特定
領域内で非常に均一な光の分布(強度および色)が得ら
れる。(請求項9)
ブレーズド回折格子とすることにより、入射光から回折
光へと変換される割合を100%に近くすることも可能
であり、光の利用効率を高くできる。(請求項10)
m以下とすることにより、回折格子セル群の構造を目立
たなくすることができ、本発明の光拡散体全体を均一な
面として観察することができる。(請求項11)
を持つ場合は透光性の表示素子の背面(観察者の反対
側)に、光拡散体が透過機能を持つ場合は透光性の表示
素子の前面(観察者側)に、それぞれ配置してなる表示
装置は、表示光が上述の光拡散機能を奏することになる
ため、視域として設定した範囲(方向)から明るく均一
に光って見える。(請求項12)
の光拡散体を、透明な表示素子の背面に配置した構成の
表示装置(反射型液晶表示装置)の一例を示す説明図で
ある。同図での光拡散体は、複数種の回折格子セルから
成る回折格子セル群を並べて構成される。
向に同じ空間周波数成分を持った回折格子セルが水平方
向に並び、水平方向に同じ空間周波数成分を持った回折
格子セルが垂直方向に並んでいる。すなわち、回折格子
セルが並ぶそれぞれの行(水平方向)では、垂直方向で
の空間周波数成分が等しく、それぞれの列(垂直方向)
では、水平方向での空間周波数成分が等し憩うせいであ
る。
回折格子だけで回折格子セルを構成しても、光拡散体か
ら出射する光の強度分布を特定の空間的な領域内で均一
にすることができるため、簡便に光拡散体を作製するこ
とができる。
いくつかの回折格子セルを拡大して示す説明図である。
図2では、それぞれの回折格子セルにおける回折格子の
ピッチ(空間周波数の逆数)をDで示し、垂直方向の回
折格子のピッチ(垂直方向の空間周波数成分の逆数)を
dy で示す。
(d)(e)(f)は、それぞれの段においては垂直方
向の格子ピッチdy が共通し、段毎に垂直方向の格子ピ
ッチdyが変化していることを示している。(それぞれ
のdy に、 上段に1,下段に2の添字を付けている)
折格子セルはそれぞれDが変化しているが、回折格子の
水平方向の格子ピッチ(水平方向の空間周波数成分の逆
数)をdx とすると、D=(dx 2 +dy 2 )1/2 であ
るので、1つの段においては水平方向の空間周波数成分
のみが変化していることになる。
方向における出射方向は、主として当該方向における回
折格子の空間周波数成分に依存する。 d=λ/(sin α−sin β) ただし、dは水平方向または垂直方向の格子ピッチ、λ
は考慮する光の波長、αは当該方向における0次回折光
(透過光や正反射光)の出射角度、βは当該方向におけ
る1次回折光の出射角度である。
も適用できる。(任意の1軸に着目した際の回折光の出
射角度などを調べることができる)
体」を構成する場合について(換言すれば、回折格子セ
ルが反射型の回折格子である場合)の回折光の出射方向
を示す説明図である。
の光が入射した際に、垂直方向には、回折格子セルの垂
直方向の空間周波数成分の範囲に依存する空間的領域に
回折格子セルからの1次回折光が分布し、水平方向には
回折格子セルの水平方向の空間周波数成分の範囲に依存
する空間的領域に、回折格子セルからの1次回折光が分
布する。従って、回折格子セルの空間周波数成分の範囲
を適切に設定することにより、空間的に任意の領域に1
次回折光を分布させることができる。
方向/垂直方向の空間周波数成分の差異に適切な値を設
定しておくことにより、空間的な回折光分布を均一にす
ることが可能である。
自身による回折(セルを開口と見なすことに相当する回
折)が起こるため、図1,図2のような直線状の回折格
子セルであっても、1つの回折格子セルからの1次回折
光はある程度の空間的広がりを持って出射される。
拡散体)からの回折光分布は非常に均一にすることが可
能となる。これは、回折格子セルの大きさが数〜数十μ
m角のときに最も効果的に機能する。
分布については、多くの場合、セルの形が矩形であると
きはsinc関数、セルの形が円形であるときは第1種第1
次のベッセル関数で近似できることがよく知られてい
る。
による回折による光の広がりに対して半値全幅を広がり
幅として設定することで、本発明の拡散体から十分均一
な光の分布(強度および色)が得られる。図4は、上記
のことを示す説明図である。
い空間領域としたとき、例えば2つの回折格子セル
(a)と(b)が半値全幅を基準に重なり合い、結果と
して、2つの回折格子セルからの総合的な回折光分布は
領域A内を均一に広がったものとなる。同様にして、回
折格子セル群からの回折光の分布を任意の領域で均一に
広がったものとすることが可能である。なお、一般的な
光源は、ある程度の大きさを持つので、実際には更に均
一な分布が得られる。
多い場合、図5のように、これらのセル自身による回折
による光の広がりに対して理論的に最初に強度が0にな
る位置を広がりの幅として設定しても、十分な均一さが
得られる。これらは、上記式から容易に類推されるよう
に、光の入射角度幅が1つの回折格子セルからの回折光
分布の広がりと密接に関係していることによる。
ブレーズド回折格子(回折格子の断面形状が鋸波状)と
することにより、入射光に対する1次回折光の割合を1
00%に近くすることが可能であり、入射光の利用効率
を高くできる。
セルの空間周波数成分が適切に設定されていれば、波長
に依らず、本発明の拡散体からの1次回折光がほぼ同じ
空間的な領域に分布するので、本発明の拡散体は良好な
白色として観察される。
空間周波数成分が対応するようにすると、4つ以上の波
長のピークが同時に観察され、視点位置の変化に対して
非常に安定した白色を呈することが可能である。
空間的領域に光がほぼ均一に分布しているとき、観察者
がこの特定領域内に視点を置いて、本発明の光拡散体を
観察すると、回折格子セル群がそれぞれ光って見えるこ
とになる。従って、回折格子セル群が観察者の眼の分解
能以下の配置間隔で並べられていれば、観察者は個々の
回折格子セル群を認識できず、本発明の光拡散体全体が
均一に光って見えることになる。
した場合でも、光拡散体全体が均一に光ったまま認識さ
れる。具体的には、視力1.0の観察者が1.0mほど
離れて観察する場合、回折格子セル群の配置間隔は30
0μm程度、同じ観察者が0.3mほど離れて観察する
場合、回折格子セル群の配置間隔は100μm程度で観
察者には回折格子セル群の配置構造が認識できず、本発
明の光拡散体全体が均一に光って見える。
関して説明したが、2次以上の回折光でも同様の効果が
得られる。さらに、2次以上の回折光が十分な回折効率
で出射するような場合(例えば、回折格子が矩形形状の
断面形状を持つ場合など)、ある方向の回折格子セルの
空間周波数成分を、空間周波数成分の最も高い回折格子
からの1次回折光と空間周波数成分の最も低い回折格子
からの2次回折光が連続的に分布するように設定する
と、1次回折光による空間的な分布領域と2次回折光に
よる空間的な分布領域が連続的になり、空間的な分布領
域を広くすることも可能である。
で出射角度を計算することができる。 f=(sin α−sin β)/mλ ただし、mは当回折次数である。
リーフ型に代表される「位相型」の回折格子か、濃度表
現による「振幅型」の回折格子などのどのような種類の
回折格子を用いても良い。ただし、回折効率(光の利用
効率)の面などから、ブレーズド回折格子などを用いる
のが好ましい。なお、一般的にブレーズド回折格子は特
定波長について最適化したものであるが、緑色〜黄色に
相当する波長で最適化して設計していれば、可視波長範
囲に亘って十分な回折効率が得られる。
て、体積型のものが代表されるが、回折格子自体が感光
材料であるため、コストが高く、耐久性にも問題を有す
る。また、表面レリーフ型に代表される「位相型」の回
折格子として、ブレーズド回折格子の場合には、回折効
率が100%に近く、充分な光学機能および耐久性の双
方が満足されるとともに、光拡散体が極めて低コストで
提供される。
の拡散領域(出射方向・範囲)を限定すると共に、その
領域内に高効率に光を出射することができ、また、その
領域内で均一にすることが可能であり、観察時にはその
領域内から観察すると、明るく全体が均一に光って認識
されるようにすることが可能である。また、観察者が視
点を移動しても、その領域内に視点がある限り、安定し
て光って観察できる。加えて十分な白色として観察者に
認識させることも可能である。このように、出射光の拡
散特性に異方性(方向や範囲の選択性)を持ち、観察者
の位置・方向に応じて表示光の色が変化して視覚される
ことのない光拡散体とそれを用いた表示装置が提供され
ることになる。
配置した構成の表示装置(反射型液晶表示装置)の一例
を示す説明図。
折格子セルを拡大して示す説明図。
場合についての回折光の出射方向を示す説明図。
り、本発明の拡散体から十分均一な光の分布(強度およ
び色)が得られることを示す説明図。
の回折光分布の和を示す説明図。
Claims (12)
- 【請求項1】入射光を拡げて反射または透過させる機能
を持つ光拡散体において、 複数種類の回折格子からなるセルを基板表面に配置して
なり、 前記セルとして、垂直方向の空間周波数成分と水平方向
の空間周波数成分が、拡散光を分布させる空間的領域に
対応する範囲内にある回折格子からなるセルを用いるこ
とを特徴とする光拡散体。 - 【請求項2】垂直方向の空間周波数成分,水平方向の空
間周波数成分の少なくとも何れかが異なる複数種類の回
折格子からなるセルを並べて回折格子セル群とし、 前記回折格子セル群を基板表面に並べて配置してなるこ
とを特徴とする請求項1記載の光拡散体。 - 【請求項3】垂直方向の空間周波数成分が一定であり、
水平方向の空間周波数成分がそれぞれ少しずつ異なる複
数種類の回折格子からなるセルにより構成される回折格
子セル群を用いることを特徴とする請求項1または2に
記載の光拡散体。 - 【請求項4】水平方向の空間周波数成分が一定であり、
垂直方向の空間周波数成分がそれぞれ少しずつ異なる複
数種類の回折格子からなるセルにより構成される回折格
子セル群を用いることを特徴とする請求項1または2に
記載の光拡散体。 - 【請求項5】水平方向および垂直方向の空間周波数成分
が、それぞれ少しずつ異なる複数種類の回折格子からな
るセルの組み合わせにより構成される回折格子セル群を
用いることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡
散体。 - 【請求項6】複数種類の回折格子の水平方向・垂直方向
の空間周波数成分として、下記式において回折角βが一
定間隔ずつ異なることを特徴とする請求項1〜5の何れ
かに記載の光拡散体。 f=(sin α−sin β)/λ ただし、fは水平方向または垂直方向の空間周波数成
分、λは考慮する光の波長、αは当該方向における0次
回折光(透過光や正反射光)の出射角度、βは当該方向
における1次回折光の出射角度。 - 【請求項7】複数種類の回折格子の水平方向・垂直方向
の空間周波数成分として、下記式における回折角βの正
接が一定間隔ずつ異なることを特徴とする請求項1〜5
の何れかに記載の光拡散体。 f=(sin α−sin β)/λ ただし、fは水平方向または垂直方向の空間周波数成
分、λは考慮する光の波長、αは当該方向における0次
回折光(透過光や正反射光)の出射角度、βは当該方向
における1次回折光の出射角度。 - 【請求項8】空間周波数成分の差異として、前記セル自
身による回折光の拡がり幅に相当する値以下とすること
を特徴とする請求項3〜7の何れかに記載の光拡散体。 - 【請求項9】空間周波数成分の差異として、前記セル自
身による回折光の半値全幅に相当する値以下とすること
を特徴とする請求項3〜7の何れかに記載の光拡散体。 - 【請求項10】前記セルを構成する回折格子がブレーズ
ド型回折格子であることを特徴とする請求項1〜9の何
れかに記載の光拡散体。 - 【請求項11】前記回折格子セル群の大きさが300μ
m以下であることを特徴とする請求項2〜10の何れか
に記載の光拡散体。 - 【請求項12】請求項1〜11の何れかに記載の光拡散
体を、 光拡散体が反射機能を持つ場合は、透光性の表示素子の
背面(観察者の反対側)に、 光拡散体が透過機能を持つ場合は、透光性の表示素子の
前面(観察者側)または背面(観察者の反対側)に、 それぞれ配置してなることを特徴とする表示装置。
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---|---|---|---|
JP11066573A JP2000266914A (ja) | 1999-03-12 | 1999-03-12 | 光拡散体およびそれを用いた表示装置 |
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Cited By (18)
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